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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108327
(43)【公開日】2022-07-26
(54)【発明の名称】撮像レンズ及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20220719BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20220719BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
G02B13/04 D
G02B13/18
H04N5/225 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021003233
(22)【出願日】2021-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】吉川 駿
【テーマコード(参考)】
2H087
5C122
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA03
2H087PA05
2H087PA18
2H087PB06
2H087QA02
2H087QA03
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA19
2H087QA21
2H087QA25
2H087QA34
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA43
5C122EA31
5C122EA54
5C122FB02
5C122FB10
5C122HB06
5C122HB09
5C122HB10
(57)【要約】
【課題】光学全長が短く,且つ像面湾曲を解消すること。
【解決手段】撮像レンズ系11は,物体側から順に負のパワーを有し,物体側が凹形状であり,像側が凹形状である第1レンズL1,物体側が凸形状であり,像側が凹形状であるメニスカスの第2レンズL2,正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第3レンズL3,負のパワーを有し,物体側が凹形状であり,像側が凹形状である物体側が凹形状である第4レンズL4,正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第5レンズL5,正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第6レンズL6からなり,レンズ系全体の焦点距離をf,第6レンズL6の焦点距離をf6,第6レンズL6の厚さをd6,光学全長をTTLと定義した時に下記条件式(1)及び(2)を満足する。
1.0<f6/f<1.4 …(1)
0.13<d6/TTL<0.15 …(2)
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に
負のパワーを有し,物体側が凹形状であり,像側が凹形状である第1レンズ,
物体側が凸形状であり,像側が凹形状であるメニスカスの第2レンズ,
正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第3レンズ,
負のパワーを有し,物体側が凹形状であり,像側が凹形状である物体側が凹形状である第4レンズ,
正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第5レンズ,
正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第6レンズからなり,
レンズ系全体の焦点距離をf,前記第6レンズの焦点距離をf6,前記第6レンズの厚さをd6,光学全長をTTLと定義した時に下記条件式(1)及び(2)を満足する撮像レンズ系。
1.0<f6/f<1.4 …(1)
0.13<d6/TTL<0.15 …(2)
【請求項2】
前記第2レンズの焦点距離をf2,前記第2レンズの屈折率をNd2,前記第3レンズの屈折率をNd3と定義した時に下記条件式(3),(4)及び及びを満足する請求項1に記載の撮像レンズ系。
|f2/f|<4.8 …(3)
Nd2≧1.90 …(4)
Nd3≧1.90 …(5)
【請求項3】
前記第4レンズの焦点距離をf4,前記第5レンズの焦点距離をf5と定義した時に下記条件式(6)を満足する請求項1または2に記載の撮像レンズ系。
-0.8<f4/f5<-0.5 …(6)
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の撮像レンズ系と,
前記撮像レンズ系の焦点位置に配置された撮像素子と,を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像レンズ及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年車載カメラは,より高解像度の光学系が求められている。このような撮像レンズ系として,特許文献1には,条件式0.5≦t6/f(t6:第6レンズL6の中心厚、f:レンズ系全体の焦点距離)を満足する撮像レンズ系が記載されている。
