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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107918
(43)【公開日】2022-07-25
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220715BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220715BHJP
   B41J 29/38 20060101ALN20220715BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 304
G06F3/12 334
G06F3/12 310
G06F3/12 357
G06F3/12 332
G06F3/12 329
G06F3/12 360
G06F3/12 385
H04N1/00 127Z
B41J29/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021002613
(22)【出願日】2021-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】神間 唯
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061CG02
2C061CG15
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
2C061HP08
2C061HQ01
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC34
5C062AC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】読み出した設定情報を設定対象の画像処理装置に設定できない場合に、設定可能な他の画像処理装置を提示する技術を提供する。
【解決手段】プログラムは、CPUに、複数のデバイスの中からいずれかのデバイスを選択する選択処理と、デバイスの各種設定項目に対する各デフォルト値を記載した外部ファイルを読み出して、選択処理により選択されたデバイスに設定する設定処理と、設定処理により設定される各種設定項目の中に選択されたデバイスに設定できない項目が含まれている場合、設定される各種設定項目をすべて設定可能な他のデバイスを接続された複数のデバイスの中から検索する検索処理と、検索処理により検索された他のデバイスを提示する提示処理と、を実行させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信インタフェースを備え、前記通信インタフェースを介して複数の画像処理装置と接続された情報処理装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記複数の画像処理装置の中からいずれかの画像処理装置を選択する選択処理と、
画像処理装置の各種設定項目に対する各デフォルト値を記載した所定のファイルを読み出して、前記選択処理により選択された画像処理装置に設定する設定処理と、
前記設定処理により設定される各種設定項目の中に前記選択された画像処理装置に設定できない項目が含まれている場合、前記設定される各種設定項目をすべて設定可能な他の画像処理装置を前記接続された複数の画像処理装置の中から検索する検索処理と、
前記検索処理により検索された他の画像処理装置を提示する提示処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記所定のファイルには、前記選択処理により選択可能な画像処理装置を限定する限定情報を記載でき、
前記選択処理では、前記所定のファイルに前記限定情報が記載されている場合、前記接続された複数の画像処理装置のうち、前記限定情報により限定された画像処理装置の中からいずれかの画像処理装置を選択する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータにさらに、
前記接続された複数の画像処理装置のそれぞれに対して自装置に設定可能な設定項目を、前記通信インタフェースを介して問い合わせ、これに応じて各画像処理装置が送信して来た設定可能項目を、前記通信インタフェースを介して取得する取得処理
を実行させ、
前記検索処理では、前記取得処理により取得された各画像処理装置の設定可能項目に基づいて、前記他の画像処理装置を検索する、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータにさらに、
前記所定のファイルに記載された画像処理装置の各種設定項目に対する各デフォルト値に基づいて、前記取得処理を実行すべき画像処理装置を前記接続された複数の画像処理装置の中から絞り込む絞り込み処理
を実行させ、
