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  • 特開-建物用コンテナ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010867
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】建物用コンテナ
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
E04H1/12 306Z
E04H1/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111639
(22)【出願日】2020-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】520236000
【氏名又は名称】株式会社ドリームポケット
(71)【出願人】
【識別番号】520196276
【氏名又は名称】株式会社ハーミットクラブデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】河野 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 俊一
(72)【発明者】
【氏名】桑原 幸宏
(57)【要約】
【課題】既存の建物を工事する必要はなく、また微粒子等の室内への流れ込みも抑制することが可能な建物用コンテナを提案する。
【解決手段】本発明に係る建物用コンテナ1は、箱状であって、周壁の一部を構成する開閉可能な扉部5を有するコンテナ本体2と、扉部5の内側に設けられ、コンテナ本体2の内部に閉鎖エリア11を区画する仕切り壁10と、仕切り壁10に設けられ、開時において閉鎖エリア11への出入りを可能とするドア13と、閉鎖エリア11に入った対象物に対して気体を吹き付ける噴射ユニット14と、を備え、扉部5は、観音開きとなる2つの扉6を含んで構成され、2つの扉6を開いた状態で維持可能であって、開いた2つの扉の間にドアにつながる準備エリア9を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱状であって、周壁の一部を構成する開閉可能な扉部を有するコンテナ本体と、
前記扉部の内側に設けられ、前記コンテナ本体の内部に閉鎖エリアを区画する仕切り壁と、
前記仕切り壁に設けられ、開時において前記閉鎖エリアへの出入りを可能とするドアと、
前記閉鎖エリアに入った対象物に対して気体を吹き付ける噴射ユニットと、を備え、
前記扉部は、観音開きとなる2つの扉を含んで構成され、
前記2つの扉を開いた状態で維持可能であって、開いた当該2つの扉の間に前記ドアにつながる準備エリアを備える建物用コンテナ。
【請求項2】
前記コンテナ本体は、前記扉部と前記仕切り壁との間に格納可能であって、展開させると前記準備エリアにおいて下方で張り出すスロープを備える請求項1に記載の建物用コンテナ。
【請求項3】
前記コンテナ本体は、前記扉部と前記仕切り壁との間に格納可能であって、展開させると前記準備エリアにおいて上方で張り出す庇を備える請求項1又は2に記載の建物用コンテナ。
【請求項4】
前記扉部は、前記周壁における一側周壁部分と、当該一側周壁部分に対向する他側周壁部分の両方に設けられる、請求項1~3の何れか一項に記載の建物用コンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体や被服等に付着した微粒子等を除去する機能を有する建物用コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
建物に入る際、体や被服、持ち物等に埃や微粒子、細菌、ウイルス等が付着していると、これらを建物内に持ち込んでしまい、疾病の原因になることがある。特に複数の人が出入りする集合施設においては、一人の人が持ち込む細菌やウイルスに起因して建物内の多くの人に感染するおそれがあるため、疾病を予防するには建物内に細菌等を持ち込ませないようにすることが重要である。
【0003】