【0003】
他方,車外に設置するような車載カメラでは,空気抵抗を減らすために光学全長を短くする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-065954公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の撮像レンズ系を,解像度を下げずに光学全長を短くする解決手段として、正のパワーを持つレンズのパワーを大きくすることが考えられる。しかしながら,引用文献1の撮像レンズ系において第5レンズのパワーを設計限界まであげたとしても像面湾曲が解消できない。すなわち,第5レンズの厚さを薄くすることにより光学全長を短くすることができるものの,像面湾曲が解消できないことになる。このように,引用文献1の撮像レンズ系で光学全長を短くしようと試みると,像面湾曲が起きるため、結像性能が下がるという問題がある。
【0006】
本発明は,このような問題点に鑑みてなされたものであり,光学全長が短く,且つ像面湾曲を解消できる撮像レンズ系及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態の撮像レンズ系は,物体側から順に負のパワーを有し,物体側が凹形状であり,像側が凹形状である第1レンズL1,物体側が凸形状であり,像側が凹形状であるメニスカスの第2レンズL2,正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第3レンズL3,負のパワーを有し,物体側が凹形状であり,像側が凹形状である物体側が凹形状である第4レンズL4,正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第5レンズL5,正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第6レンズL6からなり,レンズ系全体の焦点距離をf,第6レンズL6の焦点距離をf6,第6レンズL6の厚さをd6,光学全長をTTLと定義した時に下記条件式(1)及び(2)を満足するようにした。
1.0<f6/f<1.4 …(1)
0.13<d6/TTL<0.15 …(2)
【0008】
一実施形態の撮像レンズ系によれば,光学全長が短く,且つペッツバール条件を満たすことにより像面湾曲を解消できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば,光学全長が短く,且つ像面湾曲を解消できる撮像レンズ系及び撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に係る撮像レンズ系の構成を示す断面図である。
図2】実施例1の撮像レンズ系における球面収差図である。
図3】実施例1の撮像レンズ系における像面湾曲図である。
図4】実施例1の撮像レンズ系における歪曲収差図である。
図5】実施例2に係る撮像レンズ系の構成を示す断面図である。
図6】実施例2の撮像レンズ系における球面収差図である。
図7】実施例2の撮像レンズ系における像面湾曲図である。
図8】実施例2の撮像レンズ系における歪曲収差図である。
図9】実施例3に係る撮像レンズ系の構成を示す断面図である。
図10】実施例3の撮像レンズ系における球面収差図である。
図11】実施例3の撮像レンズ系における像面湾曲図である。
図12】実施例3の撮像レンズ系における歪曲収差図である。
図13】実施例4に係る撮像レンズ系の構成を示す断面図である。
図14】実施例4の撮像レンズ系における球面収差図である。
図15】実施例4の撮像レンズ系における像面湾曲図である。
図16】実施例4の撮像レンズ系における歪曲収差図である。
図17】実施例5に係る撮像レンズ系の構成を示す断面図である。
図18】実施例5の撮像レンズ系における球面収差図である。
図19】実施例5の撮像レンズ系における像面湾曲図である。
図20】実施例5の撮像レンズ系における歪曲収差図である。
図21】実施の形態2に係る撮像装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上述の課題に対して,像面湾曲を解消する(ペッツバール条件を満たす)要素は以下の3つである。
1.レンズのパワー
2.レンズの屈折率
3.レンズの枚数
【0012】
ここでレンズのパワーは、曲率や厚さに関係しているが、全長を短くする上で、鏡筒等の他の要素により、制限があるため、設計自由度が低い。また,レンズの屈折率も、硝材等に制限があるため、設計自由度が低い。そこで,本実施の形態にかかる光学レンズ及び撮像装置では上記制限のためレンズの枚数によりペッツバール条件を満たすようにしている。
【0013】
具体的には,本実施の形態にかかる光学レンズ及び撮像装置では,光学全長を短くするために正のパワーのレンズのパワーを大きくしている。そのために第2レンズL2と第5レンズL5の屈折率を高くしている。この結果,像面湾曲が改善されたが,さらなる像面湾曲の解消が必要であった。
