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  • 特開-書類作成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108547
(43)【公開日】2022-07-26
(54)【発明の名称】書類作成装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220719BHJP
   G06Q 30/00 20120101ALI20220719BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06Q30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021003598
(22)【出願日】2021-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】520044483
【氏名又は名称】株式会社CloudBrains
(74)【代理人】
【識別番号】230122390
【弁護士】
【氏名又は名称】石原 一樹
(72)【発明者】
【氏名】眞壁 雅彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】委託者と受託者との間で業務が発生する場合において、発注書や請書等の業務契約書類の作成に要していた手入力の手間や時間を削減すること。
【解決手段】書類作成装置1は、委託者と受託者との間で交わされる業務の契約に関する情報を入力する情報入力部11と、情報入力部11に入力された情報に基づいて、業務に関する発注書及び請書を同時に自動で作成する書類作成部13と、書類作成部13が作成した書類の情報を修正する情報修正部14とを有する。情報修正部14は、いずれか一方の書類の情報を修正した場合には、その修正された当該書類の情報に対応する他方の書類の情報も自動的に修正する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
委託者と受託者との間で交わされる業務の契約に関する情報を入力する情報入力部と、
前記情報入力部に入力された情報に基づいて、前記業務に関する発注書又は請書の少なくともいずれかの書類を自動で作成する書類作成部とを有する書類作成装置。
【請求項2】
前記書類作成部は、前記発注書及び前記請書を自動で作成する請求項1に記載の書類作成装置。
【請求項3】
前記書類作成部は、前記発注書及び前記請書を同時に作成する請求項2に記載の書類作成装置。
【請求項4】
前記書類作成部が作成した前記発注書又は前記請書の少なくともいずれかの書類の情報を修正する情報修正部を有する請求項1に記載の書類作成装置。
【請求項5】
前記書類作成部は、前記発注書及び前記請書を自動で作成し、
前記情報修正部は、前記発注書又は前記請書のいずれか一方の書類の情報を修正した場合に、その修正した当該書類の情報に対応する他方の書類の情報も自動的に修正する請求項4に記載の書類作成装置。
【請求項6】
前記書類作成部が作成した前記発注書又は前記請書の少なくともいずれかの承認をする承認部を有し、
前記承認部が承認をした書類については、前記情報修正部による修正が規制される請求項4に記載の書類作成装置。
【請求項7】
前記承認部がした前記承認を解除する承認解除部を有し、
前記承認解除部が前記承認を解除した場合は、前記規制が解除される請求項6に記載の書類作成装置。
【請求項8】
契約書を作成するための契約書作成システムに前記書類作成部が作成した前記発注書又は前記請書の少なくともいずれかの書類をアップロードするアップロード部を有する請求項1に記載の書類作成装置。
【請求項9】
固定の情報を設定する固定情報設定部を有し、
前記固定情報設定部により設定された前記固定の情報は、前記書類作成部が作成する前記発注書又は前記請書の少なくともいずれかに自動的に記載される請求項1に記載の書類作成装置。
【請求項10】
書類作成装置のコンピュータを、
委託者と受託者との間で交わされる業務の契約に関する情報を入力する情報入力部と、
前記情報入力部に入力された前記情報に基づいて、前記業務に関する発注書又は請書の少なくともいずれかの書類を自動で作成する書類作成部として機能させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務の委託者と受託者との間で交わされる業務契約に関する書類を自動で作成する書類作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、当事者が合意した契約書類を作成する書類作成装置として、ネットワークを介して合意内容を各担当者のコンピュータ端末に送信しその返信を編成して契約書類を作成し登録するものが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の書類作成装置によれば、2人以上の当事者が1つの場所に集まることなくして、契約等の合意文書を作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-203186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、委託者と受託者との間で業務が発生する場合において、発注書又は請書等の業務契約書類の作成に要する手入力の手間や時間を削減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明は、委託者と受託者との間で交わされる業務の契約に関する情報を入力する情報入力部と、前記情報入力部に入力された情報に基づいて、前記業務に関する発注書又は請書の少なくともいずれかの書類を自動で作成する書類作成部とを有する書類作成装置である。
