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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108358
(43)【公開日】2022-07-26
(54)【発明の名称】半導体製造装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20220719BHJP
   C23C 16/52 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
H01L21/31 A
C23C16/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021003289
(22)【出願日】2021-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】黒田 雄一
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA09
4K030BA44
4K030CA04
4K030EA12
4K030HA12
4K030JA18
4K030KA28
4K030KA39
4K030KA41
4K030LA15
5F045AB32
5F045AC09
5F045AF03
5F045AF09
5F045BB10
5F045BB20
5F045DP11
5F045DP28
5F045DQ10
5F045EG01
5F045EM10
5F045GB02
5F045GB16
(57)【要約】
【課題】停止することなく配管の詰まりを確認することが出来る、半導体製造装置を提供する。
【解決手段】実施形態の半導体製造装置は、反応室と、反応室に接続された配管と、吸気口と、排気口と、を有し、吸気口又は排気口は配管に接続された真空ポンプと、配管に設けられた第1音響センサと、第1音響センサの第1出力に基づいて、配管の詰まりを判断する判断部を有する制御装置と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応室と、
前記反応室に接続された配管と、
吸気口と、排気口と、を有し、前記吸気口又は前記排気口は前記配管に接続された真空ポンプと、
前記配管に設けられた第1音響センサと、
前記第1音響センサの第1出力に基づいて、前記配管の詰まりを判断する判断部を有する制御装置と、
を備える半導体製造装置。
【請求項2】
前記制御装置は、閾値を保存する閾値保存部を有し、
前記判断部は前記閾値に基づいて、前記配管の前記詰まりを判断する、
請求項1記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第1出力を配管詰まり量に換算するための換算情報を有する換算情報保存部をさらに有し、
前記判断部は、前記配管詰まり量に基づいて、前記配管の前記詰まりを判断する、
請求項1又は請求項2記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記換算情報保存部は、製造工程毎に用いられる、複数の前記換算情報を有し、
前記製造工程に基づいて、複数の前記換算情報のいずれを用いるかが決定される、
請求項3記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記詰まりを有しない前記配管に設けられた前記第1音響センサの基準出力を保存する基準出力保存部をさらに有し、
前記判断部は、前記第1出力と前記基準出力の差分に基づいて、前記配管の前記詰まりを判断する、
請求項1乃至請求項4いずれか一項記載の半導体製造装置。
【請求項6】
第2音響センサと、
警報装置と、
をさらに備え、
前記判断部は、前記第1出力と、前記第2音響センサの第2出力と、に基づいて、前記警報装置を用いて警報を発する、
請求項1乃至請求項5いずれか一項記載の半導体製造装置。
【請求項7】
前記第1音響センサは、100kHz以上200kHz以下の周波数の音を測定する、
請求項1乃至請求項6いずれか一項記載の半導体製造装置。
【請求項8】
除害装置をさらに備え、
前記配管は、前記排気口と前記除害装置に接続されている、
請求項1乃至請求項7いずれか一項記載の半導体製造装置。
【請求項9】
前記反応室内において処理されたウェハの枚数を保存するウェハ処理枚数保存部をさらに備え、
前記判断部は、さらに前記枚数に基づいて、前記詰まりの判断を行う、
請求項1乃至請求項8いずれか一項記載の半導体製造装置。
【請求項10】
反応室と、
前記反応室に接続された配管と、
吸気口と、排気口と、を有し、前記吸気口又は前記排気口は前記配管に接続された真空ポンプと、
前記配管に設けられた第1音響センサと、
を備える半導体製造装置を用いた半導体製造方法であって、
前記第1音響センサの第1出力に基づいて、前記配管の詰まりを判断する、
