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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010823
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】剪断刃取付け構造
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/26 20060101AFI20220107BHJP
   B26D 1/08 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
B26D7/26
B26D1/08
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111581
(22)【出願日】2020-06-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】510195858
【氏名又は名称】ソルテック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼塩 吉治
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼塩 竜太
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
【Fターム(参考)】
3C021JA05
3C021JA09
3C027JJ04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】固定刃の刃面と可動刃の刃面との間のクリアランスの微調整を容易にする。
【解決手段】昇降運動を行う可動刃ホルダ6に可動刃7を取り付け、可動刃7の下方位置で支持プレート2とその上方の摺動ガイド13との間に固定刃10を進退変位自在に配置し、固定刃10の後方側で支持プレート2に設けた後端プレート12に、先端部に大径頭部14aを有するスライドピン14を水平に貫通させて設け、大径頭部14aを介して固定刃10を付勢するコイルばね15を配設し、可動刃7に、固定刃10の一方の端部分の刃面10aに掛合するガイドプレート9を設け、支持プレート2の前面10cにストッパ17を取り付け、ストッパ17の一個所に抜け出し許容部を設け、支持プレート2からの固定刃10の所要突出量に応じた厚みのシム板30を、スタッドボルト16の先端部に挿通して中間ナット16aとストッパ17との間に介挿した剪断刃取付け構造。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドロッドに案内されて支持プレートに対する昇降運動を行う可動刃ホルダに取り付けられた可動刃と、
前記可動刃の下方位置で、前記支持プレートとその上方の摺動ガイドとの間に進退変位自在に配置された固定刃と、
前記固定刃の後方側で前記支持プレートに設けられた後端プレートを水平に貫通して配置され、先端部に大径頭部を有するとともに後端部に雌ネジ部材を螺合されたスライドピンと、
前記後端プレートと前記大径頭部との間で前記スライドピンの周りに配置され、前記大径頭部を介して前記固定刃をその刃面が前記可動刃の刃面に接近する方向に押圧する弾性部材と、
前記可動刃にその下方側へ突出して設けられ、前記固定刃の一方の端部分の刃面に掛合するガイドプレートと、
前記支持プレートの前面に、中間ナットを持つスタッドボルトとその先端部に螺合する取付けナットとで取り付けられ、前記固定刃の他方の端部分の前面に掛合してその固定刃を抜け止めするとともに、周方向の少なくとも一個所に前記固定刃との掛合を解除する抜け出し許容部を設けられたストッパと、
前記スタッドボルトの先端部に挿通され、そのスタッドボルトの中間ナットと前記ストッパとの間に介挿された、前記支持プレートからの前記固定刃の所要突出量に応じた厚みのシム板と、
を備えてなる剪断刃取付け構造。
【請求項2】
前記中間ナットは前記スタッドボルトと一体のものであることを特徴とする請求項1記載の剪断刃取付け構造。
【請求項3】
前記シム板は穴あき円板状のものであることを特徴とする請求項1または2記載の剪断刃取付け構造。
【請求項4】
