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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010768
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/52 20200101AFI20220107BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20220107BHJP
【FI】
H05B45/52
H05B45/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111494
(22)【出願日】2020-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】前沢 湧哉
(72)【発明者】
【氏名】末留 克徳
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 匠
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA09
3K273BA07
3K273BA33
3K273CA02
3K273CA09
3K273CA10
3K273CA12
3K273DA02
3K273DA03
3K273DA05
3K273DA07
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA07
3K273EA25
3K273EA40
3K273FA03
3K273FA04
3K273FA14
3K273FA26
3K273FA33
3K273FA39
3K273FA41
3K273GA29
3K273HA18
(57)【要約】
【課題】発光色が異なる複数の光源を備える照明器具において、異常発生時にも意図しない色の発光を防止することを目的とする。
【解決手段】照明器具において、1つ以上の光源部を有する第1発光部と、発光色が異なる複数の光源部を有する第2発光部と、光源部の異常を個別に判定する異常判定部と、光源部を個別に点灯制御する点灯制御部と、を備え、点灯制御部は、第2発光部の少なくとも一つの光源部に異常が発生した場合、第2発光部の全ての光源部を消灯させ、第1発光部の点灯を継続させる構成とした。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の光源部を有する第1発光部と、
発光色が異なる複数の光源部を有する第2発光部と、
前記光源部の異常を個別に判定する異常判定部と、
前記光源部を個別に点灯制御する点灯制御部と、
を備え、
前記点灯制御部は、前記第2発光部の少なくとも一つの光源部に異常が発生した場合、前記第2発光部の全ての光源部を消灯させ、前記第1発光部の点灯を継続させる照明器具。
【請求項2】
前記光源部に印加される電圧を個別に検出する電圧検出部をさらに備え、
前記異常判定部は、前記電圧検出部により検出された電圧が閾値電圧以上である場合に、対応する前記光源部に異常が発生したと判定し、前記電圧検出部により検出された電圧が前記閾値電圧未満である場合に、対応する前記光源部で異常が発生していないと判定する請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記光源部に印加される電圧を個別に検出する電圧検出部をさらに備え、
前記異常判定部は、前記電圧検出部により検出された電圧が閾値電圧未満である場合に、対応する前記光源部に異常が発生したと判定し、前記電圧検出部により検出された電圧が前記閾値電圧以上である場合に、対応する前記光源部で異常が発生していないと判定する請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記光源部に印加される電圧を個別に検出する電圧検出部をさらに備え、
前記異常判定部は、
前記電圧検出部により検出された電圧が上限閾値電圧以上である場合、または前記上限閾値電圧よりも小さい下限閾値電圧未満である場合、対応する前記光源部に異常が発生したと判定し、
前記電圧検出部により検出された電圧が前記上限閾値電圧未満であって、かつ前記下限閾値電圧以上である場合に、対応する前記光源部で異常が発生していないと判定する請求項1に記載の照明器具。
【請求項5】
前記第1発光部は、複数の光源部を有し、
前記点灯制御部は、前記第1発光部の少なくとも一つの光源部に異常が発生した場合、前記異常が発生した光源部のみを消灯とし、異常が発生していない光源部は点灯を継続させる請求項1~4の何れか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記第1発光部からの光を拡散する拡散カバーと、
前記第2発光部からの光を拡散して面発光する導光板と、をさらに備える請求項1~5の何れか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記第1発光部は、
複数の白色LEDからなる第1光源部と、
前記第1光源部の白色LEDとは異なる色温度の複数の白色LEDからなる第2光源部と、を有する請求項1~6の何れか一項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記第2発光部は、
複数の白色LEDからなる第3光源部と、
複数の青色LEDからなる第4光源部と、
