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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107442
(43)【公開日】2022-07-21
(54)【発明の名称】アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/20 20220101AFI20220713BHJP
   B01F 25/20 20220101ALI20220713BHJP
   B01F 25/40 20220101ALI20220713BHJP
   B01F 35/00 20220101ALI20220713BHJP
【FI】
B01F3/04 Z
B01F5/02 Z
B01F5/06
B01F15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021002395
(22)【出願日】2021-01-08
(71)【出願人】
【識別番号】502267800
【氏名又は名称】株式会社かいわ
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(72)【発明者】
【氏名】山添 重幸
(72)【発明者】
【氏名】石井 真
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4G035AB05
4G035AB20
4G035AC17
4G035AC26
4G035AE13
4G035AE17
4G037DA30
4G037EA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、微細気泡発生ノズルから排出される液体の流出速度を抑えつつ、微細気泡の発生音が確認することができるアタッチメントを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一態様に係るアタッチメントは、微細気泡を含む液体を生成し、前記液体を吐出する吐出口を有する微細気泡発生ノズルに用いられるアタッチメントであって、前記吐出口と前記液体の吐出方向で一定の間隔を空けて対向配置され、少なくとも前記吐出口の開口面積よりも大きい面積を有する遮蔽板と、前記遮蔽板と前記吐出口との間に設けられ、前記吐出口及び前記遮蔽板の周囲を取り囲むように形成されている筒部と、前記遮蔽板に設けられ、前記液体を排出する排出口と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細気泡を含む液体を生成し、前記液体を吐出する吐出口を有する微細気泡発生ノズルに用いられるアタッチメントであって、
前記吐出口と前記液体の吐出方向で一定の間隔を空けて対向配置され、少なくとも前記吐出口の開口面積よりも大きい面積を有する遮蔽板と、
前記遮蔽板と前記吐出口との間に設けられ、前記吐出口及び前記遮蔽板の周囲を取り囲むように形成されている筒部と、
前記遮蔽板に設けられ、前記液体を排出する排出口と、
を備えるアタッチメント。
【請求項2】
前記遮蔽板は、前記筒部の端部に設けられている、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記筒部は、第1筒部及び第2筒部を有し、
前記遮蔽板は、前記第1筒部と、前記第2筒部との間に設けられている、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項4】
透過性を有する樹脂で形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロバブル(ファインバブル)またはナノバブル(ウルトラファインバブル)と称される「微細気泡」が多くの用途に応用され、種々の微細気泡発生機構(以下、「微細気泡発生ノズル」ともいう)が提案されている。一般的に、微細気泡は、1μm未満の気泡のことを意味するとされている。
例えば、微細気泡を一定量含む水は、微細気泡による洗浄効果とともに、微細気泡が圧壊する時に出す超音波等による洗浄効果があるとされている。また、微細気泡を一定量含む水は、植物成長促進や、金属加工等の加工効率が向上することも確認されている。
