(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108277
(43)【公開日】2022-07-25
(54)【発明の名称】オーバーヘッドケーブルトレイ用の交差システム
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20220715BHJP
【FI】
H02G3/04 056
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022002288
(22)【出願日】2022-01-11
(31)【優先権主張番号】63/136,289
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/562,745
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507202736
【氏名又は名称】パンドウィット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ボン・ビー・スレドジンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ダブリュー・ローゼンダール
【テーマコード(参考)】
5G357
【Fターム(参考)】
5G357BA10
5G357BB04
5G357BC01
5G357BC04
(57)【要約】
【課題】ケーブルを支持し、交差部においてケーブルトレイを結合するために用いられるケーブルトレイ交差システムを提供する。
【解決手段】第1のワイヤバスケットと、交差する第2のワイヤバスケットとを接続するケーブルトレイ交差システム。各ワイヤバスケットは、水平方向に延びてフロアを形成する複数のワイヤと、垂直方向に延びて側壁を形成する複数のワイヤとで形成される。交差システムは、ワイヤバスケットのフロアに装着された上部プレートと一対のコーナーブレースとを含む。上部プレートは、第1のエッジ、第2のエッジ、及び第1のエッジと第2のエッジとの間に形成された一対のコーナーエッジを有する。一対のコーナーブレースは、第1のワイヤバスケットと第2のワイヤバスケットとの間に装着され、上部プレートから離間に配置されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のワイヤバスケットを第2のワイヤバスケットと交差するように接続するためのケーブルトレイ交差システムであって、前記第1のバスケット及び前記第2のバスケットはそれぞれ、水平方向に延びてフロアを形成する複数のワイヤと、垂直方向に延びて前記バスケットの側壁を形成する複数のワイヤと、で形成され、前記交差システムは、
上部プレートであって、前記上部プレートは、前記第1のワイヤバスケットの前記フロアに装着するための第1のエッジと、前記第2のワイヤバスケットの前記フロアに装着するための第2のエッジと、を有し、前記上部プレートは、前記第1のエッジと前記第2のエッジとの間に形成された一対のコーナーエッジを有し、前記コーナーエッジのそれぞれは前記上部プレートの互いに反対側の側面に形成されている、上部プレートと、
前記第1のワイヤバスケットと前記第2のワイヤバスケットとの間に装着するための一対のコーナーブレースであって、前記上部プレートから離間に配置される、前記一対のコーナーブレースと、
を含む、交差システム。
【請求項2】
一対のコーナープロテクターをさらに含み、
前記コーナープロテクターのそれぞれは、1つのコーナーブレースと前記上部プレートのコーナーエッジとの間に位置する、請求項1に記載の交差システム。
【請求項3】
前記コーナープロテクターは柔軟なプラスチックで形成され、前記コーナープロテクターのそれぞれは、垂直ワイヤの後ろで固定するための一対の柔軟なアームを有し、
一方のアームは前記第1のワイヤバスケットに固定され、他方の柔軟なアームは前記第2のワイヤバスケットに固定される、請求項2に記載の交差システム。
【請求項4】
前記上部プレートは、前記コーナーエッジから延びる複数のタブを有し、
前記コーナープロテクターは複数のスロットを有し、
留め具が、前記スロットの1つを通って延びて前記タブの1つの留め具孔と嵌合して前記コーナープロテクターを前記上部プレートに固定する、請求項2に記載の交差システム。
【請求項5】
