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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107764
(43)【公開日】2022-07-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220714BHJP
【FI】
A63F5/04 661
A63F5/04 603A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089941
(22)【出願日】2022-06-01
(62)【分割の表示】P 2020016272の分割
【原出願日】2020-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優
(57)【要約】
【課題】従来にない興趣性の高い遊技機を提供する。
【解決手段】ゲームの実行に対応して特典を付与するか否かを決定し、前記特典を付与するか否かの決定結果に関連して演出を実行するようにした遊技機において、前記演出として第1の演出を実行する第1演出手段と、前記第1の演出よりも、当該遊技機で遊技する遊技者以外の遊技者が認識困難な前記演出として前記第2の演出を実行する第2演出手段と、を備え、前記第2の演出を、前記第1の演出における特定の演出態様よりも前記特典が付与されるか否かに対する信頼度の高い演出により実行可能な可能な構成とした。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの実行に対応して特典を付与するか否かを決定し、前記特典を付与するか否かの決定結果に関連して演出を実行するようにした遊技機において、
前記演出として第1の演出を実行可能な第1演出手段と、
前記第1の演出よりも、当該遊技機で遊技する遊技者以外の遊技者が認識困難な前記演出として第2の演出を実行可能な第2演出手段と、
を備え、
所定の状況において、
前記第1の演出を、複数の演出態様のうち特定の演出態様により実行可能とし、
前記第2の演出を、前記第1の演出における前記特定の演出態様よりも前記特典が付与されるか否かに対する信頼度の高い演出により実行可能とする
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技者が操作可能な特定の操作手段と、
前記特定の操作手段への操作を促す操作報知を実行可能な報知手段と、
を備え、
前記第2演出手段は、前記第1演出手段よりも前記特定の操作手段に近い位置に備えられ、
前記所定の状況は、前記特定の操作手段への操作を伴う操作演出が実行される状況であり、
前記特定の操作手段への操作を伴う操作演出の実行に関連して、前記操作報知を、複数の報知態様のうち特定の態様態様により実行可能とする
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2演出手段には、振動手段が含まれる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機として、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な表示装置を備え、変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。また、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、複数のリールの停止表示態様に応じて、特定遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。また、近年のスロットマシンにおいては、リールの他に複数の情報を表示可能な表示装置を備えて、表示装置においてゲームに関連した演出を行うようにしたものが増えている。
このような遊技機においては、演出の実行中に、遊技者が操作可能な演出ボタンを模した演出ボタン画像を表示して、演出ボタンの操作を促す表示を行うとともに、遊技者が演出ボタンを操作した場合には、演出の結果を報知するものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-080706公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、ゲームの実行に対応して特典を付与するか否かを決定し、前記特典を付与するか否かの決定結果に関連して演出を実行するようにした遊技機において、前記演出として第1の演出を実行可能な第1演出手段と、前記第1の演出よりも、当該遊技機で遊技する遊技者以外の遊技者が認識困難な前記演出として第2の演出を実行可能な第2演出手段と、を備え、所定の状況において、前記第1の演出を、複数の演出態様のうち特定の演出態様により実行可能とし、前記第2の演出を、前記第1の演出における前記特定の演出態様よりも前記特典が付与されるか否かに対する信頼度の高い演出により実行可能な構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態における遊技機の外観を示す概略正面図である。
図2】第1実施形態における遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態における遊技機の遊技の流れを説明するための図である。
図4】第1実施形態におけるAT状態が発生するまでの遊技状態、及び演出を説明するためのタイミングチャートである。
図5】第1実施形態におけるAT前兆演出(ATガセ前兆演出)のパターンの選択率を示す図表である。
図6】第1実施形態におけるATガセ前兆演出中にCZ状態が発生するときのタイミングチャートである。
図7】第1実施形態におけるCZガセ連続演出中にAT状態が発生するときのタイミングチャートである。
図8】第1実施形態におけるATガセ前兆演出中にCZ状態が発生するときのメイン表示器での表示を説明するための図である。
図9】第1実施形態におけるATガセ前兆演出のパターンの変更率を示す図表である。
図10】第1実施形態における副制御装置における前兆演出前処理を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態における遊技機の外観を示す概略正面図である。
図12】第2実施形態におけるサブ表示器および表示器設置部を上方側からみた断面図である。
図13】第2実施形態における連続演出中のメイン表示器およびサブ表示器での表示を説明するための図である。
図14】第2実施形態の変形例1における演出ボタン、第1サブ表示器および第2サブ表示器を説明するための図である。
図15】第2実施形態の変形例1における第1サブ表示器および第2サブ表示器での表示を説明するための図である。
図16】第2実施形態の変形例2における第1サブ表示器および第2サブ表示器での表示を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の第1実施形態にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
まず、スロットマシン1の全体構成について、図1図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0009】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、第1実施形態の各種機能を実現している。
【0010】
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を前方から見た状態で左右方向を示す。
【0011】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(画像演出)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段(第1表示手段)および演出手段(第1演出手段)を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0012】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0013】
メイン表示器8の右側にはサブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、後述するように演出(画像演出)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段(第2表示手段)および演出手段(第2演出手段)を構成する。
【0014】
メイン表示器8の右側であってサブ表示器17の下方には、操作手段としての上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0015】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0016】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
【0017】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0018】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、ベットボタン2aが配設されている。また、操作手段(通常操作手段)としての演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0019】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0020】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2c及び停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが横方向に所定間隔で配設される。
【0021】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0022】
図2は、スロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0023】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、メダル払出装置7、ドラムユニット4d及び有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0024】
確率設定装置14は、特定遊技状態(例えば、AT状態)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、特定遊技状態の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定となっている。
【0025】
なお、特定遊技状態の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
また、特定遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
【0026】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0027】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やAT状態の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0028】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づきCZ状態やAT状態の移行抽選処理、AT状態中の上乗せ抽選処理等を行う。
【0029】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、賞やAT状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段(決定手段)を備えているのである。
また、主制御装置10は、遊技者に対して第1の特典としてAT状態を付与(発生)するか否かを事前に決定可能な第1決定手段と、遊技者に対して第2の特典としてのCZ状態を付与(発生)するか否かを事前に決定可能な第2決定手段を備えているのである。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づきCZ状態やAT状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0030】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0031】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0032】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0033】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、画像演出データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す画像演出、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0034】
また、副制御装置20は、演出ボタン2dからの信号に基づき、各演出の切替タイミングを制御可能となっている。
主制御装置10及び副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、決定手段、演出制御手段は、第1決定手段、第2決定手段、事前演出制御手段、外れ事前演出制御手段、外れ事前演出継続制御手段、特定演出制御手段、連続演出制御手段、外れ連続演出制御手段、外れ連続演出不能化制御手段が構成される。
【0035】
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0036】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0037】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の当選役(はずれを含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0038】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0039】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0040】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
【0041】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
【0042】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0043】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール4a・中リール4b・右リール4c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
【0044】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0045】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0046】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0047】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0048】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役及びチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されている。
【0049】
また、主制御装置10及び副制御装置20は、押し順ベル役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)の状態を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、メイン表示器8及びナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
したがって、AT状態の発生により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能な特定遊技状態となるのである。
【0050】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0051】
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、メダルは払い出されない。
なお、ベル役については、後述するAT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0052】
また、弱スイカ役及び強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役及び強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0053】
