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  • 特開-ティッシュボックス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108017
(43)【公開日】2022-07-25
(54)【発明の名称】ティッシュボックス
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20220715BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
B65D83/08 C
B65D5/42 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021002793
(22)【出願日】2021-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】阿部 貴俊
(72)【発明者】
【氏名】駒板 重文
【テーマコード(参考)】
3E014
3E060
【Fターム(参考)】
3E014LB03
3E014LC02
3E014MC07
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060CE12
3E060CE13
3E060CE18
3E060CE22
3E060DA17
3E060EA14
(57)【要約】
【課題】ティッシュペーパーを収納するティッシュボックスにおいて、残量が少なくなった際にも、簡単な構造で、最適な状態に底上げが可能であって、取り出しに支障をきたさないティッシュボックスを提供することを課題とする。
【解決手段】直方体のティッシュボックスにおいて、底面には、切断可能なミシン目で形成された押し上げ片からなる、ティッシュペーパーの押し上げ機構が形成されており、
押し上げ機構は、ミシン目を切って押し上げ片をティッシュボックス内部に押し込んで起立させ、内容物のティッシュペーパーを底面から押し上げるものであって、押し上げ片は、少なくとも、相対する一対の第一押し上げ片と、相対する一対の第二押し上げ片とからなり、第一押し上げ片の起立した高さと、第二押し上げ片の起立した高さとが異なり、第一押し上げ片の起立高さ<第二押し上げ片の起立高さであることを特徴とする、ティッシュボックス。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ティッシュペーパーを収納するための、紙製のブランクを組み立ててなる、直方体のティッシュボックスにおいて、
内容物のティッシュペーパーは、天面の開口部から手指で取り出し可能であって、
底面には、切断可能なミシン目で形成された押し上げ片からなる、ティッシュペーパーの押し上げ機構が形成されており、
押し上げ機構は、ミシン目を切って押し上げ片をティッシュボックス内部に押し込んで起立させ、内容物のティッシュペーパーを底面から押し上げるものであって、
押し上げ片は、少なくとも、相対する一対の第一押し上げ片と、相対する一対の第二押し上げ片とからなり、
第一押し上げ片の起立した高さと、第二押し上げ片の起立した高さとが異なり、
第一押し上げ片の起立高さ<第二押し上げ片の起立高さ
であることを特徴とする、ティッシュボックス。
【請求項2】
相対する一対の第一押し上げ片と、相対する一対の第二押し上げ片の、いずれかの対、または両方の対は、底面の短手方向の中心軸を挟んで対称に位置することを特徴とする、請求項1に記載のティッシュボックス。
【請求項3】
一対の第一押し上げ片と、一対の第二押し上げ片は、底面の短手方向の中心軸から外側に向かって、四角形状または台形に広がる形状であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のティッシュボックス。
【請求項4】
一対の第一押し上げ片と、一対の第二押し上げ片は、底面の短手方向の中心軸が共通であって、
第二押し上げ片は、第一押し上げ片の外側を囲んでコの字形状に形成されており、
第一押し上げ片のミシン目と、第二押し上げ片の、コの字形状の内側のミシン目とが同一であることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載のティッシュボックス。
【請求項5】
第二押し上げ片の外側のミシン目は、第一押し上げ片のミシン目から一定の距離で形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のティッシュボックス。
【請求項6】
第二押し上げ片の外側のミシン目は、中心軸から離れるにしたがって、第一押し上げ片のミシン目から遠ざかるように形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のティッシュボックス。
【請求項7】
第二押し上げ片の外側のミシン目は、第一押し上げ片のミシン目よりも、ミシン目のピッチが広く形成されていることを特徴とする、請求項4~請求項6のいずれかに記載のティッシュボックス。
【請求項8】
