(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107871
(43)【公開日】2022-07-25
(54)【発明の名称】ボイラ装置
(51)【国際特許分類】
F24H 15/212 20220101AFI20220715BHJP
F22B 35/00 20060101ALN20220715BHJP
【FI】
F24H1/18 302E
F24H1/18 302K
F22B35/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021002524
(22)【出願日】2021-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000116666
【氏名又は名称】愛知電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】有川 清二
【テーマコード(参考)】
3L021
3L122
【Fターム(参考)】
3L021FA21
3L122AA04
3L122AA12
3L122AA34
3L122AA54
3L122AB29
3L122AB42
3L122BB02
3L122DA01
3L122DA02
3L122EA06
3L122EA09
(57)【要約】
【課題】 複数のボイラを制御する制御装置をボイラと別途設ける必要がなく、また、各ボイラ間でデータの送信異常が発生することを防止できるボイラ装置を提供する。
【解決手段】複数台のボイラAのうち一台をマスターボイラA1として機能させ、その他をスレーブボイラA2~A4として機能させる。マスターボイラA1がスレーブボイラA2~A4の運転を制御する。各ボイラA1~A4は、データ送信する際、まず、データ受信を試み、他にデータ送信しているボイラAがないことを確認後、データ送信を開始する。他にデータ送信しているボイラAが複数あった場合は、送信データがなくなるまで待機した後、データ送信を開始する。データ送信したとき、送信異常が発生した場合は、次の送信開始時刻までの遅延時間をランダムに設定し、遅延時間経過後にデータ送信を開始する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶水を貯水する缶体と、前記缶水を加熱するバーナーと、缶水を前記缶体と缶体外部に連結される熱媒流通管との間で循環させるポンプと、前記熱媒流通管内を流れる缶水温度を測定する缶水温度測定用温度センサと、前記熱媒流通管の途中に取り付けられる熱交換器と、該熱交換器を介して接続される入水管および出湯管と、該出湯管内の水温を測定する出湯配管用温度測定用温度センサと、前記缶水温度測定用温度センサおよび出湯配管用温度測定用温度センサから測定温度情報を検出して、前記バーナーへの火力指令および前記ポンプの駆動/停止を制御するコントローラを備えて構成されるボイラを複数備え、前記出湯管内を流れる出湯を当該複数のボイラによって温度制御する構成であり、当該複数のボイラの1つがマスタボイラとして機能し、その他のボイラがスレーブボイラとして機能し、前記出湯管内を流れる出湯温度が設定温度になるよう、前記マスタボイラが自機と前記スレーブボイラを制御するものであって、最初に電源を投入したボイラを前記マスタボイラとすることを特徴とするボイラ装置。
【請求項2】
前記ボイラは、他のボイラから受信の有無を確認し、受信がなかった場合に送信を開始することを特徴とする請求項1記載のボイラ装置。
【請求項3】
前記ボイラは、他のボイラから受信の有無を確認し、受信があった場合は、受信がなくなるまで待機した後、送信を開始することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のボイラ装置。
【請求項4】
前記ボイラは、自機の送信が他のボイラの送信と同時に行われたことを検知した場合は、ランダムな時間待機した後、送信を開始することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のボイラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のボイラによって出湯温度を設定温度に制御するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数台のボイラを利用して、温水を設定温度に加熱制御する技術は知られている。複数台のボイラを利用することで、1つ1つのボイラの容量を小さくすることができるため、例えば、1台のボイラで全範囲の出湯量が賄う構成とした場合と比較して、低出湯量時の効率低下を防止できるメリットがある。
