IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

<>
  • 特開-電子機器 図1
  • 特開-電子機器 図2
  • 特開-電子機器 図3
  • 特開-電子機器 図4
  • 特開-電子機器 図5
  • 特開-電子機器 図6
  • 特開-電子機器 図7
  • 特開-電子機器 図8
  • 特開-電子機器 図9
  • 特開-電子機器 図10
  • 特開-電子機器 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108574
(43)【公開日】2022-07-26
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/144 20060101AFI20220719BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20220719BHJP
   H04N 5/335 20110101ALI20220719BHJP
【FI】
H01L27/144 K
H01L27/146 D
H04N5/335
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021003648
(22)【出願日】2021-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 泰啓
(72)【発明者】
【氏名】長澤 順子
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AB10
4M118CA02
4M118EA06
4M118FA06
4M118GB03
4M118GB07
4M118GB11
4M118GB13
4M118GC07
4M118GC08
4M118GD04
4M118GD07
5C024CX41
5C024EX43
5C024EX52
5C024GX03
5C024GZ34
(57)【要約】
【課題】 十分な透光性を有するピンホールを有する電子機器を提供する。
【解決手段】 電子機器は、センサ素子と、第1遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第1遮光層との間に設けられる第1ピンホールと、を備える第1基板と、基材と、前記基材に接して設けられる第2遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第2遮光層との間に設けられる第2ピンホールと、前記第2光層及び前記第2ピンホールを覆う絶縁層と、前記絶縁層に接する第3遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第3遮光層との間に設けられる第3ピンホールと、前記基材に接し、前記第2遮光層と反対側の面に設けられるレンズと、を備える第2基板と、を備え、前記第3ピンホールは、内部に透明樹脂層を有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ素子と、
第1遮光層と、
前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第1遮光層との間に設けられる第1ピンホールと、
を備える第1基板と、
基材と、
前記基材に接して設けられる第2遮光層と、
前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第2遮光層との間に設けられる第2ピンホールと、
前記第2遮光層及び前記第2ピンホールを覆う絶縁層と、
前記絶縁層に接する第3遮光層と、
前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第3遮光層との間に設けられる第3ピンホールと、
前記基材に接し、前記第2遮光層と反対側の面に設けられるレンズと、
を備える第2基板と、
を備え、
前記第3ピンホールは、内部に透明樹脂層を有する、電子機器。
【請求項2】
前記透明樹脂層は、一定の波長の光を遮断し、着色された樹脂層である、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記一定の波長の光は、赤外光である、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第3遮光層の膜厚は、前記透明樹脂層の膜厚より厚い、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第3遮光層の膜厚は、前記透明樹脂層の膜厚より薄い、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
センサ素子と、
第1遮光層と、
前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第1遮光層との間に設けられる第1ピンホールと、
を備える第1基板と、
基材と、
前記基材の一部と重畳して設けられる第2遮光層と、
