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特開2022-107524ツインスピンドル加工のモーションコントロール方法、ツインスピンドル加工機及びコンピュータプログラム製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107524
(43)【公開日】2022-07-21
(54)【発明の名称】ツインスピンドル加工のモーションコントロール方法、ツインスピンドル加工機及びコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/18 20060101AFI20220713BHJP
   B23Q 15/00 20060101ALI20220713BHJP
   B23C 1/04 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
G05B19/18 C
B23Q15/00 J
B23C1/04
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022000810
(22)【出願日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】110100899
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522008333
【氏名又は名称】仁一生醫股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Renyi Medical Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】簡維志
(72)【発明者】
【氏名】▲ラァィ▼孟隆
【テーマコード(参考)】
3C269
【Fターム(参考)】
3C269AB05
3C269BB05
3C269CC02
3C269CC13
3C269CC15
3C269EF20
3C269MN08
3C269QB06
(57)【要約】
【課題】ツインスピンドル加工のモーションコントロール方法、ツインスピンドル加工機とコンピュータプログラム製品を提供することを課題とする。
【解決手段】本出願は、ツインスピンドル加工用のモーションコントロール方法及びツインスピンドル加工機を開示する。制御装置は、各々第1及び第2制御データに基づいてセグメンテーション及びチェックポイント設定のデータ再編成を行い、第1及び第2コマンドシーケンスを対応して形成することで、2つのモーションコントロールカードを同時に制御し、モーションコントロールカードのバックエンドに結合された2つの加工装置はワークの互いに反対側に加工プロセスを実施させることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1制御データ及び第2制御データに基づきワークの互いに反対側にある第1加工装置及び第2加工装置に対して対応的な制御を行うために用いられ、前記第1加工装置及び前記第2加工装置は、送り軸上で相移動してワークに対して加工プロセスを実行する第1加工工具及び第2加工工具を有するツインスピンドル加工のモーションコントロール方法であって、前記モーションコントロール方法は、
前記第1制御データを複数の第1セグメント制御データに分割させ、前記第2制御データを複数の第2セグメント制御データに分割させる分割ステップと、
隣り合う前記第1セグメント制御データの間に第1チェックポイントを各々挿入して第1コマンドシーケンスを生成し、隣り合う前記第2セグメント制御データの間に第2チェックポイントを各々挿入して第2コマンドシーケンスを生成するチェックポイント設定ステップと、
前記第1コマンドシーケンスを第1モーションコントロールカードに順次出力させて、前記第1モーションコントロールカードに結合された第1加工装置を対応して制御することができ、前記第2コマンドシーケンスを第2モーションコントロールカードに順次出力させて前記第2モーションコントロールカードに結合された第2加工装置対応して制御する制御ステップとを含み、
ここで前記制御ステップは、出力された前記第1コマンドシーケンス又は前記第2コマンドシーケンスがいずれかのチェックポイントに到達した時、後続のコマンド出力を停止し、出力された別のコマンドシーケンスもいずれかのチェックポイントに到達した後で、2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを対応するモーションコントロールカードに出力し続けるようにさせる協働メカニズムを含むモーションコントロール方法。
【請求項2】
各前記制御データは、複数の工具番号データと、対応する加工経路データとを含み、前記分割ステップで分割された各セグメント制御データでは、各前記セグメント制御データ内にある工具番号データが同じである請求項1に記載のモーションコントロール方法。
【請求項3】