このような点に鑑み、例えば特許文献1には、玄関ホールにおいて空気清浄装置からの空気が吹き下ろされるように構成して、人体に付着した微粒子等を吹き飛ばすことができるとする玄関構造に関する発明が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-115319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1に示されたものは、空気清浄装置を玄関ホールに設置するための装置収納部を準備しなければならず、既存の建物に設けるには、様々な工事を要することになる。特に、比較的多数の人が出入りする集合施設に設置しようとすると、工事が大掛かりになって工期が長くなるため、導入するまでに時間を要することになる。また玄関ホールは奥の室内と隔離されている訳ではないため、吹き飛ばした微粒子等が室内に流れ込むおそれもある。
【0006】
このような事情を踏まえ、本発明は、既存の建物を工事する必要はなく、また微粒子等の室内への流れ込みも抑制することが可能な建物用コンテナによって上記問題点の解決を図ることとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、箱状であって、周壁の一部を構成する開閉可能な扉部を有するコンテナ本体と、前記扉部の内側に設けられ、前記コンテナ本体の内部に閉鎖エリアを区画する仕切り壁と、前記仕切り壁に設けられ、開時において前記閉鎖エリアへの出入りを可能とするドアと、前記閉鎖エリアに入った対象物に対して気体を吹き付ける噴射ユニットと、を備え、前記扉部は、観音開きとなる2つの扉を含んで構成され、前記2つの扉を開いた状態で維持可能であって、開いた当該2つの扉の間に前記ドアにつながる準備エリアを備える建物用コンテナである。
【0008】
このような建物用コンテナにおいて、前記コンテナ本体は、前記扉部と前記仕切り壁との間に格納可能であって、展開させると前記準備エリアにおいて下方で張り出すスロープを備えることが好ましい。
【0009】
またこのような建物用コンテナにおいて、前記コンテナ本体は、前記扉部と前記仕切り壁との間に格納可能であって、展開させると前記準備エリアにおいて上方で張り出す庇を備えることが好ましい。
【0010】
そして前記扉部は、前記周壁における一側周壁部分と、当該一側周壁部分に対向する他側周壁部分の両方に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は建物用コンテナであるため、車両等で運搬して建物の入口付近(例えば駐車場)に設置することが可能である。すなわち、既存の建物を工事する必要がないため、使用したい場合に短時間で導入することができる。また、コンテナ本体に設けた閉鎖エリアで付着した微粒子等を吹き飛ばすことができるため、微粒子等が建物の内部に流れ込むことがない。更に、観音開きとなる2つの扉を開いた状態で維持することによって、閉鎖エリアへ出入りするドアの前に準備エリアが形成されるため、この準備エリアで閉鎖エリアに入る前の準備(例えば静電気を除去することによって付着した微粒子等を脱離しやすい状態にする、次亜塩素酸水等によって手指の消毒を行う等)を行うことができ、微粒子や細菌等が建物内に持ち込まれる不具合が効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る建物用コンテナの一実施形態に関し、扉部を閉じた状態でコンテナ本体の内部を示した平面視での模式図である。
図2図1に示す建物用コンテナに関し、扉部を閉じた状態でコンテナ本体の内部を示した側面視での模式図である。
図3図1に示す建物用コンテナに関し、扉部を閉じた状態での正面視の模式図である。
図4図1に示す建物用コンテナに関し、扉部を開いた状態でコンテナ本体の内部を示した平面視での模式図である。
図5図1に示す建物用コンテナに関し、扉部を開いた状態でコンテナ本体の内部を示した側面視での模式図である。
図6図1に示す建物用コンテナに関し、扉部を開いた状態での正面視の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る建物用コンテナの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明においては、「建物用コンテナ」を単に「コンテナ」と称することとする。また本実施形態のコンテナ1は、水平となる設置面(図面のXY平面)に据え置かれているものとする。なお図示したX方向は、コンテナ1の平面視での短手方向、Y方向はコンテナ1の平面視での長手方向、Z方向は、コンテナ1の高さ方向を示している。