前記取得処理では、前記接続された複数の画像処理装置の中から前記絞り込み処理により絞り込まれた画像処理装置に問い合わせることで、前記絞り込まれた画像処理装置の設定可能項目を取得する、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記絞り込み処理では、前記所定のファイルに記載された各デフォルト値に基づいて、前記取得処理を実行すべき画像処理装置の種類を判断し、判断した前記種類に属する画像処理装置を前記接続された複数の画像処理装置の中から絞り込む、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記絞り込み処理では、前記所定のファイルに印刷処理に関するデフォルト値が記載されている場合、前記情報処理装置にプリンタドライバがインストールされていない画像処理装置を除外する、
請求項4又は5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータにさらに、
前記検索処理により前記他の画像処理装置が1台も検索されなかった場合、前記設定できない項目を代替可能な項目として備えた画像処理装置を代替装置として、前記接続された複数の画像処理装置の中から検索する代替検索処理
を実行させる請求項1~6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記所定のファイルに、前記選択処理により選択可能な画像処理装置を限定する限定情報が記載されており、かつ、前記選択処理により、前記接続された複数の画像処理装置のうち、前記限定情報により限定された画像処理装置の中からいずれかの画像処理装置が選択されている場合に、前記選択された画像処理装置が一時的に動作を停止しているとき、前記代替検索処理を前記コンピュータに実行させる請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記一時的に動作を停止している画像処理装置が動作を再開したときに、前記代替検索処理により代替検索された画像処理装置が前記選択処理により選択されている場合、前記選択処理では、前記代替検索処理により代替検索される前に選択されていた画像処理装置を再選択する、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
通信インタフェースと、
制御装置と、
を備え、前記通信インタフェースを介して複数の画像処理装置と接続された情報処理装置であって、
前記制御装置は、
前記複数の画像処理装置の中からいずれかの画像処理装置を選択する選択処理と、
画像処理装置の各種設定項目に対する各デフォルト値を記載した所定のファイルを読み出して、前記選択処理により選択された画像処理装置に設定する設定処理と、
前記設定処理により設定される各種設定項目の中に前記選択された画像処理装置に設定できない項目が含まれている場合、前記設定される各種設定項目をすべて設定可能な他の画像処理装置を前記接続された複数の画像処理装置の中から検索する検索処理と、
前記検索処理により検索された他の画像処理装置を提示する提示処理と、
を実行する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、選択された画像処理装置に各種設定を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外部のパラメータ設定ファイルに登録されている設定情報を読み出して設定する画像処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-346288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の画像処理装置では、読み出した設定情報を設定対象の画像処理装置に設定できないことは考慮されていないので、この場合に対処することはできない。
【0005】
本願は、読み出した設定情報を設定対象の画像処理装置に設定できない場合に、設定可能な他の画像処理装置を提示することが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願のプログラムは、通信インタフェースを備え、通信インタフェースを介して複数の画像処理装置と接続された情報処理装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、コンピュータに、複数の画像処理装置の中からいずれかの画像処理装置を選択する選択処理と、画像処理装置の各種設定項目に対する各デフォルト値を記載した所定のファイルを読み出して、選択処理により選択された画像処理装置に設定する設定処理と、設定処理により設定される各種設定項目の中に選択された画像処理装置に設定できない項目が含まれている場合、設定される各種設定項目をすべて設定可能な他の画像処理装置を接続された複数の画像処理装置の中から検索する検索処理と、検索処理により検索された他の画像処理装置を提示する提示処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本願によれば、読み出した設定情報を設定対象の画像処理装置に設定できない場合に、設定可能な他の画像処理装置を提示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本願の一実施の形態に係る画像処理システムの制御構成を示すブロック図である。
