(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108682
(43)【公開日】2022-07-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220719BHJP
【ＦＩ】
A63F5/04 651
A63F5/04 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2021003816
(22)【出願日】2021-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河江 大輔
【テーマコード（参考）】
2C518
【Ｆターム（参考）】
2C518AA02
2C518AA20
2C518AD06
2C518AD18
2C518CA03
2C518CA06
2C518CA08
2C518EA02
2C518EA03
(57)【要約】
【課題】有利区間を有した上で遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】ＡＴ制御手段は、有利区間から通常区間に移行する場合に、ＡＴ制御データ記憶手段を初期化する。ＡＴ制御手段は、通常区間から有利区間に移行する場合に、ＡＴ状態への移行に係る制御として、通常状態である場合よりも遊技者にとって有利な状態決定制御を実行可能である。副制御部は、ＡＴ状態に移行する場合に、移行報知演出を実行可能である。移行報知演出は、ＡＴ初当たり演出と、ＡＴ継続判定演出と、を含み、ＡＴ継続判定演出は、有利区間がＡＴ状態で終了し、かつ通常区間から有利区間に移行した状態において、状態決定制御に基づきＡＴ状態に移行する場合に実行される。
【選択図】図６
【解決手段】ＡＴ制御手段は、有利区間から通常区間に移行する場合に、ＡＴ制御データ記憶手段を初期化する。ＡＴ制御手段は、通常区間から有利区間に移行する場合に、ＡＴ状態への移行に係る制御として、通常状態である場合よりも遊技者にとって有利な状態決定制御を実行可能である。副制御部は、ＡＴ状態に移行する場合に、移行報知演出を実行可能である。移行報知演出は、ＡＴ初当たり演出と、ＡＴ継続判定演出と、を含み、ＡＴ継続判定演出は、有利区間がＡＴ状態で終了し、かつ通常区間から有利区間に移行した状態において、状態決定制御に基づきＡＴ状態に移行する場合に実行される。
【選択図】図６
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールと、
遊技の進行に係る制御を行う主制御部と、
遊技に関する演出の制御を行う副制御部と、を備え、
前記主制御部は、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、
前記有利区間において制御された補助遊技に係る情報を記憶する補助遊技記憶手段と、を有し、
前記副制御部は、補助遊技に係る制御に関する演出の情報を記憶する副記憶手段を有し、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における補助遊技に係る状態として、第１状態と、第２状態と、を制御し、
前記第２状態は、前記補助遊技が実行されることで前記第１状態よりも有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間から前記通常区間に移行する場合に、前記補助遊技記憶手段を初期化し、
前記補助遊技制御手段は、前記通常区間から前記有利区間に移行する場合に、前記第２状態への移行に係る制御として、前記第１状態である場合よりも遊技者にとって有利な特定制御を実行可能であり、
前記副制御部は、前記第２状態に移行する場合に、特定演出を実行可能であり、
前記特定演出は、第１特定演出と、前記第１特定演出と異なる第２特定演出と、を含み、
前記第２特定演出は、前記有利区間が前記第２状態で終了し、かつ前記通常区間から前記有利区間に移行した状態において、前記特定制御に基づき前記第２状態に移行する場合に実行される、
ことを特徴とする遊技機。
遊技の進行に係る制御を行う主制御部と、
遊技に関する演出の制御を行う副制御部と、を備え、
前記主制御部は、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、
前記有利区間において制御された補助遊技に係る情報を記憶する補助遊技記憶手段と、を有し、
前記副制御部は、補助遊技に係る制御に関する演出の情報を記憶する副記憶手段を有し、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における補助遊技に係る状態として、第１状態と、第２状態と、を制御し、
前記第２状態は、前記補助遊技が実行されることで前記第１状態よりも有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間から前記通常区間に移行する場合に、前記補助遊技記憶手段を初期化し、
前記補助遊技制御手段は、前記通常区間から前記有利区間に移行する場合に、前記第２状態への移行に係る制御として、前記第１状態である場合よりも遊技者にとって有利な特定制御を実行可能であり、
前記副制御部は、前記第２状態に移行する場合に、特定演出を実行可能であり、
前記特定演出は、第１特定演出と、前記第１特定演出と異なる第２特定演出と、を含み、
前記第２特定演出は、前記有利区間が前記第２状態で終了し、かつ前記通常区間から前記有利区間に移行した状態において、前記特定制御に基づき前記第２状態に移行する場合に実行される、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機（回胴式遊技機、スロットマシン）が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、役の入賞を補助する入賞補助演出を実行する演出状態として、アシストタイム状態に移行することによって、役の入賞確率を変動させ、遊技価値を獲得しやすくすることができる構成が知られている（例えば、特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開２０１１－２４５１５７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年、遊技機においては、アシストタイム状態における入賞補助制御を含む指示機能に係る多彩な制御処理を実行可能な期間を、特定の期間（有利区間）に限定する制限を設けることで、過度な遊技価値の払い出しが実行され得ることを防ぐことが求められており、有利区間を有する遊技機において商品性を向上させることが難しくなってしまっている。また、有利区間を有する遊技機においては、有利区間の終了に基づき通常区間が開始される場合に、有利区間中に更新した指示機能に係る情報を初期化することが求められており、有利区間から通常区間に移行し、再度有利区間に移行する場合において、遊技の進行に応じた演出を行い遊技者の演出に対する興趣を向上させることが難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、有利区間を有した上で遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のリールと、
遊技の進行に係る制御を行う主制御部と、
遊技に関する演出の制御を行う副制御部と、を備え、
前記主制御部は、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、
前記有利区間において制御された補助遊技に係る情報を記憶する補助遊技記憶手段と、を有し、
前記副制御部は、補助遊技に係る制御に関する演出の情報を記憶する副記憶手段を有し、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における補助遊技に係る状態として、第１状態と、第２状態と、を制御し、
前記第２状態は、前記補助遊技が実行されることで前記第１状態よりも有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間から前記通常区間に移行する場合に、前記補助遊技記憶手段を初期化し、
前記補助遊技制御手段は、前記通常区間から前記有利区間に移行する場合に、前記第２状態への移行に係る制御として、前記第１状態である場合よりも遊技者にとって有利な特定制御を実行可能であり、
前記副制御部は、前記第２状態に移行する場合に、特定演出を実行可能であり、
前記特定演出は、第１特定演出と、前記第１特定演出と異なる第２特定演出と、を含み、
前記第２特定演出は、前記有利区間が前記第２状態で終了し、かつ前記通常区間から前記有利区間に移行した状態において、前記特定制御に基づき前記第２状態に移行する場合に実行される、
ことを特徴とする。
遊技の進行に係る制御を行う主制御部と、
遊技に関する演出の制御を行う副制御部と、を備え、
前記主制御部は、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、
前記有利区間において制御された補助遊技に係る情報を記憶する補助遊技記憶手段と、を有し、
前記副制御部は、補助遊技に係る制御に関する演出の情報を記憶する副記憶手段を有し、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における補助遊技に係る状態として、第１状態と、第２状態と、を制御し、
前記第２状態は、前記補助遊技が実行されることで前記第１状態よりも有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間から前記通常区間に移行する場合に、前記補助遊技記憶手段を初期化し、
前記補助遊技制御手段は、前記通常区間から前記有利区間に移行する場合に、前記第２状態への移行に係る制御として、前記第１状態である場合よりも遊技者にとって有利な特定制御を実行可能であり、
前記副制御部は、前記第２状態に移行する場合に、特定演出を実行可能であり、
前記特定演出は、第１特定演出と、前記第１特定演出と異なる第２特定演出と、を含み、
前記第２特定演出は、前記有利区間が前記第２状態で終了し、かつ前記通常区間から前記有利区間に移行した状態において、前記特定制御に基づき前記第２状態に移行する場合に実行される、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、有利区間を有した上で遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【図3】本発明の実施形態の遊技機における内部抽選で当選可能な当選エリアと、各当選エリアに含まれる当選役と、各当選エリアに対応付けられた有利区間への移行の有無と、を示す図である。
【図4】本発明の実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態の遊技機におけるベルＡ～ベルＬの入賞形態を示す図柄組合せと、１枚役Ａ～１枚役Ｇの入賞形態を示す図柄組合せと、を説明する図である。
【図6】（Ａ）は、本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図、（Ｂ）は、ＡＴ制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
【図7】本発明の実施形態の遊技機において非ＲＴ状態における打順小役態様の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
【図8】本発明の実施形態の遊技機においてボーナス成立状態における打順小役態様の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
【図9】本発明の実施形態の遊技機において、左リールに配列された図柄と、ベルＡ図柄を停止可能な引き込み範囲と、ベルＢ図柄を停止可能な引き込み範囲と、を示す図である。
【図10】本発明の実施形態の遊技機における当選エリア「打順ベル１」の当選時における第１停止操作及び第２停止操作の結果を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態の遊技機における当選エリア「打順ベル７」の当選時における第１停止操作及び第２停止操作の結果を説明する図である。
【図12】本発明の実施形態の遊技機におけるベルＡ図柄、ベルＢ図柄、青７図柄及び赤７図柄の詳細を示す図である。
【図13】（Ａ）は、本発明の実施形態の遊技機におけるベルＡの入賞を補助する入賞補助演出を示す図、（Ｂ）は、入賞補助演出に従って第１停止操作が実行された状態を示す図である。
【図14】（Ａ）は、本発明の実施形態の遊技機におけるベルＧの入賞を補助する入賞補助演出を示す図、（Ｂ）は、入賞補助演出に従って第１停止操作が実行された状態を示す図である。
【図15】（Ａ）は、本発明の実施形態の遊技機における通常区間から有利区間への移行が行われない非移行役と、通常区間から有利区間への移行が行われる各当選エリアと、の当選確率を示す図、（Ｂ）は、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役２」に当選した場合に実行される状態決定抽選における各演出状態の当選確率を示す図、（Ｃ）は、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」に当選した場合に実行される状態決定抽選における各演出状態の当選確率を示す図、（Ｄ）は、当選エリア「レア役」に当選した場合に実行される状態決定抽選における各演出状態の当選確率を示す図、（Ｅ）は、通常区間から有利区間に移行し各演出状態に決定される確率を示す図、（Ｆ）は、状態決定制御において各演出状態に決定される確率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
１．遊技機の構成の概要
図１は、本発明の実施形態に係るスロットマシン１の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン１は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
図１は、本発明の実施形態に係るスロットマシン１の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン１は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0012】
本実施形態のスロットマシン１は、筐体ＢＸ、前面上扉ＵＤ及び前面下扉ＤＤからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての左リールＲ１～右リールＲ３からなるリールユニット３１０（図２参照）が収められている。また、筐体内のリールユニット３１０の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット３２０（図２参照）が収められている。また、本実施形態のスロットマシン１の筐体内には、ＣＰＵ、ＲＯＭ（情報記憶媒体の一例）、ＲＡＭ等を搭載し、スロットマシン１の動作を制御する制御基板も収められている。
【0013】
図１に示す左リールＲ１～右リールＲ３は、それぞれ外周面が一定の間隔で２０の領域（以下、各領域を「コマ」と記載する）に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
【0014】
前面上扉ＵＤと前面下扉ＤＤとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉ＵＤには、左リールＲ１～右リールＲ３の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓ＤＷが設けられている。左リールＲ１～右リールＲ３の停止状態では、左リールＲ１～右リールＲ３それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている３つの図柄（上段図柄、中段図柄、下段図柄）をスロットマシン１の正面から表示窓ＤＷを通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のスロットマシン１では、表示窓ＤＷを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによる有効ラインについて、有効ラインＬ１が設定されている。本実施形態のスロットマシン１では、１回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても３枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると左リールＲ１の上段、第２リールの中段、右リールＲ３の下段によって構成される有効ラインＬ１が有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、表示窓ＤＷ内の有効ラインＬ１上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインＬ１上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット３２０からメダルの払い出し等が行われる。
【0017】
前面上扉ＵＤには、遊技情報表示部ＤＳが設けられている。遊技情報表示部ＤＳは、ＬＥＤ、ランプ、７セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、１回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンＢ１、ストップボタンＢ２、ストップボタンＢ３の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0018】
遊技情報表示部ＤＳには、７セグメント表示器から構成される主制御表示装置５００が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーＳＬが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選役コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後左リールＲ１～右リールＲ３が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン１では、当選役コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置５００の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0019】
また、主制御表示装置５００には、７セグメント表示器のドットであり、後述するＡＴ制御手段２００（図２参照）によって有利区間が開始され、小役の入賞が補助されることでメダルの獲得期待値が１以上となっている場合に点灯する区間報知部５００Ａが設けられている。また、本実施形態のスロットマシン１では、音を用いた演出を行うための音響装置３４０が前面上扉ＵＤと前面下扉ＤＤとに複数設けられている。音響装置３４０からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0020】
前面下扉ＤＤには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット（貯留）されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、１枚のメダルを投入するシングルベットボタンＢＴ及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンＭＢ、左リールＲ１～右リールＲ３を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーＳＬ、ステッピングモータにより回転駆動されている左リールＲ１～右リールＲ３のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンＢＳも設けられている。
【0021】
また、前面下扉ＤＤの下部には、メダル払出口ＭＯとメダル受け皿ＭＰとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口ＭＯからメダル受け皿ＭＰへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンＢＳが押下された場合、精算ボタンＢＳの押下に伴ってホッパーユニット３２０からクレジット数（クレジットされたメダルの枚数）に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口ＭＯからメダル受け皿ＭＰへメダルを払い出す。
【0022】
図２は、本実施形態のスロットマシン１の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン１は、制御基板としての主制御部１０によって制御される。主制御部１０は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ２１０、ベットスイッチ２２０、スタートスイッチ２３０、ストップスイッチ２４０、設定変更許可スイッチ２５０及び設定変更スイッチ２６０の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置３００、リールユニット３１０、ホッパーユニット３２０及び主制御表示装置５００等の出力手段の動作を制御する。
【0023】
また、主制御部１０は、設定変更手段１００、投入受付手段１０５、乱数生成手段１１０、内部抽選手段１２０、リール制御手段１３０、入賞判定手段１４０、払出制御手段１５０、リプレイ処理手段１６０、遊技状態移行制御手段１７０、主記憶手段１９０及びアシストタイム制御手段（ＡＴ制御手段）２００を含む。主制御部１０を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、主記憶手段１９０に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0024】
