(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108791
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】製造プラント、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
E02F 7/00 20060101AFI20220720BHJP
B01F 35/80 20220101ALI20220720BHJP
B01F 23/60 20220101ALI20220720BHJP
【FI】
E02F7/00 D
B01F15/04 F
B01F3/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021003924
(22)【出願日】2021-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】520172144
【氏名又は名称】辰野 智規
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】辰野 智規
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4G035AB48
4G035AE02
4G035AE13
4G037AA05
4G037AA06
4G037BB13
4G037BB15
4G037BB23
4G037BC05
4G037BD05
4G037EA03
(57)【要約】
【課題】 良好な改良土を生成する製造プラントを提供する。
【解決手段】 土壌改良システム1は、母材を搬送するベルトコンベア30と、ベルトコンベア30により搬送される母材を計量するベルトスケール32と、添加剤を搬送するゼオライト供給調整ホッパー40と、ゼオライト供給調整ホッパー40により搬送される添加剤を計量するゼオライト計量部44と、ベルトコンベア30により搬送されてきた母材と、ゼオライト供給調整ホッパー40により搬送されてきた添加剤とを混合する混練機50と、混練機50により混合された混合物を搬送すベルトコンベア60と、ベルトコンベア60により搬送される混合物を計量するベルトスケール62と、ベルトスケール32、ゼオライト計量部44、及びベルトスケール62の計量結果に基づいて、前記添加剤の添加量を調整する制御装置70とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
母材を搬送する第1の搬送手段と、
前記第1の搬送手段により搬送される母材を計量する第1の計量手段と、
添加剤を搬送する第2の搬送手段と、
前記第2の搬送手段により搬送される添加剤を計量する第2の計量手段と、
前記第1の搬送手段により搬送されてきた母材と、前記第2の搬送手段により搬送されてきた添加剤とを混合する混合手段と、
前記混合手段により混合された混合物を搬送する第3の搬送手段と、
前記第3の搬送手段により搬送される混合物を計量する第3の計量手段と、
前記第1の計量手段、前記第2の計量手段、及び前記第3の計量手段の計量結果に基づいて、前記添加剤の添加量を調整する制御手段と
を有する製造プラント。
【請求項2】
前記母材は、含水した砂状又は礫状の母材であり、
前記添加剤は、ゼオライトであり、
前記母材の含水量を示す情報を設定する含水量設定手段
をさらに有し、
前記制御手段は、前記第1の計量手段、前記第2の計量手段、及び前記第3の計量手段の計量結果と、前記含水量設定手段により設定された含水量を示す情報とに基づいて、前記ゼオライトの添加量を調整する
請求項1に記載の製造プラント。
【請求項3】
前記第1の搬送手段は、母材を連続的に搬送するベルトコンベアであり、
前記第1の計量手段は、前記ベルトコンベア上で搬送されている母材の重量を連続的に計量するベルトスケールであり、
前記第2の搬送手段は、添加剤を搬送するスクリュー式のフィーダーであり、
前記第2の計量手段は、前記スクリュー式フィーダーの回転数に基づいて、前記添加剤の搬送量を連続的に計量し、
前記混合手段は、回転速度が変更可能な混錬羽根を用いて、搬送されてきた母材と、搬送されてきた添加剤とを連続的に混合し、混合物を連続的に排出し、
前記第3の搬送手段は、前記混合手段により連続的に排出される混合物を連続的に搬送するベルトコンベアであり、