前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第2遮光層との間に設けられる第2ピンホールと、
前記第2遮光層及び前記第2ピンホールを覆う第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に接して設けられる第2絶縁層と、
前記第2絶縁層に接する第3遮光層と、
前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第3遮光層との間に設けられ、前記第2絶縁層に接する第3ピンホールと、
前記基材に接し、前記第1遮光層と反対側の面に設けられるレンズと、
を備える第2基板と、
を備え、
前記第2絶縁層は、一定の波長の光を遮断し、着色された樹脂層である、電子機器。
【請求項7】
センサ素子と、
第1遮光層と、
前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第1遮光層との間に設けられる第1ピンホールと、
を備える第1基板と、
基材と、
前記基材の一部と重畳して設けられる第2遮光層と、
前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第2遮光層との間に設けられる第2ピンホールと、
前記第2遮光層及び前記第2ピンホールを覆う第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に接する第3遮光層と、
前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第3遮光層との間に設けられ、前記第1絶縁層に接する第3ピンホールと、
前記第3ピンホールの内部に設けられ、隣り合う前記第3遮光層との間に設けられ、前記第1絶縁層に接する第2絶縁層と、
前記基材に接し、前記第1遮光層と反対側の面に設けられるレンズと、
を備える第2基板と、
を備え、
前記第2絶縁層は、一定の波長の光を遮断し、着色された樹脂層である、電子機器。
【請求項8】
前記第1ピンホール、前記第2ピンホール、及び、前記第3ピンホールの径は同じである、請求項1から7までのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第2遮光層の膜厚及び前記第3遮光層の膜厚は同じである、請求項1から8までのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記第2遮光層及び前記第3遮光層は、遮光性を有する樹脂材料で形成される、請求項1から9までのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記第1遮光層は、金属材料で形成される、請求項1から10までのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項12】
前記第1基板及び前記第2基板との間に、液晶層が挟持されている、請求項1から11までのいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子デバイスへのアクセスを制限するために、電子デバイスに認証システムが搭載されることがある。認証システムには、生体センサが用いられることがある。個人認証等に用いられる生体センサとして、光学式の生体センサが知られている。光学式の生体センサとして、指紋センサや静脈センサが知られている。指紋センサは、光電変換素子等が基板上に複数配列されている。光電変換素子は、照射される光量に応じて出力される信号が変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-087973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、十分な透光性を有するピンホールを有する電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る電子機器は、センサ素子と、第1遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第1遮光層との間に設けられる第1ピンホールと、を備える第1基板と、基材と、前記基材に接して設けられる第2遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第2遮光層との間に設けられる第2ピンホールと、前記第2遮光層及び前記第2ピンホールを覆う絶縁層と、前記絶縁層に接する第3遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第3遮光層との間に設けられる第3ピンホールと、前記基材に接し、前記第2遮光層と反対側の面に設けられるレンズと、を備える第2基板と、を備え、前記第3ピンホールは、内部に透明樹脂層を有する。
【0006】