複数の緑色LEDからなる第5光源部と、を有する請求項1~7の何れか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光色が異なる複数の光源を備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具において、光源の異常加熱等を防止するため、光源の異常を検出し、異常が生じている光源を消灯させることが知られている。例えば、特許文献1には、光源の異常が検出された場合、異常が生じている光源への通電を遮断し、異常が生じていない光源への通電を継続することで、異常検出時に真っ暗になることを防止できる照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-11053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、互いに異なる発光色を有する複数の光源を備え、複数の光源からの光により意図した色の照明を調色する照明器具が知られている。このような照明装置の場合、特許文献1に記載されるように、異常が発生した光源が消灯されると、発光色が異なることにより調色される色が使用者の意図しない色となってしまう。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するものであり、発光色が異なる複数の光源を備える照明器具において、異常発生時にも意図しない色の発光を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、1つ以上の光源部を有する第1発光部と、発光色が異なる複数の光源部を有する第2発光部と、光源部の異常を個別に判定する異常判定部と、光源部を個別に点灯制御する点灯制御部と、を備え、点灯制御部は、第2発光部の少なくとも一つの光源部に異常が発生した場合、第2発光部の全ての光源部を消灯させ、第1発光部の点灯を継続させる構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る照明器具によれば、発光色が異なる複数の光源部を有する第2発光部の少なくとも一つの光源部に異常が発生した場合、第2発光部の全ての光源部を消灯させることで、異常発生時にも意図しない色の発光を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明器具の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明器具の構成を示す分解斜視図である。
図3】実施の形態1に係る照明器具の光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。
図4】実施の形態1に係る照明器具の光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。
図5】実施の形態1に係る照明器具の構成を示す断面模式図である。
図6】実施の形態1に係る第2発光部の概略構成を示す図である。
図7】実施の形態1に係る照明器具の制御ブロック図である。
図8】実施の形態1に係る制御装置の機能ブロック図である。
図9】実施の形態1に係る照明器具の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、照明器具の実施の形態について図面を参照して説明する。各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、明細書の全文において、床面から天井に向かう垂直な方向を「上方向」と呼び、天井側を「上側」と呼ぶこととする。また、同様に、天井から床面に向かう垂直な方向を「下方向」と呼び、床面側を「下側」と呼ぶこととする。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の外観を示す斜視図である。照明器具1は、天井埋め込み型の照明器具であり、天井に埋め込まれる器具本体50と、器具本体50に取り付けられる光源ユニット10とを備える。光源ユニット10は、光を照射する拡散カバー13および導光板17を備える。
【0011】
図2は、実施の形態1に係る照明器具1の構成を示す分解斜視図である。照明器具1は、天井Cに設けられた埋め込み穴Hに埋め込まれて設置される。図2に示すように、照明器具1の器具本体50は、長方形の箱形に形成され、下側が開口している。器具本体50は、主面51と、4つの側面52とを有している。側面52のそれぞれは、主面51の4辺のそれぞれから下方向に向かって垂直に延びるように設けられている。
【0012】
器具本体50の4つの側面52のうち、対向する2つの側面52の内側の面には、Vばね取り付け金具53が取り付けられている。Vばね取り付け金具53は、光源ユニット10に設けられた後述するVばね12を引掛けて保持する。また、主面51の四隅には、ボルト孔51-1が設けられている。また、天井Cの埋め込み穴Hからは、吊り下げボルトBが吊り下げられている。器具本体50は、ボルト孔51-1に吊り下げボルトBを挿入した後、吊り下げボルトBをナット61で締めることで、天井Cに固定される。
【0013】
また、主面51には、電線孔51-2が形成されるとともに、端子台54が設けられている。端子台54は、電源端子台と信号線端子台とを有する。図2において、電源端子台および信号線端子台は図示を省略している。電線孔51-2からは、電線および信号線が引き出される。電線孔51-2から引き出された電線は、端子台54の電源端子台に電気的に接続される。また、電線孔51-2から引き出された信号線は、端子台54の信号線端子台に電気的に接続される。
【0014】