前記第3の計量手段は、前記ベルトコンベア上で搬送されている混合物の重量を連続的に計量するベルトスケールであり、
前記制御手段は、前記第1の計量手段、前記第2の計量手段、及び前記第3の計量手段の計量結果に基づいて、母材と添加剤の混合比を連続的に計算する
請求項1又は2に記載の製造プラント。
【請求項4】
母材を搬送する第1の搬送工程と、
前記第1の搬送工程により搬送される母材を計量する第1の計量工程と、
添加剤を搬送する第2の搬送工程と、
前記第2の搬送工程により搬送される添加剤を計量する第2の計量工程と、
前記第1の搬送工程により搬送されてきた母材と、前記第2の搬送工程により搬送されてきた添加剤とを混合する混合工程と、
前記混合工程により混合された混合物を搬送する第3の搬送工程と、
前記第3の搬送工程により搬送される混合物を計量する第3の計量工程と、
前記第1の計量工程、前記第2の計量工程、及び前記第3の計量工程の計量結果に基づいて、前記母材と前記添加剤の混合比を算出する算出工程と
を有する製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造プラント、及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、流動性のある土砂と改良材とを混合した改良土砂を生成する簡易土質改良システムにおいて、動力源を有する走行体とその走行体に搭載され土砂及び改良材を含んだ被撹拌物を収容して撹拌する密閉型の撹拌容器とを有する走行移動形の撹拌装置と、その撹拌装置の撹拌容器から離れた位置からその撹拌容器に対して被撹拌物を移送する移送装置と、その移送装置に対して前記撹拌容器の位置より移送方向上流側で土砂を供給する供給機構とその供給機構により供給される土砂を収容可能な収容容器とを有する土砂供給装置と、その土砂供給装置により土砂が供給される前記移送装置に対して前記撹拌容器の位置より移送方向上流側で改良材を供給する供給機構とその供給機構により供給される改良材を収容可能な収容容器とを有する改良材供給装置と、その改良材供給装置の収容容器に収容される改良材の重量を計量する改良材計量装置と、前記土砂供給装置の収容容器に収容される土砂の重量を計量する土砂計量装置とを備えていることを特徴とする簡易土質改良システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、良好な改良土を生成する製造プラントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る製造プラントは、母材を搬送する第1の搬送手段と、前記第1の搬送手段により搬送される母材を計量する第1の計量手段と、添加剤を搬送する第2の搬送手段と、前記第2の搬送手段により搬送される添加剤を計量する第2の計量手段と、前記第1の搬送手段により搬送されてきた母材と、前記第2の搬送手段により搬送されてきた添加剤とを混合する混合手段と、前記混合手段により混合された混合物を搬送する第3の搬送手段と、前記第3の搬送手段により搬送される混合物を計量する第3の計量手段と、前記第1の計量手段、前記第2の計量手段、及び前記第3の計量手段の計量結果に基づいて、前記添加剤の添加量を調整する制御手段とを有する。
【0006】
好適には、前記母材は、含水した砂状又は礫状の母材であり、前記添加剤は、ゼオライトであり、前記母材の含水量を示す情報を設定する含水量設定手段をさらに有し、前記制御手段は、前記第1の計量手段、前記第2の計量手段、及び前記第3の計量手段の計量結果と、前記含水量設定手段により設定された含水量を示す情報とに基づいて、前記ゼオライトの添加量を調整する。
【0007】
好適には、前記第1の搬送手段は、母材を連続的に搬送するベルトコンベアであり、前記第1の計量手段は、前記ベルトコンベア上で搬送されている母材の重量を連続的に計量するベルトスケールであり、前記第2の搬送手段は、添加剤を搬送するスクリュー式のフィーダーであり、前記第2の計量手段は、前記スクリュー式フィーダーの回転数に基づいて、前記添加剤の搬送量を連続的に計量し、前記混合手段は、回転速度が変更可能な混錬羽根を用いて、搬送されてきた母材と、搬送されてきた添加剤とを連続的に混合し、混合物を連続的に排出し、前記第3の搬送手段は、前記混合手段により連続的に排出される混合物を連続的に搬送するベルトコンベアであり、前記第3の計量手段は、前記ベルトコンベア上で搬送されている混合物の重量を連続的に計量するベルトスケールであり、前記制御手段は、前記第1の計量手段、前記第2の計量手段、及び前記第3の計量手段の計量結果に基づいて、母材と添加剤の混合比を連続的に計算する。