前記第1加工装置、前記第2加工装置及び1つの回転軸を有する架台を制御するために用いられ、前記架台は前記ワークを支持するために用いられ、前記モーションコントロール方法は、前記制御ステップにおいて前記第1モーションコントロールカードはマスターと見なされ、前記第2モーションコントロールカードがスレーブと見なされ、前記回転軸の回転制御データがこれら前記第1セグメント制御データの少なくとも1つであり、出力された前記第1コマンドシーケンスが前記回転制御データに到達した時、前記スレーブとしての前記第2モーションコントロールカードを待機させ、前記回転制御が完了した後で、前記第2モーションコントロールカードの待機を解除し、2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを対応するモーションコントロールカードに出力し続けるステップをさらに含む請求項1に記載のモーションコントロール方法。
【請求項4】
前記回転軸は、前記送り軸に垂直である請求項3に記載のモーションコントロール方法。
【請求項5】
前記第1加工装置、前記第2加工装置及び2つの回転軸を有する架台を制御するために用いられ、前記架台は前記ワークを支持するために用いられ、前記モーションコントロール方法は前記制御ステップにおいて前記第1モーションコントロールカードはマスターと見なされ、前記第2モーションコントロールカードがスレーブと見なされ、前記2つの回転軸の回転制御データがこれら前記第1セグメント制御データの少なくとも1つであり、出力された前記第1コマンドシーケンスが前記回転制御データに到達した時、前記スレーブとしての前記第2モーションコントロールカードを待機させ、前記回転制御が完了した後で、前記第2モーションコントロールカードの待機を解除し、2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを対応するモーションコントロールカードに出力し続けるステップをさらに含む請求項1に記載のモーションコントロール方法。
【請求項6】
前記2つの回転軸は、各々前記送り軸に垂直であり、かつ前記2つの回転軸が互いに垂直である請求項5に記載のモーションコントロール方法。
【請求項7】
ツインスピンドルを制御してワークの互いに反対側で同時に前記ワークに対して加工プロセスを行うコンピュータプログラムを格納するためのコンピュータプログラム製品であって、コンピュータに前記コンピュータプログラムがロードされ、第1制御データ及び第2制御データが入力され、前記コンピュータプログラムが実行されると、請求項1~6のいずれか一項に記載のモーションコントロール方法を完了させることができるコンピュータプログラム製品。
【請求項8】
第1制御データ及び第2制御データに基づいてワークに対し加工プロセスを実施するツインスピンドル加工機であって、前記ツインスピンドル加工機は、
前記ワークを固定するための架台と、
前記架台の一側に設けられ、送り軸上で移動される第1加工工具を備える第1加工装置と、
前記架台の他側に設けられ、前記送り軸上で移動される第2加工工具を備える第2加工装置と、
前記第1加工装置に結合された第1モーションコントロールカードと、
前記第2加工装置に結合された第2モーションコントロールカードと、
各々前記第1モーションコントロールカード及び前記第2モーションコントロールカードに結合され、前記第1制御データを複数の第1セグメント制御データに分割し、各セグメント間に第1チェックポイントを挿入して第1コマンドシーケンスを形成し、前記第2制御データを複数の第2セグメント制御データに分割し、各セグメント間に第2チェックポイントを挿入して第2コマンドシーケンスを形成し、前記第1コマンドシーケンスを前記第1モーションコントロールカードに順次出力させて前記第1加工装置を制御し、前記第2コマンドシーケンスを前記第2モーションコントロールカードに順次出力させて前記第2加工装置を制御する制御装置とを備え、
ここで、出力された前記第1コマンドシーケンス又は前記第2コマンドシーケンスがいずれかのチェックポイントに到達した時、前記制御装置は後続のコマンド出力を停止し、出力された別のコマンドシーケンスもいずれかのチェックポイントに到達した後で、2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを出力し続けるようにさせるツインスピンドル加工機。
【請求項9】
各前記制御データは、複数の工具番号データと、対応する加工経路データとを含み、前記制御装置は分割された各セグメント制御データ内に同じ工具番号データを持たせる請求項8に記載のツインスピンドル加工機。
【請求項10】
前記第1加工装置及び前記第2加工装置は、各々3つの軸方向の駆動能力を提供し、前記第1加工工具及び前記第2加工装置に前記送り軸、第2軸及び第3軸上を移動する自由度を持たせる請求項8に記載のツインスピンドル加工機。
【請求項11】
前記送り軸、前記第2軸及び前記第3軸のうちの任意の2つは、互いに垂直である請求項10に記載のツインスピンドル加工機。
【請求項12】
前記第1加工装置は、第4軸の駆動能力をさらに提供し、前記架台に前記第4軸上で回転する自由度を持たせる請求項10に記載のツインスピンドル加工機。
【請求項13】
前記第4軸は、前記送り軸に垂直である請求項12に記載のツインスピンドル加工機。
【請求項14】
前記制御装置は、前記第4軸の回転制御データをこれら第1セグメント制御データの少なくとも1つにさせ、前記制御装置から出力された前記第1コマンドシーケンスが前記第4軸の回転制御データに到達した時、前記第2モーションコントロールカードを待機させ、前記回転制御の実行が完了した後で、前記第2モーションコントロールカードの待機を解除し、前記制御装置は2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを出力し続けるようにさせる請求項12又は13項に記載のツインスピンドル加工機。