光源ユニット10は、器具本体50の開口内部に配置される。光源ユニット10は、上カバー27と、フランジ部11と、Vばね12と、拡散カバー13と、導光板17と、を備える。上カバー27は、下端が開口した四角錐台に形成される。上カバー27の4つの側面のそれぞれは、台形形状に形成され、上辺の長さが下辺の長さよりも短くなっている。フランジ部11は、平面視で、長方形の枠形に形成されている。フランジ部11は、図2に示すように、上カバー27の下端から水平方向の外側に向かって突出するように配置されている。
【0015】
Vばね12は、金属製の線材をV字状に曲げて形成された線ばねであり、フランジ部11の上面に取り付けられている。Vばね12は、器具本体50のVばね取り付け金具53の位置に合わせて、合計4個設けられている。Vばね12がVばね取り付け金具53に係合することで、光源ユニット10が器具本体50に吊り下げられて保持される。なお、照明器具1が天井Cの埋め込み穴Hに取り付けられた状態のとき、フランジ部11は埋め込み穴Hの縁を覆う。従って、照明器具1が天井Cの埋め込み穴Hに取り付けられた状態のとき、ユーザからは埋め込み穴Hは見えなくなる。
【0016】
図3および図4は、実施の形態1に係る照明器具1の光源ユニット10の構成を示す分解斜視図である。光源ユニット10は、図3に示す構成要素と図4に示す構成要素とからなる。図3は、光源ユニット10の下側部分に設けられた構成要素を示し、図4は、光源ユニット10の上側部分に設けられた構成要素を示している。
【0017】
光源ユニット10の構成要素のうち、まず、図3に示す構成要素について説明する。図3に示すように、光源ユニット10は、フランジ部11と、Vばね12と、パッキン21と、拡散カバー13と、パッキン22と、第1発光部14と、保持部15とを備える。
【0018】
フランジ部11は、上述したように、長方形の枠形に形成されている。フランジ部11は、例えば金属から構成されている。Vばね12は、フランジ部11の上面に、合計4個設けられている。
【0019】
保持部15は、平面視で長方形の枠形に形成されている。保持部15は、4つの部材を組み合わせて構成されている。4つの部材のそれぞれは、後述する図5に示されるように、L字断面を有している。また、図3に示すように、保持部15の4つの部材のそれぞれの下端には、取付フランジ15-1が設けられている。取付フランジ15-1は、ねじによってフランジ部11に取り付けられる。
【0020】
第1発光部14は、3つの基板140と、3つの基板140それぞれの内側に設けられた第1光源部141と、第2光源部142とを有している。第1光源部141および第2光源部142は、互いに色温度の異なる複数の白色LEDからなる。第1発光部14の3つの基板140は、長方形の3辺を形成するように、平面視でコの字形に配置される。隣接する基板140同士のなす角度は90°である。第1発光部14は、コの字を構成する3方向から光を出射する。
【0021】
第1光源部141は、例えば色温度が4000~5000(K)の寒色の複数のLEDからなる。第2光源部142は、例えば色温度が2600~3000(K)の暖色の複数のLEDからなる。第1発光部14は、第1光源部141および第2光源部142の調光率を変化させることにより、様々な色温度および様々な光量の白色光を出射することができる。
【0022】
なお、第1光源部141および第2光源部142は、LED以外の発光素子または発光装置からなるものであってもよい。また、第1発光部14は、1種類のみの光源部を備えてもよいし、3種類以上の光源部を備えてもよい。第1発光部14は、保持部15の内側に配置され、保持部15によって保持される。
【0023】
パッキン22は、平面視で、長方形の細枠形に形成されている。パッキン22は、拡散カバー13の上側の端面と、図4に示す導光板17の出射面である下面との間に配置される。パッキン22は、後述する第2発光部18から出射された光が導光板17の出射面から拡散カバー13の上側の端面に入り込まないよう遮光する。また、パッキン22は、第1発光部14から出射された白色光が拡散カバー13の上側の端面から導光板17の出射面に入り込まないよう遮光する。さらに、パッキン22は、照明器具1が地震等により揺れた場合の緩衝材としても機能する。
【0024】
拡散カバー13は、例えば白色の樹脂から構成され、平面視で長方形の枠形に形成されている。拡散カバー13は、上側と下側が開口した四角錐台形状を有する。すなわち、拡散カバー13の4つの側面のそれぞれは、垂直方向に対して予め設定された角度で傾斜している。拡散カバー13の4つの側面のそれぞれは、台形形状の拡散板から構成され、上辺の長さが下辺の長さよりも短くなっている。また、拡散カバー13の4つの側面のそれぞれが傾斜しているため、平面視で、上辺の位置が下辺の位置よりも内側になるように配置されている。それにより、拡散カバー13の内部空間は、下方向に向かってテーパ状に大きくなっている。拡散カバー13は、4枚の台形形状の拡散板を組み合わせて形成されてもよいし、一体成型で形成されてもよい。
【0025】
拡散カバー13の4つの側面のうち、3つの面は発光面13-1であり、他の1つの面は非発光面13-2である。3つの発光面13-1は、コの字形状に配置されている。ここで、拡散カバー13の4つの側面のそれぞれにおいて、拡散カバー13の内部空間に面している内側の面を前面と呼び、外側の面を背面と称する。
【0026】
拡散カバー13は、第1発光部14の内側に配置される。すなわち、拡散カバー13の発光面13-1のそれぞれの背面側に、第1発光部14が配置される。第1発光部14から出射された白色光は、拡散カバー13の発光面13-1の背面から入射し、発光面13-1を透過して、発光面13-1の前面から出射される。発光面13-1のそれぞれが傾斜しているため、3つの発光面13-1の前面から出射される白色光は、斜め下方向を照射する。
