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特開2022-108431射出成形体及びその製造方法、並びにこれに使用する原料
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  • 特開-射出成形体及びその製造方法、並びにこれに使用する原料 図1
  • 特開-射出成形体及びその製造方法、並びにこれに使用する原料 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108431
(43)【公開日】2022-07-26
(54)【発明の名称】射出成形体及びその製造方法、並びにこれに使用する原料
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/00 20060101AFI20220719BHJP
   C08L 23/06 20060101ALI20220719BHJP
   C08L 23/12 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
B29C45/00
C08L23/06
C08L23/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021003412
(22)【出願日】2021-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】三宅 翔平
【テーマコード(参考)】
4F206
4J002
【Fターム(参考)】
4F206AA05
4F206AA11
4F206AM36
4F206AR15
4F206JA07
4F206JL02
4J002BB031
4J002BB122
(57)【要約】
【課題】地球環境保全に寄与するとともに、ウェルド部における強度低下が十分に抑制されている射出成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】本開示に係る射出成形体の製造方法は、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含む原料を準備する工程と、金型内に上記原料を供給する工程とを含み、上記原料において、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計質量を基準として、植物由来のポリエチレン樹脂の含有量が10~50質量%であり且つ化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の含有量が50~90質量%であり、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレートが12g/10分以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含む原料を準備する工程と、
金型内に前記原料を供給する工程と、
を含み、
前記原料において、前記植物由来のポリエチレン樹脂と前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計質量を基準として、前記植物由来のポリエチレン樹脂の含有量が10~50質量%であり且つ前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂が50~90質量%であり、
前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレートが12g/10分以下である、射出成形体の製造方法。
【請求項2】
前記植物由来のポリエチレン樹脂が高密度ポリエチレン樹脂である、請求項1に記載の射出成形体の製造方法。
【請求項3】
前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂がランダムポリプロピレン樹脂である、請求項1又は2に記載の射出成形体の製造方法。
【請求項4】
植物由来のポリエチレン樹脂と、
化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と、
を含み、
前記植物由来のポリエチレン樹脂と前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計質量を基準として、前記植物由来のポリエチレン樹脂の含有量が10~50質量%であり且つ前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の含有量が50~90質量%であり、
前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレートが12g/10分以下である、射出成形体製造用原料。
【請求項5】
植物由来のポリエチレン樹脂と、
化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と、
を含み、
前記植物由来のポリエチレン樹脂と前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計質量を基準として、前記植物由来のポリエチレン樹脂の含有量が10~50質量%であり且つ前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の含有量が50~90質量%であり、
前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレートが12g/10分以下である、射出成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は射出成形体及びその製造方法、並びにこれに使用する原料に関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境保全の観点から、植物由来の原料を使用したプラスチック材料の開発が進められている。特許文献1は再生可能な天然原料(例えば、サトウキビ)の残渣から1つ又は複数のオレフィンを生成する方法を開示するとともに、これらを使用したポリマーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010-511634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プラスチック材料を原料に用いる射出成形の分野において、原料の一部に植物由来の原料を使用することは地球環境保全に寄与する。そこで、本発明者らは、植物由来のポリエチレン樹脂と、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とをブレンドした複数の原料を調製し、これらの原料を使用して射出成形体を試作した。得られた複数の射出成形体の強度を評価したところ、一部の射出成形体にウェルド部の強度が低下する現象が認められた。なお、ウェルド部とは、金型のキャビティ内において樹脂と樹脂が合流する部分を意味する。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、地球環境保全に寄与するとともに、ウェルド部における強度低下が十分に抑制されている射出成形体及びその製造方法、並びにこれに使用する原料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、植物由来のポリエチレン樹脂と併用する化石燃料由来のポリプロピレン樹脂として、230℃におけるメルトフローレートが所定値以下のもの(溶融粘度が比較的低いもの)を選択して使用することにより、ウェルド部における強度低下を抑制できることを実験的に見出した。以下の本開示はこの知見に基づいてなされたものである。