前記シム板の交換の際に前記ストッパの代わりに前記支持プレートと前記摺動ガイドとの間からの前記固定刃の抜け出しを止める予備ストッパを備えることを特徴とする請求項1から3までの何れか1項記載の剪断刃取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙、布、プラスチックフィルムもしくはシート、それらの積層体などからなるワークを切断または裁断するのに用いられる剪断刃の取付け構造に関し、特には、可動刃および固定刃の取付け作業を容易にし、かつ弾性部材の紛失や永久歪を防止するとともに、固定刃の刃面と可動刃の刃面との間のクリアランスの微調整を容易にする剪断刃取付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の剪断刃取付け構造としては、たとえば本願出願人が特許文献1で提案したものがある。これは、図5(a),(b)にそれぞれ正面図および側面図で示すように、直線状刃縁を有する可動刃51を、ガイドロッド52に案内されて昇降運動を行う可動刃ホルダ53にボルト止めする一方、その可動刃51と対向する位置で、固定部材としての支持プレート54上に、これもまた直線状刃縁を有する固定刃55を配置し、そして、この固定刃55を、その固定刃55とその背後に配設されて支持プレート54と一体をなす後端プレート56との間に直接的に介装した弾性部材57によって前方側へ付勢して、固定刃55の刃面55aの、可動刃51の刃面51aへの押圧を可能とし、この一方で、その固定刃55の一方の端部分を、支持プレート54の前面にボルト止めしたストッパ58により抜け止めするとともに、そのストッパ58の周方向の一個所に固定刃55との掛合を解除する抜け出し許容部59を設け、また、固定刃55の他方の端部分を抜け止めするガイドプレート60を、可動刃51から図では下方に突出させて裏面側で固定刃55の刃面55aに接触させたものである。
【0003】
かかる剪断刃取付け構造によれば、摩耗した可動刃51の交換は、可動刃ホルダ53への取付けボルト61を緩めて、摩耗した可動刃51を取り外すとともに、研磨済みの可動刃51をその可動刃ホルダ53に取付けボルト61で十分に締付け固定することより、簡単かつ容易に行うことができ、また、固定刃55の交換は、はじめに、ストッパ58の締付けボルト62を緩めて、そのストッパ58を、そこに設けた抜け出し許容部59が固定刃55との掛合を解除する位置まで回動させ、次いで、ストッパ58による拘束を解除された固定刃55を、弾性部材57の作用下で支持プレート54の前方側へ突出させるとともに、その固定刃55をさらに手前側に抜き出すことによって、固定刃55の、支持プレート54からの離脱をもたらし、さらに、新しい固定刃55を支持プレート上に載置するとともに、それを弾性部材57のばね力に抗して所定位置まで後退させ、しかる後、固定刃55をその後退位置に保ったまま、ストッパ58を固定刃55との掛合位置へ回動させ、続いて、締付けボルト62によってそのストッパ58を締付け固定することにより、これもまた簡単かつ容易に行うことができる。
【0004】
ところで、先の特許文献1記載の剪断刃取付け構造では、弾性部材57が、固定刃55に設けた窪み部内に緩くかつ浅く嵌め込まれているにすぎず、その弾性部材57が、固定刃55および後端プレート56のいずれにも取付けられていないことから、その固定刃55の脱着、なかでも特に取外しに際して、弾性部材57が固定刃55の窪み部から脱落することがあり、その脱落に起因して弾性部材57を紛失することが少なからずあるという課題や、固定刃55の脱着の際に弾性部材57に剪断変形を生じさせて、弾性部材57に「く」字状に折曲された永久歪が残留することがあるという課題があることが判明した。
【0005】
そこで本願出願人は次に、この課題を解決する剪断刃取付け構造を特許文献2で提案しており、この剪断刃取付け構造は、図6に縦断面図で示すように、先の特許文献1記載の剪断刃取付け構造における、固定刃55の後方側で支持プレート54に設けた後端プレート56に、先端部に大径頭部14aを有するとともに一般に剪断外力に対して高剛性を持つスライドピン14を水平に貫通させて設け、このスライドピン14の後端部分に雌ねじ部材としてのナット14bとワッシャ14cを装着するとともに、後端プレート56と大径頭部14aとの間で、スライドピン14の周りに、それを可動刃51側に付勢して、固定刃55の刃面55aを、前記大径頭部14aを介して可動刃51の刃面51aに押圧する弾性部材としてのコイルばね15を配設したものである。
【0006】
この後者の剪断刃取付け構造ではまた、固定刃55の、支持プレート54の前面からの突出量を特定する穴あき円板状のスペーサ28を、ストッパ58の締付けボルト62に挿通して支持プレート54とストッパ58との間に介挿しており、これによれば、スペーサ28の軸線方向長さ(厚み)を予め選択することによってボルト62の締込量を常に一定なものとすることができるので、固定刃55の、支持プレート54からの突出量を、ワークの剪断に最適な値とすることができる。従って、固定刃55のその突出量を、スペーサなしに調整する場合に比して、常に優れた切れ味を実現することができ、また、剪断刃の刃縁の衝接に起因する、刃欠けもしくは刃割れのおそれを十分に取り除くことができる。
【0007】
