(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108540
(43)【公開日】2022-07-26
(54)【発明の名称】光学装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20220719BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220719BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20220719BHJP
【FI】
H04N5/225 430
G03B17/02
G03B17/56 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021003585
(22)【出願日】2021-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】中島 修
【テーマコード(参考)】
2H100
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H100CC01
2H100EE06
2H105DD06
2H105EE05
5C122EA02
5C122GE04
5C122GE07
5C122GE11
5C122HA82
5C122HA83
(57)【要約】
【課題】窓に沿った方向の大きさを小さくできる光学装置を提供する。
【解決手段】一部が装置外部に露出することで窓21となっており、光が窓21を通過する透明シート20と、透明シート20の一部を、窓21よりも装置奥側に案内するガイド30、40と、透明シート20に一端が連結された回転軸61を回転させることで透明シート20を回転させるモータ60とを備える。ガイド30、40により透明シート20の一部は装置奥側に案内されている。換言すれば、透明シート20は、一部が装置奥側に折れ曲がった状態になっている。したがって、透明シート20が折れ曲がっていない場合に比較して、光学装置1は、窓21に沿った方向の大きさを小さくできる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部が装置外部に露出することで窓(21)となっており、光が前記窓を通過する透明シート(20)と、
前記透明シートの一部を、前記窓よりも装置奥側に案内するガイド(30、40、230、240)と、
前記透明シートに一端が連結された回転軸(61、261、262)を回転させることで前記透明シートを回転させるモータ(60)と、を備える光学装置。
【請求項2】
前記透明シートにおいて、前記ガイドにより前記窓よりも装置奥側に案内された部分に、前記回転軸が連結されている、請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光学装置であって、
前記ガイドは、前記透明シートに対して装置外側に位置する外側ガイドと、前記透明シートに対して装置奥側に位置する奥側ガイドとを備える、光学装置。
【請求項4】
請求項3に記載の光学装置であって、
前記外側ガイドは、前記奥側ガイドに着脱可能に固定されている、光学装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の光学装置であって、
前記外側ガイドおよび前記奥側ガイドの一方または両方は、前記透明シートの方向に突き出して前記透明シートに接し、前記透明シートの回転方向に回転する回転凸部(80)を備える、光学装置。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか1項に記載の光学装置であって、
前記外側ガイドと前記奥側ガイドとの間に前記透明シートが位置する隙間(70)があり、
前記隙間が装置外部と連通している、光学装置。
【請求項7】
請求項6に記載の光学装置であって、
前記隙間は、装置下面において装置外部と連通している、光学装置。
【請求項8】
請求項3~7のいずれか1項に記載の光学装置であって、
前記奥側ガイドは、前記窓に沿っている正面部(41、241)と、前記正面部に上側で連結し、装置奥側に向かう上側部(42、242)とを備え、
前記光学装置は、前記奥側ガイドの前記正面部と前記上側部の境界に配置され、前記透明シートに接し、前記透明シートの回転方向に回転する回転体(90)を備える、光学装置。
【請求項9】
前記透明シートは円形である、請求項1~8のいずれか1項に記載の光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
光学装置に関し、特に、光学装置が備える窓から水滴を除去する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
回転機構により、窓に付着した水を除去する機構を備えた光学装置が知られている。特許文献1には、カメラ、窓、除去部を備えた装置が開示されている。窓の中心にモータの軸が取り付けられ、そのモータにより窓が回転する。除去部は、窓に接触する接触部とアームを備える。接触部は、アームを介して窓の外側の部材と連結されることで、窓に対して移動しないようになっている。窓がモータにより回転させられると、接触部が窓上を相対移動して、窓に付着した水滴を除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている装置は、窓の外側に、窓ハウジング、軸受、除去部の大部分が位置する。したがって、窓に沿った方向の大きさが大きくなる。