また、リプレイ役及びチャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役及びチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
【0054】
また、各役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強スイカ役が最も当選し難く設定されているものとする。
なお、各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよい。
また、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンスリプレイ役、強チェリー役、強スイカ役は、当選し難い当選役という意味でレア役と称する。
【0055】
次に、スロットマシン1の遊技の流れについて、図3を参照して説明する。
図3は、第1実施形態に係るスロットマシン1における遊技状態を説明するための図である。
主制御装置10、副制御装置20は、スロットマシン1を、複数の遊技状態に制御可能であり、各遊技状態における各種処理、遊技状態間の移行の制御(以下単に「移行」ともいう)等を、以下のように行う。
【0056】
図3に示すように、第1実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、CZ状態、AT状態の複数の遊技状態から構成される。主制御装置10、副制御装置20は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0057】
また、スロットマシン1の遊技は、通常区間、有利区間を有する。これらの区間は、遊技状態によって区分され、さらに、AT状態等の遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態によって区分けされる。
遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態には、後述するように通常確率状態と高確率状態とが設定されている。
通常区間は、通常遊技状態において遊技可能な区間であって、通常遊技状態におけるAT状態の通常確率状態において遊技可能な区間が含まれる。
有利区間は、通常区間から他の遊技状態に移行後、再度通常区間に戻るまで継続して滞在する。
【0058】
有利区間は、CZ状態、CZ状態の前兆状態、AT状態の高確率状態、AT状態の前兆状態、AT状態において遊技可能な区間が含まれる。主制御装置10は、有利区間に滞在中に、連続して実行されたゲームの回数をカウント(計数)する。遊技状態が有利区間中である場合には、有利区間ランプ13が点灯される。
なお、有利区間ランプ13は、CZ状態、AT状態等の実際に遊技者が当該状態を有利であると認識できる間にのみ点灯するようにしてもよい。例えば、AT状態の高確率状態中においては有利区間ランプ13を点灯しないようにしてもよい。
【0059】
有利区間に移行後、有利区間を終了するためには、ゲームの抽選結果等により通常区間へ移行した場合の他、「有利区間での連続ゲーム回数が所定回数に到達したこと」若しくは「有利区間中に獲得したメダル数が所定枚数に到達したこと」の何れかの条件の成立が設定され、有利区間として特定される各状態からなる一連の有利区間中に獲得できるメダル数を制限する制限手段(所謂リミッタ)が設けられている。
【0060】
なお、有利区間の上記終了条件は、一例であり、例えば、「少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと」を含めてもよい。また、有利区間の上記終了条件は、例えば、「ボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」、「第一種特別役物(所謂レギュラーボーナス)の当選役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」等を含めてもよい。また、有利区間での連続ゲーム回数の上限は、1000回や1500回等、任意の数であればどのような回数でもよく、獲得メダル数の上限は、1000枚や2400枚等、任意の数であればどのような枚数でもよい。
【0061】
次に、主制御装置10及び副制御装置20の制御により実行される各遊技状態(通常遊技状態、CZ状態、AT状態)、遊技状態間の移行処理、及び移行処理に伴って発生する各種演出等について、遊技状態毎に詳細に説明する。
【0062】
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。
また、演出は、後述するAT前兆演出(ATガセ前兆演出)、連続演出等が例示され、メイン表示器8及びサブ表示器17での画像(動画)、スピーカ9からの効果音、ランプ11での発光等による、特典の付与に対する報知や、特典が付与される前の事前報知等からなり、遊技者に対して特典の付与に対する期待感を高めるものである。
【0063】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合に滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、AT状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からAT状態に直接移行しないようにしてもよい。
【0064】
・通常遊技状態からAT状態への移行処理(図3の矢印a)
通常遊技状態においては、決定手段としての主制御装置10による特典を付与するか否かの決定結果が、予め定められた特別条件の成立として、特定の決定結果となったことに基づき、特典(特定の特典)として特定遊技状態(AT状態)を付与するものとなっている。
【0065】
より具体的には、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいてAT状態への移行抽選処理を行う。例えば、チャンス役当選時の所定の確率(例えば、20%)でAT状態への移行処理を行う。
そして、遊技者にAT状態中の実行可能ゲーム数として初期ゲーム数(例えば、50ゲーム)が付与される。
【0066】
なお、AT状態への移行、すなわち、特典を付与するか否かの決定は、抽選手段によるレア役の抽選以外で行うようにしてもよい。例えば、所定の役(例えば、ベル役)の当選(あるいは実際の成立回数)が所定回数となった時点でAT状態への移行を決定してもよいし、前回のAT状態の終了後に実行されたゲーム数が所定数となった場合に、AT状態への移行を決定するようにしてもよい。
また、後述する疑似ボーナス状態を最初に発生させて、疑似ボーナス状態において特定の条件が成立した場合に、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態を発生させるようにしてもよい。
【0067】
また、主制御装置10は、AT状態の移行により、付与されたゲーム数の有無により、AT状態の継続を管理するようにしているが、AT状態の移行時に所定数のゲームを実行可能なセット数を付与して、セット数の有無によりAT状態の継続を管理するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、特定条件の成立として、AT状態の当選契機役を主に、チャンス役と強・弱スイカ役に設定しているが、その他の役の当選時にAT状態を発生させるようにしてもよい。
【0068】
AT状態への移行抽選に当選した場合には、AT状態への移行前において、遊技者のAT状態への移行に対する期待感を高めるために、最終的にAT状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)のAT前兆演出がメイン表示器8において実行される。
すなわち、副制御装置20は、第1決定手段としての主制御装置10が、第1の特典の付与としてAT状態を発生することを事前に決定したことに基づき、第1の特典を付与する前の所定期間において、事前演出としてのAT前兆演出を実行させることが可能な事前演出制御手段を構成するのである。
【0069】
また、AT状態への移行抽選の当選からAT前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定されていて、AT前兆演出は、この待機期間の終了後に実行されることとなる。
したがって、AT状態への移行抽選に当選しても、直ぐにはAT状態へは移行せず、待機期間と、AT前兆演出の実行後に移行することとなる。
【0070】
AT前兆演出中においては、メイン表示器8において、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージの画像に切り替わるとともに、登場するキャラクタが通常遊技状態中とは異なる動作を行う前兆ステージ上での画像演出が実行される。例えば、キャラクタが洞窟を進んでいくような前兆ステージ上での演出が複数のゲームを通して行われる。これらの演出は1のゲームが終了しても演出内容自体は変化することはない。例えば、所定のゲームにおいて各種イベント等の発生により画面の切替等は行われても、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出内容自体は変化することなく次のゲームでも継続して行われる。したがって、AT前兆演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、詳細は後述するが、前兆ステージには、背景等が異なる複数パターンが用意されていて、副制御装置20の制御により、その時点のAT状態の当選の有無に応じて何れかのパターンの前兆ステージが選択されることとなっている。
【0071】
また、AT状態への移行契機となるレア役(例えば、チャンス役)に当選したが、AT状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、AT状態に当選したときと同様に、最終的にAT状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)のATガセ前兆演出がメイン表示器8において実行される。
なお、ATガセ前兆演出は、AT状態への移行契機となるレア役に当選したが、AT状態への移行抽選に当選しなかった場合の、所定確率(例えば、50%)で実行するようにしてもよいし、必ず実行するようにしてもよい。
すなわち、副制御装置20は、第1決定手段としての主制御装置10が第1の特典(AT状態)を付与することを事前に決定していない場合における所定条件の成立(50%、100%の確率条件の成立)に基づき、所定期間において、外れ事前演出としてのATガセ前兆演出を実行させることが可能な外れ事前演出制御手段を構成するのである。
また、ATガセ前兆演出は、レア役に当選したとき以外にも発生させるようにしてもよい。例えば、前回のAT状態の終了(あるいは、リセット)から実行されたゲーム数や、所定の小役(例えば、ベル役)の当選回数が所定数となった場合、あるいは、役の抽選に応じてポイントを加算させるようにするとともに、当選した役の種類や、役が当選した状態に応じて加算させるポイントを変更可能にして、このポイントが所定数となった場合にATガセ前兆演出を発生させるようにしてもよい。
【0072】
また、ATガセ前兆演出を実行する場合にも、AT状態に当選したときと同様に、AT状態への移行契機となるレア役の当選からATガセ前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定される。
AT前兆演出とATガセ前兆演出は、基本的には画像演出(ステージ或いは登場するキャラクタ等)は同様に設定された複数のゲームに亘る一連の演出からなり、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0073】
また、待機期間中のゲームにおいては、メイン表示器8での演出内容をその他の状態と異ならせるような制御が行われる。例えば、ゲーム毎に出現する所定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が異なるものとなったり、背景を変化させたり等の演出(所謂煽り演出)が行われる。
【0074】
また、AT前兆演出及びATガセ前兆演出においては、最終的にAT状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、メイン表示器8において、前兆演出の最終ゲームから数ゲーム前(例えば、2ゲーム前)から連続的な演出(連続演出)が実行される。連続演出は、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタとが所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の間対戦する画像からなる対戦演出で実行される。
【0075】
連続演出は、ゲーム毎に主人公キャラクタと敵キャラクタが攻防を繰り返す画像演出が実行され、各ゲームの演出内容は次ゲームに引き継ぐような演出が実行される。例えば、所定のゲームで与えられた主人公キャラクタがダメージを負った場合には、そのダメージは次ゲームに持ち越すように演出(例えば、ダメージの量を示すメーターを変化させる演出)が実行される。
また、予め決定されているAT状態の移行の有無により、各ゲームにおける主人公キャラクタと敵キャラクタの攻防の状態が設定されていて、AT状態に移行する場合には、移行しない場合よりも主人公キャラクタが攻撃を行うゲームが多くなるように設定されている。
すなわち、連続演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、連続演出には、後述するが、ボタン演出が併行して実行される場合もある。
【0076】
そして、AT状態に当選していた場合(AT前兆演出の場合)には、AT状態の当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが勝利する画像が表示され、AT状態に当選していなかった場合(ATガセ前兆演出の場合)には、AT状態の非当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが敗北する画像が表示される。
なお、連続演出ではなく、AT前兆演出及びATガセ前兆演出の最終ゲームのみで完結する演出を実行し、その演出結果によりAT状態への移行に関する報知を行ってもよい。
【0077】
また、AT前兆演出及びATガセ前兆演出は、AT状態への移行契機となるレア役に当選した場合に直ぐに発生させるようにしてもよい。また、ATガセ前兆演出は、AT状態への移行契機となるレア役に当選した場合に、必ず発生させるようにしてもよいし、所定確率で発生させるようにしてもよい。また、AT前兆演出及びATガセ前兆演出のゲーム数は何れのゲーム数でもよいし、複数のゲーム数(例えば、15~20ゲーム)から選択的に決定するようにしてもよい。また、同様に、待機期間も複数のゲーム数(例えば、10~15ゲーム)から選択的に決定するようにして、待機期間が変化するようにしてもよい。
【0078】
また、通常遊技状態においては、AT状態への当選確率状態が異なる通常確率状態、高確率状態を有している。AT状態への移行抽選の当選確率は、高確率状態の方が通常確率状態よりも高くなっていて、確率状態の移行は、例えば、弱スイカ役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、及びハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
【0079】
AT状態の当選確率は、通常確率状態においては、例えば、チャンス役当選時の20%の確率で設定され、高確率状態においては、チャンス役当選時の50%の確率で設定されている。
なお、確率設定装置14における設定値を変更した場合や、主制御装置10がリセットされた場合には、通常確率状態により遊技が開始可能となるが、確率設定装置14での設定値毎に、所定の確率で高確率状態により遊技を開始可能としてもよい。
【0080】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(図3の矢印c)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、弱チェリー役や強チェリー役当選時に所定の確率でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態へ移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
【0081】
なお、通常遊技状態において、主制御装置10及び副制御装置20により、CZ状態の当選確率状態を変更可能にしてもよい。また、当選確率状態に対する報知制御を行ってもよい。報知制御を行う場合には、各確率状態を直接的に報知する形態ではなく、その時点での確率状態がどの状態であるかを、メイン表示器8の表示内容を変化させることで遊技者が予測できる程度に行うようにしてもよい。
【0082】
また、CZ状態への移行抽選に当選した場合でも、直ぐにはCZ状態へは移行させずに、所定ゲーム数(例えば、3~5ゲーム)の遅延期間の経過の後に、CZ状態へ移行させるようにしている。
また、CZ状態の遅延期間中は、前述したAT状態の待機期間と同様に、メイン表示器8での演出内容をその他の状態と異ならせるような制御が行われる。例えば、ゲーム毎に出現する所定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が異なるものとなったり、背景を変化させたり等の演出(所謂煽り演出)が行われる。
そして、遅延期間が終了することとなるゲームの終了時に、CZ状態に移行することがメイン表示器8において報知される。
