(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108330
(43)【公開日】2022-07-26
(54)【発明の名称】撮影制御装置、撮影装置、撮影システム、及び充電制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/235 20060101AFI20220719BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220719BHJP
H04N 5/238 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
H04N5/235 100
H04N5/232 411
H04N5/232 030
H04N5/235 300
H04N5/238
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021003239
(22)【出願日】2021-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 友博
(72)【発明者】
【氏名】西川 雅之
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA11
5C122EA52
5C122EA63
5C122FA10
5C122FF03
5C122FF09
5C122FF22
5C122FF23
5C122GC14
5C122GC52
5C122GF05
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】撮影機器の平均消費電力を減少する。
【解決手段】太陽電池10が発電した直流電力を二次電池12に充電する充電制御部11と、直流電力の供給及び制御のために、撮影機器20を接続するインタフェース16と、直流電力で駆動する制御部14と、出力電流又は充電電流と前記露出条件との関係を示す情報(テーブルや変換式)を格納する不揮発性記憶部とを備え、制御部14は、充電制御部11の出力電流又は二次電池12を充電する充電電流に基づいて、撮影機器20の露出条件を決定し、撮影機器20が撮影した撮影画像の明るさに応じて、情報を更新する。また、制御部14は、決定した露出条件で撮影機器20を駆動させ、撮像後に撮影機器20の駆動を停止させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池が発電した直流電力を二次電池に充電する充電制御部と、
前記直流電力の供給及び制御のために、撮影機器を接続するインタフェースと、
前記直流電力で駆動する制御部とを備え、
前記制御部は、前記充電制御部の出力電流又は前記二次電池を充電する充電電流に基づいて、前記撮影機器の露出条件を決定する
ことを特徴とする撮影制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影制御装置であって、
前記制御部は、前記露出条件で前記撮影機器を駆動させ、撮像後に前記撮影機器の駆動を停止させる
ことを特徴とする撮影制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮影制御装置であって、
前記出力電流又は前記充電電流と前記露出条件との関係を示す情報を格納する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記撮影機器が撮影した撮影画像の明るさに応じて、前記情報を更新する
ことを特徴とする撮影制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の撮影制御装置であって、
前記出力電流又は前記充電電流は前記二次電池が満充電のときに流れる充電終始電流以下である
ことを特徴とする撮影制御装置。
【請求項5】
太陽電池が発電した直流電力を二次電池に充電する充電制御部と、
前記直流電力の供給及び制御のために、撮影機器を接続するインタフェースと、
前記直流電力で駆動する制御部とを備え、
前記制御部は、前記太陽電池の発電電力に基づいて、前記撮影機器の露出条件を決定する
ことを特徴とする撮影制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の撮影制御装置であって、
前記露出条件は、露出時間及び絞り量の何れか一方又は双方である
ことを特徴とする撮影制御装置。
