(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107562
(43)【公開日】2022-07-22
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20220714BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
G02F1/1333
G09F9/00 304A
G09F9/00 337A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021002483
(22)【出願日】2021-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 優輝
【テーマコード(参考)】
2H189
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA54
2H189AA55
2H189AA59
2H189AA60
2H189AA62
2H189AA63
2H189AA64
2H189AA67
2H189AA70
2H189AA75
2H189AA79
2H189AA95
2H189HA04
2H189HA06
2H189HA08
2H189LA02
2H189LA07
2H189LA19
2H189LA20
2H189LA22
2H189MA08
5G435AA12
5G435BB12
5G435CC09
5G435CC12
5G435EE05
5G435EE25
5G435GG43
5G435HH02
5G435HH18
5G435KK02
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】 周囲の温度変化によって液晶表示パネルに加わる曲げ応力を緩和でき、且つ、液晶表示パネルとバックライトユニットの間に塵埃が入る虞が少ない表示装置を提供する。
【解決手段】 保護パネル部材20は、液晶表示パネル10の前側に配設される。バックライトユニット30は、液晶表示パネル10の後側に配設され、液晶表示パネル10を照明する。液晶表示パネル10は、透光性接着剤40にて保護パネル部材20に接着されている。緩衝部材80は、液晶表示パネル10とバックライトユニット30の間に設けられる。緩衝部材80は、両面粘着部81と片面粘着部82とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの前側に配設された保護パネル部材と、前記液晶表示パネルの後側に配設され前記液晶表示パネルを照明するバックライトユニットと、を備え、前記液晶表示パネルが透光性接着剤にて前記保護パネル部材に接着されている表示装置であって、
前記液晶表示パネルと前記バックライトユニットの間に設けられた枠状の緩衝部材を更に備え、前記緩衝部材は、両面粘着部と片面粘着部とを有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記片面粘着部は、前記バックライトユニットに貼着され、前記液晶表示パネルには貼着されていないことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記片面粘着部は、前記バックライトユニットの四隅箇所に貼着されており、前記液晶表示パネルの四隅箇所には貼着されていないことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記片面粘着部は、前記液晶表示パネルに貼着され、前記バックライトユニットには貼着されていないことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する液晶表示パネルを備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置としては、例えば特許文献1,2に開示されるものがある。斯かる表示装置は、液晶表示パネルを照明するバックライトユニットを備えており、このバックライトユニットと液晶表示パネルは、四角枠状の両面粘着テープによって固定されている。両面粘着テープは、液晶表示パネル及びバックライトユニットに接着されており、液晶表示パネルがバックライトユニットに当接して損傷することを防止する緩衝部材であると共に、液晶表示パネルとバックライトユニットの間に塵埃が侵入することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-1119579号公報
【特許文献2】特開2020-160368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶表示パネルと保護パネル部材の間には、透光性接着剤が充填されており、外光反射による視認性の低下や、液晶表示パネルの画面が結露することを防止している。しかしながら、表示パネルの前面が保護パネル部材に固定されると共に、液晶表示パネルの後面がバックライトユニットに固定されているため、外気温や室温の変化によって、液晶表示パネルが損傷する虞があった。即ち、液晶表示パネルの熱膨張率と、保護パネル部材の熱膨張率と、バックライトユニットの熱膨張率は、夫々異なるため、周囲の温度が高くなったり、低くなったりを繰り返すと、液晶表示パネルに曲げ応力が加わり、液晶表示パネルが損傷するという問題があった。
【0005】