【0014】
そこで,本実施の形態に係る光学レンズ及び撮像装置では,特許文献1(特開2016-065954公報)からレンズの枚数を1枚増やして,レンズの面の数を増やした。レンズの面の増加により,像面湾曲が起きない条件(すなわちペッツバール条件)において,レンズの枚数が増えたことで式の項が増え,ペッツバール条件を満たすように調整可能となった。すなわち,レンズ枚数を5枚から6枚に増やすことにより光学性能を維持したまま光学全長を短くすることができた。
以下,本実施の形態に係る光学レンズ及び撮像装置を説明する。
(実施の形態1:撮像レンズ系)
実施の形態1の撮像レンズ系は,物体側から順に負のパワーを有し,物体側が凹形状であり,像側が凹形状である第1レンズL1,物体側が凸形状であり,像側が凹形状であるメニスカスの第2レンズL2,正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第3レンズL3,負のパワーを有し,物体側が凹形状であり,像側が凹形状である物体側が凹形状である第4レンズL4,正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第5レンズL5,正のパワーを有し,物体側が凸形状であり,像側が凸形状である第6レンズL6からなり,レンズ系全体の焦点距離をf,第6レンズL6の焦点距離をf6,第6レンズL6の厚さをd6,光学全長をTTLと定義した時に下記条件式(1)及び(2)を満足するようにした。
1.0<f6/f<1.4 …(1)
0.13<d6/TTL<0.15 …(2)
【0015】
実施の形態1の撮像レンズ系によれば,光学全長が短く,且つペッツバール条件を満たすことにより像面湾曲を解消できる。
【0016】
上記実施の形態1の撮像レンズ系は,第2レンズの焦点距離をf2,第2レンズの屈折率をNd2,第2レンズL2L3の屈折率をNd3と定義した時に下記条件式(3),(4)及び及びを満足するようにしてもよい。
|f2/f|<4.8 …(3)
Nd2≧1.90 …(4)
Nd3≧1.90 …(5)
【0017】
実施の形態1の撮像レンズ系によれば,像面湾曲の補正がしやすくなる。
【0018】
上記実施の形態1の撮像レンズ系は,第4レンズL4の焦点距離をf4,第5レンズL5の焦点距離をf5と定義した時に下記条件式(6)を満足するようにしてもよい。
-0.8<f4/f5<-0.5 …(6)
【0019】
実施の形態1の撮像レンズ系によれば,下限を満たすことにより全長を押さえ,上限を満たすことにより色収差を補正できる。
【0020】
次に,実施の形態1の撮像レンズ系に対応する実施例について,図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1は,実施例1の撮像レンズ系の構成を示す断面図である。図1において,撮像レンズ系11は,物体側から像側に向かって順に,第1レンズL1,第2レンズL2,第3レンズL3,開口絞り(STOP),第4レンズL4,第5レンズL5,第6レンズL6からなる。撮像レンズ系11の結像面はIMGで示されている。
【0021】
第1レンズL1は,負のパワーを有するレンズである。第1レンズL1の物体側レンズ面S1は,物体側に凹を向けている。第1レンズL1の像側レンズ面S2は凹面を向けている。
【0022】
第2レンズL2は,正のパワーを有する非球面レンズである。第2レンズL2の物体側レンズ面S3は,物体側に凸面を向けている。また,第2レンズL2の像側レンズ面S4は,像側に凹面を向けている。
【0023】
第3レンズL3は,正のパワーを有するレンズである。第3レンズL3の物体側レンズ面S5は,物体側に凸面を向けている。また,第3レンズL3の像側レンズ面S6は,像面側に凹面を向けている。
【0024】
第4レンズL4は,負のパワーを有するレンズである。第4レンズL4の物体側レンズ面S9は,物体側に凹面を向けている。また,第4レンズL4の像側レンズ面S10は,像面側に凹面を向けている。
【0025】
第5レンズL5は,正のパワーを有するレンズである。第5レンズL5の物体側レンズ面S11は,物体側に凸面を向けている。また,第5レンズL5の像側レンズ面S12は,像面側に凸面を向けている。
【0026】
第4レンズL4と第5レンズL5は,接合レンズを形成している。すなわち,第4レンズL4の像側レンズ面S10と第5レンズL5の物体側レンズ面S11で接している。例えば,第4レンズL4と第5レンズL5は,軸上厚み0.02mmの接着層で接合するのが好適である。
【0027】
第6レンズL6は,正のパワーを有する非球面のレンズである。第6レンズL6の物体側レンズ面S13は,物体側に凸を向けている。また,第6レンズL6の像側レンズ面S14は,像面側に凸を向けている。
【0028】
IRカットフィルタ12は,赤外領域の光をカットするためのフィルタである。IRカットフィルタ12は,撮像レンズ系11の設計時には,撮像レンズ系11と一体として扱われる。しかし,IRカットフィルタ12は,撮像レンズ系11の必須の構成要素ではない。また,絞りは,第1レンズL1より物体側に設けてもよい。
