(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107667
(43)【公開日】2022-07-22
(54)【発明の名称】被洗浄体の脱水装置
(51)【国際特許分類】
F26B 5/08 20060101AFI20220714BHJP
F26B 25/00 20060101ALI20220714BHJP
B04B 3/00 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
F26B5/08
F26B25/00 J
B04B3/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083045
(22)【出願日】2022-05-20
(62)【分割の表示】P 2018088608の分割
【原出願日】2018-05-02
(31)【優先権主張番号】P 2017114852
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】396013329
【氏名又は名称】株式会社クレオ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】福島 幸二
(72)【発明者】
【氏名】南部谷 美明
(57)【要約】
【課題】形状や大きさが異なる多品種の容器の脱水を容易に行うことができ、省エネルギ化が図れる被洗浄体の脱水装置を提供する。
【解決手段】被洗浄体の脱水装置1は、被洗浄体(一例として容器M)を回転することで被洗浄体を脱水する。被洗浄体の脱水装置1は、本体部30と、本体部30に回転可能に支持され、被洗浄体を内部に収容して保持しながら回転することで被洗浄体の脱水を行う回転体40を備え、回転体40は、本体部30に水平に保持された回転軸35を中心に回転可能に支持されている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄体を回転することで脱水する被洗浄体の脱水装置であって、
本体部と、
保持空間部を備え、前記本体部に回転可能に支持され、前記本体部に対して回転することで発生する遠心力によって、前記保持空間部内に収容されている前記被洗浄体を保持しつつ前記被洗浄体の脱水を行う回転体と、を備え、
前記回転体は、水平方向に延びている回転中心軸を回転中心にして前記本体部に対して回転可能になっており、
前記被洗浄体の搬入コンベヤからの前記保持空間部への前記被洗浄体の投入は、前記被洗浄体の自由落下によってなされるように構成されている被洗浄体の脱水装置。
【請求項2】
被洗浄体を回転することで脱水する被洗浄体の脱水装置であって、
本体部と、
保持空間部を備え、前記本体部に回転可能に支持され、前記本体部に対して回転することで発生する遠心力によって、前記保持空間部内に収容されている前記被洗浄体を保持しつつ前記被洗浄体の脱水を行う回転体と、を備え、
前記回転体は、水平方向に延びている回転中心軸を回転中心にして前記本体部に対して回転可能になっており、
前記保持空間部は、前記被洗浄体が当接する第1の部位と前記被洗浄体が当接する第2の部位と前記被洗浄体が当接する第3の部位とを備えて構成されており、脱水しようとする前記被洗浄体を前記保持空間部内に搬入し、脱水の終わった前記被洗浄体を前記保持空間部内から排出するための開口部を有し、
前記回転中心軸の延伸方向で見ると、前記第1の部位の前記被洗浄体が当接する面が直線状に形成されており、前記第2の部位の前記被洗浄体が当接する面も直線状に形成されており、前記第3の部位の前記被洗浄体が当接する面も直線状に形成されており、
前記回転中心軸の延伸方向で見ると、前記第1の部位の前記被洗浄体が当接する面と、前記第2の部位の前記被洗浄体当接する面と、前記第3の部位の前記被洗浄体が当接する面とは、「コ」字状に形成されており、
前記回転中心軸の延伸方向で見ると、前記開口部は、前記第1の部位の前記被洗浄体が当接する面の前記第2の部位とは反対側の端部と、前記第3の部位の前記被洗浄体が当接する面の前記第2の部位とは反対側の端部との間に形成されており、
前記回転中心軸の延伸方向で見ると、前記第3の部位の前記被洗浄体が当接する面は、前記回転中心軸の近傍で延びており、前記第1の部位の前記被洗浄体当接する面は、前記回転中心軸から離れて延びており、
前記回転体が回転することで発生する遠心力によって、前記保持空間部内に収容されている前記被洗浄体が前記第1の部位に付勢力をもって接することで、前記保持空間部内に収容されている前記被洗浄体の保持がされるように構成されている被洗浄体の脱水装置。
【請求項3】
前記第1の部位の前記被洗浄体が当接する面と、前記第3の部位の前記被洗浄体が当接する面との間の距離の値は、前記開口部側で大きく、前記第2の部位側で小さくなっている請求項2に記載の被洗浄体の脱水装置。
【請求項4】
前記回転中心軸の延伸方向で見ると、前記開口部が前側になり前記第2の部位が後側になる回転方向で、前記回転体が回転する請求項2または請求項3に記載の被洗浄体の脱水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄した容器等の被洗浄体を脱水する被洗浄体の脱水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店にパンや惣菜等の物品を大量に納品する場合には、トレイのような容器が使用される。容器は、物品を搬入後、各店から回収されて何段にも段積みされた状態でトラック等により所定の洗浄場所に運搬される。搬送された容器は、繰り返して使用するために、洗浄装置を用いて洗浄され、洗浄された容器は、特許文献1に記載の脱水装置により脱水される。
【0003】
特許文献1は、洗浄した容器を脱水する洗浄被洗浄体の脱水装置を開示している。この脱水装置は、洗浄された容器を搬送する搬送装置と、搬送されてくる容器を脱水位置で停止させる位置決めストッパと、停止した容器を脱水位置上方の脱水部まで上昇させる上下動可能な容器支持テーブルを備える。
【0004】
この脱水部は、容器をつかんで駆動モータによって高速回転される回転体を有する。回転体は、中心から遠い位置において下方に向けて設けた第1の容器保持ピンと、中心から近い位置において同じく下方に向けて設けた第2の容器保持ピンを有する。第1の容器保持ピンは大きい容器を保持するのに用い、第2の容器保持ピンは小さい容器を保持するのに用いられる。
【0005】
また、別の脱水装置の例としては、蒸気熱を用いて乾燥風の温度を上げて、温度を上げた乾燥風を洗浄した容器に吹き付けることで、容器の脱水を行うことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1の洗浄被洗浄体の脱水装置は、脱水の際に大きい容器と小さい容器を保持することはできるが、形状や大きさが異なる多種類の容器を保持できない。このため、従来の脱水装置は、多種類の容器の脱水には用いることができない。
【0008】
また、蒸気熱を用いて乾燥風の温度を上げて容器の脱水を行う場合には、使用エネルギが大きく、装置の省エネルギ化が図れない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、形状や大きさが異なる多品種の被洗浄体の脱水を容易に行うことができ、省エネルギ化が図れる被洗浄体の脱水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、被洗浄体を回転することで脱水する被洗浄体の脱水装置であって、本体部と、保持空間部を備え、前記本体部に回転可能に支持され、前記本体部に対して回転することで発生する遠心力によって、前記保持空間部内に収容されている前記被洗浄体を保持しつつ前記被洗浄体の脱水を行う回転体と、を備え、前記回転体は、水平方向に延びている回転中心軸を回転中心にして前記本体部に対して回転可能になっており、前記被洗浄体の搬入コンベヤからの前記保持空間部への前記被洗浄体の投入は、前記被洗浄体の自由落下によってなされるように構成されている被洗浄体の脱水装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、被洗浄体を回転することで脱水する被洗浄体の脱水装置であって、本体部と、保持空間部を備え、前記本体部に回転可能に支持され、前記本体部に対して回転することで発生する遠心力によって、前記保持空間部内に収容されている前記被洗浄体を保持しつつ前記被洗浄体の脱水を行う回転体と、を備え、前記回転体は、水平方向に延びている回転中心軸を回転中心にして前記本体部に対して回転可能になっており、前記保持空間部は、前記被洗浄体が当接する第1の部位と前記被洗浄体が当接する第2の部位と前記被洗浄体が当接する第3の部位とを備えて構成されており、脱水しようとする前記被洗浄体を前記保持空間部内に搬入し、脱水の終わった前記被洗浄体を前記保持空間部内から排出するための開口部を有し、前記回転中心軸の延伸方向で見ると、前記第1の部位の前記被洗浄体が当接する面が直線状に形成されており、前記第2の部位の前記被洗浄体が当接する面も直線状に形成されており、前記第3の部位の前記被洗浄体が当接する面も直線状に形成されており、前記回転中心軸の延伸方向で見ると、前記第1の部位の前記被洗浄体が当接する面と、前記第2の部位の前記被洗浄体当接する面と、前記第3の部位の前記被洗浄体が当接する面とは、「コ」字状に形成されており、前記回転中心軸の延伸方向で見ると、前記開口部は、前記第1の部位の前記被洗浄体が当接する面の前記第2の部位とは反対側の端部と、前記第3の部位の前記被洗浄体が当接する面の前記第2の部位とは反対側の端部との間に形成されており、前記回転中心軸の延伸方向で見ると、前記第3の部位の前記被洗浄体が当接する面は、前記回転中心軸の近傍で延びており、前記第1の部位の前記被洗浄体当接する面は、前記回転中心軸から離れて延びており、前記回転体が回転することで発生する遠心力によって、前記保持空間部内に収容されている前記被洗浄体が前記第1の部位に付勢力をもって接することで、前記保持空間部内に収容されている前記被洗浄体の保持がされるように構成されている被洗浄体の脱水装置である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記第1の部位の前記被洗浄体が当接する面と、前記第3の部位の前記被洗浄体が当接する面との間の距離の値は、前記開口部側で大きく、前記第2の部位側で小さくなっている請求項2に記載の被洗浄体の脱水装置である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記回転中心軸の延伸方向で見ると、前記開口部が前側になり前記第2の部位が後側になる回転方向で、前記回転体が回転する請求項2または請求項3に記載の被洗浄体の脱水装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、形状や大きさが異なる多品種の被洗浄体の脱水を容易に行うことができ、省エネルギ化が図れる被洗浄体の脱水装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態の被洗浄体の脱水装置が、被洗浄体としての容器を洗浄するための洗浄装置に並べて設置された例を示す正面図である。
【
図2】
図1に示す被洗浄体の脱水装置の搬入部と脱水機構部の構造例を示す図である。
【
図3】
図2におけるB-B線から見た搬入部と脱水機構部の構造例を示す図である。
【
図4】
図2の脱水機構部と搬入コンベアを示す側面図である。
【
図5】
図2のC-C線から見た脱水機構部を示す図である。
【
