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特開2022-108207粘着テープの貼着構造及びそれを使用した粘着テープの貼着方法
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  • 特開-粘着テープの貼着構造及びそれを使用した粘着テープの貼着方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108207
(43)【公開日】2022-07-25
(54)【発明の名称】粘着テープの貼着構造及びそれを使用した粘着テープの貼着方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20220715BHJP
【FI】
B65H35/07 E
B65H35/07 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021003111
(22)【出願日】2021-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】591189258
【氏名又は名称】カモ井加工紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】特許業務法人森特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 真司
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 哲男
(72)【発明者】
【氏名】岡林 広樹
【テーマコード(参考)】
3F062
【Fターム(参考)】
3F062AB10
3F062BA04
3F062BC08
3F062BD02
3F062BE02
3F062BF03
3F062BF22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡素な構造で粘着テープを対象物に対して貼着することができる粘着テープの貼着構造と、貼着方法を提供する。
【解決手段】粘着テープロール11と、粘着テープロールの前方に配置された前方ロール12と、粘着テープロールの後方に配置された後方ロール13とを有する粘着テープを貼着するための構造であり、粘着テープロール11から引き出された粘着テープ112は、粘着テープロール11の内側面に粘着面が配置されており、前方ロール12の上方を経て下方に巻き込まれて、粘着テープロール11の下と後方ロール13の下を通過して、対象物に貼着される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着テープロールと、
粘着テープロールの前方に配置された前方ロールと、
粘着テープロールの後方に配置された後方ロールとを有する粘着テープを貼着するための構造であり、
粘着テープロールの回転面と前方ロールの回転面とが接しており、粘着テープロールの回転面と後方ロールの回転面が接しており、
粘着テープロールの外径に対する前方ロールの外径の比率は、50%以上かつ150%以下であり、
粘着テープの外径に対する後方ロールの外径の比率は、50%以上かつ200%以下であり、
前方ロールの幅は、粘着テープロールの幅と同等、又は粘着テープロールの幅に比して大きく構成されており、
粘着テープロールから引き出された粘着テープは、粘着テープロールの内側面に粘着面が配置されており、前方ロールの上方を経て下方に巻き込まれて、粘着テープロールの下と後方ロールの下を通過して、対象物に貼着される粘着テープの貼着構造。
【請求項2】
後方ロールは、後方ロールを回転可能な状態で支持する支持部と、当該支持部に連結される把持部を備える請求項1に記載の粘着テープの貼着構造。
【請求項3】
粘着テープは、粘着テープが繰り出される方向に沿って筋状に粘着剤層が設けられている請求項1又は2に記載の粘着テープの貼着構造。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の粘着テープの貼着構造の後方ロールで粘着テープロールを押して粘着テープロールを回転させて、粘着テープを対象物に対して貼着する粘着テープの貼着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープの貼着構造及びそれを使用した粘着テープの貼着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示したように、三角形状のフレームに前方ロールと後方ロールと、粘着テープロールとを回転可能な状態で支持する構造を有する装置が知られている。特許文献1の装置では、前方ロールと後方ロールと粘着テープロールとは、互いに離れた位置に配されている。粘着テープロールから繰り出された粘着テープは、前方ロールで方向転換されて、前方ロールと後方ロールの下を通過するようにして、対象物に対して貼着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-52677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示した装置は、前方ロールと後方ロールと粘着テープを回転可能な状態で支持する軸とを備えた装置を利用する。養生作業を行う際には、粘着テープの他に、重く嵩張る装置を持ち運ぶ必要があり、煩雑であった。