【0008】
また、本発明に係る製造方法は、母材を搬送する第1の搬送工程と、前記第1の搬送工程により搬送される母材を計量する第1の計量工程と、添加剤を搬送する第2の搬送工程と、前記第2の搬送工程により搬送される添加剤を計量する第2の計量工程と、前記第1の搬送工程により搬送されてきた母材と、前記第2の搬送工程により搬送されてきた添加剤とを混合する混合工程と、前記混合工程により混合された混合物を搬送する第3の搬送工程と、前記第3の搬送工程により搬送される混合物を計量する第3の計量工程と、前記第1の計量工程、前記第2の計量工程、及び前記第3の計量工程の計量結果に基づいて、前記母材と前記添加剤の混合比を算出する算出工程とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、添加物の添加量を管理することにより、良好な改良土を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】母材供給調整ホッパー12の内部を例示する図である。
【
図4】添加量管理プログラム700の機能構成を例示する図である。
【
図5】製造方法(S10)を例示するフローチャートである。
【
図6】製造方法(S10)を詳細に説明する図示例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、本発明がなされた背景を説明する。
従来、セメント、石灰等を土砂に混合し改良土とするプラントはあったが、添加物であるゼオライトを主として土砂に混合し改良土とするプラントはなかった。また、混合後の改良土の重量を管理するものはあったが、混合する前後において、土砂及び添加物の重量をそれぞれ管理するものはなかった。そこで、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態によれば、混合前後において土砂及び添加物の重量をそれぞれ管理することにより、良好な改良土を生成することが可能である。以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0012】
図1は、土壌改良システム1を例示する図である。
図2は、母材供給調整ホッパー12の内部を例示する図である。
図3は、混練機20の内部を例示する図である。
図1に例示するように、土壌改良システム1は、製造プラントの一例であり、例えば礫質土や砂質土等の土壌母材に、添加剤であるゼオライトを混合したゼオライト混合土を生成するシステムである。ゼオライト混合土は、土壌母材中にゼオライトを均質的に分散混合させ全体的に一定の密度で分散した状態となっていることが好ましい。
土壌改良システム1は、振動ふるい機10(不図示)と、母材供給調整ホッパー20と、ベルトコンベア30と、ベルトスケール32と、ゼオライト供給調整ホッパー40と、ゼオライト計量部44と、混練機50と、ベルトコンベア60と、ベルトスケール62、制御装置70とを有する。
【0013】
振動ふるい機10は、投入された土壌母材を分級する分級機である。本例の振動ふるい機10は、上段目幅100mm、下段目幅40mmである2段式の傾斜ふるい機である。これにより、土壌母材中から礫質土や砂質土を選別し、100mmより大きいの母材を取り除く。
【0014】
母材供給調整ホッパー20は、母材を定量で次工程に供給する装置である。母材供給調整ホッパー12は、排出口に掻き出しローター24を設けられる。
図2に例示するように、掻き出しローター24は、ロール型カッター242と、排出口244と、コンベヤー246とを含む。掻き出しローター24は、ロール型カッター242により排出する母材の大きさを一定にすると共に、コンベヤー246により母材を排出口144に搬送することで、母材を定量で次工程に連続的に供給する。本例の母材供給調整ホッパー20は、振動ふるい機10により供給された母材をホッパー内に貯めながら、掻き出しローター24によりホッパー内に貯められた母材を定量でベルトコンベア30に供給する。