図6】第1の実施形態の被洗浄体の脱水装置の搬出部等を示す正面図である。
【
図7】第1の実施形態の被洗浄体の脱水装置の搬出部等を示す平面図である。
【
図8】脱水しようとする容器Mを搬入コンベアから脱水機構部の回転体に投入して脱水をし、脱水済みの容器Mを回転体から排出コンベアへ排出する第1の実施形態の被洗浄体の脱水装置の動作例を示す図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る脱水装置の概略構成を示す図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る脱水装置の概略構成を示す図であって、幅方向に対して直交する平面による所定の断面を示す図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る脱水装置の回転体を示す図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る脱水装置の回転体の当接部材における設置の形態を示す図であり、(b)は(a)におけるXIIIB-XIIIB断面を示す図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る脱水装置の回転体の側板を示す図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係る脱水装置のシャッタを示す図であって、(a)は入口側開口部が閉じている状態を示しており、(b)は入口側開口部が開いている状態を示している。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係る搬入部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1について説明する。
【0017】
(被洗浄体の脱水装置1の全体説明)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1が、被洗浄体を洗浄するための洗浄装置に並べて設置された例を示す正面図である。
【0018】
図1に示す被洗浄体の脱水装置1は、洗浄した被洗浄体としての容器Mを保持して水平に配置された回転軸を中心として回転することにより、回転するだけで遠心力を用いて効率よく脱水する装置である。被洗浄体の脱水装置1は、単独で設置されることもあり、あるいは
図1に例示するように、容器Mを洗浄するための洗浄装置200と組み合わせて設置されることもある。
【0019】
第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1が洗浄装置200と組み合わせて設置される場合には、被洗浄体の脱水装置1は、搬入方向Xに関して洗浄装置200の後段に配置される。この被洗浄体の脱水装置1は、洗浄装置200により洗浄した容器Mを搬入して、この容器Mを保持しながら回転することで脱水することができる。
【0020】
この洗浄装置200は、洗浄しようとして投入される被洗浄体としての容器Mを搬送する搬送コンベアを有しており、洗浄しようとする容器Mに洗浄液を吹き付けて洗浄処理した後に、すすぎ液を容器Mに吹き付けて洗浄液をすすぎ処理をする。すすぎ処理がされた洗浄した容器Mは、被洗浄体の脱水装置1側に送られる。
【0021】
図1に示す第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1は、洗浄した容器Mを順番に投入することで、効率よく容器Mの脱水作業を行うことができる。1台の被洗浄体の脱水装置1を用意すれば、形状や大きさが異なる多品種の洗浄した容器Mを脱水できる。
【0022】
第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1は、洗浄した容器Mの脱水には、従来用いられている蒸気熱を用いて乾燥風の温度を上げてその乾燥風を洗浄した容器Mに直接吹き付ける構造を採用してはいない。被洗浄体の脱水装置1は、洗浄した容器Mを回転することで遠心力を用いて脱水するので、被洗浄体の脱水装置1は、蒸気熱により乾燥風の温度を上げる従来の脱水方式に比べて、省エネルギ化が図れる。
【0023】
被洗浄体としては、例えば図示の容器Mである。容器Mとしては、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、食品製造工場、惣菜やお弁当等の食品素材を扱う工場、漁協等で使用される容器である。容器Mは、好ましくはプラスチック製の容器であり、例えば開口部と底面部を有する四角形の箱や、ほぼ平板状の板材等があり、形状や寸法が多種多様である。容器Mは、その底面や側面が、メッシュ状等に形成されていることで孔を有していることで水を通し易くなっているものや、全く孔を有していないもの等、多種多様である。容器Mは、トレイ、パレット、コンテナ等とも呼ばれるものも含む。
【0024】
容器Mとしては、外箱、内箱、番重と呼ばれているものを含む。外箱とは、外ルート搬送、例えば食品製造工場から食品を販売店に搬送する際に使用される。内箱とは、内ルート搬送、例えば食品製造工場内において食品を搬送する際に使用される。番重とは、主に食品業界で使用される食品運搬容器である。
【0025】
図1に示すように、第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1は、錆に強い金属、例えばステンレスにより作られている。被洗浄体の脱水装置1は、搬入部2と、脱水機構部3と、搬出部4を有する。
【0026】
搬入部2は、洗浄装置200により洗浄処理とすすぎ処理が行われて脱水しようとする容器Mを、脱水機構部3の本体部30内へ搬入する。脱水機構部3は、脱水しようとする容器Mを回転することで脱水を行う。搬出部4は、脱水機構部3において脱水済みの容器Mを受けて搬出する。
【0027】
次に、上述した搬入部2と、脱水機構部3と、搬出部4の構造例を、順に説明する。
【0028】
(搬入部2)
まず、
図1から
図3を参照して、搬入部2を説明する。
【0029】
図2は、
図1に示す搬入部2と脱水機構部3の構造例を示す図である。
図3は、
図2におけるB-B線から見た搬入部2と脱水機構部3の構造例を示す図である。
図2は、
図3におけるA-A線にから見た搬入部2と脱水機構部3の構造例を示している。
【0030】
図1から
図3において、搬入方向Xは、容器Mを搬送する水平方向であり、Y方向は、搬入方向Xに直交する水平方向である。Z方向は、搬入方向XとY方向に垂直な上下方向である。
【0031】
図1に示す搬入部2は、洗浄装置200の後端部と、脱水機構部3の間に設けられている。搬入部2は、洗浄装置200により洗浄された容器Mを、1つずつ脱水機構部3の本体部30内へ搬入する役割を有する。搬入部2が容器Mを洗浄装置200から脱水機構部3へ搬入する際には、
図1に示すように、容器Mは下向きに搬送する。すなわち、容器Mは、底部側が上側になり、開口部が下側になるように搬送され、脱水機構部3の本体部30内へ搬入される。
【0032】
図1と
図3に示すように、搬入部2は、搬入コンベア10と、駆動モータ11と、外装部12と、容器Mを案内するためのガイド部13等を有する。
【0033】
外装部12は、例えばステンレスの板材を折り曲げることで作られている。
図2に示すように、外装部12は、脱水機構部3の本体部30に対して、サポート部材14を用いて搬入方向Xに沿って固定されており、外装部12は、脱水機構部3と洗浄装置200の後端部の間に配置されている。
【0034】
図1に示す外装部12は、左右の側面板12A,12A(
図3を参照)と、上面板12Bと下面板12C(
図1を参照)を有している。外装部12の左右の側面板12A,12Aと上面板12Bと下面板12Cが、搬入コンベア10とガイド部13の周囲を覆っている。
【0035】
このように、外装部12が搬入コンベア10とガイド部13の周囲を覆っていることから、搬入コンベア10とガイド部13と、搬送される容器Mが、外部には露出しない。このため、外装部12は、容器Mを脱水機構部3へ搬入する際の安全性を確保することができる。なお、
図2と
図3では、上面板12Bと下面板12Cの図示を省略している。
【0036】
図3に示すように、搬入コンベア10は、左右の側面板12A,12Aの間に配置されており、2つの駆動スプロケット15と、2つの従動スプロケット16と、2つの搬送チェーン(駆動チェーン)17を有する。2つの駆動スプロケット15は、駆動軸18に取り付けられ、2つの従動スプロケット16は、従動軸19に取り付けられている。駆動軸18と従動軸19は、左右の側面板12A,12Aに対して、回転可能に取り付けられている。駆動軸18は、駆動モータ11に連結されている。各搬送チェーン17は、対応する駆動スプロケット15と従動スプロケット16に掛かっている。
【0037】
図3に示すように、搬送チェーン17,17には、複数個のプッシャ25が、間隔をおいて取り付けられている。各プッシャ25は、洗浄装置200側から搬送チェーン17,17に載せた容器Mを、搬入方向Xに確実に押すためのものである。これにより、搬入コンベア10は、プッシャ25を用いて、搬送チェーン17,17上に載った容器Mを、確実に搬入方向Xに押して、脱水機構部3側に搬入することができる。
【0038】
図1に示す制御部100の指令により、駆動モータ11が駆動されると、駆動チェーン17,17の上に載っている容器Mを、搬入方向Xに沿って脱水機構部3の本体部30側へ搬入する。
【0039】
図3と
図2に示すガイド部13は、左右のガイド板20,20を有する。
図3に示すように、左右のガイド板20,20は、搬入方向Xに沿って平行である。左右のガイド板20,20は、それぞれ左右の側面板12A,12Aの内側において、平行に配置されている。左右のガイド板20,20は、容器Mを導入する側の始端部がY方向に向けて外側に傾斜して開いており、この外側に傾斜して開いている部分は、導入部分20A,20Aである。
【0040】
これにより、
図3に示すように、脱水しようとする容器Mは、搬入方向Xに沿って、導入部分20A,20Aを用いて、左右のガイド板20,20の間に容易に移すことができる。そして、左右のガイド板20,20は、容器Mの左右の側面部を案内して容器Mの搬送姿勢を保持しながら、容器Mを搬入方向Xに沿って脱水機構部3側に正確に搬入することができる。
【0041】
図3に示すように、支持軸21,22の両端部は、左右の側面板12A,12Aに対して回転可能に取り付けられており、駆動軸18と従動軸19の間に配置されている。
【0042】
図3に示す左右のガイド板20,20の間隔の調整は、各種の大きさの容器Mの幅に合わせて、支持軸21,22においてY方向に沿って、例えば手動によりスライド可能である。これにより、容器Mは、左右のガイド板20,20により搬入方向Xに沿って安定して搬送しながら、脱水機構部3側へ搬入することができることから、左右のガイド板20,20は容器Mの搬送姿勢を保つことができる。
【0043】
なお、左右のガイド板20,20の間隔の調整は、各種の大きさの容器Mの幅に合わせて、洗浄装置200との連携により自動的に行うこともできる。
【0044】
図3に示すように、支持軸21,22は、プッシャガイド部材24を保持している。プッシャガイド部材24は、プッシャ25を搬入方向Xに沿って機械的にガイドする部分である。これにより、プッシャ25は、大きくて重い容器Mであっても、搬入方向Xに沿って安定して送ることができる。
【0045】
(脱水機構部3)
次に、
図1から
図5を参照して、脱水機構部3を説明する。
【0046】
図4は、
