(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010858
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】マスク作製方法およびマスク作製装置
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220107BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A41D13/11 F
A62B18/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111622
(22)【出願日】2020-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】517059001
【氏名又は名称】株式会社ワールドスケール
(74)【代理人】
【識別番号】100190160
【弁理士】
【氏名又は名称】隅田 俊隆
(72)【発明者】
【氏名】吉村 利也
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA16
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】
家庭で手軽に入手できる材料を用いて容易かつ安価に作製することができるとともに、快適な装着感が得られるマスクを作製することができるマスク作製方法およびマスク作製装置を提供すること。
【解決手段】
表面にはあらかじめ保形剤を付着させた基布Bを、雌雄一対の成形型110a、110bの間に配置して加熱しながらプレスすることにより立体形状のマスク本体210を作製する。さらに、マスク本体210の左右両端に耳掛け部220を取り付けてマスク200を作製する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基布の表面に保形剤を付着させる保形剤付着工程と、
前記保形剤が表面に付着された前記基布を雌雄一対の成形型の間に配置させ、前記基布を前記雌雄一対の成形型で加熱しながらプレスして立体形状を有するマスク本体に成形する成形工程と、
前記マスク本体の両端部に着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部を取り付ける耳掛け部取付工程と、を有することを特徴とするマスク作製方法。
【請求項2】
前記保形剤は、液状またはゲル状の洗濯糊であることを特徴とする請求項1に記載のマスク作製方法。
【請求項3】
表面に保形剤が付着された基布が間に配置され、該基布を加熱プレスして立体形状のマスク本体に成形する金属製のメッシュ材からなる雌雄一対の成形型と、
前記雌雄一対の成形型がそれぞれ取り付けられる一対の型受け台と、
前記雌雄一対の成形型の少なくとも一方を加熱する加熱手段と、を備えることを特徴とするマスク作製装置。
【請求項4】
前記雌雄一対の成形型は、前記一対の型受け台に対してそれぞれ着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載のマスク作製装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク作製方法およびマスク作製装置に関するものであり、特には、家庭で容易かつ安価にマスクの作製が可能なマスク作製方法およびマスク作製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、防塵、感染症・アレルギー症状の予防および飛沫飛散防止の目的で、ガーゼや不織布等から作製されたマスクが用いられている。マスクは、例えばインフルエンザの流行や花粉症の発症に合わせて、ある時期になると需要が高まる傾向がある。こうしたマスクの需要が急激に高まった場合には、供給が追い付かず店頭での入手が困難となる虞があり、そうなると各家庭でマスクを自作するなどして対応する必要が生じる。
【0003】
一方、従来のマスクの形状は、顔面に装着されるマスク本体部分が平面に形成されるものの他に、マスク本体部分に複数のプリーツを形成したり(例えば、特許文献1参照)、マスク本体部分をカップ型や碗型等の立体形状に成形したりして(例えば、特許文献2参照)、装着時に顔面と接触する面積を少なくして快適性を向上させたものがある。また、特許文献1および特許文献2に記載されているようなマスクは使い捨てタイプとして作られているものがほとんどである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3221095号公報
【特許文献2】特開2015-33470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、家庭で独自に材料を調達し、それを裁断・縫製等して立体形状の本体部分を有するマスクを作製することは手間と時間がかかるだけでなく、技術的にも困難である。また、使い捨てタイプのマスクは、衛生面を考慮して頻繁に交換する必要があることから、多くの枚数を購入しなければならず費用が嵩むといった問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、家庭で手軽に入手できる布材やシート材を用いて容易かつ安価に作製することができかつ快適な装着感が得られるマスクを作製できるようにするマスク作製方法およびマスク作製装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明が採った手段は、基布の表面に保形剤を付着させる保形剤付着工程と、前記保形剤が表面に付着された前記基布を雌雄一対の成形型の間に配置させ、前記基布を前記雌雄一対の成形型で加熱しながらプレスして立体形状を有するマスク本体に成形する成形工程と、前記マスク本体の両端部に着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部を取り付ける耳掛け部取付工程と、を有することを特徴とするマスク作製方法、である。