ここで、スペーサ28の厚み、いいかえれば軸線方向長さは、剪断刃の摩耗の進行につれて次第に長くすることができ、これによれば、固定刃55の突出量を予め定めた所定量ずつ漸次増加させて固定刃55の刃面55aと可動刃51の刃面51aとの間のクリアランスを常にゼロもしくは微小とし、剪断刃の優れた切れ味を長期間にわたって維持することができる。また、そのスペーサ28の軸線方向長さは、剪断されるワークの厚みが厚くなるほど短くして、固定刃55の刃面55aと可動刃51の刃面51aとの間のクリアランスを大きくすることができ、これによれば、厚いワークを剪断する際の、剪断刃への過負荷の作用を有効に防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭64-023396号公報
【特許文献2】特開平08-197485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、近年のワークの多様化に伴い、剪断するワークの材質や厚み等に応じて固定刃の刃面と可動刃の刃面との間のクリアランスを微調整する必要が生じているのに対し、上記従来技術ではそのクリアランスの微調整の際に支持プレート54からボルト62を外してスペーサ28を厚みの僅かに異なるものに交換する必要があり、微調整を行うのが難しいという問題があった。
【0010】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、可動刃および固定刃の取付け作業を容易にし、かつ弾性部材の紛失や永久歪を防止するとともに、固定刃の刃面と可動刃の刃面との間のクリアランスの微調整を容易なものとする剪断刃取付け構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を有利に解決するこの発明の剪断刃取付け構造は、ガイドロッドに案内されて支持プレートに対する昇降運動を行う可動刃ホルダに可動刃を取り付け、その可動刃の下方位置で、支持プレートとその上方の摺動ガイドとの間に固定刃を進退変位自在に配置し、この固定刃の後方側で支持プレートに設けた後端プレートに、先端部に大径頭部を有するスライドピンを水平に貫通させて設け、このスライドピンの後端部分に雌ねじ部材を螺合させるとともに、後端プレートと大径頭部との間でスライドピンの周りに、そのスライドピンの大径頭部を介して固定刃をその刃面が可動刃の刃面に接近する方向に押圧する弾性部材を配設し、また、可動刃にその下方側へ突出して裏面側で固定刃の一方の端部分の刃面に接触するガイドプレートを設けるとともに、支持プレートの前面に、中間ナットを持つスタッドボルトとその先端部に螺合する取付けナットとで、固定刃の他方の端部分の前面に掛合してそれを抜け止めするストッパを取り付け、このストッパの周方向の少なくとも一個所に、それと固定刃との掛合を解除する抜け出し許容部を設け、さらに、スタッドボルトの先端部に、支持プレートからの固定刃の所要突出量に応じた厚みのシム板を掛合させて、このシム板をスタッドボルトの中間ナットとストッパとの間に介挿したものである。
【0012】
ここで好ましくは、中間ナットをスタッドボルトと一体のものとする。
【0013】
また好ましくは、シム板を穴あき円板状のものとする。
【0014】
さらに好ましくは、シム板の交換の際にストッパの代わりに支持プレートとその上方の摺動ガイドとの間からの固定刃の抜け出しを止める予備ストッパを備えるものとする。
【発明の効果】
【0015】
この発明の剪断刃取付け構造では、後端プレートに水平に貫通させたスライドピンの周りに、固定刃を可動刃側に押圧する弾性部材を配設するとともに、そのスライドピンを、それの先端部の大径頭部と後端部の雌ねじ部材とで後端プレートに対して抜け止めすることにより、支持プレートから固定刃を取り外した場合にもなお、その弾性部材を、スライドピン上に確実に保持することができるので、弾性部材の不測の脱落および紛失を確実に防止することができる。
【0016】
またここでは、一般に高い剛性で弾性部材を保持するスライドピンが、固定刃に当接してそれを直接的に押圧することから、固定刃の組付けに当って、固定刃の一方の端部分をガイドプレートの裏面側へ差し込む場合に、そのスライドピンが、弾性部材の圧縮変形下での、そのスライドピンと固定刃との摩擦力によって剪断方向の力を受けても、スライドピンおよび弾性部材のいずれも剪断方向に変形されることがなく、ましてや、それらの一方もしくは双方が「く」字状の折曲を生じることも、剪断歪を残留させることもなく、従って、弾性部材およびスライドピンは、組付け後の固定刃に対し、常に所期した通りの押圧力を作用させることができる。そしてこのことは、既設の固定刃の一方の端部分をガイドプレートの裏面側から抜き出すに当たってもまたほぼ同様である。
【0017】
このような剪断刃取付け構造において、スライドピンのスライドストロークを、そのスライドピンの後端部分に螺合させた雌ねじ部材によって調整する場合には、そのスライドストロークを小さくして弾性部材を予備圧縮変形させておき、固定刃の組付けに際する弾性部材の圧縮変形量を小さくすることにより、その固定刃に作用する弾性押圧力は一定であっても、その組付け作業を容易なものとすることができる。
【0018】