半導体製造装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体製造装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、高品質な膜を成膜させる方法として、化学気相成長(Chemial Vapor Deposition:CVD)法により、ウェハ(基板)上に膜を成長させる方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-100714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の目的は、停止することなく配管の詰まりを確認することが出来る、半導体製造装置及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体製造装置は、反応室と、反応室に接続された配管と、吸気口と、排気口と、を有し、吸気口又は排気口は配管に接続された真空ポンプと、配管に設けられた第1音響センサと、第1音響センサの第1出力に基づいて、配管の詰まりを判断する判断部を有する制御装置と、を備える。
【0006】
実施形態の半導体製造装置の制御方法は、反応室と、反応室に接続された配管と、吸気口と、排気口と、を有し、吸気口又は排気口は配管に接続された真空ポンプと、配管に設けられた第1音響センサと、を備える半導体製造装置を用いた半導体製造方法であって、第1音響センサの第1出力に基づいて、配管の詰まりを判断する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の半導体製造装置の模式図である。
図2】実施形態の配管における堆積物の堆積の様子を示す模式断面図である。
図3】実施形態の半導体製造装置における、配管内部の清掃前及び清掃直後の、音響センサの出力の一例を示す模式図である。
図4】実施形態の音響センサの取り付け方の一例を示す模式図である。
図5】実施形態の音響センサの取り付け方の他の一例を示す模式断面図である。
図6】実施形態の音響センサの取り付け方の他の一例を示す模式断面図である。
図7】実施形態の半導体製造装置の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。なお、図面中、同一又は類似の箇所には、同一又は類似の符号を付している。
【0009】
(実施形態)
実施形態の半導体製造装置は、反応室と、反応室に接続された配管と、吸気口と、排気口と、を有し、吸気口又は排気口は配管に接続された真空ポンプと、配管に設けられた第1音響センサと、第1音響センサの第1出力に基づいて、配管の詰まりを判断する判断部を有する制御装置と、を備える。
【0010】
実施形態の半導体製造装置の制御方法は、反応室と、反応室に接続された配管と、吸気口と、排気口と、を有し、吸気口又は排気口は配管に接続された真空ポンプと、配管に設けられた第1音響センサと、を備える半導体製造装置を用いた半導体製造方法であって、第1音響センサの第1出力に基づいて、配管の詰まりを判断する。
【0011】
図1は、実施形態の半導体製造装置100の模式図である。
【0012】
半導体製造装置100は、反応室2と、支持部4と、真空ポンプ6と、三方弁12と、三方弁16と、バルブ22と、バルブ24と、バルブ26と、バルブ28と、配管32と、配管34と、配管36と、配管38と、配管40と、配管42と、音響センサ50と、音響センサ52と、除害装置60と、制御装置70と、警報装置90と、を備える。
【0013】
制御装置70は、判断部72と、閾値保存部74と、時間間隔保存部76と、ウェハ処理枚数保存部78と、換算情報保存部80と、基準出力保存部82と、を有する。
【0014】
実施形態の半導体製造装置100は、例えば、シリコンウェハ等のウェハWの上に、CVD法を用いて膜を成長させる装置である。
【0015】
図1には、反応室2としての、反応室2a及び反応室2bが示されている。上記の膜の成長は、反応室2内で行われる。反応室2には、プロセスガス供給機構92が接続されている。プロセスガス供給機構92は、例えば、図示しないガス生成部、ガスボンベ、配管、調整弁及びマスフローコントローラ等の流量調整機構等を有する。かかるプロセスガス供給機構は、反応室2にプロセスガスを供給する。プロセスガスは、例えば、TEOS(Teoraethyl Orthosilicate:オルトケイ酸テトラエチル)ガスである。半導体製造装置100は、かかるプロセスガスを用いて、CVD法により、ウェハWの表面にTEOS膜(SiO膜)を形成するものである。なお、図1においては、単一のプロセスガス供給機構92が、反応室2a及び反応室2bのいずれにも接続されている。しかし、反応室2a及び反応室2bのそれぞれに、個別のプロセスガス供給機構92が接続されていてもかまわない。
【0016】
反応室2内には、ウェハWを載置可能でウェハWをウェハWの周方向に回転する支持部4が設けられている。図1においては、反応室2a内に、支持部4a及び支持部4bが設けられている。また、反応室2b内に、支持部4c及び支持部4dが設けられている。支持部4としては、たとえば中心に開口部を有し、周縁で基板を支持するホルダが用いられる。なお、支持部4としては、開口部のないサセプタを用いてもよい。
【0017】