【0008】
すなわち、本発明に係るマスク作製方法は、マスク本体を構成する基布を一対の成形型を用いて加熱しながらプレスして立体形状に成形し、得られたマスク本体の両端に耳掛け部を取り付けることによりマスクを作製する方法である。この方法によれば、家庭で手軽に入手できる布材やシート材から容易かつ安価で装着感に優れたマスクを作製することができる。保形剤付着工程においては、成形する前の基布の表面にあらかじめ保形剤を付着させておく。こうすることで、成形工程において成形されたマスク本体を立体形状に保形できるとともに、装着時に容易に形崩れするのを防止できるようになる。なお、本明細書および特許請求の範囲における「基布の表面」とは、基布の表面と裏面の両面あるいはいずれかの一方の面を意味し、「付着」とは、塗布や噴霧といった手段を問わず、保形剤を基布の表面に付着させることを意味するものである。
【0009】
ここで、前記保形剤は、液状またはゲル状の洗濯糊であってもよい。
【0010】
保形剤は、上述のように基布を加熱プレスして成形したマスク本体の保形性を高めるために、あらかじめ基布に付着されるものである。洗濯糊は、容易かつ安価に入手することができるとともに、人体に対して無害であることから、顔面に装着されるマスク本体の保形に用いるのに適している。また、汚れが付きにくくなり、繊維の糸が引き締まって通気性を向上させるといった付随的効果も期待できる。
【0011】
さらに、上記課題を解決するために本発明が採った手段は、表面に保形剤が付着された基布が間に配置され、該基布を加熱プレスして立体形状のマスク本体に成形する金属製のメッシュ材からなる雌雄一対の成形型と、前記雌雄一対の成形型がそれぞれ取り付けられる一対の型受け台と、前記雌雄一対の成形型の少なくとも一方を加熱する加熱手段と、を備えることを特徴とするマスク作製装置、である。
【0012】
すなわち、本発明にかかるマスク作製装置は、保形剤が付着された基布を雌雄一対の成形型を用いて加熱プレスして、立体形状のマスク本体を作製することが可能なマスク作製装置である。このように簡素な構成を採用することで、小型かつ低価格なマスク作製装置を提供できるようになる。さらに、雌雄一対の成形型は、金属製のメッシュ材からなるので、熱伝導性を確保しながら通気性能を付与することができる。これにより、加熱プレス時に基布に付着された保形剤から発生する水蒸気が排気されるようになる。
【0013】
さらに、前記雌雄一対の成形型は、前記一対の型受け台に対してそれぞれ着脱自在に取り付けられるようにしてもよい。
【0014】
雌雄一対の成形型を型受け台に対してそれぞれ着脱自在とすることで、成形型の洗浄等のメンテナンスが容易となる。また、形状や大きさの異なる成形型を複数用意しておけば、これを交換して用いることによって1つのマスク作製装置で複数種類のマスクを作製できるようになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るマスク作製方法によれば、家庭で手軽に入手できる布材またはシート材を基布とし、これを加熱プレスすることで容易かつ安価にマスクを作製することができる。また、保形剤付着工程において基布の表面に保形剤を付着させるので、以降に行われる成形工程において加熱プレス加工されるマスク本体を立体形状に保形できるとともに、装着時にマスクが形崩れするのを防止することができる。さらに、作製されるマスク本体は立体形状を有することから、装着した時に顔面との接触面積が少なく、快適な装着感が得られるマスクを作製することができる。
【0016】
また、本発明に係るマスク作製装置によれば、金属製のメッシュ材からなる雌雄一対の成形型と、雌雄一対の成形型の少なくとも一方を加熱する加熱手段とを備えるので、表面に保形剤が付着された基布を加熱プレス加工するだけで立体形状を有するマスク本体に成形することができる。これにより、容易かつ安価にマスクを作製することができる。また、簡素な構成を採用して装置の小型化と低価格化を図ることができるので、家庭での導入が極めて容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例に係るマスク作製方法のフロー図である。
【
図2】実施例に係るマスク作製装置の概略構成を示す図である。
【
図3】実施例に係るマスク作製方法およびマスク作製装置によって作製されるマスクの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、防塵、感染症・アレルギー症状の予防および飛沫飛散防止のために顔面に装着されるマスク作製方法とマスク作製装置である。
【0019】
以下に、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【実施例0020】