【請求項15】
前記第1加工装置は、第5軸の駆動能力をさらに提供し、前記架台に前記第5軸上で回転する自由度を持たせ、前記第5軸は前記第4軸に垂直である請求項12に記載のツインスピンドル加工機。
【請求項16】
前記制御装置は、前記第4軸及び前記第5軸の回転制御データをこれら第1セグメント制御データの少なくとも1つにさせ、前記制御装置から出力された前記第1コマンドシーケンスが前記第4軸又は第5軸の回転制御データに到達した時、前記第2モーションコントロールカードを待機させ、前記回転制御の実行が完了した後で、前記第2モーションコントロールカードの待機を解除し、前記制御装置は2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを出力し続けるようにさせる請求項15に記載のツインスピンドル加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工(machining)の制御方法及び設備に関し、特に、ツインスピンドル加工のモーションコントロール方法及びツインスピンドル加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークの加工は、通常、加工工具への制御を介して加工プロセスを実行して、ワークに対してミーリング(milling)等の加工工程を実施する。
【0003】
加工効率を追求するため、ワークの互いに反対側にある両側を同時に加工できるツインスピンドル加工機が使用され、加工時間を短縮できる。ただし、ツインスピンドルを同時に制御する場合でも、多くの制限及び問題に直面している。例えば2つのスピンドルの同時動作時の相互干渉を避けるため、ワークの両側で同じプロセスの対称的な加工を行う場合のみに、ツインスピンドルの同時動作を有効化させることができる。これは、ツインスピンドル加工機の両側同時加工の性能が効果的に利用されることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一目的は、加工効率を向上させることである。
【0005】
本発明の別の目的は、ツインスピンドル加工の特性を効果的に利用することである。
【0006】
本発明の更なる目的は、ツインスピンドル加工の時、両側の協働の下で対称的及び非対称的な特性を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的及び他の目的を達成するため、本発明は、第1制御データ及び第2制御データに基づきワークの互いに反対側にある第1加工装置及び第2加工装置に対して対応的な制御をするために用いられ、前記第1加工装置及び前記第2加工装置は、送り軸上で相移動してワークに対して加工プロセスを実行する第1加工工具及び第2加工工具を有するツインスピンドル加工のモーションコントロール方法を提案する。前記モーションコントロール方法は、分割ステップと、チェックポイント設定ステップと、制御ステップとを含む。分割ステップは、前記第1制御データを複数の第1セグメント制御データに分割させ、前記第2制御データを複数の第2セグメント制御データに分割させることができる。チェックポイント設定ステップは、隣り合う前記第1セグメント制御データの間に第1チェックポイントを各々挿入して第1コマンドシーケンスを生成し、隣り合う前記第2セグメント制御データの間に第2チェックポイントを各々挿入して第2コマンドシーケンスを生成する。制御ステップは、前記第1コマンドシーケンスを第1モーションコントロールカードに順次出力させて、前記第1モーションコントロールカードに結合された第1加工装置を対応して制御することができ、前記第2コマンドシーケンスを第2モーションコントロールカードに順次出力させて前記第2モーションコントロールカードに結合された第2加工装置対応して制御することができ、ここで前記制御ステップは、協作機制,出力された前記第1コマンドシーケンス又は前記第2コマンドシーケンスがいずれかのチェックポイントに到達した時、後続のコマンド出力を停止し、出力された別のコマンドシーケンスもいずれかのチェックポイントに到達した後で、2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを対応するモーションコントロールカードに出力し続けるようにさせる協働メカニズムを含む。
【0008】
本発明の一実施例において、各前記制御データは、複数の工具番号データと、対応する加工経路データとを含み、前記分割ステップで分割された各セグメント制御データでは、各前記セグメント制御データ内にある工具番号データが同じである。
【0009】
本発明の一実施例において、モーションコントロール方法は、前記第1加工装置、前記第2加工装置及び1つの回転軸を有する架台を制御するために用いられ、前記架台は前記ワークを支持するために用いられる。前記モーションコントロール方法は、前記制御ステップにおいて前記第1モーションコントロールカードはマスターと見なされ、前記第2モーションコントロールカードがスレーブと見なされ、前記回転軸の回転制御データがこれら第1セグメント制御データの少なくとも1つであり、出力された前記第1コマンドシーケンスが前記回転制御データに到達した時、前記スレーブとしての前記第2モーションコントロールカードを待機させ、前記回転制御が完了した後で、前記第2モーションコントロールカードの待機を解除し、2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを対応するモーションコントロールカードに出力し続けるステップをさらに含む。前記回転軸は、前記送り軸に垂直であり得る。