【請求項7】
太陽電池が発電した直流電力を二次電池に充電する充電制御部と、
前記直流電力で駆動する撮影機器と、
前記直流電力で駆動する制御部とを備え、
前記制御部は、前記充電制御部の出力電流又は前記二次電池を充電する充電電流に基づいて、前記撮影機器の露出条件を決定する
ことを特徴とする撮影装置。
【請求項8】
太陽電池が発電した直流電力を二次電池に充電する充電制御部と、
前記直流電力の供給及び制御のために、撮影機器を接続するインタフェースと、
前記直流電力で駆動する制御部とを備え、
前記制御部は、前記太陽電池の発電電力に基づいて、前記撮影機器の露出条件を決定する
ことを特徴とする撮影装置。
【請求項9】
撮影機器と、太陽電池が発電した直流電力を二次電池に充電する充電制御部と、前記直流電力の供給及び制御のために、前記撮影機器を接続するインタフェースと、前記直流電力で駆動する制御部とを備える撮影制御装置と、該撮影制御装置と通信可能に接続されているサーバとを備える撮影システムであって、
前記撮影制御装置は、前記二次電池を充電する充電電流と前記撮影機器の露出条件との関係を示すテーブルを格納する不揮発性記憶部をさらに備え、
前記サーバは、前記撮影機器が撮影した撮影画像を受信し、該撮影画像の明るさを演算し、前記演算された明るさを用いて、露出条件を更新する第1露出条件を前記撮影制御装置に送信し、
前記制御部は、前記充電制御部の出力電流又は前記二次電池を充電する充電電流に基づいて、前記撮影機器の第2露出条件を決定し、決定された第2露出条件で前記撮影機器に撮像させ、その撮影画像を前記サーバに送信し、前記サーバから受信した第1露出条件に基づいて、前記テーブルを更新する
ことを特徴とする撮影システム。
【請求項10】
請求項9記載の撮影システムであって、
前記制御部は、前記撮影機器の露出条件を決定した後で、前記撮影機器を駆動させ、撮影後に前記撮影機器の駆動を停止させる
ことを特徴とする撮影システム。
【請求項11】
太陽電池が発電した直流電力を二次電池に充電する充電制御部と、前記直流電力の供給及び制御のために、撮影機器を接続するインタフェースと、前記直流電力で駆動する制御部とを備えた撮影制御装置が実行する撮影制御方法であって、
前記充電制御部の出力電流又は前記二次電池を充電する充電電流に基づいて、前記撮影機器の露出条件を決定する
ことを特徴とする撮影制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影制御装置、撮影装置、撮影システム、及び充電制御方法に関し、例えば、太陽光発電で駆動する監視カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
河川には、洪水時の状況把握および住民の避難行動を促すため、河川監視カメラが設置されている。また、河川監視カメラは、低コストでの設置を可能とするため、電源線及び通信線の敷設が不要な太陽光発電で駆動する無線監視カメラのニーズが高まっている。
【0003】
特許文献1には、太陽電池を設け、該太陽電池の電力不足により撮影動作を規制する汎用カメラが記載されている。また、太陽電池の電流値又は電力値が閾値以下となったとき、通信部等の回路部への電力供給をオフすることが記載されている。さらに、この閾値は、カメラ部の輝度成分や露出時間の判断で得られる周辺の明るさにより、変更されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-135846号公報(請求項1,4,8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、無線監視カメラは、太陽電池や蓄電池のサイズ、コストを抑えるため、また、不日照でも長期間駆動させるために、消費電力を極力低減させる必要がある。一般的に、カメラは、動作時の消費電力が大きいので、撮影時のみ電源をオンにする間欠動作を行い、動作時間を短縮することが有効である。
【0006】