またこの場合には、雌ねじ部材の十分な締め込みにより、固定刃の組付けに際して、固定刃に弾性押圧力が作用しないようにすることで、スライドピンおよび弾性部材に剪断力を全く及ぼすことなしに固定刃を支持プレート上に配置することができる。なお、固定刃の配置後は、雌ねじ部材を緩めることによって、その固定刃に所要の弾性押圧力を付与するとともに、弾性押圧力の作用下での固定刃の所要の進退ストロークを確保する。
【0019】
ここで、スライドピンの大径頭部の、固定刃への当接面を曲面形状とした場合には、固定刃の組付けおよび取外しに際して、固定刃がスライドピンから受ける摩擦抵抗を有効に低減して、固定刃の組付け等の作業を円滑にし、かつ容易なものとすることができる。そしてこのことは、スライドピンそれ自体を摩擦係数の小さい合成樹脂その他の材料で構成し、あるいはスライドピンを摩擦係数の小さい材料で表面処理した場合には、一層顕著である。
【0020】
そしてまた、固定刃を支持プレート上に位置決め固定して、弾性部材による固定刃押圧力を支持する固定手段、たとえば、支持プレートに貫通して、固定刃に設けた雌ねじ部に螺合するボルト等からなる固定手段、あるいは、固定刃と支持プレートとの双方に貫通して、頭部が固定刃表面より没するボルトおよび、その先端部に螺合するナット等からなる固定手段を設けた場合には、特に、固定刃への弾性押圧力の作用下では負荷が大きくなりすぎて可動刃のストロークが不能となることがある、厚さの厚いワークの剪断を十分円滑に行うことができる。
【0021】
さらに、可動刃の少なくとも二個所に、そこへのボルト挿通孔に連続する抜き孔を設けた場合には、可動刃の、可動刃ホルダからの取り外しに当り、それら少なくとも二個所にて、緩めた締込みボルトを完全に抜き取ることなしに、可動刃を持ち上げてそれぞれの抜き孔をそれぞれのボルトと対応させた姿勢として、その可動刃をボルトから取り外すことにより、総ての締込みボルトを完全に抜き取って取り外すことに起因する可動刃の不測の脱落を確実に防止することができる。
【0022】
また、ストッパを、スペーサを介して支持プレートに取付けた場合には、ストッパ取付けボルトの締込量を常に一定ならしめて、固定刃の、支持プレート前面からの突出量を、ワークの剪断に最適な値に確実に維持することができる。なお、剪断刃の摩耗が進行した場合には、スペーサの厚みを大きくして、固定刃の突出量を予め定めたところに従って増加させることにより、剪断刃の優れた切れ味を長期間にわたって維持することができる。
【0023】
加えて、前記スペーサを、ストッパ取付けボルトに螺合させた雌ねじ部材によって構成した場合には、ストッパ取付けボルトの脱着に際する、そのスペーサおよびストッパの不測の脱落を十分に防止することができる。
【0024】
さらに、この発明の剪断刃取付け構造では、中間ナットを持つスタッドボルトとその先端部に螺合する取付けナットとで上記ストッパを取り付け、そのスタッドボルトの先端部に、支持プレートからの固定刃の所要突出量に応じた厚みのシム板を掛合させて、このシム板をスタッドボルトの中間ナットとストッパとの間に介挿したことにより、スタッドボルトを支持プレートに締付け固定したままスタッドボルトの先端部に対して取付けナットとストッパとシム板とを脱着するだけで、シム板を厚みの異なるものと交換することができるので、比較的厚みが薄いシム板の不測の脱落や紛失を防止し得て、固定刃の刃面と可動刃の刃面との間のクリアランスの微調整を容易に行うことができる。
【0025】
ここで、スタッドボルトが持つ中間ナットをスタッドボルトと一体のものとした場合には、中間ナットを工具で回すことでスタッドボルトを支持プレートに締着固定することができるので、この剪断刃取付け構造の組立て作業を容易なものとすることができる。
【0026】
また、シム板をワッシャのような穴あき円板状のものとした場合には、スタッドボルトの先端部にシム板を挿通して掛合させることができるので、シム板を厚さの異なるものと交換する際のシム板の不測の脱落や紛失をより確実に防止することができる。
【0027】
そして、シム板の交換の際にストッパの代わりに支持プレートとその上方の摺動ガイドとの間からの固定刃の抜け出しを止める予備ストッパを備えるものとした場合には、予備ストッパで固定刃の抜け出しを止めた状態でスタッドボルトの先端部に対して取付けナットとストッパとシム板とを脱着することができるので、シム板を厚さの異なるものと交換する作業をより容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】この発明の剪断刃取付け構造の一実施形態を示す要部縦断面図である。
図2】可動刃と固定刃のそれぞれの組付け状態を示す略線斜視図である。
図3】固定刃の固定手段を例示する分解斜視図である。
図4】この発明の他の一実施形態を示す要部正面図である。
図5】(a),(b)は従来例の剪断刃取付け構造を示す正面図および側面図である。