図2】外部ファイルに記載されたSection及びKeyの具体例を示す図である。
図3】デバイス検索・提示処理の手順を示すフローチャートである。
図4図3のデバイス検索・提示処理の続きの手順を示すフローチャートである。
図5図4のデバイス検索・提示処理の続きの手順を示すフローチャートである。
図6図5のデバイス検索・提示処理の続きの手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本願の一実施の形態に係る画像処理システム1の制御構成を示している。画像処理システム1は、PC100(「情報処理装置」の一例)、各種デバイス200及びサーバ250を備えている。
【0011】
各種デバイス200として、本実施形態では、4台のMFP200a,200b,200d,200eと、1台のプリンタ200cと、1台のスキャナ200fとが例示されている。なお、MFPは、multifunction peripheral の略語である。
【0012】
MFP200a,200b,200d,200eは、少なくともプリント機能及びスキャン機能を備えた複合機であり、モデルによってはFAX機能も備えている。プリンタ200cは、プリント機能のみを備える単機能のプリンタである。スキャナ200fは、スキャン機能のみを備える単機能のドキュメントスキャナである。
【0013】
PC100は、ユーザIF110、ディスプレイ120、CPU140(「コンピュータ」の一例)、メモリ150及び通信IF160を備えている。そして、ユーザIF110、ディスプレイ120、CPU140、メモリ150及び通信IF160は、バス170を介して相互に接続されている。なお、IFは、interfaceの略語である。
【0014】
ユーザIF110は、典型的には、キーボードとマウスにより構成される。
【0015】
ディスプレイ120は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路などにより構成されている。ディスプレイ120として、タッチパネル方式のものを用いた場合には、ユーザは、画面上の入力ボタンをタッチ操作することで、入力操作をすることができる。したがって、この場合には、ディスプレイ120は、ユーザIF110としての役割も果たすことになる。
【0016】
CPU140は、情報処理プログラム(「プログラム」の一例)を含む各種アプリケーションプログラム(以下「アプリ」と略す)やファームウェア等を実行する。
【0017】
メモリ150は、ROM、RAM、HDD、SSD及び光ディスクドライブなどを含んでいる。メモリ150のデータ記憶領域150aは、CPU140が情報処理プログラムなどを実行する際に必要なデータなどを記憶する領域である。また、メモリ150の制御プログラム領域150bは、OS、情報処理プログラム、その他各種のアプリやファームウェアなどを記憶する領域である。
【0018】
メモリ150は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0019】
なお、本明細書では、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU140の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」「抽出」「選択」「算出」「決定」「特定」「取得」「受付」「制御」「設定」等の処理は、CPU140の処理を表している。CPU140による処理は、OSを介したハードウェア制御も含む。なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU140が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU140がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「命令」「応答」「要求」等の文言を、「命令」「応答」「要求」等を示す情報そのものという意味で記載してもよい。
【0020】
情報処理プログラムを含む各種アプリは、通信IF160を介してサーバ250からダウンロードすることができる。
【0021】
通信IF160は、PC100を通信ネットワーク300に接続するものである。通信ネットワーク300には、本実施形態では、各種デバイス200とサーバ250が接続されている。したがって、通信IF160は、通信ネットワーク300を介して各種デバイス200及びサーバ250と通信することが可能である。なお、通信ネットワーク300は、様々な形式のネットワークであってよい。例えば、有線又は無線LAN、WAN、USB、Bluetooth(登録商標)、NFCのネットワークなどでよい。
【0022】
サーバ250は、上述のように情報処理プログラムを含む各種アプリを供給する機能に加えて、本実施形態では、外部ファイルを記憶し、PC100からの要求に応じてダウンロードする機能も備えている。情報処理プログラムは、本実施形態では、各種デバイス200を含む各種画像処理装置に対して各種制御を行うプログラムであり、外部ファイルは、本実施形態では、情報処理プログラムが、例えばMFP200aに対して各種制御を行う際に使用する各種設定項目の各デフォルト値を記載したものである。