【0006】
前記書類作成部は、前記発注書及び前記請書を自動で作成することが好ましい。また、前記書類作成部は、前記発注書及び前記請書を同時に作成することがより好ましい。
【0007】
また、書類作成装置は、前記書類作成部が作成した前記発注書又は前記請書の少なくともいずれかの書類の情報を修正する情報修正部を有することが好ましい。
【0008】
また、前記書類作成部は、前記発注書及び前記請書を自動で作成し、前記情報修正部は、前記発注書又は前記請書のいずれか一方の書類の情報を修正した場合に、その修正した当該書類の情報に対応する他方の書類の情報も自動的に修正することが好ましい。
【0009】
また、書類作成装置は、前記書類作成部が作成した前記発注書又は前記請書の少なくともいずれかの承認をする承認部を有し、前記承認部が承認をした書類については、前記情報修正部による修正が規制されることが好ましい。
【0010】
また、書類作成装置は、前記承認部がした前記承認を解除する承認解除部を有し、前記承認解除部が前記承認を解除した場合は、前記規制が解除されることが好ましい。
【0011】
また、書類作成装置は、契約書を作成するための契約書作成システムに前記書類作成部が作成した前記発注書又は前記請書の少なくともいずれかの書類をアップロードするアップロード部を有することが好ましい。
【0012】
また、書類作成装置は、固定の情報を設定する固定情報設定部を有し、前記固定情報設定部により設定された前記固定の情報は、前記書類作成部が作成する前記発注書又は前記請書の少なくともいずれかに自動的に記載されることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、書類作成装置のコンピュータを、委託者と受託者との間で交わされる業務の契約に関する情報を入力する情報入力部と、前記情報入力部に入力された前記情報に基づいて、前記業務に関する発注書又は請書の少なくともいずれかの書類を自動で作成する書類作成部として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、発注書又は請書等の業務契約書類の少なくともいずれかの作成にかかる手入力の手間や時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による書類作成装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態による書類作成装置を説明する。図1は、本発明の一実施形態による書類作成装置1の構成を示すブロック図である。書類作成装置1は、業務契約の当事者である業務委託者及び業務受託者の各側にある端末装置T1、T2にインターネットNを介して相互通信可能に接続したコンピュータシステムにより構成されている。図1に示される各ブロックは、書類作成装置1のコンピュータが所定のプログラムに従い演算処理を実行することにより目的の機能が実現される処理部である。また、端末装置T1、T2は、例えばデスクトップ、ラップトップ等の汎用のパーソナルコンピュータであるが、タブレット又はスマートフォン等の携帯型の端末であってもよい。
【0017】
なお、本実施形態の説明において、書類作成装置1を利用する「当事者」は、業務委託契約を結ぶ業務委託者及び業務受託者として説明されている。また当事者は、自然人、法人又は団体かを問わず、また一方又は双方の当事者が複数人であってもよい。またここでいう「業務契約」とは、委任契約や請負契約等の業務委託契約を想定しているが、信義に反しない当事者間の自由意思による取り決めや合意に基づく有効な契約であればこれらに限定されない。
【0018】
本実施形態において書類作成装置1は、図1の複数のブロックで示されるように、少なくとも情報入力部11と、当事者認証部12と、書類作成部13と、情報修正部14と、承認部15と、承認解除部16と、アップロード部17とを有している。
【0019】
情報入力部11は、端末装置T1、T2を介して入力される情報を受け付ける処理部である。情報入力部11に入力される情報としては、業務委託者と業務受託者との間で交わされる業務の契約に関する情報(以下、「業務契約情報」という。)や、当事者が書類作成装置1にログインするためのID・パスワード等の認証情報、作成された書類に対する修正の指示、承認、非承認、承認解除等の情報がある。
【0020】
ここで、情報入力部11に入力される業務契約情報のより具体的な項目例を下記に示す。
(1)契約名、(2)契約日、(3)委託者情報(例えば宛名、住所又は居所等)、
(4)受託者情報(例えば宛名、住所又は居所等)、(5)業務内容、(6)期間、
(7)成果物の種類・内容、(8)納品数量、(9)納期、(10)単価・時給、
(11)その他の条件等
【0021】
書類作成装置1のネットワークシステムにログインした端末装置T1、T2のモニター画面には、情報入力フォームとして、これらの業務契約に係る各項目がリスト表示される。したがって、業務委託者及び業務受託者は、作成しようとする発注書及び請書のそれぞれの書類に直接情報を書き込む必要がなくなり、画面上に表示された情報入力フォームを介して各情報を簡単に入力することができる。
【0022】
なお、上記の業務契約情報の項目は例示であり、発明の実施にあたっては、業務の種類や契約内容等に応じてこれらの項目の一部のみが入力されてもよいし、これら以外の情報が入力されてもよい。また、当事者間で合意に至っていない項目や条件については空欄のままであってもよいし、一方の当事者が希望する条件(例えば希望納期や希望時給など)が暫定的に入力されてもよい。
【0023】