しかしながら、間欠動作であっても、明るい日中だけでなく、夕方や雨天等の薄暗いときの撮影のために、露出時間の逐次修正が必要である。つまり、カメラを起動し、撮像画像が適切な明るさになるまで、露出時間を修正した撮像を繰り返す必要がある。このため、カメラ(撮影機器)の動作時間が長くなり、平均消費電力が増加してしまう。その結果、大容量の太陽電池と二次電池が必要となり、装置全体のサイズやコストが増大するという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、撮影機器の平均消費電力を減少することができる撮影制御装置、撮影装置、撮影システム、及び充電制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の撮影制御装置は、太陽電池が発電した直流電力を二次電池に充電する充電制御部と、前記直流電力の供給及び制御のために、撮影機器を接続するインタフェースと、前記直流電力で駆動する制御部とを備え、前記制御部は、前記充電制御部の出力電流又は前記二次電池を充電する充電電流に基づいて、前記撮影機器の露出条件を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮影機器の平均消費電力を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態である監視カメラシステムの構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態である撮影装置の制御部の機能構成図である。
【
図3】本発明の監視カメラシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態につき詳細に説明する。なお、各図は、実施形態を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である監視カメラシステムの構成図である。
監視カメラシステム100は、撮影装置50と、無線親機2と、サーバ3とを備え、撮影装置50とサーバ3とが通信可能に接続されている。撮影装置50は、撮影機器20と、太陽電池10と、二次電池12と、撮影制御装置1とを有している。撮影装置50は、太陽電池10で発電した発電電力を二次電池12に充電し、充電電力を用いて撮影機器20に間欠的な撮影を行わせるものである。撮影制御装置1は、太陽電池10で発電した発電電力を撮影機器20に供給すると共に、撮影機器20を制御する。
【0013】
無線親機2は、撮影装置50とサーバ3との間の通信を仲介する。サーバ3は、撮影装置50(撮影制御装置1の無線部17)から撮影画像、照度、及び露出時間(第1露出設定)を受信し、格納する機能を有する。また、サーバ3は、露出修正部3aを有し、格納された撮影画像とその照度とを解析し、画像が明るすぎる場合や暗すぎる場合に、受信した照度に対する適正な露出条件(例えば、露出時間)を決定し、決定された露出条件(第2露出設定)を撮影制御装置1に通知する。
【0014】
太陽電池10は、光エネルギを電気エネルギに変換する発電部材であり、例えば、アモルファスSi太陽電池である。二次電池12は、太陽電池10が発電した直流電力を蓄電する充放電可能な電池であり、例えば、定格電圧1.2Vのニッケル水素電池を2個直列接続したものである。つまり、二次電池12の充電電圧V1は、例えば、2.4V(2V~3.1V)である。なお、ニッケル水素電池は、リチウムイオン電池やリチウムポリマ電池よりも電流が少なくても充電可能なので、センサ用の小規模の太陽電池との相性が良い。また、二次電池12は、消耗品であり、取換え可能に配設されている。
【0015】
撮影機器20は、静止画や動画を撮影するカメラであり、撮影画像(撮像画像を含む)を出力する。撮影機器20は、実線で示す電源線と、破線で示す制御線とでインタフェース16に接続される。実線で示す電源線は、インタフェース16を介してスイッチ15に接続される。破線で示す制御線は、露光時間(シャッタースピード)の可変等のために使用される。なお、制御線には、制御用の電源線が含まれており、スイッチ15がOFF状態であっても、若干の電力供給が可能である。
【0016】
また、撮影機器20は、絞り量を固定した固定レンズであるが、アクチュエータを付加し、電気的に絞り量(F値)を可変しても構わない。なお、撮影機器20の消費電力は、例えば、400mW程度であり、撮影制御装置1に比べて多い。
【0017】
撮影制御装置1は、充電制御部11と、充電電流測定部13と、制御部14と、スイッチ15と、インタフェース16と、無線部17と、不揮発性記憶部としてのROM(Read On Memory)18と、揮発性記憶部としてのRAM(Random Access Memory)19とを備えて構成される。
【0018】