図2の脱水機構部3と搬入コンベア10を示す側面図である。
図5は、
図2のC-C線から見た脱水機構部3を示す図である。
【0047】
図3と
図5に示すように、脱水機構部3は、本体部30と、回転体40と、固定ガード部29と、シャッタ50を有する。
【0048】
<本体部30>
図2と
図3と
図4に示すように、脱水機構部3の本体部30は、直方体形状のフレーム構造を有しており、この本体部30は、上述した搬入部2と搬出部4の間に配置されている。
【0049】
図2と
図3に示すように、本体部30は、四隅の支柱部材31と、上横方向部材32と、下横方向部材33と、中間横部材34を有する。これにより、本体部30の内空間には、回転体40と、固定ガード部29と、シャッタ50が収容されている。
【0050】
図2に示すように、本体部30の下部には、回転体40の下部において、板状の受け部材28を有する。板状の受け部材28は、折り曲げることにより形成されている。この受け部材28は、回転体40の回転により容器Mを脱水する際に、容器Mから落下する水分を受けて集めて、そして外部に抜く。このため、受け部材28は、傾斜面28Aを有しており、傾斜面28Aは、周辺部から中央に向かって下がるように傾斜している。
【0051】
受け部材28の中央位置には、水抜き孔28Bが設けられており、容器Mから落下する水分は傾斜面28Aを流れて水抜き孔28Bに集まるので、水抜き孔28Bから、本体部30の外部に排出することができる。しかも、この受け部材28は、枠体である本体部30の四隅の支柱部材31に固定されているで、本体部30の補強を強化することができる。
【0052】
図2と
図4に示すように、各支柱部材31の下端部には、高さ調整をするためのアジャスタ31Aが設けられている。これにより、本体部30の設置姿勢を水平に調整することができ、次に説明する回転軸35を、Y方向に沿って正確に水平に保持することができる。
【0053】
<回転軸35と回転体40>
図3と
図5に示すように、本体部30は、回転軸35を有する。
図3に示すように、本体部30の左右の中間横部材34,34には、軸受け34D,34Dが取り付けられている。この回転軸35は、軸受け34D,34Dにより回転可能に、しかも水平方向であるY方向に沿って支持されている。
【0054】
図3と
図5に示すように、回転体40は、この回転軸35に固定されている。回転軸35は、
図4と
図5に示すように、プーリ35Pを有している。本体部30は、駆動モータ(例えばサーボモータ)36を備える。この駆動モータ36の出力軸のプーリ36Pとプーリ35Pの間には、ベルト37が掛かっている。これにより、
図1に示す制御部100が駆動モータ36を駆動することで、
図4と
図5に示す回転体40は、回転軸35を中心として、本体部30内において、回転方向R(
図2においては反時計方向)に回転可能である。
【0055】
図3から
図5に示すように、回転体40は、複数本の棒材41と、複数本の支持部材42と、左右の円板43,43により構成されている。左右の円板43は、軽量化のために、例えば複数の孔が形成されている。複数本の棒材41は、Y方向に平行に配置されている。支持部材42には、これらの棒材41が通っており、これらの棒材41の両端部は左右の円板43,43に対して固定されている。左右の円板43,43は、回転軸35に固定されており、回転体40は回転軸35と一体になって回転方向Rに回転する。
【0056】
各支持部材42は、棒状の部材ではなく、好ましくは板状の部材を用いている。板状の部材である支持部材42は、回転軸35を中心として、半径方向(放射方向)にそって配置されている。すなわち、
図3に例示するように、支持部材42の広い左右面は、回転軸35を中心として半径方向に沿っており、支持部材42の狭い内端面は、回転軸35側に対面している。
【0057】
これにより、脱水しようとする重い容器Mを回転体40内に収容して回転しても、支持部材42は、棒状の部材を用いるのに比べて、半径方向の外側にかかる容器Mの力により変形せずに、しっかりと容器Mを支持することができる。このため、回転体40の損傷を防ぐことができ、メンテナンスの頻度を減らすことができる。
【0058】
図2と
図1に示すように、これらの棒材41と支持部材42は、かご状の回転体40を形成しているが、回転体40内には、脱水しようとする容器Mを収容して保持するための第1保持空間部40Aと、第2保持空間部40Bが形成されている。これらの第1保持空間部40Aと第2保持空間部40Bは、回転軸35を中心にして180度反対側に配置されている。
【0059】
図1と
図2に示すように、第1保持空間部40Aと第2保持空間部40Bは、脱水しようとする容器Mの最大の大きさよりも大きい空間を確保している。このため、第1保持空間部40Aと第2保持空間部40Bは、容器Mの形状や寸法の大小にかかわらず、容器Mを収容して保持することができる。
【0060】
第1保持空間部40Aと第2保持空間部40Bは、回転軸35に対して半径方向に形成されているのではなく、回転軸35を挟むようにして反対側において平行に配置されている。第1保持空間部40Aは、回転体40の円周に接する程度まで長く形成され、第2保持空間部40Bも、回転体40の円周に接する程度まで長く形成されている。第1保持空間部40Aの開口部40Pと第2保持空間部40Bの開口部40Qは、反対の向きにある。
【0061】
図1と
図2では、第1保持空間部40Aの開口部40Pと第2保持空間部40Bの開口部40Qが、予め定められた作業準備姿勢位置(作業開始位置)に位置決めされている。この作業準備姿勢位置では、第1保持空間部40Aと第2保持空間部40Bの姿勢位置は、ともに搬入方向Xに対して所定角度Sだけ傾斜して保持されている。
【0062】
このように、作業準備姿勢位置では、第1保持空間部40Aと第2保持空間部40Bが水平方向(搬入方向X)に対して、傾斜されていることにより、例えば脱水しようとする容器Mは、第1保持空間部40A内へ、搬入部2の搬入コンベア10側から自由落下により投入し易い。逆に、脱水済みの容器Mは、第2保持空間部40B内から、搬出部4の搬出コンベア70側へ自由落下により排出し易い。
【0063】
また、
図2に示すように、第1保持空間部40Aの開口部40Pと第2保持空間部40Bの開口部40Qは、容器Mの投入や排出が自由落下により容易にできるように、好ましくは、先端側がより開いた形状になっている。
【0064】
図1と
図2では、第1保持空間部40Aの開口部40Pは、搬入部2の搬入コンベア10の終端部の位置に対応しており、第2保持空間部40Bの開口部40Qは、搬出部4の搬出コンベア70の始端部の位置に対応している。また、回転体40が回転方向Rに180度回転すると、逆に、第2保持空間部40Bの開口部40Qは、搬入部2の搬入コンベア10の終端部の位置に対応し、第1保持空間部40Aの開口部40Pは、搬出部4の搬出コンベア70の始端部の位置に対応することになる。
【0065】
これにより、脱水しようとする容器Mは、
図2に示す搬入部2の搬入コンベア10から、第1保持空間部40Aの開口部40Pを通じて第1保持空間部40A内に投入できる。あるいは、
図2の状態から回転体40が180度回転した状態では、脱水しようとする容器Mは、搬入部2の搬入コンベア10から、第2保持空間部40Bの開口部40Qを通じて第2保持空間部40B内に投入できる。
【0066】
また、
図2の状態から回転体40が180度回転した状態では、回転体40の回転により脱水済みの容器Mは、第1保持空間部40Aの開口部40Pを通じて第1保持空間部40A内から出口シュート99を介して搬出コンベア70側に排出できる。あるいは、さらに180度回転した状態では、回転体40の回転により脱水済みの容器Mは、第2保持空間部40Bの開口部40Qを通じて第2保持空間部40Bから出口シュート99を介して搬出コンベア70側に排出できるようになっている。
【0067】
<固定ガード部29>
次に、
図2と、
図3と
図5を参照して、固定ガード部29,29について説明する。
【0068】
図2と
図3に示すように、本体部30の内部には、固定ガード部29,29とシャッタ50が設けられている。固定ガード部29は、回転軸35を中心として例えば円筒状になっている。固定ガード部29,29は、回転軸35には固定されておらず、本体部30に固定されている。
【0069】
固定ガード部29,29は、ほぼ回転体40の周囲を、一部分を除いて覆う大きさを有しており、回転体40が脱水しようとする容器Mを保持して回転する際に、容器Mが回転体40から出ないようにガードする。すなわち、固定ガード部29,29は、
図2に示すように、回転体40の第1保持空間部40Aの開口部40Pと第2保持空間部40Bの開口部40Qは、覆っていないが、回転体40の第1保持空間部40Aの開口部40Pと第2保持空間部40Bの開口部40Qを除いた回転体40のその他の円周部分は、覆っている。
【0070】
図3と
図5に示すように、固定ガード部29,29は、回転体40の構造と同様にして、それぞれ複数本の棒材29Aと、複数本の支持部材29Bと、左右の円弧状部材29C,29Cにより構成されている。棒材29Aは、Y方向に平行に配置されている。支持部材29Bには、これらの棒材29Aを通して、これらの棒材29Aの両端部は左右の円弧状部材29C,29Cに対して固定されている。
【0071】
図2に示すように、本体部30は、両側面側にそれぞれ上側板30Rと下側板30Qを有する。上側板30Rと下側板30Qには、それぞれ複数の円弧状のガイド溝30Wを有する。左右の円弧状部材29C,29Cは、それぞれ複数のボルト29Mを有しており、各ガイド溝30Wには、ボルト29Mが通っている。このボルト29Mにナットを装着している。これにより、ナットを緩めることにより、円弧状部材29C,29Cは、回転軸35を中心として、回転方向Rに関する位置の調整が行える。これにより、回転体40の第1保持空間部40Aの開口部40Pと第2保持空間部40Bの開口部40Qの位置に合わせて、固定ガード部29,29の位置調整が行える。
【0072】
各棒材29Aは、Y方向に平行である。これらの支持部材29Bは、板状の部材を用いている。板状の部材である支持部材29Bは、回転軸35を中心として、半径方向(放射方向)にそって配置されている。すなわち、支持部材29Bの広い左右面は、半径方向に沿っており、狭い内端面は、回転軸35側に対面している。これにより、脱水しようとする重い容器Mを収容して回転しても、棒状の部材を用いるのに比べて、支持部材29Bは、半径方向の外側にかかる容器Mの力により変形せずにしっかりと容器Mを支持することができる。
【0073】
<シャッタ50>
次に、シャッタ50について、
図1から
図3と
図5と
図8を参照して、説明する。
【0074】
図8は、脱水しようとする容器Mを搬入コンベア10から回転体40に投入して脱水をし、脱水済みの容器Mを回転体40から排出コンベア70へ排出する動作例を示している。
【0075】
図1と
図2に示すシャッタ50は、固定ガード部29に対して、回転シャッタあるいは可変ガード部ともいう。
図8に例示するように、シャッタ50は、固定ガード部29,29に対して、所定角度だけ回転軸35を中心にして揺動可能である。
【0076】
シャッタ50は、
図8(A)に例示するように回転体40に対して脱水しようとする容器Mを投入するか、
図8(C)に例示するように回転体40内から脱水済みの容器Mを排出する際には、固定ガード部29,29の間の2つの開放部分SPを開けた状態にする。また、シャッタ50は、
図8(B)に示すように回転体40が容器Mを保持して回転する際には、固定ガード部29,29の間の2つの開放部分SPを閉じる役割を有する。