ウェハWは、例えばシリコンウェハであるが、サファイヤウェハ等であってもかまわない。図1においては、支持部4aの上にウェハWが、支持部4bの上にウェハWが、支持部4cの上にウェハWが、支持部4dの上にウェハWが、それぞれ設けられている。
【0018】
なお、半導体製造装置100における、反応室2の個数、プロセスガスの種類、支持部4の種類及び個数、ウェハWの種類及び枚数は、上記のものに限定されるものではない。
【0019】
図1には、真空ポンプ6としての真空ポンプ6a及び真空ポンプ6bが図示されている。そして、真空ポンプ6aは、吸気口8aと、排気口10aと、を有する。また、真空ポンプ6bは、吸気口8bと、排気口10bと、を有する。真空ポンプ6は、例えばドライポンプや圧力計などを含む排気システムである。
【0020】
配管32は、反応室2a及び吸気口8aに接続されている。配管34は、排気口10aに接続されている。真空ポンプ6aは、反応室2a内の余剰のプロセスガス及び反応副生成物を、配管32を介して吸気口8aから吸気する。そして、真空ポンプ6aは、かかる余剰のプロセスガス及び反応副生成物を、排気口10aから配管34へと排気する。
【0021】
配管34は、バルブ22に接続されている。そして、配管34は、バルブ22を介して配管36に接続されている。配管36は、配管部分36aと、配管部分36cと、配管部分36eと、配管部分36aと配管部分36cを接続する湾曲部36bと、配管部分36cと配管部分36eを接続する湾曲部36dと、を有する。湾曲部36b及び湾曲部36dは、例えば配管のエルボである。バルブ22は、例えばボールバルブやバタフライバルブ等である。
【0022】
配管38は、反応室2b及び吸気口8bに接続されている。配管40は、排気口10bに接続されている。真空ポンプ6bは、反応室2b内の余剰のプロセスガス及び反応副生成物を、配管38を介して吸気口8bから吸気する。そして、真空ポンプ6aは、かかる余剰のプロセスガス及び反応副生成物を、排気口10bから配管40へと排気する。
【0023】
配管40は、バルブ26に接続されている。そして、配管40は、バルブ26を介して配管42に接続されている。配管42は、配管部分42aと、配管部分42cと、配管部分42eと、配管部分42aと配管部分42cを接続する湾曲部42bと、配管部分42cと配管部分42eを接続する湾曲部42dと、を有する。湾曲部42b及び湾曲部42dは、例えば配管のエルボである。バルブ26は、例えばボールバルブやバタフライバルブ等である。
【0024】
なお、半導体製造装置100における真空ポンプ6の個数、配管の態様及びバルブの態様は、上記のものに限定されるものではない。
【0025】
除害装置60は、反応室2から排出される有毒なガスや可燃性のガスを無害化する。除害装置60は、例えばスクラバーである。図1には、除害装置60としての除害装置60a及び除害装置60bが図示されている。
【0026】
除害装置60aは、配管部分36eに接続されている。配管部分36eは、除害装置60a内において、バルブ24を介して三方弁12のポート14aに接続されている。バルブ24は、例えばボールバルブやバタフライバルブ等である。三方弁12のポート14bは、除害装置60a内の図示しない燃焼炉に接続されている。かかる図示しない燃焼炉において、上記の有毒なガスや可燃性のガスは無害化される。三方弁12のポート14cは、例えば、図示しないバイパスラインに接続されている。そして、かかる図示しないバイパスラインを介して、燃焼炉によって無害化された有毒なガスや可燃性のガスは排出される。
【0027】
除害装置60bは、配管部分42eに接続されている。配管部分42eは、除害装置60b内において、バルブ28を介して三方弁16のポート18aに接続されている。バルブ28は、例えばボールバルブやバタフライバルブ等である。三方弁16のポート18bは、除害装置60b内の図示しない燃焼炉に接続されている。かかる図示しない燃焼炉において、上記の有毒なガスや可燃性のガスは無害化される。三方弁16のポート18cは、例えば、図示しないバイパスラインに接続されている。そして、かかる図示しないバイパスラインを介して、燃焼炉によって無害化された有毒なガスや可燃性のガスは排出される。
【0028】
音響センサ50は、配管32、配管34又は配管36の外側に設けられている。音響センサ50は、例えば、AE(Acoustic Emission)センサである。音響センサ50は、配管32、配管34又は配管36の振動を測定する。そして、音響センサ50は、測定された振動の結果を、音響センサ50の外部へ出力を行う。なおかかる出力は、第1出力又は第2出力の一例である。
【0029】
図1には、音響センサ50としての音響センサ50a、音響センサ50b、音響センサ50c、音響センサ50d、音響センサ50e及び音響センサ50fが示されている。音響センサ50aは、配管34の、例えば上側に設けられている。音響センサ50bは、配管部分36aの、例えば下側に設けられている。音響センサ50cは、湾曲部36bの、例えば下側に設けられている。音響センサ50dは、配管部分36cの、例えば側面に設けられている。音響センサ50eは、配管部分36eの、例えば上側に設けられている。音響センサ50fは、配管32の、例えば側面に設けられている。
【0030】