【0027】
拡散カバー13の非発光面13-2の背面には、遮光シート(不図示)が貼付され、非発光面13-2から光が漏れないように構成されている。
【0028】
このように、拡散カバー13は、白色光を発する3つの発光面13-1と、光を発しない1つの非発光面13-2とを組み合わせた構成を有している。これにより、拡散カバー13から発せられる光は、3方向からの光となり、太陽光に照らされたひなたの窓枠、または日陰の窓枠越しに、外からの光が差し込んでいるような奥行き感のある視覚効果を演出することができる。
【0029】
拡散カバー13はパッキン21を介して、フランジ部11上に載置される。パッキン21は、平面視で、長方形の細枠形に形成されている。パッキン21は、フランジ部11または拡散カバー13が振動した際に、互いが直接的にぶつかり合うことを防止する。また、パッキン21の弾力性により、フランジ部11から拡散カバー13に与える力が緩和され、拡散カバー13の破損を抑制することができる。さらに、フランジ部11と拡散カバー13との間にパッキン21を設けることで、窓枠としての印象を持たせることができる。特に、パッキン21が白色系の色調の場合に、窓枠としての印象を強めることができる。また、パッキン21は、拡散カバー13とフランジ部11との隙間から白色光が漏れることを防ぐ遮光部としても機能する。
【0030】
次に、光源ユニット10の構成要素のうち、図4に示す構成要素について説明する。図4に示すように、光源ユニット10は、さらに、下ガイドプレート16と、導光板17と、第2発光部18と、上ガイドプレート19と、絶縁部23と、保持部24と、固定部材25と、導光板カバー26と、上カバー27とを備える。また、光源ユニット10は、上カバー27の上面に配置される電源ユニット30をさらに備える。
【0031】
下ガイドプレート16は、図3に示した保持部15上に載置される。下ガイドプレート16は、2本の棒状の部材から構成され、導光板17の下方において、導光板17の長手方向に延びる端部に沿って配置される。下ガイドプレート16を構成する2本の棒状の部材の両端には、突起部16-3が設けられている。突起部16-3は、上側に向かって垂直に延びている。突起部16-3は、導光板17の短手方向に延びる端面17-2と接触し、導光板17の長手方向への移動を規制する。
【0032】
上ガイドプレート19は、導光板17上に載置される。上ガイドプレート19は、2本の棒状の部材から構成され、導光板17の長手方向に延びる端部に沿って配置される。
【0033】
導光板17は、平面視で長方形の板状に形成される。導光板17は、第2発光部18から出射された光を拡散させ、出射面である下面から面発光する。導光板17は、アクリル樹脂で形成され、光を散乱させる粒子である散乱体として、例えばシリカを含む。導光板17の長手方向の端部は、下ガイドプレート16と上ガイドプレート19とで上下方向から挟持される。
【0034】
導光板17の上面は、全反射するために平滑となっている。導光板17の上面は、鏡面仕上げであることが望ましい。照明器具1の組立て作業中に、導光板17の上面に傷がつくと、傷がついた箇所で全反射が起こりにくくなる。そのため、上面の傷がついた箇所に対応する下面の一部分が白っぽく光って見えてしまう。そのため、導光板17の上面の傷つきを防止するために、導光板17の上面を反射シート(不図示)で覆うようにしてもよい。
【0035】
第2発光部18は、導光板17の長手方向に延びる端面17-1に平行になるように配置される。第2発光部18は、2つの基板180と、基板180にそれぞれ配置された複数の光源部とを備える。基板180の上部には、複数の貫通穴18-1が設けられている。第2発光部18の構成および調光制御については、後ほど詳述する。
【0036】
第2発光部18は、固定部材25により保持部24に取り付けられる。固定部材25の第2発光部18側の面には、円柱型の突起部25-1が設けられている。突起部25-1は、第2発光部18の基板180の貫通穴18-1にそれぞれ挿入される。突起部25-1が貫通穴18-1に挿入された状態で、固定部材25が保持部24にねじ止めされる。
【0037】
保持部24は、断面がL字状の板金で形成されている。保持部24は、第2発光部18の基板180を保持するだけでなく、第2発光部18からの熱を外部に放出する放熱板としても機能する。保持部24は、図3に示した保持部15の上面に取り付けられる。また、第2発光部18は、絶縁部23を介して、保持部24に取り付けられる。なお、第2発光部18の基板180が両面基板でない場合には、絶縁部23は省略してもよい。
【0038】
導光板カバー26は、上ガイドプレート19上に載置される。導光板カバー26は、導光板17を上から覆い、導光板17を保護する。上カバー27は、図3および図4に示す光源ユニット10の構成要素を覆い、当該構成要素を保護する。上カバー27の上面には、電源ユニット30が載置される。電源ユニット30には、後述するスイッチ31、入力フィルタ32、PFC回路33、第1駆動部71~第5駆動部75、および制御装置4などが収容される(図7)。光源ユニット10が器具本体50に取り付けられた状態において、電源ユニット30内の各部が、器具本体50の端子台54の電源端子台および信号端子台と電気的に接続される。
【0039】
図5は、実施の形態1に係る照明器具1の構成を示す断面模式図である。図5は、照明器具1を、長手方向の中央部分において、短手方向の1つの側面に平行な平面で切断した断面を模式的に示している。
【0040】