図6】上記従来例の剪断刃取付け構造を示す要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の剪断刃取付け構造の一実施形態を示す要部縦断面図である。なお、この発明の剪断刃取付け構造の基本的な構成は、図5に示す従来例で述べたところとほぼ同様であるので、ここでは図示を省略する。
【0030】
図中符号1は支持脚を、2は、その支持脚上に固定されて水平面内で延在する支持プレートを、3は、支持プレート2の長さ方向の両端部分に垂直姿勢で取付けたガイドロッドを、そして4は、両ガイドロッド3の上端にボルト固定されて、ガイドロッド3の剛性を高めるクロスメンバをそれぞれ示す。
【0031】
ここでは、それぞれのガイドロッド3にそれぞれのガイドブッシュ5を、それらの各軸線方向に摺動可能に嵌め合わせ、また、後述する図4に示すモータ33の作動に基づいて昇降駆動される可動刃ホルダ6のそれぞれの端部分にそれらのガイドブッシュ5を嵌め合わせるとともに、その可動刃ホルダ6に締込みボルトによってガイドブッシュ5を締付け固定する。
【0032】
またここでは、ガイドブッシュ5とともに昇降駆動されるその可動刃ホルダ6に、直線状の刃縁7aを有する可動刃7を、その可動刃7の長さ方向の複数個所、たとえば四箇所で、ボルト8によって強固に締付け固定する。これによれば、可動刃7は、可動刃ホルダ6の前面に、その可動刃7の全長にわたってほぼ完全に密着されることになるので、たとえばその可動刃7に反りが発生している場合であっても、その反りの影響を十分に除去することができる。
【0033】
なお、図中符号9は、可動刃7の長さ方向の一端部に可動刃7から下方へ突出させて設けたガイドプレートを示し、このガイドプレート9は、直線状刃縁7aが最も低下する側の端部から突出して、可動刃7の上昇姿勢でなお、支持プレート2上の固定刃10の刃面10aに裏面側で接触するので、可動刃7の下降に際して、それらの可動刃7,固定刃10のそれぞれの直線状刃縁7a,10bの確実なる噛み合いを実現することができる。
【0034】
さらに、図2に略線斜視図で示すように、支持プレート2の上面に、二本の位置決めピン11(図では一本だけを示す)を、所定の間隔をおいて固設することによって、その支持プレート2上に配置した固定刃10の長さ方向位置を、好ましくは1mm程度の余裕をもって拘束可能とし、加えて支持プレート2の後端に、縦断面内でそれと直角をなす方向に向く後端プレート12をたとえばボルトによって取付ける。
【0035】
そして、後端プレート12の頂面には、図1に示すように、支持プレート2上に配置した固定刃10の、前後方向への摺動変位を案内する摺動ガイド13を固定し、この摺動ガイド13は、それに後方突出部分13aを設けるとともに、その後方突出部分13aを下方に向けて傾斜させることにより、その上面をもって固定刃10上へのワークの供給を案内することができる。また、後端プレート12の高さ方向の中間部には、その後端プレート12の長さ方向に間隔をおいて位置する複数本のスライドピン14を水平に貫通させ、それらのスライドピン14を各々、水平姿勢を維持したままでその軸線方向に摺動可能とする一方、そのスライドピン14の一端部に設けた大径頭部14aと、そのスライドピン14の他端部に装着したナット14bおよびワッシャ14cにより、後端プレート12に対して抜け止めする。
【0036】
なお、この実施形態では、固定刃10の長さ方向に所定の間隔をおいて、その固定刃10と後端プレート12との間で、スライドピン14の周りに弾性部材としてたとえばコイルばね15を配設して、そのコイルばね15の一端を、ワッシャを介して大径頭部14aに着座させ、またその他端を、他のワッシャを介して後端プレート12に着座させる。従って、このコイルばね15は、スライドピン14の大径頭部14aを介して固定刃10を押圧することになり、しかもこのコイルばね15は、固定刃10が支持プレート2から取り外されてもなお、スライドピン14上に確実に保持されることになる。
【0037】
ここにおいて好ましくは、たとえばナット14bを二重ナットとしてスライドピン14の任意の位置で締付け固定可能とすることで、ナット14bの締込量を所要に応じて選択可能とし、これによってスライドピン14のストローク量の調整を可能にする。
【0038】
また好ましくは、スライドピン14の、固定刃10への当接面である大径頭部14aの先端面を図示のように略半球状の曲面形状として、固定刃10の組付けおよび取外しに際し、それがスライドピン14から受ける摩擦抵抗を十分小さくする。なお、このことは、スライドピン14それ自体を摩擦係数の小さい材料にて構成し、あるいはスライドピン14を摩擦係数の小さい材料にて表面処理した場合に、より顕著である。
【0039】
さらにここでは、一端部をガイドプレート9の裏面側に接触させた固定刃10の他端部の、支持プレート2と摺動ガイド13との間からの支持プレート2の前方側への抜出しを阻止すべく、固定刃10の他端部側で、その支持プレート2の前面に、スタッドボルト16によって一のストッパ17を締付け固定して、そのストッパ17を固定刃10の前面10cに掛合させる。ここで、ストッパ17は、従来例に示すところから明らかなように、円板の一部を弓形状に切欠いた正面形状を有しており、このストッパ17は、その孤状部分17aにて固定刃10に掛合する一方、切欠部17bによってその掛合を解除すべく機能する。