【0010】
本発明の一実施例において、モーションコントロール方法は、前記第1加工装置、前記第2加工装置及び2つの回転軸を有する架台を制御するために用いられ、前記架台は前記ワークを支持するために用いられる。前記モーションコントロール方法は、前記制御ステップにおいて前記第1モーションコントロールカードはマスターと見なされ、前記第2モーションコントロールカードがスレーブと見なされ、前記2つの回転軸の回転制御データがこれら第1セグメント制御データの少なくとも1つであり、出力された前記第1コマンドシーケンスが前記回転制御データに到達した時、前記スレーブとしての前記第2モーションコントロールカードを待機させ、前記回転制御が完了した後で、前記第2モーションコントロールカードの待機を解除し、2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを対応するモーションコントロールカードに出力し続けるステップをさらに含む。前記2つの回転軸は、各々前記送り軸に垂直であり得、かつ前記2つの回転軸が互いに垂直である。
【0011】
上記目的及び他の目的を達成するため、本発明はまた、ツインスピンドルを制御してワークの互いに反対側で同時に前記ワークに対して加工プロセスを行うコンピュータプログラムを格納するためのコンピュータプログラム製品を提案する。コンピュータに前記コンピュータプログラムがロードされ、第1制御データ及び第2制御データが入力され、前記コンピュータプログラムが実行されると、前記モーションコントロール方法を完了させることができる。
【0012】
上記目的及び他の目的を達成するため、本発明はまた、第1制御データ及び第2制御データに基づいてワークに対し加工プロセスを実施するツインスピンドル加工機を提案する。前記ツインスピンドル加工機は、架台と、第1加工装置と、第2加工装置と、第1モーションコントロールカードと、第2モーションコントロールカードと、制御装置とを備える。架台は、前記ワークを固定するために用いられる。第1加工装置は、前記架台の一側に設けられ、送り軸上で移動される第1加工工具を備える。第2加工装置は、前記架台の他側に設けられ、前記送り軸上で移動される第2加工工具を備える。第1モーションコントロールカードは、前記第1加工装置に結合される。第2モーションコントロールカードは、前記第2加工装置に結合される。前記制御装置は、各々前記第1モーションコントロールカード及び前記第2モーションコントロールカードに結合され、前記第1制御データを複数の第1セグメント制御データに分割し、各セグメント間に第1チェックポイントを挿入して第1コマンドシーケンスを形成し、前記第2制御データを複数の第2セグメント制御データに分割し、各セグメント間に第2チェックポイントを挿入して第2コマンドシーケンスを形成し、前記制御装置は前記第1コマンドシーケンスを前記第1モーションコントロールカードに順次出力させて前記第1加工装置を制御し、前記第2コマンドシーケンスを第2モーションコントロールカードに順次出力させて前記第2加工装置を制御する。ここで、出力された前記第1コマンドシーケンス又は前記第2コマンドシーケンスがいずれかのチェックポイントに到達した時、前記制御装置は後続のコマンド出力を停止し、出力された別のコマンドシーケンスもいずれかのチェックポイントに到達した後で、2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを出力し続けるようにさせる。
【0013】
本発明の一実施例において、各前記制御データは、複数の工具番号データと、対応する加工経路データとを含み、前記制御装置は分割された各セグメント制御データ内に同じ工具番号データを持たせることができる。
【0014】
本発明の一実施例において、前記第1加工装置及び前記第2加工装置は、各々3つの軸方向の駆動能力を提供し、前記第1加工工具及び前記第2加工装置に前記送り軸、第2軸及び第3軸上を移動する自由度を持たせる。前記送り軸、前記第2軸及び前記第3軸のうちの任意の2つは、互いに垂直であり得る。
【0015】
本発明の一実施例において、前記第1加工装置は、第4軸の駆動能力をさらに提供し、前記架台に前記第4軸上で回転する自由度を持たせる。前記第4軸は、前記送り軸に垂直であり得る。前記制御装置は、前記第4軸の回転制御データをこれら第1セグメント制御データの少なくとも1つにさせることができ、前記制御装置から出力された前記第1コマンドシーケンスが前記第4軸の回転制御データに到達した時、前記第2モーションコントロールカードを待機させ、前記回転制御の実行が完了した後で、前記第2モーションコントロールカードの待機を解除し、前記制御装置は2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを出力し続けるようにさせる。
【0016】
本発明の一実施例において、前記第1加工装置は、第5軸の駆動能力をさらに提供し、前記架台に前記第5軸上で回転する自由度を持たせる。前記第5軸は、前記第4軸に垂直であり得る。前記制御装置は、前記第4軸及び前記第5軸の回転制御データをこれら第1セグメント制御データの少なくとも1つにさせることができ、前記制御装置から出力された前記第1コマンドシーケンスが前記第4軸又は第5軸の回転制御データに到達した時、前記第2モーションコントロールカードを待機させ、前記回転制御の実行が完了した後で、前記第2モーションコントロールカードの待機を解除し、前記制御装置は2つのコマンドシーケンスが後続のコマンドを出力し続けるようにさせる。