【0029】
表1に,実施例1の撮像レンズ系11における,各レンズ面のレンズデータを示す。表1では,レンズデータとして,各面の曲率半径(mm),中心光軸における面間隔(mm),d線に対する屈折率Nd,及びd線に対するアッベ数Vdを提示している。「*印」がついた面は,非球面であることを示している。また,表1において,例えば「-6.522528E-03」は,「-6.522528×10-3」を意味する。以下の表についても数値の表現は同様である。
【0030】
【表1】
【0031】
レンズ面に採用される非球面形状は,zをサグ量,cを曲率半径の逆数,kを円錐係数,rを光軸Zからの光線高さとして,4次,6次,8次,10次,12次,14次,16次の非球面係数をそれぞれA4,A6,A8,A10,A12,A14,A16としたときに,次式により表わされる。
【0032】
表2に,実施例1の撮像レンズ系11において,非球面とされたレンズ面の非球面形状を規定するための非球面係数を示す。
【0033】
【表2】
【0034】
次に,収差について図面を用いて説明する。図2は,実施例1の撮像レンズ系における球面収差図である。図2において,横軸は光線が光軸Zと交わる位置を示し,縦軸は瞳径での高さを示す。また,図2は,波長0.436μm,0.486μm,0.546μm,0.588μm及び0.656μmの光線によるシミュレーション結果を示している
【0035】
図3は,実施例1の撮像レンズ系における像面湾曲図である。図3において,横軸は光軸Z方向の距離を示し,縦軸は像高(画角)を示す。また,図3において,Sはサジタル面における非点収差を示し,Tはタンジェンシャル面における非点収差を示す。また,図3は,波長0.546μmの光線によるシミュレーション結果を示している
【0036】
図4は,実施例1の撮像レンズ系における歪曲収差図である。図4において,横軸は像の歪み量(%)を示し,縦軸は像高(画角)を示す。図2図4に示すように,良好に収差補正されていることがわかる。
【0037】
次に,レンズの特性値について説明する。表3に,実施例1の撮像レンズ系11の特性値を計算した結果を示す。表3において,撮像レンズ系11における,レンズ系全体の焦点距離をf,第1レンズL1の焦点距離をf1,第2レンズL2の焦点距離をf2,第3レンズL3の焦点距離をf3,第4レンズL4の焦点距離をf4,第5レンズL5の焦点距離をf5,第6レンズL6の焦点距離をf6,第2レンズL2と第3レンズL3の合成焦点距離をf23,有効焦点距離をEFL,光学全長をTTL,第1レンズL1の厚さをd1,第2レンズL2の厚さをd2,第3レンズL3の厚さをd3,第4レンズL4の厚さをd4,第5レンズL5の厚さをd5,第6レンズL6の厚さをd6としたときの各特性値を示している。表3において,焦点距離及び中心厚みの単位はいずれもmmである。また,表3の各種の焦点距離は,0.546μmの波長の光線を用いて計算した。
【0038】
【表3】
【0039】
(実施例2)
図5は,実施例2の撮像レンズ系の構成を示す断面図である。図5において,撮像レンズ系11は,物体側から像側に向かって順に,負のパワーを有する第1レンズL1,正のパワーを有する第2レンズL2,正のパワーを有する第3レンズL3,絞り(STOP),負のパワーを有する第4レンズL4,正のパワーを有する第5レンズL5,正のパワーを有する第6レンズL6からなる。撮像レンズ系11の結像面はIMGで示されている。また,撮像レンズ系11は,IRカットフィルタ12を備えてもよい。また,各レンズの形状及び材質は実施例1と同様である。
【0040】
表4に,実施例2の撮像レンズ系11における,各レンズ面のレンズデータを示す。表4では,レンズデータとして,各面の曲率半径(mm),中心光軸における面間隔(mm),d線に対する屈折率Nd及びd線に対するアッベ数Vdを提示している。「*印」がついた面は,非球面であることを示している。
【0041】
【表4】
【0042】
表5に,実施例2の撮像レンズ系11において,非球面とされたレンズ面の非球面形状を規定するための非球面係数を示す。表5において,レンズ面に採用される非球面形状は,実施例2と同様の式にて表される。
【0043】
【表5】
【0044】
次に,収差について図面を用いて説明する。図6は,実施例2の撮像レンズ系における球面収差図である。図6において,横軸は光線が光軸Zと交わる位置を示し,縦軸は瞳径での高さを示す。また,図6は,波長0.436μm,0.486μm,0.546μm,0.588μm及び0.656μmの光線によるシミュレーション結果を示している
【0045】
図7は,実施例2の撮像レンズ系における像面湾曲図である。図7において,横軸は光軸Z方向の距離を示し,縦軸は像高(画角)を示す。また,図7において,Sはサジタル面における非点収差を示し,Tはタンジェンシャル面における非点収差を示す。また,図3は,波長0.546μmの光線によるシミュレーション結果を示している
【0046】