図5に示すように、器具本体50の下端の開口内に光源ユニット10が配置される。光源ユニット10のフランジ部11の上面には、Vばね12が設けられている。Vばね12は、器具本体50に設けられたVばね取り付け金具53に引き掛けられた状態で保持されている。これにより、光源ユニット10と器具本体50とが係合され、光源ユニット10が器具本体50に保持される。
【0041】
第1発光部14は、保持部15に保持され、拡散カバー13の背面に配置される。また、第2発光部18は、保持部15の上面に固定された保持部24に保持され、空隙を介して導光板17の端面17-1に対向するように配置される。拡散カバー13と導光板17とは互いに交差する向きに配置されている。具体的には、導光板17は天井Cと平行に配置され、拡散カバー13は導光板17から斜め下方向に延びるよう配置される。
【0042】
第1発光部14から出射した白色光は、拡散カバー13の背面から入射され、拡散カバー13の発光面13-1の前面から出射される。発光面13-1は傾斜しているため、発光面13-1の前面から出射される白色光は、斜め下方向を照らす。また、第2発光部18から出射した光は、導光板17の端面17-1に入射され、導光板17の上面と下面とで全反射しながら導光板17内を進む。導光板17内を進む光の一部は、導光板17内の散乱体に当たって拡散され、導光板17の下面から面発光される。
【0043】
次に、本実施の形態における第2発光部18の構成について説明する。図6は、実施の形態1に係る第2発光部18の概略構成を示す図である。図6では、第2発光部18における1つの基板180の概略構成を示しているが、もう1つの基板180の構成も図6と同様である。図6に示すように、第2発光部18の基板180には、それぞれ発光色が異なる複数の光源からなる第3光源部181、第4光源部182、および第5光源部183が配置される。
【0044】
第3光源部181は、例えば色温度が5000(K)であり、順電圧が6Vの複数の白色LEDからなる。第4光源部182は、例えばドミナント波長が440~480nmであり、順電圧が3Vの複数の青色LEDからなる。第5光源部183は、例えばドミナント波長が510~570nmであり、順電圧が3Vの複数の緑色LEDからなる。第3光源部181は、第4光源部182および第5光源部183よりも順電圧が高く、同じ電流が流れた場合に、第4光源部182および第5光源部183よりも明るく発光する。すなわち、第2発光部18における、各光源の出力バランスは、第3光源部181>第4光源部182>第5光源部183となる。
【0045】
本実施の形態では、発光色が異なる第3光源部181、第4光源部182、および第5光源部183の発光を混ぜ合わせることで、導光板17から意図した光色の照明を得ることができる。本実施の形態の例では、導光板17から、空の色、特に青空の色の光が照射される。なお、以下の説明において、第1光源部141、第2光源部142、第3光源部181、第4光源部182、および第5光源部183をまとめて「各光源部」と称することがある。
【0046】
なお、基板180における第3光源部181、第4光源部182、および第5光源部183の配置は、図6の例に限定されるものではない。例えば、第3光源部181と、第4光源部182と、第5光源部183とを、基板180の下側の領域に配置してもよい。この場合、導光板17と拡散カバー13とを近づけて配置することができ、導光板17からの光と拡散カバー13からの光とを近接させて出射することができる。また、第3光源部181、第4光源部182、および第5光源部183の上下方向の位置をずらして配置するなどしてもよい。また、第3光源部181、第4光源部182、および第5光源部183の並びは、色のばらつきおよび基板の設計を考慮し、適宜決定すればよい。ただし、空の色を再現するためには、第2発光部18におけるLEDの総数に対する第3光源部181、第4光源部182、および第5光源部183を構成するLEDの数の比は、2:2:1とすることが望ましい。
【0047】
第2発光部18の基板180の上部には、複数の貫通穴18-1が設けられている。基板180の中央部分に設けられた貫通穴18-1(不図示)は円形であり、それ以外の貫通穴18-1は長手方向に延びた楕円形である。第2発光部18の基板180は、第3光源部181、第4光源部182、および第5光源部183から発せられる熱によって熱膨張および熱収縮する。そのため、第2発光部18を保持部24に固定させると、第2発光部18の基板180に熱膨張および熱収縮による反りまたはゆがみが生じるおそれがある。
【0048】
そこで、本実施の形態では、基板180に楕円形の貫通穴18-1を設け、固定部材25の突起部25-1を貫通穴18-1に遊びを持って挿入できる構成となっている。これにより、第2発光部18の基板180が熱膨張および熱収縮した場合にも、突起部25-1が楕円形の貫通穴18-1内を長手方向に移動することができ、基板180の反りまたはゆがみを抑制することができる。
【0049】
図7は、実施の形態1に係る照明器具1の制御ブロック図である。照明器具1は、商用電源に接続されるスイッチ31と、入力フィルタ32と、PFC回路33と、制御装置4とを備える。照明器具1は、また、PFC回路33および制御装置4に接続される、第1駆動部71と、第2駆動部72と、第3駆動部73と、第4駆動部74と、第5駆動部75とを備える。照明器具1は、さらに第1電圧検出部81と、第2電圧検出部82と、第3電圧検出部83と、第4電圧検出部84と、第5電圧検出部85と、を備える。
【0050】
スイッチ31は、照明器具1の電源をON/OFFするものである。入力フィルタ32は、スイッチ31を介して商用電源の陽極および負極に接続されている。PFC回路33は、入力フィルタ32の陽極および負極に接続されている。第1駆動部71~第5駆動部75は、PFC回路33の陽極および負極に接続されている。