音響センサ52は、配管38、配管40又は配管42の外側に設けられている。音響センサ52は、例えば、AE(Acoustic Emission)センサである。音響センサ52は、配管38、配管40又は配管42の振動を測定する。そして、音響センサ52は、測定された振動の結果を、音響センサ52の外部へ出力を行う。なおかかる出力は、第1出力又は第2出力の一例である。
【0031】
図1には、音響センサ52としての音響センサ52a、音響センサ52b、音響センサ52c、音響センサ52d、音響センサ52e及び音響センサ52fが示されている。音響センサ52aは、配管40の、例えば上側に設けられている。音響センサ52bは、配管部分42aの、例えば下側に設けられている。音響センサ52cは、湾曲部42bの、例えば下側に設けられている。音響センサ52dは、配管部分42cの、例えば側面に設けられている。音響センサ52eは、配管部分42eの、例えば上側に設けられている。音響センサ52fは、配管38の、例えば側面に設けられている。
【0032】
なお、音響センサ50は、第1音響センサ又は第2音響センサの一例である。また、音響センサ52は、第1音響センサ又は第2音響センサの一例である。
【0033】
音響センサ50及び音響センサ52は、それぞれ、100kHz以上200kHz以下の周波数の音を測定することが好ましい。
【0034】
図2は、実施形態の配管における堆積物Dの堆積の様子を示す模式断面図である。なお、図2中の矢印は、重力方向と配管部分36a内の堆積物Dの位置関係を示すものである。
【0035】
図2(a)においては、堆積物Dは配管部分36aの内壁において均等に堆積している。そのため、空洞Cの断面形状は、円形となっている。一方、図2(b)においては、堆積物Dは、より下方の配管部分36aの内部に堆積している。このように堆積する理由の一つとしては、重力のために下方に堆積物Dがより堆積しやすいことが挙げられる。また、湾曲部36bよりも真空ポンプ6aに近い配管34及び配管部分36a、並びに湾曲部42bよりも真空ポンプ6bに近い配管40及び配管部分42aにおいては、余剰のプロセスガスが湾曲部36b又は湾曲部42bを円滑に流れにくくなるために、内部に余剰のプロセスガスが滞留しやすい。そのため、重力の効果とあわせて、下方にますます堆積物Dがより堆積しやすい状態となることが挙げられる。
【0036】
図3は、実施形態の半導体製造装置100における、配管内部の清掃前及び清掃直後の、音響センサの出力の一例を示す模式図である。配管内部の清掃直後の音響センサの出力と比較して、配管内部の清掃前の音響センサの出力は低くなっている。これは、堆積物Dが配管に堆積していくにつれて、配管の振動は小さくなる傾向があることを示すものである。また、これは、音響センサを用いて配管の振動を評価することにより、配管内部において堆積物Dが堆積している程度を評価できることを示すものである。このような評価が可能となる理由は、堆積物Dが配管に堆積した場合、配管を流れる余剰のプロセスガスの分子が、配管の内壁に直接衝突しなくなるため、配管の振動が小さくなるためと考えられる。
【0037】
また、例えば堆積物Dが配管に堆積した場合、堆積物Dが配管と共に振動すると考えられる。堆積物Dが配管に堆積している状態で、配管を、堆積物Dが配管に堆積していない状態と同程度だけ振動させるためには、より大きな振動のエネルギーが求められると考えられる。そのため、堆積物Dが配管に堆積していくにつれて、配管の振動は小さくなる傾向があると考えられる。
【0038】
以上により、音響センサを用いて配管の振動を評価することにより、配管内部において堆積物Dが堆積している程度を評価できると考えられる。
【0039】
図4は、実施形態の音響センサの取り付け方の一例を示す模式図である。図4において、Z方向は、重力方向と反対の方向である。また、図4において、X方向はZ方向に垂直に交差する方向である。X方向は、配管部分36aが延伸する方向である。また、図4において、Y方向はX方向及びZ方向に垂直に交差する方向である。図4(a)は、YZ面内における、実施形態の音響センサの取り付け方の一例を示す模式断面図である。なお、図4(a)においては、ワイヤ54bをあわせて図示している。図4(b)は、XY面内における、実施形態の音響センサの取り付け方の一例を示す模式図である。例えば、図4(a)の音響センサ50bのように、配管部分36aの下側又は下面に音響センサ50bを設けることは、好ましい実施態様の一例である。
【0040】
音響センサ50bは、板材58の下面に、例えば図示しないネジ等を使って固定されている。板材56と板材58は、例えば図示しないネジ等を用いて互いに固定されている。板材56及び板材58は、例えば金属製の板材である。板材56は、配管部分36aに、例えばワイヤ54a及びワイヤ54bを用いて取り付けられている。そして、板材56と配管部分36aは、接触部57において互いに接触している。固定部59は、配管部分36aの表面において板材56が滑らないように固定するためのものである。このようにして、音響センサ50bは、板材56及び板材58を介して、配管部分36aの接触部57に設けられている。なお、接触部57は、配管部分36aの下面と板材56が接触している部分である。