また、一実施形態に係る電子機器は、センサ素子と、第1遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第1遮光層との間に設けられる第1ピンホールと、を備える第1基板と、基材と、前記基材の一部と重畳して設けられる第2遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第2遮光層との間に設けられる第2ピンホールと、前記第2遮光層及び前記第2ピンホールを覆う第1絶縁層と、前記第1絶縁層に接して設けられる第2絶縁層と、前記第2絶縁層に接する第3遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第3遮光層との間に設けられ、前記第2絶縁層に接する第3ピンホールと、前記基材に接し、前記第1遮光層と反対側の面に設けられるレンズと、を備える第2基板と、を備え、前記第2絶縁層は、一定の波長の光を遮断し、着色された樹脂層である。
【0007】
一実施形態に係る電子機器は、センサ素子と、第1遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第1遮光層との間に設けられる第1ピンホールと、を備える第1基板と、基材と、前記基材の一部と重畳して設けられる第2遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第2遮光層との間に設けられる第2ピンホールと、前記第2遮光層及び前記第2ピンホールを覆う第1絶縁層と、前記第1絶縁層に接する第3遮光層と、前記センサ素子と重畳し、隣り合う前記第3遮光層との間に設けられ、前記第1絶縁層に接する第3ピンホールと、前記第3ピンホールの内部に設けられ、隣り合う前記第3遮光層との間に設けられ、前記第1絶縁層に接する第2絶縁層と、前記基材に接し、前記第1遮光層と反対側の面に設けられるレンズと、を備える第2基板と、を備え、前記第2絶縁層は、一定の波長の光を遮断し、着色された樹脂層である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の電子機器を示す概略断面図である。
図2図2は、実施形態の電子機器の部分断面図である。
図3図3は、電子機器の部分平面図である。
図4図4は、本実施形態のピンホールの製造工程を示すフローチャートである。
図5図5は、本実施形態のピンホールの製造工程を示す断面図である。
図6図6は、実施形態における電子機器の他の構成例を示す断面図である。
図7図7は、実施形態における電子機器の他の構成例を示す断面図である。
図8図8は、図6及び図7の構成を含む電子機器の概略断面図である。
図9図9は、実施形態における電子機器の他の構成例を示す断面図である。
図10図10は、実施形態における電子機器の他の構成例を示す断面図である。
図11図11は、図10の構成を含む電子機器の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、図面を参照しながら一実施形態に係る電子機器について詳細に説明する。
【0010】
本実施形態においては、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第3方向Zの矢印の先端に向かう方向を上又は上方と定義し、第3方向Zの矢印の先端に向かう方向とは反対側の方向を下又は下方と定義する。
【0011】
また、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、又は第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していてもよい。一方、「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接している。
【0012】
また、第3方向Zの矢印の先端側に電子機器を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX-Z平面、あるいは第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における電子機器の断面を見ることを断面視という。
【0013】
図1は、実施形態の電子機器を示す概略断面図である。電子機器ERPは、センサ基板SNS、表示装置DSP、及び光学調整素子LAMを有している。表示装置DSP及び光学調整素子LAMは、後述するように一体形成されていてもよい。センサ基板SNS、表示装置DSP、及び光学調整素子LAMが一体形成されていてもよい。センサ基板SNS及び光学調整素子LAMは、表示装置DSPの内部に設けられていてもよい。
詳細は後述するが、センサ基板SNSは、光学式指紋センサを構成するセンサ素子SNEを有している。図1において、表示装置DSPは、液晶層LCLを有する液晶表示装置である。
【0014】
光学式指紋センサ用のコリメータの方式の一つとして、マイクロレンズ及びピンホールを用いる方式が採用されている。ピンホールは、マイクロレンズの焦点距離に配置される。しかしながら、例えば遮光性の樹脂材料に小径のピンホールを形成することは、膜厚との関係で難しい場合がある。