この問題を解決するため、液晶表示パネルに貼着されている両面粘着テープを無くして、周囲の温度変化によって液晶表示パネルに加わる曲げ応力を緩和することが考えられるが、液晶表示パネルとバックライトユニットの間に設けられる両面粘着テープが無い場合、液晶表示パネルとバックライトユニットの間に塵埃が入る虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、画像を表示する液晶表示パネル10と、前記液晶表示パネル10の前側に配設された保護パネル部材20と、前記液晶表示パネル10の後側に配設され前記液晶表示パネル10を照明するバックライトユニット30と、を備え、前記液晶表示パネル10が透光性接着剤40にて前記保護パネル部材20に接着されている表示装置であって、前記液晶表示パネル10と前記バックライトユニット30の間に設けられた枠状の緩衝部材80,180,280,380を更に備え、前記緩衝部材80,180,280,380は、両面粘着部81,181,281,381と片面粘着部82,182,282,382とを有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記片面粘着部82,182,382は、前記バックライトユニット30に貼着され、前記液晶表示パネル10には貼着されていないことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記片面粘着部82は、前記バックライトユニット30の四隅箇所に貼着されており、前記液晶表示パネル10の四隅箇所には貼着されていないことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記片面粘着部282は、前記液晶表示パネル10に貼着され、前記バックライトユニット30には貼着されていないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
液晶表示パネルの後面の一部がバックライトユニットとは固定されなくなるため、周囲の温度変化によって液晶表示パネルに加わる曲げ応力を緩和でき、且つ、液晶表示パネルとバックライトユニットの間に塵埃が入る虞が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4】同上実施形態を示すバックライトユニットの前面図。
【
図5】同上実施形態を示す液晶表示パネルの後面図。
【
図6】本発明の第二実施形態を示すバックライトユニットの前面図。
【
図7】同上実施形態を示す液晶表示パネルの後面図。
【
図8】本発明の第二実施形態を示すバックライトユニットの前面図。
【
図9】同上実施形態を示す液晶表示パネルの後面図。
【
図10】他の実施形態を示すバックライトユニットの前面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に基づいて、本発明を車両用表示装置に適用した一実施形態を説明する。
図1乃至
図5は、第一実施形態を示すものである。車両用表示装置は、液晶表示パネル10,保護パネル部材20,バックライトユニット30,透光性接着剤40,ベゼル50,回路基板60,筐体70を備えている。
【0013】
液晶表示パネル10は、TFT(Thin Film Transistor)型フルカラーLCD(Liquid Crystal Display)パネルからなるものであり、矩形状になっている。液晶表示パネル10には、例えば車両速度,エンジン回転数,ナビゲーション情報,燃料消費率などの車両情報画像や、音楽情報などのエンターテイメント情報画像が表示される。液晶表示パネル10は、可撓性配線部材(図示しない)にて回路基板60に電気的に接続されている。
【0014】
保護パネル部材20は、カバーパネル21と、遮光層22とを有しており、液晶表示パネル10の前側に配設されている。カバーパネル21は、半透光性の樹脂からなるものであり、図示しない係止爪によって筐体70に係止されている。保護パネル部材20の遮光層22は、液晶表示パネル10の画面を視認するための矩形の開口部22aを有しており、カバーパネル21の後面に形成されている。液晶表示パネル10は、透光性接着剤40にてオプティカルボンディングされており、保護パネル部材20の後面に密着されている。
【0015】
バックライトユニット30は、発光素子31,配線板32,導光部材33,光拡散板34,ケース体35,枠体36を有するサイドライト型バックライト装置であり、液晶表示パネル10を後方から照明する。バックライトユニット30は、正面視では矩形状になっており、液晶表示パネル10の後側に配設されている。バックライトユニット30の発光素子31は、白色の照明光を発する複数の発光ダイオードからなるものであり、配線板32に搭載され、導光部材33の側端面に沿って配設されている。
【0016】
導光部材33は、透光性樹脂からなるものであり、平板形状になっている。光拡散板34は、導光部材33の前側に配設されており、導光部材33から出射する照明光を拡散させる。ケース体35は、ステンレス等の金属からなるものであり、発光素子31,配線板32,導光部材33,光拡散板34を収容する。ケース体35は、回路基板60を固定するための脚部35aを有している。枠体36は、ステンレス等の金属からなるものであり、図示しない係止爪によってケース体35に係止されている。枠体36は、照明光が通過する矩形の開口部36aを有している。
【0017】
ベゼル50は、ステンレス等の金属からなるものであり、図示しない係止爪によってバックライトユニット30の枠体36に係止されている。回路基板60は、ガラスエポキシ樹脂からなる基材に銅箔からなる配線パターンを形成したものであり、液晶表示パネル10を駆動する駆動回路等の電子部品が搭載されている。回路基板60は、図示しないビスによってケース体35の脚部35aに固定されている。筐体70は、不透明な樹脂からなるものであり、液晶表示パネル10,バックライトユニット30,ベゼル50,回路基板60を収容する。