【0007】
本開示の一側面に係る射出成形体の製造方法は、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含む原料を準備する工程と、金型内に上記原料を供給する工程とを含み、上記原料において、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計質量を基準として、植物由来のポリエチレン樹脂の含有量が10~50質量%であり且つ化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の含有量が50~90質量%であり、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレートが12g/10分以下である。
【0008】
上記製造方法によれば、植物由来の樹脂材料を原料の一部として使用するため、地球環境保全に寄与し得る。また、上記製造方法によれば、射出成形体のウェルド部の強度低下を十分に抑制できる。ウェルド部の強度低下を抑制できる主因は、必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように推察している。すなわち、メルトフローレートの値が比較的小さい化石燃料由来のポリプロピレン樹脂は、曲げ弾性率の値も低く、柔らかい材料であるということができる。このような樹脂を植物由来のポリエチレン樹脂と併用したことで、射出成形体の柔軟性が増して破断に至る荷重がより高くなったと推察される。なお、本開示おけるメルトフローレートの値は、JIS K7210-1:2014に記載の方法に準拠し、所定の温度(230℃又は後述の190℃)及び荷重2.16kgの条件で測定された値を意味する。
【0009】
本開示の一側面は、上記射出成形体の製造方法に使用する原料に関する。この原料は、植物由来のポリエチレン樹脂と、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含み、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計質量を基準として、植物由来のポリエチレン樹脂の含有量が10~50質量%であり且つ化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の含有量が50~90質量%であり、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレートが12g/10分以下である。
【0010】
本開示の一側面は射出成形体に関する。この射出成形体は、植物由来のポリエチレン樹脂と、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含み、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計質量を基準として、植物由来のポリエチレン樹脂の含有量が10~50質量%であり且つ化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の含有量が50~90質量%であり、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレートが12g/10分以下である。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、地球環境保全に寄与するとともに、ウェルド部における強度低下が十分に抑制されている射出成形体及びその製造方法、並びにこれに使用する原料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は実施例及び比較例で作製した射出成形体を模式的に示す正面図である。
図2図2図1に示すII-II線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0014】
本実施形態に係る射出成形体の製造方法は、以下の工程を含む。
(A)植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含む原料を準備する工程。
(B)金型内に上記原料を供給する工程。
【0015】
まず、射出成形体製造用原料について説明する。この原料は、上述のとおり、植物由来のポリエチレン樹脂と、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含む。植物由来のポリエチレン樹脂として、例えば、ブラスケム社製のものが挙げられる。ブラスケム社は、再生可能な天然原料から、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)を製造し、これらを販売している。なお、植物由来のLLDPEは、C4-LLDPEもしくはC6-LLDPEと表記される炭素数4もしくは6のα-オレフィンを側鎖に有するものである。
【0016】
植物由来のポリエチレン樹脂の190℃におけるメルトフローレートは、好ましくは25g/10分以下であり、21g/10分以下又は10g/10分以下であってもよい。この値が25g/10分以下であることで、植物由来のポリエチレン樹脂を化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と併用しても、成形不良の発生を十分に抑制できる傾向にある。この値は好ましくは3g/10分以上であり、5g/10分以上又は7g/10分以上であってもよい。この値が3g/10分以上であることで、原料に占める植物由来のポリエチレン樹脂の割合が比較的多くても、原料の流動性を十分に維持することができる。また、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレンをブレンドしても射出成形品としての落下強度などの基本的な機能を満たすことができる。
【0017】
植物由来のポリエチレン樹脂の密度は、例えば、0.910~0.960g/cmであり、0.915~0.918g/cm又は0.953~0.959g/cmであってもよい。植物由来のポリエチレン樹脂の密度がこの範囲であることで、植物由来のポリエチレン樹脂を化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と併用しても、ウェルド部の強度低下を十分に抑制できる。なお、植物由来のポリエチレン樹脂として、高密度ポリエチレン(HDPE、密度:0.953~0.959g/cm)を使用することが好ましい。植物由来のポリエチレン樹脂の全部又は一部が高密度ポリエチレン樹脂であることで、密度が高く機械的強度が強くなるという効果が奏される。
【0018】
化石燃料由来のポリプロピレン樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン及び変性ポリプロピレンが挙げられる。ここでのブロックポリプロピレンとは、一般的に重合段階のホモポリプロピレンに対してゴム成分及びポリエチレンを分散させた構造を持つものである。ポリプロピレン樹脂として、ブロックポリプロピレン及びランダムポリプロピレンを組み合わせて用いる場合、ブロックポリプロピレンと、ランダムポリプロピレンとの質量比(ブロックポリプロピレン/ランダムポリプロピレン)は、20/80~80/20であることが好ましく、40/60~60/40であることが更に好ましい。化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の全部又は一部がランダムポリプロピレン樹脂であることで、結晶性が低く靭性に優れ柔軟になるという効果が奏される。
【0019】