【0051】
第1駆動部71は、電源から入力フィルタ32およびPFC回路33を通じて供給される電流を制御装置4の制御に応じて変換し、第1光源部141に供給する。第2駆動部72は、電源から入力フィルタ32およびPFC回路33を通じて供給される電流を制御装置4の制御に応じて変換し、第2光源部142に供給する。
【0052】
第3駆動部73は、電源から入力フィルタ32およびPFC回路33を通じて供給される電流を制御装置4の制御に応じて変換し、第3光源部181に供給する。第4駆動部74は、電源から入力フィルタ32およびPFC回路33を通じて供給される電流を制御装置4の制御に応じて変換し、第4光源部182に供給する。第5駆動部75は、電源から入力フィルタ32およびPFC回路33を通じて供給される電流を制御装置4の制御に応じて変換し、第5光源部183に供給する。
【0053】
第1電圧検出部81は、第1光源部141に印加される電圧を検出する。第2電圧検出部82は、第2光源部142に印加される電圧を検出する。第3電圧検出部83は、第3光源部181に印加される電圧を検出する。第4電圧検出部84は、第4光源部182に印加される電圧を検出する。第5電圧検出部85は、第5光源部183に印加される電圧を検出する。第1電圧検出部81~第5電圧検出部85で検出された電圧は、制御装置4に送信される。
【0054】
図8は、実施の形態1に係る制御装置4の機能ブロック図である。制御装置4は、照明器具1の点灯制御を行うものであり、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェア、もしくはマイコンまたはCPUなどの演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成される。制御装置4は、機能部として、第1制御部411と、第2制御部412と、第3制御部413と、第4制御部414と、第5制御部415と、点灯制御部42と、異常判定部44と、を有する。各機能部は、制御装置4がプログラムを実行することにより実現されるか、または専用の処理回路により実現される。また、制御装置4は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、またはEEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリからなる記憶部43を備える。
【0055】
第1制御部411は、点灯制御部42の制御に応じて第1調光信号を生成し、第1駆動部71に送信する。第1調光信号は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号であり、PWM信号のデューティ比に応じて光量が変更される。第1駆動部71は、電源から供給される電流を第1調光信号に応じて変換し、第1光源部141に供給する。
【0056】
第2制御部412は、点灯制御部42の制御に応じて第2調光信号を生成し、第2駆動部72に送信する。第2調光信号は、例えばPWM信号であり、PWM信号のデューティ比に応じて光量が変更される。第2駆動部72は、電源から供給される電流を第2調光信号に応じて変換し、第2光源部142に供給する。
【0057】
第3制御部413は、点灯制御部42の制御に応じて第3調光信号を生成し、第3駆動部73に送信する。第3調光信号は、例えばPWM信号であり、PWM信号のデューティ比に応じて光量が変更される。第3駆動部73は、電源から供給される電流を第3調光信号に応じて変換し、第3光源部181に供給する。
【0058】
第4制御部414は、点灯制御部42の制御に応じて第4調光信号を生成し、第4駆動部74に送信する。第4調光信号は、例えばPWM信号であり、PWM信号のデューティ比に応じて光量が変更される。第4駆動部74は、電源から供給される電流を第4調光信号に応じて変換し、第4光源部182に供給する。
【0059】
第5制御部415は、点灯制御部42の制御に応じて第5調光信号を生成し、第5駆動部75に送信する。第5調光信号は、例えばPWM信号であり、PWM信号のデューティ比に応じて光量が変更される。第5駆動部75は、電源から供給される電流を第5調光信号に応じて変換し、第5光源部183に供給する。
【0060】
異常判定部44は、各光源部における異常の発生の有無を個別に判定する。具体的には、異常判定部44は、第1電圧検出部81により検出された電圧と、第1閾値電圧とを比較する。比較の結果、第1電圧検出部81により検出された電圧が第1閾値電圧以上である場合、第1光源部141で異常が発生したと判定する。この場合の異常は、過電圧である。他方、比較の結果、第1電圧検出部81により検出された電圧が第1閾値電圧未満である場合、第1光源部141で異常は発生していないと判定する。
【0061】
異常判定部44は、第2電圧検出部82により検出された電圧と、第2閾値電圧とを比較する。比較の結果、第2電圧検出部82により検出された電圧が第2閾値電圧以上である場合、第2光源部142で異常が発生したと判定する。他方、比較の結果、第2電圧検出部82により検出された電圧が第2閾値電圧未満である場合、第2光源部142で異常は発生していないと判定する。
【0062】
異常判定部44は、第3電圧検出部83により検出された電圧と、第3閾値電圧とを比較する。比較の結果、第3電圧検出部83により検出された電圧が第3閾値電圧以上である場合、第3光源部181で異常が発生したと判定する。他方、比較の結果、第3電圧検出部83により検出された電圧が第3閾値電圧未満である場合、第3光源部181で異常は発生していないと判定する。
【0063】
