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特開2022-108204管制装置、管制システム、管制装置の制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108204
(43)【公開日】2022-07-25
(54)【発明の名称】管制装置、管制システム、管制装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20220715BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220715BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20220715BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20220715BHJP
   G16Y 40/35 20200101ALI20220715BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/00 X
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021003106
(22)【出願日】2021-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(71)【出願人】
【識別番号】000101617
【氏名又は名称】アマノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 陽香
(72)【発明者】
【氏名】田中 優
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 幸紀子
(72)【発明者】
【氏名】上山 浩行
(72)【発明者】
【氏名】仲野 綾華
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA27
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC27
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
5H181KK01
5H181KK06
5H181KK07
5H181KK08
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL09
5H181LL17
5H181MB01
(57)【要約】
【課題】ユーザの入庫時あるいは出庫時の待ち時間を低減して、迅速な入庫制御及び出庫制御を行うことが可能な管制装置、管制システム、管制装置の制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態の管制装置は、乗員のいない車両のみが走行を許可される閉鎖エリアとして構成されるとともに、複数の車両が縦列駐車可能な縦列駐車エリアが複数並列に配置された駐車場の中で車両の走行を制御し駐車制御及び出庫制御を行う管制装置であって、前記縦列駐車エリアに駐車制御対象の車両を駐車させる場合には、後方側から順に車両を駐車させるとともに、より出庫予測順位の高い車両を前方側に駐車させる駐車位置管理部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員のいない車両のみが走行を許可される閉鎖エリアとして構成されるとともに、複数の車両が縦列駐車可能な縦列駐車エリアが複数並列に配置された駐車場の中で車両の走行を制御し駐車制御及び出庫制御を行う管制装置であって、
前記縦列駐車エリアに駐車制御対象の車両を駐車させる場合には、後方側から順に車両を駐車させるとともに、より出庫予測順位の高い車両を前方側に駐車させる駐車位置管理部を備えた管制装置。
【請求項2】
前記駐車位置管理部は、車両の前記出庫予測順位を算出し、当該出庫予測順位が高い車両をより出庫容易性の高い前記縦列駐車エリアに駐車させる、
請求項1記載の管制装置。
【請求項3】
前記出庫容易性の値は、駐車場の車両出入口までの車両移動経路の距離及び前記縦列駐車エリア同士の前後位置に基づいて予め設定されている、
請求項2記載の管制装置。
【請求項4】
前記管制装置は、新たな入庫車両が発生するたびに、前記出庫予測順位を更新する、
請求項1又は請求項2記載の管制装置。
【請求項5】
前記駐車場は、前記縦列駐車エリアに加えて、一時的に車両を駐車させる一時駐車エリアを備え、
前記管制装置は、入庫対象の車両が入口の外側で待っている混雑時に、前記一時駐車エリア内に入庫対象の車両を移動し、前記縦列駐車エリア及び前記一時駐車エリアを含む専用エリア内に位置する全車両を対象として前記出庫予測順位を更新する、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の管制装置。
【請求項6】
前記駐車位置管理部は、前記駐車場内に入庫対象の車両よりも前記出庫予測順位が低い車両が複数存在する場合には、より前記出庫予測順位が低い車両が属する前記縦列駐車エリアに当該入庫対象の車両を駐車させる、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載の管制装置。
【請求項7】
乗員のいない車両のみが走行を許可される閉鎖エリアとして構成されるとともに、複数の車両が縦列駐車可能な縦列駐車エリアが複数並列に配置された駐車場の中で車両の走行を制御し駐車制御及び出庫制御を行う管制システムであって、