設定変更手段１００は、主記憶手段１９０の設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値を変更する制御（設定変更制御）を行う。設定変更手段１００は、設定変更許可スイッチ２５０がＯＮ状態となり設定変更を許可する状態である設定変更許可状態において、設定変更手段１００は、電源装置に設けられている設定変更スイッチ２６０から出力される入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値を設定１→設定２・・・設定６→設定１→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン１では、設定変更許可状態におけるスタートレバーＳＬの操作により作動するスタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。本実施形態のスロットマシン１では、設定値記憶手段１９１において確定された設定値に応じて、内部抽選手段１２０による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段１００は、内部抽選手段１２０による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
【0025】
なお、本実施形態のスロットマシン１においては、設定変更手段１００による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段１７０が実行する遊技状態に係る制御及びＡＴ制御手段２００が実行する有利区間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム（以下、リプレイタイムを「ＲＴ」とも記載）状態に設定され、通常区間が設定されるように構成されている。このため、スロットマシン１では、設定変更前においてＡＴ制御手段２００が実行していた補助遊技に関する制御についても、初期化されるように構成されている。一方、スロットマシン１においては、主制御部１０への電力の供給が遮断（電断）され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段１７０が実行する遊技状態に係る制御及びＡＴ制御手段２００が実行する有利区間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されている。このため、スロットマシン１では、電断が発生しその後電力の供給が再開された場合、電断前にＡＴ制御手段２００が実行していた補助遊技に関する制御についても、電断前の状態が維持されるように構成されている。
【0026】
投入受付手段１０５は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、規定投入数（３枚）に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーＳＬに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口ＭＩ（図１参照）にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ２１０が作動することに伴って、投入受付手段１０５が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段１０５は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンＢＴ又はマックスベットボタンＭＢが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ２２０が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0027】
なお、本実施形態のスロットマシン１では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーＳＬの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、左リールＲ１～右リールＲ３の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段１２０が内部抽選を実行する契機となっている。
【0028】
乱数生成手段１１０は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0029】
内部抽選手段１２０は、遊技者がスタートレバーＳＬに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ２３０が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0030】
抽選テーブル選択処理では、主記憶手段１９０の内部抽選テーブル記憶手段１９２に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数（例えば、０～６５５３５の６５５３６個の乱数）のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選（ハズレ）が対応付けられている。
【0031】
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
【0032】
乱数判定処理では、スタートスイッチ２３０から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段１１０が生成する乱数（抽選用乱数）を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0033】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態（第１のフラグ状態、ＯＦＦ状態）から成立状態（第２のフラグ状態、ＯＮ状態）に設定する。本実施形態のスロットマシン１では、２種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した２種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、本実施形態のスロットマシン１では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ（持越可能フラグ）と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ（持越不可フラグ）が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、主記憶手段１９０の抽選フラグ記憶手段１９３に格納される。
【0034】
リール制御手段１３０は、遊技者がスタートレバーＳＬへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ２３０からスタート信号が出力されたことに基づいて、左リールＲ１～右リールＲ３の回転駆動を開始し左リールＲ１～右リールＲ３の回転態様を制御するリール回転制御を実行する。また、リール制御手段１３０は、左リールＲ１～右リールＲ３の回転状態が、所定速度（例えば、約８０ｒｐｍ）で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３が押下操作されることでストップスイッチ２４０によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段１３０は、停止操作を検出したストップスイッチ２４０からリール停止信号が出力された場合に、停止操作を検出したストップスイッチ２４０に対応する左リールＲ１～右リールＲ３の各リールを停止させる制御（リール停止制御）を行う。
【0035】
なお、以下の記載において、リール制御手段１３０によって左リールＲ１～右リールＲ３の回転が開始され、遊技者が有効なストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３をそれぞれ押下操作することについて、最初の押下操作を第１停止操作、２番目の押下操作を第２停止操作、３番目の押下操作を第３停止操作とも記載する。
【0036】
本実施形態のスロットマシン１では、左リールＲ１～右リールＲ３について、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３が押下された時点（ストップスイッチ２４０が停止操作を検出した時点）から所定の期間としての１９０ｍｓが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から１９０ｍｓ以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で４コマ分回転可能に構成されている。
【0037】
このため、本実施形態のスロットマシン１では、左リールＲ１～右リールＲ３について、ストップボタンの押下時点で有効ラインＬ１上に表示されているコマから４コマ回転するまでの計５コマが、有効ラインＬ１上に図柄を引き込み可能な範囲（引き込み範囲）となっている。
【0038】
リール制御手段１３０は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引き込み処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、主記憶手段１９０の停止制御テーブル記憶手段１９４に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインＬ１上に図柄を表示（以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインＬ１上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載）している。
【0039】
なお、本実施形態のスロットマシン１において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインＬ１上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法（個数優先制御）と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法（枚数優先制御）とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0040】
入賞判定手段１４０は、左リールＲ１～右リールＲ３の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、主記憶手段１９０の入賞判定テーブル記憶手段１９５に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、左リールＲ１～右リールＲ３のすべてが停止した時点で有効ラインＬ１上に表示されている図柄組合せが、それぞれ予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインＬ１上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定（以下、「入賞判定」と記載）できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお、以下の記載において、役の入賞形態を示す図柄組合せを「入賞図柄組合せ」とも記載する。
【0041】
本実施形態のスロットマシン１では、入賞判定処理における入賞判定手段１４０の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段１５０にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段１６０に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段１７０に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0042】
払出制御手段１５０は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット３２０に払い出させる制御を行う。
【0043】
ホッパーユニット３２０は、払出制御手段１５０によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット３２０には、メダルを１枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ３２５が備えられている。払出制御手段１５０は、払出メダル検出スイッチ３２５からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット３２０から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット３２０によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、主記憶手段１９０のクレジット記憶領域（図示省略）に記憶されているクレジット数（クレジットされたメダルの数）に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0044】
リプレイ処理手段１６０は、入賞判定手段１４０により有効ラインＬ１上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理（再遊技処理）を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン１では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル（クレジットメダルを含む）を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインＬ１を設定した状態で、次回のスタートレバーＳＬに対する開始操作を待機する。
【0045】
遊技状態移行制御手段１７０は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、１つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか１つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0046】
ＡＴ制御手段２００は、特定役の入賞を補助する入賞補助を実行可能な補助遊技が実行される区間（期間）である有利区間（有利期間）と、内部抽選手段１２０による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない遊技が実行される区間（期間）である通常区間（非有利期間、非有利区間）と、の間での移行に係る制御を、ＡＴ制御データ記憶手段１９７に記憶されているデータを用いて実行する。ＡＴ制御データ記憶手段１９７には、有利区間内において実行されるＡＴ状態及び非ＡＴ状態を含む複数種類の演出状態に関する各種制御において用いられるデータ（所定の制御処理でＯＮ状態又はＯＦＦ状態にセットする各種フラグ、カウンタ等）が格納されている。
【0047】
ＡＴ制御手段２００は、有利区間において所定条件下で演出状態をＡＴ状態（アシストタイム状態）に設定し、７セグメント表示器からなる主制御表示装置５００に当選している特定役を入賞可能にするストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の操作順序（正解打順）に対応する情報（操作指示情報の一例）を表示することで、特定役の入賞を補助する入賞補助（正解打順報知）を行う。また、スロットマシン１では、ＡＴ制御手段２００による入賞補助が実行される場合に、後述する演出制御手段１８０によって表示装置３３０に正解打順に対応する指標を表示する入賞補助演出を実行する。このように、スロットマシン１では、ＡＴ状態において、入賞補助によってストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の操作態様が報知されることで、遊技者にとって有利な補助遊技（ＡＴ遊技、報知遊技）が実行される。
【0048】
ＡＴ制御手段２００は、より詳しくは後述する有利区間を終了する所定の終了条件が成立した際に、有利区間を終了し次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、有利区間内において設定した各種フラグ、数値等、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、を実行する。また、ＡＴ制御手段２００は、有利区間を開始し、かつ入賞補助が実行されることで、メダルの獲得期待値が１以上となる場合に区間報知部５００Ａを点灯させる。このため、ＡＴ制御手段２００は、有利区間を開始している場合であっても、入賞補助が実行されない演出状態である場合には、区間報知部５００Ａを消灯可能に構成されている。
【0049】
ＡＴ制御手段２００は、有利区間を開始した遊技において、第１有利区間カウンタ１９７ａに初期値として値「１５００」をセットし、１回の遊技が実行されるごとに、１ゲームに相当する値である値「１」を第１有利区間カウンタ１９７ａに記憶される値（記憶値）から減算し、第１有利区間カウンタ１９７ａの記憶値を累積的にデクリメント更新するゲーム数更新処理を実行する。また、ＡＴ制御手段２００は、有利区間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した値（差枚数）を第２有利区間カウンタ１９７ｂに累積的に記録する差枚数更新処理を実行する。
【0050】
本実施形態のＡＴ制御手段２００は、有利区間に制御している場合、いずれの遊技状態である場合にも、１回の遊技が実行されるごとに１ゲームに相当する値である値「１」ずつ第１有利区間カウンタ１９７ａの記憶値に累積的に減算（更新）するゲーム数更新処理と、メダルの差枚数に相当する値を第２有利区間カウンタ１９７ｂの記憶値に累積的に更新する差枚数更新処理と、を実行する。
【0051】
ここで、ＡＴ制御手段２００は、第２有利区間カウンタ１９７ｂの記憶値を更新する差枚数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることで第２有利区間カウンタ１９７ｂの記憶値を減算した際に、第２有利区間カウンタ１９７ｂの記憶値が値「０」未満となる場合、第２有利区間カウンタ１９７ｂの記憶値を値「０」にセットする。これにより、ＡＴ制御手段２００は、第２有利区間カウンタ１９７ｂの記憶値が最下点となる際の値について、値「０」に固定することができるため、第２有利区間カウンタ１９７ｂの記憶値を用いた制御処理において、最下点における具体的な数値に応じて判定の閾値となる値を変動させる必要がなくなり、第２有利区間カウンタ１９７ｂの記憶値を用いた制御処理の負荷を軽減させることができる。
【0052】
ＡＴ制御手段２００は、１５００ゲームの遊技が実行された場合、つまり第１有利区間カウンタ１９７ａの記憶値が第１値としての値「０」になった場合又は有利区間において最もメダルを消費した時点から２４００枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合、つまり第２有利区間カウンタ１９７ｂの記憶値が最も低い値（最下点）であった時点から値「２４０１」になった場合に、有利区間を終了させる所定の終了条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理を実行する。
【0053】
ＡＴ制御手段２００は、所定の初期化処理において、有利区間においてＯＮ状態にセットした各フラグや有利区間において設定した値等の有利区間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。なお、ＡＴ制御手段２００は、特定終了条件以外の予め設定されている所定の終了条件（通常終了条件）が成立した場合にも有利区間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも所定の初期化処理及び所定の終了処理を実行する。本実施形態のＡＴ制御手段２００が設定する通常終了条件の詳細については、後述する。
【0054】
副制御部２０は、主制御部１０からコマンドを含む各種情報を受信可能で、かつ主制御部１０には情報を送信不能となるように、単方向通信可能に主制御部１０と通信接続されており、主制御部１０から送信される各種信号（コマンド）に基づき、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて表示装置３３０、音響装置３４０を含む演出装置３００等の出力手段の動作を制御する。副制御部２０の機能は、各種のプロセッサ（ＣＰＵ、ＤＳＰなど）、ＡＳＩＣ（ゲートアレイなど）、ＲＯＭ（情報記憶媒体の一例）、あるいはＲＷＭなどのハードウェアや、ＲＯＭなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。本実施形態の副制御部２０は、プロセッサとして、ＣＰＵ（以下、副制御部２０のＣＰＵを「サブＣＰＵ」とも記載）を有している。また、副制御部２０は、副制御部２０のＲＯＭ上に、演出制御手段１８０及び副記憶手段１８１を設けている。副制御部２０を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、副記憶手段１８１に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0055】