【0003】
複数台のボイラを制御する技術としては、下記特許文献1記載の自動台数制御方法が例示できる。以下、当該制御方法について簡単に説明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
前記特許文献1記載の温水ボイラ101は、
図4に示すように、複数台並列に設置され、当該複数台のボイラ装置101と給湯設備等の負荷102との間を給湯系路103と戻り系路104で連結し、給湯系路には流量センサ108が取り付けられている。
【0006】
給湯設備等の負荷には、複数のボイラ101から給湯系路103と戻り系路104を介して流れる温水の熱を給湯設備等の負荷102に伝える熱交換器105と、複数のボイラ101から給湯系路103、温水の給湯側集合部としての上部ヘッダー111、熱交換器105、温水の戻り側集合部としての下部ヘッダー112、戻り系路104を介して再びボイラ101に温水を循環させる循環ポンプ106が備えられている。
【0007】
また、負荷102の上部ヘッダー111と下部ヘッダー112には、ここに集合する温水の温度を検出する温度センサ107と、負荷102の循環水(出湯)の温度を検出する温度センサ110が設けられている。
【0008】
なお、109は、複数の温水ボイラ101の台数制御をする自動台数制御器を示している。
【0009】
複数の温水ボイラ101によって加熱されて所定の温度になった熱源温水は、循環ポンプ106の作動によって、給湯系路103、熱交換器105、戻り系路104の循環系路を循環するものであり、負荷102に個別に設けた熱交換器105で熱交換を行い、それぞれの負荷に熱を供給する。
【0010】
温度センサ107は、上部ヘッダー111と下部ヘッダー112に集合した温水の湯温を検出し、両者の温度差に応じて自動台数制御器109によって、温水ボイラ101の稼働台数を制御する。
【0011】
温水ボイラ101を台数制御する際には、起動・停止の優先順位を予め定めて置き、その順位い従って起動・停止させる。また、それぞれの温水ボイラ101の稼働率を平均化するために、適宜、優先順位のローテーションを行う。
【0012】
また、流量センサ108で熱源温水の循環量を検出し、この循環量と上部ヘッダー111の湯温と、下部ヘッダー112の湯温との温度差によって必要熱量を算出し、その値に応じて温水ボイラ101の稼働台数を制御する。
【0013】
熱源温水の循環量を可変する場合は、温度センサ110で出湯の温度を検出して、循環ポンプ106の作動を制御する。負荷が減少して必要熱量が減少すれば、温水ボイラ101の稼働台数を減らし、また、負荷が増大して必要熱量が増大すれば、温水ボイラ101の稼働台数を増やすよう制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前記温水ボイラは、上述したとおり、熱源温水の循環経路に設けられた2つの温度センサにて検出される温度差の大きさに応じて稼働させる温水ボイラ101の台数を制御する機能と、熱源温水の循環経路に設けられた流量センサ108と2つの温度センサの検出結果に応じて必要熱量を算出し、その値に応じて稼働させる温水ボイラ101の台数を制御する機能と、出湯温度を温度センサ110で検出して、循環ポンプ106の作動を制御して熱源温水の循環量を可変する機能を備えているが、このような台数制御は、温水ボイラ101の上位系統の自動台数制御器109によって行われるため、システム構成が複雑化する。
【0015】
そこで、本発明は、温水ボイラと別に設置される自動台数制御器を構成要素としないボイラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1記載の発明は、缶水を貯水する缶体と、前記缶水を加熱するバーナーと、缶水を前記缶体と缶体外部に連結される熱媒流通管との間で循環させるポンプと、前記熱媒流通管内を流れる缶水温度を測定する缶水温度測定用温度センサと、前記熱媒流通管の途中に取り付けられる熱交換器と、該熱交換器を介して接続される入水管および出湯管と、該出湯管内の水温を測定する出湯配管用温度測定用温度センサと、前記缶水温度測定用温度センサおよび出湯配管用温度測定用温度センサから測定温度情報を検出して、前記バーナーへの火力指令および前記ポンプの駆動/停止を制御するコントローラを備えて構成されるボイラを複数備え、前記出湯管内を流れる出湯を当該複数のボイラによって温度制御する構成であり、当該複数のボイラの1つがマスタボイラとして機能し、その他のボイラがスレーブボイラとして機能し、前記出湯管内を流れる出湯温度が設定温度になるよう、前記マスタボイラが自機と前記スレーブボイラを制御するものであって、最初に電源を投入したボイラを前記マスタボイラとすることに特徴を有する。