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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108078
(43)【公開日】2022-07-25
(54)【発明の名称】冷却システム
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/00 20060101AFI20220715BHJP
   B66C 17/08 20060101ALI20220715BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
B66C13/00 D
B66C17/08
H04N5/225 500
H04N5/225 430
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021002904
(22)【出願日】2021-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】岩長 孝啓
【テーマコード(参考)】
3F203
5C122
【Fターム(参考)】
3F203AA01
3F203AA08
3F203EC30
5C122DA11
5C122EA03
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】冷却に用いる気体から除湿した水分を効率的に処理できる冷却システムを提供する。
【解決手段】冷却システム50は、供給された圧縮空気を内部で回転させることで冷気と暖気に分離して、冷気によってカメラ20を冷却する分離部53を備えている。このような分離部53に供給される圧縮空気は、上流側で除湿部52によって水分を除湿される。このような水分は、分離部53で分離された暖気に合流部54で合流される。合流部54で合流した水分は、分離部53の暖気によって、排出口56に到達するまでに蒸発されるため、水分の排出作業を別途行う必要なく外部へ排出することが可能となる。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンに設けられた検出機器を冷却する冷却システムであって、
供給された気体を内部で回転させることで冷気と暖気に分離する分離部と、
前記分離部で分離された前記冷気によって前記検出機器を冷却する冷却部と、
前記分離部で分離された前記暖気を排出する排気ラインと、
前記分離部へ供給される気体から水分を除湿する除湿部と、
前記除湿部で除湿された水分を前記排気ラインに排出する排水ラインと、を備える、冷却システム。
【請求項2】
前記クレーンはガーダと、
吊具を備え、前記ガーダ上を移動するトロリと、を含み、
前記冷却システムは前記ガーダに設置される、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記排気ラインと前記排水ラインとの合流部は、前記水分を貯留する空間を含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記合流部は、前記排気ラインよりも大きな流路断面積を有する、請求項3に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記排気ラインと前記排水ラインとの合流部からの蒸気を排出する排出口は、上方に開口している、請求項1~4の何れか一項に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記排気ラインと前記排水ラインとの合流部からの蒸気を排出する排出口は、前記検出機器と同じ空間に配置される、請求項1~5の何れか一項に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、製鉄施設などにおいて高温環境下で用いられるレードルクレーンが示されている。このようなレードルクレーンは、溶鋼を溶鍋に入れて運搬して、当該溶鍋8から目的の場所へ注湯する作業などを行う。このようなクレーンに対して、作業の様子を監視するためにカメラが設けられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-100836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のようなクレーンに設けられたカメラは、高温の環境下に曝されるため、冷却システムによる冷却が必要となる。このような冷却システムでは、供給された圧縮空気を内部で回転させることで冷気と暖気に分離して、冷気によってカメラなどの冷却対象物を冷却するボルテックスチューブなどの冷却部が用いられる場合がある。圧縮空気は、ボルテックスチューブに供給される前段階で水分を除湿される。除湿された水分は所定量溜められた後、定期的に作業員によって排水される。しかしながら、当該排水作業は手間がかかる上、忘れられた場合に冷却対象物へ湿気が送られてしまうという問題が発生する。一方、除湿した水分をそのまま水滴として排出することも考えられるが、高温環境下においては、水滴を落下させることが好ましくない場合もある。以上より、冷却に用いる気体から除湿した水分を効率的に処理することが求められる。
【0005】