演出制御手段１８０は、副記憶手段１８１に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置３３０を用いて行う画像、映像演出や、音響装置３４０を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンＢＴ、マックスベットボタンＭＢ、スタートレバーＳＬ、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３に対する操作等への遊技者によるスロットマシン１の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びＬＥＤの点灯あるいは点滅、音響装置３４０からの音の出力、スタートスイッチ２３０からスタート信号が出力された状態で左リールＲ１～右リールＲ３の回転開始を遅延させる左リールＲ１～右リールＲ３を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。また、演出制御手段１８０は、各演出状態に基づく演出を演出装置３００を構成する各構成に実行させる。
【0056】
本実施形態において、演出制御手段１８０は、ＡＴ制御手段２００による入賞補助の実行時において、入賞補助で報知される内容（例えば、当選エリア「打順ベル１」の当選時に正解打順の報知等）を演出装置３００を用いた演出によって報知する入賞補助演出を実行する。また、演出制御手段１８０は、補助遊技に係る制御に関する演出の情報を、副記憶手段１８１に記憶させる。
【0057】
【0058】
＜内部抽選の対象となる当選エリア＞
図３は、本実施形態のスロットマシン１における内部抽選の対象となる当選エリアと、各当選エリアに対応付けられている当選番号及び当選役と、遊技状態のそれぞれにおいて各当選エリアに対応付けられている有利区間移行抽選の有無と、を示す図である。
図３は、本実施形態のスロットマシン１における内部抽選の対象となる当選エリアと、各当選エリアに対応付けられている当選番号及び当選役と、遊技状態のそれぞれにおいて各当選エリアに対応付けられている有利区間移行抽選の有無と、を示す図である。
【0059】
なお、本実施形態のスロットマシン１では、ボーナスとして、第１種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス（以下、レギュラービッグボーナスを「ＲＢＢ」とも記載）を有している。また、スロットマシン１では、遊技状態移行制御手段１７０によって制御される遊技状態として、ＲＢＢが成立状態に設定されておらず、かつＲＢＢが作動していない一般中としての非ＲＴ状態（一般中）と、ＲＢＢが成立状態に設定された場合に移行され、ＲＢＢが作動するまで内部でＲＢの成立状態が維持されているボーナス内部中（内部中）としてＲＢＢ成立状態と、ＲＢＢが作動した場合に移行され、ＲＢＢが作動しているボーナス作動中（作動中）としてのボーナス状態と、を有している。
【0060】
図３に示すように、本実施形態のスロットマシン１では、内部抽選の対象となる当選エリアとして、当選エリア「全小役」、当選エリア「全１枚役」、当選エリア「通常リプレイ１」、当選エリア「通常リプレイ２」、当選エリア「レア役」、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役１」～当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」及び当選エリア「ＲＢＢ」を有しており、当選番号１番～当選番号２１番の番号がそれぞれ対応付けられている。また、スロットマシン１では、内部抽選の結果として不当選（ハズレ）に当選番号０番が対応付けられている。
【0061】
ここで、「打順」とは、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３に対する押下を実行する順番を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３が押下されるタイミングを「押下タイミング」とも記載する。
【0062】
内部抽選手段１２０は、乱数判定処理において、当選番号２１番に対応付けられた当選エリアから当選番号０番に対応付けられた不当選に向かう順番で、各当選エリアの当否を決定していく。
【0063】
本実施形態のスロットマシン１では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役として、ベルＡ～ベルＬ、１枚役Ａ～１枚役Ｇ、レア役を有しており、内部抽選で当選可能なリプレイとして、リプレイＡ、リプレイＢを有している。各小役及び各リプレイは、それぞれ図３に示す組合せで各当選エリアに対応付けられている。また、図３に示すように、スロットマシン１では、ボーナスと小役とを含む当選エリアとして、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役１」～当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」が設定されている。
【0064】
本実施形態において、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」は、当選した遊技における遊技状態と、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の操作態様と、によって入賞可能となる小役が異なる当選エリアとして構成されている。当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の詳細については、後述する。
【0065】
当選エリア「レア役」に含まれる小役であるレア役は、ストップボタンＢ２の押下タイミングがレア役を入賞可能な押下タイミングである場合に入賞し、ストップボタンＢ２の押下タイミングがレア役Ａを入賞不能な押下タイミングである場合には、いずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインＬ１上に停止表示される取りこぼし（非入賞）となるように構成されている。
【0066】
当選エリア「通常リプレイ１」は、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の打順及び押下タイミングによらずリプレイＡが入賞する当選エリアである。また、当選エリア「通常リプレイ２」は、リプレイＡ、リプレイＢが重複当選するものの、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の打順及び押下タイミングによらずリプレイＡが入賞する当選エリアである。
【0067】
ここで、本実施形態のスロットマシン１では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、ＲＢＢがあり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でＲＢＢを含む当選エリアに当選すると、当選したＲＢＢの抽選フラグの成立状態を、ＲＢＢが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段１２０は、ＲＢＢの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、ＲＢＢの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているＲＢＢの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる２種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0068】
＜内部抽選テーブル＞
本実施形態のスロットマシン１は、内部抽選手段１２０による内部抽選で用いられる抽選テーブルである内部抽選テーブルとして、非ＲＴ状態（一般中）で用いられる内部抽選テーブル（以下、内部抽選テーブルＡと記載）と、ボーナス成立状態（内部中）で用いられる内部抽選テーブル（以下、内部抽選テーブルＢと記載）と、ボーナス状態（作動中）で用いられる内部抽選テーブル（以下、内部抽選テーブルＣと記載）と、を内部抽選テーブル記憶手段１９２に記憶させている。内部抽選テーブルＡ～内部抽選テーブルＣの各内部抽選テーブルにおいては、図３に示すように、抽選の対象となる当選エリアに抽選値数が対応付けられている。
本実施形態のスロットマシン１は、内部抽選手段１２０による内部抽選で用いられる抽選テーブルである内部抽選テーブルとして、非ＲＴ状態（一般中）で用いられる内部抽選テーブル（以下、内部抽選テーブルＡと記載）と、ボーナス成立状態（内部中）で用いられる内部抽選テーブル（以下、内部抽選テーブルＢと記載）と、ボーナス状態（作動中）で用いられる内部抽選テーブル（以下、内部抽選テーブルＣと記載）と、を内部抽選テーブル記憶手段１９２に記憶させている。内部抽選テーブルＡ～内部抽選テーブルＣの各内部抽選テーブルにおいては、図３に示すように、抽選の対象となる当選エリアに抽選値数が対応付けられている。
【0069】
＜乱数判定処理＞
本実施形態の内部抽選手段１２０は、乱数判定処理において、乱数生成手段１１０から取得した乱数を、内部抽選テーブル記憶手段１９２から取得した内部抽選テーブルにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数で順次減算していき、減算した結果が負の値となった場合に、当該減算した抽選値数に対応する当選エリアに当選したと判定する。また、内部抽選手段１２０は、内部抽選テーブルに記憶されているすべての抽選値数で減算し終えた時点で減算した結果が正の値である場合、いずれの役にも当選しなかった不当選であると判定する。
本実施形態の内部抽選手段１２０は、乱数判定処理において、乱数生成手段１１０から取得した乱数を、内部抽選テーブル記憶手段１９２から取得した内部抽選テーブルにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数で順次減算していき、減算した結果が負の値となった場合に、当該減算した抽選値数に対応する当選エリアに当選したと判定する。また、内部抽選手段１２０は、内部抽選テーブルに記憶されているすべての抽選値数で減算し終えた時点で減算した結果が正の値である場合、いずれの役にも当選しなかった不当選であると判定する。
【0070】
なお、本実施形態の乱数生成手段１１０は、内部抽選で用いる乱数として、０～６５５３５の計６５５３６個の乱数を生成可能に構成されている。また、図３に示すように、内部抽選テーブルＡにおいては、当選エリア「ＲＢＢ」～当選エリア「通常リプレイ１」に対応付けられている抽選値数の総数が６５５３６となっており、内部抽選テーブルＢにおいては、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」～当選エリア「通常リプレイ１」に対応付けられている抽選値数の総数が６５５３６となっているため、非ＲＴ状態又はボーナス成立状態における内部抽選においては、いずれかの役に当選し、不当選とならないように構成されている。
【0071】
＜ボーナス当選判定処理＞
上述した通り、本実施形態の内部抽選手段１２０は、ボーナス成立状態において、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役１」～当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」に抽選値数が設定されている。このため、内部抽選手段１２０は、遊技状態がボーナス成立状態である場合における内部抽選において、既にＲＢＢが成立状態に設定されている状態で再度ＲＢＢが当選してしまう可能性があることから、新たに当選したＲＢＢを成立状態に設定しないために、乱数判定処理で当否を決定される当選エリアがボーナスを含む当選エリアであるか否かを判定するボーナス当選判定処理を実行するように構成されている。
上述した通り、本実施形態の内部抽選手段１２０は、ボーナス成立状態において、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役１」～当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」に抽選値数が設定されている。このため、内部抽選手段１２０は、遊技状態がボーナス成立状態である場合における内部抽選において、既にＲＢＢが成立状態に設定されている状態で再度ＲＢＢが当選してしまう可能性があることから、新たに当選したＲＢＢを成立状態に設定しないために、乱数判定処理で当否を決定される当選エリアがボーナスを含む当選エリアであるか否かを判定するボーナス当選判定処理を実行するように構成されている。
【0072】
内部抽選手段１２０は、ボーナス当選判定処理において、乱数判定処理でボーナスを含む当選エリアが当否を決定される対象となると判定した場合、ボーナスを含む当選エリアが当選し、かつ遊技状態がボーナス成立状態である場合に、ボーナスを成立状態に設定する処理をスキップする処理を実行する。このようにして、スロットマシン１は、既にＲＢＢが成立状態に設定されている状態で、新たなＲＢＢが成立状態に設定されてしまうことを防いでいる。
【0073】
＜図柄の配列＞
図４は、本実施形態のスロットマシン１における左リールＲ１～右リールＲ３の周面に配列された各図柄を示す図である。本実施形態では、図４に示すように、左リールＲ１～右リールＲ３の外周面に、赤７図柄「赤７」、青７図柄「青７」、ＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」、リプレイ図柄「ＲＰ」、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」、チェリー図柄「ＣＨ」、スイカ図柄「ＷＭ」、ブランクＡ図柄「ＢＫＡ」及びブランクＢ図柄「ＢＫＢ」が配列されている。また、左リールＲ１～右リールＲ３の周面には、それぞれ２０コマの図柄が配列されている。
図４は、本実施形態のスロットマシン１における左リールＲ１～右リールＲ３の周面に配列された各図柄を示す図である。本実施形態では、図４に示すように、左リールＲ１～右リールＲ３の外周面に、赤７図柄「赤７」、青７図柄「青７」、ＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」、リプレイ図柄「ＲＰ」、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」、チェリー図柄「ＣＨ」、スイカ図柄「ＷＭ」、ブランクＡ図柄「ＢＫＡ」及びブランクＢ図柄「ＢＫＢ」が配列されている。また、左リールＲ１～右リールＲ３の周面には、それぞれ２０コマの図柄が配列されている。
【0074】
本実施形態において、赤７図柄「赤７」と、青７図柄「青７」と、は、正面視において他の図柄よりも広い幅を有しており、左リールＲ１～右リールＲ３の回転中において他の図柄よりも視認性が高い図柄として構成されている。また、本実施形態において、赤７図柄「赤７」は、赤色の画像から構成され、青７図柄「青７」は、青色の画像から構成されている。各図柄の視認性の詳細については、後述する。
【0075】
＜リール制御手段＞
本実施形態のスロットマシン１では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインＬ１上に停止させる役の優先順序が「リプレイ＞小役＞ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、リール制御手段１３０は、ボーナスと小役又はボーナスとリプレイが重複して当選している場合、ボーナスに優先して小役又はリプレイを入賞させる停止制御を実行する。
本実施形態のスロットマシン１では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインＬ１上に停止させる役の優先順序が「リプレイ＞小役＞ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、リール制御手段１３０は、ボーナスと小役又はボーナスとリプレイが重複して当選している場合、ボーナスに優先して小役又はリプレイを入賞させる停止制御を実行する。
【0076】
＜小役の配当＞
本実施形態において、ベルＡ～ベルＬの配当は、規定投入数（３枚）よりも多い枚数の払出数（１５枚）に設定されている。また、１枚役Ａ～１枚役Ｇ及びレア役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数（１枚）に設定されている。
本実施形態において、ベルＡ～ベルＬの配当は、規定投入数（３枚）よりも多い枚数の払出数（１５枚）に設定されている。また、１枚役Ａ～１枚役Ｇ及びレア役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数（１枚）に設定されている。
【0077】
＜小役の入賞図柄組合せ＞
図５はベルＡ～ベルＬ、１枚役Ａ～１枚役Ｇの入賞図柄組合せを示す図である。まず、ベルＡ～ベルＬから説明する。
図５はベルＡ～ベルＬ、１枚役Ａ～１枚役Ｇの入賞図柄組合せを示す図である。まず、ベルＡ～ベルＬから説明する。
【0078】
図４に示すように、左リールＲ１には、４コマ以内の間隔でＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」又はチェリー図柄「ＣＨ」が配列され、４コマ以内の間隔でスイカ図柄「ＷＭ」が配列されている。
【0079】
また、左リールＲ１には、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」が停止番号１番のコマと、停止番号６番のコマと、に配列され、青７図柄「青７」が停止番号３番のコマに配列されている。そして、左リールＲ１には、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」が停止番号１１番のコマと、停止番号１６番のコマと、に配列され、赤７図柄「赤７」が停止番号１３番のコマに配列されている。
【0080】
中リールＲ２には、４コマ以内の間隔でベルＡ図柄「ＢＬＡ」又はベルＢ図柄「ＢＬＢ」が配列され、４コマ以内の間隔でＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」又はチェリー図柄「ＣＨ」が配列され、４コマ以内の間隔でリプレイ図柄「ＲＰ」が配列されている。
【0081】
また、中リールＲ２には、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」が停止番号１番のコマと、停止番号６番のコマと、に配列され、青７図柄「青７」が停止番号３番のコマに配列されている。そして、中リールＲ２には、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」が停止番号１１番のコマと、停止番号１６番のコマと、に配列され、赤７図柄「赤７」が停止番号１３番のコマに配列されている。
【0082】
右リールＲ３には、４コマ以内の間隔でベルＡ図柄「ＢＬＡ」又はベルＢ図柄「ＢＬＢ」配列され、４コマ以内の間隔でスイカ図柄「ＷＭ」が配列され、４コマ以内の間隔でリプレイ図柄「ＲＰ」が配列されている。
【0083】
また、右リールＲ３には、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」が停止番号１番のコマと、停止番号６番のコマと、に配列され、青７図柄「青７」が停止番号５番のコマに配列されている。そして、右リールＲ３には、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」が停止番号１１番のコマと、停止番号１６番のコマと、に配列され、赤７図柄「赤７」が停止番号１５番のコマに配列されている。
【0084】
このような構成であることから、ベルＡ、ベルＢ、ベルＧ、ベルＨは、ストップボタンＢ１の押下タイミングが入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインＬ１上に停止表示可能なタイミングである場合に、ストップボタンＢ２、ストップボタンＢ３の押下タイミングによらず入賞可能となり、ベルＣ、ベルＤ、ベルＩ、ベルＪは、ストップボタンＢ２の押下タイミングが入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインＬ１上に停止表示可能なタイミングである場合に、ストップボタンＢ１、ストップボタンＢ３の押下タイミングによらず入賞可能となり、ベルＥ、ベルＦ、ベルＫ、ベルＬは、ストップボタンＢ３の押下タイミングが入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインＬ１上に停止表示可能なタイミングである場合に、ストップボタンＢ１、ストップボタンＢ２の押下タイミングによらず入賞可能となる。
【0085】
次に、１枚役Ａ～１枚役Ｇについて説明する。本実施形態において、スロットマシン１は、より詳しくは後述するが、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の当選時において、ベルＡ～ベルＬ、１枚役Ａ～１枚役Ｃを入賞可能にするリール停止制御を実行するように構成されている。
【0086】
１枚役Ｄ～１枚役Ｇは、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の当選時におけるリール停止制御において、個数優先制御及び停止制御テーブルを用いたリール停止制御を実行することで、１枚の配当に設定された１枚役Ａ～１枚役Ｃよりも多い配当である１５枚の配当に設定されたベルＡ～ベルＬに優先して、１枚役Ａ～１枚役Ｃの入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインＬ１上に停止表示するために設けられており、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の当選時において、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３がいずれの操作態様で押下操作された場合にも、入賞することがない小役として構成されている。なお、１枚役Ｄ～１枚役Ｇは、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役１」の当選時と、当選エリア「全１枚役」の当選時と、に入賞可能となるように構成されている。
【0087】
１枚役Ａの入賞図柄組合せは「ＢＬＡ（ＢＬＢ）－ＷＭ（ＲＰ）－ＲＰ（ＢＫＢ）」であり、入賞図柄組合せを構成する図柄のうち左リールＲ１の図柄について、ベルＡ、ベルＢの入賞図柄組合せを構成する左リールＲ１の図柄であるベルＡ図柄「ＢＬＡ」と、ベルＧ、ベルＨの入賞図柄組合せを構成する左リールＲ１の図柄であるベルＢ図柄「ＢＬＢ」と、を含む構成となっている。