【0017】
したがって、コマンドシーケンスで設定されたチェックポイント及び対応するモーションコントロールカードの使用により、各セグメント制御データが実行された後で待機できるため、加工装置間に協働メカニズムを持たせる。このような制御仕様において、両側の各自の加工範囲及び程度を把握でき、両側の各自加工する非対称的な加工プロセスが使用されることができ、ツインスピンドル同時駆動の高効率特性を効果的に発揮し、また架台の回転制御を加えて、ツインスピンドル加工機はさらに7軸又は8軸以上の同時動作制御を実行できるようにさせる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明一実施例に係るツインスピンドル加工機の機能ブロック図である。
図2図1のツインスピンドル加工機の一部装置を示す概略図である。
図3】本発明の一実施例に係るツインスピンドル加工のモーションコントロール方法のフローチャートである。
図4】本発明の一実施例に係る制御データのセグメント切断及び再編成を示す概略図である。
図5】本発明の別の実施例に係るツインスピンドル加工機の一部装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、特徴、効果について充分に理解できるように、以下で具体的な実施例に添付の図面を組み合わせ、本発明について詳細に説明する。
【0020】
本明細書の説明の用語「1」または「1つ」は、ユニット、部品、構造、装置、モジュール、システム、部位または領域等を説明するために使用される。これは説明の利便性のためのみに用いられ、かつ本発明の範疇に対して一般的な意味を提供する。このため、別の意味が明らかに示されていない限り、これらの説明は1つまたは少なくとも1つを含み、単数は同時に複数を含むと理解されるべきである。
【0021】
本明細書において、「含む、備える、有する」という用語またはその他の類似の用語は、本明細書に記載されている要素にのみ限定されることはなく、明示的に列挙されていないか、または、このようなユニット、部品、構造、装置、モジュール、システム、部位または領域に固有である他の要素が包含されていてもよい。
【0022】
本明細書の説明の「第1」または「第2」等、類似の序数の用語は、同じまたは類似の構造、部位または領域を区別する、またはそれらの関連を示すために用いられ、これら構造、部位または領域の順序を暗に含むとは限らない。一部の状況または配置において、序数の用語は入れ替えて使用しても本発明の実施に影響しないことに理解が必要である。
【0023】
コンピュータ数値制御(Computer Numerical Control、CNC)は、数値制御(Numerical Control、NC)プログラムコマンドを制御装置(例:コンピュータ)に入力し、制御装置の処理を通じてバックエンド加工装置を操作するコマンドシーケンスを生成することから加工装置の加工工具によりワークを加工(例:切削)して、設計された部品を完成させる。
【0024】
コンピュータ支援設計と製造(Computer Aided Design & Computer Aided manufacturing、CAD/CAM)は、部品のモデルデータの設計を支援し、対応するパスプランニングデータと工具番号データを生成することで、CNC加工用の数値制御プログラムコマンドを形成できる。
【0025】
図1及び図2を同時に参照すると、図1は、本発明の一実施例に係るツインスピンドル加工機の機能ブロック図、図2図1のツインスピンドル加工機の一部装置を示す概略図である。ツインスピンドル加工機は、架台315と、第1加工装置310と、第2加工装置320と、第1モーションコントロールカード210と、第2モーションコントロールカード220と、制御装置100とを備える。
【0026】
架台315は、ワーク400を支持するために用いられ、また、1つの回転軸又は2つの回転軸(C1、C2)の機能を有し得、これは後記その他の実施例に説明される義歯、歯冠(crown)、インプラント(implant)などの歯科アイテム(dental item)に関連する医療付属品であり得る。第1加工装置310及び第2加工装置320がそれぞれ備える第1加工工具311及び第2加工工具321は、ワーク400に対して両側の加工プロセスを実施するために用いられ、両側で同時に実行できるプロセスの数が多いほど、加工効率が向上できる。
【0027】
加工プロセスの進行時、第1加工工具311及び第2加工工具321は、例えば回転するように駆動され、加工工具の表面輪郭を介してワーク400に加工(例:切削)効果を生み出す。
【0028】
制御装置100は、コンピュータ支援設計(CAD)110及びコンピュータ支援製造(CAM)120で生成された制御データに基づいており、さらに制御ユニット130の処理を経た後、第1加工装置310及び第2加工装置320の制御に対応する第1コマンドシーケンスS1及び第2コマンドシーケンスS2を生成する。CNC制御例では、制御ユニット130は各々プログラマブルコントローラ141(PLC1)及びプログラマブルコントローラ142(PLC2)を介して第1モーションコントロールカード210及び第2モーションコントロールカード220に接続されることで、コマンドシーケンスをモーションコントロールカードに入力させる。次に、モーションコントロールカードは、受信したコマンドに従って加工装置を操作し、例えばモーションコントロールカードは加工装置内のドライバにパルス信号を送信し、ドライバが加工装置内のサーボモータにパルス信号を送信して加工工具の動きを制御する。