【0015】
ベルトコンベア30は、本発明に係る第1の搬送手段の一例であり、母材供給調整ホッパー20から供給された母材を混練機50に連続的に搬送する搬送機器である。ベルトコンベア30は、母材の搬送速度の可変速ができる。また、ベルトコンベア30は、ベルトスケール32を有する。ベルトスケール32は、本発明に係る第1の計量手段の一例であり、ロードセル(荷重変換器)式である。ベルトスケール32は、ベルトコンベア30上にある母材の重量を計量する。ベルトスケール32は、ベルトコンベア30上に連続的に母材を供給されるため、供給される母材の瞬時搬送重量計量を連続的に行う。ベルトスケール32は、重量計量する間隔を秒単位で細かく設定でき、本例では1秒間隔で連続的に重量計量する。本例のベルトスケール32は、最大200t/hのベルトスケールである。
【0016】
ゼオライト供給調整ホッパー40は、本発明に係る第2の搬送手段の一例であり、ゼオライトを次工程に供給する搬送機器である。ゼオライト供給調整ホッパー40は、例えばスクリュー式のフィーダー42が所定の回転速度で回転することにより、ゼオライトを次工程に連続的に供給する。本例のゼオライト供給調整ホッパー40は、母材供給調整ホッパー20から供給される母材の重量に基づいて設定されたフィーダー42の所定の回転速度で混練機50にゼオライトを供給する。また、ゼオライト供給調整ホッパー40は、ゼオライト計量部44を有する。ゼオライト計量部44は、本発明に係る第2の計量手段の一例であり、減算式ロードセルである。ゼオライト計量部44は、フィーダー42の回転数に基づいて、混練機50に供給し母材に添加するゼオライトの搬送重量を連続的に計量する。ゼオライト計量部44は、ゼオライト供給調整ホッパー40から混練機50に連続的にゼオライトを供給されるため、供給されるゼオライトの瞬時添加重量計量を連続的に行う。
【0017】
混練機50は、本発明に係る混合手段の一例であり、ベルトコンベア30により搬送されてきた母材と、ゼオライト供給調整ホッパー40により供給されてきたゼオライトとを混合し混合土を生成する混練機である。混練機50は、
図3に例示するように、複数の混練羽根504を具備する羽根軸502の2軸式であり、混練羽根504の回転速度を無段階で変更可能となっている。これは、混練機50のミキサー容量に対して、母材の土質やゼオライトの見掛け比重等による過度の混練速度となると、比重の重いものは外側に、比重の軽いものは内側に移動しゼオライトの分散性にばらつきが生じる虞があるため、ゼオライトの偏り等に応じて好適な回転速度に変速にするためである。本例の混練機50の仕様は、動力90kW、最大回転速度150rpm、回転範囲の設定分解能99である。混練機50は、ベルトコンベア30により搬送されてきた母材と、ゼオライト供給調整ホッパー40により供給されてきたゼオライトとを連続的に混合し、ゼオライト混合物(以下、混合物と称呼することもある)を連続的に生成し、生成したゼオライト混合物を排出しベルトコンベア60に供給する。
【0018】
ベルトコンベア60は、本発明に係る第3の搬送手段の一例であり、混練機50から供給された母材を連続的に搬送する搬送機器である。ベルトコンベア60は、ベルトスケール62を有する。ベルトスケール62は、本発明に係る第3の計量手段の一例であり、ロードセル(荷重変換器)式である。ベルトスケール62は、ベルトコンベア60上にある母材の重量を計量する。ベルトスケール62は、ベルトコンベア60上に連続的に母材を供給されるため、供給される母材の瞬時搬送重量計量を連続的に行う。ベルトスケール62は、重量計量するタイミングを秒単位で細かく設定でき、本例では1秒間隔で連続的に重量計量する。本例のベルトスケール62は、最大300t/hのベルトスケールである。
【0019】
制御装置70は、本発明に係る制御手段の一例であり、ベルトスケール32、ゼオライト計量部44、及び、ベルトスケール62の計量結果に基づいて、ゼオライトの添加量を調整する装置である。制御装置70は、母材供給調整ホッパー20、ベルトコンベア30、ベルトスケール32、ゼオライト供給調整ホッパー40、ゼオライト計量部44、混練機50、ベルトコンベア60、及びベルトスケール62と、入出力可能に接続している。制御装置70は、開閉扉内に操作盤と、開閉扉に設けられた覗き窓を介して見える表示画面とを含む。