前記専用エリアゲート、出入口ゲートあるいは乗降ゲートの開閉制御を行うゲート制御装置と、
入庫対象の車両の出庫予測順位を算出し、前記縦列駐車エリアに駐車制御対象の車両を駐車させる場合には、後方側から順に車両を駐車させるとともに、より前記出庫予測順位の高い車両を前方側に駐車させる駐車位置管理部を備えた管制装置と、
を備えた管制システム。
【請求項8】
乗員のいない車両のみが走行を許可される閉鎖エリアとして構成された専用エリアと、人及び車両の移動に制限がない一般エリアと、の間に専用エリアゲート、出入口ゲートあるいは乗降ゲートが設けられた閉鎖エリアとして構成されるとともに、複数の車両が縦列駐車可能な縦列駐車エリアが複数並列に配置された駐車場の中で車両の走行を制御し駐車制御及び出庫制御を行う管制装置で実行される管制装置の制御方法であって、
入庫対象の車両の出庫予測順位を算出する過程と、
前記縦列駐車エリアに駐車制御対象の車両を駐車させる場合には、後方側から順に車両を駐車させるとともに、より前記出庫予測順位の高い車両を前方側に駐車させる過程と、
を備えた管制装置の制御方法。
【請求項9】
乗員のいない車両のみが走行を許可される閉鎖エリアとして構成された専用エリアと、人及び車両の移動に制限がない一般エリアと、の間に専用エリアゲート、出入口ゲートあるいは乗降ゲートが設けられた閉鎖エリアとして構成されるとともに、複数の車両が縦列駐車可能な縦列駐車エリアが複数並列に配置された駐車場の中で両の走行を制御し駐車制御及び出庫制御を行う管制装置をコンピュータにより制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
入庫対象の車両の出庫予測順位を算出する手段と、
前記縦列駐車エリアに駐車制御対象の車両を駐車させる場合には、後方側から順に車両を駐車させるとともに、より前記出庫予測順位の高い車両を前方側に駐車させる手段と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、管制装置、管制システム、管制装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、駐車場等の所定領域内において車両の走行を自動制御するシステムとして、自動バレー駐車システムが提案されている。
【0003】
自動バレー駐車システムでは、例えば、管制装置は、所定領域内に設けられた検出部から取得した検出データ(例えば固定カメラによる撮影画像)に基づいて、所定領域内を走行する車両の位置を推定し、車両の入庫制御あるいは出庫制御を行っている。
このような自動バレー駐車システムでは、駐車場内の車両を任意に移動させることが可能であるため、駐車場の面積に対して、可能な限り駐車させるシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-151858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、単純に駐車場の面積に対して、可能な限り駐車させてしまうと出庫制御時に車両の移動が多くなり、出庫時間がかかってユーザを待たせてしまうとともに、ひいては、入庫がなかなかできず、入庫に際しても入庫時間がかかってしまう虞があった。
したがって、バレーパーキングを自動化するにあたってできる限り、ユーザの待ち時間を短縮して、迅速に入庫制御あるいは出庫制御が行えることが望まれる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ユーザの入庫時あるいは出庫時の待ち時間を低減して、迅速な入庫制御及び出庫制御を行うことが可能な管制装置、管制システム、管制装置の制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の管制装置は、乗員のいない車両のみが走行を許可される閉鎖エリアとして構成されるとともに、複数の車両が縦列駐車可能な縦列駐車エリアが複数並列に配置された駐車場の中で車両の走行を制御し駐車制御及び出庫制御を行う管制装置であって、縦列駐車エリアに駐車制御対象の車両を駐車させる場合には、後方側から順に車両を駐車させるとともに、より出庫予測順位の高い車両を前方側に駐車させる駐車位置管理部を備える。
上記構成によれば、出庫予測順位に基づいて、駐車位置を管理するので、ユーザの入庫時あるいは出庫時の待ち時間を低減して、迅速な入庫制御及び出庫制御を行うことが可能となる。
【0008】
この場合において、前記駐車位置管理部は、車両の出庫予測順位を算出し、当該出庫予測順位が高い車両をより出庫容易性の高い前記縦列駐車エリアに駐車させるようにしてもよい。
上記構成によれば、出庫時の容易性が高まり、迅速に出庫させることができる。
【0009】
また、前記出庫容易性の値は、駐車場の車両出入口までの車両移動経路の距離及び前記縦列駐車エリア同士の前後位置に基づいて予め設定されているようにしてもよい。
したがって、出庫容易性をその都度算出する必要が無く、容易に出庫予測順位が高い車両をより出庫容易性の高い駐車エリアに移動させることができる。
【0010】
また、管制装置は、新たな入庫車両が発生するたびに、出庫予測順位を更新するようにしてもよい。
したがって、常に最新の出庫予測順位で最適な制御が行える。
【0011】
また、前記駐車場は、前記縦列駐車エリアに加えて、一時的に車両を駐車させる一時駐車エリアを備え、前記管制装置は、入庫対象の車両が入口の外側で待っている混雑時に、前記一時駐車エリア内に入庫対象の車両を移動し、前記縦列駐車エリアと前記一時駐車エリアを含む専用エリア内に位置する全車両を対象として前記出庫予測順位を更新するようにしてもよい。
