(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108437
(43)【公開日】2022-07-26
(54)【発明の名称】鳥獣類忌避装置
(51)【国際特許分類】
A01M 29/16 20110101AFI20220719BHJP
【FI】
A01M29/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021003425
(22)【出願日】2021-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000139573
【氏名又は名称】株式会社愛洋産業
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岸 泰至
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA02
2B121AA07
2B121DA58
2B121DA62
2B121DA63
2B121EA21
2B121FA11
2B121FA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】近隣住民が不快感を覚えるのを抑制するように音を発する鳥獣類忌避装置を提案する。
【解決手段】スピーカを備え、該スピーカにより所定の音声を出力可能に構成された鳥獣類忌避装置であって、スピーカは、所定の方向に音声を出力するように構成された指向性スピーカ4である。所定の検出範囲に存在する鳥獣類を検出するように構成されたセンサ2,3を更に備え、指向性スピーカ4は、センサ2,3により鳥獣類が検出された場合、音声を出力する
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカを備え、該スピーカにより所定の音声を出力可能に構成された鳥獣類忌避装置であって、
前記スピーカは、所定の方向に前記音声を出力するように構成された指向性スピーカである、鳥獣類忌避装置。
【請求項2】
請求項1に記載の鳥獣類忌避装置であって、
所定の検出範囲に存在する鳥獣類を検出するように構成されたセンサを更に備え、
前記指向性スピーカは、前記センサにより前記鳥獣類が検出された場合、前記音声を出力する、鳥獣類忌避装置。
【請求項3】
請求項2に記載の鳥獣類忌避装置であって、
前記検出範囲には、前記指向性スピーカの音声が届く範囲と、該範囲の周囲の前記音声が届かない範囲と、が含まれる、鳥獣類忌避装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の鳥獣類忌避装置であって、
少なくとも2つの方向に前記音声を出力可能である、鳥獣類忌避装置。
【請求項5】
請求項4に記載の鳥獣類忌避装置であって、
前記指向性スピーカは、前記センサにより前記鳥獣類が検出された位置に応じた方向に前記音声を出力する、鳥獣類忌避装置。
【請求項6】
請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の鳥獣類忌避装置であって、
前記センサの出力に基づいて、検出された前記鳥獣類の種別を特定する特定部を備え、
前記指向性スピーカは、前記特定部により特定された前記鳥獣類の種別に応じた音声を出力する、鳥獣類忌避装置。
【請求項7】
請求項1に記載の鳥獣類忌避装置であって、
ユーザによる操作に応じて、前記指向性スピーカから前記音声を出力させるように構成された操作部を更に備え、
前記指向性スピーカは、前記ユーザにより前記操作部が操作された場合、前記音声を出力する、鳥獣類忌避装置。
【請求項8】
請求項7に記載の鳥獣類忌避装置であって、
前記ユーザが掴むことが可能な持ち手を更に備える、鳥獣類忌避装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鳥獣類忌避装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラス等の鳥類が電柱に設置した設備に営巣したり、鳥類が電線に飛来したりすると、停電の原因となったり、フンや鳴き声による被害が近隣住民に及ぼされたりする場合がある。また、猿等の動物が電線を渡り、同様の被害が近隣住民に及ぼされる場合がある。
【0003】
特許文献1には、センサにより鳥類の接近を検出すると、あらかじめ記憶した猛禽の鳴き声等の音声データをスピーカから再生する鳥類営巣防止装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の鳥類営巣防止装置では、鳥類の接近を検出する度に猛禽の鳴き声等が流れる。近隣住民は、当該鳥類営巣防止装置から発せられる猛禽の鳴き声等に不快感を覚えてしまう恐れがあった。
【0006】
本開示の目的は、近隣住民が不快感を覚えるのを抑制するように音を発する鳥獣類忌避装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、スピーカを備え、該スピーカにより所定の音声を出力可能に構成された鳥獣類忌避装置であって、スピーカは、所定の方向に音声を出力するように構成された指向性スピーカである。