図8は,実施例2の撮像レンズ系における歪曲収差図である。図8において,横軸は像の歪み量(%)を示し,縦軸は像高(画角)を示す。
図6図8に示すように,良好に収差補正されていることがわかる。
【0047】
次に,レンズの特性値について説明する。表6に,実施例2の撮像レンズ系11の特性値を計算した結果を示す。表6の各項目は,表3と同様の各特性値を示している。また,表6の各種の焦点距離は,0.546μmの波長の光線を用いて計算した。
【0048】
【表6】
【0049】
(実施例3)
図9は,実施例3の撮像レンズ系の構成を示す断面図である。図9において,撮像レンズ系11は,物体側から像側に向かって順に,負のパワーを有する第1レンズL1,正のパワーを有する第2レンズL2,正のパワーを有する第3レンズL3,絞り(STOP),負のパワーを有する第4レンズL4,正のパワーを有する第5レンズL5,正のパワーを有する第6レンズL6からなる。撮像レンズ系11の結像面はIMGで示されている。また,撮像レンズ系11は,IRカットフィルタ12を備えてもよい。また,各レンズの形状及び材質は,第2レンズL2が球面レンズである点を除き,実施例1と同様である。
【0050】
表7に,実施例3の撮像レンズ系11における,各レンズ面のレンズデータを示す。表7では,レンズデータとして,各面の曲率半径(mm),中心光軸における面間隔(mm),d線に対する屈折率Nd及びd線に対するアッベ数Vdを提示している。「*印」がついた面は,非球面であることを示している。
【0051】
【表7】
【0052】
表8に,実施例3の撮像レンズ系11において,非球面とされたレンズ面の非球面形状を規定するための非球面係数を示す。表8において,レンズ面に採用される非球面形状は,実施例3と同様の式にて表される。
【0053】
【表8】
【0054】
次に,収差について図面を用いて説明する。図10は,実施例3の撮像レンズ系における球面収差図である。図10において,横軸は光線が光軸Zと交わる位置を示し,縦軸は瞳径での高さを示す。また,図10は,波長0.436μm,0.486μm,0.546μm,0.588μm及び0.656μmの光線によるシミュレーション結果を示している
【0055】
図11は,実施例3の撮像レンズ系における像面湾曲図である。図11において,横軸は光軸Z方向の距離を示し,縦軸は像高(画角)を示す。また,図11において,Sはサジタル面における非点収差を示し,Tはタンジェンシャル面における非点収差を示す。また,図3は,波長0.546μmの光線によるシミュレーション結果を示している
【0056】
図12は,実施例3の撮像レンズ系における歪曲収差図である。図12において,横軸は像の歪み量(%)を示し,縦軸は像高(画角)を示す。
図10図12に示すように,良好に収差補正されていることがわかる。
【0057】
次に,レンズの特性値について説明する。表9に,実施例3の撮像レンズ系11の特性値を計算した結果を示す。表9の各項目は,表3と同様の各特性値を示している。また,表9の各種の焦点距離は,0.546μmの波長の光線を用いて計算した。
【0058】
【表9】
【0059】
(実施例4)
図13は,実施例4の撮像レンズ系の構成を示す断面図である。図13において,撮像レンズ系11は,物体側から像側に向かって順に,負のパワーを有する第1レンズL1,正のパワーを有する第2レンズL2,正のパワーを有する第3レンズL3,絞り(STOP),負のパワーを有する第4レンズL4,正のパワーを有する第5レンズL5,正のパワーを有する第6レンズL6からなる。撮像レンズ系11の結像面はIMGで示されている。また,撮像レンズ系11は,IRカットフィルタ12を備えてもよい。また,各レンズの形状及び材質は実施例1と同様である。
【0060】
表10に,実施例4の撮像レンズ系11における,各レンズ面のレンズデータを示す。表10では,レンズデータとして,各面の曲率半径(mm),中心光軸における面間隔(mm),d線に対する屈折率Nd及びd線に対するアッベ数Vdを提示している。「*印」がついた面は,非球面であることを示している。
【0061】
【表10】
【0062】
表11に,実施例4の撮像レンズ系11において,非球面とされたレンズ面の非球面形状を規定するための非球面係数を示す。表11において,レンズ面に採用される非球面形状は,実施例4と同様の式にて表される。
【0063】
【表11】
【0064】
次に,収差について図面を用いて説明する。図14は,実施例4の撮像レンズ系における球面収差図である。図14において,横軸は光線が光軸Zと交わる位置を示し,縦軸は瞳径での高さを示す。また,図14は,波長0.436μm,0.486μm,0.546μm,0.588μm及び0.656μmの光線によるシミュレーション結果を示している
【0065】
図15は,実施例4の撮像レンズ系における像面湾曲図である。図15において,横軸は光軸Z方向の距離を示し,縦軸は像高(画角)を示す。また,図15において,Sはサジタル面における非点収差を示し,Tはタンジェンシャル面における非点収差を示す。また,図3は,波長0.546μmの光線によるシミュレーション結果を示している