【0005】
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、窓に沿った方向の大きさを小さくできる光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的態様との対応関係を示すものであって、開示した技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
上記目的を達成するための1つの開示は、一部が装置外部に露出することで窓(21)となっており、光が窓を通過する透明シート(20)と、
透明シートの一部を、窓よりも装置奥側に案内するガイド(30、40、230、240)と、
透明シートに一端が連結された回転軸(61、261、262)を回転させることで透明シートを回転させるモータ(60)と、を備える光学装置である。
【0008】
この光学装置は、透明シートを備えている。透明シートの一部は装置外部に露出する窓になっている。光学装置が屋外で使用される場合、窓に水滴が付着することがある。光学装置は、回転軸が透明シートに連結しているモータを備えている。回転軸が回転すると、透明シートは回転する。この回転で生じる遠心力により透明シートに付着した水滴の一部または全部を装置の作動の邪魔になりにくい位置に移動させることができる。
【0009】
また、光学装置はガイドを備えており、このガイドにより透明シートの一部は装置奥側に案内されている。換言すれば、透明シートは、一部が装置奥側に折れ曲がった状態になっている。したがって、透明シートが折れ曲がっていない場合に比較して、光学装置は、窓に沿った方向の大きさを小さくできる。
【0010】
光学装置は、透明シートにおいて、ガイドにより窓よりも装置奥側に案内された部分に、回転軸が連結されていてもよい。
【0011】
この構成によれば、透明シートの窓になる部分に回転軸が連結されている場合に比較して、回転軸が連結される部分が窓に必要なくなるので窓を小さくできる。窓を小さくできるので、窓に沿った方向の大きさをより小さくできる。
【0012】
ガイドは、透明シートに対して装置外側に位置する外側ガイドと、透明シートに対して装置奥側に位置する奥側ガイドとを備えることができる。
【0013】
その場合、さらに、外側ガイドは、奥側ガイドに着脱可能に固定されていることが好ましい。この構成によれば、外側ガイドを奥側ガイドから外すことで、透明シートを露出させることができるので、透明シートを容易に取り替えることができる。
【0014】
外側ガイドおよび奥側ガイドの一方または両方は、透明シートの方向に突き出して透明シートに接し、透明シートの回転方向に回転する回転凸部(80)を備えていてもよい。
【0015】
この構成によれば、回転凸部がない場合に比較して、回転シートが回転しやすくなるので、大きな遠心力を発生させやすい。したがって、窓に付着した水滴をより除去しやすい。
【0016】
外側ガイドと奥側ガイドとの間に透明シートが位置する隙間(70)があり、隙間が装置外部と連通していてもよい。この隙間があると、透明シートの回転により飛ばされた水滴を隙間から装置外部に放出することができるので、効果的に水滴を除去できる。
【0017】
隙間は、装置下面において装置外部と連通していることが好ましい。これにより、水滴は自重により装置外部に放出されることもあるので、一層、水滴が装置外部に放出されやすい。また、隙間からゴミなどが入ることも抑制できる。
【0018】
奥側ガイドは、窓に沿っている正面部(41、241)と、正面部に上側で連結し、装置奥側に向かう上側部(42、242)とを備え、
光学装置は、奥側ガイドの正面部と上側部の境界に配置され、透明シートに接し、透明シートの回転方向に回転する回転体(90)を備えていてもよい。
【0019】
この構成によれば、透明シートは、回転体が配置されている部分で、スムーズに装置奥側に案内されやすい。
【0020】
透明シートは円形とすることができる。形状が円形であると、ガイドにより装置奥側に案内される部分での引っ掛かりが生じにくいので透明シートを回転させやすくなる。よって、回転シートの回転速度を高くして大きな遠心力を発生させることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図4】外側ガイド30を奥側ガイド40から取り外した図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の光学装置1の概略図である。光学装置1は、二次元コードなどの光学コードを読み取る装置である。ただし、光学装置1は、顔認証装置、レーザレーダなど、光を使う種々の装置とすることもできる。光学装置1は、屋外において、壁などに取り付けられて使用される。
【0023】
光学装置1は筐体10を備えている。筐体10は、直方体形状である。第1実施形態の光学装置1は、上面11が上になる姿勢で使用される。筐体10には、前面12に開口13が形成されている。開口13は半円形である。開口13から、透明シート20の一部が露出している。