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のボイラを、他のボイラから受信の有無を確認し、受信がなかった場合に送信を開始するように構成したことに特徴を有する。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2の何れかに記載のボイラを、他のボイラから受信の有無を確認し、受信があった場合は、受信がなくなるまで待機した後、送信を開始するように構成したことに特徴を有する。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載のボイラを、自機の送信が他のボイラの送信と同時に行われたことを検知した場合は、ランダムな時間待機した後、送信を開始するように構成したことに特徴を有する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明によれば、複数のボイラの運転を制御する上位系統の制御装置をボイラと別途設ける必要がないので、システム構成が簡素化できる。
【0021】
請求項2乃至4記載の発明によれば、同時にデータを送信するボイラが発生しないので、データ送受信の不具合が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明のボイラ装置を構成するマスターボイラまたは各スレーブボイラの構成図である。
【
図2】前記マスターボイラまたは各スレーブボイラの電気系統構成図である。
【
図3】前記マスターボイラまたは各スレーブボイラの連結構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を
図1乃至
図3により説明する。
図1は本発明のボイラ装置を構成する各ボイラ(マスターボイラまたはスレーブボイラ)Aの構成を示している。
【0024】
図1において、1は熱媒として利用するための水(缶水)を留めておく貯水缶であり、2は貯水缶1内に缶水を補給する補給管である。3は補給管2に設けられ、給水・止水を切り替える補給用電磁弁であり、後述する給水機能によって自動的に開閉制御され、貯水缶1内に一定量の水が常に貯められるよう制御される。
【0025】
4は貯水缶1内部と連通し、貯水缶1内の缶水を、貯水缶1の外部で循環させる熱媒流通管であり、5は貯水缶1内と熱媒流通管4間で缶水を循環させるための循環用ポンプである。
【0026】
6は熱媒流通管4に取り付けられた缶水温度測定用の温度センサであり、7は熱媒流通管4上に設けられる熱交換器である。
【0027】
8は貯水缶1の外部から、貯水缶1内の缶水を加熱するためのバーナーであり、9はバーナー8に燃料を供給するための燃料供給管を示している。10は燃料供給管9に取り付けられ、バーナー8への燃料の供給と停止を切り換える燃料制御用電磁弁を示している。
【0028】
11はバーナー8に、燃焼に必要とされる空気を供給するための給気管であり、12はバーナー8への空気の供給と停止を切り換えるための給気用電磁弁を示している。
【0029】
13は中途位置に前記熱交換器7を配置した入水配管であり、14は入水配管13に熱交換器7を介して接続される出湯配管を示している。15は出湯配管14に取り付けられ、出湯温度を測定する出湯配管温度測定用の温度センサを示している。
【0030】
16は後述する操作パネルからの指令信号や、温度センサ6,15からの温度情報などを基に、ボイラAを構成する電磁弁3,10,12や、貯水缶1内の水位を検出する図示しない水位センサ、バーナー8、循環用ポンプ5など、ボイラAを構成する各種制御機器を制御するためのコントローラを示している。
【0031】
なお、17はコントローラ16に指令信号を出力するリモコンであり、前記操作パネルと同様、ボイラAを構成する各種制御機器を制御する目的で操作される。
【0032】
図2は
図1に示すコントローラ16とその周辺機器の電気的な接続状態を説明する電気系統構成図である。
図2に示すように、コントローラ16は外部電源18に接続される制御電源部19と、該制御電源部19から制御用電源の供給を受けて動作する制御部20、および、制御部20に指令信号を出力する操作パネル21から概略構成されている。