【0041】
図5は、実施形態の音響センサの取り付け方の他の一例を示す模式断面図である。なお、図5においては、ワイヤ54bをあわせて図示している。音響センサ50bを配管部分36aの下側又は下面に設け、音響センサ50bを配管部分36aの上側又は上面に設けることは、好ましい実施態様の一例である。
【0042】
図5においては、音響センサ50bは、板材58aの下面に、例えば図示しないネジ等を使って固定されている。板材56aと板材58aは、例えば図示しないネジ等を用いて互いに固定されている。板材56a及び板材58aは、例えば金属製の板材である。板材56aは、配管部分36aに、例えばワイヤ54bを用いて取り付けられている。そして、板材56aと配管部分36aは、接触部57aにおいて互いに接触している。固定部59aは、配管部分36aの表面において板材56aが滑らないように固定するためのものである。このようにして、音響センサ50bは、板材56a及び板材58aを介して、配管部分36aの接触部57aに設けられているものとする。なお、接触部57aは、配管部分36aの下面と板材56aが接触している部分である。そのため、図5に示した態様において、音響センサ50bは、配管部分36aの下側又は下面に設けられているといえる。
【0043】
また、図5においては、音響センサ50bは、板材58bの上面に、例えば図示しないネジ等を使って固定されている。板材56bと板材58bは、例えば図示しないネジ等を用いて互いに固定されている。板材56b及び板材58bは、例えば金属製の板材である。板材56bは、配管部分36aに、例えばワイヤ54bを用いて取り付けられている。そして、板材56bと配管部分36aは、接触部57bにおいて互いに接触している。固定部59bは、配管部分36aの表面において板材56bが滑らないように固定するためのものである。このようにして、音響センサ50bは、板材56b及び板材58bを介して、配管部分36aの接触部57bに設けられているものとする。なお、接触部57bは、配管部分36aの上面と板材56bが接触している部分である。そのため、図5に示した態様において、音響センサ50bは、配管部分36aの上側又は上面に設けられているといえる。
【0044】
図5においては、接触部57aと接触部57bは、互いに対向する位置に設けられている。言い換えると、接触部57aと接触部57bは、いずれも、図5において点線で示した、配管の中心37aを通る直線を通過する。
【0045】
図6は、実施形態の音響センサの取り付け方の他の一例を示す模式断面図である。なお、図6においては、ワイヤ54bをあわせて図示している。図6に示したように、音響センサ50bを配管部分36aの下側又は下面に設け、音響センサ50b及び音響センサ50bを配管部分36aの周囲においてそれぞれ音響センサ50bから120度ずつ離間させて配置することは、好ましい実施態様の一例である。
【0046】
図6においては、音響センサ50bは、配管部分36aの下側又は下面に設けられている。音響センサ50bは、配管部分36aの音響センサ50bが設けられている部分から、配管部分36aが延伸する方向(X方向)に垂直な面内において時計回りに120度ずれた部分に設けられている。音響センサ50bは、配管部分36aの音響センサ50bが設けられている部分から、配管部分36aが延伸する方向(X方向)に垂直な面内において反時計回りに120度ずれた部分に設けられている。言い換えると、音響センサ50bは、配管部分36aの音響センサ50bが設けられている部分から、配管部分36aが延伸する方向(X方向)に垂直な面内において時計回りに120度ずれた部分に設けられている。
【0047】
例えば、音響センサ50a、音響センサ50b、音響センサ50d及び音響センサ50eの中では、音響センサ50bが、最も多い堆積量の堆積物Dに対応する出力が得られる可能性が高い。これは、音響センサ50bが設けられている配管部分36aは、湾曲部36bよりも反応室2aに近い場所に位置し、かつ湾曲部36bから近い場所に位置するために、内部に余剰のプロセスガスが滞留しやすいためである。
【0048】
音響センサ50bの次に多い堆積量の堆積物Dに対応する出力が得られる可能性が高いのは、音響センサ50dである。これは、配管部分36cが、湾曲部36dよりも反応室2aに近い場所に位置し、かつ湾曲部36dから近い場所に位置するために、内部に余剰のプロセスガスが滞留しやすいためである。ただし、音響センサ50bが設けられている配管部分36aの内部において多くの堆積物Dが堆積し、その後にプロセスガスが配管部分36cを通過している。従って、配管部分36aにおいて堆積物Dが堆積した分だけ、音響センサ50dが設けられた配管部分36cにおける堆積物Dの量は、音響センサ50bが設けられた配管部分36aにおける堆積物Dの量より少なくなると考えられる。
【0049】
音響センサ50dの次に多い堆積量の堆積物Dに対応する出力が得られる可能性が高いのは、音響センサ50aである。これは、音響センサ50aが設けられている配管34は、音響センサ50eが設けられている配管部分36eよりも真空ポンプ6aに近いため、堆積物Dとなる反応副生成物がより多く含まれているガスが通過していると考えられるためである。