【0083】
なお、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるためにCZ状態の遅延期間中に、最終的にCZ状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、2ゲーム)のCZ状態の連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。
【0084】
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、上記遅延期間と同様に所定の所定ゲーム数(例えば、3~5ゲーム)間、メイン表示器8での演出内容がその他の状態と異ならせるような演出(所謂煽り演出)の制御が行われる。
したがって、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、CZ状態への移行の有無にかかわらず、遊技者の期待感が所定期間高められるのである。
【0085】
なお、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、2ゲーム)のCZ状態のガセ連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。この場合、CZ状態の連続演出とガセ連続演出は、基本的には登場するキャラクタ等を同様に設定して、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けるようにしてもよい。
例えば、CZ状態の連続演出(ガセ連続演出)として、各ゲームを通じてキャラクタがスポーツ競技に挑戦するような画像演出を実行してもよい。この場合、連続演出(ガセ連続演出)中はその間のゲームを通してスポーツ競技が連続して実行され、CZ状態に当選していた場合には、最終的に競技に成功(例えば、サッカーでゴールに成功)し、CZ状態に当選していない場合には、競技に失敗する画像演出が実行される。
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の遅延期間は、複数ゲームが実行される期間であれば何れでもよく、乱数の抽出に基づき複数のゲーム数から何れか1つのゲーム数を決定してもよいし、固定のゲーム数で決定してもよい。
また、上記CZ状態の煽り演出やガセ連続演出は、レア役に当選したとき以外にも発生させるようにしてもよい。例えば、前回のAT状態の終了(あるいは、リセット)から実行されたゲーム数や、所定の小役(例えば、ベル役)の当選回数が所定数となった場合、あるいは、役の抽選に応じてポイントを加算させるようにするとともに、当選した役の種類や、役が当選した状態に応じて加算させるポイントを変更可能にして、このポイントが所定数となった場合にCZ状態の煽り演出やガセ連続演出を発生させるようにしてもよい。
【0086】
(CZ状態)
CZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、通常遊技状態よりも、各ゲームにおいて高確率でAT移行抽選処理が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも、AT状態へ移行しやすい遊技状態である。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0087】
CZ状態に滞在中は、通常遊技状態に滞在中よりも、AT状態に移行しやすいので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいて、チャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最大で10ゲームである。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZ状態中の各種演出、残ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0088】
・CZ状態からAT状態への移行処理(図3の矢印e)
CZ状態では、各ゲームにおいてAT移行抽選処理を行う。
AT移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。AT移行抽選処理の当選確率は、例えば、レア役当選時が50%、ベル役当選時及びリプレイ役当選時が10%、ハズレ役当選時が5%である。AT移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、AT状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームでAT状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態がAT状態へ移行することとなる。
なお、AT移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でもAT移行抽選は実行される。
【0089】
なお、各当選役の一部又は全部についてのAT移行抽選処理の当選確率は、上記以外でもよい。また、ベル役の当選時にAT移行抽選処理を行うようにしたが、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいてAT移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0090】
また、CZ状態中は、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するCZ演出がメイン表示器8で表示される。CZ演出においては、例えば、最初の数ゲーム間(例えば、7ゲーム間)で主人公キャラクタが対戦の準備を行う画像演出が表示され、CZ状態の最後の数ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出として主人公キャラクタと敵キャラクタとが対戦する画像演出が表示される。そして、AT移行抽選に当選していた場合には、最終ゲームで主人公キャラクタが勝利してAT状態へ移行することが報知される。
【0091】
また、CZ状態中においては、その間に実行されたゲームの当選内容に応じて、対戦準備演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、AT状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。また、CZ状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数は、ゲームが実行される毎に減算されていく。
また、CZ演出における対戦演出前の準備演出中においても、主人公キャラクタが対戦の準備を行う画像演出が各ゲームを通して連続して実行されることから、準備演出中も複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出となる。
【0092】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印d)
CZ状態において、AT移行抽選に当選しなかった場合には、CZ状態中における規定数のゲームの実行後、通常遊技状態に移行する。このとき、CZ演出において、主人公キャラクタが敗北してAT状態へ移行しないことが報知される。
【0093】
なお、CZ状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0094】
(AT状態)
AT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順リプレイ役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
【0095】
AT状態中は、AT状態の初期移行時に付与された所定数のゲーム(例えば、50ゲーム)を、AT状態を継続可能な残ゲーム数として継続が管理され、残ゲーム数がゲーム毎に減算され、残ゲーム数が無くなるまでAT状態は継続される。また、AT状態の残ゲーム数は、AT状態中における所定条件の成立により上乗せされて、その分AT状態の継続期間が延長されるようになっている。
そして、AT状態において残ゲーム数が無くなった場合、AT状態が終了することとなる。
【0096】
AT状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、AT状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、AT状態中の各種演出の画像表示が行われる。また、AT状態中の、残ゲーム数、一連のAT状態中に獲得したメダルの総数、AT状態中に実行された総ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0097】
また、AT状態中は、所定のレア役(例えば、弱チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態のゲーム数の上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には、当選契機となったレア役に対応して予め定められた数のゲーム数が残ゲーム数に上乗せ(加算)される。
また、所定のレア役に当選した場合には、ゲーム数の上乗せに対する期待感を高めるための上乗せ演出が、メイン表示器8において実行される。上乗せ演出は、例えば、1~3ゲーム間実行され、演出内容に応じて上乗せに対する期待度が異なるようになっていて、上乗せ演出の最終ゲームで当否の報知が行われるとともに上乗せゲーム数が報知される。
例えば、上乗せ演出を複数ゲーム(3ゲーム)に亘る一連の演出で実行する場合には、連続演出と同様に対戦演出がメイン表示器8或いはサブ表示器17で実行される。
【0098】
また、AT状態中において、特定条件の成立として所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、上記上乗せ抽選の他に、特定期間(例えば、10ゲーム)ゲーム数が上乗せされる確率をその他の状態よりも高めた上乗せ特化ゾーンを発生可能としている。
上乗せ特化ゾーンは、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、10%)で発生し、上乗せ特化ゾーン中においては、当選確率の低いレア役の他、リプレイ役以外の全ての役が上乗せの契機役となり、所定の特典として多数のゲーム数が付与(上乗せ)される可能性が高められる。
【0099】
例えば、弱チェリー役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は10%の確率で上乗せに当選するが、上乗せ特化ゾーン中は100%で上乗せに当選し、強チェリー役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は50%の確率で上乗せに当選するが、上乗せ特化ゾーン中は100%で上乗せに当選するような制御が行われる。
【0100】
また、上乗せ特化ゾーン中以外は上乗せの可能性のないベル役(共通ベル役及び押し順ベル役)の当選時にも上乗せ抽選が行われ、ベル役の当選時は、80%で上乗せに当選するような制御が行われる。したがって、上乗せ特化ゾーン中は、AT状態の継続に関わる所定の特典として、複数の役の当選時に上乗せに当選する確率が高められるような制御が行われる。
なお、上乗せ特化ゾーン中はベル役に当選した場合にも100%の確率で上乗せに当選するようにしてもよい。
【0101】
また、上乗せ特化ゾーン中は、上乗せされるゲーム数も上乗せ特化ゾーン以外よりも大きいゲーム数が上乗せされ、例えば、弱チェリー役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は10ゲームのゲーム数が上乗せされるが、上乗せ特化ゾーン中は20ゲームのゲーム数が上乗せされ、強チェリー役及びボーナス役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は20ゲームのゲーム数が上乗せされるが、上乗せ特化ゾーン中は50ゲームのゲーム数が上乗せされるような制御が行われる。したがって、上乗せ特化ゾーン中は、AT状態の継続に関わる所定の特典として、上乗せに当選した場合に上乗せされるゲーム数が多くなるような制御が行われる。
【0102】
上乗せ特化ゾーン中は、主制御装置10からの信号に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8に主人公キャラクタと敵キャラクタが対峙する画像が表示され、ゲーム毎に主人公キャラクタが一方的に攻撃するような演出が行われる。そして、ゲームの実行に応じて主人公キャラクタが攻撃し、上乗せされない場合には攻撃が失敗し、上乗せされる場合には攻撃が成功して、ゲームの抽選に応じて決定された上乗せゲーム数が報知される。
このように、上乗せ特化ゾーンが実行されている場合において、その実行中の間(例えば、10ゲーム間)を通して主人公キャラクタが攻撃を繰り返すような一連の演出が実行され、上乗せ特化ゾーンの終了により、一連の演出が終了して元のAT状態中の画像に復帰することとなる。
【0103】
なお、上乗せ特化ゾーンの発生契機役である所定のレア役に当選した場合に、次ゲームから即座に上乗せ特化ゾーンを発生するようにしてもよいし、所定数のゲームの実行後に発生するようにしてもよい。
また、所定数のゲームの実行後に上乗せ特化ゾーンを発生させる場合には、上乗せ特化ゾーンの発生契機役である所定のレア役に当選後に、副制御装置20の制御により、上乗せ特化ゾーンの発生に対する期待感を高めるための上乗せ特化ゾーン発生演出を行うようにしてもよい。上乗せ特化ゾーン発生演出は、例えば、1~3ゲーム間実行され、演出内容に応じて上乗せ特化ゾーンに対する期待度が異なるようになっていて、上乗せ特化ゾーン発生演出の最終ゲームで当否の報知が行われるようにすることが好ましい。
【0104】
また、上乗せ特化ゾーン発生演出を複数ゲームに亘る一連の演出で実行する場合には、連続演出と同様に対戦演出により実行してもよい。
また、上乗せ特化ゾーン中の各役当選時の上乗せ当選確率や上乗せゲーム数は、上記以外でもよく、上乗せ特化ゾーン中以外よりも上乗せ特化ゾーン中の方が、遊技者に有利に上乗せに対する制御が行われるものであればいずれでもよい。
【0105】
また、AT状態中には、疑似ボーナス状態を発生可能としている。
疑似ボーナス状態は、AT状態中のゲームにおいて所定のレア役(例えば、チャンス役)に当選した場合の所定確率(例えば、5%)で移行するようになっている。
また、疑似ボーナス状態は、所定期間(例えば、20ゲーム)継続して、その間はAT状態と同様に押し順ナビが実行されるとともに、AT状態中のゲーム数の減算は中断されるものとなっている。したがって、疑似ボーナス状態が発生すると、その期間分AT状態が延長したものと同等の価値が付与されることとなる。
【0106】
疑似ボーナス状態は、所定のレア役に当選してから所定ゲーム数が実行された後に発生するものとなっていて、所定ゲーム数が実行される間には、疑似ボーナス状態の前兆演出が実行される、
また、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームでは、スタートレバー3の操作から停止ボタン5の操作が有効となる期間が、通常のゲームよりも延長され、その間に、リール4を逆回転させた後、リール4において特定の図柄組合せ(7、7、7)を一旦停止させた後に再度正回転させる、所謂リール演出が行われて、疑似ボーナス状態が発生したことが報知される。
【0107】
・AT状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印b)
AT状態において、AT状態を継続させる残ゲーム数が無くなるとAT状態は終了し、遊技状態は通常遊技状態に移行することとなる。
AT状態から通常遊技状態へ移行した場合には、AT状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0108】
また、AT状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のエンディング状態が設定され、エンディング状態(エンディング期間)中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、エンディング状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
エンディング状態中においては、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像がメイン表示器8やサブ表示器17により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
以上のようにスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
【0109】
次に、メイン表示器8におけるステージの移行抽選について説明する。
スロットマシン1の主制御装置10においては、前述したように通常遊技状態中におけるAT状態の抽選に関して、所定のレア役に当選した場合に、AT状態の移行確率が相対的に低い通常確率状態と、相対的に高い高確率状態との何れかの確率状態においてAT状態の抽選制御が行われる。
【0110】
また、副制御装置20は、主制御装置10からの通常確率状態と高確率状態を特定可能な情報に基づいて、メイン表示器8におけるステージの表示制御を行っている。