【0088】
１枚役Ｂの入賞図柄組合せは「ＲＰ（ＢＫＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）」であり、入賞図柄組合せを構成する図柄のうち中リールＲ２の図柄について、ベルＣ、ベルＤの入賞図柄組合せを構成する中リールＲ２の図柄であるベルＡ図柄「ＢＬＡ」と、ベルＩ、ベルＪの入賞図柄組合せを構成する中リールＲ２の図柄であるベルＢ図柄「ＢＬＢ」と、を含む構成となっている。
【0089】
１枚役Ｃの入賞図柄組合せは「ＷＭ（ＢＫＢ）－ＷＭ（ＲＰ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）」であり、入賞図柄組合せを構成する図柄のうち右リールＲ３の図柄について、ベルＥ、ベルＦの入賞図柄組合せを構成する右リールＲ３の図柄であるベルＡ図柄「ＢＬＡ」と、ベルＫ、ベルＬの入賞図柄組合せを構成する右リールＲ３の図柄であるベルＢ図柄「ＢＬＢ」と、を含む構成となっている。
【0090】
＜遊技状態移行制御手段＞
図６（Ａ）は、本実施形態の遊技状態移行制御手段１７０が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
図６（Ａ）は、本実施形態の遊技状態移行制御手段１７０が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
【0091】
図６（Ａ）に示すように、非ＲＴ状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態（初期遊技状態、通常遊技状態）であり、ボーナスが作動及び成立していない非ボーナス状態となっている。非ＲＴ状態において、遊技状態移行制御手段１７０は、内部抽選手段１２０にリプレイの当選確率が約１／７．３に設定されている内部抽選テーブルＡを用いた内部抽選を実行させる。
【0092】
ボーナス成立状態は、非ＲＴ状態における内部抽選で当選エリア「ＲＢＢ」、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役１」～当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」のいずれかに当選し、ＲＢＢが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。ボーナス成立状態において、遊技状態移行制御手段１７０は、内部抽選手段１２０にリプレイの当選確率が約１／７．３に設定されている内部抽選テーブルＢを用いた内部抽選を実行させる。
【0093】
ボーナス状態は、ＲＢＢが入賞しＲＢＢが作動することで移行される遊技状態である。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段１７０は、払い出されたメダルの合計数によって作動しているＲＢＢの終了条件が成立したかを判定し、予め定められた所定の払出数（例えば、１００枚）を超えるメダルが払い出された場合に、ＲＢＢの作動を終了させることでボーナス状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態である非ＲＴ状態へ移行させる。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段１７０は、内部抽選手段１２０に内部抽選テーブルＣを用いた内部抽選を実行させる。
【0094】
図３に示すように、内部抽選テーブルＣでは、ベルＡ～ベルＬ、１枚役Ａ～１枚役Ｇ、レア役のすべての小役に当選する当選エリア「全小役」と、１枚役Ａ～１枚役Ｇ、レア役のすべての１枚役に当選する当選エリア「全１枚役」と、に乱数が対応付けられている。
【0095】
図３を用いてボーナス状態について詳細に説明する。本実施形態のスロットマシン１において、内部抽選テーブルＣが選択されるボーナス状態において当選エリア「全小役」又は当選エリア「全１枚役」に当選する確率は、内部抽選テーブルＡ、内部抽選テーブルＢにおいて小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率よりも高い、つまりボーナス状態において小役に当選する確率が、ボーナス状態以外の遊技状態においていずれかの小役に当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、内部抽選テーブルＣにおいて、当選エリア「全小役」に当選する確率は、内部抽選テーブルＡ、内部抽選テーブルＢにおいて当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」のいずれか１つに当選する確率よりも高い確率に設定されている。
【0096】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン１は、ボーナス状態において、ボーナスの非作動時である非ＲＴ状態、ボーナス成立状態である場合よりもすべての小役の当選確率が上昇するとともに、いずれかの小役に当選する確率も上昇するように構成されている。
【0097】
また、スロットマシン１は、ボーナス状態において、当選エリア「全小役」に当選する確率が、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」のいずれかに当選する確率（当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の各当選確率を合算した当選確率）よりも低くなるように構成されている。
【0098】
このように、本実施形態のスロットマシン１は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された複数種類の特定小役（ベルＡ～ベルＬ）が互いに重複せずに他の小役と重複当選する複数種類の第１小役当選態様（当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」）と、複数種類の特定小役が重複して当選する第２小役当選態様（当選エリア「全小役」）と、を有し、内部抽選手段１２０が、通常遊技状態（非ＲＴ状態）、ボーナス成立状態において、複数種類の第１小役当選態様が存在するように内部抽選を行うとともに、ボーナス状態において、第２小役当選態様が存在するように内部抽選を行うように構成されている。また、スロットマシン１において、ボーナス状態における内部抽選で第２小役当選態様に当選する確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選で複数種類の第１小役当選態様のいずれかに当選する確率よりも低く、ボーナス状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率以上となるように構成されている。
【0099】
このため、本実施形態のスロットマシン１は、ボーナス状態について、メダルの獲得率の期待値が１００％未満となっている。
【0100】
ここで、ボーナス成立状態においては、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の当選時に、正解打順でストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３を押下操作し、かつ当選しているベルＡ～ベルＬを入賞可能な押下タイミングで第１停止操作が実行されないとベルＡ～ベルＬを入賞させることができない構成であることから、ベルＡ～ベルＬのいずれかが入賞する確率は、６種類の打順から正解打順でストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３を押下操作でき、かつ第１停止操作が２０コマ中１０コマの範囲内に設定された適切な押下タイミングで実行された場合に限定されることから、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の当選時におけるベルＡ～ベルＬのいずれかが入賞する確率は、１／１２に設定されている。
【0101】
一方、後述するＡＴ制御手段２００によって入賞補助が実行されるＡＴ遊技が実行された場合には、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の当選時に、正解打順が報知され、かつベルＡ～ベルＬを入賞可能にする押下タイミングが演出制御手段１８０による入賞補助演出によって報知されることで、ベルＡ～ベルＬを確実に入賞させることができるようになるため、ベルＡ～ベルＬのいずれかが入賞する確率について、入賞補助が実行されない場合に対して最大で１２倍まで高めることができる。
【0102】
このように、本実施形態においては、正解打順で停止操作し、かつ第１停止操作の押下タイミングが適切な場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役（特定役）として、ベルＡ～ベルＬの１２種類を設定している。そして、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約１／１２に圧縮している。このように構成することで、ボーナス状態以外の遊技状態においてＮ種類の特定役を互いに重複せずに当選させる態様を設けて内部抽選を行い、ボーナス状態においてＮ種類の特定役を重複して当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約１／Ｎに圧縮することができる。これにより、ボーナス状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を１００％未満にまで引き下げた上でＡＴ遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、ＡＴ機能を備えたスロットマシン１の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0103】
＜ＡＴ制御手段＞
図６（Ｂ）は、本実施形態のＡＴ制御手段２００によって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
図６（Ｂ）は、本実施形態のＡＴ制御手段２００によって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0104】
上述した通り、通常区間は、内部抽選手段１２０による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない期間である。ＡＴ制御手段２００は、通常区間内における遊技において、内部抽選手段１２０による内部抽選で当選した当選エリアに基づき、通常区間から有利区間に移行するか否かを決定する。
【0105】
図３に示したように、本実施形態のＡＴ制御手段２００は、通常区間における内部抽選で当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役２」、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」、当選エリア「レア役」に当選した場合に、通常区間から有利区間に移行すると決定し、他の当選エリアに当選した場合には、通常区間から移行しないと決定するように構成されている。
【0106】
また、本実施形態のＡＴ制御手段２００は、通常区間から有利区間に移行する場合に、有利区間への移行に基づく制御として、有利区間の開始時におる演出状態を決定する状態決定制御を実行する。状態決定制御において、ＡＴ制御手段２００は、通常区間から有利区間への移行の契機となった当選エリアに対応する抽選テーブルを取得し、取得した抽選テーブルを用いた抽選を実行することで、有利区間の開始時における演出状態として、通常状態と、通常ＡＴ状態と、上乗せ特化状態と、のいずれの演出状態に設定するのかを決定する。状態決定制御の詳細については、後述する。
【0107】
演出制御手段１８０は、ＡＴ制御手段２００によって通常区間に制御されている場合に、状態決定制御が実行され得る状態であることから有利区間中における演出状態である通常状態よりも有利な状態となっていることを報知するチャンスゾーン（ＣＺ）演出を実行可能に構成されている。ＣＺ演出の詳細については、後述する。
【0108】
有利区間において、ＡＴ制御手段２００は、補助遊技を実行しない非ＡＴ状態として、通常状態を有し、補助遊技を実行可能なＡＴ状態として、通常ＡＴ状態と、上乗せ特化状態と、を有している。また、本実施形態のスロットマシン１は、全体の遊技における有利区間の滞在比率が、７割以上となりうる構成となっている。
【0109】
本実施形態において、ＡＴ制御手段２００は、有利区間内において設定した各種フラグ、数値等の、有利区間に関する更新可能な情報について、主記憶手段１９０のＡＴ制御データ記憶手段１９７に記憶するように構成されている。ＡＴ制御手段２００は、有利区間を終了する場合に実行する所定の初期化処理において、ＡＴ制御データ記憶手段１９７に記憶されている更新可能な情報を初期化するように構成されている。
【0110】
このため、本実施形態のスロットマシン１では、有利区間から通常区間に移行した際に、通常区間に移行する前の有利区間において実行されていた遊技に関する情報のうち、主制御部１０で制御されＡＴ制御データ記憶手段１９７に記憶される情報について、有利区間から移行した通常区間以降における遊技に引き継ぐことができない構成となっている。
【0111】
また、上述した通り、ＡＴ制御手段２００は、有利区間において、第１有利区間カウンタ１９７ａの記憶値が値「１５００」に達した場合と、第２有利区間カウンタ１９７ｂの記憶値が値「２４００」を超えた場合と、に、有利区間の終了条件のうち特定終了条件が成立したと判定し、遊技が実行されている演出状態に設定されている終了条件が成立していない場合であっても、有利区間の終了に伴い現在の演出状態を終了させ、ＡＴ制御データ記憶手段１９７に記憶されている更新可能な情報を初期化する所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0112】
また、本実施形態のＡＴ制御手段２００は、設定変更手段１００によって設定変更制御が実行された場合に、有利区間に係る制御が初期化、つまりＡＴ制御データ記憶手段１９７に記憶されている更新可能な情報が初期化され、通常区間に設定されるように構成されている。このため、スロットマシン１では、設定変更制御が実行された後に遊技が開始された場合に、通常区間に短期間滞在した後に有利区間への移行に基づく状態決定制御が実行され、通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態が設定され得る構成となっている。
【0113】
通常状態は、他の演出状態に移行していない場合に設定される、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態（通常演出状態）である。ＡＴ制御手段２００は、演出状態が通常状態に移行した場合、通常状態における遊技回数をカウントする通常ゲーム数カウンタ（不図示）に初期値として値「７００」をセットする。ＡＴ制御手段２００は、通常非ＡＴ状態において、遊技が実行される都度、通常非ＡＴゲーム数カウンタの記憶値を１ゲームに相当する値「１」で減算するデクリメント更新を実行する。そして、ＡＴ制御手段２００は、通常ゲーム数カウンタの記憶値が値「０」となった場合に、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0114】
また、ＡＴ制御手段２００は、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合において、有利区間を終了させるか否かを抽選する有利区間終了抽選を実行する。有利区間終了抽選において「有利区間の終了」に当選した場合、ＡＴ制御手段２００は、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、通常状態の終了条件が成立していない場合であっても有利区間の終了に伴い通常状態を終了させ、ＡＴ制御データ記憶手段１９７に記憶されている更新可能な情報を初期化する所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0115】
ＡＴ状態は、入賞補助が実行される補助遊技を実行可能な状態である。ＡＴ状態において、ＡＴ制御手段２００は、内部抽選手段１２０による内部抽選において、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の打順によって入賞役が変化する当選エリアに当選したことに基づき入賞補助を実行可能に構成されている。ここで、入賞補助によって入賞する確率が上がる役（特定役）は、ボーナス成立状態における当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の当選時のベルＡ～ベルＬである。ＡＴ制御手段２００は、入賞補助として、正解打順を報知する表示を主制御表示装置５００に表示させる。
【0116】
また、本実施形態の演出制御手段１８０は、ＡＴ制御手段２００によって入賞補助が実行される場合に、表示装置３３０に正解打順と第１停止操作の押下タイミングとを報知する入賞補助演出を実行する。演出制御手段１８０は、入賞補助演出として、第１停止操作を実行するストップボタン及び第１停止操作の押下タイミングを報知する第１入賞補助演出指標と、第２停止操作を実行するストップボタンを報知する第２入賞補助演出指標と、第３停止操作を実行するストップボタンを報知する第３入賞補助演出指標と、を表示する。第１入賞補助演出指標の詳細については、後述する。
【0117】
また、本実施形態の演出制御手段１８０は、ＡＴ制御手段２００によってＡＴ状態に移行される場合に、ＡＴ状態への移行を報知する移行報知演出を実行可能に構成されている。演出制御手段１８０は、移行報知演出を実行する場合に、今回開始されるＡＴ状態に至るまでの遊技の経過に応じた演出内容の演出を実行する。移行報知演出の詳細については、後述する。
【0118】
通常ＡＴ状態は、状態決定制御において「通常ＡＴ状態に設定」に当選した場合と、上乗せ特化状態が終了した場合と、に実行される演出状態である。ＡＴ制御手段２００は、通常ＡＴ状態の開始時にＡＴ制御データ記憶手段１９７のＡＴゲーム数カウンタ（不図示）の記憶値が値「５０」未満である場合には、所定の遊技回数に対応する初期値（例えば、５０ゲーム）をＡＴゲーム数カウンタに加算し、遊技が実行される都度、ＡＴゲーム数カウンタの記憶値を１ゲームに相当する値「１」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0119】
また、ＡＴ制御手段２００は、内部抽選手段１２０による内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合に、演出状態を上乗せ特化状態に移行するか否かを決定する上乗せ移行抽選を実行する。ＡＴ制御手段２００は、上乗せ移行抽選において「上乗せ特化状態への移行」に当選した場合に、演出状態を通常ＡＴ状態から上乗せ特化状態に移行する。
【0120】
ＡＴ制御手段２００は、通常ＡＴ状態における毎回の遊技の実行の都度実行するデクリメント更新によってＡＴゲーム数カウンタの記憶値が値「０」になった場合に、通常ＡＴ状態の終了条件が成立したと判定し、演出状態を通常ＡＴ状態から通常状態に移行する。
【0121】
上乗せ特化状態は、ＡＴゲーム数カウンタの記憶値に加算（上乗せ）する値を抽選する遊技を毎ゲーム行うことで、他の演出状態よりもＡＴ状態が継続する期間を加算（上乗せ）することに特化した演出状態となっている。上乗せ特化状態において、ＡＴ制御手段２００は、毎ゲーム上乗せ特化抽選を実行する。上乗せ特化抽選は、ＡＴゲーム数カウンタ１９７ｈに加算（上乗せ）する値として、値「１０」、値「１５」、値「２０」、値「３０」と、「上乗せ特化状態の継続」と、「上乗せ特化状態の終了」と、に乱数が対応付けられた抽選である。
【0122】
ＡＴ制御手段２００は、上乗せ特化抽選において、ＡＴゲーム数カウンタに加算するいずれかの値と、「上乗せ特化状態の終了」と、に当選した場合に、上乗せ特化状態を終了し、演出状態を上乗せ特化状態から通常ＡＴ状態に移行する。
【0123】
この、規定投入数（３枚）よりも多い配当（１５枚）が設定されたベルＡ～ベルＬの入賞補助が実行される補助遊技によってメダルの払い出しに関して非ＡＴ状態よりも遊技者にとって有利なＡＴ状態が、本実施形態における第２の状態（第２状態）及び有利状態を構成し、通常区間、有利区間及び補助遊技に係る制御を行うＡＴ制御手段２００が、本実施形態における補助遊技制御手段を構成する。また、通常ＡＴ状態が、本実施形態における第１の有利状態を構成し、上乗せ特化状態が、本実施形態における第１の有利状態よりも有利な第２の有利状態を構成する。
【0124】
３．打順小役当選態様の当選時の詳細
上述したように、本実施形態のスロットマシン１では、打順によって入賞可能となる小役が異なる場合を有する当選エリア（打順小役当選態様）として、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」を有しており、遊技状態に応じてリール制御手段１３０によるリール停止制御の制御内容を変更することで、入賞可能となる役が異なるように構成されている。
上述したように、本実施形態のスロットマシン１では、打順によって入賞可能となる小役が異なる場合を有する当選エリア（打順小役当選態様）として、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」を有しており、遊技状態に応じてリール制御手段１３０によるリール停止制御の制御内容を変更することで、入賞可能となる役が異なるように構成されている。
【0125】