上記構成によれば、迅速に専用エリア内に入庫対象を移動でき、ひいては、出庫処理に対する入庫処理の影響を低減することができる。
【0012】
また、前記駐車位置管理部は、前記駐車場内に入庫対象の車両よりも前記出庫予測順位が低い車両が複数存在する場合には、より前記出庫予測順位が低い車両が属する前記縦列駐車エリアに当該入庫対象の車両を駐車させるようにしてもよい。
したがって、いずれかの縦列駐車エリアの駐車状態が、他の縦列駐車の制御に与える影響を低減して迅速な入庫制御及び出庫制御が行える。
【0013】
また、実施形態の管制システムは、乗員のいない車両のみが走行を許可される閉鎖エリアとして構成されるとともに、複数の車両が縦列駐車可能な縦列駐車エリアが複数並列に配置された駐車場の中で車両の走行を制御し駐車制御及び出庫制御を行う管制システムであって、専用エリアゲート、出入口ゲートあるいは乗降ゲートの開閉制御を行うゲート制御装置と、入庫対象の車両の出庫予測順位を算出し、前記縦列駐車エリアに駐車制御対象の車両を駐車させる場合には、後方側から順に車両を駐車させるとともに、より前記出庫予測順位の高い車両を前方側に駐車させる駐車位置管理部を備えた管制装置と、を備える。
上記構成によれば、出庫予測順位に基づいて、駐車位置を管理するので、ユーザの入庫時あるいは出庫時の待ち時間を低減して、迅速な入庫制御及び出庫制御を行うことが可能となる。
【0014】
また、実施形態の方法は、乗員のいない車両のみが走行を許可される閉鎖エリアとして構成された専用エリアと、人及び車両の移動に制限がない一般エリアと、の間に専用エリアゲート、出入口ゲートあるいは乗降ゲートが設けられた閉鎖エリアとして構成されるとともに、複数の車両が縦列駐車可能な縦列駐車エリアが複数並列に配置された駐車場の中で車両の走行を制御し駐車制御及び出庫制御を行う管制装置で実行される方法であって、入庫対象の車両の出庫予測順位を算出する過程と、前記縦列駐車エリアに駐車制御対象の車両を駐車させる場合には、後方側から順に車両を駐車させるとともに、より前記出庫予測順位の高い車両を前方側に駐車させる過程と、を備える。
上記構成によれば、出庫予測順位に基づいて、駐車位置を管理するので、ユーザの入庫時あるいは出庫時の待ち時間を低減して、迅速な入庫制御及び出庫制御を行うことが可能となる。
【0015】
また、実施形態のプログラムは、乗員のいない車両のみが走行を許可される閉鎖エリアとして構成された専用エリアと、人及び車両の移動に制限がない一般エリアと、の間に専用エリアゲート、出入口ゲートあるいは乗降ゲートが設けられた閉鎖エリアとして構成されるとともに、複数の車両が縦列駐車可能な縦列駐車エリアが複数並列に配置された駐車場の中で車両の走行を制御し駐車制御及び出庫制御を行う管制装置をコンピュータにより制御するためのプログラムであって、前記コンピュータを、入庫対象の車両の出庫予測順位を算出する手段と、前記縦列駐車エリアに駐車制御対象の車両を駐車させる場合には、後方側から順に車両を駐車させるとともに、より前記出庫予測順位の高い車両を前方側に駐車させる手段と、して機能させる。
上記構成によれば、出庫予測順位に基づいて、駐車位置を管理するので、ユーザの入庫時あるいは出庫時の待ち時間を低減して、迅速な入庫制御及び出庫制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態の自動バレー駐車システムを構成している管制システムの概要構成ブロック図である。
図2図2は、管制装置の概要構成ブロック図である。
図3図3は、実施形態にかかる車両制御システムの概要構成ブロック図である。
図4図4は、自動バレー駐車場の構成例の説明図である。
図5図5は、駐車エリア選択の説明図(その1)である。
図6図6は、車両入庫時の駐車エリア選択の処理フローチャートである。
図7図7は、駐車エリア選択の説明図(その2)である。
図8図8は、既駐車車両の出庫予測順位が更新された直後の状態の説明図である。
図9図9は、既駐車車両の出庫予測順位が更新された場合の車両移動処理の処理フローチャートである。
図10図10は、既駐車車両の移動時の説明図(その1)である。
図11図11は、既駐車車両の移動時の説明図(その1)である。
図12図12は、既駐車車両の移動時の説明図(その2)である。
図13図13は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その1)である。
図14図14は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その2)である。
図15図15は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その3)である。
図16図16は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その4)である。
図17図17は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その4)である。
図18図18は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に記載する実施形態の構成、ならびに、当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例であって、本発明は以下の記載内容に限定されない。
【0018】
図1は、実施形態の自動バレー駐車システムを構成している管制システムの概要構成ブロック図である。