前記コーナープロテクターは複数のスロットを有し、
留め具が、前記スロットの1つを通って延びて、前記コーナーブレースに沿って形成された留め具孔と嵌合する、請求項2に記載の交差システム。
【請求項6】
前記コーナーブレースのそれぞれは硬く、金属で形成され、
前記コーナーブレースは、放射状の中央部分と、一対の硬い脚と、を有し、
一方の脚は前記第1のワイヤバスケットに固定され、他方の脚は前記第2のワイヤバスケットに固定される、請求項1に記載の交差システム。
【請求項7】
前記コーナーブレースのそれぞれは、前記ワイヤバスケットを吊るすためのロッドを固定するための装着機構を有する請求項1に記載の交差システム。
【請求項8】
前記装着機構は、前記ワイヤバスケットから垂直方向に延びる前記ロッドを固定するための略垂直方向に延びる孔を含む、請求項7に記載の交差システム。
【請求項9】
前記装着機構は、前記コーナーブレースの中心部分に沿って形成されたタブを含み、前記第1のワイヤバスケット及び前記第2のワイヤバスケットの前記側壁の外側に延び、
前記装着機構は前記タブ内に形成されて、前記ワイヤバスケットの外側で前記ロッドを固定する、請求項8に記載の交差システム。
【請求項10】
複数のUクリップをさらに含み、
前記上部プレートは複数のスロットを有し、
前記Uクリップは水平ワイヤの周りに延び、留め具が、前記上部プレートの前記スロットの1つを通って延びて前記Uクリップの1つと嵌合し、前記上部プレートを前記ワイヤバスケットの前記フロアに固定する、請求項1に記載の交差システム。
【請求項11】
前記第2のワイヤバスケットは連続的に延び、前記第1のワイヤバスケットの端部は前記第2のワイヤバスケットの側壁の開口部に当接し、
前記上部プレート及び前記一対のコーナーブレースは、三方交差部を規定するように前記第1のワイヤバスケット及び前記第2のワイヤバスケットを固定する、請求項1に記載の交差システム。
【請求項12】
さらに、
第3のワイヤバスケットであって、前記第3のワイヤバスケットの端部は、前記第1の開口部と反対側の、前記第2のワイヤバスケットの側壁の第2の開口部に当接する、第3のワイヤバスケットと、
第2の上部プレート及び第2の一対のコーナーブレースであって、四方交差部を規定するように前記第2のワイヤバスケット及び前記第3のワイヤバスケットを固定する、前記第2の上部プレート及び第2の一対のコーナーブレースと、
を含む、請求項11に記載の交差システム。
【請求項13】
前記第1の上部プレートは前記第2の上部プレートから、前記第2のワイヤバスケットの水平方向の幅だけ離間に配置される、請求項12に記載の交差システム。
【請求項14】
ケーブルトレイシステムであって、
第1のワイヤバスケット及び交差する第2のワイヤバスケットであって、前記第1のバスケット及び前記第2のバスケットはそれぞれ、水平方向に延びてフロアを形成する複数のワイヤと、垂直方向に延びて前記バスケットの側壁を形成する複数のワイヤと、で形成される、第1のワイヤバスケット及び第2のワイヤバスケットと、
交差システムであって、前記交差システムは上部プレートを有し、前記上部プレートは、前記第1のワイヤバスケットの前記フロアに装着するための第1のエッジと、前記第2のワイヤバスケットの前記フロアに装着するための第2のエッジと、を有し、前記上部プレートは、前記第1のエッジと前記第2のエッジとの間に形成された一対のコーナーエッジを有し、前記コーナーエッジのそれぞれは前記上部プレートの互いに反対側の側面に形成されている、交差システムと、
前記第1のワイヤバスケットと前記第2のワイヤバスケットとの間にかつ前記第1のワイヤバスケット及び前記第2のワイヤバスケットに装着するための一対のコーナーブレースであって、前記コーナーブレースのそれぞれは、前記ワイヤバスケットを吊るすためのロッドを固定するための装着機構を有する、一対のコーナーブレースと、
を含む、ケーブルトレイシステム。
【請求項15】
前記装着機構は、前記ワイヤバスケットの前記側壁の外側寄りに位置する、請求項14に記載のケーブルトレイシステム。
【請求項16】
前記装着機構は、前記ワイヤバスケットから垂直方向に延びる前記ロッドを固定するための略垂直方向に延びる孔を含む、請求項14に記載のケーブルトレイシステム。
【請求項17】
前記コーナーブレースのそれぞれは硬く、金属で形成され、
前記コーナーブレースは放射状の中央部分と、一対の硬い脚と、を有し、