すなわち、通常確率状態と高確率状態の管理制御を行う主制御装置10からの制御情報に基づいて、副制御装置20がメイン表示器8におけるステージの画像を制御することで、ステージの表示制御が行われるのである。
メイン表示器8で表示されるステージは、背景画像、登場キャラクタ等からなる画像から構成され、主制御装置10からの制御情報に基づく副制御装置20の制御により、背景画像や登場キャラクタの異なる複数のステージの何れかが表示可能とされ、遊技状態や確率状態に応じて表示するステージの選択が行われる。
【0111】
したがって、メイン表示器8に表示されるステージは、遊技状態の報知や確率状態の報知(示唆報知)を行う役目もある。
また、通常遊技状態中やAT状態中には、予め複数のステージが設定され、通常遊技状態中においてはステージA~Cの何れかをメイン表示器8に表示するようになっている。
【0112】
副制御装置20は、ゲームの実行に基づいてステージA~ステージCの何れかを選択する制御を行うが、この際の選択制御は、その時点のAT状態の移行抽選確率の状態、すなわち、通常確率状態か高確率状態かに応じて異なる選択制御が行われる。
したがって、メイン表示器8において表示されるステージの種類は、その時点の確率状態を反映したものとなる。ただし、ステージの選択は所定の確率に基づく抽選で行われることから、内部的な確率状態をそのまま反映したものではなく、遊技者がある程度推測できる範囲で行われることとなる。
【0113】
ステージの移行抽選、すなわち、現状のステージから他のステージに移行するか、あるいは現状のステージを維持するかの抽選は、ゲーム毎に実行され、高確率状態に移行していることに対する期待度が、ステージA<ステージB<ステージCの関係を形成するように実行される
例えば、通常確率状態においては、ステージAが選択される確率が最も高く、次いでステージBが選択される確率が高く、ステージCが選択される確率が最も低くなるような移行抽選が行われる。一方、高確率状態においては、ステージCが選択される確率が最も高く、次いでステージBが選択される確率が高く、ステージAが選択される確率が最も低くなるような移行抽選が行われる。
このようなステージの移行抽選が行われる結果、ステージAよりもステージBの方が高確率状態に移行している期待度が高くなり、同様に、ステージA及びステージBよりもステージCの方が高確率状態に移行している期待度が高くなるのである。
【0114】
各ステージでは、例えば、主人公キャラクタが所定の場所を歩いているような演出が実行され、ステージAでは草原、ステージBでは街中、ステージCでは森の中等、主人公キャラクタが歩く場所により、ステージの違いを報知するようにしている。
各ステージは、他のステージに移行しない限り、背景や主人公キャラクタの動作等は同様の内容となっていて、次ゲームが開始されても変化しないようになっているので、ステージ毎の演出についても複数ゲームに亘る一連の演出と捉えることもできる。
【0115】
次に、図4のタイミングチャートを参照して、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、ゲームの実行に応じた遊技状態の変化、及びメイン表示器8での演出表示について説明する。
図4は、確率状態が通常確率状態の通常遊技状態からゲームを開始する状態を例示している。また、メイン表示器8ではステージAを表示している。
第1実施形態では、各種特典の抽選、各種遊技状態の変更(変更時点も含む)に関わる制御は主制御装置10が行い、当該制御に関する制御情報を主制御装置10からの副制御装置20に送信して、副制御装置20が対応する演出に関わる制御を行うようにしている。
なお、遊技状態の変更に直接関係しない演出(例えば、ATガセ前兆演出等)の開始時点や実行期間は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき副制御装置20で制御してもよいし、主制御装置10からの制御情報の受信なしで副制御装置20独自で制御してもよい。ただし、演出の契機となる制御情報(例えば、レア役の当選情報等)は受信する必要がある。
【0116】
図4に例示すように、通常遊技状態中の所定のゲーム(図4の2ゲーム目)の実行により弱スイカ役に当選した場合(タイミングt0)、所定の確率で高確率状態への移行抽選が行われるが、移行抽選の結果、高確率状態への移行が決定されると、次ゲーム(3ゲーム目)の開始時(タイミングt1)に確率状態が高確率状態に変更される。なお、高確率状態への移行は、次ゲームではなく高確率状態への移行抽選が行われるゲームの開始時に行うようにしてもよい。
【0117】
また、3ゲーム目のゲーム実行時には、高確率状態中におけるステージの移行抽選が行われ、ステージの移行無しが決定されてステージの移行は行われていない。
そして、続く4ゲーム目のゲーム実行のステージ移行抽選でステージの移行が決定された結果、4ゲーム目の開始時(タイミングt2)でメイン表示器8に表示されるステージがステージAからステージCに移行される。また、ステージは、22ゲーム目までステージCを維持するような抽選結果となっている。
【0118】
また、図4に示すように、10ゲーム目のゲーム実行時にチャンス役に当選した場合(タイミングt3)、この時点の確率状態は高確率状態であるので、通常確率状態よりも高い当選確率でAT状態の移行抽選が行われる。
チャンス役の当選により、メイン表示器8においてAT前兆演出が行われるが、所定の待機期間の設定により、AT前兆演出は、22ゲーム目の開始時(タイミングt4)から行われる。
なお、図4の例では、AT状態の移行抽選に当選した場合を示しているが、AT状態の移行抽選に非当選であった場合でも、チャンス役の当選によりメイン表示器8においてはATガセ前兆演出が実行される。
【0119】
AT前兆演出は、40ゲーム目のゲーム実行まで行われるが、最終ゲームの直前の3ゲームに亘っては、AT前兆演出中の連続演出が実行される。すなわち、38ゲーム目のゲーム開始(タイミングt5)からメイン表示器8において主人公キャラクタと敵キャラクタが対戦する対戦演出により連続演出が実行される。
例えば、38ゲーム目から40ゲーム目のゲーム毎に、主人公キャラクタ或いは敵キャラクタの何れかが攻撃を行うような対戦画像を表示し、前兆演出の最終ゲームである40ゲーム目のゲーム終了後に、何れかのキャラクタが勝利することによりAT状態の当否を報知するような演出が実行される。
【0120】
また、連続演出中にゲーム毎に実行される攻防画像は、AT状態に当選している場合には、主人公キャラクタの攻撃が多かったり、より敵キャラクタに大きな打撃を与えたりする画像を表示することで、遊技者にAT状態の発生に対する期待感を高められるようになっている。
【0121】
38ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt5)に実行された連続演出は、40ゲーム目のゲーム終了から所定期間(例えば、2秒)経過後の時点(タイミングt6)で終了し、何れかのキャラクタが勝利する画像が表示されるが、図4に示す例では、AT状態に当選しているので、40ゲーム目のゲーム終了から所定期間(例えば、2秒)経過後から次ゲームが開始されるまでの間(タイミングt6~t7)においては、連続演出の結果画像として、主人公キャラクタが勝利する画像ととともに、「勝利」の文字情報や、「AT確定」等の文字情報が表示される。
その後、41ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt7)から遊技状態がAT状態に移行し、メイン表示器8においてはAT状態中の画像が表示されることとなる。
以上のように、ゲームの実行に応じて、遊技状態の変化、及びメイン表示器8での演出表示が行われる。
【0122】
次に、図5を参照して、副制御装置20の制御により、AT前兆演出(ATガセ前兆演出)における前兆ステージの演出パターンについて説明する。
AT前兆演出(ATガセ前兆演出)は、所定数のゲーム(例えば、18ゲーム)に亘る一連の演出により実行されるが、前半部分(例えば、15ゲーム間)では、主人公キャラクタが洞窟等の前兆ステージ上を進んでいく準備演出が実行され、後半部分(例えば、3ゲーム間)では、各ゲームにおいて主人公キャラクタ或いは敵キャラクタの何れかが攻撃を行うような対戦演出からなる連続演出が実行される。
【0123】
副制御装置20では、準備演出の演出パターンとして、パターンA、パターンBが予め設定されており、AT前兆演出(ATガセ前兆演出)を実行する場合に、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、特典(AT状態)を付与するか否かに応じて何れかの演出パターンを選択するようになっている。
例えば、パターンAでは、荒野の前兆ステージ上に主人公キャラクタを表示して、荒野に関連するアイテムやセリフ等からなるイベントが発生するものとなっている。また、パターンBでは、洞窟の前兆ステージ上に主人公キャラクタを表示して、洞窟に関連するアイテムやセリフ等からなるイベントが発生するものとなっている。
【0124】
図5は、AT前兆演出(ATガセ前兆演出)における準備演出の演出パターンの選択率を示す表の一例であり、AT状態の抽選契機役に当選した場合の準備演出を、パターンA、Bの何れかにするかの選択率を示している。
まず、AT状態に非当選時には、パターンAが選択される確率が95%、パターンBが選択される確率が5%、に各々設定されている。
次に、AT状態に当選時には、パターンAが選択される確率が80%、パターンBが選択される確率が20%、に各々設定されている。
【0125】
AT状態の抽選契機役に当選した場合のAT前兆演出(ATガセ前兆演出)における準備演出の演出パターンが、図5の選択率で選択される結果、AT状態に当選していた場合には、当選していない場合よりも、パターンAが選択される確率が低くなり、逆に、パターンBが選択される確率が高くなるように選択制御が行われることとなる。
【0126】
以上のような選択率で選択制御が行われるので、準備演出の演出パターンが、パターンBで実行された場合には、パターンAで実行された場合よりもAT状態が発生する確率(期待度)が高くなるのである。
なお、各パターンの選択率は図5に示した確率以外でもよく、AT状態の期待度に対して、パターンA<パターンBの関係性を形成ものであれば何れの確率にしてもよい。
また、準備演出の演出パターンを3種類上設定するようにしてもよいし、AT状態に当選した場合にのみ選択される演出パターンを設定するようにしてもよい。
また、AT状態の発生に対する期待度を、主に演出パターンを構成する前兆ステージの種類に応じて変化するものとなるが、前兆ステージ上の各種イベントの発生率や種類に応じてAT状態の発生に対する期待度を変化させるようにしてもよい。すなわち、遊技者が演出内容を確認することで、各状態の違いを認識できるものであれば何れでもよい。
また、準備演出が継続するゲーム数は、1種類でもよいし、複数のゲーム数を予め設定しておき、AT状態の当選の有無に応じて、何れかのゲーム数を決定するようにしてもよい。
【0127】
また、第1実施形態においてはAT状態、CZ状態等の特典が付与される旨を、複数のゲームに跨る演出(例えば、連続演出)後に報知するようにしているが、別の報知態様として、例えば、当選演出の実行後に特典の付与を報知するようにしてもよい。
当選演出は、基本的には役に当選した1のゲームで完結するような内容となっていて、当該ゲームにおいて主にメイン表示器8に所定の画像が表示されることで実行される。したがって、当選演出により特典の付与が報知される場合には、演出が開始されたゲームが終了するまでに(次ゲームが開始されるまでに)当該演出が終了して特典の付与が報知されることとなる。
以上のようにAT前兆演出(ATガセ前兆演出)における準備演出の演出パターンの選択が行われる。
【0128】
次に、図6を参照して、ATガセ前兆演出が実行される前の待機期間中のゲームにおいて、CZ状態に当選した場合の演出について説明する。
前述したように、AT状態への移行契機となるレア役(例えば、チャンス役)に当選したが、AT状態への移行抽選に当選しなかった場合には、AT状態に当選したときと同様に、最終的にAT状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)のATガセ前兆演出が、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)の終了後に、メイン表示器8において実行される。
【0129】
主制御装置10では、この待機期間中においては、煽り演出に関わる抽選制御等が行われているが、あくまでもメイン表示器8やサブ表示器17での演出上の制御であり、遊技状態に影響を及ぼすものでないので、この待機期間中のゲームにおいても、その他の状態と同様に、CZ状態の抽選は実行されることとなる。
したがって、ATガセ前兆演出の実行前の待機期間中のゲームにおけるCZ状態の抽選契機役に当選時に、CZ状態に当選する場合があるが、第1実施形態においては、このような場合にも、CZ状態の発生前に、事前に決定しているATガセ前兆演出の実行ゲーム数に到達した場合には、ATガセ前兆演出をそのまま実行するようにしている。
すなわち、事前にATガセ前兆演出の実行が決定されていても、その後に、CZ状態の当選が決定された場合には、実際に遊技状態が変化するCZ状態の当選に関わる演出制御を優先するところを、そのまま実際に遊技状態が変化しないATガセ前兆演出を継続して実行するようにしているのである。
【0130】
次に、図6のタイミングチャートを参照して、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、上記した、ATガセ前兆演出が実行される前の待機期間中のゲームにおいて、CZ状態に当選した場合の遊技状態の変化、及びメイン表示器8での演出について説明する。
なお、図6に示す例は、前述した図4で示した例(ATガセ前兆演出を実行する例)における待機期間中のゲームにおいて、CZ状態に当選した場合となっている。
【0131】
図6に示すように、10ゲーム目のゲーム実行時にチャンス役に当選(図4参照)して、主制御装置10が、予め22ゲーム目(タイミングt3)にATガセ前兆演出を開始されることを決定した場合には、ATガセ前兆演出の実行前に、前述したように待機期間(10~22ゲームの間)が設定される。
そして、この待機期間中における、例えば、19ゲーム目(タイミングt8)のゲームの実行により、所定のレア役(例えば、強チェリー役)の当選とともにCZ状態にも当選した場合には、主制御装置10の制御により、所定ゲーム数の遅延期間が設定され、この遅延期間の終了後にCZ状態が発生される。
【0132】
図6に示す例では、CZ状態に当選した5ゲーム後のゲームである24ゲーム目(タイミングt9)のゲームの開始からCZ状態が開始されるようになっている。
したがって、CZ状態に当選した19ゲーム目(タイミングt8)から、CZ状態が開始する24ゲーム目(タイミングt9)までは、CZ状態を発生させるまでの遅延期間となっている。
【0133】
一方、ATガセ前兆演出は、主制御装置10および副制御装置20の制御により、22ゲーム目のゲームから38ゲーム目のゲーム(図4参照)までの期間において実行予定とされているので、CZ状態の開始予定とされているゲームの時点(タイミングt9)が、ATガセ前兆演出を実行予定とされている期間内となってしまう。
【0134】
このような場合でも、第1実施形態においては、ATガセ前兆演出を予定通りに開始させるようにしている。
したがって、図示するように、CZ状態を発生前の遅延期間中における22ゲーム目(タイミングt4)に、ATガセ前兆演出が開始されることとなる。
ただし、ATガセ前兆演出の実行中に、CZ状態の遅延期間が終了することとなることから、予め設定されていた実行期間中における24ゲーム目(タイミングt9)に、ATガセ前兆演出は途中終了して、その時点から遊技状態がCZ状態に変更されることとなる。
【0135】
このように、第1実施形態においては、ATガセ前兆演出の実行前の待機期間中のゲームにおいてCZ状態に当選した場合に、遅延期間を挟んだCZ状態の発生前に、事前に決定しているATガセ前兆演出の実行ゲーム数に到達した場合には、ATガセ前兆演出をそのまま実行するようにしているのである。
すなわち、外れ事前演出制御手段としての副制御装置20は、外れ事前演出(ATガセ前兆演出)を実行させる前に、第2決定手段としての主制御装置10が第2の特典(CZ状態)を付与することを事前に決定した場合に、予め決定されている遅延期間を挟んだ第2の特典の付与時期が、外れ事前演出の実行予定期間中であったとしても、外れ事前演出を実行させる制御を継続可能な外れ事前演出継続制御手段を備えているのである。
【0136】
このようにすることにより、AT状態とCZ状態の双方の発生に対する可能性が生じている状態において、AT状態とCZ状態の双方、あるいは何れか一方に対する期待感が途中で無くなってしまうことを防止できるのである。
すなわち、ATガセ前兆演出の実行前の待機期間中のゲームにおいてCZ状態に当選した場合に、ATガセ前兆演出の実行を中止してしまった場合には、その時点でAT状態の発生に対する期待感が無くなってしまうといった問題点が生じる。特に、特典の価値としては、CZ状態よりもAT状態の方が大きいので、価値の低いCZ状態の契機役の当選によりAT状態への期待感が無くなることは問題が大きい。
さらに、かりにATガセ前兆演出の実行自体を中止してしまうと、その時点でCZ状態の当選が確定的となるので、CZ状態に対する期待感を十分に長引かせることが出来なくなる等の問題も生じてしまうが、第1実施形態では、これらの問題点を解消して、遊技者の期待感を効率よく高まることが可能となるのである。
【0137】
