(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108924
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】引違いサッシの外障子の召合せ框及び引違いサッシ
(51)【国際特許分類】
E06B 1/36 20060101AFI20220720BHJP
E06B 1/16 20060101ALI20220720BHJP
E06B 1/18 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
E06B1/36
E06B1/16
E06B1/18 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004157
(22)【出願日】2021-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】宇山 健
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011DA04
2E011DC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業性良く、且つ断熱性を確保することができる引違いサッシの外障子の召合せ框及び引違いサッシを提供する。
【解決手段】引違いサッシの外障子2Aの召合せ框24Aは、樹脂製押出形材で構成された引違いサッシの外障子2Aの召合せ框24Aであって、外障子2Aの召合せ框24Aの長手方向と直交する断面形状は、外障子2Aの上框、下框及び戸先框の長手方向と直交する断面形状とは異なり、屋外側の面31に沿って第一ホローH1が形成され、見込み面に沿って第二ホローH2,H4が形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製押出形材で構成された引違いサッシの外障子の召合せ框であって、
該外障子の召合せ框の長手方向と直交する断面形状は、前記外障子の上框、下框及び戸先框の長手方向と直交する断面形状とは異なり、
屋外側の面に沿って第一ホローが形成されている引違いサッシの外障子の召合せ框。
【請求項2】
屋外に面した見込み面に沿って第二ホローが形成されている請求項1に記載の引違いサッシの外障子の召合せ框。
【請求項3】
引違いサッシの外障子の樹脂製押出形材で構成された外障子の召合せ框であって、
屋外側の面に沿って第一ホローが形成されるとともに、屋外に面した見込み面に沿って第二ホローが形成されている引違いサッシの外障子の召合せ框。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の引違いサッシの外障子の召合せ框を有する外障子と、
内障子と、を備え、
前記内障子の召合せ框は、樹脂製押出形材で構成され、屋内に面した見込み面に沿って第三ホローが形成されている引違いサッシ。
【請求項5】
外障子と、
内障子と、を備え、
前記外障子の召合せ框は、樹脂製押出形材で構成され、屋外側の面に沿って第一ホローが形成されるとともに、屋外に面した見込み面に沿って第二ホローが形成され、
前記内障子の召合せ框は、樹脂製押出形材で構成され、屋内に面した見込み面に沿って第三ホローが形成されるとともに、屋内側の面に沿って第四ホローが形成されている引違いサッシ。
【請求項6】
前記第一ホローと前記第二ホローとの間の前記外障子の召合せ框の角部には、第五ホローが形成され、
前記第三ホローと前記第四ホローとの間の前記内障子の召合せ框の角部には、第六ホローが形成されている請求項5に記載の引違いサッシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、引違いサッシの外障子の召合せ框及び引違いサッシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、引違いサッシの障子では、上框、下框、戸先框及び召合せ框は同じ断面形状で形成されている場合がある。下記の特許文献1には、召合せ框にアタッチメントを取り付け、召合せ框とアタッチメントとの間にホローを形成した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された構成では、アタッチメントを召合せ框に取り付ける作業が生じ、作業手間になるという問題点がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、作業性良く、且つ断熱性を確保することができる引違いサッシの外障子の召合せ框及び引違いサッシを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る引違いサッシの外障子の召合せ框は、樹脂製押出形材で構成された引違いサッシの外障子の召合せ框であって、該外障子の召合せ框の長手方向と直交する断面形状は、前記外障子の上框、下框及び戸先框の長手方向と直交する断面形状とは異なり、屋外側の面に沿って第一ホローが形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】外障子の召合せ框の上部を屋内側から見た斜視図。