管制システム10は、管制装置11と、乗降エリアの状態を検出するセンサとしてそれぞれ機能する複数(図1の例では、2個)の監視カメラ12―1~12-2と、ゲート制御装置13と、複数(図1の例では、2個)の出入口ゲート装置14-1、14-2と、複数(図1の例では、2個)の専用エリアゲート装置15-1、15-2と、複数(図1の例では、2個)の乗降ゲート装置16-1、16-2と、を備えている。
【0019】
上記構成において、監視カメラ12-1~12-2は、乗降エリアに限らず、後述する専用エリアあるいは一般駐車場エリアについても監視してもかまわない。
また、管制システム10により管制される車両Vは、それぞれ車両制御システム30を備えている。
【0020】
図2は、管制装置の概要構成ブロック図である。
管制装置11は、いわゆるマイクロコンピュータとして構成されており、MPU21(Micro Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、通信インターフェース(I/F)24と、入出力インターフェース(I/F)25と、SSD(Solid State Drive)26と、を有している。これらのハードウェアは、データバス27を介して互いに接続されている。
【0021】
MPU21は、管制装置11を統括的に制御する。MPU21は、ROM22等に記憶された各種の制御プログラム(コンピュータプログラム)を読み出し、当該各種の制御プログラムに規定されたインストラクションにしたがって各種の機能を実現する。
【0022】
ROM22は、上述した各種の制御プログラムの実行に必要なパラメータなどを記憶する不揮発性の主記憶装置である。
【0023】
RAM23は、MPU21の作業領域を提供する揮発性の主記憶装置である。
【0024】
通信インターフェース24は、管制装置11と外部装置(例えば、車載装置)との間の通信を実現するインターフェースである。例えば、通信インターフェース24は、管制装置11と車両V(車両制御システム30)との間の無線通信による信号の送受信を実現する。
【0025】
入出力インターフェース25は、管制装置11と外部装置との接続を実現するインターフェースである。外部装置としては、例えば、管制装置11のオペレータが使用する入出力デバイスなどが考えられる。
【0026】
SSD26は、補助記憶装置として構成された書き換え可能な不揮発性の半導体記憶装置である。なお、実施形態にかかる管制装置11においては、補助記憶装置として、SSD26に替えて(またはSSD26に加えて)、HDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよい。
【0027】
次に、実施形態にかかる車両制御システムのシステム構成について説明する。
図3は、実施形態にかかる車両制御システムの概要構成ブロック図である。
車両制御システム30は、図3に示されるように、制動システム31と、加速システム32と、操舵システム33と、変速システム34と、障害物センサ35と、走行状態センサ36と、通信インターフェース(I/F)37と、車載カメラ38と、モニタ装置39と、車両制御装置40と、車載ネットワーク41と、を備えている。
【0028】
制動システム31は、車両Vの制動を制御する。
制動システム31は、制動部31aと、制動制御部31bと、制動センサ31cと、を有している。
【0029】
制動部31aは、例えば、ブレーキペダルなどを含んだ、車両Vを減速させるための装置である。
【0030】
制動制御部31bは、例えば、MPUを備えたコンピュータにより構成されるECU(Electronic Control Unit)である。制動制御部31bは、車両制御装置40からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、制動部31aを作動させることで、車両Vの減速度合を制御する。
【0031】
制動部センサ31cは、制動部31aの状態を検出するための装置である。例えば、制動部31aがブレーキペダルを含む場合、制動部センサ31cは、制動部31aの状態として、ブレーキペダルの位置または当該ブレーキペダルに作用している圧力を検出する。制動部センサ31cは、検出した制動部31aの状態を車載ネットワーク41に出力する。
【0032】
加速システム32は、車両Vの加速を制御する。加速システム32は、加速部32aと、加速制御部32bと、加速部センサ32cと、を有している。
【0033】
加速部32aは、例えば、アクセルペダルなどを含んだ、車両Vを加速させるための装置である。
【0034】
加速制御部32bは、例えば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECUである。加速制御部32bは、車両制御装置40からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、加速部32aを作動させることで、車両Vの加速度合を制御する。
【0035】
加速部センサ32cは、加速部32aの状態を検出するための装置である。例えば、加速部32aがアクセルペダルを含む場合、加速部センサ32cは、アクセルペダルの位置または当該アクセルペダルに作用している圧力を検出する。加速部センサ32cは、検出した加速部32aの状態を車載ネットワーク41に出力する。
【0036】
操舵システム33は、車両Vの進行方向を制御する。操舵システム33は、操舵部33aと、操舵制御部33bと、操舵部センサ33cと、を有している。
【0037】
操舵部33aは、例えば、ステアリングホイールやハンドルなどを含んだ、車両Vの転舵輪を転舵させる装置である。