【0050】
同様の理由で、音響センサ52a、音響センサ52b、音響センサ52d及び音響センサ52eの中では、音響センサ52bが、最も多い堆積量の堆積物Dに対応する出力が得られる可能性が高い。音響センサ52bの次に多い堆積量の堆積物Dに対応する出力が得られる可能性が高いのは、音響センサ52dである。音響センサ52dの次に多い堆積量の堆積物Dに対応する出力が得られる可能性が高いのは、音響センサ52aである。
【0051】
配管34の内部に堆積物Dが堆積した場合には、排気口10aとバルブ22の間で配管34を外し、配管34の内部の清掃を行う。
【0052】
配管36の内部に堆積物Dが堆積した場合には、バルブ22と除害装置60aの間で配管36を外し、配管36の内部の清掃を行う。
【0053】
配管40の内部に堆積物Dが堆積した場合には、排気口10bとバルブ26の間で配管40を外し、配管40の内部の清掃を行う。
【0054】
配管42の内部に堆積物Dが堆積した場合には、バルブ26と除害装置60bの間で配管42を外し、配管42の内部の清掃を行う。
【0055】
判断部72は、音響センサ50又は音響センサ52の出力に基づいて、配管の詰まりを判断する。
【0056】
判断部72が、「配管が詰まっている」と判断、又はその他の判断をおこなった場合には、例えば、制御装置70又は判断部72は、反応室2において行われている製造工程又は真空ポンプ6を停止することが出来る。
【0057】
閾値保存部74は、配管の詰まりを判断するための閾値を保存する。そして、判断部72は、かかる閾値に基づいて配管の詰まりを判断する。
【0058】
換算情報保存部80は、音響センサの出力を配管詰まり量に換算するための換算情報を有する。そして、判断部72は、換算された配管詰まり量に基づいて、配管の詰まりを判断する。ここで、この換算は、例えば判断部72が行うことが出来る。なお、かかる換算は、行われなくてもかまわない。
【0059】
例えば、換算情報保存部80は、複数の換算情報を有することが好ましい。ここで、かかる複数の換算情報は、例えば反応室2内において行われる製造工程毎に準備される。そして、例えば判断部72は、例えば上記の製造工程に基づいて、複数の換算情報の中から、対応する換算情報を適宜用いて、複数の音響センサ50のそれぞれ、複数の音響センサ52のそれぞれ、又は音響センサ50及び音響センサ52のそれぞれに対して適用し、配管の詰まりを判断することが出来る。例えば、反応室2内においてウェハWの上に成膜される膜の構成が異なる場合には、反応室2内において行われる製造工程が異なるものと考えることが出来る。また、真空ポンプ6の排気量が異なる場合にも、堆積物Dの堆積の仕方が変化して配管の詰まりの仕方が異なったものになると考えられるため、異なる換算情報を用いることができる。なお、上記の記載は、「換算情報保存部は、製造工程毎に用いられる、複数の換算情報を有し、製造工程に基づいて、複数の換算情報のいずれを用いるかが決定される」の一例である。
【0060】
基準出力保存部82は、詰まりを有しない配管に設けられた音響センサの基準出力を保存する。例えば、図3に示した、配管内部の清掃直後の音響センサの出力を、基準出力として基準出力保存部82に保存する。この場合、判断部72は、音響センサの出力と基準出力の差分に基づいて、配管の詰まりを判断することが可能である。なお、基準出力保存部82は、なくてもかまわない。
【0061】
音響センサ50及び音響センサ52は、所定の時間間隔にて出力を行うことが好ましい。かかる所定の時間間隔は、時間間隔保存部76に保存されている。
【0062】
ウェハ処理枚数保存部78は、反応室2a及び反応室2b内において処理されたウェハWの枚数を保存する。この場合、判断部72は、かかるウェハWの枚数に基づいて、配管の詰まりを判断することが出来る。
【0063】
また、例えば判断部72は、音響センサ50又は音響センサ52の出力に基づいて、警報装置90を用いて警報を発することが好ましい。ここで、判断部72は、1個の音響センサ50又は音響センサ52の出力に基づいて、警報装置90を用いて警報を発してもかまわない。また、例えば判断部72は、複数の音響センサ50又は音響センサ52の出力に基づいて、警報を発してもかまわない。例えば、半導体製造装置100が、音響センサ50又は音響センサ52を合計4個備える場合を考える。例えば、警報を発する音響センサ50又は音響センサ52の数が0個である場合には、配管状態が「健全」であるものとして、判断部72は、警報装置90を用いて警報を発しないものとすることが可能である。また、例えば、警報を発する音響センサ50又は音響センサ52の数が2個である場合には、配管状態が「注意」の状態にあるものとして、判断部72は、警報装置90を用いてその旨の警報を発することが可能である。また、例えば、警報を発する音響センサ50又は音響センサ52の数が4個である場合には、配管状態が「交換警報」を発するべき状態になるものとして、判断部72は、警報装置90を用いてその旨の警報を発することが可能である。また、例えば判断部72は、警報装置90を用いて、ウェハ処理枚数保存部78に保存されたウェハWの枚数の増加と共に、例えば「健全」、「注意」、「交換情報」といった種類の違う警報を制御して出してもかまわない。なお、上記の態様は、「第2音響センサと、警報装置と、をさらに備え、判断部は、第1出力と、第2音響センサの第2出力と、に基づいて、警報装置を用いて警報を発する」の一例である。また、警報装置90は、チャイム、サイレン、ランプ、液晶等のモニタ、等である。