また、第1実施形態では、後述するように、ATガセ前兆演出の実行前の待機期間中の所定のゲーム(タイミングt8)においてCZ状態に当選した場合に、副制御装置20の制御により、所定の確率(例えば、60%)で振り分ける振り分け抽選を行い、この振り分け抽選に当選した場合にATガセ前兆演出を実行する制御を継続するようにしている。
すなわち、外れ事前演出継続制御手段としての副制御装置20は、予め決定されている遅延期間を挟んだ第2の特典(CZ状態)の付与時期が、外れ事前演出(ATガセ前兆演出)の実行予定期間中であった場合における所定条件の成立(例えば、振り分け抽選に当選)に基づき、外れ事前演出を実行させる制御を継続可能としているのである。
したがって、演出内容が固定化されずにより多彩なものとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0138】
なお、ATガセ前兆演出の実行前の待機期間中の所定のゲームにおいてCZ状態に当選した場合に、必ずATガセ前兆演出を実行する制御を継続するようにしてもよい。
また、上記振り分け抽選を行う場合に、ATガセ前兆演出の実行前の待機期間中のゲーム(例えば、図示する21ゲーム目)において、再度CZ状態の抽選契機役に当選した場合には、振り分け抽選の当選確率を変更(例えば、80%に高める)ようにしてもよい。
また、ATガセ前兆演出の開始予定となっているゲームと、CZ状態の開始予定となっているゲームが一致してしまった場合には、ATガセ前兆演出の開始時期を、例えば、1~2ゲーム分だけ早めるようにしてもよい。
【0139】
また、AT前兆演出の実行前の待機期間中のゲームにおいてCZ状態の抽選契機役に当選した場合には、既にAT状態の移行が確定しているので、CZ状態の抽選は行われず、替わりに、AT状態中のゲーム数の上乗せ抽選が予め行われる。
以上のように、ATガセ前兆演出の待機期間中のゲームにおいて、CZ状態に当選した場合の演出が実行される。
【0140】
次に、図7のタイミングチャートを参照して、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、CZガセ連続演出が実行される前の遅延期間中のゲームにおいて、AT状態に当選した場合の遊技状態の変化、及びメイン表示器8での演出表示について説明する。
図7に示す例では、CZ状態の抽選契機役(例えば、強チェリー役)に当選してCZ状態に当選した場合に、CZ状態の発生前にAT状態の発生前と同様に、キャラクタによる対戦演出が所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)実行されるCZ連続演出を実行した後に、CZ状態を発生させるようにしている。そして、CZ状態の抽選契機役(例えば、強チェリー役)に当選したがCZ状態に当選しなかった場合にも、同様にCZガセ連続演出を実行するようにしている。特に、図7では、CZガセ連続演出を実行する場合を例示している。
【0141】
また、CZガセ連続演出を実行する場合には、CZ状態の抽選契機役(例えば、強チェリー役)に当選してから、所定ゲーム数(5ゲーム)の遅延期間が経過した後のゲームから、CZガセ連続演出を実行するようにしている。
すなわち、演出制御手段としての副制御装置20は、第2決定手段としての主制御装置10が、第2の特典(CZ状態)を付与することを事前に決定したことに基づき、第2の特典を付与する前の所定期間(遅延期間)において、連続演出(CZ連続演出)を実行させる連続演出制御手段と、第2決定手段が第2の特典を付与することを事前に決定していない場合における所定条件の成立に基づき、所定期間において、外れ連続演出(CZガセ連続演出)を実行させる外れ連続演出制御手段と、を備えているのである。
【0142】
一方、図7に示す例では、AT状態に当選した場合に、AT前兆演出を実行せずに、AT状態を発生させるようにしている。ただし、AT状態を発生させる場合でも、所定ゲーム数の待機期間を設定し、この待機期間の経過後にAT状態を発生させるようにしている。この場合の待機期間はAT前兆演出を実行する場合よりも短い期間(例えば、5ゲーム)となっている。なお、AT状態を発生させる直前に前述同様の連続演出を実行するようにしてもよい。
【0143】
図7に示すように、CZ状態の抽選契機役(例えば、強チェリー役)に当選したがCZ状態に当選しなかった場合(タイミングt10)には、所定ゲーム数(例えば、5ゲーム)の遅延期間の後のゲームにおいて、CZガセ連続演出が実行されるように予め決定される。したがって、CZ状態の抽選契機役(例えば、強チェリー役)に当選してから5ゲーム目のゲーム(タイミングt12)に、CZガセ連続演出の実行が予定される。
そして、この遅延期間中に実行される、例えば、2ゲーム目のゲーム(タイミングt11)において、AT状態の抽選契機役(例えば、チャンス役)に当選してAT状態に当選した場合には、その時点から所定ゲーム数(例えば、5ゲーム)の待機期間の後のゲーム(タイミングt13)から、AT状態が開始されるように予め決定される。
【0144】
この場合、AT状態が開始される予定のゲーム(タイミングt13)が、CZガセ連続演出の実行予定期間中となるので、予め決定されていたCZガセ連続演出の実行は中止して、AT状態の開始予定となっているゲーム(タイミングt13)が実行されると、予定通りにAT状態を開始するようにしている。
このように、予めCZガセ連続演出の実行を決定していた場合でも、その遅延期間中にAT状態が当選した場合には、予め決定されていたCZガセ連続演出の実行を中止する制御が行われるのである。
すなわち、外れ連続演出制御手段としての副制御装置20は、外れ連続演出(CZガセ連続演出)を実行させる前に、第1決定手段としての主制御装置10が、第1の特典(AT状態)を付与することを事前に決定した場合に、予め決定されている待機期間を挟んだ第1の特典の付与時期が、外れ連続演出の実行予定期間中であった場合には、外れ連続演出を実行させる制御を不能化可能な外れ連続演出不能化制御手段を備えているのである。
【0145】
このようにすることにより、AT状態の抽選契機役(例えば、チャンス役)に当選した状態において、CZガセ連続演出が実行されることで、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止するようにしているのである。
すなわち、CZ状態は、AT状態を発生させる契機状態であるので、遊技者にとっては、CZ状態よりもAT状態の方がより価値(期待度)が高いものとなっているので、より価値の高いAT状態の発生に期待している状態で、CZ状態の発生を期待させるようなCZガセ連続演出が実行されてしまうと、却って遊技者の期待感を低下させてしまうことになりかねないが、第1実施形態ではそのような事態を防止できるのである。
【0146】
また、前述したように、ATガセ前兆演出の待機期間中に、CZ状態に当選した場合には、ATガセ前兆演出の実行をそのまま継続するようにしているが、一方、CZガセ連続演出の遅延期間中に、AT状態に当選した場合には、CZガセ連続演出の実行を中止するようにしている。
したがって、異なる特典の契機役に短い期間で連続して当選した場合には、連続して当選した契機役の種類に応じて、より遊技者の期待感を高めるように、演出の継続および中止が行われることとなるのである。
【0147】
なお、CZ状態に当選してCZ連続演出の実行前の遅延期間中のゲームにおいて、AT状態の抽選契機役に当選した場合には、既にCZ状態の移行が確定しているので、この場合には、所定の確率で、AT状態の当選が確定する特別のCZ状態に変更するか否かの抽選を行うようにしてもよい。
以上のように、CZガセ連続演出の遅延期間中のゲームにおいて、AT状態に当選した場合の演出が実行される。
【0148】
次に、図8を参照して、主制御装置10からの制御信号に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8で実行される演出画像について説明する。
図8は、前述の図6で示したATガセ前兆演出の実行前の待機期間中のゲームにおいてCZ状態に当選して、実際のCZ状態が発生する場合における、メイン表示器8で実行される演出画像を示している。
【0149】
まず、図8(a)~(c)は、上記ATガセ前兆演出中のゲームにおいて、所定のレア役(例えば、弱チェリー役)に当選した場合の画像演出を示している。
図8(a)に示すように、ATガセ前兆演出が実行されると、メイン表示器8の画面主要部において、ATガセ前兆演出画像24が表示される。
このときのATガセ前兆演出画像24は、前述(図5参照)した演出パターンの何れかで実行されることとなる。
なお、各図において図示する画像は、実際に表示される画像よりも簡略化したものにしているが、実際には、予め設定されているキャラクタや背景等の画像がメイン表示器8に動画表示される。
【0150】
そして、このときのゲームにおいて、所定のレア役(例えば、弱チェリー役)に当選した場合には、当該ゲーム終了後に、図8(b)に示すように、メイン表示器8の画面のやや上部に演出ボタン2dを模した操作画像21が表示されて、特定演出としてのボタン演出を伴う当選演出が1のゲーム間で実行される。
ボタン演出は、例えば、所定のゲームの実行中に、先ず、メイン表示器8に、演出ボタン2dの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像を表示し、その後、表示された演出ボタン2dが操作された場合に、メイン表示器8に当選したレア役の種類を報知する画像や、遊技者の期待感を高めるような画像を現出させる演出となっている。
【0151】
図8(c)は、ボタン演出の実行により、遊技者が演出ボタン2dを操作した場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図8(c)に示すように、遊技者が演出ボタン2dを操作すると、操作画像21が消去されて替わりに、メイン表示器8の画面略中央に、「チャンス」の文字情報からなる第1チャンスアップ画像22aが表示される。
この第1チャンスアップ画像22aの表示により、遊技者に対して、当該ゲームにおいて特典の付与の契機となるレア役に当選したことが報知される。
なお、演出ボタン2dを操作した場合の画像は、上記した文字情報以外でもよく、例えば、当選したレア役を遊技者が認識できるような画像(例えば、チェリーを象った画像)や、当該レア役に対応する配色(例えば、赤色)のアイテムを表示するようにしてもよい。
【0152】
また、ボタン演出を実行する場合には、当該ゲームの開始時点で、ボタン演出の実行を予告する予告音や、所定の予告画像が表示される予告演出を実行するようにしてもよい。
また、ボタン演出の実行は、ゲームの終了以外でもよく、ゲームの開始時点で操作画像21を表示して、当該ゲームの実行中にボタン演出を実行するようにしてもよい。
また、図8に示す状態では、既にCZ状態に当選しているので、当選したレア役がCZ状態の抽選契機役であった場合には、CZ状態を特別のCZ状態に変更するか否かの抽選が行われる。
なお、特別のCZ状態は、前述したように移行した時点でAT状態が確定するものとなっているが、確定ではないがAT状態の当選確率を通常のCZ状態よりも高めたものであってもよいし、当該CZ状態によりAT状態に移行した場合には、通常のCZ状態によりAT状態に移行した場合よりも、遊技者に有利(例えば、継続期間が長い)なAT状態に移行させるものであってもよい。
【0153】
次に、前述の図6で示したように、ATガセ前兆演出の実行前の待機期間中のゲームにおいてCZ状態に当選して、実際のCZ状態が発生するゲーム(図6のタイミングt9参照)が実行される場合においても、上記したボタン演出が実行される。
ATガセ前兆演出中にCZ状態を発生させる場合には、上記したレア役に当選した場合と同様に、CZ状態への移行直前のゲーム(図6の23ゲーム目のゲーム)の終了後に、図8(b)に示すような操作画像21が表示されてボタン演出が実行される。
【0154】
そして、遊技者が演出ボタン2dを操作すると、図8(d)に示すように、操作画像21が消去されて替わりに、メイン表示器8の画面略中央に、「CZ発生」の文字情報からなる移行報知画像22bが表示される。
この移行報知画像22bの表示により、遊技者に対して、次ゲームからCZ状態が発生することが報知され、次ゲームの実行により遊技状態がCZ状態に移行される。
【0155】
このように、第1実施形態では、ATガセ前兆演出の実行前の待機期間中のゲームにおいてCZ状態に当選して、その後にATガセ前兆演出中にCZ状態を発生させる場合には、レア役に当選した場合と同様のボタン演出を実行した後に、CZ状態に移行させるようにしているのである。
すなわち、演出制御手段としての副制御装置20は、外れ事前演出(ATガセ前兆演出)中に第2の特典(CZ状態)を付与する場合に、外れ事前演出中に実行される特定演出(ボタン演出)と同様の演出を実行させることが可能な特定演出制御手段を備えているのである。
【0156】
したがって、遊技者に対して、AT状態の発生に対する期待感を最後まで引き付けた状態で、CZ状態を発生させることが可能となるのである。
すなわち、CZ状態を発生させる前に、ATガセ前兆演出を中止して連続演出等を実行してしまうと、その時点で、AT状態の発生に対する期待感が無くなってしまうが、第1実施形態では、CZ状態が発生する直前までAT状態への期待感を残すことが出来るのである。
【0157】
また、レア役に当選した場合と同様のボタン演出の実行後に、CZ状態を発生させるようにしているので、ATガセ前兆演出中に唐突にCZ状態を発生させることで、遊技者に対して違和感のある移行演出となってしまうことを防止できるし、ボタン演出の実行によりレア役に当選したものと判断した遊技者は、演出ボタン2dの操作により、突然CZ状態の発生が報知されるので、極めて意外性のある演出となり、興趣性も向上させることが可能となるのである。
【0158】
なお、ATガセ前兆演出中のボタン演出は、レア役に当選した場合に発生する以外の、所謂チャンスアップ演出時に実行するようにしてもよく、例えば、レア役に当選していないゲームの実行中あるいは終了後にボタン演出を実行し、遊技者による演出ボタン2dの操作により、当該ATガセ前兆演出に対する期待度を変化させるような画像を表示するようにしてもよい。
チャンスアップ演出時にボタン演出を実行する場合、演出ボタン2dの操作により「チャンス」あるいは「激アツ」の文字情報の何れかを表示するようにして、「チャンス」の文字情報よりも「激アツ」の文字情報が表示された方が、AT状態に当選している確率が高くなるように、AT前兆演出およびATガセ前兆演出中のボタン演出の振り分け処理を行うようにする。
また、チャンスアップ演出を複数回実行可能にして、演出ボタン2dの操作毎に背景色を順次変化させることで、AT状態に対する期待度を変化させるようにしてもよい。
【0159】
そして、この場合でも、CZ状態に移行する直前のゲームにおいてボタン演出を実行するようにすれば、遊技者はチャンスアップ演出が実行されるものと判断して演出ボタン2dを操作したときにCZ状態の移行報知が行われることとなり、意外性を与えることが可能となるのである。
また、レア役に当選した時と同様に、CZ状態への移行直前のゲームにおいてボタン演出を実行する場合には、当該ゲームの開始時点で、ボタン演出の実行を予告する予告音や、所定の予告画像が表示される予告演出を実行するようにしてもよい。
また、ボタン演出の実行は、ゲームの終了以外でもよく、ゲームの開始時点で操作画像21を表示して、当該ゲームの実行中にボタン演出を実行するようにしてもよい。
また、CZ状態への移行直前のゲームにおいて所定のレア役に当選した場合にも、ボタン演出を実行するようにしてもよい。この場合は、ボタン演出の実行によりレア役の当選に対する報知ではなく、CZ状態の移行に対する報知が行われる。
以上のように、ATガセ前兆演出中にCZ状態が発生する場合におけるメイン表示器8での演出が実行される。
【0160】
次に、図9を参照して、副制御装置20の制御により、ATガセ前兆演出における前兆ステージの演出パターンの変更について説明する。
ATガセ前兆演出における前半部分で実行される準備演出は、前述(図5参照)したように、AT状態の抽選契機役の当選時に、パターンAあるいはパターンBの何れかで実行されることが予め決定されるが、第1実施形態においては、ATガセ前兆演出の待機期間中にCZ状態に当選した場合には、予め決定されている準備演出の演出パターンを変更するようにしている。
【0161】
図9は、ATガセ前兆演出の待機期間中にCZ状態に当選した場合における、準備演出の演出パターンの変更率を示す表の一例であり、AT状態の抽選契機役に当選した場合に予め決定されている準備演出の演出パターンを、別の演出パターンに変更する変更率を示している。
まず、予め決定されている演出パターンがパターンAであった場合には、パターンAに変更される確率(変更なしとする確率)が100%、パターンBに変更される確率が0%、に各々設定されている。
次に、予め決定されている演出パターンがパターンBであった場合には、パターンAに変更される選択される確率が90%、パターンBに変更される確率(変更なしとする確率)が10%、に各々設定されている。
【0162】
以上のような変更率で演出パターンの変更制御が行われるので、既に期待度の低いパターンAが決定されていた場合には、決定結果がそのまま維持され、期待度の高いパターンBが決定されていた場合には、高い確率でパターンAに変更されることとなるのである。
すなわち、外れ事前演出継続制御手段としての副制御装置20は、外れ事前演出(ATガセ前兆演出)の演出態様(演出パターン)を、予め決定されている外れ事前演出の演出態様(パターンB)とは異なる演出態様(パターンA)に変更可能に構成されているのである。
したがって、ATガセ前兆演出の待機期間中にCZ状態に当選した場合には、相対的に期待度の低いパターンAが実行される確率が高くなるのである。