【0003】
特許文献1は、管路形状の微細気泡発生機構に絞り孔を設けている。特許文献1では、絞り孔を液体が通過する際に、液体が高流速化し、ベルヌーイの定理に由来して生じる減圧効果によって、液体中の残存空気を微細気泡として析出させている。このような方式は、いわゆるキャビテーション方式と称される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-147901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、キャビテーション方式の微細気泡発生機構は、液体が高流速化したまま排出されることから、対象物に流出速度の速い水が衝突すると、水撥ねや、対象物に損傷が発生する恐れがあった。
【0006】
また、特許文献1に記載の微細気泡発生機構は、液体が一方向に流れるのみであり、微細気泡が実際に発生していることを確認することが難しかった。
【0007】
そこで、本発明は、微細気泡発生ノズルから排出される液体の流出速度を抑えつつ、微細気泡の発生音を確認することができるアタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るアタッチメントは、微細気泡を含む液体を生成し、前記液体を吐出する吐出口を有する微細気泡発生ノズルに用いられるアタッチメントであって、前記吐出口と前記液体の吐出方向で一定の間隔を空けて対向配置され、少なくとも前記吐出口の開口面積よりも大きい面積を有する遮蔽板と、前記遮蔽板と前記吐出口との間に設けられ、前記吐出口及び前記遮蔽板の周囲を取り囲むように形成されている筒部と、前記遮蔽板に設けられ、前記液体を排出する排出口と、を備える。
【0009】
本態様によれば、微細気泡発生ノズルの吐出口から吐出された微細気泡を含む液体は、遮蔽板に衝突することで、液体の吐出速度が減衰する。そして、遮蔽板に衝突した液体は、吐出方向とは反対方向に跳ね返ることで液体の流れが変化する。遮蔽板において、液体が跳ね返る際に、排出口において外部から空気が取り込まれる。そして、遮蔽板において流れが変化した液体及び排出口から取り込まれた空気は、微細気泡発生ノズル及びアタッチメントの内部で撹拌される。
よって、本態様によれば、アタッチメントから排出される液体の流出速度を抑えることができる。
また、本態様によれば、微細気泡発生ノズル及びアタッチメントの内部で液体が撹拌されることで、音が共鳴するため、微細気泡の発生音を確認することができる。排出口から取り込まれた空気は、微細気泡発生ノズル及びアタッチメントの内部で大きな気泡(ミリバブル)として存在することで、微細気泡発生ノズル及びアタッチメントの内部の液体の撹拌がより穏やかになるため、排出口から排出される液体による水撥ね防止に寄与する。
さらに、本態様によれば、より多くの微細気泡を液体に含ませることができる。
【0010】
上記態様のアタッチメントにおいて、前記遮蔽板は、前記筒部の端部に設けられていてもよい。
【0011】
本態様によれば、アタッチメントの内部の体積がより広くなる。そのため、アタッチメントの内部における液体の撹拌により、アタッチメントの内部に充填されている液体をより撹拌することができるので、排出される液体の流出速度をより抑えることができる。
また、上記構成によれば、微細気泡発生装置を大型化することなく、液体を攪拌するスペースを十分確保することができる。つまり、上記構成によれば、微細気泡発生ノズルの内部とアタッチメントの内部とが連通されているので、微細気泡発生装置全体として、小型ながら攪拌スペースを最大限確保できる。さらに、微細気泡の発生音がより共鳴しやすい。
【0012】
上記態様のアタッチメントにおいて、前記筒部は、第1筒部及び第2筒部を有し、前記遮蔽板は、前記第1筒部と、前記第2筒部との間に設けられていてもよい。
【0013】
本態様によれば、第1筒部内部で撹拌された液体は、遮蔽板の排出口から吐出された後、第2筒部内部で撹拌されてから外部に排出される。液体が、第1筒部と、第2筒部との2段階で撹拌されるため、撹拌させる液体の量を調節しつつ、第2筒部から流出する液体の流出方向を調節することができる。