充電制御部11は、太陽電池10が発生した直流電圧を二次電池12の充電電圧に変換する。充電制御部11は、太陽電池10の出力電流を制御することにより、太陽電池10が発電する発電電力を最大化する最大電力点追従(MPPT:Maximum Power Point Tracking)機能を有する。また、二次電池12の充電電圧V1は固定なので、太陽電池10の発電電力と充電制御部11の出力電流I0とは比例する。
【0019】
充電電流測定部13は、充電制御部11の出力電流I0を測定する。太陽電池10の発電電力は、照度に比例する。つまり、太陽電池10の発電電力に比例する充電制御部11の出力電流I0も照度に比例する。ここで、充電制御部11の出力電力は、スイッチ15がOFF状態であっても、制御部14、充電電流測定部13、無線部17等で消費される。そのため、充電制御部11の出力電流I0は、二次電池12に流れる充電電流I1と、制御部14等に流れる負荷電流I2との和となる。制御部14等に流れる負荷電流I2が充電制御部11の出力電流I0に比較して極めて少なければ、二次電池12を充電する充電電流I1も照度に比例する。
【0020】
ところで、二次電池12は、満充電になり得る。しかしながら、常に、負荷電流I2が流れる。また、二次電池12は、充電制御部11によって、充電上限電圧まで充電されるので、満充電であっても、所定の充電電流I1MINが流れる。一方、太陽電池10は、間欠的撮影に対応すればいいので、僅かな発電電力で足りる。そのため、満充電であっても、太陽電池10の発電電力がV1×(I1MIN+I2)以下であれば、太陽電池10の発電電力の全てが電力変換されて、充電制御部11の出力電流I0は、照度に比例する。
【0021】
スイッチ15は、制御部14の制御によって、二次電池12に蓄えられた直流電力や充電制御部11の出力電力を、インタフェース16を介して撮影機器20に供給したり、この電力供給を遮断したりする。インタフェース16は、例えば、露出設定やシャッター制御に用いられる制御線(破線)と、スイッチ15に接続される電源線(実線)とで撮影機器20を接続する。無線部17は、二次電池12に蓄えられた直流電力や充電制御部11の出力電力を用いて、外部の無線親機2と通信を行う。
【0022】
ROM18は、制御部14が実行するプログラムと、充電制御部11の出力電流I0又は照度と撮影機器20の露光時間との関係を示す情報(テーブルや換算式等)とを格納する不揮発性記憶部である。なお、二次電池12に流れる充電電流I1と撮影機器20の露光時間との関係を示す情報(テーブルや換算式等)を格納しても構わない。RAM19は、制御部14のワーキングメモリとして使用される。
【0023】
図2は、本発明の第1実施形態である撮影装置の制御部の機能構成図である。
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)であり、プログラムを実行することにより、充電電流測定制御部14a、照度推定部14b、露光時間推定部14c、露光時間設定部14e、撮影制御部14f、サーバ送信部14gとしての機能を実現する。
充電電流測定制御部14aは、充電電流測定部13に対して、充電制御部11の出力電流I0を測定させる。照度推定部14bは、測定した出力電流I0を用いて太陽電池10が受ける照度を推定する。露光時間推定部14cは、ROM18に予め格納されているテーブルや換算式等の情報を用いて、出力電流I0又は照度に基づいて、撮影機器20の露光時間を推定する。なお、露光時間推定部14cは、二次電池12に流れる充電電流I1に基づいて、撮影機器20の露光時間を推定しても構わない。
【0024】
露光時間設定部14eは、推定された露光時間を撮影機器20に設定する。撮影制御部14fは、スイッチ15を制御し、二次電池12に蓄電された直流電力を撮影機器20に供給すると共に、監視対象を撮影させる。さらに、撮影制御部14fは、撮影後、スイッチ15を制御し、撮影機器20への電力供給を遮断する。これにより、節電が行われる。サーバ送信部14gは、無線部17を制御して、撮影した撮像画像と照度と露出時間とを無線親機2を介してサーバ3に送信する。
【0025】
図3は、本発明の監視カメラシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
このフローは、撮影装置50が例えば、15分に1回や30分に1回程度の頻度で、監視対象を監視するときに周期的に実行される。