図７は、非ＲＴ状態で打順小役当選態様に当選した場合において、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の打順によって入賞可能となる役について示す図である。図７に示すように、スロットマシン１では、非ＲＴ状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」に当選した場合に、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の押下順序によらず、規定投入数よりも多い配当（１５枚）に設定されたベルＡ～ベルＬが入賞せず、規定投入数よりも少ない配当（１枚）に設定された１枚役Ａが入賞するように構成されている。
【0126】
このため、本実施形態のスロットマシン１では、非ＲＴ状態において、規定投入数よりも多い配当に設定された小役が入賞しないため、非ＲＴ状態におけるメダルの獲得率の期待値が大幅に抑制されており、非ＲＴ状態が他の遊技状態よりも最もメダルの獲得率の期待値が低い遊技状態となっている。
【0127】
図８は、ボーナス成立状態で打順小役に当選した場合において、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の打順によって入賞可能となる役について示す図である。図８に示すように、スロットマシン１では、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」に当選した場合に、ベルＡ～ベルＬを入賞可能にする打順（正解打順）が各当選エリアに設定されている。
【0128】
スロットマシン１では、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」に当選し、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の打順が正解打順で、かつ第１停止操作がベルＡ～ベルＬの入賞図柄組合せを構成する図柄を停止可能な押下タイミングであった場合に、当選しているベルＡ～ベルＬのいずれかが入賞し、正解打順でかつ第１停止操作の押下タイミングがベルＡ～ベルＬの入賞図柄組合せを構成する図柄を停止できないタイミングであった場合に、当選している１枚役Ａ～１枚役Ｃのいずれかが入賞する。
【0129】
また、スロットマシン１では、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」に当選した場合、正解打順とは異なる打順（不正解打順）のうち第１停止操作が正解打順と共通する打順でストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３が押下操作された場合、第１停止操作の押下タイミングがベルＡ～ベルＬの入賞図柄組合せを構成する図柄を停止できるタイミングであった場合と、第１停止操作の押下タイミングがベルＡ～ベルＬの入賞図柄組合せを構成する図柄を停止できないタイミングであった場合と、のいずれにおいても、当選している１枚役Ａ～１枚役Ｃのいずれかが入賞する。
【0130】
そして、スロットマシン１では、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」に当選し、不正解打順のうち第１停止操作が正解打順とは異なる打順でストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３が押下操作された場合に、１枚役Ａが入賞する。
【0131】
【0132】
図９は、左リールＲ１において、ベルＡの入賞図柄組合せ「青７（ＢＬＡ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）」と、ベルＢの入賞図柄組合せ「青７（ＢＬＡ）－ＢＡＲ（ＣＨ）－ＷＭ」と、を構成するベルＡ図柄「ＢＬＡ」を停止可能な範囲と、ベルＧの入賞図柄組合せ「赤７（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）」と、ベルＨの入賞図柄組合せ「赤７（ＢＬＢ）－ＢＡＲ（ＣＨ）－ＷＭ」と、を構成するベルＢ図柄「ＢＬＢ」を停止可能な範囲と、を説明するために図４に示した左リールＲ１～右リールＲ３に配列された図柄のうち左リールＲ１に配列された図柄を抜粋した図である。
【0133】
図９に示すように、左リールＲ１には、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」が停止番号１番のコマと停止番号６番のコマとに配列されている。このため、ストップボタンＢ１を押下操作する場合において、ベルＡ、ベルＢを入賞可能にするタイミングは、停止番号１０番のスイカ図柄「ＷＭ」～停止番号１番のベルＡ図柄「ＢＬＡ」が有効ラインＬ１上に回転表示されているタイミングである。また、左リールＲ１には、停止番号３番のコマに、青７図柄「青７」が配列されている。
【0134】
つまり、左リールＲ１においては、青７図柄「青７」を停止可能にする引き込み範囲である停止番号７番のリプレイ図柄「ＲＰ」～停止番号３番の青７図柄「青７」の範囲が、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲である停止番号１０番のスイカ図柄「ＷＭ」～停止番号１番のベルＡ図柄「ＢＬＡ」の範囲内に包含されるように構成されている。
【0135】
また、左リールＲ１には、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」が停止番号１１番のコマと停止番号１６番のコマとに配列されている。このため、ストップボタンＢ１を押下操作する場合において、ベルＧ、ベルＨを入賞可能にするタイミングは、停止番号０番のスイカ図柄「ＷＭ」、停止番号１９番のチェリー図柄「ＣＨ」～停止番号１１番のベルＢ図柄「ＢＬＢ」が有効ラインＬ１上に回転表示されているタイミングである。また、左リールＲ１には、停止番号１３番のコマに、赤７図柄「赤７」が配列されている。
【0136】
つまり、左リールＲ１においては、赤７図柄「赤７」を停止可能にする引き込み範囲である停止番号１７番のリプレイ図柄「ＲＰ」～停止番号１３番の赤７図柄「赤７」の範囲が、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲である停止番号０番のスイカ図柄「ＷＭ」、停止番号１９番のチェリー図柄「ＣＨ」～停止番号１１番のベルＢ図柄「ＢＬＢ」の範囲内に包含されるように構成されている。
【0137】
また、図９に示すように、左リールＲ１において、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲と、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲と、は、互いに重複しない引き込み範囲として構成されている。そして、左リールＲ１においては、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲内に赤７図柄「赤７」が配列されていないとともに、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲内に青７図柄「青７」が配列されていない。
【0138】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン１では、ボーナス成立状態で当選エリア「打順ベル１」又は当選エリア「打順ベル２」に当選し、第１停止操作としてストップボタンＢ１を押下操作する場合において、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲内に配列された青７図柄「青７」が表示窓ＤＷ内に表示されているタイミングでストップボタンＢ１を押下することで、停止番号１番のベルＡ図柄「ＢＬＡ」が有効ラインＬ１上に停止し、ベルＡ又はベルＢを入賞可能となる。
【0139】
また、本実施形態のスロットマシン１では、ボーナス成立状態で当選エリア「打順ベル７」又は当選エリア「打順ベル８」に当選し、第１停止操作としてストップボタンＢ１を押下操作する場合において、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲内に配列された赤７図柄「赤７」が表示窓ＤＷ内に表示されているタイミングでストップボタンＢ１を押下することで、停止番号１１番のベルＢ図柄「ＢＬＢ」が有効ラインＬ１上に停止し、ベルＧ又はベルＨを入賞可能となる。
【0140】
なお、図４、図５に示すように、中リールＲ２には、ベルＣ、ベルＤの入賞図柄組合せを構成するベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲内に青７図柄「青７」が配列され、かつベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲内に赤７図柄「赤７」が配列されていない。また、中リールＲ２には、ベルＩ、ベルＪの入賞図柄組合せを構成するベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲内に赤７図柄「赤７」が配列され、かつベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲内に青７図柄「青７」が配列されていない。
【0141】
また、右リールＲ３には、ベルＥ、ベルＦの入賞図柄組合せを構成するベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲内に青７図柄「青７」が配列され、かつベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲内に赤７図柄「赤７」が配列されていない。また、右リールＲ３には、ベルＫ、ベルＬの入賞図柄組合せを構成するベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲内に赤７図柄「赤７」が配列され、かつベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲内に青７図柄「青７」が配列されていない。
【0142】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン１では、ボーナス成立状態で当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル６」に当選した場合に、正解打順でかつ適切な押下タイミングで第１停止操作が実行されることでベルＡ～ベルＦが入賞可能になるとともに、ベルＡ～ベルＦを入賞可能にする第１停止操作の押下タイミングについて、ベルＡ～ベルＦの入賞図柄組合せを構成している青７図柄「青７」の引き込み範囲内で第１停止操作を実行することで、ベルＡ～ベルＦを入賞させることができる。
【0143】
また、本実施形態のスロットマシン１では、ボーナス成立状態で当選エリア「打順ベル７」～当選エリア「打順ベル１２」に当選した場合に、正解打順でかつ適切な押下タイミングで第１停止操作が実行されることでベルＧ～ベルＬが入賞可能になるとともに、ベルＧ～ベルＬを入賞可能にする第１停止操作の押下タイミングについて、ベルＧ～ベルＬの入賞図柄組合せを構成している赤７図柄「赤７」が表示窓ＤＷ内に表示されているタイミングで第１停止操作を実行することで、ベルＧ～ベルＬを入賞させることができる。
【0144】
図１０は、当選エリア「打順ベル１」に当選した場合におけるリール制御手段１３０によるリール停止制御を説明する図である。当選エリア「打順ベル１」に当選した場合、本実施形態のスロットマシン１では、リール制御手段１３０によるリール停止制御によってベルＡ、１枚役Ａの入賞図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能に構成されている。
【0145】
本実施形態のリール制御手段１３０は、第１停止操作がストップボタンＢ１になされたことをストップスイッチ２４０が検出した場合において、ストップボタンＢ１の押下タイミングがベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲外、つまりベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲内であれば、１枚役Ａの入賞図柄組合せを構成する図柄であるベルＢ図柄「ＢＬＢ」を有効ラインＬ１上に停止表示し、当該遊技において入賞可能となる小役を１枚役Ａに確定させる。
【0146】
また、リール制御手段１３０は、第１停止操作がストップボタンＢ１になされたことをストップスイッチ２４０が検出した場合において、ストップボタンＢ１の押下タイミングがベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲内であれば、ベルＡの入賞図柄組合せを構成する図柄と１枚役Ａの入賞図柄組合せを構成する図柄とに共通するベルＡ図柄「ＢＬＡ」を有効ラインＬ１上に停止表示する。
【0147】
第１停止操作がストップボタンＢ１に実行され、かつストップボタンＢ１の押下タイミングがベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲内であり、左リールＲ１の上段にベルＡ図柄「ＢＬＡ」が停止表示された場合、スロットマシン１では、リール制御手段１３０によるリール停止制御によってベルＡ、１枚役Ａの入賞図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能に構成されている。
【0148】
リール制御手段１３０は、第２停止操作がストップボタンＢ２に実行された場合、ベルＡを入賞させた場合における払出数が最も多い１５枚であることから、枚数優先制御を実行してベルＡ図柄「ＢＬＡ」又はベルＢ図柄「ＢＬＢ」を中リールＲ２の中段に停止表示することで、当該遊技において入賞可能となる小役をベルＡに確定させる。
【0149】
一方、リール制御手段１３０は、第２停止操作がストップボタンＢ３に実行された場合、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」を右リールＲ３の下段に停止表示することで、ベルＡの入賞図柄組合せである「ＢＬＡ－ＢＬＡ－ＢＬＡ」、「ＢＬＡ－ＢＬＢ－ＢＬＡ」の２個の図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能となり、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」を右リールＲ３の下段に停止表示することで、ベルＡの入賞図柄組合せである「ＢＬＡ－ＢＬＡ－ＢＬＢ」、「ＢＬＡ－ＢＬＢ－ＢＬＢ」の２個の図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能となり、リプレイ図柄「ＲＰ」を右リールＲ３の下段に停止表示することで、１枚役Ａの入賞図柄組合せである「ＢＬＡ－ＷＭ－ＲＰ」、「ＢＬＡ－ＲＰ－ＲＰ」の２個の図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能となり、ブランクＢ図柄「ＢＫＢ」を右リールＲ３の下段に停止表示することで、１枚役Ａの入賞図柄組合せである「ＢＬＡ－ＷＭ－ＢＫＢ」、「ＢＬＡ－ＲＰ－ＢＫＢ」の２個の図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能となる。
【0150】
リール制御手段１３０は、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」と、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」と、リプレイ図柄「ＲＰ」と、ブランクＢ図柄「ＢＫＢ」と、のそれぞれを右リールＲ３の下段に停止表示した場合における有効ラインＬ１上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってベルＡ図柄「ＢＬＡ」と、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」と、リプレイ図柄「ＲＰ」と、ブランクＢ図柄「ＢＫＢ」と、との間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段１９４に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、リプレイ図柄「ＲＰ」を有効ラインＬ１上に停止表示し、当該遊技において入賞可能となる小役を１枚役Ａに確定させる。
【0151】
図１１は、当選エリア「打順ベル７」に当選した場合におけるリール制御手段１３０によるリール停止制御を説明する図である。当選エリア「打順ベル７」に当選した場合、本実施形態のスロットマシン１では、リール制御手段１３０によるリール停止制御によってベルＧ、１枚役Ａの入賞図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能に構成されている。
【0152】
本実施形態のリール制御手段１３０は、第１停止操作がストップボタンＢ１になされたことをストップスイッチ２４０が検出した場合において、ストップボタンＢ１の押下タイミングがベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲外、つまりベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲内であれば、１枚役Ａの入賞図柄組合せを構成する図柄であるベルＡ図柄「ＢＬＡ」を有効ラインＬ１上に停止表示し、当該遊技において入賞可能となる小役を１枚役Ａに確定させる。
【0153】
また、リール制御手段１３０は、第１停止操作がストップボタンＢ１になされたことをストップスイッチ２４０が検出した場合において、ストップボタンＢ１の押下タイミングがベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲内であれば、ベルＧの入賞図柄組合せを構成する図柄と１枚役Ａの入賞図柄組合せを構成する図柄とに共通するベルＢ図柄「ＢＬＢ」を有効ラインＬ１上に停止表示する。
【0154】
第１停止操作がストップボタンＢ１に実行され、かつストップボタンＢ１の押下タイミングがベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲内であり、左リールＲ１の上段にベルＢ図柄「ＢＬＢ」が停止表示された場合、スロットマシン１では、リール制御手段１３０によるリール停止制御によってベルＧ、１枚役Ａの入賞図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能に構成されている。
【0155】
リール制御手段１３０は、第２停止操作がストップボタンＢ２に実行された場合、ベルＧを入賞させた場合における払出数が最も多い１５枚であることから、枚数優先制御を実行してベルＡ図柄「ＢＬＡ」又はベルＢ図柄「ＢＬＢ」を中リールＲ２の中段に停止表示することで、当該遊技において入賞可能となる小役をベルＧに確定させる。
【0156】
一方、リール制御手段１３０は、第２停止操作がストップボタンＢ３に実行された場合、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」を右リールＲ３の下段に停止表示することで、ベルＧの入賞図柄組合せである「ＢＬＢ－ＢＬＡ－ＢＬＡ」、「ＢＬＢ－ＢＬＢ－ＢＬＡ」の２個の図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能となり、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」を右リールＲ３の下段に停止表示することで、ベルＧの入賞図柄組合せである「ＢＬＢ－ＢＬＡ－ＢＬＢ」、「ＢＬＢ－ＢＬＢ－ＢＬＢ」の２個の図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能となり、リプレイ図柄「ＲＰ」を右リールＲ３の下段に停止表示することで、１枚役Ａの入賞図柄組合せである「ＢＬＢ－ＷＭ－ＲＰ」、「ＢＬＢ－ＲＰ－ＲＰ」の２個の図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能となり、ブランクＢ図柄「ＢＫＢ」を右リールＲ３の下段に停止表示することで、１枚役Ａの入賞図柄組合せである「ＢＬＢ－ＷＭ－ＢＫＢ」、「ＢＬＢ－ＲＰ－ＢＫＢ」の２個の図柄組合せを有効ラインＬ１上に表示可能となる。
【0157】
リール制御手段１３０は、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」と、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」と、リプレイ図柄「ＲＰ」と、ブランクＢ図柄「ＢＫＢ」と、のそれぞれを右リールＲ３の下段に停止表示した場合における有効ラインＬ１上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってベルＡ図柄「ＢＬＡ」と、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」と、リプレイ図柄「ＲＰ」と、ブランクＢ図柄「ＢＫＢ」と、との間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段１９４に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、リプレイ図柄「ＲＰ」を有効ラインＬ１上に停止表示し、当該遊技において入賞可能となる小役を１枚役Ａに確定させる。
【0158】
このようなリール停止制御を実行することにより、本実施形態のスロットマシン１は、当選エリア「打順ベル１」の当選時において、正解打順でかつベルＡの入賞図柄組合せを構成する図柄であるベルＡ図柄「ＢＬＡ」の引き込み範囲外のタイミングで第１停止操作がなされた場合及び第１停止操作が正解打順と共通する不正解打順である打順２でストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３が押下操作された場合と、当選エリア「打順ベル７」の当選時において、正解打順でかつベルＧの入賞図柄組合せを構成する図柄であるベルＢ図柄「ＢＬＢ」の引き込み範囲外のタイミングで第１停止操作がなされた場合及び第１停止操作が正解打順と共通する不正解打順である打順２でストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３が押下操作された場合と、のいずれの場合にも、共通の小役として１枚役Ａが入賞するように構成されている。