そこで本実施形態では、ピンホールに透明樹脂層を設けることにより、遮光性の樹脂材料に小径のピンホールを形成することを可能とする。以下に詳細を説明する。
【0015】
図2は、実施形態の電子機器の部分断面図である。図2において、センサ基板SNSは、センサ素子SNE、センサ素子SNEを覆う絶縁層HRC1を有している。
センサ素子SNEは、光電変換素子、例えばフォトダイオード等を用いたセンサ素子である。
センサ素子SNEは、表示装置DSPの内部に設けられていてもよい。図2には表示しないが、センサ素子SNEの下方には、後述する液晶層LCLを駆動するためのスイッチング素子等が設けられていてもよい。センサ素子SNEに、後述する基材BAに対向する別の基材が設けられていてもよい。
【0016】
絶縁層HRC1上に、遮光層TMEが設けられている。遮光層TMEは、センサ素子SNEに入射する光の一部を遮光する遮光層である。絶縁層HRC1及び遮光層TMEを覆って、絶縁層HRC2が設けられている。絶縁層HRC1及びHRC2は、例えば平坦化機能を有する有機絶縁樹脂材料で形成される。遮光層TMEは、例えば金属材料、より具体的には、アルミニウムをモリブデンで挟持した積層膜で形成されている。ただし遮光層TMEは、金属材料に代えて、後述する遮光層BMと同様の材料で形成されていてもよい。
絶縁層HRC2上には、図示しない配向膜を介して液晶層LCLが設けられている。
液晶層LCL上には、図示しない配向膜を介して絶縁層OCが設けられている。液晶層LCLは、絶縁層HRC2及びOCとの間に挟持されているといえる。絶縁層OCは、例えば有機絶縁樹脂材料で形成される。
絶縁層OC上には、カラーフィルタCF(CFR、CFG)が設けられている。赤色のカラーフィルタCFR及び緑色のカラーフィルタCFGとの間には、遮光層BM(BM1)が設けられている。カラーフィルタCFGは、遮光層BM1及びBM2との間に設けられている。遮光層BM1及びBM2は、例えば遮光層を有する樹脂材料、具体的には、黒色顔料を含む樹脂材料で形成されている。
【0017】
遮光層BM2と隣り合って、透明樹脂層TRNが設けられている。透明樹脂層TRNは、遮光層BM2及びBM3との間に設けられている。透明樹脂層TRNは、樹脂材料で形成されている。
図2において、遮光層BM1からBM3まで分けて説明している。後述する図3に示すように、遮光層BM1からBM3は、一体形成された遮光層である。第3方向Zにおける、遮光層BMと遮光層TMEとの距離(厚さ)は、液晶層LCLを含んで、例えば、3μm以上15μm以下、好ましくは5μm以上10μm以下であればよい。
カラーフィルタCF、透明樹脂層TRN、遮光層BMに接して、絶縁層RESが設けられている。絶縁層RESは、例えば感光性の樹脂材料で形成されている。
基材BAと接して遮光層SLDが設けられており、遮光層SLDは、上述の絶縁層RESに覆われている。遮光層SLDは、遮光層BM1及びBM2と同様の材料で形成されている。遮光層SLDは、センサ素子SNEに達する光のうち、不要な光を遮断する機能を有している。遮光層SLDの膜厚は、遮光層BMと同じであればよい。ただしこれに限定されず、遮光層SLDとBMの膜厚は異なっていてもよい。
基材BAの面のうち、遮光層SLDが設けられる面と反対側の面に、レンズLNSが設けられている。レンズLNSは、基材BAに直接接して設けられていてもよいし、図示しない粘着材を介して基材BAに貼り付けられていてもよい。
【0018】
図2において、隣り合う遮光層BM2及びBM3との間の領域にピンホールPHが形成される。ピンホールPHは、当該領域に重畳する基材BAの一部、絶縁層RESの一部、透明樹脂層TRNと重畳している。ピンホールPHは、レンズLNSの焦点距離に配置されていてもよい。
遮光層BM、透明樹脂層TRN、絶縁層RES、遮光層SLD、レンズLNSは、図1に示す光学調整素子LAMを形成する。
【0019】
図2において、センサ素子SNEから絶縁層HRC2まで、第3方向Zに沿って積層される構成要素を、基板SUB1とする。
基材BAから絶縁層OCまで、第3方向Zと逆方向に沿って積層される構成要素、及びレンズLNSを、基板SUB2とする。すなわち、基板SUB2においては、基材BAと接して遮光層SLDが設けられ、遮光層SLDを覆って絶縁層RESが形成されている。絶縁層RESと接して、遮光層BM、カラーフィルタCF、及び透明樹脂層TRNが設けられている。遮光層BM、カラーフィルタCF、透明樹脂層TRNを覆って、絶縁層OCが形成されている。基材BAの面のうち、遮光層SLDが接する面と反対側の面には、レンズLNSが配置されている。
基板SUB1及びSUB2との間には、液晶層LCLが挟持されている。
【0020】
隣り合う遮光層SLDとの間の領域、及び、隣り合う遮光層TMEとの間の領域にも、それぞれピンホールPHs及びPHtが形成されている。すなわち、第3方向Zに沿ってこの順に、ピンホールPHt、PH、及びPHsがセンサ素子SNEと重畳して設けられている。レンズLNSを介して電子機器ERPに入射した光は、ピンホールPHs、PH、及びPHtを通って、センサ素子SNEに到達する。ピンホールPHは、レンズLNSの焦点距離に位置していてもよい。ピンホールPHt、PH、及びPHtの径は、同じ長さであればよい。