【0014】
コンテナ1は、全体的な形状が箱状(直方体状)になるコンテナ本体2を備えている。コンテナ本体2は、垂直方向に延在する柱と、水平方向に延在して2つの柱に架け渡される梁とによって構成される骨格部3を備えている。柱や梁は、例えば角パイプやL型鋼で形成される。また、柱と梁とで取り囲まれる骨格部3の開口部には、外壁部4が取り付けられていて、この開口部を閉鎖している。外壁部4は、例えば各種の鋼板(一例としてコルゲート鋼板)で形成される。コンテナ本体2の大きさは、種々選択可能であるが、運搬(設置にあたっての陸上での運搬の他、海外で生産又は海外へ輸出する場合の海上での運搬)を考慮して所定の規格サイズ(例えば12ft)にすることが好ましい。
【0015】
またコンテナ本体2は、その周壁の一部を構成する開閉可能な扉部5を備えている。図1に示すように本実施形態の扉部5は、コンテナ本体2の周壁において、平面視で長手方向(Y方向)に位置する対向する2つの部分(本明細書等の「一側周壁部分」と「他側周壁部分」に相当する)に設けられている。扉部5は、図3に示すように2つの扉6を含んで構成されるものである。またそれぞれの扉6は、幅方向外側の端部がヒンジ7を介して骨格部3と連結していて、観音開きとなるように構成されている。扉6と骨格部3との間には、図3に示すように扉6を閉じた状態にしておくためのロック機構8を設けてもよい。
【0016】
図4図5は、扉6を開いた状態を示している。本実施形態のコンテナ1は、後述するように扉6を開いた状態で維持することが可能である。ここで、開いた2つの扉6の間に区画される領域を、準備エリア9と称する。
【0017】
図1図2に示すようにコンテナ本体2の内部には、仕切り壁10が設けられる。仕切り壁10は、扉6の内側に設けられるものである。本実施形態の仕切り壁10は、図示したように閉じた扉6に対して所定の間隔をあけた位置に、合計2つ設けられている。2つの仕切り壁10は、溶接等によって骨格部3や外壁部4に連結していて、これらで取り囲まれる領域に閉鎖エリア11を区画している。閉鎖エリア11は、骨格部3、外壁部4、及び仕切り壁10を連結した状態である程度の気密性が確保されているが、必要に応じて弾性材(パッキン等)を使用して気密性が確実に確保されるように構成してもよい。
【0018】
上述したように本実施形態の仕切り壁10は、閉じた扉6に対して間隔をあけた位置に設けられている。すなわち、コンテナ本体2の内部において仕切り壁10の外側には、コンテナ本体2の外側に通じる所定の領域が形成されている。以下、この領域を開放エリア12と称する。
【0019】
2つの仕切り壁10のそれぞれには、開時において閉鎖エリア11への出入りを可能とするドア13が設けられている。本実施形態のドア13は、仕切り壁10の内側で幅方向にスライドする引き戸として構成されている。なおドア13の構成はこれに限られず、仕切り壁10の外側でスライドするものでもよいし、仕切り壁10との間をヒンジでつないだ開き戸として構成してもよい。またドア13は、手動で開閉させるものでもよいし、自動で開閉するものでもよい。ドア13の大きさは種々選択可能であるが、本実施形態では車椅子が通過できる幅であって、且つ大人が立った状態で通過できる高さのものを採用している。
【0020】
閉鎖エリア11の内部には、対象物(体や被服、持ち物等)に対して気体を吹き付ける噴射ユニット14が設けられている。本実施形態の噴射ユニット14は、コンテナ本体2の短手方向に間隔をあけて2つ設けられていて、2つの噴射ユニット14の間に入った対象物に対して両方から気体を吹き付けるように構成されている。噴射ユニット14には複数の吹き出し口が、低い位置から高い位置まで設けられている。このため、噴射ユニット14の間に人が入る場合は、背丈を問わず全身に気体を吹き付けることができる。また噴射ユニット14は、フィルター(例えばHEPAフィルター)を備えていて、取り込んだ周囲の空気をフィルターに通して、清浄された空気を対象物に吹き付けることができる。
【0021】
更に閉鎖エリア11の内部には、陰圧ユニット15が設けられている。陰圧ユニット15は、閉鎖エリア11を陰圧状態とするものであって、これにより、閉鎖エリア11内の空気が外部に拡散することを防止している。なお運転時に陰圧ユニット15から出される排気は、フィルター(例えばHEPAフィルター)によって清浄化されて外部に放出されるようにしている。