当事者認証部12は、書類作成装置1のシステムに予めユーザ登録された業務委託者及び業務受託者の端末装置T1、T2から入力されたID及びパスワードに基づいて、当該業務委託者及び業務受託者を認証し、かつ、それぞれの端末装置T1及びT2を紐付ける処理部である。そして、当事者認証部12は、認証(ログイン)した端末装置T1、T2に対してのみ書類作成装置1への情報入力を許可する。
【0024】
業務契約情報を入力した業務委託者又は業務受託者は、端末装置T1又はT2のモニター画面に表示された「発注書・請書を作成」ボタンをクリックすることで、簡単に業務契約書類を作成することができる。具体的に情報入力部11は、端末装置T1及び/又はT2を介して入力された業務契約情報をマージ(統合)し書類作成部13に転送する。そして、書類作成部13は、その業務契約情報に基づいて、当該業務に関する発注書又は請書の少なくともいずれかの書類データを自動で作成する処理を行う。このとき、書類作成部13は、上記発注書及び請書の2つの書類データを同時に作成することが好ましい。書類作成部13が作成した書類データは、読書可能な状態でデータベース18に暫定的に保管される。また作成された書類は、認証された端末装置T1、T2のモニター画面に業務委託者及び業務受託者側が閲覧可能に表示することができる。
【0025】
また、書類作成装置1は、例えば書類の宛名となる会社名、連絡先、住所等といった予め登録された固定の情報を設定する固定情報設定部(図示省略)を有してもよい。固定情報設定部により設定された固定の情報は、書類作成部13が作成する発注書及び/又は請書の所定の項目欄に自動的に記載される。このような予め登録された固定の情報は、業務委託者及び業務受託者がその都度入力する必要がなく、また次回以降の同一当事者間の業務契約に関する書類作成の際に自動的にその書類に反映させることができる。
【0026】
情報修正部14は、書類作成部13が作成した発注書又は請書の少なくともいずれかの書類データに含まれる契約条件や項目等の細目情報の修正を可能とする処理部である。これらの書類の修正指示は、業務委託者及び業務受託者側のどちらの端末装置T1、T2からも入力することができる。情報修正部14は、情報入力部11に入力された修正指示に従って発注書又は請書の該当する項目欄の記載を修正する。
【0027】
そして、情報修正部14は、発注書又は請書のいずれか一方の書類の記載情報を修正した場合には、直ちにその修正された当該書類の記載情報に対応する他方の書類の記載情報も自動的に修正する。例えば、発注書に記載された業務の内容や時給が修正された場合には、その修正が、直ちに、請書における業務の内容や時給の記載項目にも反映される。修正14により修正された書類データは、読書可能な状態でデータベース18に暫定的に保管される。
【0028】
承認部15は、書類作成部13が作成した発注書又は請書の少なくともいずれかの書類の承認をする処理部である。承認部15は、発注書又は請書等の業務契約書類毎に承認・非承認を決定することができる。また、業務契約書類における契約条件や項目等の細目毎に承認・非承認を決定できるようにしてもよい。これらの承認又は非承認の指示は、認証された端末装置T1、T2のモニター画面に表示した「承認」又は「非承認」ボタンをクリックすることで個別に行うことができる。
【0029】
なお承認部15が一旦承認した書類及び/又は細目情報については、情報修正部14による修正が規制される。すなわち、作成済みの書類データのうち、承認された書類データについては情報修正部14による変更・更新のアクセス権が制限された状態でデータベース18に登録される。これにより、例えば、作成された発注書が一旦承認されると、当事者である業務委託者又は業務受託者といえども、それぞれが一方的にその承認された発注書を修正することができなくなる。
【0030】
承認解除部16は、承認部15が一旦した承認を解除することができるようにするための処理部である。承認解除部16は、紐付けられた当事者全員の端末装置T1及びT2を介して承認解除指示が送信された場合にのみ、該当する書類及び細目情報の承認を解除す処理を行う。紐付けられた全ての端末装置T1、T2からの指示により、承認解除について当事者全員の合意が形成されたとみなすことができる。承認解除部16が書類の承認を解除したときには、当該書類データについての修正の規制が解除される。
【0031】
アップロード部17は、作成された発注書又は請書の書類データの少なくともいずれかの書類を、契約書を作成するための外部の契約書作成システム100にアップロードする処理部である。例えば端末装置T1、T2のモニター画面に表示した「クラウドサインで送信」ボタンをクリックすると、本実施形態による書類作成装置1と契約書作成システム100とのAPI連携動作により、端末装置T1、T2の表示が契約書作成システム100のクラウドサイン画面に遷移する。これにより、書類作成装置1の書類作成部13が作成した発注書及び/又は請書が、契約書作成システム100にアップロードされた態様で端末装置T1、T2のモニター画面に表示される。
【0032】
以上説明した本実施形態による書類作成装置1によれば、業務委託者が業務受託者に業務を委託する際に、共通する形式の情報入力フォームを介して契約に関する情報を1度だけ入力することで、業務契約に係る少なくとも発注書又は請書等の業務契約書類を自動で作成することができる。これにより、これまで書類の作成に要していた手入力の手間や時間を大幅に削減することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 書類作成装置
11 情報入力部
12 当事者認証部
13 書類作成部
14 情報修正部
15 承認部
16 承認解除部
17 アップロード部
18 データベース
100 契約書作成システム
N インターネット
T1、T2 端末装置

図1