【0038】
操舵制御部33bは、例えば、MPU等を有したコンピュータにより構成されるECUである。操舵制御部33bは、車両制御装置40からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、操舵部33aを作動させることで、車両Vの進行方向を制御する。
【0039】
操舵部センサ33cは、操舵部33aの状態を検出するための装置である。例えば、操舵部33aがステアリングホイールを含む場合、操舵部センサ33cは、ステアリングホイールの位置または当該ステアリングホイールの回転角度を検出する。なお、操舵部33aがハンドルを含む場合、操舵部センサ33cは、ハンドルの位置または当該ハンドルに作用している圧力を検出してもよい。操舵部センサ33cは、検出した操舵部33aの状態を車載ネットワーク41に出力する。
【0040】
変速システム34は、車両Vの変速比を制御する。変速システム34は、変速部34aと、変速制御部34bと、変速部センサ34cと、を有している。
【0041】
変速部34aは、例えば、シフトレバーなどを含んだ、車両Vの変速比を変更するための装置である。
【0042】
変速制御部34bは、例えば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECUである。変速制御部34bは、車両制御装置40からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、変速部34aを作動させることで、車両Vの変速比を制御する。
【0043】
変速部センサ34cは、変速部34aの状態を検出するための装置である。例えば、変速部34aがシフトレバーを含む場合、変速部センサ34cは、シフトレバーの位置または当該シフトレバーに作用している圧力を検出する。変速部センサ34cは、検出した変速部34aの状態を車載ネットワーク41に出力する。
【0044】
障害物センサ35は、車両Vの周囲に存在しうる障害物に関する情報を検出するための装置である。障害物センサ35は、例えば、障害物までの距離を検出するソナーなどといった測距センサを含んでいる。障害物センサ35は、検出した情報を車載ネットワーク41に出力する。
【0045】
走行状態センサ36は、車両Vの走行状態を検出するための装置である。走行状態センサ36は、例えば、車両Vの車輪速を検出する車輪速センサや、車両Vの前後方向または左右方向の加速度を検出する加速度センサや、車両Vの旋回速度(角速度)を検出するジャイロセンサなどを含んでいる。走行状態センサ36は、検出した走行状態を車載ネットワーク41に出力する。
【0046】
通信インターフェース37は、車両制御システム30と外部装置との間の通信を実現するインターフェースである。例えば、通信インターフェース37は、車両制御システム30と管制装置11との間の無線通信による信号の送受信や、車両制御システム30と端末装置SPとの間の無線通信による信号の送受信などを実現する。
【0047】
車載カメラ38は、車両Vの周辺の状況を撮像するための装置である。例えば、車載カメラ38は、車両Vの前方、後方、および側方(左右両方)の路面を含む領域を撮像するように複数設けられる。車載カメラ38によって得られた画像データは、車両Vの周辺の状況の監視(障害物の検出も含む)に使用される。車載カメラ38は、得られた画像データを車両制御装置40に出力する。なお、以下では、車載カメラ38から得られる画像データと、車両制御システム30に設けられる上述した各種のセンサから得られるデータと、を総称してセンサデータと記載することがある。
【0048】
モニタ装置39は、車両Vの車室内のダッシュボードなどに設けられる。モニタ装置39は、表示部39aと、音声出力部39bと、操作入力部39cと、を有している。
【0049】
表示部39aは、車両制御装置40の指示に応じて画像を表示するための装置である。表示部39aは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescent Display)などによって構成される。
【0050】
音声出力部39bは、車両制御装置40の指示に応じて音声を出力するための装置である。音声出力部39bは、例えば、スピーカによって構成される。
【0051】
操作入力部39cは、車両V内の乗員の入力を受け付けるための装置である。操作入力部39cは、例えば、表示部39aの表示画面に設けられるタッチパネルや、物理的な操作スイッチなどによって構成される。操作入力部39cは、受け付けた入力を車載ネットワーク41に出力する。
【0052】
車両制御装置40は、車両制御システム30を統括的に制御するための装置である。車両制御装置40は、MPU40aや、ROM40b、RAM40cなどといったコンピュータ資源を有したECUである。
【0053】
より具体的に、車両制御装置40は、MPU40aと、ROM40bと、RAM40cと、SSD40dと、表示制御部40eと、音声制御部40fと、を有している。
【0054】
MPU40aは、車両制御装置40を統括的に制御するハードウェアプロセッサである。MPU40aは、ROM40bなどに記憶された各種の制御プログラム(コンピュータプログラム)を読み出し、当該各種の制御プログラムに規定されたインストラクションにしたがって各種の機能を実現する。
【0055】
ROM40bは、上述した各種の制御プログラムの実行に必要なパラメータなどを記憶する不揮発性の主記憶装置である。
【0056】
RAM40cは、MPU40aの作業領域を提供する揮発性の主記憶装置である。
【0057】