天面の開口部には、プラスチックフィルムが配置されていないことを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれかに記載のティッシュボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティッシュペーパーを収納し、順次取り出すことができるティッシュボックスに関するものである。特徴として、残量が少なくなった時の取り出しが容易な、ティッシュボックスに関するものである。特に取り出し口にプラスチックフィルムを貼り付けていないティッシュボックスにおいても、残量が少なくなった時の容易な取り出しに支障をきたすことのない、ティッシュボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
薄い上質のちり紙である、ティッシュペーパーは、紙箱入りのものが多く使われており、紙箱の天面の開口部を取り出し口として、一枚ずつ取り出すことが可能である。取り出し口には、スリット付きのプラスチックフィルムが貼り付けてあって、一枚を取り出した後には、次の一枚がスリットに挟まれて保持されて、一枚一枚を、順次容易に取り出すことが可能である。
【0003】
しかし、プラスチックフィルムにスリットを設けた構造は、ティッシュペーパーを一枚ずつ保持することには優れているものの、プラスチックフィルムを用いていることから、環境適応型にするため、プラスチックフィルムを用いない構造の取り出し口が検討されている。
【0004】
しかしながら、プラスチックを用いないで天面に開口部を設けただけの取り出し口の構造では、一枚一枚の保持力には限界があり、また内容物のティッシュペーパーの残量が少なくなった時には、取り出しに支障をきたす場合もあって、改善が検討されてきた。
【0005】
例えば特許文献1には、紙箱の底部を切り起こした一対の屈曲片によって、ティッシュペーパーを押し上げることが記載されている。また特許文献2には底面とティッシュペーパー群の間にティッシュペーパー群を取り出し口方向に付勢する面体を介装することでティッシュペーパーを押し上げることが記載されている。
【0006】
しかしながら、これらの改善策は、取り出しやすさの点では十分ではなく、特に残量が少なくなった時の取り出しづらさは、さらなる改善が要求されるところである。
【0007】
また、特に特許文献2においては、ティッシュボックスとは別に押し上げの治具が必要となるため、煩雑であり、コストの点でも歓迎されるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭61-153776号公報
【特許文献2】実開平1-134087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、ティッシュペーパーを収納する紙製のティッシュボックスにおいて、残量が少なくなった際にも、簡単な構造で、最適な状態に底上げが可能であって、取り出しに支障をきたさないティッシュボックスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
ティッシュペーパーを収納するための、紙製のブランクを組み立ててなる、直方体のティッシュボックスにおいて、
内容物のティッシュペーパーは、天面の開口部から手指で取り出し可能であって、
底面には、切断可能なミシン目で形成された押し上げ片からなる、ティッシュペーパーの押し上げ機構が形成されており、
押し上げ機構は、ミシン目を切って押し上げ片をティッシュボックス内部に押し込んで起立させ、内容物のティッシュペーパーを底面から押し上げるものであって、
押し上げ片は、少なくとも、相対する一対の第一押し上げ片と、相対する一対の第二押し上げ片とからなり、
第一押し上げ片の起立した高さと、第二押し上げ片の起立した高さとが異なり、
第一押し上げ片の起立高さ<第二押し上げ片の起立高さ
であることを特徴とする、ティッシュボックスである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、
相対する一対の第一押し上げ片と、相対する一対の第二押し上げ片の、いずれかの対、または両方の対は、底面の短手方向の中心軸を挟んで対称に位置することを特徴とする、請求項1に記載のティッシュボックスである。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、
一対の第一押し上げ片と、一対の第二押し上げ片は、底面の短手方向の中心軸から外側に向かって、四角形状または台形に広がる形状であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のティッシュボックスである。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、
一対の第一押し上げ片と、一対の第二押し上げ片は、底面の短手方向の中心軸が共通であって、
第二押し上げ片は、第一押し上げ片の外側を囲んでコの字形状に形成されており、
第一押し上げ片のミシン目と、第二押し上げ片の、コの字形状の内側のミシン目とが同一であることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載のティッシュボックスである。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、