【0023】
図2は、外部ファイルの記載内容の一例を示している。外部ファイルは、例えば、テキスト形式のファイルであり、その記載内容は、Section及びKeyからなる。Sectionは、MFP200aの各機能に対応する。MFP200aとしては、本実施形態では、スキャン機能及び印刷機能を備え、FAX機能を備えていないデバイスを採用しているので、Sectionは、プリント機能及びスキャン機能に対応するものが記載されている。各Keyは、各Sectionに含まれる各種設定項目に対応し、各デフォルト値は、Key=値のフォーマットで記載される。なお、外部ファイルは、テキスト形式のファイルに限られず、XML形式やJson形式など他の形式のファイルであってもよい。
【0024】
なお、外部ファイルは、本実施形態では、所定の権限(例えば、管理者権限)を有する操作者のみが作成・編集でき、サーバ250内の記憶装置上の所定のフォルダに置かれ、さらに所定のファイル名が付けられている。これに限らず、外部ファイルは、所定の権限を有していなくても作成・編集できるとしてもよい。
【0025】
PC100が情報処理プログラムの起動を開始すると、情報処理プログラムは、所定のタイミングでサーバ250にアクセスし、サーバ250から外部ファイルをダウンロードする。ダウンロードされた外部ファイルは、PC100のメモリ150上の所定領域に記憶され、情報処理プログラムを実行する際に適宜参照されて、デバイス200の制御に使用される。なお、本実施形態では、外部ファイルは、上述のようにサーバ250内に置かれるとしたが、これに限らず、サーバ250を介さず直接、PC100内に置かれるとしてもよい。
【0026】
図3図6は、PC100、特にCPU140が実行するデバイス検索・提示処理の手順を示している。デバイス検索・提示処理は、情報処理プログラム中の一処理であり、次の場合に開始される。すなわち、CPU140が、情報処理プログラムの起動中に外部ファイルを参照し、外部ファイルに記載された各種設定項目のデフォルト値を選択中のデバイスに設定しようとしたときに、そのデフォルト値の中に選択中のデバイスに設定できない項目のデフォルト値が含まれていることを検知した場合である。また、現在選択中のデバイスは、外部ファイルに記載された各種設定項目のデフォルト値を全て設定可能であるが、そのデバイスが故障や紙詰まりなどで使用できなくなった場合も考えられる。さらに、現在選択中のデバイスを他のデバイスに変更したときに、CPU140が、外部ファイルに記載された各種設定項目のデフォルト値の中に変更後のデバイスに設定できない項目のデフォルト値が含まれていることを検知した場合である。
【0027】
図3において、まずCPU140は、外部ファイルが存在するか否かを判断する(S10)。外部ファイルは、上述のように、情報処理プログラムの起動開始後、所定のタイミングでサーバ250からダウンロードされ、メモリ150上の所定領域に記憶される。このためS10では、CPU140は、メモリ150上の所定領域に外部ファイルが記憶されているか否かにより、外部ファイルが存在するか否かを判断している。なお、外部ファイルは既に、メモリ150上の所定領域に存在していることが前提であるので、S10の判断は、通常は必要ないが、万一のために入れてある。
【0028】
S10の判断において、外部ファイルが存在しない場合(S10:NO)、CPU140は、処理をS68(図6)に進める。一方、外部ファイルが存在する場合(S10:YES)、CPU140は、処理をS12に進める。
【0029】
S12以降の処理を実行することにより、CPU140は、外部ファイルに記載された各種設定項目のデフォルト値を全て設定可能なデバイスを、通信ネットワーク300上のデバイス200から検索して提示する。S12以降の処理は、大きく分けて、
(A)通信ネットワーク300上のデバイス200がどのような機能を備えたデバイスであるかを検索し、検索したデバイス200からなるデバイスリストを作成する処理(S34)と、
(B)デバイスリストに記載されたデバイス200から絞り込んだデバイスからなる絞り込みデバイスリストを作成する処理(S44,S54,S56)と、
(C)絞り込みデバイスリストに記載されたデバイスに対してそのケイパビリティを取得する処理(S46,S58)と、
(D)外部ファイルに記載された各種項目と取得したケイパビリティとに基づいて、絞り込みデバイスリストに記載されたデバイスをさらにフィルタリングする処理(S48,S60)と、
(E)フィルタリング後のデバイスリストを表示する処理(S50,S62)と、
(F)デバイスを絞り込むとき及びフィルタリングするときに参照する各種フラグを設定する処理(S12~S32)と、
により構成されている。
【0030】
上記S12では、CPU140は、外部ファイルにスキャン機能に関する記載があるか否かを判断する。この判断において、外部ファイルにスキャン機能に関する記載がある場合(S12:YES)、スキャン機能必須フラグを“1”に設定する(S14)。そして、CPU140は、ドキュメントスキャナでしか設定できない項目が外部ファイルに記載されているか否かを判断する(S16)。ドキュメントスキャナでしか設定できない項目としては、例えば、プラスチックカードの読取りに関する設定などを挙げることができる。なお、ドキュメントスキャナでしか設定できない項目は、例えば、テーブルデータとして予めメモリ150に記憶しておき、S16では、CPU140は、このテーブルデータを参照して判断すればよい。