【0159】
４．リールに配列された図柄と入賞補助演出との詳細
次に、本実施形態のスロットマシン１において、遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ演出状態が通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態である状態で当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」に当選した場合に、ベルＡ～ベルＬの入賞を補助するために演出制御手段１８０が実行する入賞補助演出の詳細について説明する。
次に、本実施形態のスロットマシン１において、遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ演出状態が通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態である状態で当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」に当選した場合に、ベルＡ～ベルＬの入賞を補助するために演出制御手段１８０が実行する入賞補助演出の詳細について説明する。
【0160】
＜リールに配列された図柄の詳細＞
図１２は、ベルＡ～ベルＬの入賞図柄組合せを構成する図柄のうち、第１停止操作が実行されることで有効ラインＬ１上に表示可能な図柄として設定されているベルＡ図柄「ＢＬＡ」、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」、青７図柄「青７」及び赤７図柄「赤７」の詳細を示す図である。図１３に示すように、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」とベルＢ図柄「ＢＬＢ」とは、幅方向の長さが幅Ｗ１の図柄となっており、色が異なるものの、形状に類似性を有する図柄となっている。
図１２は、ベルＡ～ベルＬの入賞図柄組合せを構成する図柄のうち、第１停止操作が実行されることで有効ラインＬ１上に表示可能な図柄として設定されているベルＡ図柄「ＢＬＡ」、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」、青７図柄「青７」及び赤７図柄「赤７」の詳細を示す図である。図１３に示すように、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」とベルＢ図柄「ＢＬＢ」とは、幅方向の長さが幅Ｗ１の図柄となっており、色が異なるものの、形状に類似性を有する図柄となっている。
【0161】
また、青７図柄「青７」と赤７図柄「赤７」とは、幅方向の長さが幅Ｗ２の図柄となっており、同じ幅Ｗ２を有するものの、青７図柄「青７」が青色で構成され、赤７図柄「赤７」が赤色で構成されており、色相が大きく異なることで、リールの回転中においても青７図柄「青７」と赤７図柄「赤７」とを区別して視認可能に構成されている。本実施形態において、青７図柄「青７」と赤７図柄「赤７」との幅Ｗ２は、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」及びベルＢ図柄「ＢＬＢ」の幅Ｗ１よりも長い幅になっている。
【0162】
このため、本実施形態のスロットマシン１では、左リールＲ１～右リールＲ３が回転している場合において、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」及びベルＢ図柄「ＢＬＢ」が表示窓ＤＷ内で回転表示されている範囲よりも、青７図柄「青７」及び赤７図柄「赤７」が表示窓ＤＷ内で回転表示されている範囲の方が大きくなるように構成されており、青７図柄「青７」や赤７図柄「赤７」の方が、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」及びベルＢ図柄「ＢＬＢ」よりも視認性が高い図柄として構成されている。
【0163】
このように、本実施形態のスロットマシン１では、青７図柄「青７」及び赤７図柄「赤７」の幅Ｗ２が、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」及びベルＢ図柄「ＢＬＢ」の幅Ｗ１よりも長い、つまり幅Ｗ２＞幅Ｗ１となるように構成されており、左リールＲ１～右リールＲ３が回転している場合において、青７図柄及び赤７図柄「赤７」の方が、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」及びベルＢ図柄「ＢＬＢ」よりも視認性が高い図柄として構成されている。
【0164】
＜入賞補助演出＞
図１３は、本実施形態の演出制御手段１８０が実行する入賞補助演出として、当選エリア「打順ベル１」に当選した場合における入賞補助演出を例示する図である。図１３（Ａ）に示すように、本実施形態の演出制御手段１８０は、遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ演出状態が通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態である状態で、当選エリア「打順ベル１」に当選した場合において、正解打順と、ベルＡを入賞可能にするストップボタンＢ１の押下タイミングと、を報知する演出として、正解打順のうち第１停止操作を実行するストップボタン及び該ストップボタンの押下タイミングを報知する第１入賞補助演出指標３３０ａと、正解打順のうち第２停止操作を実行するストップボタンを報知する第３入賞補助演出指標３３０ｂと、正解打順のうち第３停止操作を実行するストップボタンを報知する第３入賞補助演出指標３３０ｃと、を表示装置３３０に表示する。
図１３は、本実施形態の演出制御手段１８０が実行する入賞補助演出として、当選エリア「打順ベル１」に当選した場合における入賞補助演出を例示する図である。図１３（Ａ）に示すように、本実施形態の演出制御手段１８０は、遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ演出状態が通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態である状態で、当選エリア「打順ベル１」に当選した場合において、正解打順と、ベルＡを入賞可能にするストップボタンＢ１の押下タイミングと、を報知する演出として、正解打順のうち第１停止操作を実行するストップボタン及び該ストップボタンの押下タイミングを報知する第１入賞補助演出指標３３０ａと、正解打順のうち第２停止操作を実行するストップボタンを報知する第３入賞補助演出指標３３０ｂと、正解打順のうち第３停止操作を実行するストップボタンを報知する第３入賞補助演出指標３３０ｃと、を表示装置３３０に表示する。
【0165】
ベルＡの入賞補助演出として表示する第１入賞補助演出指標３３０ａは、図１３（Ａ）に示すように、ベルＡの入賞図柄組合せ「青７（ＢＬＡ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）」を構成する左リールＲ１の図柄であるベルＡ図柄「ＢＬＡ」と青７図柄「青７」とのうち、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」の幅Ｗ１よりも長い幅Ｗ２を有することでベルＡ図柄「ＢＬＡ」よりも視認性が高い青７図柄「青７」と略類似した意匠性を有し、左リールＲ１に配列された他の図柄とは類似しない画像から構成されている。第２入賞補助演出指標３３０ｂと第３入賞補助演出指標３３０ｃとは、図１３（Ａ）に示すように、それぞれ停止操作の順番を示す数字の画像（第２入賞補助演出指標３３０ｂは「２」、第３入賞補助演出指標３３０ｃは「３」）から構成されており、ベルＡ～ベルＬのいずれの入賞補助演出である場合にも、数字の画像から構成されている。
【0166】
第１入賞補助演出指標３３０ａ～第３入賞補助演出指標３３０ｃが表示されることで、スロットマシン１では、正解打順が打順１であることと、第１停止操作を実行するストップボタンＢ１について、表示窓ＤＷ内に青７図柄「青７」が回転表示されているタイミングでのストップボタンＢ１の押下を遊技者に狙わせることができる。
【0167】
図１３（Ｂ）は、図１３（Ａ）に示した状態から、表示窓ＤＷ内に青７図柄「青７」が回転表示されている状態で第１停止操作がストップボタンＢ１に実行された場合を示す図である。図１３（Ｂ）に示すように、スロットマシン１では、表示窓ＤＷ内に青７図柄「青７」が回転表示されている状態で第１停止操作がストップボタンＢ１に実行されることで、有効ラインＬ１を構成する左リールＲ１の上段に、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」が停止表示される。
【0168】
このように、本実施形態のスロットマシン１では、当選エリア「打順ベル１」の当選時において、表示窓ＤＷ内に左リールＲ１に配列された青７図柄「青７」が回転表示されているタイミングでストップボタンＢ１が第１停止操作された場合に、ベルＡの入賞図柄組合せ「青７（ＢＬＡ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）」を構成する左リールＲ１の図柄のうちベルＡ図柄「ＢＬＡ」が有効ラインＬ１上に停止表示されるが、青７図柄「青７」について、当該遊技において入賞するベルＡの入賞図柄組合せを構成する左リールＲ１の図柄として設定されている。
【0169】
このため、本実施形態のスロットマシン１は、遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ演出状態が通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態である状態で、当選エリア「打順ベル１」に当選した場合において、第１入賞補助演出指標３３０ａとして青７図柄「青７」に類似した意匠を有する画像を表示する入賞補助演出が実行され、入賞補助演出に従った遊技が実行された際に青７図柄「青７」ではなくベルＡ図柄「ＢＬＡ」が有効ラインＬ１上に停止表示されてベルＡが入賞するものの、ベルＡの入賞図柄組合せ「青７（ＢＬＡ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）」として有効ラインＬ１上に停止可能な図柄として青７図柄「青７」が設定されているため、入賞補助演出によって入賞が補助された役について遊技者が誤認してしまうことを防ぎつつ役の入賞を補助できる適切な演出を実行することができる。
【0170】
また、スロットマシン１は、第１入賞補助演出指標３３０ａとして、青７図柄「青７」に類似した画像を１つ、つまり単一の図柄に類似した意匠性を有する画像を用いることで、いずれの図柄が表示窓ＤＷ内に表示されているタイミングであるかを明確に遊技者に認識させることができる。
【0171】
図１４は、本実施形態の演出制御手段１８０が実行する入賞補助演出として、当選エリア「打順ベル７」に当選した場合における入賞補助演出を例示する図である。図１４（Ａ）に示すように、本実施形態の演出制御手段１８０は、遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ演出状態が通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態である状態で、当選エリア「打順ベル７」に当選した場合において、正解打順と、ベルＧを入賞可能にするストップボタンＢ１の押下タイミングと、を報知する演出として、正解打順のうち第１停止操作を実行するストップボタン及び該ストップボタンの押下タイミングを報知する第１入賞補助演出指標３３０ａと、正解打順のうち第２停止操作を実行するストップボタンを報知する第３入賞補助演出指標３３０ｂと、正解打順のうち第３停止操作を実行するストップボタンを報知する第３入賞補助演出指標３３０ｃと、を表示装置３３０に表示する。
【0172】
ベルＧの入賞補助演出として表示する第１入賞補助演出指標３３０ａは、図１４（Ａ）に示すように、ベルＧの入賞図柄組合せ「赤７（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）」を構成する左リールＲ１の図柄であるベルＢ図柄「ＢＬＢ」と赤７図柄「赤７」とのうち、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」の幅Ｗ１よりも長い幅Ｗ２を有することでベルＡ図柄「ＢＬＡ」よりも視認性が高い赤７図柄「赤７」と略類似した意匠性を有し、左リールＲ１に配列された他の図柄とは類似しない画像から構成されている。
【0173】
第１入賞補助演出指標３３０ａ～第３入賞補助演出指標３３０ｃが表示されることで、スロットマシン１では、正解打順が打順１であることと、第１停止操作を実行するストップボタンＢ１について、表示窓ＤＷ内に赤７図柄「赤７」が回転表示されているタイミングでのストップボタンＢ１の押下を遊技者に狙わせることができる。
【0174】
図１４（Ｂ）は、図１４（Ａ）に示した状態から、表示窓ＤＷ内に赤７図柄「赤７」が回転表示されている状態で第１停止操作がストップボタンＢ１に実行された場合を示す図である。図１４（Ｂ）に示すように、スロットマシン１では、表示窓ＤＷ内に赤７図柄「赤７」が回転表示されている状態で第１停止操作がストップボタンＢ１に実行されることで、有効ラインＬ１を構成する左リールＲ１の上段に、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」が停止表示される。
【0175】
このように、本実施形態のスロットマシン１では、当選エリア「打順ベル７」の当選時において、表示窓ＤＷ内に左リールＲ１に配列された赤７図柄「赤７」が回転表示されているタイミングでストップボタンＢ１が第１停止操作された場合に、ベルＧの入賞図柄組合せ「赤７（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）」を構成する左リールＲ１の図柄のうちベルＢ図柄「ＢＬＢ」が有効ラインＬ１上に停止表示されるが、赤７図柄「赤７」について、当該遊技において入賞するベルＧの入賞図柄組合せを構成する左リールＲ１の図柄として設定されている。
【0176】
このため、本実施形態のスロットマシン１は、遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ演出状態が通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態である状態で、当選エリア「打順ベル７」に当選した場合において、第１入賞補助演出指標３３０ａとして赤７図柄「赤７」に類似した意匠を有する画像を表示する入賞補助演出が実行され、入賞補助演出に従った遊技が実行された際に赤７図柄「赤７」ではなくベルＢ図柄「ＢＬＢ」が有効ラインＬ１上に停止表示されてベルＧが入賞するものの、ベルＧの入賞図柄組合せ「赤７（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）」として有効ラインＬ１上に停止可能な図柄として赤７図柄「赤７」が設定されているため、入賞補助演出によって入賞が補助された役について遊技者が誤認してしまうことを防ぎつつ役の入賞を補助できる適切な演出を実行することができる。
【0177】
また、スロットマシン１は、第１入賞補助演出指標３３０ａとして、赤７図柄「赤７」に類似した画像を１つ、つまり単一の図柄に類似した意匠性を有する画像を用いることで、いずれの図柄が表示窓ＤＷ内に表示されているタイミングであるかを明確に遊技者に認識させることができる。
【0178】
このように、本実施形態のスロットマシン１は、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の打順が正解打順であり、かつ第１停止操作が適切な押下タイミングである場合にベルＡを入賞可能になる当選エリア「打順ベル１」に当選した場合に、入賞補助演出としてストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の打順と第１停止操作の押下タイミングとを報知する必要があるが、第１停止操作の押下タイミングの報知において、ベルＡの入賞図柄組合せを構成する左リールＲ１の図柄のうち、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」よりも視認性が高い青７図柄「青７」が表示窓ＤＷ内に表示されているタイミングでストップボタンＢ１を押下することを報知し、入賞補助演出に従った遊技が実行された際に青７図柄「青７」ではなくベルＡ図柄「ＢＬＡ」が有効ラインＬ１上に停止表示された場合であっても、ベルＡの入賞図柄組合せ「青７（ＢＬＡ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）－ＢＬＡ（ＢＬＢ）」として有効ラインＬ１上に停止可能な図柄として青７図柄「青７」が設定されているため、入賞補助演出によって入賞が補助された役について遊技者が誤認してしまうことを防ぎつつ役の入賞を補助できる適切な演出を実行することができる。
【0179】
また、本実施形態のスロットマシン１は、遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ演出状態がＡＴ状態である状態で、当選エリア「打順ベル１」に当選した場合において、第１入賞補助演出指標３３０ａとして青７図柄「青７」に類似した意匠を有する画像を表示する入賞補助演出が実行され、入賞補助演出に従った遊技が実行された際に、青７図柄「青７」の引き込み範囲内でストップボタンＢ１が押下された場合にも青７図柄「青７」ではなくベルＡ図柄「ＢＬＡ」が有効ラインＬ１上に停止表示されるため、有効ラインＬ１を構成する左リールＲ１の上段に確実にベルＡ図柄「ＢＬＡ」を表示することができ、表示窓ＤＷ内に停止表示される図柄を用いた演出を実行することができるとともに、ベルＡを入賞させるためのリール停止制御に係るプログラムにおいて、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」を左リールＲ１に停止表示するプログラムのみ作成すれば成立するため、プログラム容量を削減することができる。
【0180】
また、本実施形態においては、当選エリア「打順ベル２」～当選エリア「打順ベル６」について、入賞補助演出が実行される際に第１入賞補助演出指標３３０ａとして青７図柄「青７」に略類似した意匠性を有する画像が表示されるとともに、ベルＢ～ベルＦの入賞図柄組合せのうち第１停止操作が実行されるストップボタンに対応する特定リールの図柄が、いずれも青７図柄「青７」とベルＡ図柄「ＢＬＡ」とから構成されている。
【0181】
また、本実施形態においては、当選エリア「打順ベル７」～当選エリア「打順ベル１２」について、入賞補助演出が実行される際に第１入賞補助演出指標３３０ａとして赤７図柄「赤７」に略類似した意匠性を有する画像が表示されるとともに、ベルＧ～ベルＬの入賞図柄組合せのうち第１停止操作が実行されるストップボタンに対応する特定リールの図柄が、いずれも赤７図柄「赤７」とベルＢ図柄「ＢＬＢ」とから構成されている。
【0182】
この、１枚役Ａ～１枚役Ｃが、本実施形態における第２小役を構成し、ベルＡ～ベルＬが、本実施形態における１枚役Ａ～１枚役Ｃよりも多い配当の第１小役及び入賞図柄組合せを構成する特定リールの図柄として第２図柄を含む特定小役を構成し、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」で重複当選するベルＡ～ベルＬ、１枚役Ａ～１枚役Ｇが、本実施形態における複数種類の特定小役を構成する。また、特定当選態様が当選エリア「打順ベル１」又は当選エリア「打順ベル７」である場合には、打順１が所定の順序を構成し、特定当選態様が当選エリア「打順ベル２」又は当選エリア「打順ベル８」である場合には、打順２が所定の順序を構成し、特定当選態様が当選エリア「打順ベル３」又は当選エリア「打順ベル９」である場合には、打順３が所定の順序を構成し、特定当選態様が当選エリア「打順ベル４」又は当選エリア「打順ベル１０」である場合には、打順４が所定の順序を構成し、特定当選態様が当選エリア「打順ベル５」又は当選エリア「打順ベル１１」である場合には、打順５が所定の順序を構成し、特定当選態様が当選エリア「打順ベル６」又は当選エリア「打順ベル１２」である場合には、打順１が所定の順序を構成する。
【0183】
また、特定当選態様が当選エリア「打順ベル１」又は当選エリア「打順ベル２」である場合には、左リールＲ１が特定リールを構成し、ストップボタンＢ１が特定ストップボタンを構成し、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」が第１図柄を構成し、青７図柄「青７」が第２図柄を構成し、赤７図柄「赤７」が第３図柄を構成し、青７図柄「青７」に略類似した意匠性を有する画像を第１入賞補助演出指標３３０ａとして表示する入賞補助演出が、特定演出を構成する。また、特定当選態様が当選エリア「打順ベル３」又は当選エリア「打順ベル４」である場合には、中リールＲ２が特定リールを構成し、ストップボタンＢ２が特定ストップボタンを構成し、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」が第１図柄を構成し、青７図柄「青７」が第２図柄を構成し、赤７図柄「赤７」が第３図柄を構成し、青７図柄「青７」に略類似した意匠性を有する画像を第１入賞補助演出指標３３０ａとして表示する入賞補助演出が、特定演出を構成する。また、特定当選態様が当選エリア「打順ベル５」又は当選エリア「打順ベル６」である場合には、右リールＲ３が特定リールを構成し、ストップボタンＢ３が特定ストップボタンを構成し、ベルＡ図柄「ＢＬＡ」が第１図柄を構成し、青７図柄「青７」が第２図柄を構成し、赤７図柄「赤７」が第３図柄を構成し、青７図柄「青７」に略類似した意匠性を有する画像を第１入賞補助演出指標３３０ａとして表示する入賞補助演出が、特定補助演出を構成する。
【0184】