一方の脚は前記第1のワイヤバスケットに固定され、他方の脚は前記第2のワイヤバスケットに固定される、請求項14に記載のケーブルトレイシステム。
【請求項18】
前記装着機構は、前記コーナーブレースの中心部分に沿って形成されたタブを含む、請求項17に記載のケーブルトレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許仮出願第63/136,289号(2021年1月12日出願)に対する利益を主張する。なおこの文献の全体は本明細書において参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本出願は、ケーブルを支持し、交差部においてケーブルトレイを結合するために用いられるケーブルトレイシステムに対するものである。
【背景技術】
【0003】
ケーブルトレイシステムは通常、ケーブルたとえば電気配線、電線管、及びデータ伝送路に対する支持を行う。ケーブルトレイは、メッシュ内で相互接続された金属ワイヤを有するワイヤバスケットケーブルトレイの場合がある。
【0004】
ケーブルトレイは他のケーブルトレイに交差部で接続されて、ケーブルを配線し、ケーブルトレイシステムを構成する。交差部は、三方もしくT交差部、または四方もしくは十字交差部である場合がある。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態により、ケーブルトレイ交差システムが提供される。交差システムは、ケーブル配線に沿って第2のワイヤバスケットと交差する第1のワイヤバスケットを接続する。第1及び第2のバスケットはそれぞれ、水平方向に延びてフロアを形成する複数のワイヤと、垂直方向に延びてバスケットの側壁を形成する複数のワイヤと、で形成されている。交差システムは上部プレートを有し、上部プレートは、第1のワイヤバスケットのフロアに装着するための第1のエッジと、第2のワイヤバスケットのフロアに装着するための第2のエッジと、を有する。上部プレートは、第1のエッジと第2のエッジとの間に形成された一対のコーナーエッジを有する。各コーナーエッジは、上部プレートの互いに反対側の側面に形成されている。一対のコーナーブレースが、第1のワイヤバスケットと第2のワイヤバスケットとの間かつ第1のワイヤバスケット及び第2のワイヤバスケットに装着され、上部プレートから離間に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】交差部で接続するように配置された2つのワイヤバスケットを伴うケーブルトレイシステムを例示する図である。
【
図2】
図1のケーブルトレイシステムを、一実施形態による上部プレート及びクランプの分解組立図とともに例示する図である。
【
図3】上部プレートとワイヤバスケットのフロアとの間のクランプ位置を通る断面図である。
【
図4】
図2のケーブルトレイシステムを、一対のコーナーブレースとともに例示する図である。
【
図5】コーナーブレースの一方をより詳細に例示する図である。
【
図6】
図4のケーブルトレイシステムを、支持ロッドによって吊るされたコーナーブレースの一方とともに例示する図である。
【
図7】
図4のケーブルトレイシステムを、備え付けられた1つのコーナープロテクターとともに例示する図である。
【
図8】コーナープロテクターの1つをより詳細に例示する図である。
【
図9】三方交差部を有する一実施形態によるケーブルトレイシステムの平面図である。
【
図10】
図9のケーブルトレイシステムの斜視図である。
【
図11】四方交差部を有する一実施形態によるケーブルトレイシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態を本明細書で開示する。しかし、当然のことながら、開示する実施形態は本発明の単なる典型であり、種々及び代替的な形態で具体化され得る。図は必ずしも一定の比率ではない。いくつかの機構は、特定のコンポーネントの詳細を示すために、誇張または最小化されている場合がある。したがって、本明細書で開示する具体的な構造上及び機能上の詳細は、限定であると解釈するべきではなく、単に、本発明の様々な使用方法を当業者に教示するための代表的な基盤として解釈するべきである。
【0008】