[マスク作製方法]
図1には、本実施例にかかるマスク作製方法のフロー図が示されている。マスク作製方法は、保形剤付着工程S1と、成形工程S2と、耳掛け部取付工程S3とを有する。
【0021】
保形剤付着工程S1は、マスクの構成部分のうち、顔面に装着される部分をなすマスク本体を形成する基布の表面に保形剤を付着させる工程である。基布の素材は、柔軟性と通気性を有する布材やシート材であればよく、例えば、不織布、ティッシュペーパーやキッチンペーパー等の紙類、ハンカチやガーゼ等の綿や絹、麻、化学繊維等の織物といった、家庭で手軽に用意できる布材やシート材を用いることができる。また、基布は単層で形成してもよいし、複層に形成してもよい。複層に形成する場合には、種類が異なる素材のものを組み合わせて形成してもよい。このとき、各層同士の結合方法は特に限定されるものではなく、基布の素材に応じて適宜選択することができるが、後に詳述する保形剤が有する接着力を利用して結合するのが好ましい。こうすることで、接着剤等の材料を別途用意する必要がなくなるとともに、結合のための加工処理を成形と同時に行えるからである。この他に、ニードルパンチ装置で絡合したり、ホットメルト樹脂等の接着剤で接着させたり、積層体の周囲を縫着、接着あるいは超音波加工により融着させたりといった既知の方法を用いてもよい。
【0022】
保形剤は、基布が成形形状を保持できるように、あらかじめ基布の表面に付着させておくものである。保形剤は、マスク本体の成形形状を保形できかつ人体に無害なものであれば、基布の材質等に応じて適宜選択することができるが、特には、家庭で手軽に入手できて取り扱いが容易な液状またはゲル状の洗濯糊を用いることが好ましい。洗濯糊としては、例えば、でんぷんを主成分とする天然糊、加工でんぷんやカルボキシメチルセルロース(CMC)を主成分とする半合成糊、ポリ酢酸ビニルやポリビニルアルコール(PVA)、耐熱性ポリマー等を主成分とする合成糊およびこれらの混合物を用いることができる。また、保形剤は基布の表面または裏面のいずれか片方だけに付着させてもよいし、両面に付着させてもよい。保形剤の付着量は、少なすぎると十分な保形力が得られず、多すぎると装着時にベタつきが生じるので、必要な保形力が得られる程度に、基布の材質等に応じて適宜設定すればよい。また、保形剤を基布に付着させる方法も特に限定されるものではなく、例えば、刷毛などを用いて塗布したり、スプレーを用いて噴霧したりすることができる。
【0023】
成型工程S2は、保形剤付着工程S1において表面に保形剤が付着された基布を加熱プレスして、立体形状を有するマスク本体に成形する工程である。加熱プレスには、雌雄一対の成形型が用いられる。この雌雄一対の成形型の間に、保形剤が付着された基布を配置してプレスすることにより、基布が立体形状に成形されることとなる。そして、プレスと同時に加熱を行うことで、基布に付着された保形剤に含まれる水分が蒸発して、基布に保形性が与えられることとなる。加熱温度としては、保形剤の水分を蒸発させることができかつ基布に損傷を与えない範囲で適宜設定することができるが、200℃~240℃に設定することが好ましい。なお、マスク本体の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形のカップ状または椀状に成形することができる。また、マスク本体の大きさも装着者の顔の大きさ等に応じて適宜設定すればよい。
【0024】
耳掛け部取付工程S3は、マスクを装着者の顔面に保持させるために装着者の耳に係止される耳掛け部を、マスク本体の左右両端に取り付ける工程である。耳掛け部の材質や形状は特に限定されるものではなく、例えば、紐、ベルト、紐状またはベルト状のゴム部材から作製することができる。耳掛け部のマスク本体への取り付け方法は、マスク装着時にマスク本体から容易に外れないものであれば特に限定されるものではなく、例えば、縫着、接着剤、ステープル等によって行うことができる。
【0025】
なお、耳掛け部取付工程S3は、上述のように成形工程S2の後で行っても良いが、成形工程S2と同時に行うことが好ましい。耳掛け部取付工程S3を成形工程S2と同時に行えば、より簡単な手順でマスクを作製できるようになるからである。例えば、基布を成形型に配置した後、基布の両端部分を折り返した間に耳掛け部を上下から挟むように配置した状態で加熱プレスすれば、保形剤の接着力を利用してマスク本体に耳掛け部を取り付けることができる。
【0026】
このように、保形剤付着工程S1と、成形工程S2と、耳掛け部取付工程S3とを経て、マスク完成S4となる。
【0027】
[マスク作製装置]
図2には、本実施例に係るマスク作製装置100の概略構成が示されている。マスク作製装置100は、上述のマスク作製方法を実施可能に形成される装置であって、雌雄一対の成形型110a、110bと、一対の型受け台120a、120bと、加熱手段130とを備える。
【0028】