このような演出パターンの変更を行うことにより、第1実施形態では、予め途中で終了することが決定されているATガセ前兆演出が、AT状態の発生に対する期待度の高い演出パターンで実行される確率が低くなるので、演出の中止により遊技者が落胆してしまうことを防止することが可能となるのである。
【0163】
すなわち、遊技者はCZ状態よりも価値(期待度)の高いAT状態の発生の方をより期待しているが、最終的にはCZ状態は発生することにはなるが、期待度の高い演出パターンでのATガセ前兆演出が途中で終了してしまうと、より価値の高いAT状態の発生に対して抱いていた高い期待感がその時点でなくなり落胆してしまうこととなる。このような事態を極力防止することが可能となるのである。
なお、ATガセ前兆演出の待機期間中にCZ状態に当選した場合には、予め決定されていた演出パターンの種類が何れであるかに関わらず、全てパターンAでATガセ前兆演出を実行するようにしてもよい。
以上のようにATガセ前兆演出における準備演出の演出パターンの変更が行われる。
【0164】
次に、図10は、第1実施形態における、副制御装置20で行われる前兆演出前処理のフローチャートを示しており、これを参照しながらATガセ前兆演出中にCZ状態に当選した場合の処理について説明する。
なお、前兆演出前処理は、主制御装置10で行うようにしてもよい。
【0165】
まず、ステップS1では、ATガセ前兆演出を発生予定か否かの判定を行う。
これは、AT状態の抽選契機役に当選して、AT状態には非当選であるがATガセ前兆演出の発生を予め決定しているか否かの判定、すなわち、この時点での状態がATガセ前兆演出の待機期間中であるか否かの判定であり、ATガセ前兆演出を発生予定である場合は、ステップS2に移行し、ATガセ前兆演出を発生予定でない場合は、前兆演出前処理を終了する。
【0166】
次に、ステップS2では、CZ状態に事前当選したか否かの判定を行う。
これは、ATガセ前兆演出の待機期間中に実行されたゲームにおいて、CZ状態の抽選契機役の当選に基づきCZ状態に当選(事前当選)したか否かの判定であり、CZ状態に事前当選した場合は、ステップS3に移行し、CZ状態に事前当選しない場合は、前兆演出前処理を終了する。
このCZ状態の事前当選により、CZ状態が発生するまでの遅延期間が決定されるとともに、実際にCZ状態が発生することとなる発生予定時期(ゲーム)が決定される。
【0167】
次に、ステップS3では、CZ状態の発生予定時期は、ATガセ前兆演出の予定実行期間中か否かの判定を行う。
これは、予め決定されている遅延期間を挟んだCZ状態の発生予定時期(ゲーム)が、その後に発生予定のATガセ前兆演出の実行期間中であるか否かの判定であり、CZ状態の発生予定時期がATガセ前兆演出の予定実行期間中である場合は、ステップS4に移行し、予定実行期間中でない場合は、ステップS5に移行する。
【0168】
次に、ステップS4では、ATガセ前兆演出の継続の振分抽選処理を行う。
ステップS4により、ATガセ前兆演出の待機期間中にCZ状態に当選して、CZ状態の発生予定時期がATガセ前兆演出の予定実行期間中である場合に、ATガセ前兆演出を実行する制御を継続するか否かの振分抽選が行われる。
【0169】
次に、ステップS6では、ATガセ前兆演出の継続の振分抽選処理において、振分抽選に当選したか否かの判定が行われる。
振分抽選における当選確率は、所定の確率(60%)で設定されていて、振分抽選に当選した場合には、ステップS7に移行し、振分抽選に当選しなかった場合には、ステップS5に移行する。
【0170】
次に、ステップS7では、ATガセ前兆演出のパターンの変更処理を行う。
ステップS7により、前述したように(図9参照)、予め決定されているATガセ前兆演出の演出パターンを別の演出パターンに変更する処理が行われる。
その後、前兆演出前処理を終了する。
【0171】
一方、ステップS5では、ATガセ前兆演出の継続中止処理を行う。
すなわち、CZ状態の発生予定時期がATガセ前兆演出の予定実行期間中でない場合、もしくは、CZ状態の発生予定時期がATガセ前兆演出の予定実行期間中であっても、ATガセ前兆演出の継続の振分抽選処理に当選しなかった場合には、ATガセ前兆演出を実行する制御を中止する処理が行われる。
その後、前兆演出前処理を終了する。
【0172】
以上のように、副制御装置20では、ATガセ前兆演出の待機期間中にCZ状態に当選した場合に、ATガセ前兆演出を継続させるか否かの振分抽選処理や、ATガセ前兆演出を実行させる制御を継続させる処理が行われるので、確実に対応する演出を実行することが可能となるのである。
以上のように、第1実施形態におけるスロットマシン1が構成される。
【0173】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図11図13を参照して説明する。
第2実施形態においては、第2演出手段としてのサブ表示器17の配設位置およびその周辺の機構が、前述した第1実施形態と異なっているのみであり、その他の構成(メイン表示器8、リール4等)、サブ表示器17自体の構成、および遊技の進行制御等については同様となっている。
【0174】
図11に示すように、第2実施形態におけるスロットマシン1においては、サブ表示器17は、リール4の側方側(図示右側)であって、リール4と隣接した状態で、かつ演出ボタン2dの後方側に配設されている。
また、前面パネル19におけるリール4の側方側(図示右側)には、前方に開口した凹室状の表示器設置部30が形成され、この表示器設置部30の凹室底部に、画面を凹室開口部30d(図12参照)に臨ませた状態でサブ表示器17が配設される。
したがって、スロットマシン1の前方の遊技者は、表示器設置部30の凹室開口部30dを通して表示器設置部30内に配設されたサブ表示器17の画面を視認することとなっている。
【0175】
図12は、サブ表示器17および表示器設置部30を、上下方向略中央部分で水平方向に切断して上方から見た断面図である。
図12に示すように、表示器設置部30には、前面パネル19から後方側に延在する右側壁部30aと左側壁部30bが形成され、右側壁部30aおよび左側壁部30bの後方端部は、前面パネル19と略平行状態の後方壁部30cにより接続されて、表示器設置部30が前方側に凹室開口部30dが形成される凹室空間部30eを有する形状となっている。
【0176】
また、凹室空間部30eの上下左右の寸法は、サブ表示器17を収納可能に設定されていて、表示器設置部30の凹室底部を構成する後方壁部30cの前面に、サブ表示器17が画面を前方側に向けた状態で配設されている。
また、右側壁部30aおよび左側壁部30bの前後方向の寸法は、当該スロットマシン1の隣の遊技機で遊技している遊技者が、サブ表示器17の画面上の表示を視認できない程度の死角が形成されるように設定されている。
すなわち、サブ表示器17は、表示器設置部30における凹室空間部30eの最後方に配設されているので、サブ表示器17の画面上の表示方向が、凹室空間部30eにより前方方向に制約されて、当該画面上に表示されている情報を、当該スロットマシン1で遊技している遊技者のみが視認できて、隣の遊技機で遊技している遊技者には視認できないような構成となっているのである。
【0177】
また、表示器設置部30の前方側であって、凹室開口部30dに近接した位置には、演出ボタン2dが配設されている。
したがって、第2演出手段としてのサブ表示器17は、第1演出手段としてのメイン表示器8よりも操作手段としての演出ボタン2dに近い位置に配設されることとなり、遊技者は、演出ボタン2dの操作を確認しつつ、同時にサブ表示器17の画面上に表示されている情報を視認できるようになっている。
【0178】
次に、図13は、第2実施形態において、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20の制御により実行される、メイン表示器8およびサブ表示器17での画像演出について説明する。
図13は、前述した第1実施形態におけるAT前兆演出(ATガセ前兆演出)の後半部分で実行される連続演出中のメイン表示器8およびサブ表示器17での画像演出の一例を示している。
なお、第2実施形態における連続演出では、連続演出中の所定ゲーム(例えば、2ゲーム目)中において、前述したボタン演出が実行されるものとしている。
【0179】
まず、図13(a)に示すように、連続演出が開始されると、メイン表示器8画面主要部において、例えば、キャラクタによる対戦演出からなる連続演出画像23が表示される。
また、このときサブ表示器17には、何も表示されていないが、連続演出画像23に対応する画像として、エフェクト画像や、連続演出中であることを報知する画像等を表示するようにしてもよい。
【0180】
次に、図13(b)は、連続演出中にボタン演出が実行されるゲーム(例えば、2ゲーム目のゲーム)が開始されたときの画像演出を示していて、当該ゲームが開始されると、既に表示されている連続演出画像23とともに、ATガセ前兆演出時と同様に操作画像21が画面の略中央部に表示されて、前述したボタン演出を伴うチャンスアップ演出が開始される。
このときも、サブ表示器17には未だ何も表示されていないが、ボタン演出の開始を報知する画像や、演出ボタン2dの操作を促す画像を表示するようにしてもよい。
また、ボタン演出の開始により、副制御装置20は、演出ボタン2dの操作を有効とするとともに、内部の発光手段を発光させて演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知する。
【0181】
次に、図13(c)は、ボタン演出の実行により、遊技者が表示器設置部30の前方に配設される演出ボタン2dを操作したときの画像演出を示している。
図示するように、演出ボタン2dが操作されると、表示されていた操作画像21が消去されるとともに、替わりに「チャンス」の文字情報からなる第1チャンスアップ画像22aが連続演出画像23とともに表示される。
一方、遊技者が演出ボタン2dを操作すると、サブ表示器17には、「激アツ」の文字情報からなる第2チャンスアップ画像22cが表示される。
【0182】
このように、第2実施形態におけるスロットマシン1では、演出ボタン2dの操作時に実行される演出が、メイン表示器8とサブ表示器17とで異なる情報を報知するように実行可能となっているのである。
すなわち、操作手段としての演出ボタン2dの操作を促す操作演出(ボタン演出)が実行されたことに関連して、第1演出手段としてのメイン表示器8に第1チャンスアップ画像22aが表示されることで第1の演出が実行され、第2演出手段としてのサブ表示器17に第2チャンスアップ画像22cが表示されることで第2の演出が実行されるのである。
【0183】
チャンスアップ演出(ボタン演出)時にメイン表示器8およびサブ表示器17に表示される文字情報は、副制御装置20により実行される選択制御に基づき、「チャンス」あるいは「激アツ」の文字情報の何れかが選択されるようになっているが、図13(c)では、メイン表示器8に「チャンス」の文字情報が選択表示され、サブ表示器17に「激アツ」の文字情報が選択表示された場合を例示している。
【0184】
このチャンスアップ演出(ボタン演出)時にメイン表示器8に表示される文字情報の選択制御は、AT状態の当選の有無に応じて所定の確率で行われ、例えば、AT状態に当選している場合には、40%の確率で「チャンス」の文字情報が選択されるとともに、60%の確率で「激アツ」の文字情報が選択される。一方、AT状態に当選していない場合には、60%の確率で「チャンス」の文字情報が選択されるとともに、40%の確率で「激アツ」の文字情報が選択されるようになっている。
したがって、チャンスアップ演出(ボタン演出)時にメイン表示器8に「激アツ」の文字情報が表示された場合には、「チャンス」の文字情報が表示された場合よりも、AT状態が発生する確率が高くなるのである。
【0185】
一方、チャンスアップ演出(ボタン演出)時にサブ表示器17に表示される文字情報も、副制御装置20により実行される選択制御に基づき、「チャンス」あるいは「激アツ」の文字情報の何れかが選択されるようになっている。
しかしながら、サブ表示器17に何れかの文字情報が表示される選択確率は、メイン表示器8での選択確率と異なっていて、例えば、AT状態に当選している場合には、10%の確率で「チャンス」の文字情報が選択されるとともに、90%の確率で「激アツ」の文字情報が選択される。一方、AT状態に当選していない場合には、90%の確率で「チャンス」の文字情報が選択されるとともに、10%の確率で「激アツ」の文字情報が選択されるようになっている。
【0186】
すなわち、AT状態に当選している場合には、メイン表示器8に「激アツ」の文字情報が表示される確率よりも高い確率で、サブ表示器17に「激アツ」の文字情報が表示され、AT状態に当選していない場合には、メイン表示器8に「チャンス」の文字情報が表示される確率よりも高い確率で、サブ表示器17に「チャンス」の文字情報が表示されようになっているのである。
【0187】
したがって、図13(c)で例示するように、チャンスアップ演出(ボタン演出)時にサブ表示器17に「激アツ」の文字情報が表示された場合には、サブ表示器17に「チャンス」の文字情報が表示された場合よりも、AT状態が発生する確率が高くなるのは、メイン表示器8での文字情報の表示の場合と同様であるが、サブ表示器17に「激アツ」の文字情報が表示された場合には、メイン表示器8に「激アツ」の文字情報が表示された場合よりも、AT状態に当選している可能性(信頼度)が高くなり、サブ表示器17に「チャンス」の文字情報が表示された場合には、メイン表示器8に「チャンス」の文字情報が表示された場合よりも、AT状態に当選してない可能性(信頼度)が高くなるのである。
【0188】
演出ボタン2dの操作により、図13(c)に示すように、メイン表示器8およびサブ表示器17に所定の文字情報が表示された後、次ゲームが開始されると、各表示器での文字情報は消去されて、次ゲームで再び連続演出に対応する画像が表示されることとなる。
なお、ボタン演出が実行されても演出ボタン2dが操作されなかった場合には、メイン表示器8およびサブ表示器17における所定の文字情報を表示しなくてもよいし、次ゲームの開始により所定の文字情報を表示するようにしてもよい。
【0189】
以上のように、第2実施形態におけるスロットマシン1においては、第1演出手段としてのメイン表示器8において第1の演出が実行され、第2演出手段としてのサブ表示器17において第2の演出が実行されるのである。
また、前述したように、第2実施形態においては、表示器設置部30により、サブ表示器17の画面上に表示されている情報を、当該スロットマシン1で遊技している遊技者のみが視認できて、隣の遊技機で遊技している遊技者には視認できないようになっているのに対して、メイン表示器8は、スロットマシン1の前面側に画面を臨ませた状態で配設されている。
すなわち、第2演出手段としてのサブ表示器17は、メイン表示器8で実行される第1の演出よりも、当該遊技機で遊技する遊技者以外の遊技者が認識困難に第2の演出を実行可能に構成されているのである。
したがって、遊技者は、第2の演出として、サブ表示器17で実行されるチャンスアップ演出を、他の遊技者に見られずに自身のみで楽しめることが可能となるのである。
【0190】
また、第2演出手段としてのサブ表示器17は、第1演出手段としてのメイン表示器8により操作手段(演出ボタン2d)の操作を促す操作演出(ボタン演出)が実行されたことに関連して、第2の演出を実行可能に構成されている。
したがって、遊技者が意図しない時期で第2の演出が実行されることがなくなり、遊技者に対して効果的かつ確実に第2の演出を提供することが可能となり、遊技の興趣性や遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
さらに、第2演出手段としてのサブ表示器17は、第2の演出の実行契機となる操作手段(演出ボタン2d)の近傍に配設されているので、操作手段を操作した遊技者の手の近傍で第2の演出が実行されることとなり、遊技者に対してより効果的かつ確実に第2の演出を提供することが可能となるのである。
【0191】
また、サブ表示器17で実行される第2の演出は、第1の演出としてメイン表示器8で実行されるチャンスアップ演出よりも、特典(AT状態)の付与に対する信頼度の高い情報を表示可能となっている。
したがって、特典の付与に関わる重要な情報を、他の遊技者に見られずに、自信のみで確認することが可能となり、例えば、第2の演出により期待度の高い情報(「激アツ」等)が表示された場合には、他の遊技者のよりも期待感を持って演出を見届けることが可能となり、逆に、相対的に期待度の低い情報(「チャンス」等)が表示された場合には、他の遊技者が注目していても、過度な期待感を持たずに平然と演出を見届けることが可能となるのである。
【0192】
なお、第2実施形態においては、副制御装置20は、第1の演出としてメイン表示器8で実行されるチャンスアップ演出の実行時に、必ず第2の演出としてサブ表示器17で実行されるチャンスアップ演出を実行するようにしているが、第1の演出が実行される場合の所定条件の成立に基づき、第2の演出を実行するようにしてもよい。
すなわち、第2演出手段としてのサブ表示器17は、第1演出手段としてのメイン表示器8が第1の演出を実行する場合における所定条件の成立に基づき、第2の演出を実行可能とするのである。
したがって、遊技内容を多彩化することが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0193】
上記所定条件として、メイン表示器8でのチャンスアップ演出の実行時に、サブ表示器17でもチャンスアップ演出を実行するか否かを所定確率(例えば、50%)で決定する振分抽選を行うようにして、この振分抽選に当選することを上記所定条件の成立としてもよい。