オーバーヘッドワイヤバスケットが、スチールワイヤメッシュで形成され、ケーブルを配線するようにデザインされている。2つの垂直なワイヤバスケットが交差するときに、接合部を固定してワイヤの端部を覆う必要がある。
【0009】
図1に、2つの交差するワイヤバスケットを伴うケーブルトレイアセンブリ100を例示する。2つのワイヤバスケットは事前に形成されて、交差部で接続するように配置されている。第1のワイヤバスケット110は第2のワイヤバスケット120と交差する。第1及び第2のバスケット110、120はそれぞれ、水平方向に延びてバスケットフロア122を形成する複数の十字ワイヤと、垂直方向に延びてバスケット110、120の側壁124を形成する複数のワイヤと、で形成されている。
【0010】
図1に示すように、第1のワイヤバスケット110は、終端部128を有する終端バスケットであってもよく、一方で第2のワイヤバスケット120は、フロア122が交差部を通って連続的に延びる連続ワイヤバスケット120であってもよい。
【0011】
交差部の形成は、連続的な第2のワイヤバスケット120から側壁124の開口部126を切断し、それを、終端する第1のワイヤバスケット110の端部128に、切断された開口部位置126において当接させることによって行う。終端ワイヤバスケット110の側壁124を切断して、後述するようなコーナーリリーフを与える一方で、終端ワイヤバスケット110のフロアワイヤ122が連続ワイヤバスケット120のできるだけ接近するようにしてもよい。終端ワイヤバスケット110のフロアワイヤと連続ワイヤバスケット120のフロアワイヤとの間のギャップが最小限になれば、交差部の強度が増加する。
【0012】
図2に示すように、ケーブルトレイシステム100は、第1のワイヤバスケット110を第2のワイヤバスケット120に確実に結合するための事前に形成された交差システム200を有する。交差システム200は上部プレート210を有する。上部プレート210は、ワイヤバスケットフロアワイヤ122の切断端部128を覆い、アセンブリに剛性を与える。他の従来のケーブルトレイシステムでは、連続ワイヤバスケットは可能ではなく、その代わりに複数の終端ワイヤバスケットが交差部で隣接する場合がある。このようなシステムでは、上部プレートは交差部全体にわたる必要がある。この結果、上部プレートはより大きくて、より重い必要があり、交差部に対するすべての剛性を担う必要がある。このような従来のシステムでは、上部プレートはワイヤバスケットの正確なサイズに限定されて、柔軟なアセンブリ変形が可能ではない。本出願の上部プレート210では、1つの上部プレートのみで様々な構成の交差部が可能である。上部プレート210は各終端ワイヤバスケット110の幅に特有の複数のサイズで設けてもよいが、上部プレート210のサイズは第2のワイヤバスケット120とは独立しており、任意の幅の連続バスケット120とともに用いることができる。より軽いとともに、上部プレート210は、従来のデザインと比べて剛性を高める。なぜならば、連続ワイヤバスケット120自体が交差部に及んでいるからである。
【0013】
上部プレート210は、第1のワイヤバスケット110のフロア122に装着するための第1のエッジ212と、第2のワイヤバスケット120のフロア122に装着するための第2のエッジ214と、を有する。上部プレート210は、第1のエッジ212と第2のエッジ214との間に形成された一対のコーナーエッジ218を有する。各コーナーエッジ218は上部プレート210の互いに反対側の側面216に形成されている。上部プレート210のエッジ212、214、216を、丸みを帯びたフランジにして、またはケーブル配線の方向と垂直に曲げて、上部プレート210のエッジからケーブルへの磨耗または損傷を防いでもよい。
【0014】
図3に示すように、上部プレートは、上部プレート210を通って上面226から下面228へ延びる複数の細長いスロット220を有する。複数のキャリッジボルト222が、上部プレート210のスロット220を通って嵌合する。U字形クリップ230が、フロア122上の十字ワイヤを上部プレート210にクランプしている。U字形クリップ230は、ロックナット224によってキャリッジボルト222に固定されている。上部プレート210の位置はフロア122上の十字ワイヤ位置に対して変化することができるため、スロット220は十分に長いかまたはより短いスロットのグループに配置して、各U字クリップ230が十字ワイヤに確実に到達できるようにしなければならない。