また、特定当選態様が当選エリア「打順ベル７」又は当選エリア「打順ベル８」である場合には、左リールＲ１が特定リールを構成し、ストップボタンＢ１が特定ストップボタンを構成し、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」が第１図柄を構成し、赤７図柄「赤７」が第２図柄を構成し、青７図柄「青７」が第３図柄を構成し、赤７図柄「赤７」に略類似した意匠性を有する画像を第１入賞補助演出指標３３０ａとして表示する入賞補助演出が、特定演出を構成する。また、特定当選態様が当選エリア「打順ベル９」又は当選エリア「打順ベル１０」である場合には、中リールＲ２が特定リールを構成し、ストップボタンＢ２が特定ストップボタンを構成し、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」が第１図柄を構成し、赤７図柄「赤７」が第２図柄を構成し、青７図柄「青７」が第３図柄を構成し、赤７図柄「赤７」に略類似した意匠性を有する画像を第１入賞補助演出指標３３０ａとして表示する入賞補助演出が、特定演出を構成する。また、特定当選態様が当選エリア「打順ベル１１」又は当選エリア「打順ベル１２」である場合には、右リールＲ３が特定リールを構成し、ストップボタンＢ３が特定ストップボタンを構成し、ベルＢ図柄「ＢＬＢ」が第１図柄を構成し、赤７図柄「赤７」が第２図柄を構成し、青７図柄「青７」が第３図柄を構成し、赤７図柄「赤７」に略類似した意匠性を有する画像を第１入賞補助演出指標３３０ａとして表示する入賞補助演出が、特定補助演出を構成する。
【0185】
５．状態決定制御の詳細
上述したように、本実施形態のＡＴ制御手段２００は、通常区間から有利区間に移行する場合に、有利区間に移行することに基づき状態決定制御を実行し、状態決定制御で決定した演出状態を有利区間の開始時における演出状態に設定するように構成されている。また、ＡＴ制御手段２００は、状態決定制御において決定可能な演出状態として、通常状態の他に、通常ＡＴ状態と、上乗せ特化状態と、の、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の当選時に規定投入数（３枚）よりも多い配当（１５枚）に設定されたベルＡ～ベルＬの入賞補助が実行されることで通常状態よりも有利な演出状態も決定可能に構成されている。
上述したように、本実施形態のＡＴ制御手段２００は、通常区間から有利区間に移行する場合に、有利区間に移行することに基づき状態決定制御を実行し、状態決定制御で決定した演出状態を有利区間の開始時における演出状態に設定するように構成されている。また、ＡＴ制御手段２００は、状態決定制御において決定可能な演出状態として、通常状態の他に、通常ＡＴ状態と、上乗せ特化状態と、の、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の当選時に規定投入数（３枚）よりも多い配当（１５枚）に設定されたベルＡ～ベルＬの入賞補助が実行されることで通常状態よりも有利な演出状態も決定可能に構成されている。
【0186】
そして、本実施形態のスロットマシン１は、通常状態から通常ＡＴ状態及び上乗せ特化状態に演出状態を移行しない構成となっており、通常状態において有利区間が終了して通常区間が開始され、通常区間から有利区間に移行することに基づき実行される状態決定制御を介さないと通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態に移行できない構成であることから、状態決定制御が、通常状態である場合よりも遊技者にとって有利な特定制御として構成されている。
【0187】
また、上述したように、本実施形態のＡＴ制御手段２００は、状態決定制御において、有利区間に移行する契機となった当選エリアに対応する抽選テーブルを取得し、取得した抽選テーブルを用いた抽選（状態決定抽選）を実行することで、有利区間の開始時における演出状態を決定するように構成されている。
【0188】
図３に示したように、ＡＴ制御手段２００は、通常区間における内部抽選で当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役２」に当選した場合と、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」に当選した場合と、当選エリア「レア役」に当選した場合と、に通常区間から有利区間に移行するように構成されている。なお、以下の記載において、通常区間における内部抽選で当選した場合に有利区間へ移行しない当選エリアを、非移行役とも記載する。
【0189】
ここで、本実施形態のスロットマシン１では、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値に応じて、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役１」～当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」の当選確率が変更され、他の当選エリアについて、設定値がいずれの設定値である場合にも当選確率が変更されないように構成されている。
【0190】
具体的な当選確率について、図１５（Ａ）を用いて説明する。図１５（Ａ）は、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値が設定１である場合における各当選エリアの当選確率と、設定値が設定６である場合における各当選エリアの当選確率と、について示す図である。図１５（Ａ）に示すように、スロットマシン１では、非移行役に含まれる当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役１」の当選確率について、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値が小さい値（設定１）である場合の方が、設定値が大きい値（設定６）である場合よりも高くなるように構成されている。また、スロットマシン１では、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役２」、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」の当選確率について、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値が大きい値（設定６）である場合の方が、設定値が小さい値（設定１）である場合よりも高くなるように構成されている。
【0191】
このような構成であることから、本実施形態のＡＴ制御手段２００は、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値が第１の値（設定１）よりも大きい第２の値（設定６）である場合の方が、通常区間から有利区間へ移行する契機となる当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役２」、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」に当選する確率が高いことで、有利区間に移行しやすい構成となっている。
【0192】
なお、図１５（Ａ）においては、第１の設定値としての設定１である場合と、第２の設定値としての設定６である場合と、について記載されているが、スロットマシン１においては、設定１～設定６と設定値が大きな値になる程、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役１」の当選確率が低くなり、かつ当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役２」、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」の当選確率が高くなるように構成されている。
【0193】
図１５（Ｂ）は、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役２」に当選した場合にＡＴ制御手段２００が実行する状態決定抽選における各演出状態の当選確率を示す図である。図１５（Ｂ）に示すように、ＡＴ制御手段２００は、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役２」に当選した場合に、設定１、設定６のいずれである場合にも、通常状態に決定する確率が最も高い。また、ＡＴ制御手段２００は、設定１である場合よりも、設定６である場合の方が、通常ＡＴ状態に決定する確率が高い状態決定抽選を実行する。
【0194】
図１５（Ｃ）は、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」に当選した場合にＡＴ制御手段２００が実行する状態決定抽選における各演出状態の当選確率を示す図である。図１５（Ｃ）に示すように、ＡＴ制御手段２００は、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」に当選した場合に、設定１、設定６のいずれである場合にも、通常ＡＴ状態に決定する確率が最も高い。また、ＡＴ制御手段２００は、設定１である場合よりも、設定６である場合の方が、上乗せ特化状態に決定する確率が高い状態決定抽選を実行する。
【0195】
図１５（Ｄ）は、当選エリア「レア役」に当選した場合にＡＴ制御手段２００が実行する状態決定抽選における各演出状態の当選確率を示す図である。図１５（Ｄ）に示すように、ＡＴ制御手段２００は、当選エリア「レア役」に当選した場合に、設定１、設定６のいずれである場合にも、上乗せ特化状態に決定するように構成されている。
【0196】
図１５（Ｅ）は、１回の遊技が実行される場合における通常区間から有利区間に移行し演出状態が設定される確率について示す図である。ＡＴ制御手段２００は、設定１である場合に、通常区間での遊技において当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役２」、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」、当選エリア「レア役」のいずれかに当選した場合、つまり図１５（Ａ）に示す４５８６／６５５３６（約１／１４．３）の確率で、有利区間に移行するとともに、状態決定制御において実行される状態決定抽選において、図１５（Ｅ）に示す確率で各演出状態に決定するように構成されており、通常ＡＴ状態又は上乗せとか状態に移行する確率（通常ＡＴ状態に決定する確率と上乗せ特化状態に決定する確率との合算）が、約１／２８．４となっている。
【0197】
また、ＡＴ制御手段２００は、設定６である場合に、通常区間での遊技において当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役２」、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」、当選エリア「レア役」のいずれかに当選した場合、つまり図１５（Ａ）に示す３２７６８／６５５３６（約１／２．０）の確率で、有利区間に移行するとともに、状態決定制御において実行される状態決定抽選において、図１５（Ｅ）に示す確率で各演出状態に決定するように構成されており、通常ＡＴ状態又は上乗せとか状態に移行する確率が、約１／４．０となっている。
【0198】
このように、ＡＴ制御手段２００は、通常区間から有利区間への移行に基づき実行する状態決定制御において、設定１である場合よりも、設定６である場合の方が、通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態に移行する確率が高くなるように構成されている。この、設定１において通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態に移行する確率（約１／２８．４）が、第１の確率を構成し、設定６において通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態に移行する確率（約１／４．０）が、第２の確率を構成する。
【0199】
図１５（Ｆ）は、状態決定制御が実行される場合における各演出状態への移行確率を示す図である。上述したように、本実施形態のスロットマシン１では、設定１である場合に、状態決定抽選において「通常ＡＴ状態に決定」に当選する確率が高い当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」に当選する確率よりも、状態決定抽選において「上乗せ特化状態に決定」に当選する当選エリア「レア役」に当選する確率の方が高いため、状態決定制御が実行される場合において、通常ＡＴ状態よりも上乗せ特化状態に決定される確率の方が高くなるように構成されている。具体的には、約１／１４．３のうち約１４．４％（第１の割合）の割合で通常ＡＴ状態に決定されて通常ＡＴ状態に移行され、約１／１４．３のうち約３６．０％（第２の割合）の割合で上乗せ特化状態に決定されて上乗せ特化状態に移行される。
【0200】
また、スロットマシン１では、設定６である場合に、当選エリア「レア役」に当選する確率よりも、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」に当選する確率の方が高いため、状態決定制御が実行される場合において、上乗せ特化状態よりも通常ＡＴ状態に決定される確率の方が高くなるように構成されている。具体的には、約１／２．０のうち約４５．０％（第３の割合）の割合で通常ＡＴ状態に決定されて通常ＡＴ状態に移行され、約１／２．０のうち約５．５％（第４の割合）の割合で上乗せ特化状態に決定されて上乗せ特化状態に移行される。
【0201】
このように、本実施形態のスロットマシン１は、設定１でかつ状態決定制御が実行される場合に第２の割合としての約３６．０％で上乗せ特化状態に決定されて上乗せ特化状態に移行され、設定６でかつ状態決定制御が実行される場合に第４の割合としての約５．５％で上乗せ特化状態に決定されて上乗せ特化状態に移行される、つまり第２の割合の方が第４の割合よりも大きい構成となっている。
【0202】
このため、スロットマシン１は、状態決定制御が実行される確率については設定６の方が設定１よりも高く、設定６の方が設定１よりもＡＴ状態に移行しやすいものの、移行するＡＴ状態が通常ＡＴ状態となる確率が上乗せ特化状態となる確率よりも高く、設定１でかつ状態決定制御によってＡＴ状態への移行が決定された場合には、移行するＡＴ状態が上乗せ特化状態となる確率が通常ＡＴ状態となる確率よりも高いため、設定１である場合に状態決定制御によってＡＴ状態に移行することができた場合には、上乗せ特化状態に移行し長期に亘ってＡＴ状態が継続する可能性が高く、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値が設定１である場合にも遊技者の遊技に対する興趣を高めることができ、有利区間を有した上で遊技機としての商品性を向上させることができる。
【0203】
また、上述したように、スロットマシン１は、設定１～設定６と設定値が大きな値になる程、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役１」の当選確率が低くなり、かつ当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役２」、当選エリア「ＲＢＢ＆１枚役３」の当選確率が高くなるように構成されていることから、状態決定制御が実行される確率と、ＡＴ状態に移行する確率と、については設定値が高くなる程高くなるものの移行するＡＴ状態が通常ＡＴ状態となる確率が上乗せ特化状態となる確率よりも高くなることから、状態移行制御によってＡＴ状態への移行が決定された場合に、移行するＡＴ状態が上乗せ特化状態となる確率が設定値が小さい値になる程高くなるため、設定値が小さい値になる程上乗せ特化状態に移行し長期に亘ってＡＴ状態が継続する可能性が高くなり、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値が小さい値である場合にも遊技者の遊技に対する興趣を高めることができ、有利区間を有した上で遊技機としての商品性を向上させることができる。
【0204】
また、上述したように、本実施形態のＡＴ制御手段２００は、上乗せ特化状態において、通常ＡＴ状態が継続する期間を上乗せするように構成されているとともに、上乗せ特化状態を終了した場合に通常ＡＴ状態に演出状態を移行するように構成されている。このため、スロットマシン１では、状態決定制御において上乗せ特化状態に決定した場合には、状態決定制御において通常ＡＴ状態に決定した場合よりも、遊技機の設計上ＡＴ状態が継続する期間が長くなる構成となっている。
【0205】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン１は、通常区間から有利区間への移行に基づく状態決定制御によってＡＴ状態が開始される場合に、設定６である場合よりも設定１である場合の方が、上乗せ特化状態から開始される確率が高く、メダルの獲得数の期待値が設計上高くなるように構成されており、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値が設定１である場合にも遊技者の遊技に対する興趣を高めることができ、有利区間を有した上で遊技機としての商品性を向上させることができる。
【0206】
６．有利区間に係る制御と演出との関係
上述したように、本実施形態において、主制御部１０では、設定変更手段１００による設定変更制御が実行された場合と、ＡＴ制御手段２００によって有利区間から通常区間に移行される場合と、に、ＡＴ制御データ記憶手段１９７に記憶されている更新可能な情報が初期化されるように更新されており、設定変更制御が実行された場合や、有利区間が終了する場合において、初期化される以前の遊技によってＡＴ制御データ記憶手段１９７に記憶された情報を初期化された以降における遊技に引き継ぐことができない構成となっている。
上述したように、本実施形態において、主制御部１０では、設定変更手段１００による設定変更制御が実行された場合と、ＡＴ制御手段２００によって有利区間から通常区間に移行される場合と、に、ＡＴ制御データ記憶手段１９７に記憶されている更新可能な情報が初期化されるように更新されており、設定変更制御が実行された場合や、有利区間が終了する場合において、初期化される以前の遊技によってＡＴ制御データ記憶手段１９７に記憶された情報を初期化された以降における遊技に引き継ぐことができない構成となっている。
【0207】
これに対し、副制御部２０では、主制御部１０において設定変更制御が実行された場合や、有利区間から通常区間に移行した場合においても、遊技の経過が初期化されない構成となっており、通常区間が設定された契機が設定変更制御によるものであるか否かの判定や、通常区間に移行する前に有利区間で行われた補助遊技に係る制御の内容の判定について、実行可能に構成されている。
【0208】
このため、スロットマシン１では、設定変更制御が実行されたことに基づき通常区間に制御されている場合に、仮に、通常区間に制御されていることに基づきＣＺ演出を実行する構成であると、スロットマシン１の稼働を開始した直後に通常区間に制御されており短期間のうちに状態決定制御が実行可能な状態であることが報知されてしまい、遊技機の商品性の低下及び攻略性に繋がる虞がある。
【0209】
このような事情を鑑み、本実施形態の演出制御手段１８０は、設定変更制御が実行されたことに基づき通常区間に制御されている場合に、通常区間であってもＣＺ演出を実行せず、有利区間中の演出状態である通常状態である場合に実行する通常演出を実行するように構成されている。
【0210】
この構成により、本実施形態のスロットマシン１は、設定変更制御が実行されたか否かが遊技者から判別されにくくなるとともに、設定変更制御が実行されたことで稼働を開始してから短期間で状態決定制御が実行され得る状態であることも報知されないため、遊技機の商品性の低下を防ぐことができるとともに、攻略性が生じることを防ぐことができる。
【0211】
そして、上述したように、本実施形態の演出制御手段１８０は、ＡＴ制御手段２００によってＡＴ状態に移行される場合に、今回開始されるＡＴ状態に至るまでの遊技の経過に応じて、実行する移行報知演出の演出内容を決定するように構成されている。具体的には、演出制御手段１８０は、有利区間における演出状態が通常状態である状態で有利区間が終了して通常区間に移行し、該通常区間から有利区間に移行する場合における状態決定制御で通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態に決定された場合に、移行報知演出として、通常状態からＣＺ演出が実行されていた通常区間を介してＡＴ状態へ移行されることを報知するＡＴ初当たり演出を実行する。
【0212】
なお、演出制御手段１８０は、通常区間が設定変更制御が実行されたことで開始されたことに基づき通常演出を実行している状態で、状態決定制御によって通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態への移行が決定された場合、移行報知演出としてＡＴ初当たり演出を実行する。これにより、スロットマシン１では、演出状態が通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態に移行した場合に、入賞補助演出を含むＡＴ状態における演出を違和感なく実行することができる。
【0213】
一方、有利区間における演出状態が通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態である状態で有利区間が終了して通常区間に移行し、該通常区間から有利区間に移行する場合における状態決定制御で通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態に決定された場合、スロットマシン１では、ＡＴ状態からＣＺ演出が実行される通常区間を介して再度ＡＴ状態が開始される状態となっている。このため、演出制御手段１８０は、移行報知演出として、ＡＴ状態が通常区間を介して継続して実行されることを報知するＡＴ継続判定演出を実行する。