本開示は、冷却に用いる気体から除湿した水分を効率的に処理できる冷却システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る冷却システムは、クレーンに設けられた検出機器を冷却する冷却システムであって、供給された気体を内部で回転させることで冷気と暖気に分離する分離部と、分離部で分離された冷気によって検出機器を冷却する冷却部と、分離部で分離された暖気を排出する排気ラインと、分離部へ供給される気体から水分を除湿する除湿部と、除湿部で除湿された水分を排気ラインに排出する排水ラインと、を備える。
【0007】
冷却システムは、供給された気体を内部で回転させることで冷気と暖気に分離する分離部と、冷気によって検出機器を冷却する冷却部を備えている。このような分離部に供給される気体は、上流側で除湿部によって水分を除湿される。このような水分は、分離部で分離された暖気と、排気ラインと排水ラインとの合流部で合流される。合流部で合流した水分は、分離部で分離された暖気によって、排出口に到達するまでに蒸発されるため、水分の排出作業を別途行う必要なく外部へ排出することが可能となる。従って、分離部で分離した水分の受け皿が不要となる。また、点検時などに受け皿に溜めておいた水分を排出する作業も不要となる。また、検出機器に水分の影響によって結露などが生じることも抑制できる。更に、水分を水滴の状態ではなく、気体である蒸気として排出できるため、水滴を周辺環境に落下させることを抑制することができる。これらの効果は、追加の熱源を設ける必要無く、分離部で分離された暖気を流用して得られる。以上より、冷却に用いる気体から除湿した水分を効率的に処理できる。
【0008】
クレーンはガーダと、吊具を備え、ガーダ上を移動するトロリと、を含み、冷却システムはガーダに設置されてよい。ガーダは吊具などに比して地上に対する移動が少ない。従って、冷却システムの地上に対する移動を抑制することができる。
【0009】
排気ラインと排水ラインの合流部は、水分を貯留する空間を含んでよい。この場合、空間に貯留した水分と暖気とを接触させて蒸発させることができる。
【0010】
合流部は、排気ラインよりも大きな流路断面積を有してよい。この場合、合流部は、底部の領域に水分を溜めておき、溜めた水分と暖気とを接触させて蒸発させることができる。
【0011】
排気ラインと排水ラインとの合流部からの蒸気を排出する排出口は、上方に開口していてよい。この場合、排出口付近において水滴が生じたとしても、当該排出口から落下することを抑制できる。
【0012】
排気ラインと排水ラインとの合流部からの蒸気を排出する排出口は、検出機器と同じ空間に配置されてよい。例えば、排出口を別の空間に配置しようとする場合、蒸気の配管構造が複雑になる場合がある。それに対し、排出口を検出機器と同じ空間に配置することで、蒸気の配管構造をシンプルにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、冷却に用いる気体から除湿した水分を効率的に処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る冷却システムが適用されるレードルクレーンの概略正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る冷却システムの概略構成図である。
図3】合流部周辺の構造を示す概略構成図である。
図4】合流部周辺の構造を示す概略構成図である。
図5】合流部周辺の構造を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、図面を参照しながら本発明を実施する形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、説明の容易のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る冷却システム50が適用されるレードルクレーン100の概略正面図である。レードルクレーン(鋳鍋クレーン)100は、天井クレーンの一種であり、製鉄施設や製鋼施設に設置されて、図示しない平炉や電気炉等から溶鋼(溶湯)Feを溶鍋(鋳鍋)8に入れて運搬した後、溶鍋8を傾けて図示しないタンディッシュや転炉内に溶鋼Feを注湯する作業などに用いられるものである。また、レードルクレーン100は、溶鋼Feという高熱物を取扱うため、主巻き装置10で溶鍋8をつり上げるとともに、補巻き装置のフック7で溶鍋8の下部を持ち上げて溶鍋8を傾斜をさせ、溶鍋8から溶鋼Feを出すようになっている。なお、レードルクレーン100は、製鉄の作業空間110内に配置されている。作業空間110には、タンディッシュや転炉などが設けられている。
【0017】
レードルクレーン100は、図示しない建家の天上部に敷設された走行レーン9に沿って走行するガーダ1を有する。ガーダ1上に敷設された横行レール上には、主巻き装置10を備えた主トロリ2(トロリ)が設置されている。主巻き装置10は、吊具6に設けられた主巻きフック5を溶鍋8の軸8aに係合させて、ワイヤー4を介して溶鍋8を吊り下げる。補巻き用のフック7は、傾転金物8bに引掛けられ、当該傾転金物8bを持ち上げることにより溶鍋8を軸8a回りに傾転させて(図中二点鎖線参照)、溶鍋8内に収納された溶鋼Feをタンディッシュ等へ注湯するようにしている。
【0018】