異常判定部44は、第4電圧検出部84により検出された電圧と、第4閾値電圧とを比較する。比較の結果、第4電圧検出部84により検出された電圧が第4閾値電圧以上である場合、第4光源部182で異常が発生したと判定する。他方、比較の結果、第4電圧検出部84により検出された電圧が第4閾値電圧未満である場合、第4光源部182で異常は発生していないと判定する。
【0064】
異常判定部44は、第5電圧検出部85により検出された電圧と、第5閾値電圧とを比較する。比較の結果、第5電圧検出部85により検出された電圧が第5閾値電圧以上である場合、第5光源部183で異常が発生したと判定する。他方、比較の結果、第5電圧検出部85により検出された電圧が第5閾値電圧未満である場合、第5光源部183で異常は発生していないと判定する。
【0065】
異常判定部44において用いられる第1閾値電圧~第5閾値電圧は、予め設定され記憶部43に記憶されている。第1閾値電圧~第5閾値電圧は、同じ値であってもよいし、各光源部におけるLEDの数および順電圧などの仕様に応じてそれぞれ個別の値が設定されてもよい。
【0066】
点灯制御部42は、各光源部を個別に点灯制御する。具体的には、点灯制御部42は、拡散カバー13から照射される第1発光部14の光と、導光板17から照射される第2発光部18の光とが、それぞれ意図した色となるように、第1制御部411~第5制御部415をそれぞれ個別に制御する。本実施の形態では、天井Cと平行に配置された導光板17から空の色を演出する青色光が出射されるとともに、導光板17を囲む3方向から白色光が出射されるよう、第1制御部411~第5制御部415が制御される。これにより、太陽光に照らされた日向または日陰の窓枠越しに、青空を見るような奥行き感のある視覚効果を演出することができる。
【0067】
また、点灯制御部42は、時刻または季節に応じて第1発光部14および第2発光部18の色および光量が変化するよう、第1制御部411~第5制御部415を制御してもよい。例えば、点灯制御部42は、昼間の光量が100%とされ、明け方および夕方の光量が50%、夜の光量が20%となるよう、第1制御部411~第5制御部415を制御する。第1制御部411~第5制御部415は、点灯制御部42の制御に基づき第1調光信号~第5調光信号を生成する。また、点灯制御部42は、第3制御部413~第5制御部415を制御し、夕方における導光板17からの光を自然光と同じように紫がかった深い青色へと変化させてもよい。
【0068】
また、点灯制御部42は、異常判定部44の判定結果に応じて、第1発光部14および第2発光部18を個別に点灯制御する。具体的には、点灯制御部42は、第1発光部14の第1光源部141および第2光源部142の何れか一方に異常が発生した場合、異常が発生した光源のみを消灯とし、他の光源は点灯を継続するよう第1制御部411および第2制御部412を制御する。また、点灯制御部42は、第1発光部14の第1光源部141および第2光源部142の両方に異常が発生した場合、両方を消灯するよう第1制御部411および第2制御部412を制御する。上述の何れの場合においても、第2発光部18の第3光源部181~第5光源部183の何れにも異常が発生していない場合は、第3光源部181~第5光源部183の点灯を継続する。
【0069】
さらに、点灯制御部42は、第2発光部18の第3光源部181~第5光源部183の少なくとも何れか一つに異常が発生した場合、第3光源部181~第5光源部183の全てを消灯とするよう第3制御部413~第5制御部415を制御する。すなわち、点灯制御部42は、第2発光部18の第3光源部181~第5光源部183の全てに異常が発生していない場合にのみ、第3光源部181~第5光源部183の点灯を継続する。この場合、第1発光部14の第1光源部141または第2光源部142の少なくとも何れかに異常が発生していない場合は、異常が発生していない第1光源部141または第2光源部142の点灯を継続する。
【0070】
図9は、実施の形態1に係る照明器具1の動作を示すフローチャートである。照明器具1の動作は、スイッチ31がONとなり、商用電源から照明器具1に電流が供給され、制御装置4が起動することで開始される。まず、制御装置4の点灯制御部42により、外部から信号線を介して制御信号が受信される(S1)。そして、制御信号に含まれる調光データに基づいて第1駆動部71~第5駆動部75が制御される(S2)。具体的には、制御信号に含まれる調光データに基づいて第1制御部411~第5制御部415により第1調光信号~第5調光信号が生成され、第1駆動部71~第5駆動部75により第1調光信号~第5調光信号に応じた電流が各光源部に供給される。これにより、第1発光部14の第1光源部141、第2光源部142、および第2発光部18の第3光源部181~第5光源部183が点灯する。なお、信号線を介して外部から制御信号を受信することに替えて、制御装置4の記憶部43に記憶されている調光データを含む制御情報を用いて第1駆動部71~第5駆動部75を制御してもよい。
【0071】
そして、異常判定部44により、第3電圧検出部83~第5電圧検出部85により検出された電圧と、第3閾値電圧~第5閾値電圧とが比較され、第2発光部18の第3光源部181~第5光源部183の何れかで異常が発生したか否かが判定される(S3)。第2発光部18の第3光源部181~第5光源部183の少なくとも何れか一つで異常が発生したと判定された場合(S3:YES)、第3駆動部73~第5駆動部75が制御され、第3光源部181~第5光源部183の全てが消灯される(S4)。これにより、導光板17からは光が照射されなくなる。その後、ステップS5へ移行する。
【0072】