図3に、上部プレート210とワイヤバスケットのフロア122との間のクランプ位置を通る断面を、より詳細に例示する。
【0015】
図4に、ケーブルトレイ交差システム200の部分分解図を例示し、第1及び第2のワイヤバスケット110、120のフロア122に組み立てられた上部プレート210を示す。上部プレート210は、その剛性及び交差部の剛性を高めるためにビード236を含んでいてもよい。また
図4には、一対のコーナーブレース300を有する交差システム200も例示する。コーナーブレース300は、第1のワイヤバスケット110と第2のワイヤバスケット120との間かつ第1のワイヤバスケット110及び第2のワイヤバスケット120に装着され、上部プレート210から離間に配置されている。コーナーブレース300は、ケーブルトレイアセンブリ100を補強するために、各ワイヤバスケット110、120の側壁124に取り付けられている。
【0016】
各コーナーブレース300は硬く、金属で形成されている。
図5に、コーナーブレース300をより詳細に例示する。各コーナーブレース300は、放射状の中央部分310と一対の硬い脚312とを有している。
図6に示すように、一方の脚312が第1のワイヤバスケット110に固定され、他方の脚312が第2のワイヤバスケット120に固定されている。
【0017】
コーナーブレース300は、クリップ320を用いてワイヤバスケット110、120に固定されている。
図4に示すように、クリップ320は、コーナーブレース300上のスロット314(
図5を参照)を通って延びてこれと嵌合するように構成されたスタッド322を有していてもよい。スタッド322は、対応するナット324と嵌合するネジ付きスタッドであってもよく、ワイヤバスケット110、120の側壁124に沿う垂直方向の十字ワイヤをコーナーブレース300にクランプする。スタッド322は、クリップ320をスロット314に固定する任意のネジ付き留め具または他の好適な留め具であってもよい。
【0018】
交差部の偏りを減らして、さらなる剛性を得るために、コーナーブレース300は、脚312を接続する角度の付いた壁328を有していてもよい。
図6に示すように、コーナーブレース300は、設備内でケーブルトレイシステム100を吊るすための支持ロッド400を固定するための装着機構330を有している。
【0019】
図5に示すように、装着機構330は、ワイヤバスケット110、120を支持ロッド400に固定するための略垂直方向に延びる孔332を有している。装着孔332はタブ334内に形成されている。支持ロッド400は天井から吊るされて、孔332を通っている。ロックナット402は交差システム200を支持ロッド400に固定する(
図6を参照)。
【0020】
図5に示すように、タブ334は、角度の付いた壁328または放射状の中心部分310から延びていてもよい。装着機構330は側壁124の外側に位置して、ロッドをワイヤバスケット110、120の外側に固定している。従来のケーブルトレイシステムでは、ロッドを上部プレートに固定する必要があり、吊るされたロッドは配線経路内に位置していた。交差システム200が装着機構330をワイヤバスケット110、120の外側に有することによって、多くの利点がある。たとえば、交差部におけるケーブル配線を妨げる障害物がない優れた配線経路が得られることである。
【0021】
図7に、コーナープロテクター500のうちの1つが備え付けられたケーブルトレイ交差システムを示す。コーナープロテクター500は、側壁124及び/またはフロア122のカットワイヤ端部をカバーして、コーナーの周りのケーブルに対する曲げ半径制御が行えるようにデザインされている。各コーナープロテクター500は、1つのコーナーブレース300と上部プレート210のコーナーエッジ218との間に位置する。
【0022】
コーナープロテクター500は柔軟なプラスチックで形成されている。コーナープロテクター500は燃焼定格のプラスチックで形成されていてもよい。
図8に示すように、コーナープロテクター500は平坦で供給される。各コーナープロテクター500は、柔軟な本体504の互いに反対側の側から延びる一対の柔軟なアーム502を有している。コーナープロテクター500は、最初に側壁124の垂直方向の十字ワイヤの下でアーム502を曲げることによって備え付けられる。一方のアーム502は第1のワイヤバスケット110に固定され、他方の柔軟なアーム502は第2のワイヤバスケット120に固定される。そしてコーナープロテクター500を留め具510(