SSD40dは、書き換え可能な不揮発性の補助記憶装置である。なお、実施形態にかかる車両制御装置40においては、補助記憶装置として、SSD40dに替えて(またはSSD40dに加えて)、HDDが設けられてもよい。
【0058】
表示制御部40eは、車両制御装置40で実行される各種の処理のうち、主として、車載カメラ38から得られた画像データに対する画像処理や、モニタ装置39の表示部39aに出力する画像データの生成などを司る。
【0059】
音声制御部40fは、車両制御装置40で実行される各種の処理のうち、主として、モニタ装置39の音声出力部39bに出力する音声データの生成などを司る。
【0060】
車載ネットワーク41は、制動システム31と、加速システム32と、操舵システム33と、変速システム34と、障害物センサ35と、走行状態センサ36と、通信インターフェース37と、モニタ装置39の操作入力部39cと、車両制御装置40と、を通信可能に接続する。
【0061】
次に自動バレー駐車場の構成について説明する。
図4は、自動バレー駐車場の構成例の説明図である。
自動バレー駐車場51は、周囲を壁あるいは柵等により囲んで、エリア内に人が立ち入れないように物理的に構成された専用エリア52と、互いに独立したエリアとして構成され、それぞれ出入口ゲート装置、専用エリアゲート装置及び乗降ゲート装置設けられた乗降エリア53-1、53-2と、が設けられている。
【0062】
より詳細には、専用エリア52は、複数(図4の例では、30カ所)の駐車エリアPA1-1~PA1-10(1列目)、PA2-1~PA2-10(2列目)、PA3-1~PA3-10(3列目)及び複数(図4の例では、4カ所)の一時駐車エリアTM1~TM4を備えている。
また、乗降エリア53-1には、出入口ゲート装置14-1、専用エリアゲート装置15-1及び乗降ゲート装置16-1が設けられている。
この場合において、出入口ゲート装置14-1、専用エリアゲート装置15-1及び乗降ゲート装置16-1は、排他的に開状態とされ、同時に開状態とされることはないようにされている。
【0063】
同様に乗降エリア53-2には、出入口ゲート装置14-2、専用エリアゲート装置15-2及び乗降ゲート装置16-2が設けられている。
この場合においても、出入口ゲート装置14-2、専用エリアゲート装置15-2及び乗降ゲート装置16-2は、排他的に開状態とされ、同時に開状態とされることはないようにされている。
【0064】
ところで、図4において[]内に記載した数字は、出庫時の容易性である出庫容易性を表しており、数値が小さいほど出庫容易性が高い。
ここで、出庫容易性とは、例えば、他の駐車車両の影響をより受けにくく出庫できること、出口までの距離が近く短時間で出庫できること等である。
【0065】
具体的には、駐車エリアPA1-2、PA2-2、PA3-2に注目した場合、それぞれの出庫容易性の値は、2、12、22であるので、駐車エリアPA1-2は、駐車エリアPA-2、PA3-2よりも出庫容易性が高いことを表している。同様に、駐車エリアPA2-2は、駐車エリアPA3-2よりも出庫容易性が高いことを表している。
【0066】
また、駐車エリアの符号の末尾の数字が同じ3カ所の駐車エリア(例えば、駐車エリアPA1-5、PA2-5、PA3-5)は、それぞれ縦列駐車エリアを構成している。
一つの縦列駐車エリアにおいては、車両が駐車していない駐車エリアのうち、より後列側(3列目側)の駐車エリアに車両が駐車されるようになっている。
【0067】
すなわち、1列目の駐車エリアPA1-1~PA1-10よりは、2列目の駐車エリアPA2-1~PA2-10あるいは3列目の駐車エリアPA3-1~PA3-10が優先的に新規の駐車車両に対して割り当てられる。また、2列目の駐車エリアPA2-1~PA2-10よりは、3列目の駐車エリアPA3-1~PA3-10が優先的に新規の駐車車両に対して割り当てられることとなる。
【0068】
また同一の列方向にみた場合については、例えば、駐車エリアPA1-5、PA2-5、PA3-5の全てに既駐車車両が存在しない場合には、駐車エリアPA3-5が新規の駐車車両の対象駐車エリアとされる。また、駐車エリアPA1-5、PA2-5、PA3-5のうち、駐車エリアPA3-5にのみ既駐車車両が存在する場合には、駐車エリアPA2-5が新規の駐車車両の対象駐車エリアとされる。
【0069】
ここで、新規の駐車車両が発生した場合の駐車エリアの割当の基本的な考え方について説明する。
自動バレー駐車場51における駐車エリアの割当に際しては、ユーザが車両を呼び出した際の出庫のための所要時間を短くするために、予め出庫が予想される車両に対してより容易に出庫ができるようにしている。
【0070】
また入庫タイミングが重なっても降車エリアが渋滞せず、すぐに車両を返却できるようにしている。
このため、本実施形態においては、管制装置11は、降車エリアに近い位置に一時退避スペース(TM1~TM4)を設け、車両の返却で込み合う時間は車両の入れ替えの前に一時的に一時退避スペースへ車両を停車させる。
また、管制装置11は、車両の返却で混み合う時間等を予測している。
【0071】
さらに、管制装置11は、必要に応じて、出庫が予想される車両は、その時間までに、専用エリアの出口付近や、出庫経路上に他車両がおらず車両移動が可能な駐車エリアに予め移動させておくようにする。また管制装置11は、入庫車両が多く混み合うタイミングでは、まずは降車エリアの車両を効率よくはけさせる必要があるため、降車エリアに近い位置に設置される一時退避スペース(TM1~TM4)の駐車エリアを一時的に割り当てるようにしている。
【0072】