【0024】
図2は、光学装置1の正面図である。
図2は、
図1のII-II線よりも左側を、筐体10および外側ガイド30の一部を取り除いて示している。
図3は、
図2のIII-III線断面図である。
【0025】
透明シート20は可撓性であり、平面にした場合には円形である。透明シート20において、開口13から露出する部分が光学装置1の窓21になる。
【0026】
装置内部には、外側ガイド30、奥側ガイド40、カメラ50、モータ60などが配置されている。外側ガイド30は、筐体10の内側に接する。外側ガイド30は透明シート20よりも装置外側に位置しており、奥側ガイド40は透明シート20よりも装置奥側に位置している。装置奥側は、前面12から離れる方向を意味する。外側ガイド30と奥側ガイド40は、円形である透明シート20の周縁部を挟んでいる。
【0027】
外側ガイド30と奥側ガイド40は、透明シート20において装置上側となっている部分を装置奥側に案内するものである。そのために、外側ガイド30は正面部31と上側部32とを備え、奥側ガイド40は正面部41と上側部42とを備える。
【0028】
外側ガイド30の正面部31は、筐体10の前面12に接しており、筐体10の開口13に沿った形状の半円形の外側ガイド開口33が形成されている。外側ガイド30の上側部32は、筐体10の上面11に沿って延びている。外側ガイド30は、円環状部材が正面部31と上側部32との境界にて折れ曲がった形状ということができる。
【0029】
奥側ガイド40の正面部41は、外側ガイド30の正面部31と平行である。この正面部41には、筐体10の開口13に沿った形状の半円形の奥側ガイド開口43が形成されている。奥側ガイド開口43は、透明シート20の窓21と平行であるので、奥側ガイド40の正面部41は、窓21に沿っていると言える。奥側ガイド40の上側部42は、外側ガイド30の上側部32と平行であり、外側ガイド30の上側部32と同じ方向に延びている。奥側ガイド40は、円環状部材が正面部41と上側部42との境界にて折れ曲がった形状ということができる。
【0030】
外側ガイド30と奥側ガイド40は、間に隙間70が形成された状態でネジなどにより相互に結合されている。透明シート20はこの隙間70に位置している。
図3に示すように、隙間70は、装置下面において装置外部と連通している。
【0031】
カメラ50は、その光軸が開口13の中心付近に位置するように、装置内部に配置されている。カメラ50は、窓21を通過して入射する装置外部の光を検出することで、装置外部の二次元コードなどを撮影する。
【0032】
モータ60は回転軸61を備えている。回転軸61の先端は透明シート20の中心に連結され、透明シート20は回転軸61とともに一体回転する。
【0033】
外側ガイド30には、正面部31および上側部32ともに、透明シート20に対向する面に複数の回転凸部80が配置されている。また、奥側ガイド40の正面部41および上側部42にも、透明シート20に対向する面に複数の回転凸部80が配置されている。なお、
図2、
図3では、図示の便宜上、一部の回転凸部80にのみ符号を付している。
【0034】
本実施形態の回転凸部80は球体であって、ベアリングを採用することができる。回転凸部80は、外側ガイド30あるいは奥側ガイド40から透明シート20の方向に突き出し、先端が透明シート20に接している。回転凸部80は、透明シート20の回転方向に回転する。透明シート20の回転方向は、透明シート20の周方向である。複数の回転凸部80は、1つの円周上に配置されている。
【0035】
回転体90は、奥側ガイド40の正面部41と上側部42との境界に位置して、透明シート20の装置奥側面に接する。回転体90は棒形状であり、その軸は、奥側ガイド40の上側部42および正面部41に対して平行である。回転体90の長さは、回転体90が透明シート20の中心を通り、光学装置1を2分割する鉛直面を超えない長さとなっている。この鉛直面を堺に透明シート20の回転方向が逆になるからである。本実施形態の回転体90の長さおよび位置は、約半分が透明シート20に接し、残りが透明シート20からその径方向に突き出す長さと位置である。
【0036】
図4は、筐体10を取り外し、さらに、奥側ガイド40から外側ガイド30を取り外した状態を示している。外側ガイド30は奥側ガイド40に対して着脱可能に固定されている。外側ガイド30と奥側ガイド40を相互に結合しているネジを取り除くなどにより、
図4に示すように、外側ガイド30を奥側ガイド40から取り外すことができる。
【0037】
〔第1実施形態のまとめ〕
この第1実施形態の光学装置1は透明シート20を備えており、透明シート20の一部が窓21になる。光学装置1が屋外で使用される場合、窓21に水滴が付着することがある。窓21に付着した水滴を除去するために、光学装置1は、回転軸61が透明シート20に連結しているモータ60を備えている。回転軸61が回転すると、透明シート20は回転軸61を回転中心として回転し、遠心力により透明シート20に付着した水滴の一部または全部を装置の作動の邪魔になりにくい位置に移動させることができる。
【0038】