また、本態様によれば、2部屋(第1筒部、第2筒部)に分けて液体を2度停留させることで、液体の吐出の勢いを抑えるので、アタッチメントからより穏やかに液体を吐出できる。
【0014】
上記態様のアタッチメントは、透過性を有する樹脂で形成されていてもよい。
【0015】
本態様によれば、アタッチメントの外部から、アタッチメントの内部が視認できるため、微細気泡の発生状態が確認できる。
【発明の効果】
【0016】
微細気泡発生ノズルから排出される液体の流出速度を抑えつつ、微細気泡の発生音が確認することができるアタッチメントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るアタッチメントを備える微細気泡発生装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るアタッチメントを備える微細気泡発生装置の分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るアタッチメントの平面視図である。
図4図2に示す微細気泡発生装置のIV-IV断面に対応する断面図である。
図5】本発明に係るアタッチメントの変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0019】
[微細気泡発生装置1]
図1は、微細気泡発生装置1の斜視図である。図2は、微細気泡発生装置1の分解斜視図である。
図1に示すように、微細気泡発生装置1は、例えば、手洗い用の蛇口や洗濯機用の蛇口シャワー等である流出口6にホース部5を介して取り付けられる。図1では、説明を分かりやすくするために蛇口(流出口6)やホース部5の縮尺を適宜変更している。流出口6と、ホース部5とは、直接取り付けられていてもよく、ワンタッチカプラー等を介して取り付けられていてもよい。
微細気泡発生装置1は、流出口6から流入される液体から微細気泡を含む液体を生成し、この液体を吐出する装置である。微細気泡発生装置1は、微細気泡を含む液体を生成する微細気泡発生ノズル2と、微細気泡発生ノズル2に取り付けられるアタッチメント3と、を備える。図1および図2に示すように、微細気泡発生ノズル2と、アタッチメント3とは、複数のねじ4で固定されている。本実施形態において、液体は、水であることが好ましいが、酸素が溶存する液体であればよい。
【0020】
微細気泡発生装置1は、透過性を有する樹脂で形成されていることが好ましい。微細気泡発生装置1が備える微細気泡発生ノズル2及びアタッチメント3のうち、少なくともアタッチメント3は、透過性を有する樹脂で形成されていることが好ましい。
【0021】
<微細気泡発生ノズル2>
微細気泡発生ノズル2は、ホース部5から流れ込む液体中に微細気泡を発生させる、いわゆるキャビテーション方式の微細気泡発生機構である。
微細気泡発生ノズル2は、ホース部5に接続され、ホース部5から流れ込む液体の流路となる流路部21と、流路部21から流れる液体を減圧する減圧部22と、減圧部22から液体が吐出される吐出口23と、減圧部22の周囲を取り囲む壁部25と、壁部25の内側面に当接するねじ止め部26と、ねじ止め部26及び減圧部22の間に設けられた内壁27と、を備える。
【0022】
流路部21は、円筒形の部材である。この流路部21の一端に、ホース部5が固定され、流路部21の一端から他端に向かって液体が流れる。流路部21の他端は、この他端に向かうに従って漸次縮径形成された縮径部21aを有する。流路部21の他端に、減圧部22が一体成形されている。
【0023】
減圧部22は、流路部21と同軸上に設けられた円筒形の部材である。減圧部22の一端は、縮径部21a(図4参照)に滑らかに接続されている。減圧部22は、他端に向かうに従って漸次拡径形成されている。減圧部22の他端が、吐出口23として構成される。
【0024】
吐出口23の内径は、流路部21の内径よりも十分小さい。ホース部5から流れ込んだ液体が、流路部21および減圧部22を介して吐出口23から吐出される。減圧部22は、流路部21と同軸上に設けられているので、流路部21および減圧部22の中心軸と、液体の吐出方向D1とは一致する。