【0021】
図3は、電子機器の部分平面図である。図3の線A1―A2に沿った断面図が図2である。図3に示す電子機器ERPは、画素PX及びピンホール形成領域PHRを有している。
画素PXは、赤色の画素PXR、緑色の画素PXG、青色の画素PXBを有している。複数の赤色の画素PXRは、第2方向Yに沿って並んで配置されている。複数の緑色の画素PXGは、第2方向Yに沿って並んで配置されている。複数の青色の画素PXBは、第2方向Yに沿って並んで配置されている。
【0022】
赤色の画素PXRの画素列は、青色の画素PXBの画素列及び緑色の画素PXGの画素列と隣り合って配置されている。緑色の画素PXGの画素列は、赤色の画素PXRの画素列及び青色の画素PXBと隣り合って配置されている。青色の画素PXBの画素列は、緑色の画素PXGの画素列及び赤色の画素PXRの画素列と隣り合って配置されている。
【0023】
青色の画素PXBの画素列には、例えば1行ごとにピンホール形成領域PHRが設けられている。換言すると、青色の画素PXBの画素列には、青色の画素PXBとピンホール形成領域PHRが、第2方向Yに沿って交互に設けられている。ただし、ピンホール形成領域PHRは、必ずしも青色の画素PXBの画素列に設けずともよく、緑色の画素PXGの画素列又は赤色の画素PXRの画素列に設けてもよい。図3において青色の画素PXBの画素列にピンホール形成領域PHRを設けているのは、青色が赤色や緑色と比較して、人間の視覚に対して視認性が一番低いからである。
【0024】
画素PXRには、赤色のカラーフィルタCFR、画素PXGには、緑色のカラーフィルタCFG、画素PXBには、青色のカラーフィルタCFBが配置されている。
図3には図示しないが、画素PX(PXR、PXG、PXB)には、それぞれ液晶層LCLや液晶層LCLを駆動するスイッチング素子等が設けられている。
【0025】
図2に戻って、ピンホールPHについて説明する。ピンホールPHが、遮光性の樹脂材料を用いて形成されることを考える。小径のピンホールを形成する場合、上述のように、膜厚との関係でピンホールの形成が難しい場合がある。具体的な工程として、樹脂材料にマスクを用いて露光及び現像することにより、小径のピンホールを形成する場合を考える。樹脂材料の膜厚が厚くなると、露光量が十分でなく、光の入射面から深さ方向に離れた底部には、光が届かない恐れがある。このような場合、現像工程を経ても、底部の樹脂材料は除去されず、ピンホールが形成されない恐れが生じる。
【0026】
本実施形態では、図2に示すように、透明樹脂層TRNを内部に設けたピンホールPHを形成する。透明樹脂層TRNを形成することにより、遮光層BMの材料となる遮光性の樹脂材料に対して、十分な量の光で露光を行うことができる。これにより、樹脂材料を確実に除去することができる。以下に製造工程について説明する。
【0027】
図4は、本実施形態のピンホールの製造工程を示すフローチャートである。図5は、本実施形態のピンホールの製造工程を示す断面図である。ただし図面を分かり易くするため、図5において、図2で示した遮光層SLD、絶縁層RES、及びカラーフィルタCFの図示は省略している。
図4(A)に示すように、基材BAと重畳して、ピンホールPHを形成する領域に、透明樹脂層TRNの材料となる透明樹脂膜を塗布する(ステップS101)。
透明樹脂膜は、例えば、一定の波長の光を遮断する機能を有する、着色された樹脂膜を用いてもよい。当該一定の波長の光とは、例えば赤外領域の波長を有する赤外光である。ただし波長領域はこれに限定されない。
【0028】
次いで、当該透明樹脂膜に対して露光及び現像を行い(ステップS102)、ポストベーク(焼成)(ステップS103)を行って、島状の透明樹脂層TRNを形成する(図5(A)参照)。透明樹脂層TRNの膜厚をd1とすると、膜厚d1は、例えば1.0μm以上1.7μm、好ましくは1.3μm以上1.4μm以下であればよい。第3方向Zと垂直な平面(X-Y平面)における透明樹脂層TRNの幅は、後述するピンホールPHの径dpである。
【0029】
透明樹脂層TRNを覆い、基材BAと重畳して、遮光層BMの材料となる遮光性の樹脂材料膜BMMを形成する(ステップS104、図5(B)参照)。ここで、透明樹脂層TRNと重畳する領域の樹脂材料膜BMMを、樹脂材料膜BMpとする。
なお上述の透明樹脂膜と樹脂材料膜BMMは、一方がポジ型樹脂であれば、他方ネガ型樹脂であることが好ましい。その場合、それぞれの露光工程で同じ露光マスクを用いることができるからである。
【0030】
樹脂材料膜BMMの膜厚をd2とすると、膜厚d2は、例えば1.05μm以上2.2μm以下、好ましくは、1.4μm以上1.6μm以下、さらに好ましくは1.5μmであればよい。このような膜厚d2の範囲で樹脂材料膜BMMを形成することにより、後に形成される遮光層BMが十分な遮光性を得ることができる。