【0066】
図16は,実施例4の撮像レンズ系における歪曲収差図である。図16において,横軸は像の歪み量(%)を示し,縦軸は像高(画角)を示す。
図14図16に示すように,良好に収差補正されていることがわかる。
【0067】
次に,レンズの特性値について説明する。表12に,実施例4の撮像レンズ系11の特性値を計算した結果を示す。表12の各項目は,表3と同様の各特性値を示している。また,表12の各種の焦点距離は,0.546μmの波長の光線を用いて計算した。
【0068】
【表12】
【0069】
(実施例5)
図17は,実施例5の撮像レンズ系の構成を示す断面図である。図17において,撮像レンズ系11は,物体側から像側に向かって順に,負のパワーを有する第1レンズL1,正のパワーを有する第2レンズL2,正のパワーを有する第3レンズL3,絞り(STOP),負のパワーを有する第4レンズL4,正のパワーを有する第5レンズL5,正のパワーを有する第6レンズL6からなる。撮像レンズ系11の結像面はIMGで示されている。また,撮像レンズ系11は,IRカットフィルタ12を備えてもよい。また,各レンズの形状及び材質は,第2レンズL2が球面レンズである点を除き,実施例1と同様である。
【0070】
表13に,実施例5の撮像レンズ系11における,各レンズ面のレンズデータを示す。表13では,レンズデータとして,各面の曲率半径(mm),中心光軸における面間隔(mm),d線に対する屈折率Nd及びd線に対するアッベ数Vdを提示している。「*印」がついた面は,非球面であることを示している。
【0071】
【表13】
【0072】
表14に,実施例5の撮像レンズ系11において,非球面とされたレンズ面の非球面形状を規定するための非球面係数を示す。表14において,レンズ面に採用される非球面形状は,実施例5と同様の式にて表される。
【0073】
【表14】
【0074】
次に,収差について図面を用いて説明する。図18は,実施例5の撮像レンズ系における球面収差図である。図18において,横軸は光線が光軸Zと交わる位置を示し,縦軸は瞳径での高さを示す。また,図18は,波長0.436μm,0.486μm,0.546μm,0.588μm及び0.656μmの光線によるシミュレーション結果を示している
【0075】
図19は,実施例5の撮像レンズ系における像面湾曲図である。図19において,横軸は光軸Z方向の距離を示し,縦軸は像高(画角)を示す。また,図19において,Sはサジタル面における非点収差を示し,Tはタンジェンシャル面における非点収差を示す。また,図3は,波長0.546μmの光線によるシミュレーション結果を示している
【0076】
図20は,実施例5の撮像レンズ系における歪曲収差図である。図20において,横軸は像の歪み量(%)を示し,縦軸は像高(画角)を示す。
図18図20に示すように,良好に収差補正されていることがわかる。
【0077】
次に,レンズの特性値について説明する。表15に,実施例5の撮像レンズ系11の特性値を計算した結果を示す。表15の各項目は,表3と同様の各特性値を示している。また,表15の各種の焦点距離は,0.546μmの波長の光線を用いて計算した。
【0078】
【表15】
【0079】
(実施の形態2:撮像装置への適用例)
図21は,撮像装置21は,撮像レンズ系11と,撮像素子22と,を備える。撮像レンズ系11と,撮像素子22と,は筐体(不図示)に収容されている。撮像レンズ系11は,上述の実施の形態1に記載された撮像レンズ系11である。
【0080】
撮像素子22は,受光した光を電気信号に変換する素子であり,例えば,CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが用いられる。撮像素子22は,撮像レンズ系11の結像位置に配置されている。
【0081】
このように,実施の形態2の撮像装置によれば,光学全長が短く,且つ像面湾曲を解消できる撮像装置を提供することができる。
【0082】
なお,本発明は上記実施例に限られたものではなく,趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば,実施例2は,実施例1~5に適用してもよい。また,第6レンズL6の屈折率を上げると結像性能が落ちるため、本実施の形態に係る光学レンズ及び撮像装置では,第6レンズL6の屈折率N6としたとき,1.55<N6<1.8を満たすことが望ましい。
また,本実施の形態に係る光学レンズ及び撮像装置では,第6レンズL6のアッベ数をν6,第5レンズL5のアッベ数をν5としたとき,40<v6ν6<70、ν5=67とすることが望ましい。ここで第6レンズL6は色収差を補正する役割を有している。
【符号の説明】
【0083】
11 撮像レンズ系
12 IRカットフィルタ
21 撮像装置
22 撮像素子
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
STOP 絞り
IMG 結像面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21