制御装置70の表示画面には、自動条件設定画面において、母材の自然含水比を示す含水比設定項目と、添加材投入比率を示す固化材投入比率設定値項目とを含む。含水比設定項目には、測定した母材の含水比が表示される。固化材投入比率設定値項目には、
含水比設定項目に基づいて切出される母材重量と、この母材重量に基づいて算出される絶乾燥土量との比率が表示される。
【0020】
図4は、添加量管理プログラム700の機能構成を例示する図である。
制御装置70は、
図4に例示した添加量管理プログラム700をソフトウェアとして実装する。添加量管理管理プログラム700は、含水量設定部702と、乾燥土量算出部704と、添加量算出部706と、添加量調整部708とを有する。
【0021】
含水量設定部702は、ユーザにより入力された母材の自然含水比の測定結果を受け付け、受け付けた測定結果の含水比を母材の含水量を示す情報として設定する。
乾燥土量算出部704は、ベルトスケール32より計量された含水した母材の重量と、含水量設定部702により設定された母材の含水量を示す情報とに基づいて、ベルトコンベア30で搬送している母材の乾燥土重量(絶乾土量)を算出する。乾燥土量算出部704は、
図2に例示した、排出口144の面積とコンベア246の搬送速度に基づいて母材の切出し体積を算出する。算出した切出し体積から求めた重量と、含水比とに基づいて絶乾土量を算出する。乾燥土量算出部704は、ベルトスケール32により、母材の瞬時搬送重量計量を連続的に行うため、乾燥土である母材の瞬時搬送重量の算出を連続的に行う。
【0022】
添加量算出部706は、ベルトスケール32、及び、ゼオライト計量部44の計量結果に基づいて、母材とゼオライトとの混合比を連続的に計算する。添加量算出部706は、示方配合に指示される配合比率に基づいて、乾燥土算出部704により算出された絶乾土である母材の瞬時搬送重量に対するゼオライトの添加量を算出する。添加量算出部706は、母材の切出し体積当たりに対するゼオライトの添加量を算出する。添加量算出部706は、乾燥土算出部704により母材の瞬時搬送重量の算出を連続的に行うため、母材の瞬時搬送重量に対するゼオライトの添加量を連続的に算出する。添加量算出部706は、算出したゼオライト添加量をゼオライト供給調整ホッパー40に通知する。
加量算出部706は、ゼオライト供給調整ホッパー40にゼオライト添加量を通知する場合、瞬時添加量とフィーダー42の回転速度との関係値(キャリブレーションデータ)に基づいて、算出したゼオライト添加量に基づくフィーダー42の回転速度を通知する。
【0023】
調整部708は、混合前後における母材及びゼオライトの重量に基づいて、ゼオライトの添加量を調整する。具体的には、調整部708は、ベルトスケール62により計量されたゼオライト混合土の重量と、ベルトスケール32により計量された母材の重量及びゼオライト計量部44により計量されたゼオライトの重量とを比較する。(すなわち、混合後の母材及びゼオライトの含有量と、混合前の母材及びゼオライトの供給量とを比較する。)調整部708は、混合前後の母材及びゼオライトの重量を比較した比較結果に基づいて、ゼオライトの添加量を調整するようゼオライト供給調整ホッパー40に通知する。
このように、制御装置70は、ベルトスケール32、ゼオライト計量部44、及び、ベルトスケール62の計量結果と、含水量設定部702により設定された含水比に基づいて、母材とゼオライトの混合比を連続的に計算しながらゼオライトの添加量を随時調整する。
【0024】
図5は、製造方法(S10)を例示するフローチャートである。
図6は、製造方法(S10)を詳細に説明する図示例である。
図5及び
図6に例示するように、ステップ100(S100)において、ユーザは、例えば、午前/午後の一日2回、母材の含水比を測定する。なお、天候や母材の含水変化が認められる場合はその都度行う。ユーザは、母材の含水比を測定後に、測定した含水比を制御装置70の自然含水比設定画面に入力する。含水量設定部702は、ユーザにより入力された母材の含水比の測定結果を受け付け、受け付けた含水比の測定結果を、母材の含水量を示す情報として設定する。制御装置70の表示画面には、自動条件設定画面のうち、自然含水比設定項目に含水比が表示される。
【0025】
ステップ102(S102)において、ユーザは、トラックに積載された土壌母材を振動ふるい機10に投入する。振動ふるい機10は、投入された土壌母材を選別する。