【0029】
制御ユニット130は、例えば特定のコンピュータプログラムを搭載したコンピュータであり、前記特定のコンピュータプログラムは前記の処理プロセスをさらに実行するために用いられ、コンピュータ支援設計(CAD)110及びコンピュータ支援製造(CAM)120で生成された制御データを再編成して、1台のコンピュータで2枚のモーションコントロールカードを介してツインスピンドル構成下の各加工プロセスを同時に実行させることができる。よって、ワーク400の両側の加工装置(310、320)は、非対称的な加工プロセスでさらに運転することができ、両側の加工プロセスを高い自由度で配置することができ、加工効率を大幅に向上する。その他の実施形態において、制御装置100はまた、プログラマブルコントローラと統合されたコンピュータであり得る。コンピュータ支援設計(CAD)110及びコンピュータ支援製造(CAM)120で生成された制御データは、制御装置100によって生成されるか、外部から入力され得る。
【0030】
例えば前記特定のコンピュータプログラムには複数のテンプレートがあり、各テンプレートは少なくとも1つの加工方法に対応し得、オペレータがコンピュータ支援設計(CAD)110及びコンピュータ支援製造(CAM)120で計算された制御データを前記特定のコンピュータプログラムに入力した後、前記特定のコンピュータプログラムはオペレータによって選択されたテンプレート及び本出願に開示されているモーションコントロール処理方法に基づいて、対応するコマンドシーケンスを生成できる。テンプレートに関しては、例えば歯の修復の場合、ベニアタイプ、インサートタイプ、クラウンタイプ、合釘タイプなどに分けられ、基本構成を制御データに適用することができる(例:テンプレートのタイプが異なれば、対応する機械的パラメータも異なる)。
【0031】
図2に示すように、各加工装置(310、320)は、対応する加工工具(311、321)に3つの軸方向の移動自由度、すなわち、送り軸X、第2軸Y、第3軸Zをそれぞれ提供することができる。この3軸の場合、通常送り軸Xはワーク400の送り方向に向けるように配置され、かつ送り軸X、第2軸Y及び第3軸Zのいずれか2つが互いに垂直である。ツインスピンドルの構成下で、通常送り軸X上の2つの加工装置(310、320)の第1加工工具311及び第2加工工具321は、相対移動するので、ワーク400の両側で各自の加工プロセスを実行できる。図2の加工装置(310、320)は、単純な例示に過ぎず、軸方向移動機構は一般的な機械制御構造であるため、ここでその説明を省略する。
【0032】
次に、図1図3を同時に参照すると、図3は、本発明の一実施例に係るツインスピンドル加工的モーションコントロール方法のフローチャートである。本出願に開示されているモーションコントロール処理方法は、コンピュータ支援設計(CAD)110及びコンピュータ支援製造(CAM)120で計算された制御データに基づき、セグメンテーション及びチェックポイント設定のデータ再編成や処理を経て、2つの加工装置の実行のための第1コマンドシーケンスS1及び第2コマンドシーケンスS2を対応的に生成する。第1コマンドシーケンスS1及び第2コマンドシーケンスS2は、対応するプログラマブルコントローラ(141、142)から出力された後、対応するモーションコントロールカード(210、220)に送信され、次にモーションコントロールカード(210、220)が対応する加工装置(310、320)の加工工具(311、321)のモーション軌跡を操作する。架台315が回転機能を有する場合、回転の制御コマンドは、第1コマンドシーケンスS1に割り当てられる。
【0033】
本出願に開示されているモーションコントロール処理方法のモーションコントロール方法は、分割ステップS100と、チェックポイント設定ステップS200と、制御ステップS300とを含む。
【0034】
分割ステップS100は、コンピュータ支援設計(CAD)110及びコンピュータ支援製造(CAM)120で計算された第1制御データ及び第2制御データを処理するために用いられる。第1制御データ及び第2制御データは、ワークの互いに反対側に必要な加工情報に対応する。このステップにおいて、第1制御データは複数の第1セグメント制御データに分割され、第2制御データが複数の第2セグメント制御データに分割される。分割する方法は、加工の工法によって分割し、加工で使用する工具番号によって分割してもよい。
【0035】
チェックポイント設定ステップS200は、各セグメント制御データの間にチェックポイントを挿入するために用いられる。分割されたこれら第1セグメント制御データを例にとると、隣り合う第1セグメント制御データの間に各々第1チェックポイントが挿入され、各第1チェックポイントを有する第1セグメント制御データは、第1コマンドシーケンスS1になる。分割されたこれら第2セグメント制御データを例にとると、隣り合う第2セグメント制御データの間に各々第2チェックポイントが挿入され、各第2チェックポイントを有する第2セグメント制御データは第2コマンドシーケンスS2になる。ステップS100及びステップS200は、後の図4でさらに説明する。