また管制装置11は、入庫に要する時間を短縮するため、基本的に前向き駐車とし、状況に応じて仮駐車(例えば、前向きに駐車)後、移動車両が落ち着いた時点で、駐車向きや位置を入れ替えるように制御を行うことで、実効的な他の車両の移動を妨げる時間を極力短縮するように制御を行っている。
【0073】
ここで、入庫時の駐車エリア選択について説明する。
図5は、駐車エリア選択の説明図(その1)である。
図6は、車両入庫時の駐車エリア選択の処理フローチャートである。
【0074】
管制装置11は、入庫車両ありとなると(ステップS11)、入庫車両C1の出庫予測を行う(ステップS12)。
続いて管制装置11は、入庫車両の出庫予測に基づいて出庫予測順位を更新する(ステップS13)。
【0075】
図5の例においては、入庫車両C1の出庫予測による出庫予測順位が第5位であり、専用エリア52内の3列目の駐車エリアPA3-1~PA3-10には、出庫予測順位が第1位~第4位及び第6位~第11位の既駐車車両があり、3列目には空きがないものとする。
【0076】
図5に示すように、専用エリア52内には、3列の駐車エリアがあるので、管制装置11は、列番号nの初期値を3とする(ステップS14)。
続いて管制装置11は、n列目(この段階では、3列目)の駐車エリアに空き駐車エリアがあるか否かを判断する(ステップS15)。
【0077】
ステップS15の判断において、n列目(この段階では、3列目)の駐車エリアに空き駐車エリアがある場合には(ステップS15;Yes)、管制装置11は、n列目(この段階では、3列目)の駐車エリアのうちより出庫容易性の高い駐車エリアを選択し(ステップS16)、入庫車両C1を当該駐車エリアに駐車させる駐車制御を行って(ステップS20)、処理を終了する。
【0078】
ステップS15の判断において、n列目(この段階では、3列目)の駐車エリアに空き駐車エリアがない場合には(ステップS15;No)、管制装置11は、n=n-1とする(ステップS17)。
続いて管制装置11は、n列目(この段階では、2列目)の駐車エリアに空き駐車エリアがあるか否かを判断する(ステップS18)。
【0079】
ステップS15の判断において、n列目(この段階では、2列目)の駐車エリアに空き駐車エリアがある場合には(ステップS18;Yes)、管制装置11は、n列目(この段階では、2列目)の駐車エリアのうち、n+1列目(この段階では、3列目)の既駐車車両のうち、入庫車両C1より出庫予測順位の低い駐車エリア、あるいは、最も出庫予測順位の低い駐車エリアの前の駐車エリアを選択する(ステップS19)。
【0080】
図5の例では、入庫車両の出庫予測順位が第5位であるので、出庫予測順位が第6位である既駐車車両(PA3-9)の前の駐車エリアPA2-9を選択する。なお、出庫予測順位が第6位以下の駐車エリアの前の駐車エリアであればいずれでもよい。
【0081】
図7は、駐車エリア選択の説明図(その2)である。
図7の例では、入庫車両の出庫予測順位が第5位であり、図5のステップS19の処理で、出庫予測順位が最も低い出庫予測順位第11位である既駐車車両(PA3-4)の前の駐車エリアPA2-4を選択した場合のものである。
【0082】
次に既駐車車両の出庫予測順位が更新された場合の処理について説明する。
図8は、既駐車車両の出庫予測順位が更新された直後の状態の説明図である。
図8においては、出庫時刻の変更等の理由により既駐車車両C2の出庫予測順位が第3位に更新された結果、当該既駐車車両C2の駐車エリアPA3-8の前列側の駐車エリアPA1-8、2-8に駐車された車両C3の出庫予測順位第7位、車両C4の出庫予測順位第17位よりも高い値になった場合を示している。
【0083】
このような場合には、車両C2を出庫予測順位に応じた駐車エリアに移動する必要がある。以下、より詳細に説明する。
【0084】
図9は、既駐車車両の出庫予測順位が更新された場合の車両移動処理の処理フローチャートである。
まず、管制装置11は、出庫時刻の変更等による既駐車車両の出庫予測順位が更新される要因が発生すると(ステップS31)、出庫予測順位を更新する(ステップS32)。
【0085】
図10は、既駐車車両の移動時の説明図(その1)である。
これにより、図8に示す場合と同様に、出庫予測順位が更新された既駐車車両の前列側に出庫予測順位が低い既駐車車両がある場合には(ステップS33;Yes)、図10に示すように、既駐車車両の前列側の出庫予測順位が低い既駐車車両C3、C4を一時駐車エリアTM3、TM4に移動する(ステップS34)。
【0086】
図8に示すように、専用エリア52内には、3列の駐車エリアがあるので、管制装置11は、列番号nの初期値を3とする(ステップS35)。
続いて管制装置11は、n列目(この段階では、3列目)の駐車エリアに空き駐車エリアがあるか否かを判断する(ステップS36)。
【0087】
ステップS36の判断において、n列目(この段階では、3列目)の駐車エリアに空き駐車エリアがある場合には(ステップS36;Yes)、管制装置11は、n列目(この段階では、3列目)の駐車エリアのうちより出庫容易性の高い駐車エリアを選択する(ステップS37)。
【0088】
図11は、既駐車車両の移動時の説明図(その1)である。
そして、図11に示すように、既駐車車両C2を当該駐車エリアに駐車させる駐車制御を行う(ステップS41)。
【0089】
図12は、既駐車車両の移動時の説明図(その2)である。
そして、図12に示すように、一時駐車エリアTM4に移動した既駐車車両C4を元の列の後列側である駐車エリアPA3-8に駐車し、一時駐車エリアTM3に移動した既駐車車両C3を元の列の後列側である駐車エリアPA2-8に駐車して(ステップS42)、処理を終了する。