【0005】
本発明は、粘着テープを対象物に貼着する際に、簡素な構造で粘着テープを対象物に対して貼着することができる粘着テープの貼着構造と、それを使用した粘着テープの貼着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
粘着テープロールと、粘着テープロールの前方に配置された前方ロールと、粘着テープロールの後方に配置された後方ロールとを有する粘着テープの貼着構造であり、粘着テープロールの回転面と前方ロールの回転面とが接しており、粘着テープロールの回転面と後方ロールの回転面が接しており、粘着テープロールの外径に対する前方ロールの外径の比率は、50%以上かつ150%以下であり、粘着テープの外径に対する後方ロールの外径の比率は、50%以上かつ200%以下であり、前方ロールの幅は、粘着テープロールの幅と同等、又は粘着テープロールの幅に比して、大きく構成されており、粘着テープロールから引き出された粘着テープは、ロールの内側面に粘着面が配置されており、前方ロールの上方を経て下方に巻き込まれて、粘着テープロールの下と後方ロールの下を通過して、対象物に貼着される粘着テープの貼着構造により、上記の課題を解決する。
【0007】
また、上記の粘着テープの貼着構造の後方ロールで粘着テープロールを押して粘着テープロールを回転させて、粘着テープを対象物に対して貼着する粘着テープの貼着方法により、上記の課題を解決する。
【0008】
上記の粘着テープの貼着構造、又は粘着テープの貼着方法においては、粘着テープロールの回転面は、後方ロールの回転面と接触している。後方ロールで粘着テープロールを押すと、前に押される力で粘着テープロールが回転し始める。粘着テープロールの回転面は、前方ロールの回転面と、後方ロールの回転面と接触しているため、粘着テープロールの回転に伴って前方ロールと後方ロールとが回転する。前方ロールには、粘着テープが掛け回されているため、前方ロールの回転によって、粘着テープロールから粘着テープが繰り出される。繰り出された粘着テープは、前方ロール、粘着テープロール、又は後方ロールによって、押下されて、対象物に貼着される。
【0009】
上記の粘着テープの貼着構造、又は粘着テープの貼着方法において、後方ロールは、後方ロールを回転可能な状態で支持する支持部と、当該支持部に連結される把持部を備えるものとすることが好ましい。この構成によれば、ユーザーは、把持部を介して後方ロールを前方に押すことにより、後方ロールと、粘着テープロールと、前方ロールとを回転させて、粘着テープを対象物に貼着することができる。
【0010】
上記の粘着テープの貼着構造、又は粘着テープの貼着方法において、粘着テープは、粘着テープが繰り出される方向に沿って筋状に粘着剤層が設けられたものとしてもよい。粘着剤層を筋状にすることによって、粘着テープロールから粘着テープを繰り出す際の抵抗が小さくなり、粘着テープを施工しやすくなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、粘着テープを対象物に貼着する際に、簡素な構造で粘着テープを対象物に対して貼着することができる粘着テープの貼着構造と、それを使用した粘着テープの貼着方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】粘着テープの貼着構造の一例を示す側面図である。
図2図1の粘着テープの貼着構造において前方ロールとテープロールとの間を空けた状態を示す側面図である。
図3図1の粘着テープの貼着構造の斜視図である。
図4図1の粘着テープの貼着構造における後方ロールの部分的な断面図である。
図5図1の粘着テープの貼着構造において使用したテープロールの斜視図である。
図6】後方ロールの他の例を示す部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の粘着テープの貼着構造とそれを使用した粘着テープの貼着方法の一実施形態について説明する。以下に示す各実施形態は、本発明の限られた例に過ぎず、本発明の技術的範囲は例示した実施形態に限定されるものではない。
【0014】