【0008】
このような構成によれば、指向性スピーカは、音の可聴範囲を比較的狭い角度に限定することが可能であるため、所定の方向以外の方向には鳥獣類忌避装置から出力する音声が届きにくい。よって、近隣住民が不快感を覚えるのを抑制するように音を発することができる。
【0009】
上述した鳥獣類忌避装置において、所定の検出範囲に存在する鳥獣類を検出するように構成されたセンサを更に備えてもよい。指向性スピーカは、センサにより鳥獣類が検出された場合、音声を出力してもよい。
【0010】
このような構成によれば、鳥獣類の接近に合わせて、音声を出力することができる。よって、鳥獣類の接近を抑制することができる。
【0011】
上述した鳥獣類忌避装置において、センサの検出範囲には、指向性スピーカの音声が届く範囲と、該範囲の周囲の音声が届かない範囲と、が含まれてもよい。
鳥獣類忌避装置は、音声が届く範囲の外部に鳥獣類が存在する場合であっても、所定の方向に音声を出力する。よって、音声の出力をより確実に実行することができる。なお、指向性スピーカは、検出範囲よりも狭い範囲内においてのみ鳥獣類が音声を認識できるように音声を出力してもよい。その場合、検出範囲外には鳥獣類忌避装置から出力する音声が届きにくい。よって、近隣住民が不快感を覚えるのを抑制するように音を発することができる。
【0012】
上述した鳥獣類忌避装置は、少なくとも2つの方向に音声を出力可能であってもよい。
このような構成によれば、鳥獣類忌避装置は、少なくとも2つの方向に存在する鳥獣類に対して音声を出力することができる。したがって、1つの方向にのみ音声を出力する構成と比較して、より広い範囲に対して音声を出力できる。よって、より広い範囲について、鳥獣類の接近を抑制することができる。
【0013】
上述した鳥獣類忌避装置において、指向性スピーカは、センサにより鳥獣類が検出された位置に応じた方向に音声を出力してもよい。
このような構成によれば、複数の指向性スピーカのうち、より適切な指向性スピーカが選択される。よって、鳥獣類に音声が届きやすくなり、鳥獣類の接近を抑制することができる。
【0014】
上述した鳥獣類忌避装置は、センサの出力に基づいて、検出された鳥獣類の種別を特定する特定部を備えてもよい。指向性スピーカは、特定部により特定された鳥獣類の種別に応じた音声を出力してもよい。
このような構成によれば、鳥獣類の種別ごとに、当該鳥獣類が嫌がる鳴き声等を選択して出力することができる。よって、鳥獣類の接近を抑制することができる。
【0015】
上述した鳥獣類忌避装置において、ユーザによる操作に応じて、指向性スピーカから音声を出力させるように構成された操作部を更に備えてもよい。指向性スピーカは、ユーザにより操作部が操作された場合、音声を出力してもよい。
【0016】
このような構成によれば、ユーザが操作部を操作することで、任意のタイミングで指向性スピーカから音声を出力させることができる。よって、例えば鳥獣類に向けて音声を出力させることで、鳥獣類の接近を抑制することができる。
【0017】
上述した鳥獣類忌避装置において、ユーザが掴むことが可能な持ち手を更に備えてもよい。
このような構成によれば、ユーザが容易に鳥獣類忌避装置を持ち運ぶことができ、また、任意の方向に音声を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3】鳥獣類忌避装置を腕金に設置した状態を説明するための図である。
【
図4】指向性スピーカから音声を出力したときのイメージを説明するための図である。
【
図5】検出範囲及び可聴範囲の一例を説明するための図である。
【
図6】持ち運び可能な鳥獣類忌避装置の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
[1-1.構成]
図1及び
図2に示す鳥獣類忌避装置1は、検知した鳥獣類に対して鳥獣類が忌避する音声を出力し、鳥獣類が営巣や接近等するのを抑制させるための装置である。本実施形態では、特に鳥類を対象とした鳥獣類忌避装置1について説明する。鳥類とは、例えば、カラス、ムクドリ、ハト、スズメ等であるが、これらに限定されない。
【0020】
鳥獣類忌避装置1は、第1センサ2と、第2センサ3と、指向性スピーカ4と、太陽電池5と、制御部6と、記憶部7と、を備える。
第1センサ2及び第2センサ3は、所定の検出範囲に存在する鳥類を検出するためのセンサである。本実施形態では、第1センサ2及び第2センサ3として、赤外線センサが用いられる。赤外線センサは、物体から放射される赤外線を検出することにより、物体の存在を検出する。第1センサ2及び第2センサ3の検出範囲には、指向性スピーカ4により出力される音声が届く範囲と、該範囲の周囲の音声が届かない範囲とが含まれる。第1センサ2及び第2センサ3は、鳥類を検出した場合、制御部6に検出信号を出力する。
【0021】
指向性スピーカ4は、所定の方向に向けて音声を出力するための音声出力装置である。指向性スピーカ4は、音の可聴範囲を比較的狭い角度に限定することが可能である。指向性スピーカ4は、第1センサ2又は第2センサ3により鳥類が検出された場合、所定の方向に所定の音声を出力する。なお、指向性スピーカ4の具体的な構成は特に限定されない。例えば、超音波を利用したパラメトリックスピーカを用いてもよい。また、それ以外の指向性を有するスピーカを用いてもよい。