【0077】
シャッタ50は、本体部30に固定されて、搬入部2に対応する開放部分SPと搬出部4に対応する開放部分SPを除いて、回転体40の周囲を覆ってガードする固定ガード部29と、回転軸35に固定されて、回転軸35を中心にして揺動することで、搬入部2に対応する固定ガード部29の開放部分SPと搬出部4に対応する固定ガード部29の開放部分SPを覆うことが可能である。これにより、シャッタ50は、搬入部2に対応する固定ガード部29の開放部分SPと搬出部4に対応する固定ガード部29の開放部分SPにそれぞれ位置された保持空間部40A、40Bの開口部40P,40Qを、開閉可能にする。
【0078】
図3と
図5に示すように、シャッタ50は、複数本の棒材51と、複数本の支持部材52と、左右の側板53,53により構成されている。左右の側板53は、軽量化のために、例えば複数の孔が形成されている。棒材51は、Y方向に平行に配置されている。支持部材52に、これらの棒材51を通し、これらの棒材51の両端部が左右の側板53,53に対して固定されている。左右の側板53,53は、回転軸35に回転可能に支持されている。
【0079】
これらの支持部材52は、扇状の板状の部材を用いている。支持部材52は、回転軸35を中心として、円周方向に沿ってしかも半径方向(放射方向)にそって配置されている。すなわち、支持部材52の広い左右面は、半径方向に沿っており、狭い内端面は、回転軸35側に対面している。これにより、脱水しようとする重い容器Mを収容して回転しても、棒状の部材を用いるのに比べて、支持部材52は、半径方向の外側にかかる容器Mの力により変形せずに、しっかりと容器Mを支持することができる。
【0080】
図3に示すように、本体部30の左右の側面には、シャッタ50を所定角度揺動させるための駆動シリンダ98がそれぞれ設けられている。2つの駆動シリンダ98は、搬入方向Xに沿って配置されている。
図3と
図4に示すように、駆動シリンダ98のロッド98Rは、連結部材98Hを介して、左右の側板53,53にそれぞれ連結されている。駆動シリンダ98と連結部材98Hは、シャッタ駆動部を構成している。
【0081】
シャッタ駆動部(駆動シリンダ98等)は、回転体40が回転する際には、シャッタ50を動かして、搬入部2に対応する固定ガード部29の開放部分SPと搬出部4に対応する固定ガード部29の開放部分SPを覆うことで、各保持空間部40A,40Bの開口部40P,40Qを閉じる。
【0082】
これにより、
図3の左右の駆動シリンダ98のロッド98Rが伸びることで、
図8(B)と
図8(C)に示すようにシャッタ50は、固定ガード部29,29の間の2つの開放部分SPを開けた状態にして、回転体40へ脱水しようとする容器Mを投入したり、回転体40から脱水済みの容器Mの搬出を行うことができるようにする。
【0083】
また、
図3の左右の駆動シリンダ98のロッド98Rが縮むことで、
図8(A)に示すようにシャッタ50は、固定ガード部29,29の間の2つの開放部分SPを閉じて、回転体40内から、脱水しようとする容器Mが出ないようにする。これにより、回転体40が回転方向Rに回転する際に、シャッタ50は、固定ガード部29,29とともに、脱水しようとする容器Mをガードする。
【0084】
このように、シャッタ50は、シャッタ駆動部の駆動シリンダ98の動作により揺動することで、回転体40が回転して被洗浄体の脱水を行うときには、回転体40の保持空間部40A,40Bの開口部40P,40Qを確実に閉鎖することができる。このため、回転体40が回転しても、安全に被洗浄体の脱水を行える。
【0085】
図3に示すように、本体部30の一方の側面側には、位置合わせ検出部90が設けられている。位置合わせ検出部90は、検出用ピン91と、2つの近接センサ92,92を有する。検出用ピン91は、回転軸35の端部に取り付けられており、検出用ピン91は、回転軸35とともに回転する。
【0086】
一方の近接センサ92が、この検出用ピン91の回転方向の位置を検出して、制御部100に検出信号を送ると、制御部100は駆動モータ36を制御して、
図8(B)に示すように、回転体40の第1保持空間部40Aを、搬入コンベア10側に位置決めする。他方の近接センサ92が、この検出用ピン91の回転方向の位置を検出して、制御部100に検出信号を送ると、制御部100は駆動モータ36を制御して、
図8(C)に示すように、回転体40の第2保持空間部40Bを、搬入コンベア10側に位置決めする。
【0087】
このように、位置合わせ検出部90が回転体40の回転方向に関する位置を検出することで、回転体40の第1保持空間部40Aと第2保持空間部40Bは、予め定められた作業準備姿勢位置に、位置決めして止めることができる。このため、第1保持空間部40Aの開口部40Pと、第2保持空間部40Bの開口部40Qが、それぞれシャッタ50,50の位置に位置合わせをすることができる。これにより、回転体40の第1保持空間部40Aと第2保持空間部40Bは、シャッタ50により確実に閉じたり、開けたりすることができる。
【0088】
図1に示すように、本体部30には、必要に応じて、殺菌用のランプ97や、洗浄ノズル96を備える。ランプ97は、脱水しようとする容器Mが、回転体40へ投入される際に、光を照射することで、容器Mの殺菌を行う。洗浄ノズル96は、水道源95に接続されており、必要に応じて、洗浄ノズル96から水道水あるいは洗剤を混ぜた水道水を、本体部30内に噴射することで、本体部30内の各要素に付着した付着物を洗浄することができる。
【0089】
(搬出部4)
次に、
図1と
図6と
図7を参照して、搬出部4を説明する。
【0090】
図6は、搬出部4等を示す正面図であり、
図7は、搬出部4等を示す平面図である。なお、
図6と
図7では、搬入部2と脱水機構部3の図示は簡単化している。
【0091】
図1に示すように、搬出部4は、脱水機構部3から排出された脱水済みの容器Mを受け取って、搬出方向X1に搬出する。
図6と
図7に示すように、搬出部4は、基台65,65と、搬出コンベア70と、駆動モータ75と、ガイド板76,76と、殺菌液噴霧部80を有する。
【0092】
搬出コンベア70は、
図7に示すように、左右の基台65,65の間に配置されており、2つの駆動スプロケット71と、2つの従動スプロケット72と、2つの搬送チェーン73を有する。2つの駆動スプロケット71は、駆動軸66に取り付けられ、2つの従動スプロケット72は、従動軸67に取り付けられている。駆動軸66と従動軸67は、左右の基台65,65に対して、回転可能に取り付けられている。駆動軸66は、駆動モータ75に連結されている。各搬送チェーン73は、対応する駆動スプロケット71と従動スプロケット72に掛かっている。
【0093】
図7に示すように、左右のガイド板76,76は、それぞれ左右の基台65,65の内側に配置されている。左右のガイド板76,76は、脱水済みの容器Mを導入する側の端部がY方向に向けて外側に傾斜して開いている導入部分76A,76Aを有する。
【0094】
これにより、容器Mは、搬出方向X1に沿って、導入部分76A,76Aを用いて、左右のガイド板76,76の間に容易に導入することができる。そして、左右のガイド板76,76は、容器Mの左右の側面を案内しながら、容器Mを搬出方向X1に沿って正確に搬出することができる。
【0095】
図3に示すように、左右のガイド板76,76は、搬出方向X1に沿って平行であるが、支持軸77,77に支持されている。支持軸77,77は、左右の基台65,65に対して取り付けられており、駆動軸66と従動軸67の間に配置されている。
【0096】
左右のガイド板76,76の間隔の調整は、各種の大きさの脱水済みの容器Mの幅に合わせて、支持軸77,77においてY方向に沿って、例えば手動により可能である。これにより、脱水済みの容器Mは、姿勢を崩さずに左右のガイド板76,76により搬出方向X1に沿って安定して搬出することができる。
【0097】
なお、左右のガイド板76,76の間隔の調整は、各種の大きさの容器Mの幅に合わせて、洗浄装置200との連携により自動的に行うこともできる。
【0098】
図6と
図7に示す殺菌液噴霧部80は、脱水済みの容器Mに対して、タンク81と、複数の噴霧ノズル82と、タンク81と噴霧ノズル82をつなぐ配管83を有する。
【0099】
各噴霧ノズル82は、搬出部4へ排出された脱水済みの容器Mに、殺菌液を噴霧して、容器Mの内側を殺菌液で消毒できる。また、洗浄済みの容器Mが脱水機構部3により脱水されても、なお容器Mの外側面に残留水分がある場合には、残留水分は図示しないブロアーからの乾燥風により吹き飛ばすことで、容器Mを乾燥させることができるので、より衛生的になる。
【0100】
図1に示すように、制御部100は、指令することにより、駆動モータ11、駆動モータ36、駆動モータ75、駆動シリンダ98の駆動制御等を実行する。また、制御部100は、
図1に示す本体部30に配置された殺菌用のランプ97の点灯や、本体部30の内部の洗浄ノズル96から洗浄水を供給する動作や、殺菌液噴霧部80から殺菌液を、脱水済みの容器Mに噴霧する動作等の制御を行う。
【0101】
(被洗浄体の脱水装置1の動作例)
次に、被洗浄体の脱水装置1の動作例を説明する。
【0102】
図1に例示するように、被洗浄体の脱水装置1が洗浄装置200と組み合わせて設置される場合を説明する。被洗浄体の脱水装置1は、洗浄装置200の後段に設置されている。
【0103】
まず、
図1に示す洗浄装置200では、洗浄しようとする容器Mを搬送しながら、この容器Mに、洗浄液を吹き付けて洗浄処理した後に、すすぎ液を吹き付けることで、容器Mから洗浄液をすすぐ。この洗浄した容器Mは、被洗浄体の脱水装置1側に送られる。被洗浄体の脱水装置1は、洗浄済みの容器Mを順番に搬入部2に移すことで、次に説明するように、形状や大きさが異なる多品種の容器Mを、順番に効率よく脱水することができる。
【0104】
図1と
図2に示す搬入部2は、洗浄装置200により洗浄した容器Mを、脱水機構部3へ搬送して、脱水機構部3の回転体40内へ投入する役割を有する。
図1に示す制御部100は、搬入部2の駆動モータ11を駆動することで、搬入部2の搬入コンベア10のプッシャ25が、洗浄した容器Mを洗浄装置200から脱水機構部3の回転体40内へ、搬入方向Xに沿って搬入する。
【0105】
この搬入の際には、
図2と
図8(A)に示すように、容器Mは下向きにして送る。すなわち、洗浄した容器Mは、底部側が上側になり、開口部が下側になるようにして、搬入コンベア10の終端部から、回転体40の第1保持空間部40Aの開口部40Pを通じて、第1保持空間部40A内に投入される。このように、洗浄した容器Mが下向きに送られることで、洗浄済みの容器Mの内側の水分を搬送中において、脱水に先立って、できるだけ落下させることができる。
【0106】
このようにして搬入コンベア10が、洗浄した容器Mを搬入方向Xに搬送する際には、
図3に示すように、洗浄済みの容器Mの左右側面部は、左右のガイド板20,20によりガイドされるので、搬入部2では洗浄済みの容器Mの搬入姿勢を崩すことなく、洗浄した容器Mは搬入方向Xに沿って安定して搬入することができる。
【0107】
図2と
図8(A)に示すように、脱水機構部3では、回転体40の第1保持空間部40Aの開口部40Pが、搬入コンベア10の終端部に対応して位置決めされているとともに、第2保持空間部40Bの開口部40Qが、搬出コンベア70の始端部に対応して位置決めされている。
【0108】
これにより、洗浄した容器Mは、
図2と