レードルクレーン100には、作業の様子を撮影するカメラ20が設けられている。本実施形態では、ガーダ1に設けられた架台120にカメラ20が設けられている。なお、カメラ20は、耐熱カメラケース21に収容され、周囲の高温から保護される。本発明の実施形態に係る冷却システム50は、分離部53を用いてカメラ20(検出機器)を冷却する。冷却システム50は、ガーダ1に設けられている。なお、冷却システム50は、トロリ2または吊具6に設けられてもよいが、後述する圧縮空気の供給の観点から、比較的地上に対する移動が少ないガーダ1に設けることが好ましい。
【0019】
次に、図2を参照して、冷却システム50の具体的な構成について説明する。図2に示すように、冷却システム50は、圧縮部51と、除湿部52と、分離部53と、冷却部55と、合流部54と、排出口56と、を備え、これらはカメラ20とともに架台120上に設置される。除湿部52は、例えばミクロミストフィルタである。分離部53は、ボルテックスチューブと呼ばれることがある。圧縮部51と除湿部52とはラインL1を介して接続される。ラインL1は、圧縮部51で加圧された空気が流れる配管である。除湿部52と分離部53とはラインL2を介して接続される。ラインL2は、除湿部52で除湿された乾燥空気が流れる配管である。除湿部52と合流部54とはラインL3を介して接続される。ラインL3は、除湿部52で分離された水分が流れる配管である。分離部53と耐熱カメラケース21とはラインL4を介して接続される。ラインL4は、分離部53で分離された低温空気が流れる配管である。分離部53と合流部54とはラインL5を介して接続される。ラインL5は、分離部53で分離された高温空気が流れる配管である。合流部54と排出口56とはラインL6を介して接続される。ラインL6は、合流部54で合流した暖気と水分が流れる配管であり、水分は、排出口56に到達するまでに暖気により気化される。
【0020】
圧縮部51は、分離部53が冷気を生成するための圧縮空気を供給するための装置である。圧縮部51は、周囲の空気を取り入れ加圧し、圧縮空気を生成する。圧縮部51は、ラインL1を介して除湿部52へ圧縮空気を圧送する。
【0021】
除湿部52は、分離部53へ供給される圧縮空気(気体)から水分を除湿する機器である。除湿部52は、圧縮部51からの圧縮空気に含まれる水分をフィルタで除湿する。除湿部52は、除湿した圧縮空気をラインL2を介して分離部53へ供給する。また、除湿部52は、圧縮空気から除湿した水分をラインL3を介して合流部54へ供給する。従って、ラインL3は、除湿部52で除湿された水分を排気ラインに排出する排水ラインとして機能する。
【0022】
分離部53は、供給された圧縮空気を内部で回転させることで冷気と暖気に分離して、冷気によってカメラ20を冷却する機器である。分離部53は、渦動理論の原理(ボルテックスチューブの原理)を用いて冷気を生成する。具体的に、分離部53は、供給された圧縮空気を管の内部で高速回転させる。分離部53は、この高速回転により発生する内部での渦流、圧縮、膨張、圧力差を利用して冷気(熱を奪われた気体)と暖気(熱を奪った気体)とに分離する。分離部53は、ラインL4を介して耐熱カメラケース21へ冷気を供給する。これにより、耐熱カメラケース21の内部に冷気が供給され、カメラ20が冷気によって冷却される。従って、ラインL4は、分離部53で分離された冷気によって耐熱カメラケース21のカメラ20を冷却する冷却部55として機能する。また、分離部53は、ラインL5を介して暖気を合流部54へ排気する。従って、ラインL5は、分離部53で分離された暖気を排出する排気ラインとして機能する。なお、冷気及び暖気の温度は特に限定されないが、冷気は-20~60℃程度であり、暖気は60~100℃程度に設定される。
【0023】
合流部54は、ラインL3を介して供給された水分を受ける機器である。この水分をドレンと呼ぶことがある。合流部54およびラインL6に滞留するドレンは、高速で供給される暖気と接触し、当該暖気の熱によって気化される。なお、合流部54の具体的な構成については、後述する。ドレンが気化したドレン蒸気は、ラインL6を介して排出口56から排出される。
【0024】
排出口56は、分離部53で分離された暖気および暖気により気化されたドレン蒸気を排出する部分である。排出口56は、ラインL6の配管の端部が開口することによって構成される。排出口56は、上方に開口している。これにより、蒸気は、上方へ向かって排出される。また、排出口56で水滴が発生したとしても、当該水滴が排出口56から落下することは防止される。図1に示すように、排出口56は、カメラ20と同じ空間である作業空間110に配置される。すなわち、排出口56は、作業空間110を区切る壁部110aの外側まで引き延ばされることなく、作業空間110内の何れかの位置に配置される。
【0025】
次に、図3図5を参照して、合流部54の具体例について説明する。図3図5は、合流部54周辺の構造を示す概略構成図である。
【0026】
図3に示す例においては、合流部54が、ラインL5及び/又はL6よりもサイズの大きなT継手60によって構成される。T継手60の直管部62の一方の端部はレデューサーを介して小径のラインL5に接続され、他方の端部はレデューサーを介して小径のラインL6に接続される。T継手60の分岐部61は、ラインL3に接続される。直管部62の底部62aは、ドレンが溜まるドレン溜まりとして機能する。直管部62の内径は、暖気を流すラインL5の流路の内径よりも大きい。従って、合流部54は、分離部53と合流部54とを接続して暖気を流すラインL5よりも大きな流路断面積を有する。直管部62の内部では、底部62aに溜まったドレンの液面において暖気が高速で通過することで、少なくとも一部のドレンが蒸発する。