変性ポリプロピレンは、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、不飽和カルボン酸のエステル等から導かれる不飽和カルボン酸誘導体成分で、ポリプロピレンをグラフト変性することで得られる。また、ポリプロピレン樹脂として、水酸基変性ポリプロピレンやアクリル変性ポリプロピレン等の変性ポリプロピレンを使用することもできる。プロピレン系共重合体を得るために用いられるαオレフィン成分としては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテンなどを例示することができる。
【0020】
化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレートは、12g/10分以下であり、好ましくは10.5g/10分以下であり、より好ましくは9.8g/10分以下である。この値が12g/10分以下であることで、原料に占める植物由来のポリエチレン樹脂の割合が比較的多くても、ウェルド部の強度低下を十分に抑制できる。この値は好ましくは3g/10分以上であり、より好ましくは5g/10分以上であり、更に好ましくは7g/10分以上である。この値が3g/10分以上であることで、原料に占める化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の割合が多くても、原料の流動性を十分に維持することができる。
【0021】
化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の密度は、例えば、0.900~0.910g/cmである。化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の密度がこの範囲であることで、植物由来のポリエチレン樹脂を化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と併用しても、ウェルド部の強度低下を十分に抑制できる。
【0022】
植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計質量を基準として、原料における植物由来のポリエチレン樹脂の含有量は10質量%以上であり、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上である。この値が10質量%以上であることで、カーボンニュートラルの点で地球環境保全に寄与できる。他方、同基準で、原料における化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の含有量は50質量%以上であり、好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは65質量%以上である。この値が50質量%以上であることで、ポリプロピレン樹脂に起因する効果(例えば、優れた成形性及び物性)が十分に奏される。
【0023】
原料の全質量に対する植物由来のポリエチレン樹脂及び化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計量は、例えば、90質量%以上であり、95質量%以上又は98質量%以上であってもよい。原料は植物由来のポリエチレン樹脂及び化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の他に、例えば、射出成形体の原料に配合される添加剤等を含んでもよい。
【0024】
植物由来のポリエチレン樹脂と、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と、必要に応じて他の成分とを混合又は混練することによって原料を調製することができる((A)工程)。この原料の溶融物を金型のキャビティ内に供給する工程((B)工程)を経て射出成形体を得ることができる。原料の調製及び原料の金型への供給を混練押出機で実施してもよい。例えば、スクリュを有する混練押出機を使用する場合、原料のメルトフローレート(溶融粘度)に応じてスクリュ温度を調整すればよい。スクリュ温度は、例えば、190~220℃であればよい。金型のキャビティへの原料の射出速度は、例えば、30~80mm/秒であればよい。なお、メルトフローレートの値が比較的小さい(溶融粘度が比較的低い)原料を使用する場合、混練押出機におけるV-P切り替え位置をノズル(吐出口)側に近づけることで、キャビティへの原料の充填性を向上し得る。
【0025】
上記実施形態によれば、地球環境保全に寄与するとともに、ウェルド部における強度低下が十分に抑制されている射出成形体を効率的に製造することができる。射出成形体の具体例としては、プラスチック製のキャップ、容器、口栓が挙げられる。射出成形体がウェルド部を有するものであっても、ウェルド部の強度低下が十分に抑制されている。このため、射出成形体は設計された強度に十分に近い強度を有しており、その機能を十分に発揮することができる。
【0026】
以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂を併用する場合を例示したが、植物由来のポリエチレン樹脂の代わりに化石燃料由来のポリエチレン樹脂を使用して射出成形体を製造してもよい。化石燃料由来のポリエチレン樹脂の物性(例えば、190℃におけるメルトフローレート及び密度)は、上述の植物由来のポリエチレン樹脂と同様の範囲であることが好ましい。
【実施例0027】
以下、本開示について実施例及び比較例に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0028】
以下の材料を使用し、比較例及び実施例に係る原料を調製した。
<植物由来のポリエチレン樹脂(バイオPE)>
・バイオPE1:ブラスケム社製HDPE(190℃におけるメルトフローレート:20.0g/10分、密度:0.955g/cm
・バイオPE2:ブラスケム社製LDPE(190℃におけるメルトフローレート:7.2g/10分、密度:0.959g/cm
<化石燃料由来のポリプロピレン樹脂(PP)>
・PP1:サンアロマー社製PP(ランダムポリプロピレン、230℃におけるメルトフローレート:9.5g/10分、密度:0.9g/cm
・PP2:サンアロマー社製PP(ランダムポリプロピレン、230℃におけるメルトフローレート:25.0g/10分、密度:0.9g/cm
【0029】
表1に示す条件で実施例及び比較例に係る射出成形体をそれぞれ作製した。成形機として、住友重機工業社の射出成形機を使用した。図1は作製した射出成形体を模式的に示す正面図であり、図2図1に示すII-II線における断面図である。これらの図に示す射出成形体10は、本体部1と、アーチ部2とを備え、アーチ部2がウェルド部2aを有する。射出成形体10のサイズは以下のとおりとした。
・射出成形体の直径D:68.0mm
・アーチ部(ウェルド部2a)の厚さT:2.0mm
・射出成形体の厚さT:22.3mm
【0030】
<ウェルド部の強度の評価>
プッシュプルゲージ(株式会社イマダ製)を使用し、作製した射出成形体のウェルド部の強度を次のようにして測定した。まず、射出成形体の本体部を万力で固定した。アーチ部のウェルド部に相当する箇所に上方から円盤状の治具(直径:12mm)を当接させた。この治具を下方に20mm/分の速度で移動させた。ウェルド部又はその他の部分が破断したときの荷重(単位:N)を測定した。実施例1,2ではウェルド部は破断せず、他の箇所が破断した。他方、比較例1,2ではウェルド部が破断した。表1に結果を示す。
【0031】
【表1】
【符号の説明】
【0032】
1…本体部、2…アーチ部、2a…ウェルド部、10…射出成形体
図1
図2