図8(A)に示すように、自由落下により回転体40の第1保持空間部40A内に斜め下方向に投入され、洗浄した容器Mは第1保持空間部40A内においても下向きのままで収容されて保持される。
【0109】
洗浄した容器Mが第1保持空間部40A内に投入されたことを、図示しない検出部により検出されると、
図1の制御部100は、
図3の左右の2つの駆動シリンダ98,98を駆動することで、左右の駆動シリンダ98のロッド98Rが縮む。
【0110】
これにより、
図8(A)に示すようにシャッタ50は、回転軸35を中心としてR1方向に動いて、固定ガード部29,29の間の開口部40P(開放部分SP)と開口部40Q(開放部分SP)を閉じる。これにより、回転体40内から脱水しようとする容器Mが、回転体40の第1保持空間部40Aの開口部40Pから出ないようにする。
【0111】
次に、
図1の制御部100が駆動モータ36を駆動すると、回転体40は、
図8(B)に示すように、回転方向Rに所定回数だけ連続回転する。これにより、回転体40の第1保持空間部40Aの脱水しようとする容器Mの遠心力による脱水を行う。その後、回転体40は、
図8(C)に示すような姿勢状態で停止する。
【0112】
容器Mを脱水したことにより容器Mから落下した水分は、
図2に示す受け部材28の傾斜面28Aで受けて、受け部材28の中央位置の水抜き孔28Bに集めて、水抜き孔28Bから、本体部30の外部に排出することができる。
【0113】
図8(C)における回転体40の位置は、
図8(A)における回転体40の位置とは180度反対になり、回転体40の第1保持空間部40Aの開口部40Pが、搬出コンベア70の始端部に対応して位置決めされているとともに、第2保持空間部40Bの開口部40Qが、搬入コンベア10の終端部に対応して位置決めされる。
【0114】
この回転体40の回転方向の姿勢を、
図3に示す位置合わせ検出部90が検出すると、制御部100は、
図3の左右の2つの駆動シリンダ98,98を駆動して、左右の駆動シリンダ98のロッド98Rが伸長する。
図8(C)に示すように、シャッタ50は、回転軸35を中心として回転方向Rに動いて、固定ガード部29,29の間の開口部40P(開放部分SP)と開口部40Q(開放部分SP)を開ける。
【0115】
これにより、第1保持空間部40Aの開口部40Pが開放されるので、第1保持空間部40A内にある脱水済みの容器Mは、上向きの状態のままで、斜め下方向に自由落下により、出口シュート99を介して、搬出コンベア70の上に排出される。このため、
図1に示す制御部100は、駆動モータ75を駆動することで、搬出コンベア70は、脱水済みの容器Mを、搬出方向X1に沿って搬出することができる。
【0116】
上述したように、脱水しようとする容器Mの搬入作業と、脱水済みの容器Mの搬出作業は、回転体40の2つの第1保持空間部40Aと第2保持空間部40Bを交互に利用することで、繰り返して連続的に行うことができる。
【0117】
しかも、
図7に示す各噴霧ノズル82は、搬出部4へ排出された脱水済みの容器Mに、殺菌液を噴霧することで、容器Mの内側を殺菌液で消毒することができる。
【0118】
また、洗浄済みの容器Mが脱水機構部3により脱水されても、容器Mの外側面に残留水滴がある場合には、図示しないブロアーからの乾燥風により吹き飛ばすことで、容器Mを乾燥させることもできるので、容器Mはより衛生的になる。
【0119】
以上説明したように、本発明の実施形態の被洗浄体の脱水装置1は、被洗浄体(一例として容器M)を回転することで被洗浄体を脱水する。被洗浄体の脱水装置1は、本体部30と、本体部30に回転可能に支持され、被洗浄体を内部に収容して保持しながら回転することで被洗浄体の脱水を行う回転体40を備え、回転体40は、本体部30に水平(Y方向)に保持された回転軸35を中心に回転可能に支持されている。
【0120】
これにより、回転体40は、水平に保持された回転軸35を中心に回転可能であり、この回転体40は、被洗浄体を内部に収容して保持しながら回転することで、被洗浄体の脱水を安全に行うことができる。このため、形状や大きさが異なる多品種の被洗浄体を回転体40の内部に収容して保持するだけで、被洗浄体の脱水を容易にしかも安全に行うことができる。しかも、蒸気熱を用いて乾燥風の温度を上げて被洗浄体の脱水を行う必要がないので、被洗浄体の脱水作業の省エネルギ化が図れる。
【0121】
被洗浄体の脱水装置1は、本体部30の回転体40内に被洗浄体を案内して搬入する搬入部2と、回転体40内から出た脱水済みの被洗浄体を搬出する搬出部4を備え、搬入部2は、被洗浄体を回転体内に案内するガイド部13を有し、ガイド部13は、被洗浄体の幅に応じて位置が変更可能である。
【0122】
これにより、搬入部2は、回転体40内に脱水しようとする被洗浄体をスムーズに搬入でき、搬出部4は、脱水済みの被洗浄体をスムーズに次の段階に排出できる。搬入部2は、回転体40の内部に搬入しようとする際に、ガイド部13が形状や大きさが異なる多品種の被洗浄体の幅に応じて位置が変更できる。このため、搬入部2は、被洗浄体の搬入姿勢を変えずに、形状や大きさが異なる多品種の被洗浄体を安定して回転体40の内部に搬入することができるので、搬入作業がスムーズに行える。
【0123】
回転体40は、脱水しようとする被洗浄体を保持する保持空間部40A,40Bを備える。保持空間部40A,40Bは、脱水しようとする被洗浄体を保持空間部40A,40B内に搬入し、脱水の終わった被洗浄体を保持空間部40A,40B内から排出するための開口部40P,40Qを有する。
【0124】
脱水機構部3は、シャッタ50とシャッタ駆動部(駆動シリンダ98等)を有する。シャッタ50は、本体部30に固定されて、搬入部2に対応する開放部分SPと搬出部4に対応する開放部分SPを除いて、回転体40の周囲を覆ってガードする固定ガード部29と、回転軸35に固定されて、回転軸35を中心にして揺動することで、搬入部2に対応する固定ガード部29の開放部分SPと搬出部4に対応する固定ガード部29の開放部分SPを覆うことが可能であり、搬入部2に対応する固定ガード部29の開放部分SPと搬出部4に対応する固定ガード部29の開放部分SPにそれぞれ位置された保持空間部40A、40Bの開口部40P,40Qを、開閉可能にする。
【0125】
シャッタ駆動部(駆動シリンダ98等)は、回転体40が回転する際には、シャッタ50を動かして、搬入部2に対応する固定ガード部29の開放部分SPと搬出部4に対応する固定ガード部29の開放部分SPを覆うことで、各保持空間部40A,40Bの開口部40P,40Qを閉じる。
【0126】
これにより、シャッタ50は、シャッタ駆動部の動作により揺動することで、回転体40が回転して被洗浄体の脱水を行うときには、回転体40の保持空間部40A,40Bの開口部40P,40Qを確実に閉鎖することができる。このため、回転体40が回転しても、安全に被洗浄体の脱水を行える。
【0127】
本体部30は、被洗浄体の脱水の際に被洗浄体から除かれる水分を受けて本体部30の外部に抜くための板状の受け部材28を有する。この板状の受け部材28は、回転体40の下部において、本体部30に対して回転軸35に平行に固定されている。
【0128】
これにより、回転体40が被洗浄体を連続的に脱水しても、被洗浄体から除かれる水分は、板状の受け部材28により受けて、本体部30の外部に抜くことができる。しかも、板状の受け部材28は、回転体40の下部において、本体部30に対して回転軸35に平行に固定されているので、板状の受け部材28は、本体部30の強度を高める補強部材としての役割を果たすことができる。このため、板状の受け部材28は本体部30の強度を高めるので、板状の受け部材28は回転体40の回転運動を安定して支えることができる。
【0129】
本体部30は、回転体40の回転軸35を中心とする回転方向に関する停止位置の角度位置を検出することで、回転体40の保持空間部40A,40Bの開口部40P,40Qとシャッタ50の開閉位置を合わせるための位置合わせ検知部90を有する。
【0130】
これにより、シャッタ50は、回転体40の保持空間部40A,40Bの開口部40P,40Qの開閉を正確に行うことができる。このため、脱水しようとする被洗浄体を回転体40の内部に搬入する動作と、脱水済みの被洗浄体を回転体40の内部から搬出する動作を、スムーズに行える。
【0131】
本体部30には、回転体とシャッタを洗浄する洗浄液を供給する洗浄ノズル96が設けられている。これにより、洗浄ノズル96は、洗浄液を供給することで、回転体40とシャッタ50の汚れを適宜洗浄することができ、回転体40とシャッタ50の衛生状態を確保することができる。
【0132】
回転体40は、第1の保持空間部40Aと第2の保持空間部40Bを有し、第1の保持空間部40Aと第2の保持空間部40Bは、回転軸35を中心にして180度反対の位置において、互いに向かい合うように平行に設けられている。
【0133】
これにより、被洗浄体としての容器Mは、第1の保持空間部40Aと第2の保持空間部40Bへ順番に搬入することで交互に脱水を行うことができ、容器Mの脱水作業の効率を上げることができる。
【0134】
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、各実施形態は一例であり、特許請求の範囲に記載される発明の範囲は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更できるものである。本発明の各実施形態は、任意に組み合わせることができる。
【0135】
例えば、図示した容器Mの形状は、一例であり、被洗浄体としての容器Mは、種々の大きさや形状のものであっても、本発明の実施形態の被洗浄体の脱水装置1は、回転することにより、脱水処理を行うことができる。被洗浄体としての容器Mは、プラスチック製の容器だけでなく、金属製の容器であっても良い。
【0136】
脱水機構部3の回転体40は、図示例では、合計2つの第1保持空間部40Aと第2保持空間部40Bを有しているが、合計3つ以上の保持空間部を有する構造を採用しても良い。
【0137】
殺菌液は、pHを調整した次亜塩素酸の溶液や、消毒用のアルコール溶液等、使用目的や環境に合わせたものを使用する。
【0138】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1aは、主として、回転体101(第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1の回転体40に相当する回転体)の形態、シャッタ103(第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1のシャッタ50に相当するシャッタ)の形態が第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1と異なり、その他の点は、被洗浄体の脱水装置1とほぼ同様に構成されており、ほぼ同様に動作しほぼ同様の効果を奏する。
【0139】
ここで、説明便宜のために、水平な所定の一方向を前後方向(第1の実施形態ではX方向)とし、水平な所定の他の一方向であって前後方向に対して直交する方向を幅方向(第1の実施形態ではY方向)とし、前後方向と幅方向とに対して直交する方向を上下方向(第1の実施形態ではZ方向)とする。
【0140】
第2の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1aの回転体101は、
図9~
図11で示すように、脱水しようとする被洗浄体(たとえば、容器M)を保持する保持空間部105(第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1の第1の保持空間部40A、第2の保持空間部40Bに相当する保持空間部)を備えて構成されている。