一方、第2発光部18の第3光源部181~第5光源部183の何れにも異常が発生していないと判定された場合(S3:NO)、第3光源部181~第5光源部183の点灯が継続されたまま、ステップS5へ移行する。
【0073】
ステップS5では、異常判定部44により、第1電圧検出部81および第2電圧検出部82により検出された電圧と、第1閾値電圧および第2閾値電圧とが比較され、第1発光部14の第1光源部141または第2光源部142の何れかで異常が発生したか否かが判定される(S5)。第1発光部14の第1光源部141または第2光源部142の少なくとも何れかに異常が発生したと判定された場合(S5:YES)、異常が発生した光源部に対応する第1駆動部71または第2駆動部72が制御され、異常が発生した第1光源部141または第2光源部142が消灯される(S6)。
【0074】
以上のように、本実施の形態の照明器具1では、第2発光部18の第3光源部181~第5光源部183の何れかに異常が発生した場合には、第3光源部181~第5光源部183の全てを消灯させる。これにより、異常発生時においても、第2発光部18が使用者の意図しない色で発光することを防ぐことができる。また、第1発光部14の第1光源部141または第2光源部142の何れかに異常が発生した場合は、異常が発生した光源のみを消灯させ、異常が発生していない光源は点灯を継続させる。これにより、許容可能な光色の範囲(黒体軌跡を維持した範囲での色温度の変化)を維持しながら、照射エリアの照度を得ることができ、真っ暗になってしまうことを防止できる。
【0075】
本開示の照明器具は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々に変形することが可能である。また、本開示の照明器具は、以下の実施の形態に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。例えば、上記実施の形態では、第2発光部18は、発光色が異なる3種類の光源部を有する構成としたが、これに限定されるものではなく、発光色が異なる複数の光源部を有するものであればよい。また、拡散カバー13および導光板17から照射される光は白色および青色に限定されるものではなく、各光源部は任意の発光色の光源からなるものとすることができる。
【0076】
また、異常判定部44は、第1~第5閾値電圧よりも小さい第6~第10閾値電圧を用いて、減電圧による異常の発生を検出してもよい。この場合、異常判定部44は、第1電圧検出部81~第5電圧検出部85により検出された電圧が第6~第10閾値電圧未満である場合に、対応する光源部で異常が発生したと判定し、第6~第10閾値電圧以上である場合に、対応する光源部で異常が発生していないと判定する。
【0077】
さらに、異常判定部44は、第1電圧検出部81~第5電圧検出部85により検出された電圧が、上限閾値電圧以上の場合、または上限閾値電圧より小さい下限閾値電圧未満である場合に、対応する光源部で異常が発生したと判定してもよい。例えば、上限閾値電圧は、第1~第5閾値電圧であり、下限閾値電圧は、第6~第10閾値電圧である。この場合、異常判定部44は、第1電圧検出部81~第5電圧検出部85により検出された電圧が、上限閾値電圧未満であって、かつ下限閾値電圧以上である場合に、対応する光源部で異常が発生していないと判定する。
【0078】
または、異常判定部44は、第1電圧検出部81~第5電圧検出部85により検出された電圧が、上限閾値電圧未満であって、かつ下限閾値電圧以上である場合に、対応する光源部で異常が発生したと判定してもよい。この場合、異常判定部44は、第1電圧検出部81~第5電圧検出部85により検出された電圧が、上限閾値電圧以上の場合、または下限閾値電圧未満である場合は、対応する光源部で異常が発生していないと判定する。
【0079】
さらに、異常判定部44は、各光源部に印加される電圧に基づき異常を判定するものに限定されない。例えば、第1電圧検出部81~第5電圧検出部85に替えて、各光源部に流れる電流を検出する第1~第5電流検出部を備え、検出された電流と閾値電流とを比較して、異常の有無を判定してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 照明器具、4 制御装置、10 光源ユニット、11 フランジ部、13 拡散カバー、13-1 発光面、13-2 非発光面、14 第1発光部、15 保持部、15-1 取付フランジ、16 下ガイドプレート、16-3 突起部、17 導光板、17-1 端面、17-2 端面、18 第2発光部、18-1 貫通穴、19 上ガイドプレート、21 パッキン、22 パッキン、23 絶縁部、24 保持部、25 固定部材、25-1 突起部、26 導光板カバー、27 上カバー、30 電源ユニット、31 スイッチ、32 入力フィルタ、33 PFC回路、42 点灯制御部、43 記憶部、44 異常判定部、50 器具本体、51 主面、51-1 ボルト孔、51-2 電線孔、52 側面、53 取り付け金具、54 端子台、61 ナット、71 第1駆動部、72 第2駆動部、73 第3駆動部、74 第4駆動部、75 第5駆動部、81 第1電圧検出部、82 第2電圧検出部、83 第3電圧検出部、84 第4電圧検出部、85 第5電圧検出部、140 基板、141 第1光源部、142 第2光源部、180 基板、181 第3光源部、182 第4光源部、183 第5光源部、411 第1制御部、412 第2制御部、413 第3制御部、414 第4制御部、415 第5制御部、B 吊り下げボルト、C 天井、H 埋め込み穴。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9