図1ないし図3に粘着テープの貼着構造(以下、貼着構造と称する。)の一実施形態を示す。本実施形態の貼着構造1は、粘着テープロール11と、粘着テープロール11の前方に配置された前方ロール12と、粘着テープロール11の後方に配置された後方ロール13とを有する。
【0015】
図1に示したように、粘着テープロール11の回転面と前方ロール12の回転面とが、互いに接するように配置する。同様に、粘着テープロール11の回転面と後方ロール13の回転面とが、互いに接するように配置する。なお、本明細書において、回転面とは、ロール又は粘着テープロールを構成する円筒又は円柱の側面のことをいう。
【0016】
粘着テープロール11は、ロールの内側となる面(内側面と称する。)に粘着面が配置されるように、粘着テープをロール状に巻回したものである。本実施形態の貼着構造においては、粘着テープロール11として、表面に離型層を設けた円筒状の芯材111に対して、粘着テープを巻回したものを使用している。芯材は円筒状のものに限られず、例えば、円柱状にしてもよい。表面の離型層は省略してもよい。芯材を利用することによって、粘着テープを最後まで繰り出すことが可能になる。また、芯材を利用することによって、粘着テープの残量が少なくなった際においても、粘着テープを安定して繰り出すことが可能になる。
【0017】
本実施形態の貼着構造1においては、図3に示したように、前方ロール12として、粘着テープロール11の幅(W2)を基準として、前方ロール12の幅(W3)がより大きいものを使用している。これによって、粘着テープ1112の左右の端部に皺が発生することを抑えて、粘着テープをきれいに貼着することが可能になる。前方ロールの幅と、粘着テープロールの幅とは、相等しくなるように構成してもよい。
【0018】
本実施形態の貼着構造1においては、図4に示したように、後方ロール13として、左右の端部にワッシャー131と、ベアリングホルダ132とを取り付けた円筒状の部材を使用している。後方ロール13は、支持部14によって、回転可能な状態で支持されている。
【0019】
支持部14は、後方ロール13の延在方向に沿って延びる第1部分141と、第1部分141の左右の端部から突出する第2部分142とを有する。第2部分142とベアリングホルダ132には、回転軸143が挿通される。これにより、支持部14と後方ロール13とが回転可能な状態で連結される。ベアリングホルダ132には、ベアリング(図示略)が内蔵されており、ベアリングを介して、回転軸143を後方ロール13に対して連結する。第1部分141の中ほどには、棒状の把持部15が連結される。ユーザーは、把持部15を手で押すことにより後方ロール13を回転させることができるようになっている。
【0020】
本実施形態の貼着構造1では、粘着テープを貼着する対象物の上に粘着テープロール11を配置し、粘着テープロール11の前方に前方ロール12を配置し、粘着テープロール11の後方に後方ロール13を配置する。図2に示しように、粘着テープロール11から粘着テープ112を引き出す。引き出された粘着テープ112は、前方ロール12の上方、及び側面を経て、前方ロールの下方に巻き込まれるように、前方ロール12に対して巻回される。粘着テープロール11では、図5に示したように、粘着テープロールの内側面に粘着面が配置されている。粘着テープ112は、前方ロール12に巻回することで、その粘着面が粘着テープを貼着する対象物と対向するように方向転換される。
【0021】
図1に示したように、把持部15を前方に押すことにより、後方ロール13は、前方に押される。粘着テープロール11は、後方ロール13に押されて、逆方向に回転する。後方ロール13及び前方ロール12は、粘着テープロール11の回転に伴って、順方向に回転する。粘着テープ112は、前方ロール12の回転運動により順次繰り出されて、前方ロール12に巻き込まれながら対象物2に対して貼着される。対象物2に貼着された粘着テープ112の上を、前方ロール12、粘着テープロール11、又は後方ロール13が通過することにより、対象物2に対して粘着テープ112が押下され、対象物2と粘着テープとが密着する。
【0022】
本実施形態の貼着構造1においては、図5に示したように、粘着テープ112としては、粘着テープ112が繰り出される方向に沿って筋状に粘着剤層113が設けられている。この構成では、粘着テープの全面に粘着剤層が設けられた構成に比して、粘着テープを繰り出す際の抵抗を小さくすることができる。これによって、粘着テープが円滑に繰り出されるようにされている。
【0023】
粘着テープ112の両端部には、粘着テープの繰り出し方向に沿って、中ほどに配される粘着剤層113に比して、広幅の粘着剤層113が設けられる構成としている。この構成により、粘着テープの端部が剥がれにくいように構成されている。
【0024】