また、メイン表示器8でチャンスアップ演出の実行する場合に、AT状態に当選している場合を上記所定条件の成立として、サブ表示器17でもチャンスアップ演出を実行するようにしてもよい。
【0194】
また、第1の演出および第2の演出は、チャンスアップ演出中に実行される演出以外としてもよく、例えば、AT状態やCZ状態が終了する最終ゲームの終了後に、演出ボタン2dの操作に基づき、メイン表示器8およびサブ表示器17において、確率設定装置14での確率設定値を示唆可能な設定示唆情報として、複数の示唆画像を表示可能な示唆演出としてもよい。
すなわち、特典を付与するか否かの決定結果が特定の決定結果となる確率を外部操作に応じて設定可能な設定手段として確率設定装置14を備え、第2演出手段としてのサブ表示器17は、第2の演出として、設定手段による設定値を示唆する示唆演出を実行可能としてもよいのである。
【0195】
示唆演出を当該スロットマシン1で遊技している遊技者以外の遊技者が見られるようにしてしまうと、実際に遊技していない遊技者以外にも重要な情報が開示されてしまうので、当該遊技者が不満感を覚えたり、遊技店側にも不利益となったりするが、上記のように構成することにより、他の遊技者には知られることなく、遊技者自身のみで示唆演出を見ることが可能となり、遊技者に不満感を与えずに示唆演出を実行することが可能となるのである。
また、第1の演出および第2の演出を示唆演出とする場合に、メイン表示器8で表示される示唆画像よりも、サブ表示器17で表示される示唆画像の方が、より信頼度の高い画像、すなわち確率設定値を容易に推認可能な画像を表示するようにしてもよい。
このようにすれば、より重要な情報を当該スロットマシン1で遊技している遊技者のみに提供することが可能となるのである。
以上のように、第2実施形態におけるスロットマシン1が構成される。
【0196】
[第2実施形態の変形例1]
次に、本発明の第2実施形態の変形例1について、図14図16を参照して説明する。
第2実施形態の変形例1においては、第2演出手段としてのサブ表示器17の構成や配設位置、および操作手段としての演出ボタン2dの構成が、前述した第2実施形態と異なっているのみであり、その他の構成(メイン表示器8、リール4等)や遊技の進行制御等については同様となっている。
【0197】
図14に示すように、第2実施形態の変形例1におけるスロットマシン1においては、前述した第2実施形態でのサブ表示器17に替えて、第2演出手段として第1サブ表示器40aと第2サブ表示器40bを備えている。
すなわち、第2実施形態の変形例1においては、第1サブ表示器40aと第2サブ表示器40bの2つの表示器により第2の演出を実行可能としている。
なお、第2演出手段として、2つの表示器を設けるようにしているが、3つ以上の表示器を設けるようにしてもよい。
【0198】
また、第2実施形態の変形例1においては、前面パネル19の下方に突出形成された段部の上面に配設される演出ボタン2dの操作部の形状が、図14(a)に示すように、矩形状に形成されている。
そして、第1サブ表示器40aは、演出ボタン2dの操作部の表面に臨んだ状態で配設され、第2サブ表示器40bは、演出ボタン2dの側方(左側方)に隣接状態で、上記段部の上面に配設されている。
したがって、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bは、画面を上方に向けて配設されることとなり、前述した第2実施形態と同様に、当該スロットマシン1で遊技している遊技者以外の遊技者には、画面上の情報を認識困難に構成されているのである。
【0199】
なお、図14(a)は、演出ボタン2dが操作されていない非操作状態を示していて、常態位置(非操作状態)においては、演出ボタン2dの操作部が弾性部材(図示略)により上方側に突出した状態を維持するものとなっている。
したがって、演出ボタン2dの非操作状態においては、画面が上記段部の上面と面一状態で配設されている第2サブ表示器40bに対して、第1サブ表示器40aの画面が操作部の上方側への突出分に対応する所定距離だけ上方にずれた位置となるように、第1サブ表示器40aが配設されるものとなっている。
【0200】
次に、図14(b)は、演出ボタン2dが操作された操作状態を示していて、演出ボタン2dの操作部が弾性力に反して下方側の操作位置まで押圧操作されると、上記操作部の上方側への突出分の所定距離が無くなり、第1サブ表示器40aと第2サブ表示器40bの両画面が面一状態に変換されることとなる。
また、第1サブ表示器40aと第2サブ表示器40bの画面の寸法は、同一に設定されていて、演出ボタン2dが操作状態に変換されると、第1サブ表示器40aと第2サブ表示器40bの画面の上下方向の位置が略同一となり、第1サブ表示器40aと第2サブ表示器40bにより、1つの画面が形成されるような状態となる。
なお、演出ボタン2dの操作状態においては、第1サブ表示器40aと第2サブ表示器40bがより近接状態となるように表示器の周辺部材を構成したり、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40b自体を配設したりすることが好ましい。
【0201】
次に、図15は、第2実施形態の変形例1において、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20の制御により実行される、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bでの画像演出について説明する。
図15は、第1サブ表示器40a(演出ボタン2d)および第2サブ表示器40bを上方から見た図であり、前述した第2実施形態におけるAT前兆演出(ATガセ前兆演出)の後半部分で実行される連続演出中において、ボタン演出(チャンスアップ演出)が実行された場合の第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bでの画像演出を示している。
なお、図15では、連続演出中の所定ゲーム(例えば、2ゲーム目)のゲーム終了後に、メイン表示器8に、操作画像21が表示されてボタン演出が実行されたときの第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bでの演出画像のみを示している。したがって、ボタン演出が実行されるまでのメイン表示器8での画像演出は、図13で示した例と同様となっているので、ここでは省略する。
【0202】
まず、連続演出中にボタン演出が実行されるゲーム(例えば、2ゲーム目のゲーム)が開始されると、メイン表示器8に連続演出画像23(図13参照)とともに、操作画像21(図13参照)が表示されて、ボタン演出を伴うチャンスアップ演出が開始される。
このとき、図15(a)に示すように、第2サブ表示器40bの画面略中央部には、「激」の文字情報からなる第1チャンスアップ構成画像41aが表示される。
一方、第1サブ表示器40aの画面主要部には、ボタン演出の開始を報知可能な初期画像42が表示される。
初期画像42は、例えば、霧を模した画像を画面の広範囲に表示して、この後に何らかの画像が現出することを遊技者に予感させるような画像となっている。
【0203】
また、図15(a)は、演出ボタン2dの非操作状態のとき、すなわち、第1サブ表示器40aが常態位置を維持しているときを示しているので、遊技者目線で第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bを上から見た場合には、図示するように、第2サブ表示器40bよりも演出ボタン2d上に設置される第1サブ表示器40a(画面)の方が、演出ボタン2dの操作部が所定距離上方に突出している分だけ遠近差が出て、やや大きく視認されることとなる。
【0204】
次に、図15(b)と(c)は、演出ボタン2dが操作された操作状態のときの第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bの画像演出を示している。
演出ボタン2dが操作されると、第2サブ表示器40bでの第1チャンスアップ構成画像41aはそのまま維持され、第1サブ表示器40aの初期画像42が消去されるとともに、替わりに所定の文字情報が表示される。
なお、ボタン演出開始時に第2サブ表示器40bに第1チャンスアップ構成画像41aを表示するようにしているが、演出ボタン2dの操作時に、第2サブ表示器40bに第1チャンスアップ構成画像41aを表示するようにしてもよい。
【0205】
第2実施形態の変形例1においては、副制御装置20は、演出ボタン2dが操作されたときに、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bに第2の演出として、所定の文字情報を現出表示させるチャンスアップ演出を実行するようにしているが、このとき、表示される文字情報は、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bの双方で表示された文字情報を合成させることで一つの合成文字情報が形成されるものとしている。
【0206】
また、副制御装置20は、チャンスアップ演出を実行するときに、メイン表示器8に現出表示する文字情報は、前述した第2実施形態と同様の確率で、「チャンス」と「激アツ」の文字情報を、AT状態の当選の有無に応じて選択制御を行うようにしている。
一方、副制御装置20は、チャンスアップ演出を実行するときに、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bに現出表示する上記合成文字情報も複数種類表示可能としていて、例えば、所定の選択確率で、「激サム」と「激アツ」の何れかの文字情報を表示するようにしている。
また、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bに何れかの合成文字情報が表示される選択確率は、例えば、AT状態に当選している場合には、10%の確率で「激サム」の合成文字情報が選択されるとともに、90%の確率で「激アツ」の合成文字情報が選択される。一方、AT状態に当選していない場合には、90%の確率で「激サム」の合成文字情報が選択されるとともに、10%の確率で「激アツ」の合成文字情報が選択されるようになっている。
【0207】
したがって、図15(b)に示すように、第1サブ表示器40aに「アツ」の文字情報からなる第2チャンスアップ構成画像41bが表示されることで、「激アツ」の合成文字情報が形成された場合には、AT状態に当選している可能性(信頼度)が、メイン表示器8に「激アツ」が表示された場合よりも高くなり、図15(c)に示すように、第1サブ表示器40aに「サム」の文字情報からなる第3チャンスアップ構成画像41cが表示されることで、「激サム」の合成文字情報が形成された場合には、AT状態に当選していない可能性(信頼度)が、メイン表示器8に「チャンス」が表示された場合よりも高くなるのである。
【0208】
また、副制御装置20では、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bで表示する文字情報を同一の大きさで表示するものとしていることから、図15(b)および(c)に示すように、演出ボタン2dの操作部が押圧操作されて、操作部が常態位置から操作位置まで変位すると、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bの画面の上下差が無くなることで、遊技者から見た遠近差が無くなり、その時点で同じ大きさの両文字情報が左右に並んで合成文字情報が完成するものとなっている。
つまり、遊技者が演出ボタン2dの操作部を物理的に変位させることで、文字情報の認識性(識別性)が高まり、遊技者に感覚的な変化を与えるチャンスアップ演出が完成することとなるのである。
また、前述した第2実施形態と同様に、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bは、他の遊技者が表示されている情報を認識困難に構成されているので、認識性(識別性)が高まった文字情報は、当該スロットマシン1で遊技している遊技者のみに表示されることとなるのである。
【0209】
次に、図15(d)は、チャンスアップ演出の実行中に遊技者が演出ボタン2dを非操作状態に復帰させたときの演出画像を示している。
図15(d)に示すように、演出ボタン2dの操作部の押圧操作が解除されて、操作部が操作位置から常態位置まで復帰変位すると、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bの画面が遊技者からの遠近差が生じるような上下差となる位置まで復帰することともに、第1サブ表示器40aの文字情報(第2チャンスアップ構成画像41b、第3チャンスアップ構成画像41c)が消去されて初期画像42が再び復帰表示される。
したがって、遊技者が、演出ボタン2dの操作部を物理的に復帰移動させることで、遊技者に感覚的な変化を与えるチャンスアップ演出が未完成な状態に変換することとなるのである。
【0210】
なお、この状態で、再び演出ボタン2dを操作した場合には、再度第1サブ表示器40aに第2チャンスアップ構成画像41bあるいは第3チャンスアップ構成画像41cが現出表示されることで再度第2の演出が実行されて、何れかの画像が表示されることとなる。
また、例えば、次のゲームが開始される等の所定の終了条件が成立するまで、演出ボタン2dの操作状態と非操作状態との変換に応じて、何度も第2の演出の非実行と実行を繰り返すようにしてもよい。
したがって、演出ボタン2dを非操作状態に復帰させた後でも、遊技者の意思に応じて第2の演出を実行させることが可能となり、第2の演出を見忘れてしまっても何ら問題がないし、例えば、期待度の高い第2の演出の場合には、何度も第2の演出を実行させることも可能となり、遊技者の満足感を高めることが可能となるのである。
【0211】
以上のように第2実施形態の変形例1においては、第2演出手段としての第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bは、遊技者が操作手段(演出ボタン2d)の操作部を常態位置から操作位置に変位させることに応じて、第2の演出(チャンスアップ演出)に対する遊技者の認識性が高まるように、第2の演出を実行可能に構成されているのである。
したがって、実際に遊技者が操作した場合の操作手段の状態の変化に応じて、第2の演出による演出効果が生じることとなり、従来にない斬新かつ的確に報知が行えるような演出を実行することが可能となるのである。
また、当該スロットマシン1で遊技している遊技者自身の意思に応じて、第2の演出の認識性を高めることが可能となるので、他の遊技者に知られることなく、当該遊技者のみが楽しめるような演出を実行することが可能となるのである。
【0212】
また、第2演出手段としての第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bは、第2の演出(チャンスアップ演出)の実行中において、遊技者が操作手段(演出ボタン2d)の操作部を操作位置から常態位置に復帰変位させることに応じて、第2の演出に対する遊技者の認識性が低まるように、第2の演出を実行可能に構成されているのである。
したがって、当該スロットマシン1で遊技している遊技者自身の意思に応じて、第2の演出の認識性を高めたり、低めたりすることが可能となり、より操作手段の操作と第2の演出の認識性の関係を遊技者に伝えることが可能となるので、従来にない斬新かつ興趣性の高い演出を実行することが可能となるのである。
また、第2の演出の内容を他の遊技者に知られたくない状況となった場合には、第2の演出の実行中でも、操作手段を復帰させればよいので、より当該遊技者のみが楽しめるような演出を実行することが可能となるのである。
以上のように、第2実施形態の変形例1におけるスロットマシン1が構成される。
【0213】
[第2実施形態の変形例2]
次に、本発明の第2実施形態の変形例2について、図16を参照して説明する。
第2実施形態の変形例2においては、第2演出手段としての第1サブ表示器40aと第2サブ表示器40bで実行される第2の演出が、前述の変形例1と異なっているのみであり、その他の構成は、第2実施形態の変形例1と同様となっている。
【0214】
まず、連続演出中にボタン演出が実行されるゲーム(例えば、2ゲーム目のゲーム)が開始されると、メイン表示器8に連続演出画像23(図13参照)とともに、操作画像21(図13参照)が表示されて、ボタン演出を伴うチャンスアップ演出が開始される。
このとき、図16(a)に示すように、第2サブ表示器40bの画面右端部の領域には、大きさ(半径)の異なる2つの円の左半分を残した円弧状の画像からなる第1円弧画像44が表示される。
一方、第1サブ表示器40aの画面左端部の領域にも、大きさ(半径)の異なる2つの円の右半分を残した円弧状の画像からなる第2円弧画像45が表示される。
【0215】
また、図16(a)は、演出ボタン2dの非操作状態のとき、すなわち、第1サブ表示器40aが常態位置を維持しているときを示しているので、遊技者目線で第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bを上から見た場合には、図示するように、第2サブ表示器40bよりも演出ボタン2d上に設置される第1サブ表示器40aに表示される第2円弧画像45の方が、演出ボタン2dの操作部が所定距離上方に突出している分だけ遠近差が出て、やや大きく視認されることとなる。
【0216】
次に、図16(b)と(c)は、演出ボタン2dが操作された操作状態のときの第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bの画像演出を示している。