【0141】
保持空間部105は、第1の部位107と第2の部位109と第3の部位111とを備えて構成されている。また、保持空間部105には、脱水しようとする被洗浄体Mを保持空間部105内に搬入し、脱水の終わった被洗浄体Mを保持空間部105内から排出するための開口部113(第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1の開口部40P、40Qに相当する開口部)が設けられている。
【0142】
第1の部位107は、開口部113から被洗浄体Mが保持空間部105に入るときに被洗浄体Mが当接しつつ移動する(接触しつつ滑り落ちる)ものである。また、第1の部位107は、回転体101の回転によって被洗浄体Mに発生する遠心力によって被洗浄体Mから押圧力を受けるものである。
【0143】
第2の部位109は、開口部113から被洗浄体Mが保持空間部105に入ったときに、第1の部位107に当接しつつ移動してきた被洗浄体Mを当接させて停止させるものである。第3の部位111は、開口部113から被洗浄体Mが保持空間部105の外に出るときに、被洗浄体Mが当接しつつ移動する(接触しつつ滑り落ちる)ものである。
【0144】
回転体101の回転軸C1の延伸方向(幅方向)で見ると、
図11で示すように、第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119は、直線状に形成されている。また、回転体101の回転軸の延伸方向(幅方向)で見ると、第1の部位107の被洗浄体Mが当接する面115や第2の部位109の被洗浄体Mが当接する面117も、直線状に形成されている。
【0145】
第1の部位107の被洗浄体Mが当接する面115と、第2の部位109の被洗浄体Mが当接する面117と、第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119とは、「コ」字状に形成されている。
【0146】
「コ」の字体の上の横棒が第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119に相当し、「コ」の字体の下の横棒が第1の部位107の被洗浄体Mが当接する面115に相当し、「コ」の字体の縦棒が第2の部位109の被洗浄体Mが当接する面117に相当し、「コ」の字体の左端部(縦棒とは反対側の開口部)のところに保持空間部105の開口部113が形成されている。
【0147】
また、回転体101の回転軸C1の延伸方向で見ると、第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119は、回転体101の回転軸C1の近傍で、回転体101の円の径方向に延びており、第1の部位107の被洗浄体Mが当接する面115は、回転体101の回転軸C1から離れて、回転体101の円の径方向に延びている。
【0148】
さらに、第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119と第1の部位107の被洗浄体Mが当接する面115とは平行に延びておらず、第1の部位107の被洗浄体Mが当接する面115が第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119に対して僅かに傾いている。
【0149】
これにより、第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119と第1の部位107の被洗浄体Mが当接する面115との間の距離の値は、保持空間部105の開口部113側で大きく、保持空間部105の開口部113とは反対側(第2の部位109側)で小さくなっている。
【0150】
なお、第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119と第1の部位107の被洗浄体Mが当接する面115とが、お互いが平行になって延びていてもよいし、第1の部位107の被洗浄体Mが当接する面115が第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119に対して僅かに傾いていて、第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119と第1の部位107の被洗浄体Mが当接する面115との間の距離の値が、保持空間部105の開口部113側で小さく、保持空間部105の開口部113とは反対側(第2の部位109側)で大きくなっていてもよい。
【0151】
第3の部位111は、複数本(たとえば5本)の合成樹脂(たとえば、ポリプロピレン、ソリジュール、ポリエチレン、ポリアセタール等)製の当接部材125を備えて構成されており、第3の部位111を構成している各当接部材125は、
図12で示すように、回転体102の回転軸C1の延伸方向で所定の間隔をあけてならんでいる。
【0152】
第1の部位107も、第3の部位111と同様にして、複数本(たとえば5本)の合成樹脂製の当接部材121を備えて構成されており、第1の部位107を構成している各当接部材121も、回転体101の回転軸C1の延伸方向で所定の間隔をあけてならんでいる。
【0153】
第2の部位109も、第3の部位111と同様にして、複数本(たとえば5本)の合成樹脂製の当接部材123を備えて構成されており、第2の部位109を構成している各当接部材123も、回転体101の回転軸C1の延伸方向で所定の間隔をあけてならんでいる。なお、第3の部位111、第1の部位107、第2の部位109であるが、設計強度等の関係で、本数が適宜変更される場合がある。すなわち、3本もしくは4本もしくは6本もしくは7本もしくは8本以上の適宜の本数に変更される場合がある。
【0154】
回転体101は、
図12等で示すように、お互いが所定の距離だけ離れている一対の側板127(第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1の側板53に相当する側板)と、複数本の棒状の支持部材129(第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1の棒材51に相当する支持部材)とを備えて構成されている。
【0155】
側板127は、
図11等で示すように、たとえば、円板状に形成されている。回転体101の回転軸C1の延伸方向で見て、複数本の棒状の支持部材129は、お互いが離れ、
図12で示すように、一対の側板127の間で延伸しており一対の側板127に一体的に設けられている。
【0156】
また、各当接部材121、123、125のそれぞれは、
図13で示すように、各支持部材129のそれぞれに設けられている一対の当接部材支持部材131で挟まれていることで、回転体101(一対の側板127、各支持部材129)に一体的に設けられている。
【0157】
当接部材121、123、125を挟んでいる当接部材支持部材131は、支持部材129の長手方向(幅方向)で支持部材129に対して移動位置決め自在になっている。これにより、当接部材121、123、125も、支持部材129の長手方向(幅方向)で支持部材129に対して移動位置決め自在になっている。
【0158】
また、当接部材121、123、125には、
図13(a)で示すように、たとえば「U」字状に形成された切り欠き133が設けられており、
図13(b)で示すように、支持部材129は、当接部材121、123、125に設けられている切り欠き133を通り抜けている。
【0159】
古くなった当接部材121、123、125の交換は、当接部材支持部材131による古くなった当接部材121、123、125の挟み状態を解消して、古くなった当接部材121、123、125を支持部材129から離し、続いて、新しい当接部材121、123、125を、この切り欠き133を支持部材129が通り抜けるようにして設置し、一対の当接部材支持部材131で新しい当接部材121、123、125を挟ことでなされる。
【0160】
本体部135(第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1の本体部30に相当する本体部)は、
図9や
図10で示すように、板状の壁材(カバー部材)137と受け部材144(第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1の受け部材28と同様に構成されている受け部材)とを具備した筐体139で構成されている。この筐体139の内部には、空間140(壁材137と受け部材144で囲まれている空間)が形成されている。
【0161】
さらに説明すると、壁材137は、前側壁材137Aと、後側壁材137Bと、上側壁材137Cと、一対の側部壁材137Dとで構成されており、回転中心軸C1を中心にして回転(自転)する回転体101が存在している空間140は、前側壁材137Aと、後側壁材137Bと、上側壁材137Cと、一対の側部壁材137Dと受け部材144とで囲まれた態様で形成されている。
【0162】
筐体139の一方の側(後側;後側壁材137B)には、回転体101の保持空間部内に被洗浄体Mを入れるための入口側開口部141が設けられている(入口側開口部141は後側壁材137Bの一部に形成されている)。
【0163】
また、筐体139の他方の側(前側;前側壁材137A)には、回転体101の保持空間部105内の被洗浄体Mを本体部135の外に出すための出口側開口部143が設けられている(出口側開口部143は前側壁材137Aの一部に形成されている)。
【0164】
シャッタ103として、入口側開口部シャッタ(入口側シャッタ)103Aと出口側開口部シャッタ(出口側シャッタ)103Bとが設けられている。
【0165】
入口側開口部シャッタ103Aは、
図15で示すように、本体部135に対して直線的に上下方向に移動することで入口側開口部141を開閉するようになっている。入口側開口部シャッタ103Aが上昇して入口側開口部141が開いている状態では、この入口側開口部141を通って、被洗浄体Mを本体部135の外部から回転体101の保持空間部105に入れることができるようになっている。
【0166】
出口側開口部シャッタ103Bは、本体部135に対して直線的に上下方向に移動することで出口側開口部143を開閉するようになっている。出口側開口部シャッタ103Bが上昇して出口側開口部143が開いている状態では、この出口側開口部143を通って、回転体101の保持空間部105に入っている被洗浄体Mを本体部135の外部に出すことができるようになっている。
【0167】
入口側開口部シャッタ103Aと出口側開口部シャッタ103Bとが下降して入口側開口部141と出口側開口部143とが閉じている状態では、回転体101の回転時に本体部135の外部に水が飛ばないようになっており、また、回転体101の回転時に本体部135の内部に人の手等の体の一部を入れることができないようになっている。
【0168】
また、筐体139の幅方向の一方の側、筐体139の幅方向の他方の側の少なくとのいずれかには、
図1で示すように、本体部135の内部を清掃しまた点検するための、1つもしくは複数のカバー設置用開口部145が設けられている。
【0169】
具体的に説明すると、筐体139を構成している一方の側部壁材137Dの上部には、上側カバー設置用開口部145が設けられており、筐体139を構成している一方の側部壁材137Dの下部にも、下側カバー設置用開口部145が設けられている。
【0170】