第二押し上げ片の外側のミシン目は、第一押し上げ片のミシン目から一定の距離で形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のティッシュボックスである。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、
第二押し上げ片の外側のミシン目は、中心軸から離れるにしたがって、第一押し上げ片のミシン目から遠ざかるように形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のティッシュボックスである。
【0016】
また、請求項7に記載の発明は、
第二押し上げ片の外側のミシン目は、第一押し上げ片のミシン目よりも、ミシン目のピッチが広く形成されていることを特徴とする、請求項4~請求項6のいずれかに記載のティッシュボックスである。
【0017】
また、請求項8に記載の発明は、
天面の開口部には、プラスチックフィルムが配置されていないことを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれかに記載のティッシュボックスである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ティッシュペーパーを収納する紙製のティッシュボックスにおいて、残量が少なくなった際にも、簡単な構造で、最適な状態に底上げが可能であって、取り出しに支障をきたさないティッシュボックスを提供することが可能である。
【0019】
すなわち底面には、切断可能なミシン目で形成された押し上げ片からなる、ティッシュペーパーの押し上げ機構が形成されていることによって、簡単な構造で最適な状態に底上げすることが可能である。
【0020】
また、押し上げ機構は、ミシン目を切って押し上げ片をティッシュボックス内部に押し込んで起立させ、内容物のティッシュペーパーを底面から押し上げるものであって、特に内容物のティッシュペーパーが残り少なくなってきた際には、この押し上げ機構で残りのティッシュペーパーを押し上げることが可能であって、取り出しに支障をきたすことがなく、安定かつスムーズにティッシュペーパーを一枚ずつ取り出せる。
【0021】
また、押し上げ片は、相対する一対の第一押し上げ片と、相対する一対の第二押し上げ片とからなり、
第一押し上げ片の起立した高さと、第二押し上げ片の起立した高さが異なり、
第一押し上げ片の起立高さ<第二押し上げ片の起立高さ
であることによって、押し上げの高さを調整することが可能であって、残量に応じて簡単に底上げ構造を変えられ、利便性が高いティッシュボックスとすることが可能である。
【0022】
特に請求項2に記載の発明によれば、相対する一対の第一押し上げ片と、相対する一対の第二押し上げ片の、いずれかの対、または両方の対は、底面の短手方向の中心軸を挟んで対称に位置することによって、押し上げ片を起立させる高さの設計上の自由度が増し、より高い起立高さも可能になる。
【0023】
特に請求項3に記載の発明によれば、一対の第一押し上げ片と、一対の第二押し上げ片は、底面の短手方向の中心軸から外側に向かって、四角形状または台形に広がる形状であることによって、ティッシュボックス内で押し上げたティッシュペーパーとの接触面積が広く、安定して支えることに効果的である。
【0024】
特に請求項4に記載の発明によれば、一対の第一押し上げ片と、一対の第二押し上げ片は、底面の短手方向の中心軸が共通であって、第二押し上げ片は、第一押し上げ片の外側を囲んでコの字形状に形成されており、第一押し上げ片のミシン目と、第二押し上げ片の、コの字形状の内側のミシン目とが同一であることによって、押し上げ機構のミシン目を形成する際により簡素な工程で形成することが可能であり、形成において紙屑の発生もなく、合理的である。
【0025】
特に請求項5に記載の発明によれば、第二押し上げ片の外側のミシン目は、第一押し上げ片のミシン目から一定の距離で形成されていることによって、底面から起立させる際の安定性がより良好であり、ティッシュボックス内でティッシュペーパーを、安定して支えることに効果的である。
【0026】
特に請求項6に記載の発明によれば、第二押し上げ片の外側のミシン目は、中心軸から離れるにしたがって、第一押し上げ片のミシン目から遠ざかるように形成されていることによって、底面から起立させる際の安定性がより良好であり、ティッシュボックス内でティッシュペーパーを、より安定して支えることに効果的である。
【0027】
特に請求項7に記載の発明によれば、第二押し上げ片の外側のミシン目は、第一押し上
げ片のミシン目よりも、ミシン目のピッチが広く形成されていることによって、第二押し上げ片のミシン目のほうが、切る際の抵抗が大きくなる。したがって第一押し上げ片を起立させる際に、第二押し上げ片を巻き込んで、誤ってミシン目を切ることや起立させることを回避することが可能である。
【0028】
特に請求項8に記載の発明によれば、天面の開口部には、プラスチックフィルムが配置されていないことによって、環境適合型のティッシュボックスとすることができる。
【0029】
またプラスチックフィルムによって、取り出そうとする次のティッシュペーパーを、手指でつまみやすく保持しておく機能は、本発明による押し上げ機構によって補完され、ティッシュペーパーの取り出しやすさを損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明に係るティッシュボックスの、一実施態様を説明するための、平面展開模式図である。