樹脂材料膜BMpの膜厚d3は、膜厚d2より薄く、例えば、0.05μm以上0.4μm以下、好ましくは、0.1μm以上0.2μm以下であればよい。膜厚d3は、樹脂材料膜BMMの膜厚d2及び透明樹脂層TRNの膜厚d1の差でもある。
【0031】
樹脂材料膜BMMに対して露光及び現像を行い(ステップS105)、ポストベーク(焼成)(ステップS106)を行う。
膜厚d3が上記の薄さであれば、十分な量の光で露光工程(ステップS105)を行うことができる。これにより、透明樹脂層TRNと接して設けられる樹脂材料膜BMpが確実に除去可能である。樹脂材料膜BMp除去により透明樹脂層TRNが露出する。透明樹脂層TRNと重畳しない領域においては、遮光層BMが形成される。これによりピンホールPHが形成される(図5(C)参照)。
【0032】
なお遮光層SLDも、図5(A)から図5(C)に示す製造工程により、遮光層BMと同様に形成することができる。その場合、基材BAと接してピンホールPHを形成する領域に、透明樹脂層TRNを形成する(図5(A)参照)。透明樹脂層TRN及び基材BAを覆って、遮光層SLDの材料となる遮光性の樹脂材料膜を形成する(図5(B)参照)。当該樹脂材料膜に対して、露光、現像、ポストベークを行い、透明樹脂層TRN及び遮光層SLDを形成する。これによりピンホール(図2におけるピンホールPHs)が形成される(図5(C)参照)。
【0033】
図5には図示しないが、透明樹脂層TRN及び遮光層BMを覆って絶縁層OCを形成し更に絶縁膜層OC上に配向膜を形成することで、基板SUB2が形成される。基板SUB1及びSUB2との間に液晶層LCLを挟持して貼り合わせることにより、電子機器ERPが形成される(図2参照)。
【0034】
本実施形態において、ピンホールPHの径dpは、例えば4.5μm以上7.5μm以下、好ましくは、5.5μm以上6.5μm以下、さらに好ましくは、6.0μmである。
樹脂材料膜BMMの膜厚d2が上記の範囲内であり、透明樹脂層TRNを用いない場合においては、径dpをこのような範囲内で形成することが難しい恐れがある。上述したように、ピンホールPHが形成される領域において、露光量が十分でない場合、樹脂材料膜BMMの底部に光が届かない恐れがある。その場合、樹脂材料膜BMMがピンホールPHに残存してしまう。残存した樹脂材料膜BMMにより光が遮られてしまい、ピンホールPHがピンホールとして機能しない恐れが生じる。
【0035】
したがって、本実施形態に示すように、あらかじめ透明樹脂層TRNを設けることにより、十分な透光性を有するピンホールPHを得ることができる。本実施形態では、十分な透光性を有するピンホールPHと共に、十分な遮光性を有する遮光層BMを得ることができる。このようなピンホールPH及び遮光層BMを有する光学調整素子LAMは、光学式指紋センサによる指紋の凹凸のセンシングにおいて、不要な反射光を遮断することが可能である。つまりセンサ素子SNEのセンシングの対象でない指紋の凹凸からの反射光が、光学調整素子LAMにより遮断される。以上から、本実施形態により、光学指紋センサ及び光学調整素子LAMを備える、高性能な電子機器を得ることが可能である。
【0036】
<構成例1>
図6は、実施形態における電子機器の他の構成例を示す断面図である。図6に示した構成例では、図5に示した構成例と比較して、透明樹脂層を島状に形成しないという点で異なっている。
図6は、電子機器ERPに含まれる基板SUB2の部分断面図である。
図6において、第3方向Zと逆方向に、基材BAと接して絶縁層RES1が設けられている。
基材BAの一部と重畳し、絶縁層RES1の一部を挟んで、遮光層SLDが設けられる。隣り合う遮光層SLDの間隔(図2におけるピンホールPHsの径)は、ピンホールPHの径dpとなる。ただし隣り合う遮光層SLDの間隔はこれに限定されない。遮光層SLDは、実施形態と同様に、センサ素子SNEに達する光のうち、不要な光を遮断する機能を有している。
【0037】
絶縁層RES1及び遮光層SLDを覆って、絶縁層RES2が設けられている。絶縁層RES2の膜厚は、絶縁層RES1の膜厚より厚くてもよい。
絶縁層RES2と接して、絶縁層CRSが設けられている。絶縁層CRSの材料は、上述の一定の波長の光を遮断する、着色された樹脂材料である。絶縁層CRSとして、例えば、赤外光を遮断する着色された樹脂層を設ける。絶縁層RES1及びRES2の材料は、絶縁層CRSと異なる樹脂材料であればよい。絶縁層RES1及びRES2を併せて、1つの絶縁層とみなすこともできる。
【0038】
絶縁層CRSに接し、遮光層SLDと重畳する位置に、遮光層BMが設けられている。遮光層BMの端部は、第3方向Zと逆方向において遮光層SLDの端部と一致していてもよい。隣り合う遮光層BMの間隔は、ピンホールPHの径dpとなる。遮光層BMの膜厚d2及び遮光層SLDの膜厚d4は、同じであればよい。すなわち、膜厚d2及びd4は、例えば1.05μm以上2.2μm以下、好ましくは、1.4μm以上1.6μm以下、さらに好ましくは1.5μmであればよい。
【0039】
図6に示すように、絶縁層CRSは、遮光層BMと重畳しない領域及び重畳する領域に亘って設けられている。すなわち、絶縁層CRSは、ピンホールPHと重畳する領域及び重畳しない領域に亘って設けられている。