【0031】
S16の判断において、ドキュメントスキャナでしか設定できない項目が外部ファイルに記載されている場合(S16:YES)、CPU140は、ドキュメントスキャナ必須フラグを“1”に設定した(S18)後、処理をS20に進める。一方、ドキュメントスキャナでしか設定できない項目が外部ファイルに記載されていない場合(S16:NO)、CPU140は、S18をスキップして、処理をS20に進める。
【0032】
S20では、CPU140は、S16及びS18の処理と同様の処理を、スキャン機能に関する他の項目、具体的には、両面スキャン、長尺スキャン、白紙除去などの項目についても行う。したがって、外部ファイルに両面スキャン、長尺スキャン、白紙除去などの項目が記載されている場合、それぞれ、両面スキャン必須フラグ、長尺スキャン必須フラグ、白紙除去必須フラグなどの設定項目必須フラグが“1”に設定される。S20の実行後、CPU140は、処理を図4のS22に進める。
【0033】
一方、上記S12の判断において、外部ファイルにスキャン機能に関する記載がない場合(S12:NO)、CPU140は、上記S14~S20をスキップして、処理を図4のS22に進める。
【0034】
図4のS22では、CPU140は、外部ファイルにプリント機能に関する記載があるか否かを判断する。この判断において、外部ファイルにプリント機能に関する記載がある場合(S22:YES)、プリント機能必須フラグを“1”に設定する(S24)。そして、CPU140は、A3などの大型用紙の設定が外部ファイルに記載されているか否かを判断する(S26)。この判断において、大型用紙の設定が外部ファイルに記載されている場合(S26:YES)、CPU140は、大型用紙必須フラグを“1”に設定した(S28)後、処理をS30に進める。一方、大型用紙の設定が外部ファイルに記載されていない場合(S26:NO)、CPU140は、S28をスキップして、処理をS30に進める。
【0035】
S30では、特殊モードが外部ファイルに記載されているか否かを判断する。この判断において、特殊モードが外部ファイルに記載されている場合(S30:YES)、CPU140は、特殊モード必須フラグを“1”に設定した(S32)後、処理をS34に進める。
【0036】
一方、上記S30の判断において、特殊モードが外部ファイルに記載されていない場合(S30:NO)、CPU140は、S32をスキップして、処理をS34に進める。
【0037】
一方、上記S22の判断において、外部ファイルにプリント機能に関する記載がない場合(S22:NO)、上記S24~S32をスキップして、処理をS34に進める。
【0038】
S34では、CPU140は、ブロードキャストで、通信ネットワーク300上のデバイス200を検索(軽)し、検索したデバイス200からなるデバイスリストを作成する。より具体的には、CPU140は、通信ネットワーク300上のデバイス200に対して、モデル名、通信ネットワーク300上のアドレス情報、大まかな機能などを含む自身の情報を応答することを指示するデータをブロードキャストで送信する。CPU140は、これに応じて通信ネットワーク300上の各デバイス200が送信して来た情報を受信し、受信した情報に基づいて、各デバイス200からなるデバイスリストを生成する。S34の処理後、CPU140は、処理を図5のS36に進める。つまり、S34の検索(軽)では、デバイス200の検索を非常に軽く、短時間で済ますことができるように、デバイス200のそれぞれが有するすべてのケイパビリティを取得するのではなく、その中の一部のケイパビリティを取得するようにしている。一部のケイパビリティとは、具体的には、上記スキャン機能必須フラグ、ドキュメントスキャナ必須フラグ、プリント機能必須フラグ及び特殊モード必須フラグなど、上記設定したフラグのうち限られた一部のフラグにデバイス200が合致するかどうかを判断できる範囲のケイパビリティである。
【0039】
S36では、CPU140は、ドキュメントスキャナ必須フラグ=1かつプリント機能必須フラグ=1であるか否かを判断する。この判断において、ドキュメントスキャナ必須フラグ=1かつプリント機能必須フラグ=1である場合(S36:YES)、CPU140は、スキャン機能が使いたいか、プリント機能が使いたいかを選択させるダイアログをディスプレイ120に表示する。このようなダイアログを表示するのは、本実施形態では、プリント機能を備えたドキュメントスキャナのモデルは存在しないことを想定しているので、外部ファイルの記載内容には誤りがある等が考えられる。このため、スキャン機能が使いたいのか、プリント機能が使いたいのかをユーザに選択させるようにしている。そして、CPU140は、選択された機能を備えたデバイスを、上記S34で作成されたデバイスリストから抜き出し、抜き出したデバイスからなるデバイスリストをディスプレイ120上に表示した(S40)後、デバイス検索・提示処理を終了する。