副制御装置20は、演出ボタン2dが操作されると、前述した第2実施形態と同様に、所定の確率で、「チャンス」と「激アツ」の文字情報を、AT状態の当選の有無に応じて、メイン表示器8に選択表示するようにしている。
【0217】
一方、副制御装置20は、チャンスアップ演出中に第1サブ表示器40aに表示する第2円弧画像45として、第1円弧画像44での円弧画像と同じ半径からなる円弧画像と、第1円弧画像44での円弧画像と異なる半径からなる円弧画像とを表示可能としていて、所定の選択確率で何れかの円弧画像を表示するようにしている。
また、第1サブ表示器40aに何れかの円弧画像が表示される選択確率は、例えば、AT状態に当選している場合には、10%の確率で第1円弧画像44での円弧画像と異なる半径からなる円弧画像が選択されるとともに、90%の確率で第1円弧画像44での円弧画像と同じ半径からなる円弧画像が選択される。一方、AT状態に当選していない場合には、90%の確率で第1円弧画像44での円弧画像と異なる半径からなる円弧画像が選択されるとともに、10%の確率で第1円弧画像44での円弧画像と同じ半径からなる円弧画像が選択されるようになっている。
【0218】
したがって、図16(b)に示すように、第1サブ表示器40aに第1円弧画像44での円弧画像と同じ半径からなる円弧画像からなる第2円弧画像45が表示されることで、第1円弧画像44における円弧画像(左半分)と、第2円弧画像45における円弧画像(右半分)とが一致して、大きさの異なる2重円状の画像が完成した場合には、AT状態に当選している可能性(信頼度)が、メイン表示器8に「激アツ」が表示された場合よりも高くなるのである。
一方、図16(c)に示すように、第1サブ表示器40aに第1円弧画像44での円弧画像と異なる半径からなる円弧画像からなる第2円弧画像45が表示されることで、第1円弧画像44における円弧画像(左半分)と、第2円弧画像45における円弧画像(右半分)とが一致せずに、大きさの異なる2重円状の画像が未完成となった場合には、AT状態に当選していない可能性(信頼度)が、メイン表示器8に「チャンス」が表示された場合よりも高くなるのである。
【0219】
すなわち、演出ボタン2dの操作部が操作されてない場合には、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bの画面の上下差により、遊技者から見ると遠近差が生じて、第1サブ表示器40aに何れの円弧画像が表示されていても、円状の画像は完成されていないように視認されることとなるが、図16(b)および(c)に示すように、演出ボタン2dの操作部が押圧操作されて、操作部が常態位置から操作位置まで変位すると、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bの画面の上下差が無くなることで、遊技者から見た遠近差が無くなくなり、図16(b)に示すような円状の画像が完成される画像か、あるいは、図16(c)に示すような円状の画像が未完成の画像であることが視認されることとなる。
つまり、遊技者が実際に演出ボタン2dの操作部を物理的に変位させることで、円状の画像が完成するか未完成となるかの認識性(識別性)が高まり、遊技者に感覚的な変化を与えるチャンスアップ演出が実行されることとなるのである。
また、前述した第2実施形態と同様に、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bは、他の遊技者が表示されている情報を認識困難に構成されているので、認識性(識別性)が高まった円状の画像は、当該スロットマシン1で遊技している遊技者のみに表示されることとなるのである。
【0220】
次に、図16(d)および(e)は、演出ボタン2dが操作された時点から所定時間経過後の第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bの表示を示している。
図16(d)に示すように、第1円弧画像44における円弧画像(左半分)と、第2円弧画像45における円弧画像(右半分)とが一致した場合には、第2サブ表示器40bに表示されていた第1円弧画像44が消去されるとともに、「激」の文字情報が表示され、第1サブ表示器40aに表示されていた第2円弧画像45が消去されるとともに、「アツ」の文字情報が表示されて、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bにより「激アツ」の文字情報が合成表示されることとなる。
一方、図16(e)に示すように、第1円弧画像44における円弧画像(左半分)と、第2円弧画像45における円弧画像(右半分)とが一致しなかった場合には、第2サブ表示器40bに表示されていた第1円弧画像44が消去されるとともに、「チャ」の文字情報が表示され、第1サブ表示器40aに表示されていた第2円弧画像45が消去されるとともに、「ンス」の文字情報が表示されて、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bにより「チャンス」の文字情報が合成表示されることとなる。
【0221】
以上のように第2実施形態の変形例2においては、第2演出手段としての第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bは、遊技者が操作手段(演出ボタン2d)の操作部を常態位置から操作位置に変位させることに応じて、第2の演出(チャンスアップ演出)に対する遊技者の認識性が高まるように、第2の演出を実行可能に構成されることとなり、前述した変形例1と同様の効果を得ることが可能となるのである。
また、変形例2においては、演出ボタン2dの操作部を操作した場合に生じる第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bの上下方向の段差をより利用して、第2の演出の認識性を変化させるようにしているので、従来にない斬新かつ興趣性の高い演出を実行することが可能となるのである。
【0222】
なお、第2実施形態の変形例2においては、第1円弧画像44および第2円弧画像45により円状の画像が完成するか否かで、第2の演出に対する遊技者の認識性を変化させるようにしているが、他の画像の表示で第2の演出を実行するようにしてもよい。
例えば、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bの各々に、所定のキャラクタの左右部分を表示可能とするとともに、第1サブ表示器40aでのキャラクタの一部を、大きさの異なる画像を表示可能にし、演出ボタン2dの操作時に、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bに表示されている部分画像が一致して、キャラクタ画像が完成する場合と、部分画像が一致せずに、キャラクタ画像が未完成となる場合とを形成するように第2の演出を実行するようにしてもよい。
また、画像の大きさを一致させる以外に、第1サブ表示器40aおよび第2サブ表示器40bの各々に表示された画像の配色の一致および不一致により第2の演出を実行するようにしてもよい。
【0223】
また、第2実施形態における第1演出手段と第2演出手段の双方、あるいは何れか一方は、演出を実行するものであれば画像を表示する表示器以外で構成してもよく、例えば、スロットマシン1あるいは演出ボタン2dを、電気的駆動源の作用に基づき振動させることで遊技者に振動を伝える振動手段や、ファン等を設けて電気的駆動源の作用に基づき遊技者に対して風を与える送風手段等で構成するようにしてもよいし、これらの手段に表示器を組み合わせて演出を実行するものでもよい。
以上のように、第2実施形態の変形例2におけるスロットマシン1が構成される。
【0224】
以上説明したように、本発明においては、ゲームの実行に対応して特典(例えば、AT状態)を付与するか否かを決定し、前記特典を付与するか否かの決定結果に関連して演出を実行するようにした遊技機(スロットマシン1)において、前記演出として第1の演出を実行する第1演出手段(メイン表示器8)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン2d)と、前記第1演出手段よりも前記操作手段に近い位置に備えられ、前記演出として第2の演出を実行する第2演出手段(サブ表示器17、第1サブ表示器40a、第2サブ表示器40b)と、を備え、前記第2演出手段は、前記操作手段の操作に関連して前記第2の演出を実行可能であって、前記第1の演出よりも、当該遊技機で遊技する遊技者以外の遊技者が認識困難に前記第2の演出を実行可能な構成とした。
【0225】
ここで、特典としては、AT状態、CZ状態、疑似ボーナス状態等の遊技者が有利となるものであれば何れでもよい。
【0226】
また、第1及び第2演出手段は、液晶表示器、LED表示器、EL表示器等の複数の情報を表示する表示手段でもよいし、特典の付与に対する期待感を向上させるものであれば表示手段以外でもよい。
また、第1および第2演出は、特典の付与に関連して実行される演出であり、チャンスアップ演出、ボタン演出、AT状態の前兆演出(ガセ前兆演出)、CZ状態の前兆演出(ガセ前兆演出)、連続演出や、発生演出等が例示される。
また、認識困難とは、当該遊技機で遊技する遊技者に比べて、それ以外の遊技者が演出に対する視覚的な認識が低くなる状態でもよし、その他の知覚的な認識が低くなる状態でもよい。
【0227】
したがって、遊技者は、第2演出手段で実行される第2の演出を、他の遊技者に見られずに自身のみで楽しめることが可能となる。
また、操作手段の操作に関連して、第2の演出を実行可能としているので、遊技者が意図しない時期で第2の演出が実行されることがなくなり、遊技者に対して効果的かつ確実に第2の演出を提供することが可能となり、遊技の興趣性や遊技者の期待感を高めることが可能となる。
さらに、第2演出手段は、操作手段の近傍に配設されているので、操作手段を操作した遊技者の手の近傍で第2の演出が実行されることとなり、遊技者に対してより効果的かつ確実に第2の演出を提供することが可能となる。
【0228】
また、前記第2演出手段は、前記第1演出手段により前記操作手段の操作を促す操作演出(ボタン演出)が実行されたことに関連して、前記第2の演出を実行可能な構成とした。
したがって、第2の演出が操作演出に伴い実行されることとなり、当該遊技機で遊技している遊技者のみが見られる第2の演出を、より興趣性の高い態様で実行することが可能となる。
【0229】
また、前記第2演出手段は、前記第1演出手段が前記第1の演出を実行する場合における所定条件の成立に基づき、前記第2の演出を実行可能な構成とした。
したがって、遊技内容を多彩化することが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
【0230】
また、前記第2演出手段は、遊技者が前記操作手段の操作部を常態位置から操作位置に変位させることに応じて、前記第2の演出に対する遊技者の認識性が高まるように、前記第2の演出を実行可能な構成として。
したがって、実際に遊技者が操作した場合の操作手段の状態の変化に応じて、第2の演出による演出効果が生じることとなり、従来にない斬新かつ的確に報知が行えるような演出を実行することが可能となる。
また、当該遊技機で遊技している遊技者自身の意思に応じて、第2の演出の認識性を高めることが可能となるので、他の遊技者に知られることなく、当該遊技者のみが楽しめるような演出を実行することが可能となる。
【0231】
また、前記第2演出手段は、前記第2の演出の実行中において、遊技者が前記操作手段の操作部を前記操作位置から前記常態位置に復帰変位させることに応じて、前記第2の演出に対する遊技者の認識性が低まるように、前記第2の演出を実行可能な構成とした。
したがって、当該遊技機で遊技している遊技者自身の意思に応じて、第2の演出の認識性を高めたり、低めたりすることが可能となり、より操作手段の操作と第2の演出の認識性の関係を遊技者に伝えることが可能となるので、従来にない斬新かつ興趣性の高い演出を実行することが可能となる。
また、第2の演出の内容を他の遊技者に知られたくない状況となった場合には、第2の演出の実行中でも、操作手段を復帰させればよいので、より当該遊技者のみが楽しめるような演出を実行することが可能となる。
【0232】
また、前記特典を付与するか否かの決定結果が特定の決定結果となる確率を外部操作に応じて設定可能な設定手段(確率設定装置14)を備え、前記第2演出手段は、前記第2の演出として、前記設定手段による設定値を示唆する示唆演出を実行可能な構成とした。
したがって、重要な情報を何ら問題なく当該遊技者のみに提供することが可能となる。
すなわち、示唆演出を当該遊技機で遊技している遊技者以外の遊技者が見られるようにしてしまうと、実際に遊技していない遊技者以外にも重要な情報が開示されてしまうので、当該遊技者が不満感を覚えたり、遊技店側にも不利益となったりするが、本発明では、他の遊技者には知られることなく、遊技者自身のみで示唆演出を見ることが可能となり、遊技者に不満感を与えずに示唆演出を実行することが可能となるのである。
【0233】
一方、特許文献1には、表示装置において演出ボタンの操作を伴うボタン演出を実行するようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機においては、単に表示装置においてボタン演出を実行させるだけであり、単調な遊技性になってしまい興趣性を高めるものではなかった。
このように、本発明のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0234】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、前述の実施形態では、特典としてAT状態(AT)を付与するものとしたが、ART又はRTを付与するようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態に替えてボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
【0235】
また、前述の実施形態では、AT状態のタイプとして、AT状態中の残りゲーム数が無くなった場合に終了するようなタイプにしているが、所定のゲーム数単位で実行されるAT状態を複数回継続可能なタイプにしてもよい。
【0236】
また、前述の実施形態では、操作手段の操作を促す操作画像を常に同じ大きさで表示するようにしているが、異なる大きさの操作画像を表示するようにしてもよい。また、前兆演出や連続演出の期待度に応じて操作画像の大きさを変化させるようにしてもよい。
【0237】
また、前述の実施形態では、遊技者が操作を行う操作手段として演出ボタン2d、および上部演出ボタン2fを備えているが、各表示器の全部あるいは一部の画面に、遊技者の接触を検出可能なタッチセンサを設けるとともに、画面上にタッチする位置を促すタッチ画像(操作画像)を表示可能にし、副制御装置20は、タッチ画像への遊技者の接触に応じて操作(タッチ操作)を受け付けて、対応する表示器に所定の画像演出を表示するようにしてもよい。
【0238】
また、演出ボタン2d、あるいは上部演出ボタン2fにモータ等の作動により振動する振動手段を内蔵して、遊技者が操作する際に振動手段を作動させるようにしてもよい。この際、例えば、相対的に期待度の高い演出が表示された場合に、振動手段を作動させることが好ましい。このようにすれば、さらに遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0239】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、相対的に期待度の高い演出が表示された場合に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、相対的に期待度の高い演出が表示された場合に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、各表示器の全部あるいは一部に替えて振動手段あるいは送風手段を備えて、振動手段あるいは送風手段を、第1あるいは第2演出手段として構成してもよい。
【0240】
また、遊技者の手が演出ボタン2d、上部演出ボタン2fに近づいたことを検出可能な検出センサ(例えば、赤外線センサ)を設け、ボタン演出が実行されている状態おいて、検出センサの検出信号に基づき、操作画像を通常の形状のものから大きい形状のものに変更するようにしてもよい。このようにすれば、演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fを押圧操作する直前に、操作画像が変化するので、従来にない斬新な演出が可能となる。
【0241】
また、表示手段として、メイン表示器8及びサブ表示器17以外の表示器を別個設けるようにしてもよく、連続演出や当選演出等の実行箇所として、各々の表示手段を選択可能としてもよい。
【0242】
また、前述の実施形態では、抽選手段(決定手段)などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0243】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0244】
1:スロットマシン
2d:演出ボタン
2f:上部演出ボタン
4:リール
8:メイン表示器
10:主制御装置
17:サブ表示器
20:副制御装置
30:表示器設置部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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