【0033】
操作パネル21には、操作者が制御部20に出力する指示情報を入力するための操作部をはじめ、各種表示部や設定部などが備えられている。
【0034】
制御部20は前記操作パネル21以外にリモコン17によっても制御指示等されるものである。リモコン17には別途、外部電源22が供給されている。なお、リモコン17の機能は、前述した操作パネル21に具備される機能と概ね同様であるが、リモコン17には、
図2に示すように、複数台(
図2では2台のみ表示)のボイラAが接続されるため、1つのリモコンによって複数台のボイラAの操作が可能となるスイッチ類などが別途具備されている。
【0035】
操作パネル21あるいはリモコン17から指令信号や各種設定信号、あるいは、センサ接点23に接続される温度センサ6,15等の各種センサ情報が制御部20に入力されると、制御部20は、入力された設定情報に基づき各種設定を実行するとともに、入力された指令信号に従い制御機器24および他のボイラAを制御する。制御機器24としては、
図1に示す電磁弁3,10,12や、貯水缶1内の水位を検出する図示しない水位センサ、バーナー8、循環用ポンプ5などが挙げられる。
【0036】
つづいて、本発明のボイラ装置にかかる各ボイラ(マスターボイラ、スレーブボイラ)Aの物理的な接続状態を
図3に示す。
図3示すように、本発明のボイラ装置は、
図1に示す構成のボイラAが複数台(
図3では4台)直列に接続されている。
【0037】
つまり、
図3に示すように、
図1に示す出湯管14に入水管13を接続する
図1に示すボイラAと同構成のボイラ装置Aが配置され、また、このように接続されたボイラ装置Aの出湯管14に入水管13を接続した同構成のボイラ装置Aがさらに接続されている。
【0038】
このように、複数台のボイラAを直列に接続することによって、複数台のボイラAによって出湯温度が設定温度となるように制御されるのである。また、本発明では、複数台のボイラAのうち一台をマスターボイラとし、その他をスレーブボイラとして機能させる。マスターボイラはスレーブボイラの運転(稼働/停止)を制御する。
【0039】
本発明では、最初に電源を入れたボイラをマスターボイラとして機能させる。一台のボイラをマスターボイラとして設定したあとは、その他のボイラは自動的にスレーブボイラとして設定され機能する。
【0040】
つづいて、本発明のボイラ装置の動作について説明する。まず、
図3に示す各ボイラAは、給湯需要に備えて、電源が入れられた段階で貯水缶1内に一定量の缶水を貯める。このとき、前述したとおり、最初に電源が入れられたボイラAがマスタボイラA1として機能し、その他がスレーブボイラA2~A4として機能する。
【0041】
各ボイラA1~A4の貯水缶1内の水位は、図示しない水位センサによって監視され、補給用電磁弁3の開閉を自動的に切り替える。缶水の水位レベルが基準水位より高水位となったときは補給用電磁弁3を閉じて止水し、低位置になったときに補給用電磁弁3を開いて貯水缶1内へ給水する(給水機能)。なお、当該給水機能に、水位の低位置を一定時間以上連続で検出した場合、給水弁異常と判定する機能を備えても良い。
【0042】
また、各ボイラA1~A4の貯水缶1内の缶水は、給湯需要に備えて、あらかじめ所定温度に温められる。具体的には、燃料制御用電磁弁10を開放することにより、燃料供給管9を通して燃料をバーナー8へ送るとともに、給気用電磁弁12を開くことにより燃焼用の空気をバーナー8へ送る。
【0043】
その後、バーナー8を点火制御することによって、バーナー8の燃焼によって貯水缶1内の缶水を所定の温度まで温めておく。缶水温度が所定温度に達したか否かは、循環用ポンプ5を駆動させて、缶水を熱媒流通管4を通して循環させ、循環している缶水温度を、熱媒流通管4に取り付けた缶水温度測定用温度センサ6にて検出し、検出結果をコントローラ16の制御部20へ送信することによって、制御部20によって把握される。
【0044】
以上の事前準備を給湯需要が生じる前段階で実施しておき、いざ給湯需要が生じた場合は、まず、マスターボイラA1一台で出湯温度を設定温度まで加熱する。出湯温度の制御としては、出湯温度制御機能と缶水温度制御機能の2つが存在する。
【0045】