【0026】
ステップ104(S104)において、ベルトコンベア30は、振動ふるい機10により選別された母材を混練機50に連続的に搬送する。このとき、ベルトスケール32は、ベルトコンベア30により連続的に搬送される母材の重量を計量する。母材は、連続的に搬送されるため瞬時搬送重量を計量する。ベルトスケール32は、母材の計量結果を制御装置70に通知する。
【0027】
ステップ106(S106)において、制御装置70は、ゼオライトの添加量を算出する。具体的には、乾燥土量算出部704は、母材の瞬時搬送重量から絶乾土である母材の瞬時搬送重量を算出し、添加量算出部706は、示方配合に指示される配合比率に基づいて、乾燥土算出部704により算出された母材の瞬時搬送重量に対するゼオライトの添加量を算出し、算出したゼオライトの添加量をゼオライト供給調整ホッパー40に通知する。本例の示方配合は、母材乾燥土重量の10%以上を基準値とし、母材乾燥重量800kgに対してゼオライト110kg添加と設定する。また、添加量算出部706は、母材とゼオライトのロードセル計量結果を1分毎に精査し、配合比率(添加割合)結果に基づいてゼオライト添加量の微調整を随時行い、算出したゼオライトの添加量をゼオライト供給調整ホッパー40に通知する。添加量算出部706は、配合比率(添加割合)+1.5%をセンター基準として添加することが製品として好ましい。
【0028】
ステップ108(S108)において、ゼオライト供給調整ホッパー40は、ゼオライトの計量添加を行う。ゼオライト供給調整ホッパー40は、添加量算出部706により通知されたゼオライトの添加量に基づいたフィーダー42の回転速度にし、瞬時添加量の調整を行う。ゼオライト供給調整ホッパー40は、瞬時添加量とフィーダー42の回転速度との関係値をキャリブレーションしたデータに基づいて、母材の瞬時搬送重量に応じたゼオライトの添加量となるよう回転速度を調節しながらゼオライトを母材に添加する。
【0029】
ステップ110(S110)において、混練機50は、ベルトコンベア30により搬送されてきた母材と、ゼオライト供給調整ホッパー40により供給されてきたゼオライトとを混合しゼオライト混合土を混練する。混練機50は、混練後に、ゼオライトの混合分散に偏りが見受けられる場合、混練羽根504の回転速度を変更し最適な回転速度にて混練する。
【0030】
ステップ112(S112)において、ベルトコンベア60は、混練機50に混練された混合土を搬送する。このとき、ベルトスケール62は、ベルトコンベア60により連続的に搬送される混合土の瞬時搬送重量を計量する。ベルトスケール62は、混合土の計量結果を制御装置70に通知する。
【0031】
ステップ114(S114)において、調整部708は、混合後のゼオライト混合土に含まれる母材及びゼオライトの重量と、計量された混合前の母材及びゼオライトの重量とを比較する。調整部708は、比較した結果、母材に対するゼオライトの添加量が多い場合、ゼオライト供給調整ホッパー40にゼオライトの添加量を減らすよう通知する。また、母材に対するゼオライトの添加量が少ない場合、ゼオライト供給調整ホッパー40にゼオライトの添加量を増やすよう通知する。ゼオライト供給調整ホッパー40は、調整部708に通知されたゼオライトの添加量の調整内容に基づいてゼオライトの添加量を調節する。
また、調整部708は、添加量算出部706に比較結果を通知し、配合比率(添加割合)結果に基づいてゼオライト添加量の算出させてもよい。
【0032】
以上説明したように、土壌改良システム1によれば、混合前における母材及びゼオライトの各重量と、混合後における混合土の重量とを照らし合わせ、母材に対するゼオライトの添加量の管理することにより、良好な改良土を生成することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 土壌改良システム
10 振動ふるい機
20 母材供給調整ホッパー
24 掻き出しローター
30、60 ベルトコンベア
32、62 ベルトスケール
40 ゼオライト供給調整ホッパー
42 フィーダー
44 ゼオライト計量部
50 混練機
70 制御装置
700 添加量管理プログラム
702 含水量設定部
704 乾燥土量算出部
706 添加量算出部
708 調整部