図7を参照)によって交差システム200に固定する。留め具510は、プラスチック製のリブ付きプッシュインリベットまたはクリスマスツリー留め具であってもよい。
図7に示すように、2つの留め具510は下方スロット512を通して備え付けられ、2つの留め具は上方スロット514を通して備え付けられている。
【0023】
上部プレート210は、コーナーエッジ218から延びる複数のタブ520を有している。下方スロット512はタブ520の留め具孔と位置合わせされ、留め具510は、スロット512のうちの1つを通って延びて、タブ520のうちの1つの留め具孔と嵌合して、コーナープロテクター500を上部プレート210に固定する。
【0024】
コーナープロテクター500の底部エッジ516と上部プレート210の上面との間のギャップなしまたは最小ギャップで、コーナープロテクター500は上部プレート210に当接してもよい。留め具510は上方スロット514を通して備え付けられて、コーナーブレース300の孔340と嵌合する。上方スロット514のサイズは、ワイヤバスケット110、120の側壁124の高さの許容誤差を考慮して設けられている。下方スロット512のサイズは、上部プレート210とコーナーブレース300との間の水平方向の位置合わせ不良を考慮して設けられている。こうして、ワイヤバスケットに許容誤差または位置合わせ不良の問題があっても、コーナープロテクター500を交差アセンブリ200に容易に固定することができる。コーナープロテクター500のアーム502を、孔518(
図8を参照)を通したケーブルタイを用いて、ワイヤバスケット110、120の垂直方向の十字ワイヤに固定してもよい。
【0025】
交差システム200によって、異なる構成の上部プレートを必要とせずに異なる交差構成を提供する際の柔軟性が得られる。たとえば、
図9~10に、三方交差構成610を形成する交差システム200を用いたケーブルトレイシステム600を示す。別の例では、
図11に、四方交差構成710を形成するケーブルトレイシステム700を示す。
【0026】
図9及び
図10に例示するように、三方交差構成610はT字形交差部を形成する。三方交差構成610は連続ワイヤバスケット120を用いており、第1のワイヤバスケット110が連続ワイヤバスケット120の側壁124の開口部126に当接している。三方交差構成610は1つの上部プレート210と一対のコーナーブレース300とを用いている。
図9~10には、交差部からずれたトラピーズブラケット620も示す。典型的な設置において良く知られているように、トラピーズブラケットによって、支持ロッド400を接続するための装着機構が得られる。本出願によって、交差部においてケーブル経路の外側寄りに配置されるべき支持ロッド400を接続するための装着機構330を伴うコーナーブレース300が提供される。したがって、
図9に示すように、交差部610に隣接する支持ロッド400は、ワイヤバスケット110、120の長さに沿ったトラピーズブラケット620における支持ロッド400とも位置合わせされている。
【0027】
図11に例示するように、四方交差構成710は十字形の交差部を形成する。四方交差構成710は、連続ワイヤバスケット120と2つの終端ワイヤバスケット110とを用いている。2つの終端ワイヤバスケット110はそれぞれ、連続ワイヤバスケット120の互いに反対側の側壁124の開口部126に当接している。四方交差構成710は、2つの上部プレート210と2対のコーナーブレース300とを用いている。四方交差構成710はまた、支持ロッド400を接続するトラピーズブラケットを用いてもよい。なお、明瞭にするために、
図11にはトラピーズブラケット及び支持ロッドは示していない。
【0028】
以上、典型的な実施形態について説明したが、これらの実施形態が本発明の可能なすべての形態を説明することは意図していない。むしろ、明細書で用いた用語は限定ではなく説明の用語であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく種々の変形を行ってもよい。さらに、種々の実施する実施形態の特徴を組み合わせて本発明のさらなる実施形態を形成してもよい。
【外国語明細書】