図5では、ピンホールPHと重畳する位置にのみ島状の透明樹脂層TRNを形成した。しかし図6に示すように、ピンホールPHと重畳しない領域にも、絶縁層CRSを連続して設けてもよい。図6に示す例であっても、遮光性の樹脂材料膜に対して、十分な露光量で露光工程(図4ステップS105参照)を行うことができる。これにより、ピンホールPHと重畳する遮光性の樹脂材料膜を確実に除去可能である。よって十分な透光性を有するピンホールPHを得ることができる。
【0040】
なお図6では、ピンホールPHと重畳する領域において、絶縁層CRSの一部を絶縁層CRSpとし、絶縁層RES2の一部を絶縁層RES2pとし、絶縁層RES1の一部を絶縁層RES1pとし、基材BAの一部を基材BApとする。
【0041】
図7は、実施形態における電子機器の他の構成例を示す断面図である。図7に示した構成例では、図6に示した構成例と比較して、一定の波長の光を遮断し、着色された樹脂材料の一部を別の樹脂材料で置き換えるという点で異なっている。
【0042】
図7に示す例において、絶縁層RES2までの積層構造は、図6と同様である。よって絶縁層RES2までの積層構造については、図6の説明を援用し、これを省略する。
【0043】
絶縁層RES2と接して、絶縁層RES3が設けられている。絶縁層RES2は、絶縁層RES1及びRES3に挟持されている。絶縁層RES2の膜厚は、絶縁層RES1及びRES3それぞれの膜厚より厚くてもよい。絶縁層RES3の膜厚は、絶縁層RES1の膜厚と同じであってもよい。絶縁層RES1、RES2、及びRE3の材料は、絶縁層CRSと異なる樹脂材料であればよい。絶縁層RES1、RES2、及びRES3を併せて、1つの絶縁層とみなすこともできる。
【0044】
絶縁層RES3に接し、遮光層SLDと重畳する位置に、遮光層BMが設けられている。図6と同様に、遮光層BMの端部は、第3方向Zと逆方向において遮光層SLDの端部と一致していてもよい。隣り合う遮光層BMの間隔は、ピンホールPHの径dpとなる。
隣り合う遮光層BMとの間には、絶縁層RES3に接して絶縁層CRSが設けられている。絶縁層CRSは、上述の一定の波長の光を遮断する着色された樹脂層である。
【0045】
図7では、ピンホールPHと重畳する領域に、絶縁層CRSが形成されている。絶縁層CRSは、ピンホールPHの内部に設けられているともいえる。一方、絶縁層RES3は、ピンホールPHと重畳する領域及び重畳しない領域において、連続して設けられている。図7に示す絶縁層RES3及びCRSは、図6で示した絶縁層CRSと同様の位置に配置されている。すなわち、図7の絶縁層RES3及びCRSは、図6の絶縁層CRSを置き換えたものといえる。
【0046】
なお図7では、ピンホールPHと重畳する領域において、基材BAの一部を基材BAp、絶縁層RES1の一部を絶縁層RES1p、絶縁層RES2の一部を絶縁層RES2p、絶縁層RES3の一部を絶縁層RES3pとする。
【0047】
図8は、図6及び図7の構成を含む電子機器の概略断面図である。
図8に示す電子機器ERPは、透明樹脂層TRN以外の構成要素は、図2と同様であり、その説明を援用する。
図8の透明樹脂層TRNは、図6では絶縁層CRSp、図7では絶縁層CRS及びRES3pに相当する。本構成例で述べたように、透明樹脂層TRNは、独立に形成された島状の透明樹脂層TRNでなく、ベタ膜の一部であってもよい。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0048】
<構成例2>
図9は、実施形態における電子機器の他の構成例を示す断面図である。図9に示した構成例では、図5に示した構成例と比較して、ハーフトーンマスクを用いてピンホールを形成するという点で異なっている。
図9は、本構成例のピンホールの製造工程を示す断面図である。ただし図面を分かり易くするため、図9において、遮光層SLD、絶縁層RES、及びカラーフィルタCF等の表示は省略している。
図9(A)に示すように、基材BAと重畳して、ピンホールPHを形成する領域に、透明樹脂膜TRMを塗布する。透明樹脂膜TRMは、上述の一定の波長の光を遮断する樹脂膜であり、例えば赤外光を遮断する着色された樹脂膜である。
【0049】
透明樹脂膜TRMと対向して、ハーフトーンマスクMSKが配置される。図9(A)では、ハーフトーンマスクMSKの光透過率を、便宜上MRTで示している。
ハーフトーンマスクMSKは、光透過率MRTが不均一のフォトマスクである。図9(A)に示す光透過率MRTは、ピンホールPHが形成される領域と、ピンホールPHが形成されない領域では異なっている。ピンホールPHが形成される領域に対応する光透過率をMRPとする。具体的には、透明樹脂膜TRMがネガ型樹脂の場合では、光透過率MRPは、ピンホールPHが形成されない領域の光透過率より高い。光透過率MRPは100%、ピンホールPHが形成されない領域の光透過率は、例えば、40%以上70%以下であってもよい。
【0050】