【0018】
液晶表示パネル10とバックライトユニット30の間には、四角枠状の緩衝部材80が配設されている。緩衝部材80は、両面粘着テープ81と、片面粘着テープ82と、からなるものである。両面粘着テープ81は、弾性を有する基材の前後両面に粘着層を形成したものである。片面粘着テープ82は、弾性を有する基材の後面に粘着層を形成したものである。液晶表示パネル10とバックライトユニット30の間の略全周が緩衝部材80で塞がれる。
【0019】
両面粘着テープ81は、液晶表示パネル10の後面とバックライトユニット30の前面に貼着される。両面粘着テープ81は、直線形状になっており、両面粘着テープ81は、バックライトユニット30の枠体36に貼着されている。また、両面粘着テープ81は、液晶表示パネル10の長辺及び短辺に沿うように貼着されている。
【0020】
片面粘着テープ82は、バックライトユニット30の前面の四隅箇所に貼着されており、液晶表示パネル10には貼着されていない。片面粘着テープ82は、L字形状になっており、バックライトユニット30の枠体36に貼着されている。片面粘着テープ82は、両面粘着テープ81から所定の隙間を有して貼着されている。片面粘着テープ82は、液晶表示パネル10の後面に当接しているが、液晶表示パネル10の四隅箇所には貼着されていない。
【0021】
図6及び
図7は、第二実施形態を示すものである。第二実施形態は、第一実施形態に比して、緩衝部材180のみが異なり、他の構成は第一実施形態と同様である。
【0022】
液晶表示パネル10とバックライトユニット30の間には、四角枠状の緩衝部材180が配設されている。緩衝部材180は、両面粘着テープ181と、片面粘着テープ182と、からなるものである。両面粘着テープ181は、弾性を有する基材の前後両面に粘着層を形成したものである。片面粘着テープ182は、弾性を有する基材の後面に粘着層を形成したものである。液晶表示パネル10とバックライトユニット30の間の略全周が緩衝部材180で塞がれる。
【0023】
両面粘着テープ181は、液晶表示パネル10の後面とバックライトユニット30の前面に貼着される。両面粘着テープ181は、直線形状になっており、両面粘着テープ181は、バックライトユニット30の枠体36に貼着されている。また、両面粘着テープ181は、液晶表示パネル10の長辺に沿うように貼着されている。
【0024】
片面粘着テープ182は、バックライトユニット30の前面に貼着されており、液晶表示パネル10には貼着されていない。片面粘着テープ182は、直線形状になっており、バックライトユニット30の短辺に沿って貼着されている。片面粘着テープ182は、両面粘着テープ181から所定の隙間を有して貼着されている。片面粘着テープ182は、液晶表示パネル10の後面に当接しているが、液晶表示パネル10には貼着されていない。
【0025】
図8及び
図9は、第三実施形態を示すものである。第三実施形態は、第一実施形態に比して、緩衝部材280のみが異なり、他の構成は第一実施形態と同様である。
【0026】
液晶表示パネル10とバックライトユニット30の間には、四角枠状の緩衝部材280が配設されている。緩衝部材280は、両面粘着テープ281と、片面粘着テープ282と、からなるものである。両面粘着テープ281は、弾性を有する基材の前後両面に粘着層を形成したものである。片面粘着テープ282は、弾性を有する基材の前面に粘着層を形成したものである。液晶表示パネル10とバックライトユニット30の間の略全周が緩衝部材280で塞がれる。
【0027】
両面粘着テープ281は、液晶表示パネル10の後面とバックライトユニット30の前面に貼着される。両面粘着テープ281は、直線形状になっており、両面粘着テープ281は、バックライトユニット30の枠体36に貼着されている。また、液晶表示パネル10の短辺に沿うように貼着されている。
【0028】
片面粘着テープ282は、液晶表示パネル10の後面に貼着されており、バックライトユニット30には貼着されていない。片面粘着テープ282は、直線形状になっており、液晶表示パネル10の長辺に沿って貼着されている。片面粘着テープ282は、両面粘着テープ281から所定の隙間を有して貼着されている。片面粘着テープ282は、バックライトユニット30の前面に当接しているが、バックライトユニット30には貼着されていない。
【0029】
各実施形態によれば、液晶表示パネル10の周辺の一部がバックライトユニット30に固定されていないので、周囲の温度変化によって液晶表示パネル10に加わる曲げ応力を緩和できる。且つ、液晶表示パネル10とバックライトユニット30の間の略全周が緩衝部材80,180,280で塞がれているため、液晶表示パネル10とバックライトユニット30の間に塵埃が入る虞が少ない。
【0030】
本発明は、各実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、
図10に示す他の実施形態のように、緩衝部材380の両面粘着テープ381と、緩衝部材380の片面粘着テープ382の隙間を迷路状にしても良い。
【符号の説明】
【0031】
10 液晶表示パネル
20 保護パネル部材
30 バックライトユニット
40 透光性接着剤
50 ベゼル
60 回路基板
70 筐体
80 緩衝部材
81 両面粘着テープ(両面粘着部)
82 片面粘着テープ(片面粘着部)
180 緩衝部材
181 両面粘着テープ(両面粘着部)
182 片面粘着テープ(片面粘着部)
280 緩衝部材
281 両面粘着テープ(両面粘着部)
282 片面粘着テープ(片面粘着部)
280 緩衝部材
281 両面粘着テープ(両面粘着部)
282 片面粘着テープ(片面粘着部)