【0040】
ところで、この実施形態におけるスタッドボルト16はその長さ方向の中間部に中間ナット16aを一体に持つものであり、ここではその中間ナット16をレンチ等の工具で回転させることで、スタッドボルト16の中間ナット16aよりも後側の基端部を支持プレート2の前面の雌ねじ穴に締付け固定することができる。そしてストッパ17は、図1に示すように、このスタッドボルト16の中間ナット16aよりも前側の先端部16bに後述のシム板30と重ねて挿通され、その先端部16bに螺合するたとえば袋ナット状の取付けナット29によりスタッドボルト16の先端部16bに締付け固定されており、このストッパ17の、掛合位置から掛合解除位置への回動、およびそれとは逆方向の回動はいずれも、スタッドボルト16を支持プレート2に締付け固定したまま、取付けナット29を緩めてストッパ17の拘束を解除して、そのストッパ17を回動させることにより行うことができる。
【0041】
ここで、シム板30は、ワッシャのように穴あき円板状をなすとともに、支持プレート2からの固定刃10の所要突出量に応じた厚みを有しており、このシム板30を一枚または複数枚(図1では一枚のみ示す)、スタッドボルト16の中間ナット16aよりも前側の先端部16bに挿通して中間ナット16aとストッパ17との間に介挿する構成としたことにより、スタッドボルト16を支持プレート2に締付け固定したままスタッドボルト16の先端部16bに対して取付けナット29とストッパ17とシム板30とを脱着するだけで、シム板30を厚みの異なるものと交換することができるので、シム板30の厚みが比較的薄い場合でも、シム板30の不測の脱落や紛失を防止して、固定刃10の刃面10aと可動刃7の刃面7bとの間のクリアランスの微調整を容易に行うことができる。しかもシム板30を穴あき円板状のものとしてスタッドボルト16の先端部16bに挿通しているので、この剪断刃取付け構造の稼働中の可動刃7の昇降運動による振動に対しても、中間ナット16aとストッパ17との間からのシム板30の脱落を確実に防止することができる。
【0042】
なお、たとえば新品の可動刃7と固定刃10を使用して、ワークとして通常の紙シートを剪断する場合を基準とすると、その場合は、たとえばスタッドボルト16の中間ナット16aを厚み3mmとするとともに、中間ナット16aとストッパ17との間に介挿するシム板30を厚み0.5mm、0.2mm、0.1mmの3枚として、合計シム板厚みを0.8mm、支持プレート2の前面とストッパ17の裏面との間の間隔を3.8mmとすることで、支持プレート2からの固定刃10の突出量をワークの剪断に最適な値とすることができ、このシム板30の合計厚みを、剪断刃としての可動刃7と固定刃10との少なくとも一方の摩耗の進行につれて次第に大きくすれば、可動刃10の突出量を、予め定めた所定量ずつ漸次増加させて、剪断刃の優れた切れ味を長期間にわたって維持することができ、また、剪断刃の刃縁の衝接に起因する刃欠けもしくは刃割れのおそれを十分に取り除くことができる。
【0043】
この一方、ワークとして切れにくいフィルムシートなどを剪断する場合には、シム板30の合計厚みを増やすことで、固定刃10の刃面10aと可動刃7の刃面7bとの刃当たりを強めて切れ味を高めることができ、また、ワークとして厚紙等の比較的厚みの大きいシートを剪断する場合には、シム板30の合計厚みを減らすことで、固定刃10の刃面10aと可動刃7の刃面7bとの間のクリアランスを大きくして、剪断刃への過負荷の作用を有効に防止することができる。それゆえ、上記の基準の3枚のシム板30の他に、あらかじめたとえば厚み0.2mmのシム板30と厚み0.1mmのシム板30を、それぞれ数枚ずつ準備しておけば、刃当たり調整を0.1mm単位で容易かつ的確に行うことができる。
【0044】
この実施形態ではさらに、図2に示すように支持プレート2の前面に、ストッパ17の横に並べて、円板状の予備ストッパ31を締付けボルト32によって締付け固定できるようにしてあり、後述するシム板30の交換の際には、この予備ストッパ31を支持プレート2の前面に締付け固定して固定刃10の前面10aに掛合させておくことで、ストッパ17をスタッドボルト16の先端部16bから外しても固定刃10の上記他端部の抜け出しを防止することができ、これによりシム板30の交換作業をさらに容易なものとすることができる。なお、シム板30の交換作業の終了後は予備ストッパ31を支持プレート2から外しておけば、予備ストッパ31が固定刃10の交換作業を妨げることがない。
【0045】