【0025】
壁部25は、減圧部22の一端から径方向に設けられた上壁部25aと、上壁部25aの外側端部から吐出方向D1に向かって設けられた6つの側壁部25bとを有する。吐出方向D1(軸方向)から見て壁部25は、六角形である。
【0026】
壁部25を構成する6つの側壁部25bのうち、少なくとも1つの側壁部25bには、吐出方向D1に直交する方向(図2におけるD2)で壁部25の外部と減圧部22の内部とを連通する空気孔24が形成されている。空気孔24は、減圧部22を流れる液体に微細気泡を含ませるためのものである(詳細は後述する)。本実施形態において、空気孔24は、栓24aにより、封止されている。
【0027】
壁部25の内側には、吐出方向D1に沿って複数のねじ止め部26が設けられている。具体的に、壁部25を形成する6つの側壁部25bにおいて、3つの側壁部25bの内側の中央部にねじ止め部26が設けられている。ねじ止め部26が設けられている側壁部25bは、ねじ止め部26が設けられていない側壁部25bに隣り合うように、1つおきに設けられている。ねじ止め部26が設けられている側壁部25bは、空気孔24が設けられている側壁部25b以外の側壁部25bに設けられている。
【0028】
ねじ止め部26と減圧部22との間には、径方向及び軸方向に沿って内壁27が設けられている。内壁27は、1つのねじ止め部26に対して1つ設けられている。このため、軸方向からみて三つ又状に内壁27が配置されている。減圧部22と、壁部25(上壁部25a及び側壁部25b)と、ねじ止め部26と、内壁27とで3つの第1スペーサ部S1を形成している。
【0029】
<アタッチメント3>
図1に示すように、アタッチメント3は、微細気泡発生ノズル2に対して吐出方向D1に設けられている。
図3は、アタッチメント3を吐出方向D1から見た平面視図であり、アタッチメント3の内部を示す。図2及び図3に示すように、アタッチメント3は、吐出方向D1で一定間隔をあけて配置された板状の遮蔽板31と、遮蔽板31の外周縁から微細気泡発生ノズル2に向かって立ち上がる筒部32と、を備える。
遮蔽板31は、遮蔽部33と、遮蔽部33の周囲を取り囲むように形成された排出口34と、ねじ孔35と、を備える。
【0030】
遮蔽部33は、少なくとも吐出口23の開口面積よりも大きい面積を有する。遮蔽部33は、吐出方向D1に向かって平面視で、吐出口23と重なり合う位置に設けられている。
排出口34は、吐出方向D1に開孔している。本実施形態において、排出口34は、4重の略円状となるように設けられている。
ねじ孔35は、遮蔽板31に複数設けられている。本実施形態において、ねじ孔35は、遮蔽板31に3つ設けられている。ねじ孔35は、吐出方向D1に開口している。
【0031】
筒部32は、遮蔽板31と、吐出口23との間に、吐出方向D1に亘って設けられている。また、筒部32は、6つの側壁部32aからなる。吐出方向D1(軸方向)から見て筒部32は、壁部25と同様に、六角形である。筒部32の一端は、壁部25の他端と滑らかに連結する構成で形成される。筒部32の一端は、壁部25の他端との間で水漏れが生じないよう、一連の突起が設けられてもよい。
【0032】
本実施形態において、筒部32は、遮蔽板31の端部に設けられている。具体的に、筒部32は、遮蔽板31の他端に設けられている。遮蔽板31と、筒部32とにより、第2スペーサ部S2を形成している。
筒部32の内側には、ねじ通路36が設けられている。ねじ通路36は、遮蔽板31に設けられたねじ孔35と、微細気泡発生ノズル2に設けられたねじ止め部26との間に設けられている。
【0033】
図2に示すように、遮蔽板31の微細気泡発生ノズル2とは反対側からねじ4をねじ孔35に挿入し、微細気泡発生ノズル2のねじ止め部26にねじ4を螺合させる。これにより、微細気泡発生ノズル2とアタッチメント3とが一体化される。
【0034】
[作用効果]
図4は、図2に示す微細気泡発生装置1のIV-IV断面に対応する断面図である。微細気泡発生装置1内の液体の動きを実線矢印で示し、微細気泡発生装置1内に取り込まれる空気の動きを白抜き矢印で示す。
【0035】