雌雄一対の成形型110a、110bは、表面に保形剤が付着された基布Bをプレス成形して立体形状のマスク本体210に成形するものである。雌雄一対の成形型110a、110bは、それぞれ金属製のメッシュ材からなる。雌雄一対の成形型110a、110bの材質は、プレス加工の際に変形しない程度の剛性を有するとともに、後述する加熱手段130が発生する熱を基布Bに伝達可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、銅やアルミニウム等の熱伝導性に優れた金属を用いることができる。形状についても、基布Bに立体形状を付与することができる雌雄一対の形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形のカップ状または椀状に成形可能な形状とすることができる。また、雌雄一対の成形型110a、110bは、メッシュ材に替えて、基布Bと接触する面に複数の孔を設けた多孔板から形成してもよい。本実施例では、雌雄一対の成形型110a、110bは、銅製のメッシュ材からなり、楕円形の碗状に形成されている。こうすることで、加熱プレスの際に、基布Bに付着させた保形剤から発生する水蒸気がメッシュ材の網目から外部に排出されるようになり、マスク本体210をしっかりと成形できるようになる。
【0029】
一対の型受け台120a、120bは、上述の雌雄一対の成形型110a、110bをそれぞれ支持する部材である。一対の型受け台120a、120bは、雌雄一対の成形型110a、110bをそれぞれ支持可能に形成されるものであれば、その材質、形状等は特に限定されるものでないが、雌雄一対の成形型110a、110bの着脱を自在に行えるように形成することが好ましい。こうすることで、雌雄一対の成形型110a、110bの洗浄等のメンテナンスが容易になるとともに、形状や大きさが異なる雌雄一対の成形型を複数作製しておき、これらを交換して用いることで、一の装置で色々な形状や大きさのマスク本体210を作製できるようになる。なお、一対の型受け台120a、120bは、必ずしも雌雄一対の成形型110a、110bと別体に形成する必要はなく、一体に形成してもよい。
【0030】
加熱手段130は、基布Bを加熱プレスできるように雌雄一対の成形型110a、110bを加熱するためのものである。本実施例では、加熱手段130として電熱線を用いており、これを雌側の成形型110aを支持する型受け台120a側に設けている。なお、加熱手段は、当該機能を発揮するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電熱線の他に、誘導電流を利用した誘導ヒーター(IH)等の既存の加熱手段を用いることができる。また、加熱手段は、型受け台を介して加熱するように配置してもよいし、成形型を直接加熱するように配置してもよい。さらに、加熱手段は雌雄一対の成形型のいずれか一方に設けてもよいし、両方に設けてもよい。
【0031】
本実施例では、マスク作製方法およびマスク作製装置100を用いて、次のようにしてマスク200を作製した。
【0032】
まず、保形剤として、耐熱性ポリマーを含有する液状の洗濯糊を、基布Bの表面に噴霧して付着させる。なお、基布Bには、キッチンペーパーを用いている。そして、
図2(a)に示すように、保形剤が付着された基布Bを、雌雄一対の成形型110a、110bの間に配置する。さらに、基布Bの両端部分を折り返した間に、耳掛け部220を基布Bで上下から挟むようにして配置する。このとき、雌側の成形型110aは、雌側の型受け台120aを介して、電熱線からなる加熱手段130により200℃程度にまで加熱された状態にある。
【0033】
次いで、
図2(b)に示すように、基布Bを雌側の成形型110aと雄側の成形型110bとで挟み込み、加熱しながらプレスして基布Bを立体形状に成形する。このとき、基布Bの表面に付着させた保形剤に含まれる水分が蒸発して、基布Bは立体形状で保形されるとともに、基布Bの折り返した両端面が保形剤の接着力で接着されて、耳掛け部220がマスク本体210の両端に固定される。
【0034】
保形剤に含まれる水分の水蒸気が目視できなくなったら、
図2(c)に示すように、雌雄の成形型110a、110bを離隔させて、得られたマスク本体210を取り出す。このようにして、
図3に示すようなマスク200を得ることができる。
【0035】
本実施例にかかるマスク作製方法およびマスク作製装置100によれば、不織布やティッシュペーパー、キッチンペーパー、ハンカチ等の家庭で手軽に用意できる材料を基布Bとして用い、これを加熱プレスしてマスク本体210を作製することができるので、容易かつ安価にマスク200を作製することができる。また、あらかじめ基布Bの表面に保形剤を付着させるので、加熱プレスで成型されるマスク本体210を立体形状に保形することができる。さらに、耳掛け部220のマスク本体210への取り付けを基布Bの成形と同時に行えるので、耳掛け部220の取り付けを極めて簡単に行うことができる。また、マスク作製装置100は、簡素な構成を採用することから、装置の小型化と低価格化を図ることができるので、家庭等で容易に導入することができる。そして、本実施例に係るマスク作製方法およびマスク作製装置100によって作製されるマスク200は、カップ状または椀状の立体形状のマスク本体210を有するので、装着した時に顔面との接触面積が少なく、快適な装着感を得ることができる。
【0036】
なお、本発明は上記実施例の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせも権利範囲に含むものである。
本発明に係るマスク作製方法およびマスク作製装置は、家庭や医療現場、機械・食品・薬品等の製造現場や廃棄物の処理現場等において、防塵、感染症・アレルギー症状の予防および飛沫飛散防止の目的で使用するマスクの作製に用いることができる。