【0064】
制御装置70及び判断部72は、例えば、電子回路である。制御装置70及び判断部72は、例えば、演算回路等のハードウェアとプログラム等のソフトウェアの組み合わせで構成されるコンピュータである。
【0065】
閾値保存部74、時間間隔保存部76、ウェハ処理枚数保存部78、換算情報保存部80及び基準出力保存部82は、例えば半導体メモリやハードディスクである。
【0066】
図7は、実施形態の半導体製造装置100の制御方法を示すフローチャートである。
【0067】
まず、反応室2内の支持部4の上にウェハWを載置する。次に、反応室2内に、プロセスガス供給機構92を用いてプロセスガスを導入し、ウェハWの上に成膜を行う。余剰のプロセスガス及び反応副生成物は、真空ポンプ6により排気される。
【0068】
次に、例えば判断部72は、配管内部を流れるプロセスガスによる振動を、音響センサ50の出力又は音響センサ52の出力を用いて計測する。なお、この出力及び計測は、例えば時間間隔保存部76に保存された時間を用いて、所定の時間間隔にて行われてもかまわない(S2)。
【0069】
次に、例えば判断部72は、換算情報保存部80に保存された換算情報を用いて、音響センサ50の出力又は音響センサ52の出力を配管詰まり量に換算する(S4)。なお、かかる換算は、行われなくてもかまわない。
【0070】
次に、判断部72は、例えば、得られた換算結果(配管詰まり量)と、閾値保存部74に保存された閾値と、に基づいて、配管の詰まりを判断する。例えば、判断部72は、配管詰まり量が閾値より小さいかどうかを判断する(S6)。
【0071】
配管詰まり量が閾値より小さい場合には、例えば判断部72は、さらに音響センサにより計測を行う(S2)。一方、配管詰まり量が閾値以上である場合には、例えば判断部72は、「配管に異常がある(配管に一定量以上の詰まりがある)」警報装置90を用いて警報を発する。
【0072】
次に、実施形態の半導体製造装置100及び半導体製造装置100の制御方法の作用効果を記載する。
【0073】
半導体製造装置100に接続されている配管の内部においては、余剰のプロセスガス及び反応副生成物等が配管の内部において反応し、堆積物Dとして配管の内部において堆積する。従前、半導体製造装置100の稼働中において、配管の内部における堆積物Dの量を確認することは困難であり、配管の交換や配管のクリーニングを行うときまで待たなければならなかった。そのため、従前は、一定の時間間隔を決め、その時間間隔で機械的に必ず配管を交換することを行うことがあった。しかしこの場合には、まだ配管の内部があまり詰まっていないにもかかわらず交換することがあった。また、その時間間隔に満たないにもかかわらず配管が詰まってしまうことがあった。
【0074】
そこで、実施形態の半導体製造装置では、反応室2と、反応室2に接続された配管と、吸気口8と、排気口10と、を有し、吸気口8又は排気口10は配管に接続された真空ポンプ6と、配管に設けられた音響センサと、音響センサの出力に基づいて、配管の詰まりを判断する判断部72を有する制御装置70と、を備える。
【0075】
上記のように、堆積物Dが配管に堆積した場合、配管を流れる余剰のプロセスガスの分子が、配管の内壁に直接衝突しなくなるため、配管の振動が小さくなると考えられる。そのため、音響センサ50又は音響センサ52の出力に基づいて、配管の詰まりを判断することが出来る。この場合、目視で配管の内部を確認しなくても、配管の詰まりを確認することが出来る。そのため、半導体製造装置を停止させて配管を交換する等、半導体製造装置の稼働率を無駄に下げたりしなくても、配管の詰まりを確認することが可能である。
【0076】
例えば、配管の詰まりに伴い、音響センサの出力は小さくなると考えられる。そのため、例えば、音響センサの出力がどの程度にまで小さくなった場合に、配管の清掃が必要となるのかを、閾値保存部74に保存された閾値を用いて、判断部72が判断することができる。
【0077】
また、あらかじめ、堆積物D等による配管の詰まりの程度と、音響センサの出力との間で相関関係を測定し、かかる相関関係を換算情報として換算情報保存部80に保存しておくことができる。これにより、配管の詰まりの程度をより詳細に監視することが可能となる。
【0078】
製造工程毎に用いられる、複数の前記換算情報を有し、前記製造工程に基づいて、複数の前記換算情報のいずれを用いるかが決定されることが好ましい。反応室2内においてウェハWの上に成膜される膜の構成が異なる場合や、真空ポンプ6の排気量が異なる場合に、堆積物Dの堆積の仕方が変化して配管の詰まりの仕方が異なったものになると考えられる。そのため、配管の詰まりの程度をより詳細に監視することが可能となる。
【0079】