また、筐体139を構成している他方の側部壁材137Dの上部にも、上側カバー設置用開口部145が設けられており、筐体139を構成している他方の側部壁材137Dの下部にも、下側カバー設置用開口部145が設けられている。
【0171】
これらの4つのカバー設置用開口部145のそれぞれには、カバー部材147が設置されており、4つのカバー設置用開口部145のそれぞれは、4つのカバー部材147のそれぞれで塞がれている。
【0172】
カバー部材147は、カバー設置用開口部145に着脱自在になっており、カバー部材147の少なくとも一部は、本体部135の外部から本体部135の内部を覗けるようにするために、透明な部材(たとえば透明が合成樹脂で構成された部材)149で構成されている。
【0173】
ここで、本体部135や回転体101やシャッタ103等についてさらに詳しく説明する。
【0174】
本体部135や回転体101等の主な構成材は、当接部材121、123、125と透明な部材149を除いて、ステンレススチール等の錆びにくい金属で構成されている。
【0175】
本体部135の外形は、すでに理解されるように、直方体状に形成されており、本体部135の内部の空間140も直方体状に形成されている。
【0176】
回転体101は、
図11、
図12で示すように、回転軸部材151(第1の実施形態に係る被洗浄体の脱水装置1の回転軸35と同様な回転軸部材)と一対の側板127と複数本の支持部材129とを備えて構成されている。
【0177】
回転軸部材151は細長い円柱状に形成されており、側板127は円板状に形成されており、支持部材129も、細長い円柱状に形成されているが、回転軸部材151よりも小径で短くなっている。
【0178】
回転軸部材151は、この長手方向が幅方向になるようにして、図示しないベアリングを介して本体部135に回転自在に設けられている。なお、回転軸部材151の長手方向の一端と他端とが、本体部135に係合しており、回転軸部材151の中心軸は、回転体101の回転軸C1と一致している。
【0179】
一対の側板127のうちの一方の側板127は、回転軸部材151の長手方向の一端側で回転軸部材151に一体的に設けられている。一対の側板127のうちの他方の側板127は、回転軸部材151の長手方向の他端側で回転軸部材151に一体的に設けられている。なお、側板127の厚さ方向は、回転軸部材151の長手方向と一致しており、回転軸部材151の中心と側板127の中心とはお互いが一致している。
【0180】
支持部材129は、この長手方向が幅方向になるようにして、一対の側板127の間で一対の側板127に一体的に設けられている。なお、支持部材129の長手方向の一端は、一対の側板127のうちの一方の側板127に係止されており、支持部材129の長手方向の他端は、一対の側板127のうちの他方の側板127に係止されている。
【0181】
回転体101の回転軸C1の延伸方向で見て、複数本の支持部材129は、当接部材121、123、125を支持するために、
図11で示すように、当接部材121、123、125のところに設けられている。
【0182】
側板127には、側板127を軽量化するために、
図14で示すように、複数の貫通孔(たとえば円形状の貫通孔)153が設けられている。回転体101の回転軸C1の延伸方向で見て、各貫通孔153は、当接部材121、123、125を避けたところに設けられている。
【0183】
第3の部位111を構成している当接部材125は、細長い四角柱状に形成されている。当接部材125の断面(長手方向に対して直交する平面による断面)は横方向(厚さ方向)の寸法の値が縦方向の寸法の値に比べて数倍大きい長方形状に形成されている(
図13(b)参照)。
【0184】
当接部材125の長手方向の寸法の値は、
図11で示すように、側板127の直径の値よりもわずかに小さくなっている(側板127の直径の値の8割~9割程度になっている)。
【0185】
第1の部位107を構成している当接部材121や第2の部位109を構成している当接部材123の断面も、第3の部位111を構成している当接部材125と同形状に形成されている。
【0186】
当接部材121の長手方向の寸法の値は、当接部材125の長手方向の寸法の値よりも小さくなっており、側板127の直径の値の5割~7割程度になっている。当接部材123の長手方向の寸法の値は、当接部材123の長手方向の寸法の値よりも小さくなっており、側板127の直径の値の1割~3割程度になっている。
【0187】
当接部材121、123、125は、
図13(b)で示すように、これらの断面の横方向が、回転体101の回転軸C1の延伸方向(幅方向)と一致するようにして、支持部材129に一体的に設けられている。これにより、被洗浄体Mによる押圧力に対する当接部材121、123、125の剛性が高くなっている。
【0188】
ここで、当接部材125の支持部材129への固定の態様について詳しく説明する。
【0189】
図13で示すように、当接部材125には、「U」字状の切り欠き133が形成されている。「U」字状の切り欠き133は、当接部材125をこの厚さ方向で貫通しているともに、当接部材125の厚さ方向で見ると、「U」字状の切り欠き133のお互いが対向している2つの平面の間の距離の値は、円柱状の支持部材129の外径の値と等しくなっており、「U」字状の切り欠き133の半円弧の直径も、円柱状の支持部材129の外径の値と等しくなっている。
【0190】
当接部材支持部材131は、円柱状の本体部と円板状の鍔部とを備えて構成されている。当接部材支持部材131には円形状(円柱状の貫通孔)が形成されており、この貫通孔の内径の値は、円柱状の支持部材129の外径の値と等しくなっている。また、当接部材支持部材131の本体部には、メスネジ155が形成されている。
【0191】
また、当接部材125は、一対の当接部材補助支持部材157を介して、当接部材支持部材131で挟み込まれて、支持部材129に一体的に設けられている。
【0192】
当接部材補助支持部材157は、細長い矩形な板状に形成されている。当接部材補助支持部材157には、この厚さ方向で当接部材補助支持部材157を貫通している円形状の貫通孔が設けられている。この貫通孔の内径の値は、円柱状の支持部材129の外径の値と等しくなっている。
【0193】
そして、当接部材125は、「U」字状の切り欠き133の半円弧状の底部が、支持部材129に接触した態様で、支持部材129に設置されている。被洗浄体Mが当接する第3の部位111の面119は、「U」字状の切り欠き133が設けられている面(縦方向の一方の面)とは反対側の面(縦方向の一方の面)で形成されている。
【0194】
一対の当接部材補助支持部材157のうちの一方の当接部材補助支持部材157(
図13(b)の左側の当接部材補助支持部材157)は、貫通孔を支持部材129が貫通し、厚さ方向の一方の面が、当接部材125に接している。
【0195】
一対の当接部材支持部材131のうちの一方の当接部材支持部材131(
図13(b)の左側の当接部材支持部材131)は、貫通孔を支持部材129が貫通し、鍔部の円形状の平面が、当接部材補助支持部材157に接している。
【0196】
また、一方の当接部材支持部材131のメスネジには、トメネジ159が設置されており、これにより、一方の当接部材支持部材131が、支持部材129と一体化している。
【0197】
一対の当接部材補助支持部材157のうちの他方の当接部材補助支持部材157(
図13(b)の右側の当接部材補助支持部材157)は、貫通孔を支持部材129が貫通し、厚さ方向の一方の面が、当接部材125に接している。
【0198】
一対の当接部材支持部材131のうちの他方の当接部材支持部材131(
図13(b)の右側の当接部材支持部材131)は、貫通孔を支持部材129が貫通し、鍔部の円形状の平面が、当接部材補助支持部材157に接している。
【0199】
また、他方の当接部材支持部材131のメスネジにも、トメネジ159が設置されており、これにより、他方の当接部材支持部材131が、支持部材129と一体化している。
【0200】
これにより、一対の当接部材支持部材131で当接部材125が挟み込まれ、当接部材125が、支持部材129に一体的に設けられている。
【0201】
なお、当接部材125と一対の当接部材補助支持部材157とは、
図11で示すように、複数箇所で、当接部材支持部材131を用いて、支持部材129と一体化している。
【0202】
当接部材125を、支持部材129の長手方向(幅方向)で支持部材129に対して移動位置決めする場合には、トメネジ159を緩めて、当接部材125と一対の当接部材支持部材131と一対の当接部材補助支持部材157とを移動して適宜の位置にし、その後、一対の当接部材支持部材131で、一対の当接部材補助支持部材157と当接部材125とを挟み込み、トメネジ159を締めればよい。
【0203】
また、古くなった当接部材125を交換する場合には、一方の当接部材支持部材131のトメネジ159を緩めて、古くなった当接部材125を保持空間部105側に抜き、新しい当接部材125を、保持空間部105側から支持部材129に設置し、その後、一対の当接部材支持部材131で、一対の当接部材補助支持部材157と当接部材125とを挟み込み、先程緩めた一方の当接部材支持部材131のトメネジ159を締めればよい。
【0204】
なお、トメネジ159以外の締結部材を用いて、当接部材125を、支持部材129に一体的に設けてもよいし、当接部材125と支持部材129との一体化をより強くするために、当接部材125と一対の当接部材補助支持部材157と一対の支持部材129の鍔部とを、これらの厚さ方向(
図13(b)の左右方向)でボルトとナット等の締結部材を用いて締め上げてもよい。さらに、当接部材補助支持部材157を削除した構成であってもよい。
【0205】
当接部材補助支持部材157の縦寸法の値(
図13(b)では上下方向寸法)は、当接部材125の縦寸法の値よりも小さくなっており、保持空間部105側には、当接部材125が、当接部材補助支持部材157や当接部材支持部材131よりも突出している。
【0206】
これにより、保持空間部105内に被洗浄体Mが入った場合、樹脂製の当接部材125のみが、被洗浄体Mに当接するようになっている。
【0207】
当接部材125は、
図12で示すように、複数本(たとえば5本)設けられており、幅方向で所定の間隔をあけてならんでいる。当接部材121や当接部材123も、当接部材125と同じようにして、複数本のものが、支持部材129に一体的に設けられている。
【0208】
さらに、回転体101には、
図11等で示すように、一対の保持空間部105が設けられている。一対の保持空間部105は、回転体101の中心軸C1に対してお互いが点対称となる位置に設けられている。したがって、回転体101には、10本(5本×2)の当接部材121と、10本(5本×2)の当接部材123と、10本(5本×2)の当接部材125とが設けられていることになる。
【0209】
なお、保持空間部105に入った被洗浄体Mを幅方向で挟みガイド(たとえば幅方向でのラフな位置決め)をするために、支持部材129に一対のガイド部材(図示せず)を設けてもよい。このガイド部材は、第1の当接部材121に当接している被洗浄体Mをガイドするために、第1の当接部材121を支持している支持部材129に設けられている。さらに、ガイド部材が第2の当接部材123や第3の当接部材125に設けられていてもよい。
【0210】
次に、シャッタ103についてさらに詳しく説明する。まず、
図15を参照して入口側シャッタ103Aについて説明する。
【0211】