撮影装置50の制御部14は、充電制御部11の出力電流又は二次電池12の充電電流を充電電流測定部13に測定させる(S1)。S1の処理後、制御部14は、充電電流測定部13が測定した測定電流(充電制御部11の出力電流又は二次電池12の充電電流)に基づいて、照度を推定する(S2)。具体的には、ROM18に格納されている情報(テーブルや変換式)を用いて、測定電流から照度を求める。
【0026】
S2の処理後、制御部14は、S1で測定した測定電流やS2で推定した照度に基づいて露出条件を演算し、演算した露出条件(露出時間や絞り量)を撮影機器20に設定する(S3)。露出条件の設定後、制御部14は、スイッチ15をONにし、撮影機器20を起動させ(S4)、撮影させる(S5)。撮影が完了すると、制御部14は、スイッチ15をOFFにし、撮影機器20を停止させる(S6)。これにより、撮影装置50(
図1)の平均消費電力が低減する。S6の処理後、制御部14は、撮影画像、照度、及びS3で設定された露出条件(第1露出設定)をサーバ3に送信する(S7)。
【0027】
サーバ3は、撮影画像、照度、第1露出設定を受信し、撮影画像の明るさを評価する(S8)。撮像画像の明るさは、画像全体の平均的な明るさであったり、撮像画像の特定部分の明るさであったりする。撮影画像の明るさを評価した後、露出修正部3a(
図1)は、今回受信した撮影画像の平均輝度と、過去に受信した適正な明るさの撮影画像の平均輝度を算出し、平均輝度の差分に基づいて、新たな露出時間(第2露出設定)を算出する(S9)。
【0028】
通常では、撮影機器20の設置場所と被写体である監視対象の場所とは、ほぼ同じ照度になる。しかしながら、例えば、被写体付近に建物が新たに建設されて、撮影機器20の場所の照度は変化しないが被写体付近は日陰になってしまった等、撮影機器20の設置場所は明るいが被写体付近は暗くなってしまうことがある。つまり、S9では、S8で受信した撮影画像が明る過ぎたり、暗過ぎたりしたときには、露出修正部3a(
図1)は、適切な露出時間(シャッタースピード)を算出する。
【0029】
S9の処理後、サーバ3は、S9で算出された露出時間(第2露出設定)を撮影装置50に送信する(S10)。
【0030】
撮影装置50の制御部14は、受信した第2露出設定(露光時間)に基づいて、ROM18に格納された情報(計算式の係数やテーブル)を更新し(S11)、このフローを終了する。次回以降のS3では、更新された露出条件が撮影機器20に設定される。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の監視カメラシステム100(
図1)によれば、太陽電池10の発電電力に対応する充電制御部11の出力電流や二次電池12の充電電流を用いて、照度を推定すると共に、撮影機器20に露出時間を設定する。これにより、曇りや雨で照度が不足していても、適切な明るさの撮影画像を取得することができる。
【0032】
また、撮影機器20に露出時間を設定してから、スイッチ15をON状態にし、撮影機器20を駆動させる。このため、撮影機器20の動作時間が短縮し、平均消費電力を削減することができる。これにより、太陽電池10及び二次電池12に必要な容量が減り、サイズやコストを低減すると共に長期間の不日照動作が可能になる。さらに、サーバ3に送信された撮影画像の明るさを用いて、撮影機器20の露出時間の更新を行うことにより、伺らかの環境変化等が起こった場合であっても適切な露出条件で撮影することができる。
【0033】
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形が可能である。
(1)前記実施形態では、制御部14が実行するプログラムと、充電制御部11の出力電流I0又は照度と撮影機器20の露光時間との関係を示す情報(テーブルや換算式等)とを不揮発性記憶部としてのROM18に格納したが、サーバ3に格納された情報を受信してRAM19に格納しても構わない。
【0034】
(2)前記実施形態では、撮影機器20に対して露出条件の設定を行ってから(S3)、撮影機器20を起動したが(S4)、撮影機器20を起動してから露出条件の設定を行っても構わない。露出条件の設定を行う時間だけ、消費電力が増加するが、最適な露出条件が決まるまで撮影を繰り返すわけでないので、平均消費電力は低い。
【符号の説明】
【0035】
1 撮影制御装置
3 サーバ
10 太陽電池
11 充電制御部
12 二次電池
13 充電電流測定部
14 制御部
15 スイッチ
16 インタフェース
17 無線部
18 ROM(記憶部)
20 撮影機器
50 撮影装置
100 監視カメラシステム