以上のような実施形態の剪断刃取付け構造において、可動刃7の交換は、全てのボルト8を緩めて抜き取って、その可動刃7を可動刃ホルダ6から取り外し、そして、新しい可動刃7を、そこに設けたガイドプレート9の裏面側を固定刃10の刃面10aに接触させた状態で、可動刃ホルダ6に再びボルト締めすることによって、極めて容易に、かつ迅速に行うことができる。
【0046】
また、固定刃10の交換に当たっては、取付けナット29を緩めた後に、ストッパ17を、それの切欠部17bが支持プレート2の上面と平行をなす位置まで回動させて、ストッパ17と固定刃10との掛合を解除し、次いで、その固定刃10を、それとガイドプレート9との干渉を取り除く方向、図2に示すところでは、固定刃10の手前側端部分を右方側へ、そして後方側端部分を左方側へ、固定刃10のそれぞれの端面と位置決めピン11との干渉がなくなる位置まで回動させて、その回動姿勢のまま固定刃10を図の手前側へ抜き出すことによって、その固定刃10を支持プレート2から取り外す。この場合、コイルばね15はスライドピン14をそのストローク端まで進出させることになるものの、そのスライドピン14は後端プレート12に対して抜け止めされていることから、コイルばね15は後端プレート12側に確実に残留することになり、従って、コイルばね15の不測の脱落が十分に防止されることになる。
【0047】
しかる後、新しい固定刃10を支持プレート2上に載置して、その固定刃10の一端部を、コイルばね15の圧縮変形下でガイドプレート9の裏面側へ差し込み、続いて、その固定刃10の他端部を、これもまたコイルばね15のばね力に抗して支持プレート2上の所定位置まで押し込み、これによって固定刃10を両位置決めピン11間に位置させ、そして、その姿勢を維持したままストッパ17を回動させて、図1に示すように、その孤状部分17aをもって固定刃10を抜け止めする。なお、この抜け止めに当っては、取付けナット29の締め込みをも併せて行うことはもちろんである。
【0048】
このようにして新しい固定刃10を組付ける際には、特に固定刃10の一端部の、ガイドプレート9の裏面側に対する抜き差しのために、コイルばね15の圧縮変形下で、その固定刃10をスライドピン14の大径頭部14aに対して摺動させることが必要になるものの、スライドピン14は通常、十分な剪断剛性を有することから、そのスライドピン14およびコイルばね15のいずれにも、「く」字状の折曲はもちろん、剪断変形を生じることもなく、また、剪断方向の永久歪が残留するおそれもない。従って、コイルばね15は組付け後の固定刃10に、常に所期した通りの弾性押圧力を作用させることができる。
【0049】
かくしてここでは、可動刃7および固定刃10のいずれの脱着に際しても、コイルばね15のばね力の面倒な調整が全く不要であることはもちろん、コイルばね15の不測の脱落等のおそれを除去し、しかも、そのコイルばね15への剪断変形の発生を十分に防止して、組付け後の固定刃10に所期した通りの押圧力を確実に付与することができる。従って、直線状刃縁10bを有する固定刃10の刃面10aは、コイルばね15の予め選択されたばね力、ストッパ17と掛合した固定刃10の、支持プレート2からの突出量などとの関連において、下降中の可動刃7の刃面7bに、ワークの剪断に好適な押圧力を常に確実に及ぼすことができ、また、その固定刃10は、コイルばね15のばね力の作用下で、ワークの剪断負荷等に応じて支持プレート2上を円滑に進退変位することができる。
【0050】
ところで、上述した剪断刃取付け構造において、スライドピン14に螺合させたナット14bの締込量を大きな範囲にわたって調整可能ならしめて、そのスライドピン14のスライドストロークを任意に選択できるようにした場合には、固定刃10の組付け作業を容易なものとすることができ、なかでも、その固定刃10の組付けに当って、そこに弾性押圧力が作用しないようにコイルばね15を圧縮保持し、固定刃10の所定位置への配置後に事後的に、そのコイルばね15の圧縮量を適宜に減少させて固定刃10に所要の押圧力が作用するように操作するときには、固定刃10の組付けをより一層容易なものとし、併せて、スライドピン14およびコイルばね15への剪断方向の力の作用を確実に回避することができる。
【0051】
またここで、固定刃10を支持プレート2に固定する固定手段、たとえば図3に例示するように、支持プレート2に形成されて前後方向に長い長穴18もしくは大径穴と、固定刃10に形成した貫通穴19と、それらの両穴18,19に挿通するボルト20と、そのボルト20の先端部に螺合させるナット21とに加え、固定刃10に設けられて、そこに挿通させたボルト2の頭部の完全なる入り込みを許容する座ぐり穴22とからなる固定手段を設けた場合には、特に、厚さの厚いワークを剪断する場合に、その固定手段をもって固定刃10を支持プレート2に固定してコイルばね15の機能を阻止することで、過負荷状態を防止して円滑なる剪断を行うことができる。
【0052】