【0040】
一方、上記S36の判断において、ドキュメントスキャナ必須フラグ=1かつプリント機能必須フラグ=1でない場合(S36:NO)、CPU140は、ドキュメントスキャナ必須フラグ=1であるか否かを判断する(S42)。この判断において、ドキュメントスキャナ必須フラグ=1である場合(S42:YES)、CPU140は、カテゴリがドキュメントスキャナであるデバイスリストを作成する(S44)。上記S34で作成されたデバイスリストには、デバイスリストに記載されたデバイス200がドキュメントスキャナであるか否かの情報が含まれているので、CPU140は、その情報に基づいて、デバイスリストに記載されたデバイス200からドキュメントスキャナのカテゴリに属するデバイスを抜き出して、ドキュメントスキャナのデバイスリストを作成することができる。
【0041】
次にCPU140は、ドキュメントスキャナのデバイスリストに記載されたデバイスに対して、例えばユニキャストにより、そのデバイスのケイパビリティを取得する(S46)。そして、CPU140は、取得したケイパビリティと、上記S20の処理により設定した、両面スキャン必須フラグ、長尺スキャン必須フラグ、白紙除去必須フラグなどの設定項目必須フラグの各値とに基づいて、ドキュメントスキャナのデバイスリストに記載されたデバイスをフィルタリングし(S48)、フィルタリング後のデバイスリストをディスプレイ120に表示した(S50)後、デバイス検索・提示処理を終了する。
【0042】
S48のフィルタリングは、ドキュメントスキャナのデバイスリストから、外部ファイルに記載されたドキュメントスキャナの各種設定項目を設定可能なドキュメントスキャナを抜き出すためのフィルタリングであるが、これに加えて、フィルタリング後のデバイスリストに記載するドキュメントスキャナを限定するようにしてもよい。例えば、外部ファイル内にデバイスリストに記載可能な、つまりユーザが選択可能なデバイスを限定して記載しておき、CPU140は、S48のフィルタリングによって抜き出されたデバイス(ここでは、ドキュメントスキャナ)が限定されたデバイスの中に含まれている場合に、フィルタリング後のデバイスリストに記載できるようにすればよい。なお、この事情は、後述するS60の処理においても同様である。
【0043】
また、S50で表示するフィルタリング後のデバイスリストに1台のデバイスも記載されないことがある。この場合は、外部ファイルに記載された各種設定項目のデフォルト値の中に、通信ネットワーク300上のデバイス200のいずれにも設定できない項目のデフォルト値がある場合である。この場合、設定できない項目に代替してできる項目があるデバイスがデバイス200の中にあれば、そのデバイスを代替デバイスとしてフィルタリング後のデバイスリストに記載するようにしてもよい。例えば、設定できない項目が原稿サイズで、そのデフォルト値が“A3”の場合に、“A4”サイズの原稿を2in1スキャン可能なデバイスがあれば、“A3”サイズの原稿を半分ずつ2in1スキャンすることにより、“A3”サイズの原稿をスキャンすることができるので、そのデバイスを代替デバイスとしてフィルタリング後のデバイスリストに記載するようにしてもよい。この場合、代替デバイスを提示した理由や“A3”サイズの原稿を代替デバイスでスキャンする方法を、例えばディスプレイ120に表示して、ユーザに知らせるようにした方が好ましい。なお、この事情は、後述するS62の処理においても同様である。
【0044】
さらに、代替デバイスの提示は、現在選択中のデバイスが上記限定されたデバイスであり、かつそのデバイスが故障や紙詰まりなどで使用できなくなった場合になされるようにしてもよい。この場合、再度デバイス検索・提示処理を実行したとしても、フィルタリング後のデバイスリストにはデバイスが1台も記載されないことが多いと考えられるからである。この場合、現在選択中のデバイスから代替デバイスへの変更後、変更前のデバイスが再度使用できる状態になったとき、代替デバイスから変更前のデバイスに再度変更できるようにしてもよい。変更前のデバイス、つまり現在選択中のデバイスが、外部ファイルの作成者が選択を望むデバイスであるからである。
【0045】
一方、上記S42の判断において、ドキュメントスキャナ必須フラグ=0である場合(S42:NO)、CPU140は、スキャン機能必須フラグ=1かつプリント機能必須フラグ=1であるか否かを判断する(S52)。この判断において、スキャン機能必須フラグ=1かつプリント機能必須フラグ=1である場合(S52:YES)、CPU140は、カテゴリがインク/レーザの印字方式のデバイスリストを作成する(S54)。S54では、上記S44と同様に、CPU140は、上記S34で作成されたデバイスリストから、インク/レーザの印字方式のカテゴリに属するデバイスを抜き出して、インク/レーザの印字方式のデバイスリストを作成する。
【0046】