出湯温度制御機能は、循環ポンプ5の流量を制御し、出湯温度が設定温度になるように調整するものである。出湯温度は、出湯配管温度測定用温度センサ15によって検出された測定温度情報をコントローラ16の制御部20に出力する。当該情報を受信した制御部20は、さらに循環ポンプ5の流量を制御して出湯温度が設定温度に近づくよう制御する。以上の動作を繰り返すことによって、出湯温度を設定温度に調整する。
【0046】
缶水温度制御機能は、バーナー8の火力を制御し、熱媒流通管4内を循環する缶水温度が設定温度より一定温度高い温度となるように調整するものである。熱媒流通管4内を循環する缶水温度は缶水温度測定用温度センサ6によって検出された測定温度情報をコントローラ16の制御部20に出力する。当該情報を受信した制御部20は、さらにバーナー8の火力を制御して出湯温度が設定温度に近づくよう制御する。以上の動作を繰り返すことによって、缶水温度を設定温度に調整する。
【0047】
次に、以上の動作を実行している状況において給湯需要が増大した場合の動作の一例について説明する。給湯需要が増大した場合、本発明のボイラ装置は、まず、マスターボイラA1単独で給湯需要に応える設定温度まで出湯温度を加熱する。
【0048】
マスターボイラA1単独で設定温度まで出湯温度を加熱できた場合は、スレーブボイラA2~A4は運転しない。然るに、マスターボイラA1の火力指令が上限に達っしてもなお出湯温度が設定温度に満たない場合、本発明では、
図4に示すように、停止状態にあったスレーブボイラA2~A4を同時に運転することで、出湯温度を設定温度まで一気に加熱する。
【0049】
そして、出湯温度が設定温度に達した後は、スレーブボイラA2~A4の運転台数を制御して、スレーブボイラA2~A4の運転台数を減らし、出湯温度が設定温度に維持されるように制御する。このとき、各ボイラA1~A4の出湯温度制御は、前述した出湯温度制御機能および缶水温度制御機能によって実行される。
【0050】
以上の出湯温度制御を実行することによって、
図1に示す入水管13内の入水は熱交換器7によって設定温度まで加熱され出湯管14から出湯される。このようにして設定温度に加熱された出湯は利用者の給湯需要に応える。
【0051】
また、本発明では、マスタボイラA1は、スレーブボイラA2~A4の運転を制御するが、当該制御時は、各ボイラA間で通信が行われる。
【0052】
各ボイラA間で通信を行う際、各ボイラAは送信を行う前に一度受信を試みることで、現在通信をしているボイラが他にあるかどうかを確認する。確認した結果、他に通信をしているボイラがなければ送信を開始する。
【0053】
前述の確認をした結果、他に通信をしているボイラがあれば、データ送信しているボイラの台数を確認し、送信データがなくなるまで待機する。そして、送信データがなくなった後、送信を開始する。
【0054】
このようにして送信を開始したあと、仮に送信異常が発生した場合は、データ送信している他のボイラがあるとして、次にデータ送信を開始する時刻までの遅延時間をランダムに設定し、当該遅延時間が経過した後、データを送信する。
【0055】
このデータ送信が正常に行われなかった場合は、再度、データ送信を開始する時刻までの遅延時間をランダムに設定し、当該遅延時間が経過した後、データを送信し、以降、同様の動作を繰り返す。
【0056】
以上説明したように、本発明のボイラ装置によれば、複数のボイラを制御するための制御装置を、ボイラと別途設ける必要がないので、システム構成を簡素化できる。
【0057】
また、各ボイラ間で通信を行う際は、複数のボイラが同時にデータ送信を行うことを防止できるので、同時にデータ送信が行われることによるデータ送信の異常が発生することがない。
【0058】
なお、上記説明では、スレーブボイラの台数が3台の場合を例示して説明したが、本発明の範囲はこの台数に限定するものでないことは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
複数台のボイラから構成されるボイラ装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 貯水缶
2 補給管
3 補給用電磁弁
4 熱媒流通管
5 循環用ポンプ
6 管水温度測定用温度センサ
7 熱交換器
8 バーナー
9 燃料供給管
10 燃料制御用電磁弁
11 給気管
12 給気用電磁弁
13 入水管
14 出湯管
15 出湯配管温度測定用の温度センサ
16 コントローラ
17 リモコン
18,22 外部電源
19 制御電源部
20 制御部
21 操作パネル
23 センサ接点
24 制御機器
A ボイラ(マスターボイラA1,スレーブボイラA2~A4)