入口側シャッタ103Aは、矩形な平板状のシャッタ板161(前側シャッタ板161A)と空気圧シリンダ163等のアクチュエータとを備えて構成されている。
【0212】
上述したように、本体部135の前側壁材137Aには、入口側開口部141が形成されている。入口側開口部141はたとえば矩形状に形成されている。シャッタ板161Aは、この厚さ方向が前後方向になるようにして、本体部135に支持されている。シャッタ板161Aは、図示しないガイド部材によってガイドされることで、本体部30に対して上下方向で移動できるようになっている。
【0213】
空気圧シリンダ163は、シリンダ本体165とピストン(図示せず)とシリンダ本体165から下側に延出しているピストンロッド167とを備えて構成されている。シリンダ本体165は本体部135に一体的に設けられている。ピストンロッド167の下端には、連結部材169が一体的に設けられている。連結部材169は、シャッタ板161Aに一体的に設けられている。
【0214】
そして、空気圧シリンダ163によって、シャッタ板161Aを上昇させて上昇端に位置させることで、
図15(b)で示すように、入口側開口部141が開いて、入口側開口部141を通して、被洗浄体Mが通過できるようになっている。
【0215】
また、空気圧シリンダ163によって、シャッタ板161Aを下降させて下降端に位置させることで、
図15(a)で示すように、入口側開口部141が閉じられるようになっている。
【0216】
出口側シャッタ103Bも、入口側シャッタ103Aと同様に、矩形な平板状のシャッタ板161(後側シャッタ板161B)と空気圧シリンダ163等のアクチュエータとを備えて構成されている。そして、入口側シャッタ103Aと同様な動作をするようになっている。
【0217】
ところで、脱水装置1aにおいて、搬入部2(2a)を次に示すような構成にしてもよい。
【0218】
すなわち、搬入部2aを、
図10や
図16等で示すように、第1のコンベヤ(たとえばベルトコンベヤ)171と第2のコンベヤ(たとえばベルトコンベヤ)173を備えた構成としてもよい。
【0219】
第1のコンベヤ171は、脱水機構部3(3a)(本体部135)から所定の距離だけ
離れて被洗浄体Mの移動方向の上流側(後側)に設置されている。そして、載置されている被洗浄体Mを脱水機構部3a側に搬送するようになっている。
【0220】
第2のコンベヤ173は、脱水機構部3(3a)(本体部135)に隣接して被洗浄体Mの移動方向で第1のコンベヤよりも下流側(前側)に設置されており、被洗浄体Mの移動方向で上流側の部位が第1のコンベヤ171の下流側の部位(前側の部位)とオーバーラップしている(前後方向で所定の長さを有するオーバーラップ部175が形成されている)。
【0221】
また、第2のコンベヤ173は、第1のコンベヤ171で搬送されてきた被洗浄体Mを第1のコンベヤ171から受け取って、載置されている被洗浄体Mを第1のコンベヤ171よりも速い速度で脱水機構部3(3a)に搬送するようになっている。
【0222】
第1のコンベヤ171と第2のコンベヤ173とがお互いにオーバーラップしているところ(オーバーラップ部175)では、被洗浄体Mが第1のコンベヤ171と第2のコンベヤ173とに載置されているにもかかわらず、第2のコンベヤ173の搬送速度で搬送されるように構成されている。
【0223】
さらに説明すると、第1のコンベヤ171は、一対のプーリ177と一対のプーリ177に巻き掛けられているベルト179とを備えて構成されている。そして、プーリ177が図示しないモータ等のアクチュエータで回転することで、ベルト179の上側の部位が後側から前側に向かって移動し、ベルト179上に載置されている被洗浄体Mを後側から前側に向かって搬送するようになっている。
【0224】
第2のコンベヤ173も、一対のプーリ181と一対のプーリ181に巻き掛けられているベルト183とを備えて構成されている。そして、プーリ181が図示しないモータ等のアクチュエータで回転することで、ベルト183の上側の部位が後側から前側に向かって移動し、ベルト183上に載置されている被洗浄体Mを後側から前側に向かって搬送するようになっている。
【0225】
また、第2のコンベヤ173のベルト183には、搬送部材(ストッパ)185が一体的に設けられている。そして、オーバーラップ部175まで搬送されてきた被洗浄体M(被洗浄体Mの後面)に搬送部材185が当接すると、搬送部材185によって被洗浄体Mが前側に押され、被洗浄体Mが第1のコンベヤ171と第2のコンベヤ173とに載置されているにもかかわらず、第2のコンベヤ173の搬送速度で搬送されるようになっている。
【0226】
次に、脱水装置1aの動作について説明する。脱水装置1aは、メモリ187とCPU189とを備えた制御部191の制御の下、動作するようになっている。
【0227】
初期状態では、
図9や
図10で示すように、被洗浄体Mが入る保持空間部105が後下方に位置するようにして、回転体101が回転位置決めされて停止しており、搬入部2a、脱水機構部3a(一対の保持空間部105)、排出部4aには、被洗浄体Mが存在していないものとする。また、入口側開口部141と出口側開口部143とは開いているものとする。
【0228】
上記初期状態において、洗浄装置200(
図9、
図10等では図示せず)から出てきた被洗浄体Mが、搬入部2aで搬送され、回転体101の一方の(後下方に位置している)保持空間部105に入る。このとき、被洗浄体Mは、保持空間部105の開口部113から保持空間部105内に入り、斜めになっている第1の部位107上を第2の部位109に向かって移動し(前下方に移動し)、第2の部位109によって移動を停止する。
【0229】
続いて、入口側開口部141と出口側開口部143とを閉じて、回転体101を回転する。この回転によって発生する遠心力によって、保持空間部105内の被洗浄体Mが第1の部位107に付勢力もって接するとともに、被洗浄体Mに付着していた水滴等の水分が、被洗浄体Mから離れ、回転体101の外側に飛び出ることで、被洗浄体Mの脱水がされる。この飛び出た水分は、本体部135の壁材137によって本体部135の外部に飛び散ることなく、受け部材144で回収される。
【0230】
回転体101を所定の時間回転させた後、回転体101を回転位置決めして停止する。このときには、被洗浄体Mが入っている保持空間部105は、被洗浄体Mが入るときの保持空間部105の位置に対し、回転体101の中心軸C1を中心にして点対称の位置(前上方の位置)にあり、被洗浄体Mは、第3の部位111に当接している。また、回転体101を停止すると同時に、入口側開口部141と出口側開口部143とを開く。
【0231】
これにより、被洗浄体Mが斜めになっている第3の部位111の上を前下方に移動して、保持空間部105の開口部113から保持空間部105出て、排出部4aによって前側に搬送される。
【0232】
また、回転体101を停止しているときに、次の洗浄装置200から出てきた被洗浄体Mが、回転体101の他方の(後下方に位置している)保持空間部105に入り、上述した場合と同様にして、次の被洗浄体Mの脱水をする。このようにして、複数の被洗浄体Mがたとえば1つずつ連続して次々に脱水される。
【0233】
脱水装置1aによれば、回転体101の回転軸C1の延伸方向で見て第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119が直線状に形成されているので、被洗浄体Mが面119に当接しつつ移動することで開口部113から保持空間部105の外に出るときに、被洗浄体Mがこの姿勢をほぼ保ったままで直線的に移動する。そして、被洗浄体Mの第3の部位111への引っ掛かりを無くすことができ、騒音の発生を防止しつつ、被洗浄体Mを保持空間部105の外に確実に出することができる。
【0234】
また、脱水装置1aによれば、回転体101の回転軸C1の延伸方向で見て第3の部位111の被洗浄体Mが当接する面119が直線状に形成されているので、回転体101の遠心力で第1の部位107にはりついていた被洗浄体Mが動いて第3の部位111に移るときのショックを和らげることができ、騒音の発生を防止することができる。
【0235】
また、脱水装置1aによれば、第3の部位111(第1の部位107、第2の部位109)を複数の細長い四角柱状の当接部材125(121、123)で回転軸C1の延伸方向に所定の間隔をあけてならべて形成すればよいので、第3の部位111(第1の部位107、第2の部位109)の製造コストを下げることができる。
【0236】
また、脱水装置1aによれば、当接部材121、123、125が合成樹脂で構成されているので、被洗浄体Mへの傷付きが防止され、また、当接部材121、123、125が、一対の当接部材支持部材131で挟まれて回転体101に一体的に設けられているので、当接部材121、123、125が合成樹脂製のであっても、当接部材121、123、125を回転体101に強固に設置することができる。
【0237】
また、脱水装置1aによれば、当接部材支持部材131が支持部材129の長手方向で支持部材129に対して移動位置決め自在になっているので、たとえば、被洗浄体Mの大きさ(幅寸法)に応じて、当接部材121、123、125の位置を容易に変更することができる。
【0238】
また、脱水装置1aによれば、支持部材129が当接部材121、123、125に設けられている切り欠き133を通り抜けているので、当接部材121、123、125を交換するときに、支持部材129を側板127から取り外すことなく、合成樹脂製の当接部材121、123、125を容易に交換することができる。
【0239】
また、脱水装置1aによれば、シャッタ103が直線的に上下方向に移動することで入口側開口部141や出口側開口部143を開閉するように構成されているので、シャッタ103の構成を簡素化することができる。
【0240】
また、回転体101のように回転しない本体部135に対してシャッタ103を移動させているので、シャッタ103をガイドし移動させる機構を簡素化することができる。
【0241】
また、シャッタ103でと入口側開口部141と出口側開口部143を塞ぐので、本体部135内に閉空間140が形成され、回転体101の回転時の水の飛散を確実に防ぐことができるとともに、人の手等が本体部135内に入ることを確実に防ぐことができ、安全性が高まっている。
【0242】
また、脱水装置1aによれば、第2のコンベヤ173での被洗浄体Mの搬送速度が第1のコンベヤ171での被洗浄体Mの搬送速度よりも速くなっているので、搬入部2aの前後方向の寸法を短くしても、被洗浄体Mのバッファゾーンを確保することができる。
【符号の説明】
【0243】
1、1a 被洗浄体の脱水装置
2 搬入部
3 脱水機構部
4 搬出部
10 搬入コンベア
13 搬入部のガイド部
28 板状の受け部材
35 回転軸
40 回転体
40A 第1保持空間部
40B 第2保持空間部
70 搬出コンベア
90 位置合わせ検出部
96 洗浄ノズル
98 駆動シリンダ(シャッタ駆動部)
101 回転体
103、103A 入口側開口部シャッタ
103、103B 出口側開口部シャッタ
105 保持空間部
107 第1の部位
109 第2の部位
111 第3の部位
113 開口部
119 被洗浄体が当接する面
121 当接部材
125 当接部材
127 側板
129 支持部材
131 当接部材支持部材
133 切り欠き
135 本体部
137 壁材
139 筐体
140 空間
141 入口側開口部
143 出口側開口部
200 洗浄装置
C1 回転体の回転軸
M 容器(被洗浄体の例)
X 搬入方向
X1 搬出方向
R 回転方向