次にCPU140は、デバイスリストから所有機能の条件を満たすものをフィルタリングする(S56)。所有機能の条件は、具体的には、スキャン機能必須フラグ、プリント機能必須フラグ及び特殊モード必須フラグの各値である。S56の処理を実行するようにしたのは、上記S54で作成されたデバイスリストは、カテゴリがインク/レーザの印字方式のデバイスリストであり、スキャン機能必須フラグ=1かつプリント機能必須フラグ=1の条件を満たすデバイスからなるデバイスリストを包含する、より広いデバイスリストになっているからである。これは、スキャン機能必須フラグ=1かつプリント機能必須フラグ=0の場合(S64:YES)も、スキャン機能必須フラグ=0かつプリント機能必須フラグ=1の場合(S64:YES)も、同じ処理を実行させるようにするために、汎用性を持たせる必要があったからである。なお、所有機能の条件としては、上記条件の他に、デバイスリストに記載されたデバイスが上記プリンタ200cのような単機能のプリンタであるときに、そのドライバがPC100にインストールされていることを条件とすることも考えられる。CPU140が、ドライバのインストールされていないプリンタを提示し、ユーザがそのプリンタを選択したとしても、そのプリンタを直ちに動作させてプリントすることができないからである。
【0047】
次にCPU140は、S56のフィルタリング後のデバイスリストに記載されたデバイスのケイパビリティを取得する(S58)。このS58の処理は、上記S46(図5)の処理に対して、ケイパビリティの取得対象のデバイスが異なるのみであるので、その説明は省略する。
【0048】
次にCPU140は、取得したケイパビリティと、上記S20の処理により設定した、両面スキャン必須フラグ、長尺スキャン必須フラグ、白紙除去必須フラグなどの設定項目必須フラグ、及び上記S28の処理により設定した大型用紙必須フラグなどの各値とに基づいて、フィルタリング後のデバイスリストに記載されたデバイスをさらにフィルタリングし(S60)、フィルタリング後のデバイスリストをディスプレイ120に表示した(S62)後、デバイス検索・提示処理を終了する。
【0049】
一方、上記S52の判断において、スキャン機能必須フラグ=1かつプリント機能必須フラグ=1でない場合(S52:NO)、CPU140は、スキャン機能必須フラグ=1であるか否かを判断し(S64)、スキャン機能必須フラグ=1の場合(S64:YES)、CPU140は、処理を上記S56に進める。一方、スキャン機能必須フラグ=0の場合(S64:NO)、CPU140は、プリント機能必須フラグ=1であるか否かを判断し(S66)、プリント機能必須フラグ=1の場合(S66:YES)、CPU140は、処理を上記S54に進める。一方、プリント機能必須フラグ=0の場合、CPU140は、処理をS68に進める。
【0050】
S68では、CPU140は、通常のデバイス選択を行う。通常のデバイス選択とは、外部ファイルの記載内容に基づかないデバイス選択を言う。具体的には、CPU140は、上記S34(図4)と同様に、ブロードキャストで通信ネットワーク300上のデバイス200を検索し、検索されたデバイス200のデバイスリストを作成する。さらにCPU140は、作成されたデバイスリストをディスプレイ120に表示する。そして、ユーザは、ディスプレイ120上に表示されたデバイスリストからいずれかのデバイスを選択する。
【0051】
このようにデバイス検索・提示処理によれば、外部ファイルに記載された各種設定項目のデフォルト値を設定対象のデバイスに設定できない場合に、設定可能な他のデバイスを提示することが可能となる。
【0052】
また、通信ネットワーク300上のデバイス200の全てについてケイパビリティの取得を行わず、外部ファイルに記載された各種設定項目のデフォルト値に基づいてケイパビリティの取得対象のデバイスを絞り込み、絞り込んだデバイスに対してケイパビリティの取得を行うようにした。これにより、デバイス検索・提示処理の処理時間を削減することが可能となる。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0054】
(1)上記実施形態では、外部ファイルは、サーバ250内の記憶装置上に置かれるとしたが、これに限らず、PC100のメモリ150上に置かれるとしてもよい。この場合、外部ファイルは、情報処理プログラムがPC100にインストールされるときに、一緒にメモリ150上の所定領域に記憶されるようにすればよい。その他に、外部ファイルを記憶したUSBメモリ等が渡されたPC100のユーザが、自身で外部ファイルを読み出して、メモリ150上の所定領域に記憶させる方法も考えられる。
【0055】
(2)上記実施形態では、外部ファイルには、FAX機能に対応するSectionが記載されていないが、これは、上述のように外部ファイルの設定対象のMFP200aがFAX機能を備えていないデバイスであることが理由である。したがって、外部ファイルの設定対象のデバイスがFAX機能を備えていれば、外部ファイルにも、FAX機能に対応するSectionが記載される。
【符号の説明】
【0056】
1…画像処理システム、100…PC、110…ユーザIF、120…ディスプレイ、140…CPU、150…メモリ、160…通信IF、200…デバイス、200a,200b,200d,200e…MFP、200c…プリンタ、200f…スキャナ、250…サーバ、300…通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6