【0022】
太陽電池5は、鳥獣類忌避装置1を駆動するための電源である。太陽電池5は、太陽光パネルと蓄電池とを備える。太陽光パネルは、太陽から放射された太陽光を受光して電力に変換する。変換された電力は、制御部6を介して各部に供給される。なお、余剰電力は、図示しない蓄電池に出力され充電される。これにより、太陽光が届かない夜間には、蓄電池の電力で鳥獣類忌避装置1を駆動することができる。
【0023】
制御部6は、図示しないCPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。CPUは、非遷移的実体的記録媒体であるROMに格納されたプログラムを実行する。当該プログラムが実行されることで、当該プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御部6は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。例えば、制御部6は、第1センサ2又は第2センサ3から検出信号を受信した場合、記憶部7に記憶されている音声のデータを指向性スピーカ4から出力するように制御する。
【0024】
記憶部7は、鳥類が忌避する音声のデータを記憶するためのメモリである。鳥類が忌避する音声とは、鳥類の接近を抑制できる音声を意味する。例えば、鳥類が忌避する音声として、鳥害の原因となりやすい上述した鳥類の天敵である猛禽類の鳴き声や、鳥類の警戒音等が記憶される。
【0025】
[1-2.使用状態]
鳥獣類忌避装置1は、例えば電線に集まる鳥類を対象としてもよい。
図3に示すように、電柱21には、腕金22、碍子23、引留クランプカバー24、電線25等が設けられている。鳥獣類忌避装置1は、腕金22等に設置して、使用することができる。例えば、鳥獣類忌避装置1の底部にL字状の留め金26が設けられ、留め金26と腕金22とをボルトとナットとで固定することにより設置される。
【0026】
図4に示すように、第1センサ2及び第2センサ3の検出範囲31は、電線25の上下を含む範囲である。鳥獣類忌避装置1は、鳥類30の存在を検出した場合、矢印40の向きに音声を出力する。よって、鳥類が音声を認識可能な範囲である可聴範囲32は、電線25の周囲の範囲となる。本実施形態においては、検出範囲31と可聴範囲32とは一致しない。検出範囲31は、可聴範囲32の外の範囲、すなわち音声が届かない範囲を有している。
【0027】
[1-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)鳥獣類忌避装置1は、第1センサ2又は第2センサ3により鳥類が検出された場合、指向性スピーカ4は、所定の方向、すなわち
図4に示すように、矢印40の向きに音声を出力する。したがって、矢印40の向き以外の方向、すなわち可聴範囲32以外の範囲には音声が届きにくい。よって、近隣住民が不快感を覚えるのを抑制するように音を発することができる。
【0028】
また、指向性をもたないスピーカを使用する場合と比較して、直線的に鳥類に向けて狙い撃ちすることができ、仮に出力する音量が同じであっても、一羽に与えるストレス、ショックなどの衝撃が強くなると考えられる。これにより、当該一羽が身振りや鳴き声等で警戒を示すことで、群れにもその警戒が伝播する。よって、群れの接近を抑制することが期待できる。
【0029】
(1b)第1センサ2及び第2センサ3の検出範囲には、音声が届かない範囲が含まれる。このような構成によれば、音声が届く範囲の外部に鳥類が存在する場合であっても、所定の方向に音声を出力する。よって、音声の出力をより確実に実行することができる。
【0030】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0031】
(2a)上記実施形態では、鳥獣類忌避装置1は、第1センサ2及び第2センサ3を備える構成であったが、センサの個数はこれに限定されるものではない。例えば、1つのセンサが備えられてもよいし、3つ以上のセンサが備えられてもよい。
【0032】
(2b)上記実施形態では、鳥獣類忌避装置1の検出範囲には、指向性スピーカ4により出力される音声が届く範囲と、その音声が届く範囲の周囲に位置する、音声が届かない範囲と、が含まれていたが、検出範囲はこれに限定されるものではない。鳥獣類忌避装置1は、検出範囲よりも狭い範囲内においてのみ鳥類が音声を認識できるように音声を出力してもよい。例えば、
図5に示すように、鳥獣類忌避装置1は、第1センサ2及び第2センサ3の検出範囲111に対して、可聴範囲113においてのみ人や鳥類が音声を認識できるように音声を出力してもよい。鳥獣類忌避装置1は、例えば地面115に集まる鳥類を対象として地面115近くに設置されてもよい。この場合、鳥獣類忌避装置1は、地面115に向かって音声を出力することで、可聴範囲113を検出範囲111よりも狭くすることができる。このような構成によれば、可聴範囲113外には鳥獣類忌避装置1から出力する音声が届きにくい。よって、近隣住民が不快感を覚えるのを抑制するように音を発することができる。もちろん、可聴範囲と検出範囲がほぼ同等の範囲となるように構成及び配置されていてもよいし、可聴範囲が検出範囲を含むように構成されていてもよい。