【0036】
制御ステップS300は、コマンドシーケンス(S1、S2)がシーケンス内の各制御コマンドを対応するモーションコントロールカードに順次出力させて、加工装置を対応して制御する。第1コマンドシーケンスS1は、第1モーションコントロールカード210に順次出力されて、第1モーションコントロールカード210に結合された第1加工装置310を対応して制御する。前記第2コマンドシーケンスS2は、第2モーションコントロールカード220順次出力されて、第2モーションコントロールカード220に結合された第2加工装置320を対応して制御する。制御ステップS300に2つの加工装置に協調効果を持たせる協働メカニズムがある。この協働メカニズムは、いずれかのコマンドシーケンス内のコマンドがチェックポイントに出力された時、制御装置100がこのコマンドシーケンスの後続のコマンド出力(その結果は、対応する加工装置が停止する)を停止し、同時に制御装置100は別のコマンドシーケンスのコマンド出力状況をチェックし、別のコマンドシーケンスのコマンドもチェックポイントに出力された時、制御装置100は2つのコマンドシーケンスのコマンドを対応するモーションコントロールカードに出力し続けるようにさせる。
【0037】
例えば制御装置100が第1コマンドシーケンスS1のコマンドを出力する時に第1チェックポイントに遭遇すると、第1コマンドシーケンスS1の後続のコマンドの出力を一時停止することで、第1モーションコントロールカード210に後続の制御コマンドを受信させず、第1加工装置310は自然に作動を停止する。また、制御装置100は、第2のコマンドシーケンスS2の出力コマンドをチェックし、第2コマンドシーケンスS2の出力コマンドがまだ第2チェックポイントでない場合、第1コマンドシーケンスS1が後続のコマンドの出力を継続的に中断することを可能にし、第2コマンドシーケンスS2の出力コマンドをチェックし続ける。第2コマンドシーケンスS2の出力コマンドが第2チェックポイントに遭遇すると、制御装置100はコマンドリリースを制御し、第1コマンドシーケンスS1及び第2コマンドシーケンスS2が対応するモーションコントロールカードにコマンドを出力し続けるようにさせる。
【0038】
コマンドシーケンスは一連の制御コマンドであるため、前述のデータ再編成と協働メカニズムの構築により、各セグメントの制御を、この時両側の加工装置の各自の作動状態として明確に特定することができる。この仕様での作動方法は、ツインスピンドル同時動作時の相互干渉を排除できることで、本出願に開示されているモーションコントロール方法、この方法を実行するコンピュータプログラム製品、及びこの方法を実行するツインスピンドル加工機を非対称的な加工プロセスに適用させることができることから、ツインスピンドル加工機の同時加工性能を最大限に活用できる。コンピュータプログラム製品は、例えば、ソフトウェアセットであり、コンピュータによりロードして実行された後、上記方法に従って複数のモーションコントロールカードを制御することで、加工機はマルチスピンドル同時動作の加工モードで駆動されることができる。
【0039】
前記分割ステップS100において、好ましくは、加工に使用する工具番号によって分割できる。コンピュータ支援設計(CAD)110及びコンピュータ支援製造(CAM)120で計算された制御データは、工具番号データと、対応する加工経路データとを含む。加工の工法とは、一定の範囲又はモードでの加工経路を意味し、加工に使用する工具番号で分割する場合、分割ステップS100で分割された各セグメント制御データに同じ工具番号があり、例えば1つのセグメント制御データには異なる加工経路データがあるが、工具番号データはすべて同じである。
【0040】
次に、図4を参照すると、本発明の一実施例に係る制御データのセグメンテーション及び再編成を示す概略図である。図4は、工具番号によって分割された各コマンドを例にとり、横軸が時間である。OAは、分割後、再編成前の第1コマンドシーケンス、Aは第1工具番号下で決められた加工経路、Aは第2工具番号下下で決められた加工経路であり、これをもって類推する。OBは、分割後、再編成前の第2コマンドシーケンス、Bは第1工具番号下で決められた加工経路、Bは第2工具番号下で決められた加工経路であり、これをもって類推する。各工具番号下で実行する必要のある加工経路の長さが異なり、両側で必要な加工経路も異なるため、OAとOBのコマンドシーケンスの長さが異なる。さらに重要なことは、一方のコマンドシーケンスで新しいプロセスを実行するために工具を切り替える必要がある場合、他方のコマンドシーケンスの現在のシーケンス位置を制御することは困難で、特に、コマンドシーケンスが長い場合、予測不可能性が高くなり、ツインスピンドルの同時動作時の相互干渉のリスクが大幅に高まり、OAとOBのコマンドシーケンスは使用できなくなる。
【0041】
コマンドシーケンスの再編成は、各コマンドシーケンスの分割位置にチェックポイントCを挿入してから前記協働メカニズムの運用により、図4のNAとNBのコマンドシーケンスを示すことができ、2つのコマンドシーケンスの各セグメントにおける始点の位置は同一になることを意味する。NAは、分割後、再編成後の第1コマンドシーケンスで、NBは分割後、再編成後の第2コマンドシーケンスである。各セグメント上で2つのコマンドシーケンスの始点を明確に特定できるため、このような仕様の運用下で相互干渉を効果的に回避できることから、ツインスピンドル加工機の両側で同時に非対称的な加工を実施でき、ツインスピンドル加工の効率的な性能を十分発揮させることができる。