【0022】
噴射ユニット14と陰圧ユニット15は、常時運転するものでもよいし、使用者がスイッチを操作することによって運転を開始するものでもよい。また噴射ユニット14と陰圧ユニット15は、閉鎖エリア11に使用者が入ったことを検知して自動で運転を開始するものでもよい。なお、噴射ユニット14と陰圧ユニット15は、同時に運転を開始又は停止するものでもよいし、陰圧ユニット15は運転させたまま噴射ユニット14のみを運転させたり停止させたりするものでもよい。
【0023】
そして扉6と仕切り壁10との間には、図2に示すようにスロープ16が設けられている。スロープ16は、扉6を閉じた際に、扉6と仕切り壁10との間に格納することが可能であり、また図4図5に示すように扉6を開いた際には、準備エリア9において下方で張り出させることができる。
【0024】
本実施形態のスロープ16は、ベース板17、傾斜板18、リンク機構19で構成されていて、コンテナ本体2に取り付けたウインチ20によって格納又は展開させることが可能である。図2に示すように、ベース板17、傾斜板18、リンク機構19は、扉6と仕切り壁10との間に格納される状態では、ベース板17と傾斜板18が二つ折りになるように折り畳まれていて、またリンク機構19も、二つ折りのベース板17と傾斜板18の厚さに収まるように折り畳まれる。そして図4図5に示すように扉6を開いた後、ウインチ20の滑車に巻かれていたワイヤーを、ハンドルを回転することによって(又は滑車の回転止めを外すことによって)送り出すことで、二つ折りのベース板17と傾斜板18を展開させることができる。ベース板17は、一端部がコンテナ本体2の下部に揺動可能に取り付けられていて、展開状態にするとコンテナ本体2の床面21と略同一の高さで水平方向に延在するものである。傾斜板18は、一端部がベース板17の他端部に揺動可能に取り付けられていて、展開状態にすると、ベース板17からコンテナ1の設置面に向かって傾斜するものである。
【0025】
本実施形態の扉6は、図4図6に示したロック部材22によって、開いた状態で維持することができる。図示したロック部材22は、コ字状に形成されるものであって、扉6とベース板17のそれぞれには、ロック部材22の端部を挿入するための穴23が設けられている。そして扉6を開いてベース板17と傾斜板18を展開させた後、扉6とベース板17の穴23にロック部材22の端部を挿入することによって、扉6を開いた状態にしておくことができる。
【0026】
扉6と仕切り壁10との間には、庇24も設けられている。庇24は、扉6を閉じた際に、扉6と仕切り壁10との間に格納することが可能であり、また扉6を開いた際には、準備エリア9において上方で張り出させることができる。
【0027】
本実施形態の庇24は、コンテナ本体2の上部に揺動可能に取り付けられていて、伸縮可能なダンパー25によって、格納又は展開させることが可能である。図2に示すように庇24は、ダンパー25を縮めることによって、扉6の内側で垂直方向に指向するため、扉6と仕切り壁10との間に格納することができる。一方、図4図5に示すように、扉6を開いた後にダンパー25を伸ばせば、庇24が展開して水平方向に延在し、準備エリア9の上方でこれを張り出させることができる。
【0028】
このような構成になるコンテナ1は、全ての扉6を閉じることによって、貨物用コンテナと同様に車両等で運搬することができる。またコンテナ1を設置するにあたっては、建物の入口付近に設けられている駐車場等のスペースを利用することができる。コンテナ1を設置する際は、一方の扉部5を建物の入口近傍に位置させることが好ましい。
【0029】
建物の入口付近にコンテナ1を設置した後は、扉6を開き、格納していたスロープ16と庇24を展開させる。更に、ロック部材22を扉6とベース板17に取り付けて、扉6を開いた状態で維持させる。これにより、2つの扉6の間に区画される準備エリア9と仕切り壁10の外側の開放エリア12がつながった状態になる。この状態において準備エリア9は、スロープ16のベース板17、庇24、及び2つの扉6により取り囲まれている。また開放エリア12はコンテナ本体2の内部に位置している。すなわち、コンテナ1を屋外に設置していても、準備エリア9と開放エリア12では風雨を遮ることができる。また準備エリア9は、開放エリア12を介して閉鎖エリア11に入るためのドア13につながっている。