【0090】
ステップS36の判断において、n列目(この段階では、3列目)の駐車エリアに空き駐車エリアがない場合には(ステップS36;No)、管制装置11は、n=n-1とする(ステップS38)。
続いて管制装置11は、n列目(この段階では、2列目)の駐車エリアに空き駐車エリアがあるか否かを判断する(ステップS39)。
ステップS39の判断において、n列目(この段階では、2列目)の駐車エリアに空き駐車エリアがある場合には(ステップS39;Yes)、管制装置11は、n列目(この段階では、2列目)の駐車エリアのうち、n+1列目(この段階では、3列目)の既駐車車両のうち、入庫車両C1より出庫予測順位の低い駐車エリア、あるいは、最も出庫予測順位の低い駐車エリアの前の駐車エリアを選択する(ステップS40)。
そして、既駐車車両C2を当該駐車エリアに駐車させる駐車制御を行う(ステップS41)。
【0091】
さらに図12に示したように、一時駐車エリアTM4に移動した既駐車車両C4を元の列の後列側である駐車エリアPA3-8に駐車し、一時駐車エリアTM3に移動した既駐車車両C3を元の列の後列側である駐車エリアPA2-8に駐車して(ステップS42)、処理を終了する。
【0092】
以上の説明のように、既駐車車両の出庫予測順位が更新された場合でも、更新後の出庫順位に基づいて、当該既駐車車両の駐車エリアをより出庫に好適な駐車エリアに移動できるため、効率的に出庫制御を行うことができる。
【0093】
以上の説明は、入庫時に混雑については考慮していなかったが、入庫時の混雑を緩和する処理について説明する。
図13は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その1)である。
図13に示すように乗降エリア53-1および乗降エリア53-2に入庫車両C5、C6が既に入っており、バレー駐車場51外に車両C7、C8が既に順番待ちしているものとする。
図14は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その2)である。
この場合には、管制装置11は、入庫時の混雑の影響を低減するため、既に乗降エリア53-1および乗降エリア53-2に入っていた入庫車両C5、C6を一時駐車エリアTM2、TM3に移動する。
そして、順番待ちしている車両C7、C8を乗降エリア53-1および乗降エリア53-2に入れる。
【0094】
この結果、管制装置12は、出庫予測順位を更新する。
より具体的には、図14に示すように、入庫車両C5の出庫予測順位は第15位、入庫車両C6の出庫予測順位は第3位、入庫車両C7の出庫予測順位は第22位、入庫車両C8の出庫予測順位は第10位になったものとする。
【0095】
図15は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その3)である。
図15に示すように、駐車エリアは、第1列にしかあいていないが、このまま4台の車両C5~C8を第1列に駐車してしまうと、いずれかの位置において、駐車位置で出庫予測順位が正しくない状態となるため、管制装置11は、移動シミュレーションを行って、例えば、図15に示すように、駐車エリアPA2-4の既駐車車両C9を一時駐車エリアTM1に移動する。
【0096】
図16は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その4)である。
そして、管制装置12は、一時駐車エリアTM2に移動されていた車両C6を駐車エリアPA1-6に移動し、乗降エリア53-1の車両C7を駐車エリアPA2-4に移動し、乗降エリア53-2の車両C8を駐車エリアPA1-5に移動する。
【0097】
図17は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その4)である。
そして、管制装置12は、一時駐車エリアTM1に移動されていた車両C9を駐車エリアPA1-3に移動し、一時駐車エリアTM3に移動されていた車両C5を駐車エリアPA1-4に移動する。
【0098】
図18は、入庫時の混雑防止の処理の説明図(その5)である。
これらの結果、図18に示すように、車両C9は駐車エリアPA1-3に駐車され、の車両C5は駐車エリアPA1-4に駐車されて、出庫予測順位に沿って駐車場所が更新されることとなる。
以上の説明のように、入庫時に混雑している場合でも、可能な限り早く、専用エリア52に駐車車両を移動することができ、ユーザの時間を可能な限り浪費することなく、駐車制御を行える。
【0099】
以上の説明のように、本実施形態によれば、管制装置は、専用エリアゲート、出入口ゲート及び乗降ゲートの開閉を制御し、専用エリア及び一般エリアが同時に連通するのを禁止するので、自動走行する車両がいるエリアに歩行者がいない、歩車分離を確実に行って、自動駐車をより安全に行うことができる。
【0100】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
10…管制システム、11…管制装置、12-1,12-2…監視カメラ、13…ゲート制御装置、14-1、14-2…出入口ゲート装置、15-1、15-2…専用エリアゲート装置、16-1、16-2…乗降ゲート装置、30…車両制御システム、C1~C9…車両。
図1
図2
図3
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図5
図6
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