微細気泡発生装置1が備える微細気泡発生ノズル2は、ベルヌーイの定理に由来して生じる減圧効果によって、液体中の残存空気を微細気泡として析出させることができる。
減圧部22の内径は、流路部21の内径よりも十分小さいため、減圧部22中の液体は、流路部21中の液体よりも減圧される。ベルヌーイの定理によれば、流体の圧力が下がると、流体の速度が増加するため、減圧部22を通過する液体の流速は、流路部21を通過する液体の流速よりも大きくなる。
つまり、流路部21中の液体の運動エネルギーv及び圧力エネルギーpの和と、減圧部22中の流体の運動エネルギーv及び圧力エネルギーpの和とは、一定になる(v+p=v+p)。なお、位置エネルギーzは、無視できるほど小さいため省略している。
よって、減圧部22の内径は、流路部21の内径よりも十分小さいため、減圧部22において、減圧された液体中の残存空気を微細気泡として析出させることができる。
【0036】
一般的に、微細気泡は、液体中での上昇速度が非常に遅いため、減圧部22において析出した微細気泡は、そのまま液体中に留まる。減圧部22で生成した微細気泡を含有する液体は、吐出口23から吐出する。
【0037】
微細気泡発生ノズル2の吐出口23から吐出された微細気泡を含む液体は、遮蔽板31の遮蔽部33に衝突することで、液体の吐出速度が減衰する。そして、遮蔽部33に衝突した液体は、吐出方向D1とは反対方向に跳ね返ることで液体の流れが変化する。遮蔽部33において、液体が跳ね返る際に、排出口34において外部から空気が取り込まれる。そして、遮蔽部33において流れが変化した液体及び排出口34から取り込まれた空気は、第1スペーサ部S1及び第2スペーサ部S2で撹拌された後、排出口34から流出する。
【0038】
上記構成によれば、アタッチメント3から排出される液体の流出速度を抑えることができる。
また、上記構成によれば、第1スペーサ部S1及び第2スペーサ部S2で液体が撹拌されることで、音が共鳴するため、微細気泡の発生音を確認することができる。排出口34から取り込まれた空気は、第1スペーサ部S1及び第2スペーサ部S2で大きな気泡(ミリバブル)として存在することで、第1スペーサ部S1及び第2スペーサ部S2の液体の撹拌がより穏やかになるため、排出口34から排出される液体による水撥ね防止に寄与する。
さらに、より多くの微細気泡を液体に含ませることができる。
【0039】
したがって、上記構成によれば、アタッチメント3から排出される液体の流出速度を抑えつつ、微細気泡の発生音が確認することができる。
【0040】
本実施形態において、遮蔽板31は、筒部32の端部に設けられている。
上記構成によれば、第2スペーサ部S2の体積がより広くなる。そのため、第2スペーサ部S2における液体の撹拌により、第2スペーサ部S2に充填されている液体をより撹拌することができるので、排出される液体の流出速度をより抑えることができる。
また、上記構成によれば、微細気泡発生装置1を大型化することなく、液体を攪拌するスペースを十分確保することができる。
また、第1スペーサ部S1と第2スペーサ部S2とが連通されているので、微細気泡発生装置1全体として、小型ながら攪拌スペースを最大限確保できる。さらに、微細気泡の発生音がより共鳴しやすい。
【0041】
本実施形態において、アタッチメント3は、透過性を有する樹脂で形成されている。
上記構成によれば、アタッチメント3の外部から、アタッチメント3の内部が視認できるため、微細気泡の発生状態(キャビテーションの発生状態)が確認できる。
【0042】
本実施形態において、壁部25を形成する6つの側壁部25bのうち、3つの側壁部25bの内側の中央部にねじ止め部26が設けられている。このため、各側壁部25bの連結部(角部)にねじ止め部26を形成する場合と比較して、側壁部25bの肉厚が極端に厚くなる箇所が形成されてしまうことを防止できる。よって、アタッチメント3を樹脂成形する場合の熱ヒケを抑制でき、アタッチメント3の成形精度を向上できる。
【0043】
[変形例]
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0044】
図5は、変形例のアタッチメント103を示す。