図2図2は、本発明に係るティッシュボックスの、一実施態様において、底面の押し上げ機構をより詳細に説明するための、部分拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を図1及び図2を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
【0032】
図1は、本発明に係るティッシュボックスの、一実施態様を説明するための、平面展開模式図である。
【0033】
本発明は、ティッシュペーパーを収納するための、紙製のブランク(100)を組み立ててなる、直方体のティッシュボックスに関するものである。直方体は六つの長方形の面で構成されており、天面(1)、底面(2)、長手方向胴部(3)、長手方向胴部(4)、短手方向胴部(5)、短手方向胴部(6)からなる。
【0034】
内容物のティッシュペーパーは、このティッシュボックスの天面(1)の開口部(7)を取り出し口として、手指でつまんで取り出しが可能であって、ティッシュペーパーを、順次一枚ずつ取り出すことが可能である。
【0035】
図1に示す例において、開口部(7)はミシン目(8)で囲われて形成されており、ティッシュボックスの開封においてこのミシン目(8)を切りとって、天面(1)から分離、除去して、開口部(7)とすることができる。
【0036】
図1に示す例において、開口部(7)は天面(1)の中央部に設けられて、中央部がくびれた形状をしており、このくびれによって、取り出そうとする次のティッシュペーパーを、手指でつまみやすく保持しておくことが可能である。
【0037】
一方、底面(2)には、切断可能なミシン目で形成された押し上げ片からなる、ティッシュペーパーの押し上げ機構(12)が形成されている。
【0038】
押し上げ機構(12)は、ミシン目を切って押し上げ片をティッシュボックス内部に押し込んで起立させ、内容物のティッシュペーパーを底面(2)から押し上げるものであって、本発明において、押し上げ片は、少なくとも、相対する一対の第一押し上げ片(10)と、相対する一対の第二押し上げ片(11)とからなる。
【0039】
図1から見て取れるように、本発明においては、第一押し上げ片(10)の起立した高さと、第二押し上げ片(11)の起立した高さとが異なり、
第一押し上げ片の起立高さ<第二押し上げ片の起立高さ
である。
【0040】
したがって異なる押上げ片による、押上げの高さ調整が可能であって、利便性が高いティッシュボックスとすることが可能である。
【0041】
すなわち、内容物のティッシュペーパーの残量の減少に合わせて、第一押し上げ片(10)と、第二押し上げ片(11)を順次起立させて、ティッシュボックス内のティッシュペーパーを取り出し口に近い状態に保つことによって、最適な状態でティッシュペーパーの容易な取り出しを行うことが可能になる。
【0042】
また、本発明による押上げ機構(12)を構成する押上げ片は、切断可能なミシン目で形成されており、別部材を必要とすることもなく、ブランク(100)に対してミシン目加工だけで押し上げ機構を実現することが可能である。したがって、生産性良く、安価にブランクを製造することが可能で、ティッシュペーパーのコスト面においても利点を有する。
【0043】
特に内容物のティッシュペーパーが残り少なくなってきた際には、この押し上げ機構(12)で残りのティッシュペーパーを段階的に押し上げることが可能であって、この作業は第一押し上げ片のミシン目と、第二押し上げ片のミシン目を、ティッシュペーパーの残量に合わせて、手指で切ってティッシュボックス内に押し込む、簡単な作業によって行われる。
【0044】
すなわち、簡単な構造で、最適な状態に底上げが可能であって、ティッシュペーパーの取り出しに支障をきたさない、利便性の高いティッシュボックスを安価に提供することが可能である。なお、押し上げ片は、少なくとも、相対する一対の第一押し上げ片と、相対する一対の第二押し上げ片とからなるのであって、相対する一対の第三押し上げ片、相対する一対の第四押し上げ片も備えていてもよく、これらの形状や位置は特に限定されるものではない。
【0045】
図2は、本発明に係るティッシュボックスの、一実施態様において、底面の押し上げ機構をより詳細に説明するための、部分拡大模式図である。
【0046】
本発明によるティッシュボックスにおいて、図2に示す例のように、相対する一対の第一押し上げ片(10)と、相対する一対の第二押し上げ片(11)の、いずれかの対、または両方の対は、底面(2)の短手方向(20)の中心軸(9)を挟んで対称に位置するよう配置することができる。
【0047】
図2に示す例においては、中心軸(9)は、底面(2)中央部において、相対する一対の第一押し上げ片(10)と、相対する一対の第二押し上げ片(11)両方に共通とした例である。
【0048】
このように、底面(2)の短手方向(20)の中心軸(9)を挟んで対称に位置することによって、相対する一対の第一押し上げ片(10)と、相対する一対の第二押し上げ片(11)は、いずれも長手方向(30)に伸びているために、押し上げ片を起立させる高さの設計上の自由度が増し、より高い起立高さも可能になる。この起立高さは、ティッシュボックスの胴部の高さなどを考慮して適宜設計することができる。
