特開 2022-108758 フェイスシールド付マスク

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022108758

(43)【公開日】2022-07-27

(54)【発明の名称】フェイスシールド付マスク

(51)【国際特許分類】

   A41D 13/11 20060101AFI20220720BHJP

   A62B 18/02 20060101ALI20220720BHJP

【ＦＩ】

A41D13/11 Z

A62B18/02 A

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021003852

(22)【出願日】2021-01-14

(71)【出願人】

【識別番号】521020491

【氏名又は名称】有限会社コミ―

(74)【代理人】

【識別番号】100094536

【弁理士】

【氏名又は名称】高橋 隆二

(74)【代理人】

【識別番号】100129805

【弁理士】

【氏名又は名称】上野 晋

(74)【代理人】

【識別番号】100189315

【弁理士】

【氏名又は名称】杉原 誉胤

(72)【発明者】

【氏名】中田 淳

【テーマコード（参考）】

2E185

【Ｆターム（参考）】

2E185AA07

2E185BA13

2E185CC32

(57)【要約】

【課題】マイクを持って唄いやすく、また唄っている人の周りにいる人に対して、飛沫による感染を抑制することができるフェイスシールド付マスクを提供する。
【解決手段】装着者の頭部に固定可能な固定具１１が設けられたフェイスシールド１２と、外表面側に、フェイスシールド１２の内側に設けられた被係止部１３と係合する係止部２１が設けられ、装着者の鼻と口を覆うマスク２２とを有し、係止部２１が、被係止部１３と係合することにより、マスク２２が立体的な空間を形成する。
【選択図】 図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

装着者の頭部に固定可能な固定具が設けられたフェイスシールドと、
外面側に、前記フェイスシールドの内面に設けられた被係止部と係合する係止部が設けられ、装着者の鼻と口を覆うマスクと、
を有し、
前記係止部が、前記被係止部と係合することにより、前記マスクが立体的な空間を形成することを特徴とするフェイスシールド付マスク。

【請求項2】

前記フェイスシールドが、前記装着者の顔面に対して、２０度以上８０度以下で傾斜し、前記フェイスシールドの下端部が開放した形状に形成されていることを特徴とする請求項１に記載のフェイスシールド付マスク。

【請求項3】

前記固定具が、前記フェイスシールドから取外し可能であることを特徴とする請求項１、又は２に記載のフェイスシールド付マスク。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、フェイスシールド付マスクに関する。

【背景技術】

【0002】

各種ウイルス等の飛沫感染予防としてマスクや、フェイスシールドがよく知られている。マスクや、フェイスシールドを装着することにより、飛沫による感染を抑制することができる。一般的な会話や、大声を出さない通勤時の電車や、バスの室内であれば、マスクや、フェイスシールドを装着することにより、十分な感染対策となる。また、特許文献１には、フェイスシールドがマスクと一体化した考案が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】実用新案登録第３２２８４１３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、室内で、複数人が集まった状態のカラオケを行った場合、フェイスシールド単体、又はマスク単体では、唄っている人等からの飛沫による感染拡大を抑えることが困難であることが知られている。そして、特許文献１に開示されたフェイスシールドと一体化したマスクを装着したとしても、装着者の口にマスクが密着した状態であるため、唄いづらく、またフェイスシールドを装着している状態では、フェイスシールドが邪魔して唄い難いという実情があった。

【0005】

本発明は、上記課題に鑑みて、マイクを持って唄いやすく、また唄っている人の周りにいる人に対して、飛沫による感染を抑制することができるフェイスシールド付マスクを提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記課題を解決するためになされた本発明のフェイスシールド付マスクは、装着者の頭部に固定可能な固定具が設けられたフェイスシールドと、外面側に、前記フェイスシールドの内面に設けられた被係止部と係合する係止部が設けられ、装着者の鼻と口を覆うマスクと、を有し、前記係止部が、前記被係止部と係合することにより、前記マスクが立体的な空間を形成することを特徴とする。
この構成により、マイクを持って唄いやすく、また唄っている人の周りにいる人に対して、飛沫による感染を抑制することができる。

【0007】

また、本発明のフェイスシールド付マスクは、前記フェイスシールドが、前記装着者の顔面に対して、２０度以上８０度以下で傾斜し、前記フェイスシールドの下端部が開放した形状に形成されていることを特徴とする。
この構成により、口元にマイクを持ってきても、マイクがフェイスシールドと接触しないため、唄いやすい。

【0008】

また、本発明のフェイスシールド付マスクは、前記固定具が、前記フェイスシールドから取外し可能であることを特徴とする。
この構成により、カバンの中に収納し、持ち運びしやすい。

【発明の効果】

【0009】

本発明のフェイスシールド付マスクは、マイクを持って唄いやすく、また唄っている人の周りにいる人に対して、飛沫による感染を抑制することができる。。

【図面の簡単な説明】

【0010】

【図1】本実施形態のフェイスシールド付マスクの説明図である。

【図2】本実施形態のフェイスシールド付マスクの変形例を示す説明図である。

【図3】本実施形態のフェイスシールド付マスクの別の変形例を示す説明図である。

【発明を実施するための最良の形態】

【0011】

以下、本発明に係る実施形態のフェイスシールド付マスクを、図１に基づいて、以下説明する。図１は本実施形態のフェイスシールド付マスクの状態説明図である。

【0012】

本実施形態のフェイスシールド付マスク１０は、装着者の頭部に固定可能な固定具１１が設けられたフェイスシールド１２と、外面側に、フェイスシールド１２の内面に設けられた被係止部１３と係合する係止部２１が設けられ、装着者の鼻と口を覆うマスク２２とを有し、係止部２１が、被係止部１３と係合することにより、マスク２２が立体的な空間を形成する。