透明シート20を回転させる条件は種々に設定できる。たとえば、遠隔操作により手動で開始させることができる。また、カメラ50が撮影した画像をもとに、光学装置1が自動的に窓21に水滴が付着しているかどうかを判断し、自動的に透明シート20を回転させてもよい。また、事前に設定された一定周期で透明シート20を回転させてもよい。
【0039】
また、光学装置1はガイド30、40を備えており、ガイド30、40により透明シート20の上側部分は装置奥側に案内されている。換言すれば、透明シート20は、一部が装置奥側に折れ曲がった状態になっている。したがって、透明シート20が折れ曲がっていない場合に比較して、光学装置1は、窓21に沿った方向の大きさを小さくできる。
【0040】
外側ガイド30、奥側ガイド40は、それぞれ、透明シート20の方向に突き出し、透明シート20の回転方向に回転する回転凸部80を備えている。回転凸部80がない場合に比較して、透明シート20を回転させる力を小さくできるので、透明シート20の回転速度を高くして大きな遠心力を発生させることが容易になる。したがって、より水滴を除去しやすい。
【0041】
光学装置1は、外側ガイド30と奥側ガイド40との間に形成されて透明シート20が位置する隙間70が装置外部と連通している。この隙間70から水滴を装置外部に放出することができるので、効果的に水滴を除去できる。
【0042】
上記隙間70は装置下面において装置外部と連通している。したがって、水滴は自重により装置外部に放出されることもあるので、一層、水滴が装置外部に放出されやすい。また、隙間70からゴミなどが入りにくい利点もある。
【0043】
光学装置1は、奥側ガイド40の正面部41と上側部42の境界に回転体90を備えているので、透明シート20は、この回転体90のある部分で、スムーズに装置奥側に案内されやすい。
【0044】
透明シート20は形状が円形である。この形状によって、透明シート20は回転しやすくなるので、透明シート20の回転速度を高くして大きな遠心力を発生させることが容易になる。
【0045】
外側ガイド30は、奥側ガイド40に着脱可能に固定されている。
図4に示すように、外側ガイド30を奥側ガイド40から外すことで、外側ガイド30と奥側ガイド40との間にある透明シート20を露出させることができる。透明シート20を露出させることで、透明シート20を容易に取り替えることができる。
【0046】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
【0047】
図5に第2実施形態の光学装置200の正面図を示す。
図5は、
図2と同様に、筐体210および外側ガイド230の一部を取り除いて光学装置200を示している。
図6は、
図5のVI-VI線断面図である。
【0048】
図5に示すように、筐体210は、正面から見て、第1実施形態の光学装置1よりも横長である。横長になっている理由は、第1実施形態の光学装置1よりも、第2実施形態の光学装置200は上下方向の長さを短くできているからである。筐体210の上下方向の長さが短いので、筐体210の前面212に形成された開口213の形状も、第1実施形態の開口13よりも上下方向の長さが短くなっている。第1実施形態では、回転軸61が開口13から露出していたが、第2実施形態では、回転軸262(
図6参照)は開口213から露出しない。
【0049】
光学装置200は、
図6に示すように、モータ60が2つの回転軸261、262を回転させる。これら2つの回転軸261、262のうち、モータ60に連結されている側を基部側回転軸261とし、他方を先端側回転軸262とする。
【0050】
基部側回転軸261と先端側回転軸262とは、2つの傘歯車263、264にて一体回転するように連結されている。筐体210は直方体形状であり、基部側回転軸261は、筐体210の上面211に平行である。また、基部側回転軸261は、開口213に対して垂直に、開口213に向かって延びる。
【0051】
2つの傘歯車263、264は、基部側回転軸261の回転方向を上下方向の軸回りの回転に変換する。先端側回転軸262は、上下方向に延びている。先端側回転軸262はボルトなどにより透明シート20に連結され、先端側回転軸262と透明シート20は先端側回転軸262の軸回りに一体回転する。先端側回転軸262の先端は、筐体210にベアリングなどを介して相対回転可能に固定されている。
【0052】
外側ガイド230は、正面部231、上側部232を備える。正面部231は、筐体210の前面212に接しており、開口213に沿った形状の半円形の外側ガイド開口233が形成されている。上側部232は、筐体210の上面211に沿って延びている。
【0053】
奥側ガイド240は、正面部241、上側部242を備える。正面部241は、外側ガイド230の正面部231と平行である。正面部241には、開口213に沿った形状の奥側ガイド開口243が形成されている。上側部242は、外側ガイド230の上側部232と平行であり、外側ガイド230の上側部232と同じ方向に延びている。外側ガイド230と奥側ガイド240は、間に隙間70が形成された状態で、ネジなどにより相互に結合されている。なお、第1実施形態と同様、外側ガイド230は奥側ガイド240に対して着脱可能である。
【0054】