基準出力保存部82は、詰まりを有しない配管に設けられた音響センサの基準出力を保存することが好ましい。詰まりを有しない配管の出力との比較が容易になるため、配管の詰まりの程度をより詳細に監視することが可能となる。
【0080】
判断部72が、「配管が詰まっている」と判断、又はその他の判断をおこなった場合には、例えば、制御装置70又は判断部72は、反応室2において行われている製造工程又は真空ポンプ6を停止することが好ましい。配管が詰まっている場合において、半導体の製造をそのまま続けると、配管の破裂等が起こる可能性があるため危険である。反応室2において行われている製造工程又は真空ポンプ6を停止することにより、この危険を回避出来る。
【0081】
第2音響センサと、警報装置と、をさらに備え、判断部は、第1出力と、第2音響センサの第2出力と、に基づいて、警報装置を用いて警報を発することが好ましい。警報の出し方のレベル分けが可能となり、半導体製造装置のオペレータは配管の詰まりをより詳細に判断することが出来るためである。
【0082】
例えば製造工程に基づいて、複数の音響センサ50のそれぞれ、複数の音響センサ52のそれぞれ、又は音響センサ50及び音響センサ52のそれぞれに、複数の換算情報のいずれを用いるかが決定されることが好ましい。反応室2内においてウェハWの上に成膜される膜の構成が異なる場合、又は真空ポンプ6の排気量が異なる場合、その他の場合において、堆積物Dの堆積の仕方が変化して配管の詰まりの仕方が異なったものになると考えられるため、配管の詰まりの程度をより詳細に監視することが可能となる。
【0083】
音響センサ50及び音響センサ52は、それぞれ、100kHz以上200kHz以下の周波数の音を測定することが好ましい。これは、100kHz未満の周波数の音は、半導体製造装置100の周囲に設置された、他の半導体製造装置等からの音が多く含まれると考えられるため、配管の詰まりを高SN比で評価することが出来ないと考えられるためである。また、200kHzより高い周波数の音は、周波数が高すぎて測定が困難であるためである。
【0084】
反応室2内において処理されたウェハの枚数を保存するウェハ処理枚数保存部78をさらに備え、判断部72は、さらにウェハの枚数に基づいて、詰まりの判断を行うことが好ましい。処理されたウェハの枚数と配管の詰まりには正の相関関係があると考えられる。そのため、処理されたウェハの枚数を活用することにより、配管の詰まりの程度をより詳細に監視することが可能となる。
【0085】
音響センサ50及び音響センサ52は、所定の時間間隔にて出力を行うことが好ましい。所定の時間間隔にて出力を行うことにより、配管の詰まりを見逃すことを防ぐことが出来るためである。
【0086】
例えば、図4(a)の音響センサ50bのように、配管部分36aの下側又は下面に音響センサ50bを設けることは、好ましい。図2(b)のように堆積物Dが堆積する場合、堆積物Dの堆積の仕方がより大きい、配管部分36a内の下側における堆積物Dの堆積の程度をより良く評価することが出来るためである。
【0087】
例えば、図5のように、音響センサ50bを配管部分36aの下側又は下面に設け、音響センサ50bを配管部分36aの上側又は上面に設けることは、好ましい。図2(b)のように堆積物Dが堆積する場合、堆積物Dの堆積の仕方がより大きい、配管部分36a内の下側における堆積物Dの堆積の程度を、音響センサ50bを用いて評価する。また、堆積物Dの堆積の仕方がより小さい、配管部分36a内の上側における堆積物Dの堆積の程度を、音響センサ50bを用いて評価する。これにより、配管部分36a内の下側と上側の両方において、堆積物Dの堆積の程度を評価できる。
【0088】
図6に示したように、音響センサ50bを配管部分36aの下側又は下面に設け、音響センサ50b及び音響センサ50bを配管部分36aの周囲においてそれぞれ音響センサ50bから120度ずつ離間させて配置することは、好ましい。例えば、配管部分36a内の上方において、堆積物Dが不均一に堆積することが考えられる。この場合に、音響センサ50b及び音響センサ50bを用いて、かかる堆積物Dが不均一に堆積する程度を、評価できる。
【0089】
実施形態の半導体製造装置及び半導体製造装置の制御方法によれば、停止することなく配管の詰まりを確認することが出来る、半導体製造装置及び半導体製造装置の制御方法の提供が可能となる。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
2 反応室
4 支持部
6 真空ポンプ
8 吸気口
10 排気口
12 三方弁
16 三方弁
22 バルブ
24 バルブ
26 バルブ
28 バルブ
32 配管
34 配管
36 配管
36b 湾曲部
36d 湾曲部
38 配管
40 配管
42 配管
42b 湾曲部
42d 湾曲部
50 音響センサ
52 音響センサ
57 接触部
60 除害装置
70 制御装置
72 判断部
74 閾値保存部
76 時間間隔保存部
78 ウェハ処理枚数保存部
80 換算情報保存部
82 基準出力保存部
90 警報装置
92 プロセスガス供給機構
100 半導体製造装置
C 空洞
D 堆積物
W ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7