【0033】
(2c)上記実施形態では、鳥獣類忌避装置1は、1つの指向性スピーカ4を備える構成であったが、指向性スピーカ4の個数はこれに限定されるものではない。例えば、鳥獣類忌避装置1には、2つ以上の指向性スピーカ4が備えられていてもよい。この場合、指向性スピーカ4は、センサにより鳥類が検出された位置に応じた方向に音声を出力する構成であってもよい。例えば、鳥獣類忌避装置1は、鳥類の具体的な位置を特定可能なセンサを用いて鳥類の位置を検出してもよい。また、鳥獣類忌避装置1は、検出範囲が異なる複数のセンサを備えており、いずれのセンサが鳥類を検出したかに基づいて鳥類の位置を特定してもよい。この場合、指向性スピーカ4の向く方向がそれぞれ異なるように設置することで、異なる方向に同時に音声を出力することができる。例えば、鳥獣類忌避装置1が、第1の方向を向く指向性スピーカ4と、第1の方向とは異なる第2の方向を向く指向性スピーカ4と、を備えていた場合、第1の方向を含む第1の検出範囲に鳥類を検出すれば、第1の方向を向く指向性スピーカ4から音声が出力される。一方、第2の方向を含む第2の検出範囲に鳥類を検出すれば、第2の方向を向く指向性スピーカ4から音声が出力される。また、鳥獣類忌避装置1が、同時に第1の検出範囲と第2の検出範囲とに鳥類を検出すれば、第1の方向を向く指向性スピーカ4と第2の方向を向く指向性スピーカ4とから音声が出力される。これにより、複数の鳥類が複数の方向に存在していても、複数の指向性スピーカ4から同時に、それぞれの方向に鳥類が忌避する音声を出力することができる。よって、複数の鳥類に対して、同時に接近を抑制することができる。
【0034】
(2d)上記実施形態では、指向性スピーカ4は、あらかじめ定められた方向に向けて音声を出力していたが、音声を出力する方向はこれに限定されるものではない。例えば、指向性スピーカ4は、制御部6により振幅や位相が調整されることによって任意の方向に音声を送信可能に構成されていてもよい。また、指向性スピーカ4は、制御部6により複数のスピーカから出力される音波の共振位置が調整されることで、特定の場所だけに高音量の音波を送信してもよい。
【0035】
(2e)上記実施形態では、第1センサ2及び第2センサ3として赤外線センサが用いられたが、第1センサ2及び第2センサ3の種類はこれに限定されるものではない。例えば、画像センサが用いられてもよい。この場合、第1センサ2及び第2センサ3は、制御部6に画像データを出力する。制御部6は、公知のパターンマッチング等を用いて、鳥類の種別を特定してもよい。そして、鳥獣類忌避装置1は、鳥類ごとに、当該鳥類が忌避する音声を記憶部7に記憶しておき、指向性スピーカ4は、制御部6により特定された鳥類の種別に応じた音声を出力してもよい。この構成においては、制御部6が、センサの出力に基づいて、検出された鳥類の種別を特定する特定部に相当する。特定部による鳥類の種別の特定方法は特に限定されず、学習モデルを用いた計算処理等、周知の手法を採用できる。
また、上述した以外にも、鳥類の検出が可能な様々なセンサを適宜用いることができる。例えば、測距センサや感圧センサを用いてもよい。
【0036】
(2f)上記実施形態では、特に鳥類を対象とした鳥獣類忌避装置1について説明した。しかし、鳥獣類忌避装置1は、動物を対象としてもよい。動物とは、例えば、猿、ハクビシン等であるが、これらに限定されない。
【0037】
(2g)鳥獣類忌避装置1は、持ち運び可能であってもよい。
図6に示すように、鳥獣類忌避装置500は、ユーザが掴むことが可能な持ち手51を備えていてもよい。また、鳥獣類忌避装置500は、ユーザによる操作に応じて、指向性スピーカ4から音声を出力させるように構成された操作部52を備えていてもよい。指向性スピーカ4は、ユーザにより操作部52が操作された場合、音声を出力する。具体的には、操作部52が持ち手51側に倒されるように操作された場合、指向性スピーカ4は音声を出力する。このような構成によれば、ユーザが鳥獣類に狙いを定めて音声を出力することが可能となるため、鳥獣類の接近を抑制することができる。なお、操作部52の形状はこれに限定されるものではない。例えば、操作部52としてボタン等が用いられてもよい。
【0038】
(2h)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0039】
(2i)本開示は、前述した鳥獣類忌避装置1の他、当該鳥獣類忌避装置1を構成要素とするシステム、鳥獣類忌避の方法など、種々の形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0040】
1,500…鳥獣類忌避装置、2…第1センサ、3…第2センサ、4…指向性スピーカ、5…太陽電池、6…制御部、7…記憶部、21…電柱、22…腕金、23…碍子、24…引留クランプカバー、25…電線、26…留め金、30…鳥類、31,111…検出範囲、32,113…可聴範囲。