【0013】

フェイスシールド１２は、装着者の顔の前面及び両側面を覆うことが可能な面積を有し、また装着者の頭部の形状に合わせて湾曲可能な可撓性の樹脂製である。フェイスシールド１２は、装着した状態で、装着者が外部を視認できるように、透明である。

【0014】

また、フェイスシールド１２は、装着者の顔面に対して、２０度以上８０度以下で傾斜し、フェイスシールド１２の下端部が開放した形状に形成されている。本実施形態では、装着者の顔面を基準面Ｘとし、フェイスシールド１２が当該基準面に対するなす角度θが２０度以上８０度以下となるように傾斜し、フェイスシールド１２の下端部が開放した形状に形成されている。このように、フェイスシールド１２の下端部がすそ広がりの形状であるため、カラオケで唄う際に、マイクを差し込みやすい。

【0015】

上述した構造を有するフェイスシールド１２が、装着者の顔面に対して、２０度以上で傾斜していることにより、図示しないマイクとフェイスシールド１２が干渉することがなく、唄う際に邪魔にならない。一方、フェイスシールド１２が、装着者の顔面に対して、８０度以下で傾斜していることにより、唄う際に飛散する飛沫がフェイスシールド１２で塞がれ、拡散しにくくなる。なお、フェイスシールド１２の傾斜角度を２０度以上８０度以下の範囲で、装着者が任意で調節できる構造を有すると好ましい。

【0016】

さらに、フェイスシールド１２は、装着者の頭部に固定可能な固定具１１が設けられている。固定具１１は、装着者の頭部のサイズに合わせて、固定具１１の長さを調節できる構造を有すると好ましい。

【0017】

なお、固定具１１は、フェイスシールド１２から取外し可能であると好ましい。使用後に、固定具１１を、フェイスシールド１２から取り外すことによって、カバン等に収納しやすくなり、持ち運びが容易となる。

【0018】

さらに、フェイスシールド１２は、その内面側に後述するマスク２２の外面側に設けられた係止部２１と係合可能な被係止部１３を有する。

【0019】

マスク２２は、装着者の口と鼻を覆うことが可能なサイズからなるマスク本体２２ａと、マスク本体２２ａの両側端部に、装着者の耳に係合可能な耳掛け部２２ｂとを有する。ここで、マスク本体２２ａは、単層、又は多層構造の布製や、ウレタン製であれば、使用毎に洗浄することにより、複数回使用することができ、経済的である。一方、マスク本体２２ａが、多層構造の不織布製であれば、使用毎に取りかえる毎で、感染拡大のリスクを低減することができる。

【0020】

また、マスク２２は、その外表面側に係止部２１が設けられている。係止部２１がフェイスシールド１２の内側に設けられた被係止部１３と係合することにより、マスク２２が立ち上がった状態で保持される。マスク２２が立ち上がった状態で保持されていることにより、マスク２２の内表面と装着者の唇との間に空間が形成されるため、装着者は発声しやすくなる。

【0021】

本実施形態のフェイスシールド付マスク１０は、フェイスシールド１２とマスク２２とが一体化されているため、装着者から周りの人への飛沫の拡散を防止するだけでなく、周りの人から拡散した飛沫による装着者への感染を防止することができる。

【0022】

また、本実施形態のフェイスシールド付マスク１０は、フェイスシールドが、装着者の顔面に対して、２０度以上８０度以下で傾斜し、フェイスシールド１２の下端部が開放した状態であるから、マイクを口元に近づけても、マイクとフェイスシールド１２とが干渉することがない。

【0023】

さらに、本実施形態のフェイスシールド付マスク１０は、マスク２２に設けられた係止部２１がフェイスシールド１２の内側に設けられた被係止部１３と係合することにより、マスク２２が立ち上がった状態で保持されることにより、マスク２２の内表面と装着者の唇との間に空間が形成されるため、装着者は発声しやすくなる。

【0024】

本明細書開示の発明は、各発明や実施形態の構成の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを含む。

【産業上の利用可能性】

【0025】

本実施形態のフェイスシールド付マスク１０の変形例として、図２に示すように、フェイスシールド１２Ａの固定具１１Ａがメガネのフレーム形状であってもよい。固定具１１Ａがメガネのフレーム形状であることにより、眼鏡をかけるようにして、フェイスシールド付マスク１０Ａを装着することができる。

【0026】

本実施形態のフェイスシールド付マスク１０に係るフェイスシールド１２は、装着者の顔面に対して、２０度以上８０度以下で傾斜し、フェイスシールド１２の下端部が開放した形状に形成されているが、図３に示すフェイスシールド１２Ｂのように下端部に向けて曲線を描くような形状であってもよい。

【符号の説明】

【0027】

１０…フェイスシールド付マスク
１１…固定具
１２…フェイスシールド
１３…被係止部
２１…係止部
２２…マスク
２２ａ…マスク本体
２２ｂ…耳掛け部

【図1】

【図2】

【図3】