【0042】
次に図5を参照すると、本発明の別の実施例に係るツインスピンドル加工機の一部装置を示す概略図である。図5の実施例は、第1加工装置310が追加の軸方向の駆動能力をさらに提供することを可能にし、この駆動能力は架台の1つ(C1又はC2)或いは2つの回転軸(C1、C2)を駆動して、ワークを第4軸C1及び/又は第5軸C2上で回転させて、さらに多くの加工角度を提供するために用いられる。その他の実施例において、架台315は、第4軸C1で自由に回転でき、第5軸C2で限られた範囲でのみ回転できる。この形態において、第5軸C2は揺動軸と呼ばれることもできる。ただし、回転中にいずれかの加工工具が加工プロセスを実行している場合、損傷の状況が発生する。
【0043】
よって、本出願に開示されているモーションコントロール方法、この方法を実行するコンピュータプログラム製品、及びこの方法を実行するツインスピンドル加工機は、さらに図3の制御ステップS300において、第1モーションコントロールカード210をマスター、第2モーションコントロールカード220をスレーブとして見なすことができる。また、回転軸の回転制御データは、第1セグメント制御データに割り当てられ、各回転制御データが第1セグメント制御データ内の個別セグメントデータ(図4のAセグメントに類似)になり、出力された第1コマンドシーケンスが前記回転制御データに到達した時、スレーブとしての第2モーションコントロールカード220を待機させ、前記回転制御が完了してから第2モーションコントロールカード220の待機を解除し、制御装置100が2つのコマンドシーケンスの後続のコマンドを対応するモーションコントロールカードに出力し続けるようにさせる。
【0044】
図5の回転制御は、いずれかの加工装置(第1加工装置310)に帰属し、対応するモーションコントロールカード(第1モーションコントロールカード210)で制御されるが、これに限定されるものではない。その他の実施形態において、いずれかの加工装置(第2加工装置320)に帰属することに類似することもできる。
【0045】
1つの回転軸の下での制御は、1回又は複数回があり得、2つの回転軸の下での制御は異なる軸回転が同時に又は非同時に発生する場合があり、回転制御をいずれかの加工装置に帰属し、かつ毎回回転動作を行う時に、制御装置100は別の加工装置を待機させ、これにより本出願に開示されている協働メカニズムを1つの回転軸又は2つの回転軸に拡張適用し、ツインスピンドル加工機の同時加工性能及び効率をさらに向上させる。現在の各モーションコントロールカード(軸制御カードとも呼ばれる)は5軸の制御をサポートすることができ、将来、より多くの軸の制御能力を持つ時、上記の仕様に基づくモーション制御方法、この方法を実行するコンピュータ製品、及びこの方法を実行するツインスピンドル加工機により多くの加工方法を有し、効率をさらに向上させる。
【0046】
上記をまとめると、本出願に開示されているモーションコントロール方法で確立された仕様は、マルチスピンドル同時動作時の相互干渉による損傷のリスクを回避し、マルチスピンドルの加工機が対称的又は非対称的な同時動作制御モードで運転でき、回転軸の応用もさらに7軸(1つの回転軸)又は8軸(2つの回転軸)以上の加工機にやはりマルチスピンドル同時動作制御の特性を持たせ、ツインスピンドル又はさらにマルチスピンドルの加工機はあるべき効率的な性能を発揮できるようにさせる。
【0047】
本発明は上述で最良の実施例を開示したが、当業者であれば理解できるように、この実施例は単に本発明を説明するために用いたのみであり、本発明の範囲を限定すると理解されるべきではない。注意すべきは、この実施例と同等効果を有する変化および置換はすべて、本発明の範疇内に含まれることである。このため、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の定義に準じる。
【符号の説明】
【0048】
100 制御装置
110 コンピュータ支援設計
120 コンピュータ支援製造
130 制御ユニット
141 プログラマブルコントローラ
142 プログラマブルコントローラ
210 第1モーションコントロールカード
220 第2モーションコントロールカード
310 第1加工装置
311 第1加工工具
315 架台
320 第2加工装置
321 第2加工工具
400 ワーク
C1 第4軸(回転軸)
C2 第5軸(回転軸)
第1工具番号下で決められた加工経路
第2工具番号下で決められた加工経路
第3工具番号下で決められた加工経路
第4工具番号下で決められた加工経路
第1工具番号下で決められた加工経路
第2工具番号下で決められた加工経路
第3工具番号下で決められた加工経路
第4工具番号下で決められた加工経路
NA 分割後、再編成後の第1コマンドシーケンス
NB 分割後、再編成後の第2コマンドシーケンス
OA 分割後、再編成前の第1コマンドシーケンス
OB 分割後、再編成前の第2コマンドシーケンス
S1 第1コマンドシーケンス
S2 第2コマンドシーケンス
S100~S300 ステップ
X 送り軸
Y 第2軸
Z 第3軸
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】