本実施形態の貼着構造1においては、粘着テープロール11の外径(図1のH2)に対する前方ロールの外径(図1のH3)の比率は、50%以上かつ150%以下であり、粘着テープの外径(図1のH2)に対する後方ロールの外径(図1のH1)の比率は、50%以上かつ200%以下とされている。この構成により、粘着テープロール11が前方ロール12に乗り上げたり、粘着テープロール11が前方ロール12の下に潜り込んだり、後方ロール13が粘着テープロール11に乗り上げたり、後方ロール13が粘着テープロール11の下に潜り込んだりすることを防止して、粘着テープ(養生テープ)を対象物2に対して、円滑に貼着することができる。なお、粘着テープロールは、粘着テープが繰り出されることによって、外径が変化する。最初に粘着テープロールを配置した際の外径と全ての粘着テープロールが繰り出された際の外径とを基にして求めた粘着テープロールの外径に対する前方ロールの外径の比率と、粘着テープロールの外径に対する後方ロールの外径の比率とが、上述の範囲となるようにすればよい。
【0025】
粘着テープロールの外径に対する後方ロールの外径の比率は、70%以上かつ190%以下とすることがより好ましい。粘着テープの外径に対する前方ロールの外径の比率は、70%以上かつ140%以下とすることがより好ましい。
【0026】
前方ロールは、上述のように粘着テープロールの幅と同等、又は粘着テープロールの幅に比して大きく構成された円筒状又は円柱状の部材であればよい。前方ロールとしては、例えば、プラスチック、紙、金属など任意の素材で構成された中実な棒体又は円筒体等を使用することができる。例えば、施工現場にある円滑な回転面を有するプラスチック製のパイプ、別の粘着テープロールなどを前方ロールとして使用することができる。施工現場にあるありあわせの資材を前方ロールとして利用すれば、施工現場に搬入する資材の量を少なくすることができるので好ましい。
【0027】
後方ロールの幅や素材は特に限定されない。後方ロールは、例えば、プラスチック、紙、金属など任意の素材で構成することができる。上記の実施形態の粘着構造1においては、図3に示したように、後方ロール13の幅(W1)は、粘着テープロール11の幅(W2)よりも大きいものを使用している。後方ロールの幅(W1)は、例えば、粘着テープロールの幅(W2)と同じにしてもよいし、粘着テープロールの幅(W2)よりも小さくしてもよい。
【0028】
後方ロール、支持部、又は把持部の形状は、上記の実施形態の例に限定されない。後方ロール、支持部、又は把持部は、例えば、図6に示した構成にしてもよい。図6の例では、後方ロール13bは、第1ロール131bと第2ロール132bとを有する。第1ロール131b及び第2ロール132bは、円筒状の部材であり、左右の端部にベアリング133bをそれぞれ備える。ベアリング133bは、円筒の内周面に配置される。
【0029】
第1ロール131b及び第2ロール132bには、棒状の支持部14bが挿通された状態で固定されている。第1ロール131bと第2ロール132bとの間には、間隔が空いており、棒状の支持部14bが露出した状態となっている。棒状の支持部の中ほどには、棒状の把持部15bが連結される。
【0030】
支持部は、後方ロールを回転可能な状態で支持することができる構成であればよく、図4図6に示した例とは異なる構成であってもよい。また、ベアリングなどは省略可能であり、穴に回転軸を嵌めたような簡素な構成であってもよい。把持部も、図4及び図6の例に限定されず、ユーザーが手で把持して、後方ロールを操作できるものであればよい。後方ロールの構成も、図4又は図6の例に限定されず、円筒状又は円柱状のロールを備えるものであればよい。
【0031】
粘着テープロールから繰り出される粘着テープは、図5の例に限定されず、粘着剤が粘着テープの貼付け面の全面に設けられたものとしてもよい。
【0032】
以下、本発明の実施例を挙げて、具体的に説明する。以下に示す各実施例は、本発明の一例に過ぎず、本発明の技術的範囲は例示した実施例に限定されるものではない。
【0033】
[実施例1]
粘着テープとして、表1に記載のように、外径110mmであり、テープ幅が900mmであり、粘着テープロールの内側に粘着剤層が配置された粘着テープロールを使用した。粘着テープロールは、円筒状の芯材を備えるものを使用した。粘着テープには、粘着テープの繰り出し方向に沿って、筋状の粘着剤層が形成されている。粘着テープの両端部には、幅50mmの粘着剤層が設けられており、添着テープの中ほどには、幅2mmの粘着剤層が設けられている。粘着剤層は、アクリル系粘着剤を塗布することにより形成されている。
【0034】
後方ロールとして、図4に示した把持部と支持部と後方ロールとを備えるものを使用した。後方ロールの外径は、表1に記載のように、110mmであり、後方ロールの幅は900mmである。後方ロールの素材は、モノマーキャストナイロンである。
【0035】