本実施形態において、遮蔽板31が、筒部32の端部に設けられている構成について説明したが、この構成に限られない。図5に示すように、筒部32は、第1筒部132a及び第2筒部132bを有し、遮蔽板31は、第1筒部132aと、第2筒部132bとの間に設けられていてもよい。このとき、液体が外部に排出されるために、第2筒部132bの他端に円筒形の排出口134を設けてもよい。
当該構成を有することにより、第1筒部132a内部で撹拌された液体は、遮蔽板31の排出口34から吐出された後、第2筒部132b内部で撹拌されてから排出口134より排出される。液体が、第1筒部132aと、第2筒部132bとの2段階で停留するため、撹拌させる液体の量を調節しつつ、第2筒部から流出する液体の流出方向を調節することができる。
また、当該構成を有することにより、2部屋(第1筒部132a、第2筒部132b)に分けて液体を2度停留させることで、液体の吐出の勢いを抑えるので、アタッチメント103からより穏やかに液体を吐出できる。
【0045】
本実施形態において、空気孔24は、栓24aにより、封止されている構成について説明したが、この構成に限られない。空気孔24は、栓24a等により、封止されていなくてもよい。空気孔24は、開放されていてもよい。空気孔24が開放されている場合、微細気泡発生ノズル2は、いわゆるキャビテーション方式の微細気泡発生機構ではなく、エゼクター方式の微細気泡発生機構となる。なお、空気孔24は、設けなくてもよい。
空気孔24と、減圧部22とは、連通している。そのため、空気孔24が開放されている場合、減圧部22を通過する液体の圧力と、外気の圧力との差を利用して、減圧部22を通過する液体中に空気を引き込むことができる。
【0046】
空気孔24は、圧縮機等に接続されてもよい。当該構成により、空気孔24から減圧部22に対して、圧縮機等で加圧された空気が流入させることができる。減圧部22において、液体中の残存空気以外の空気が液体中に流入すると、析出する微細気泡を増加させることができる。圧縮機等から空気孔24に流入させる空気は、バルブ等で流量を調節してもよい。圧縮機等から空気孔24に流入させる空気は、気体であればよく、オゾンでもよい。オゾンを空気孔24に流入させると、微細発泡による除菌・殺菌効果が向上する。
当該構成により、より多くの微細発泡を発生させることができる。
【0047】
本実施形態において、微細気泡発生ノズル2と、アタッチメント3とは、複数のねじ4で固定されている構成について説明したが、これに限られない。微細気泡発生ノズル2と、アタッチメント3とが固定されていれば、ねじ4は、1つでもよい。微細気泡発生ノズル2と、アタッチメント3とは、接着剤で固定されていてもよい。接着剤を用いる場合、微細気泡発生装置1は、ねじ止め部26、ねじ孔35、およりねじ通路36を設けなくてもよい。
【0048】
本実施形態において、微細気泡発生装置1は、第1スペーサ部S1及び第2スペーサ部S2を有する構成について説明したが、これに限られない。微細気泡発生装置1は、少なくともアタッチメント3の第2スペーサ部S2を有していればよい。
【0049】
本実施形態において、筒部32の断面は、六角形である構成について説明したが、これに限られない。筒部32として強度を担保できる形状であれば、どのような形状でも採用することができる。例えば、筒部32は、円筒形、六角形以外の多角形であってもよい。
【0050】
本実施形態において、排出口34は、遮蔽部33の周囲に複数設けられている構成について説明したが、これに限られない。例えば、排出口34は、筒部32に設けられてもよい。
本実施形態において、排出口34は、4重の略円状となるように設けられている構成について説明したが、これに限られない。排出口34は、液体を外部に排出し、外部の空気をアタッチメント3内に取り込む構成を有していればよい。排出口34の形状は、円形、多角形等、どのような形状であってもよい。
【符号の説明】
【0051】
2…微細気泡発生ノズル
3、103…アタッチメント
23…吐出口
31…遮蔽板
32…筒部
34、134…排出口
132a…第1筒部
132b…第2筒部
D1…吐出方向
図1
図2
図3
図4
図5