ハーフトーンマスクMSKを用いて露光を行い(図9(A)参照)、現像及び焼成を行うことにより、凸状の領域を有する透明樹脂層TRCを形成する(図9(B)参照)。当該凸状の領域を透明樹脂層TRXとすると、透明樹脂層TRXは、図2の透明樹脂層TRNに相当する。
【0051】
透明樹脂層TRCを覆って、遮光性の樹脂材料膜BMMを塗布する(図9(C)参照)。樹脂材料膜BMMは、ピンホールPHが形成される領域と重畳する領域及び重畳しない領域に亘って設けられている。透明樹脂層TRXと重畳する樹脂材料膜BMM(樹脂材料膜BMpとする)の膜厚は、透明樹脂層TRXが設けられていない領域よりも薄い。換言すると、ピンホールPHが形成される領域と重畳する領域での樹脂材料膜BMMの膜厚は、重畳しない領域での樹脂材料膜BMMの膜厚より薄い。
【0052】
樹脂材料膜BMMに対して、露光及び現像を行う(図9(D)参照)。これにより、透明樹脂層TRXと接して設けられる樹脂材料膜BMpが確実に除去可能である。樹脂材料膜BMp除去により透明樹脂層TRXが露出する。これによりピンホールPHが形成される。透明樹脂層TRXと重畳しない領域においては、遮光層BMが形成される。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0053】
<構成例3>
図10は、実施形態における電子機器の他の構成例を示す断面図である。図10に示した構成例では、図5に示した構成例と比較して、透明樹脂層の膜厚が遮光層の膜厚より厚いという点で異なっている。
まず図5(A)と同様に、島状の透明樹脂層TRNを形成する(図10(A)参照)。ただし透明樹脂層TRNの材料は、上述した一定の波長を遮断する機能を有する着色された樹脂材料だけでなく、フォトスペーサとして用いられる樹脂材料であってもよい。図10(A)に示す島状の透明樹脂層TRNの膜厚をd5とする。
【0054】
図5(B)及び図5(C)と同様に、遮光性の樹脂材料膜の塗布、露光、及び現像を行い、膜厚d2を有する遮光層BMを形成する(図10(B)参照)。膜厚d2は、膜厚d5より薄い。すなわち、透明樹脂層TRNは、遮光層BMから突出している。第3方向Zと逆方向において透明樹脂層TRNの突出した部分には、遮光層BMは設けられていない。
膜厚d5は、例えば、2.5μm以上7.5μm以下、好ましくは、4μm以上5μm以下であればよい。膜厚d2は、上述同様、例えば1.05μm以上2.2μm以下、好ましくは、1.4μm以上1.6μm以下、さらに好ましくは1.5μmであればよい。膜厚d5とd2の差は、2μm以上4μm以下、好ましくは3μmであればよい。
【0055】
図11は、図10の構成を含む電子機器の概略断面図である。本構成例の透明樹脂層TRNは、例えば、基板SUB1の基材(非表示)及び基板SUB2の基材BAを研磨する工程において、透明樹脂層TRNは、基板SUB1及びSUB2間の間隔を維持するスペーサとして機能する。なお透明樹脂層TRNとは別に、遮光層BMと接してスペーサを設けてもよい。透明樹脂層TRNと同層に、異なる高さを有する別のスペーサを形成してもよい。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0056】
本開示では、遮光層TME、遮光層SLD、及び遮光層BMを、それぞれ、第1遮光層、第2遮光層、及び第3遮光層ともいう。ピンホールPHt、PHs、PHを、それぞれ、第1ピンホール、第2ピンホール、及び第3ピンホールともいう。
図6に示す絶縁層RES2を第1絶縁層、絶縁層CRSを第2絶縁層ともいう。あるいは、絶縁層RES1及びRES2を併せて第1絶縁層と呼ぶこともある。
図7に示す絶縁層RES2及びRES3を併せて第1絶縁層、絶縁層CRSを第2絶縁層ともいう。あるいは、絶縁層RES1、RES2、及びRES3を併せて第1絶縁層と呼ぶこともある。
【0057】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
BM…遮光層、BM1…遮光層、BM2…遮光層、BMM…樹脂材料膜、BMp…樹脂材料膜、CRS…絶縁層、CRSp…絶縁層、DSP…表示装置、ERP…電子機器、HRC1…絶縁層、HRC2…絶縁層、LAM…光学調整素子、LNS…レンズ、MRP…光透過率、MRT…光透過率、MSK…ハーフトーンマスク、OC…絶縁層、PH…ピンホール、PHR…ピンホール形成領域、PHs…ピンホール、PHt…ピンホール、RES…絶縁層、RES1…絶縁層、RES1p…絶縁層、RES2…絶縁層、RES2p…絶縁層、RES3…絶縁層、RES3p…絶縁層、S101…ステップ、S102…ステップ、S103…ステップ、S104…ステップ、S105…ステップ、S106…ステップ、SLD…遮光層、SNE…センサ素子、SNS…センサ基板、SUB1…基板、SUB2…基板、TME…遮光層、TRC…透明樹脂層、TRM…透明樹脂膜、TRN…透明樹脂層、TRX…透明樹脂層、d1…膜厚、d2…膜厚、d3…膜厚、d4…膜厚、d5…膜厚、dp…径。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11