すなわち、建物の入口から遠い側の準備エリア9と開放エリア12は、閉鎖エリア11に入る前の部屋として利用でき、建物の入口に近い側の準備エリア9と開放エリア12は、建物に入る前の部屋として利用できる。閉鎖エリア11に入る前の部屋として利用できる準備エリア9と開放エリア12においては、例えばここに除電装置を設置しておくことによって、閉鎖エリア11に入る前に体や被服の静電気を除去することができる。すなわち、被服等に付着した微粒子等を脱離しやすい状態にしてから閉鎖エリア11に入ることができる。またこのエリアに次亜塩素酸水やアルコール等を設置しておくことによって、手指の消毒を行って細菌等を取り除いた状態で閉鎖エリア11に入ることができる。
【0030】
また本実施形態のコンテナ1は、スロープ16を展開することによって、傾斜板18がベース板17からコンテナ1の設置面に向かって傾斜するため、車椅子を使用する者も利用することができる。
【0031】
建物の入口から遠い側の準備エリア9と開放エリア12において、必要に応じて静電気の除去等を行った後は、ドア13から閉鎖エリア11内に入り、体や被服、持ち物等に対して噴射ユニット14の吹き出し口から気体を吹き付ける。これにより、体に付着した微粒子等を吹き飛ばすことができる。閉鎖エリア11は、陰圧ユニット15によって陰圧状態となっているため、吹き飛ばした微粒子等が閉鎖エリア11の外側に拡散することを防止することができる。
【0032】
閉鎖エリア11で微粒子等を吹き飛ばした後は、入ったドア13とは反対側のドア13から閉鎖エリア11の外に出ることが可能である。すなわち本実施形態のコンテナ1は、閉鎖エリア11への入口と出口が分かれているため、微粒子等の吹き飛ばしが終了した人とこれから吹き飛ばしを行う人との接触を防止することができる。
【0033】
また本実施形態のコンテナ1は、反対側のドア13の奥に、建物に入る前の部屋としての準備エリア9と開放エリア12を備えているため、このエリアで身だしなみを整えてから建物に入ることができる。また上述した次亜塩素酸水等は、このエリアに設置してもよい。
【0034】
このように本実施形態のコンテナ1によれば、その内部を通過することによって体や被服に付着した微粒子や細菌等を除去して建物内に入ることができるため、これらが建物内に持ち込まれる不具合が効果的に抑制できる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【0036】
例えば上述した実施形態では、扉部5はコンテナ本体2の周壁において、長手方向で対向する部位に設けられていたが、一方はコンテナ本体2の短手方向に位置する部位に設けてもよい。また扉部5を2つ設けるとともにドア13も2つ設けて、閉鎖エリア11への入口と出口を分けることが好ましいが、例えば設置スペースに余裕が無い場合は、ドア13は1つとして閉鎖エリア11への入口と出口を共用してもよい。またスロープ16と庇24は、上記のように扉6と仕切り壁10との間に格納できることが好ましいが、コンテナ本体2とは分離させておき、必要に応じて持ち運んでコンテナ本体2に取り付けてもよい。また陰圧ユニット15は、例えばコストを抑制する必要がある場合は、これを省略してもよい。
【0037】
またロック部材22の構成も種々変更可能であって、例えばロック部材22の一方の端部は扉6及びベース板17の何れか一方に対して取り外し不能としておき、扉6を開いた状態にする際に、ロック部材22の他方の端部を扉6及びベース板17の何れか他方に取り付けるように構成してもよい。またロック部材22は、扉6と庇24に取り付けるようにしてもよい。なお、扉6を開いた状態にしておくものはロック部材22の如きものに限定されず、例えば扉6の下部に伸縮可能な足部を取り付け、扉6を開いた際に足を伸ばしてこれを設置面に押し付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1:コンテナ(建物用コンテナ)
2:コンテナ本体
3:骨格部
4:外壁部
5:扉部
6:扉
7:ヒンジ
8:ロック機構
9:準備エリア
10:仕切り壁
11:閉鎖エリア
12:開放エリア
13:ドア
14:噴射ユニット
15:陰圧ユニット
16:スロープ
17:ベース板
18:傾斜板
19:リンク機構
20:ウインチ
21:床面
22:ロック部材
23:穴
24:庇
25:ダンパー
図1
図2
図3
図4
図5
図6