【0049】
また、本発明においては、第一押し上げ片(10)の起立した高さと、第二押し上げ片(11)の起立した高さとが異なっているのであり、図2に示す例において見て取れるように、
第一押し上げ片の起立高さ(15)<第二押し上げ片の起立高さ(16)
の関係である。
【0050】
この起立高さの違いによって、相対する一対の第一押し上げ片(10)と、相対する一対の第二押し上げ片(11)とを、ティッシュペーパーの残量に合わせて、順次起立させることによって、ティッシュペーパーを押し上げ、容易な取り出しに適した高さとする。
【0051】
また、前述のようにこの押し上げ片の起立は、設けられたミシン目を手指で切って、押し上げ片を、ティッシュボックスの内側に押し込むことによって行われる。
【0052】
また、本発明によるティッシュボックスにおいて、図2に示す例のように、一対の第一押し上げ片(10)と、一対の第二押し上げ片(11)は、底面(2)の短手方向(20)の中心軸(9)から外側に向かって、四角形状または台形に広がる形状とすることができる。図2に示す例においては、いずれも台形に広がる形状とした例である。
【0053】
押し上げ片が、四角形状または台形に広がる形状であることによって、ティッシュボックス内で押し上げたティッシュペーパーとの接触面積が広く、安定して支えることに効果的である。
【0054】
また、本発明によるティッシュボックスにおいて、図2に示す例のように、一対の第一押し上げ片(10)と、一対の第二押し上げ片(11)とは、底面(2)の短手方向(20)の中心軸(9)が共通であって、第二押し上げ片(11)は、第一押し上げ片(10)の外側を囲んでコの字形状に形成されており、第一押し上げ片(10)のミシン目(13)と、第二押し上げ片(11)の、コの字形状の内側のミシン目(13)とが同一とすることができる。
【0055】
すなわち、第二押し上げ片(11)は、ミシン目(13)とミシン目(14)とに挟まれた、コの字形状となっている。
【0056】
このようにすることによって、押し上げ機構(12)を、ミシン目加工のみで形成することが可能であり、しかも一部のミシン目は第一押し上げ片(10)と、第二押し上げ片(11)とで共通である。したがって、より簡素な工程でミシン目の形成が可能であり、形成過程において紙屑の発生もなく、合理的である。したがって、別部材も必要なく、製造工程も簡素であることによってコスト面でも有利であり、より安価なティッシュボックスとすることができる。
【0057】
また、本発明によるティッシュボックスにおいて、第二押し上げ片の外側のミシン目は、起立させた際にティッシュペーパーと接する部分を含む、第二押し上げ片の一片を形成するものであって、第一押し上げ片(10)のミシン目(13)から一定の距離で形成することができる。あるいは、図2に示す例のように、第二押し上げ片(11)の外側のミシン目(14)は、中心軸(9)から離れるにしたがって、第一押し上げ片(10)のミシン目(13)から遠ざかるように形成することができる。
【0058】
これらの場合には、底面(2)から押上片を起立させる際の安定性がより良好であり、ティッシュボックス内でティッシュペーパーを、より安定して支えることに効果的である。
【0059】
また、本発明によるティッシュボックスにおいて、図2に示す例のように、第二押し上げ片(11)の外側のミシン目(14)は、第一押し上げ片(10)のミシン目(13)よりも、ミシン目のピッチを広く形成することができる。
【0060】
これによって、第一押し上げ片(10)を起立させる際に、第二押し上げ片(11)を巻き込んで誤って切ったり、起立させたりすることを回避することが可能である。
【0061】
すなわち、第一押し上げ片(10)のミシン目は第二押し上げ片(11)のミシン目に比べて、細かく形成されることによって、切り取る際の抵抗も比較的少なく、第二押し上げ片(11)に影響を与えることなく、第一押し上げ片(10)単独での切り取り、起立がより容易に可能である。これは二段階の起立高さを安定して実現するためには、好都合である。
【0062】
また、本発明によるティッシュボックスにおいて、天面(2)の開口部(7)に、プラスチックフィルムを配置しない設計とすることが可能である。天面(2)の開口部(7)に、プラスチックフィルムが配置されていないことによって、環境適合型のティッシュボックスとすることができる。またこの場合でも、本発明による押し上げ機構(12)によって、ティッシュペーパーの取り出しやすさを損なうことがない。
【0063】
このようにして、ティッシュペーパーを収納する紙製のティッシュボックスにおいて、残量が少なくなった際にも、簡単な構造で、最適な状態に底上げが可能であって、取り出しに支障をきたさないティッシュボックスを提供することが可能である。
【符号の説明】
【0064】
1・・・天面
2・・・底面
3・・・長手方向胴部
4・・・長手方向胴部
5・・・短手方向胴部
6・・・短手方向胴部
7・・・開口部
8・・・ミシン目
9・・・中心軸
10・・・第一押し上げ片
11・・・第二押し上げ片
12・・・押し上げ機構
13・・・ミシン目
14・・・ミシン目
15・・・第一押し上げ片の起立高さ
16・・・第二押し上げ片の起立高さ
20・・・短手方向
30・・・長手方向
100・・・ブランク
図1
図2