前方ロールは、表1に記載のように、外径が110mmであり、幅が900mmであるポリ塩化ビニル製の円筒管を使用した。なお、表1においてカッコ内に示した数値(%)は、粘着テープロールの外径に対する後方ロールの外径の比率(A)、粘着テープロールの外径に対する前方ロールの外径の比率(B)を示す。具体的に、それぞれの比率は、以下のようにして求めた。なお、粘着テープロールの外径は、テープが繰り出されていない初期の値とした。
比率(A)(%)=後方ロールの外径÷粘着テープロールの外径×100
比率(B)(%)=前方ロールの外径÷粘着テープロールの外径×100
【0036】
図1に示したように、前方ロール、粘着テープロール、及び後方ロールを、それぞれの回転面が接するように、前方から記載した順に配置した。粘着テープロールから粘着テープを繰り出して、粘着テープが前方ロールの上方及び側面を経て下方に至るように、粘着テープを前方ロールに巻回した。この状態で後方ロールを前方に押して、粘着テープ(養生テープ)を床面に対して貼り付ける作業を行った。
【0037】
[実施例2]
前方ロールの外径を表1に記載のように82mmに変更した点以外は、実施例1と同様にして貼着構造を構築して、粘着テープを貼り付ける作業を行った。
【0038】
[実施例3]
後方ロールの外径を表1に記載のように82mmに変更した点以外は、実施例1と同様にして貼着構造を構築して、粘着テープを貼り付ける作業を行った。
【0039】
[実施例4]
粘着テープロールの外径を表1に記載のように90mmに変更し、前方ロールの外径を表1に記載のように125mmに変更した点以外は、実施例1と同様にして貼着構造を構築して、粘着テープを貼り付ける作業を行った。
【0040】
[実施例5]
後方ロールの外径を表1に記載のように200mmに変更した以外は、実施例1と同様にして貼着構造を構築して、粘着テープを貼り付ける作業を行った。
【0041】
[比較例1]
前方ロールの外径を表1に記載のように33mmに変更した点以外は、実施例1と同様にして貼着構造を構築して、粘着テープを貼り付ける作業を行った。
【0042】
[比較例2]
後方ロールの外径を表1に記載のように33mmに変更した点以外は、実施例1と同様にして貼着構造を構築して、粘着テープを貼り付ける作業を行った。
【0043】
[比較例3]
前方ロールの外径を表1に記載のように200mmに変更した点以外は、実施例1と同様にして貼着構造を構築して、粘着テープを貼り付ける作業を行った。
【0044】
[比較例4]
後方ロールの外径を表1に記載のように300mmに変更した点以外は、実施例1と同様にして貼着構造を構築して、粘着テープを貼り付ける作業を行った。
【0045】
[比較例5]
前方ロールの幅を表1に記載のように600mmに変更した点以外は、実施例1と同様にして貼着構造を構築して、粘着テープを貼り付ける作業を行った。
【0046】
【表1】
【0047】
実施例1から実施例5と比較例1から比較例5の貼着構造を用いて、粘着テープ(養生テープ)を貼り付ける作業を行ったところ、粘着テープに皺ができたり、前方ロールと粘着テープロールと後方ロールとの位置関係が乱れることなく、円滑に粘着テープを床面に対して貼着することができた。比較例1の貼着構造では、粘着テープロールが前方ロールに乗り上げてしまった。これによって、各ロールと粘着テープロールの正常な回転が妨げられてしまった。その際に、粘着テープの粘着剤層同士がくっつき、修正に手間を要した。比較例2の貼着構造では、後方ロールが粘着テープロールの下に潜り込み、粘着テープロールが上に持ち上げられてしまった。これによって、各ロールと粘着テープロールの正常な回転が妨げられてしまった。その際に、粘着テープの粘着剤層同士がくっつき、修正に手間を要した。比較例3の貼着構造では、粘着テープが前方ロールによって上方に引っ張られて、後方ロールが粘着テープロールの下に潜り込んでしまった。これによって、各ロールと粘着テープロールの正常な回転が妨げられてしまった。比較例4の貼着構造では、後方ロールがテープロールを乗り越えてしまうため、正常に粘着テープロールを押すことができなかった。比較例5に係る貼着構造では、繰り出された粘着テープの左右の端部が前方ロールに接していないため、粘着テープの左右の端部に皺が発生した状態で床面に貼着されてしまった。
【0048】
以上のように、実施例1ないし5の貼着構造では、簡素な構造によって、対象物である床面に対して、きれいに粘着テープ(養生テープ)を貼着することが可能である。上記の実施例では対象物として床面の例を挙げたが、床面以外の対象物に対しても同様にして粘着テープを貼着することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 貼着構造
11 粘着テープロール
12 前方ロール
13 後方ロール
14 支持部
14b 支持部
15 把持部
15b 把持部
113 粘着剤層


図1
図2
図3
図4
図5
図6