第2実施形態では、回転軸262は、透明シート20が外側ガイド230および奥側ガイド240により窓21よりも装置奥側に案内された部分に連結されている。なお、透明シート20において、回転軸262が連結されている部分は、第2実施形態でも透明シート20の中心である。
【0055】
回転軸262がこの部分に連結されているので、回転軸262は開口213から露出していない。開口213に回転軸262が露出している部分がない分、開口213を小さくできる。したがって、開口213は第1実施形態の開口13よりも小さくできる。
【0056】
カメラ50の位置は、開口213に回転軸262の先端がないので、カメラ50の光軸が開口213の中心部分を通る位置に設定されている。カメラ50の光軸と、基部側回転軸261と、先端側回転軸262とは、いずれも、筐体210の前面212と上面211とを二等分する平面上に位置する。
【0057】
〔第2実施形態のまとめ〕
第2実施形態の光学装置200は、回転軸262が、透明シート20においてガイド230、240により窓21よりも装置奥側に案内された部分に連結されている。これにより、開口213の上下方向の長さを小さくできるので、光学装置200の上下方向長さをより小さくできる。
【0058】
以上、実施形態を説明したが、開示した技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も開示した範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
【0059】
<変形例1>
実施形態の外側ガイド30、230は、円環状部材が正面部31、231と上側部32、232との境界にて折れ曲がった形状であった。しかし、外側ガイドは、透明シート20の一部を窓21よりも装置奥側に案内できれば、実施形態の形状に限られない。
【0060】
たとえば、
図7に示す外側ガイド330のように、正面部331を、外側ガイド開口33の形状はそのままにしつつ、外形を筐体10の前面12に一致させる形状としてもよい。同様に、奥側ガイド40、240の形状も、円環状部材が正面部41、241と上側部42、242との境界にて折れ曲がった形状に限られない。奥側ガイド40、240も、正面部41、241を、奥側ガイド開口43の形状はそのままにしつつ、外形を筐体10の前面12に一致させる形状とするなど、種々の形状とすることができる。
【0061】
また、外側ガイド30、230の上側部32、232および奥側ガイド40、240の形状も、種々の形状が可能である。上側部32、232、42、242については、開口を設ける必要もないので、上面視で半円形であってもよいし、矩形であってもよい。
【0062】
上側部が上面視で半円形、矩形など、上下方向に貫通する部分がない場合、上側部の部分は筐体をなしにし、上側部を露出させてもよい。また、
図7に示す外側ガイド330とする場合には、筐体の前面をなしにし、外側ガイド330の正面部331を露出させてもよい。
【0063】
<変形例2>
実施形態では、隙間70は装置下面で装置外部と連通していた。しかし、隙間70が、装置下面に代えて、あるいは、装置下面に加えて、装置側面、装置上面の一方または両方で装置外部と連通していてもよい。
【0064】
また、光学装置1、200を、実施形態とは上下反転させて使用してもよい。
【0065】
<変形例3>
実施形態では、正面部41と上側部42が連結する2つの部分のうちの一方にのみ回転体90が配置されていた。しかし、正面部41と上側部42が連結する2つの部分の両方にそれぞれ回転体90が配置されていてもよい。また、回転体90をなしにしてもよい。また、外側ガイド30、230、奥側ガイド40、240の一方または両方が回転凸部80を備えなくてもよい。
【0066】
<変形例4>
透明シート20は円形であった。しかし、透明シート20は円形に限られない。透明シート20は、楕円形でもよいし、6角形、8角形などの多角形であってもよい。
【0067】
<変形例5>
回転軸61、261、262は、カメラ50の光軸の真上にある必要はない。回転軸61、261、262が、カメラ50の光軸の横、斜め上にあってもよい。
【0068】
<変形例6>
実施形態では、ガイド30、40、230、240は、透明シート20の一部を、窓21となる部分に対して直角に装置奥側に案内していた。しかし、ガイドは、透明シート20の一部を、窓21となる部分に対して、直角よりも小さい角度で装置奥側へ案内してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1:光学装置 10:筐体 11:上面 12:前面 13:開口 20:透明シート 21:窓 30:外側ガイド 31:正面部 32:上側部 33:外側ガイド開口 40:奥側ガイド 41:正面部 42:上側部 43:奥側ガイド開口 50:カメラ 60:モータ 61:回転軸 70:隙間 80:回転凸部 90:回転体 200:光学装置 210:筐体 211:上面 212:前面 213:開口 230:外側ガイド 231:正面部 232:上側部 233:外側ガイド開口 240:奥側ガイド 241:正面部 242:上側部 243:奥側ガイド開口 261:基部側回転軸 262:先端側回転軸 263:傘歯車 264:傘歯車 330:外側ガイド 331:正面部