【0214】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン１は、有利区間がＡＴ状態で終了し、通常区間に移行した後に状態決定制御によって再度ＡＴ状態に決定された場合に、１回目のＡＴ状態が開始されることを報知するＡＴ初当たり演出とは異なり、ＡＴ状態が通常区間を介して継続して実行されることを報知するＡＴ継続判定演出を実行することで、遊技者にとって有利な状態が継続して実行されているにもかかわらず１回目のＡＴ状態が開始されることを報知する演出によって、遊技の進行と演出の内容とに齟齬が生まれ遊技者の演出に対する興趣が低下してしまうことを防ぐことができるとともに、遊技の進行に沿った適切な演出によって遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる。
【0215】
この、有利区間から通常区間に移行する場合にＡＴ制御手段２００に初期化されるＡＴ制御データ記憶手段１９７が、本実施形態における補助遊技記憶手段を構成し、移行報知演出が、本実施形態における特定演出を構成し、ＡＴ初当たり演出が、本実施形態における第１特定演出を構成し、ＡＴ継続判定演出が、本実施形態における第２特定演出を構成する。
【0216】
７．本実施形態のまとめ
以上のように、本実施形態のスロットマシン１は、状態決定制御が実行される確率については設定６の方が設定１よりも高く、設定６の方が設定１よりもＡＴ状態に移行しやすいものの、移行するＡＴ状態が通常ＡＴ状態となる確率が上乗せ特化状態となる確率よりも高く、設定１でかつ状態決定制御によってＡＴ状態への移行が決定された場合には、移行するＡＴ状態が上乗せ特化状態となる確率が通常ＡＴ状態となる確率よりも高いため、設定１である場合に状態決定制御によってＡＴ状態に移行することができた場合には、上乗せ特化状態に移行し長期に亘ってＡＴ状態が継続する可能性が高く、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値が設定１である場合にも遊技者の遊技に対する興趣を高めることができ、有利区間を有した上で遊技機としての商品性を向上させることができる。
以上のように、本実施形態のスロットマシン１は、状態決定制御が実行される確率については設定６の方が設定１よりも高く、設定６の方が設定１よりもＡＴ状態に移行しやすいものの、移行するＡＴ状態が通常ＡＴ状態となる確率が上乗せ特化状態となる確率よりも高く、設定１でかつ状態決定制御によってＡＴ状態への移行が決定された場合には、移行するＡＴ状態が上乗せ特化状態となる確率が通常ＡＴ状態となる確率よりも高いため、設定１である場合に状態決定制御によってＡＴ状態に移行することができた場合には、上乗せ特化状態に移行し長期に亘ってＡＴ状態が継続する可能性が高く、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値が設定１である場合にも遊技者の遊技に対する興趣を高めることができ、有利区間を有した上で遊技機としての商品性を向上させることができる。
【0217】
また、本実施形態のスロットマシン１は、通常区間から有利区間への移行に基づく状態決定制御によってＡＴ状態が開始される場合に、設定６である場合よりも設定１である場合の方が、上乗せ特化状態から開始される確率が高く、メダルの獲得数の期待値が高くなるように構成されており、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値が設定１である場合にも遊技者の遊技に対する興趣を高めることができ、有利区間を有した上で遊技機としての商品性を向上させることができる。
【0218】
また、本実施形態のスロットマシン１は、有利区間がＡＴ状態で終了し、通常区間に移行した後に状態決定制御によって再度ＡＴ状態に決定された場合に、１回目のＡＴ状態が開始されることを報知するＡＴ初当たり演出とは異なり、ＡＴ状態が通常区間を介して継続して実行されることを報知するＡＴ継続判定演出を実行することで、遊技者にとって有利な状態が継続して実行されているにもかかわらず１回目のＡＴ状態が開始されることを報知する演出によって、遊技の進行と演出の内容とに齟齬が生まれ遊技者の演出に対する興趣が低下してしまうことを防ぐことができるとともに、遊技の進行に沿った適切な演出によって遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる。
【0219】
８．変形例
なお、本実施形態において、ＡＴ制御手段２００は、通常状態から通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態に移行しないように構成されているが、これに限定されない。ＡＴ制御手段２００は、例えば、通常状態における内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合に、演出状態を通常ＡＴ状態に移行するか否かを決定するＡＴ移行抽選を実行可能に構成されていてもよい。
なお、本実施形態において、ＡＴ制御手段２００は、通常状態から通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態に移行しないように構成されているが、これに限定されない。ＡＴ制御手段２００は、例えば、通常状態における内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合に、演出状態を通常ＡＴ状態に移行するか否かを決定するＡＴ移行抽選を実行可能に構成されていてもよい。
【0220】
このように構成される場合において、ＡＴ制御手段２００は、通常ＡＴ状態から通常状態に演出状態が移行した後に、短期間のうち（例えば１０ゲーム以内）にＡＴ移行抽選によってＡＴ状態への移行を決定した場合に、所定の遊技回数（例えば２０ゲーム）の遊技が実行されるまで継続し、通常ＡＴ状態へ移行する可能性が高いことを報知する演出が実行される前兆状態を実行するように構成されていてもよい。
【0221】
また、本実施形態において、ＡＴ制御手段２００は、通常区間から有利区間に移行することに基づき状態決定制御を実行し、有利区間が開始される遊技からＡＴ状態を実行可能に構成されているが、これに限定されない。ＡＴ制御手段２００は、例えば、通常区間から有利区間に移行することに基づき設定する有利区間の開始時の演出状態として、通常状態よりも通常ＡＴ状態への移行確率が高いことで、通常状態よりも遊技者にとって有利なＣＺ状態を実行するように構成されていてもよい。
【0222】
このように構成される場合、ＡＴ制御手段２００は、有利区間へ移行する契機となった当選エリアとＣＺ状態におけるＡＴ状態への移行確率と、が対応付けられていない構成であってもよい。具体的には、ＡＴ制御手段２００は、有利区間へ移行する契機となる当選エリアがいずれの当選エリアであっても共通の制御をＣＺ状態において行い、ＣＺ状態において、設定値記憶手段１９１に記憶されている設定値に応じた確率で、ＣＺ状態の終了後の演出状態をＡＴ状態にするか否かを決定するように構成されていてもよい。また、このように構成される場合、ＣＺ状態が、特定制御を構成する。
【0223】
また、本実施形態において、ＡＴ制御手段２００は、状態決定制御において上乗せ特化状態に移行する確率について、設定１である場合よりも設定６である場合の方が高い確率となるように構成されているが、これに限定されない。ＡＴ制御手段２００は、例えば、状態決定制御において上乗せ特化状態に移行する確率について、設定１である場合と設定６である場合とで同じ確率に構成されていてもよく、設定６である場合よりも設定１である場合の方が高い確率となるように構成されていてもよい。
【0224】
このように構成される場合において、ＡＴ制御手段２００は、通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態のＡＴ状態に移行する確率について、設定１である場合よりも設定６である場合の方が高い確率となるように構成されていることが好ましい。
【0225】
また、本実施形態において、ＡＴ制御手段２００は、状態決定制御において、非ＡＴ状態に含まれる通常状態と、ＡＴ状態に含まれる通常ＡＴ状態と、ＡＴ状態に含まれる上乗せ特化状態と、を決定可能に構成されているが、これに限らず、例えば、ＡＴ状態に含まれる通常ＡＴ状態と、ＡＴ状態に含まれる上乗せ特化状態と、を決定可能に構成され、通常状態に決定しないように構成されていてもよい。
【0226】
また、本実施形態において、ＡＴ制御手段２００は、状態決定制御において、有利区間への移行契機となるいずれの当選エリアに当選した場合にも、有利区間が開始された場合にも通常ＡＴ状態又は上乗せ特化状態に移行可能に構成されているが、これに限定されない。ＡＴ制御手段２００は、例えば、通常区間における内部抽選で予め定められた当選エリア（例えば、当選エリア「通常リプレイ１」）に当選したことに基づき有利区間が開始された場合に、状態決定制御において通常状態を開始すると決定するように構成されていてもよい。つまり、ＡＴ制御手段２００は、通常区間から有利区間に移行する場合に、第２状態への移行に係る制御として、第１状態である場合よりも遊技者にとって有利な特定制御を必ず実行する必要はなく、特定制御を実行可能に構成されていればよい。
【0227】
また、本実施形態において、スロットマシン１は、移行報知演出として、副制御部２０によって制御される演出を実行するように構成されているが、これに限らず、例えば、副制御部２０によって制御される演出と並行して、主制御部１０によって制御される左リールＲ１～右リールＲ３を用いた回胴演出や、スタートレバーＳＬへの操作によって左リールＲ１～右リールＲ３を回転させ、ストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３への押下操作によって左リールＲ１～右リールＲ３を仮停止させることで、遊技者に遊技を擬似的に体験させる擬似遊技を実行するように構成されていてもよい。
【0228】
このように構成される場合、スロットマシン１では、移行報知演出について、複数種類の演出を実行可能に構成されるものの、有利区間が開始されたことに基づくＡＴ状態への移行に伴う回胴演出について、遊技の経過と対応付けられていない態様の回胴演出を実行するように構成される。具体的には、スロットマシン１は、予め定められた所定の回胴演出を実行する構成や、複数種類の回胴演出のうちいずれか１つを抽選により決定して実行する構成にすることが好ましい。
【0229】
また、本実施形態において、演出制御手段１８０は、有利区間が通常状態で終了し、かつ通常区間から有利区間に移行することに基づく状態決定制御でＡＴ状態が決定された場合に、移行報知演出としてＡＴ初当たり演出を実行するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段１８０は、例えば、通常ＡＴ状態から通常状態に移行した後に、短期間のうち（例えば１０ゲーム以内）に当選エリア「レア役」に当選し、通常状態が終了した場合のような、ＡＴ状態が終了した後に早期にＡＴ状態が再開される場合には、ＡＴ初当たり演出ではなくＡＴ継続判定演出を実行するように構成されていてもよい。
【0230】
また、本実施形態において、ＡＴ制御手段２００は、第１の有利状態として通常ＡＴ状態を有し、第２の有利状態として上乗せ特化状態を有しているが、これに限定されない。ＡＴ制御手段２００は、例えば、第１の有利状態として、ＡＴゲーム数カウンタに初期設定される値が値「３０」となっている第１ＡＴ状態を有し、第２の有利状態として、ＡＴゲーム数カウンタに初期設定される値が値「１００」となっている第２ＡＴ状態を有していてもよい。つまり、ＡＴ制御手段２００は、第２の有利状態として、第１の有利状態よりも遊技者にとって有利な状態を有していればよく、その具体的な構成について、本実施形態に限定されるものではない。
【0231】
また、本実施形態において、スロットマシン１は、入賞図柄組合せを構成する特定リールの図柄として第２図柄を含む特定小役として、第１小役としてのベルＡ～ベルＬを有しているが、これに限定されない。スロットマシン１は、例えば、第１小役の入賞図柄組合せを構成する特定リールの図柄として第２図柄を含まず、第２小役の入賞図柄組合せを構成する特定リールの図柄として第２図柄を含むように構成されていてもよい。
【0232】
また、スロットマシン１は、例えば、第２図柄が青７図柄「青７」であるベルＡ～ベルＦに対応する特定小役として、入賞図柄組合せが「青７－青７－青７」から構成された１枚役Ｈを有し、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル６」のすべてで１枚役Ｈが重複当選するように構成され、第２図柄が赤７図柄「赤７」であるベルＧ～ベルＬに対応する特定小役として、入賞図柄組合せが「赤７－赤７－赤７」から構成された１枚役Ｉを有し、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル６」のすべてで１枚役Ｈが重複当選するように構成されていてもよい。
【0233】
このように構成される場合において、スロットマシン１は、１枚役Ｈ、１枚役Ｉについて、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の当選時にはストップボタンＢ１～ストップボタンＢ３の操作態様によらず入賞することがなく、ボーナス状態における内部抽選で当選エリア「全１枚役」に当選した場合に入賞可能となるように構成されていてもよい。
【0234】
また、スロットマシン１は、例えば、入賞図柄組合せを構成する特定リールの図柄として第２図柄を含む特定小役として、特定当選態様が当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル６」である場合には、第１小役としてのベルＡ～ベルＦと、１枚役Ｈと、の複数の小役を有し、特定当選態様が当選エリア「打順ベル７」～当選エリア「打順ベル１２」である場合には、第１小役としてのベルＧ～ベルＬと、１枚役Ｉと、の複数の小役を有するように構成されていてもよい。
【0235】
つまり、スロットマシン１は、入賞図柄組合せを構成する特定リールの図柄として第２図柄を含む特定小役について、第１小役に限らず、特定当選態様の当選時に重複当選する小役であればいずれの小役が入賞図柄組合せを構成する特定リールの図柄として第２図柄を含む特定小役であってもよく、また、その個数について、少なくとも１つの小役を有していれば複数であってもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【0236】
また、本実施形態において、演出制御手段１８０は、表示窓ＤＷ内に第２図柄が表示されているタイミングでの特定ストップボタンの押下を遊技者に狙わせる表示として、第２図柄と類似した意匠性を有する画像を第１入賞補助演出指標３３０ａとして表示する演出を実行するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段１８０は、例えば、停止操作の順番を示す数字「１」を、第２図柄の色から構成した画像を第１入賞補助演出指標３３０ａとして用いることで、表示窓ＤＷ内に第２図柄が表示されているタイミングでの特定ストップボタンの押下を遊技者に狙わせてもよい。
【0237】
また、演出制御手段１８０は、例えば、停止操作の順番を示す数字「１」から構成した画像を第１入賞補助演出指標３３０ａとして用いるとともに、第１入賞補助演出指標３３０ａ～第３入賞補助演出指標３３０ｃを表示するタイミングで表示装置３３０内の背景を第２図柄の色と近似した色に変更することで、表示窓ＤＷ内に第２図柄が表示されているタイミングでの特定ストップボタンの押下を遊技者に狙わせる表示を行うように構成されていてもよい。
【0238】
つまり、演出制御手段１８０は、特定演出として、表示窓ＤＷ内に第２図柄が表示されているタイミングでの特定ストップボタンの押下を遊技者に狙わせる表示を行うように構成されていればよく、その具体的な演出の内容については、本実施形態の内容に限定されるものではない。
【0239】
また、本実施形態において、スロットマシン１は、第２図柄として、第１図柄よりも幅が長いことで第１図柄よりも視認性が高い図柄（青７図柄「青７」、赤７図柄「赤７」）を有しているが、これに限定されない。スロットマシン１は、例えば、第１図柄として、リールの裏側からリールテープを照らすリールバックライトが透過しない画像から構成された図柄を有し、第２図柄として、リールバックライトが透過する画像から構成された図柄を有することで、特定リールの回転時において、第２図柄が発光して回転表示されることで、第１図柄よりも視認性が高くなるように構成されていてもよい。また、スロットマシン１は、例えば、第１図柄と、第２図柄及び第３図柄以外の図柄と、が第１色（例えば青色）から構成され、第２図柄が第２色（例えば赤色）から構成されることで、特定リールの回転時において、第２図柄が回転表示されるときだけ第２色の図柄が回転表示されることで、第１図柄よりも視認性が高くなるように構成されていてもよい。
【0240】
つまり、スロットマシン１は、第２図柄の視認性について、第１図柄よりも視認性が高くなるように構成されていればよく、その具体的な構成については、本実施形態に限定されるものではない。
【0241】
また、スロットマシン１は、第３図柄についても第２図柄と略同様に、第１図柄よりも視認性が高くなるように構成されていればいずれの構成であってもよく、その具体的な構成については、本実施形態に限定されるものではない。
【0242】
また、本実施形態において、スロットマシン１は、第２図柄として青７図柄「青７」と赤７図柄「赤７」のいずれか一方を有し、第３図柄として青７図柄「青７」と赤７図柄「赤７」のいずれか他方を有しており、略同一の形状であるものの色相が異なることで、特定リールの回転中においても第２図柄と第３図柄とが異なる図柄であることを容易に判別できるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン１は、例えば、第２図柄と第３図柄とについて、一方の明度が白や黒といった極めて高い又は低い色の図柄から構成され、他方の明度が第２図柄とは異なる明度から構成されることで容易に判別できるように構成されていてもよく、また、彩度に大きな差を有する図柄から第２図柄と第３図柄とが構成されることで容易に判別できるように構成されていてもよく、略同一の形状から第２図柄と第３図柄とが構成される場合において第２図柄と第３図柄とを判別容易にする構成については、本実施形態に限定されるものではない。
【0243】
また、本実施形態において、第２図柄は、左リールＲ１～右リールＲ３において１コマだけ配列された青７図柄「青７」又は赤７図柄「赤７」から構成されているが、これに限定されない。第２図柄は、第１図柄の引き込み範囲内に少なくとも１つ配列されていればよく、複数個配列されていてもよい。また、第３図柄についても、第１図柄の引き込み範囲内に配列されていなければよく、特定リールにおいて複数個配列されていてもよい。
【0244】
また、本実施形態において、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」は、正解打順で、かつ適切な押下タイミングで第１停止操作が実行されることでベルＡ～ベルＬが入賞可能となるように構成されているが、これに限らず、第１停止操作～第３停止操作のうち、少なくとも１つの停止操作において適切な押下タイミングとなればベルＡ～ベルＬが入賞可能となるように構成されていればよい。
【0245】
このように構成された場合、演出制御手段１８０は、当選エリア「打順ベル１」～当選エリア「打順ベル１２」の当選時において、正解打順と、第１停止操作～第３停止操作のうち、適切な押下タイミングが求められる少なくとも１つの停止操作に対応する特定ストップボタンについて、第２図柄が表示されているタイミングでの特定ストップボタンの押下を遊技者に狙わせる表示と、を行うように構成されていればよい。
【0246】
また、本実施形態において、スロットマシン１は、第２小役として１枚の配当に設定された１枚役Ａ～１枚役Ｌを有しているが、これに限定されない。スロットマシン１は、第１配当よりも少ない枚数の配当に設定された小役を第２小役として有していればよく、例えば、第１規定投入数（３枚）と同数の３枚の配当に設定された３枚役を第２小役として有していてもよい。
【0247】
また、本実施形態において、スロットマシン１は、第１図柄について、引き込み範囲が２０コマ中１０コマになるように特定リールに配列され、第１図柄の引き込み範囲内に第２図柄の引き込み範囲のすべてが包含されるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン１は、例えば、第１図柄が特定リールに１個配列され、第２図柄の引き込み範囲の一部が第１図柄の引き込み範囲からはみ出るように構成されていてもよい。
【0248】
このように構成された場合、スロットマシン１では、特定当選態様に当選し、特定ストップボタンへの第１停止操作を実行する際に、第２図柄が表示窓ＤＷに表示されるタイミングで特定ストップボタンが押下された場合に、第２図柄が有効ラインＬ１上に停止表示されうる構成となる。
【0249】
また、本実施形態において、スロットマシン１は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし、毎回の遊技の実行時に１ずつ減算するデクリメント更新や、毎回の遊技の実行時に１ずつ加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、各カウンタや記憶手段の更新方法については乗算や除算等を実行するように構成されていてもよく、特に限定されない。
【符号の説明】
【0250】
１ スロットマシン（遊技機）
１０ 主制御部
２０ 副制御部
１００ 設定変更手段
１２０ 内部抽選手段
１８１ 副記憶手段
２００ ＡＴ制御手段（補助遊技制御手段）
Ｒ１ 左リール
Ｒ２ 中リール
Ｒ３ 右リール
１０ 主制御部
２０ 副制御部
１００ 設定変更手段
１２０ 内部抽選手段
１８１ 副記憶手段
２００ ＡＴ制御手段（補助遊技制御手段）
Ｒ１ 左リール
Ｒ２ 中リール
Ｒ３ 右リール
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】