【0027】
図4に示す例においては、合流部54が、箱体70によって構成される。箱体70の一方の側面はラインL5に接続され、他方の側面はラインL6に接続される。箱体70の上面はラインL3に接続される。箱体70の底部70aは、ドレンが溜まるドレン溜まりとして機能する。箱体70の横断面の断面積は、暖気を流すラインL5の流路の断面積よりも大きい。従って、合流部54は、分離部53と合流部54とを接続して暖気を流すラインL5よりも大きな流路断面積を有する。箱体70の内部では、底部70aに溜まったドレンの液面において暖気が高速で通過することで、ドレンが蒸発する。
【0028】
図5に示す例においては、合流部54が、U字管80によって構成される。U字管80は、上下方向に延びる一対の上下管部81,82と、上下管部81,82の下端部同士を接続する水平管部83と、を備える。一方の上下管部81の上端部はラインL5に接続され、他方の上下管部82の上端部ははラインL6に接続される。水平管部83は、ラインL3に接続される。U字管80の内径は、L5及び/又はL6の内径と同一である。なお、U字管80の内径は、L5及び/又はL6よりも大経またはいくらか小径でもよい。水平管部83の底部83aは、ドレンが溜まるドレン溜まりとして機能する。このように、水平管部83は、水分を貯留する空間を含む。水平管部83の内部では、底部83aに溜まったドレンの液面において暖気が高速で通過することで、ドレンが蒸発する。
【0029】
次に、冷却システム50の作用・効果について説明する。
【0030】
冷却システム50は、供給された圧縮空気を内部で回転させることで冷気と暖気に分離して、冷気によってカメラ20を冷却する分離部53を備えている。このような分離部53に供給される圧縮空気は、上流側で除湿部52によって水分を除湿される。このような水分は、分離部53で分離された暖気に合流部54で合流される。合流部54で合流した水分は、分離部53の暖気によって、排出口56に到達するまでに蒸発されるため、水分の排出作業を別途行う必要なく外部へ排出することが可能となる。従って、分離部53から分離した水分の受け皿が不要となる。また、点検時などに受け皿に溜めておいた水分を排出する作業も不要となる。また、カメラ20や耐熱カメラケース21に水分の影響によって結露などが生じることも抑制できる。更に、水分を水滴の状態ではなく、気体である蒸気として排出できるため、水滴を周辺環境に落下させることを抑制することができる。これらの効果は、追加の熱源を設ける必要無く、分離部53で生成された暖気を流用して得られる。以上より、冷却に用いる気体から除湿した水分を効率的に処理できる。
【0031】
レードルクレーン100はガーダ1と、吊具6を備え、ガーダ1上を移動する主トロリ2と、を含み、冷却システム50はガーダ1に設置されてよい。ガーダ1は吊具6などに比して地上に対する移動が少ない。従って、冷却システム50の地上に対する移動を抑制することができる。
【0032】
ラインL5とラインL3の合流部54は、水分を貯留する空間を含んでよい。この場合、空間に貯留した水分と暖気とを接触させて蒸発させることができる。
【0033】
合流部54は、分離部53と合流部54とを接続して暖気を流す流路(ラインL5)よりも大きな流路断面積を有してもよい。この場合、合流部54は、底部の領域に水分を溜めておき、溜めた水分と暖気とを接触させて蒸発させることができる。
【0034】
合流部54からの蒸気を排出する排出口56は、上方に開口していてよい。この場合、排出口56付近において水滴が生じたとしても、当該排出口56から落下することを抑制できる。
【0035】
合流部54からの蒸気を排出する排出口56は、カメラ20と同じ作業空間110に配置されてよい。例えば、排出口56を別の空間に配置しようとする場合(図1の仮想線を参照)、蒸気の配管構造が複雑になる場合がある。それに対し、排出口56を冷却対象物と同じ空間に配置することで、蒸気の配管構造をシンプルにすることができる。
【0036】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0037】
例えば、冷却対象物は特に限定されない。上述の実施形態のようにカメラのような画像を検出する機器の他、各種センサなどのように検出機器であればどのようなものでもよい。
【0038】
また、冷却システムが適用される対象構造物も、レードルクレーンに限定されない。本願発明は、水分を水滴として外部にそのまま排出することが好ましくない環境にある対象構造物に採用されることが好ましい。このような対象構造物として、例えば、ソーキングピットクレーン、スラブリフター付きクレーンなどの天井クレーンが挙げられる。
【符号の説明】
【0039】
1…ガーダ、2…主トロリ(トロリ)、6…吊具、50…冷却システム、52…除湿部、53…分離部、54…合流部、56…排出口、100…レードルクレーン(クレーン)、L3…ライン(排水ライン)、L4…ライン(冷却部)、L5…ライン(排気ライン)、。
図1
図2
図3
図4
図5