図4は、この発明の他の一実施形態を示す要部正面図であり、図中符号33は、可動刃ホルダ6の駆動用のモータ、34は、そのモータ33の出力軸の回転を往復運動に変換して可動刃ホルダ6に伝達し、支持プレート2に対する可動刃ホルダ6の昇降運動を行わせるクランク機構を示している。この実施形態では、固定刃10の固定手段を、支持プレート2に貫通させて設けた大径遊嵌穴23と、固定刃10に設けた雌ねじ部24と、大径遊嵌穴23から差し込まれてその雌ねじ部24に螺合されるボルト25とで構成することによって、その固定手段の構成部品を少なくしており、また、ボルト8によって可動刃ホルダ6に締付け固定される可動刃7の長さ方向に離隔した二個所に、ボルト8の挿通穴26の下方に連続して位置して、ボルト8の頭部の外接円輪郭より大きい輪郭寸法を有する抜き穴27を形成している。
【0053】
ここで、これらの抜き穴27は、ボルト8を十分に緩めた状態で、可動刃7を、両抜き穴27がボルト8の頭部と対応する位置まで持ち上げ、続いて、その可動刃7をボルト8の頭部側へ引くことによって、可動刃7の、可動刃ホルダ6からの離脱を許容することになるので、総てのボルト8を完全に抜き取ってはじめて、可動刃7の、可動刃ホルダ6からの離脱が可能となる先の実施形態に比して、可動刃7の不測の脱落のおそれを十分に取除くことができ、このことは、可動刃7の、可動刃ホルダ6への取付けに当たってもまたほぼ同様であり、可動刃ホルダ6に残留するボルト8に対して、抜き穴27を介して可動刃7を予め掛合させることで、可動刃7の脱落のおそれを除去することができる。
【0054】
なお、図4に示すところでは、ボルトの挿通穴26と抜き穴27とを、その挿通穴26と同径の中間部分を介して上下方向に連続させているが、たとえば、挿通穴26と抜き穴27とを直接的に連続させることによって、両穴の輪郭形状を達磨状その他とすることもでき、また、それらの連続方向を左もしくは右側方とすることもできる。
【0055】
以上、この発明の実施形態を図示例に基づいて説明したが、この発明においては、固定刃を押圧する弾性手段を、ゴムもしくはゴム状弾性材料などにて構成することもでき、また、その配設個数を三個以上の複数個とすることもできる。加えて図示例では、孤状部分および、弓形状の切欠部のそれぞれで形成したストッパの掛合部および掛合解除部の形状は、それ本来の機能を十分に発揮し得る限りにおいて、凸部、凹部その他の適宜形状に変更することができ、また、掛合解除部を、周方向の複数個所に形成することもできる。
【0056】
また、図示例では中間ナット16aをスタッドボルト16と一体にしたが、中間ナット16aをスタッドボルト16と別体にして、スタッドボルト16の中間部に螺合させてもよい。
【0057】
そして、図示例ではスタッドボルト16の先端部16bに掛合するシム板30の形状を穴あき円板状(ワッシャ状)としたが、そのワッシャ状の周方向の一部を切り取ったたとえばU字状あるいはコ字状として、取付けナット29とストッパ17を取り外さずにシム板30をスタッドボルト16の先端部16bに対して脱着できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上に述べたところから明らかなように、この発明の剪断刃取付け構造によれば、中間ナットを持つスタッドボルトとその先端部に螺合する取付けナットとでストッパを取り付け、そのスタッドボルトの先端部に、支持プレートからの固定刃の所要突出量に応じた厚みのシム板を掛合させて、このシム板をスタッドボルトの中間ナットとストッパとの間に介挿したことにより、スタッドボルトを支持プレートに締付け固定したままスタッドボルトの先端部に対して取付けナットとストッパとシム板とを脱着するだけで、シム板を厚みの異なるものと交換することができるので、比較的厚みが薄いシム板の不測の脱落や紛失を防止し得て、固定刃の刃面と可動刃の刃面との間のクリアランスの微調整を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0059】
1 支持脚
2,54 支持プレート
3,52 ガイドロッド
4 クロスメンバ
5 ガイドブッシュ
6,53 可動刃ホルダ
7,51 可動刃
7a 直線状刃縁
7b,51a 刃面
8,61 ボルト
9,60 ガイドプレート
10,55 固定刃
10a,55a 刃面
10b 直線状刃縁
10c 前面
11 位置決めピン
12,56 後端プレート
13 摺動ガイド
13a 後方突出部分
14 スライドピン
14a 拡大頭部
14b ナット
14c リング部材
15,57 コイルばね
16 スタッドボルト
16a 中間ナット
16b 先端部
17,58 ストッパ
17a 孤状部分
17b,59 切欠部
18 長穴
19 貫通穴
20,25 ボルト
21 ナット
22 座ぐり穴
23 大径遊嵌穴
24 雌ねじ部
26 挿通穴
27 抜き穴
28 スペーサ
29 取付けナット
30 シム板
31 予備ストッパ
32 締付けボルト
33 モータ
34 クランク機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6