【
図7】外障子の召合せ框の上部を屋内側から見た正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態に係る建具の一例として引違いサッシについて、図面に基づいて説明する。
図1から
図3に示すように、引違いサッシ100は、建築物の外壁の外壁開口部Waに設けられている。引違いサッシ100は、枠体1と、外障子2Aと、内障子2Bと、を備えている。
【0009】
以下の説明において、屋外側と屋内側とを結ぶ方向を屋内外方向と称する。屋内外方向と直交する見付け方向のうち、水平方向に沿う方向を幅方向と称し、鉛直方向を上下方向と称する。
【0010】
図1に示すように、枠体1は、四方枠状に形成されている。枠体1は、上枠11と、下枠12と、一対の縦枠13と、を有している。本実施形態では、枠体1は樹脂製であるが、アルミ合金等の金属形材から構成されたものやアルミ樹脂複合(アルミニウム製部材と樹脂製部材とが組み付けられた構成)であってもよい。
【0011】
上枠11及び下枠12は、幅方向に延びている。縦枠13は、上下方向に延びている。
縦枠13は、上枠11の幅方向の端部と下枠12の端部とを連結している。
【0012】
外障子2Aは、内障子2Bよりも屋外側に配置されている。外障子2A及び内障子2Bは、枠体1に幅方向に移動可能に設けられている。外障子2A及び内障子2Bが閉じた状態で、外障子2A及び内障子2Bは枠体1内を閉塞する。
【0013】
外障子2A及び内障子2Bを総称して、障子2と称することがある。障子2は、框体20と、ガラス29と、を有している。
【0014】
框体20は、四方枠状に形成されている。框体20は、上框21と、下框22と、戸先框23と、召合せ框24と、を有している。上框21及び下框22は、幅方向に延びている。戸先框23及び召合せ框24は、上下方向に延びている。
【0015】
框体20は、樹脂製であり、樹脂製押出形材で形成されている。上框21の幅方向(長手方向)に直交する断面形状、下框22の幅方向(長手方向)に直交する断面形状及び戸先框23の上下方向(長手方向)に直交する断面形状は、同じである。召合せ框24の上下方向(長手方向)に直交する断面形状は、上框21と、下框22及び戸先框23の断面形状とは異なり、召合せ框24は専用框である。
【0016】
上框21、下框22、戸先框23と、召合せ框24の端面は、それぞれ軸方向(長さ方向)に対して45°に切断されている。戸先框23及び召合せ框24は、上框21の幅方向の端部と下框22の幅方向の端部とを連結している。ガラス29は、框体20内に納められている。
【0017】
外障子2Aの召合せ框24(以下、単に「外召合せ框24A」と称する)について説明する。
図4に示すように、外召合せ框24Aは、第一外板部(屋外側の面)31と、内板部32と、第一連結板部(屋外に面した見込み面)33と、第二連結板部34と、第二外板部35と、第三連結板部36と、を有している。外召合せ框24A及び後述する内障子2Bの召合せ框24(以下、単に「内召合せ框24B」と称する)の説明において、幅方向のうちガラス29に近接する側をガラス側と称し、反対側(ガラス29から離間する側)を戸尻側と称する。
【0018】
第一外板部31は、ガラス29よりも屋外側に配置されている。第一外板部31は、板状に形成されている。第一外板部31の板面は、屋内外方向を向いている。第一外板部31は、外召合せ框24Aの最も屋外側に位置している。
【0019】
内板部32は、ガラス29よりも屋内側に配置されている。内板部32は、板状に形成されている。内板部32の板面は、屋内外方向を向いている。内板部32は、外召合せ框24Aの最も屋内側に位置している。
【0020】
第一連結板部33は、第一外板部31の戸尻側の端部と内板部32の戸尻側の端部とを連結している。第一連結板部33は、板状に形成されている。第一連結板部33の板面は、幅方向を向いている。第一連結板部33は、外召合せ框24Aの最も戸尻側に位置している。
【0021】
第二連結板部34は、第一外板部31の幅方向の中間と内板部32の幅方向の中間とを連結している。
【0022】
第二連結板部34には、ガラス側に向かって延びる押縁係止壁部340が設けられている。内板部32のガラス側の端部、第二連結板部34及び押縁係止壁部340によって、戸尻側にむかって凹む挿入溝341が形成されている。挿入溝341には、押縁342の取付部343が挿入され、係止されている。
【0023】
第二外板部35は、第一外板部31より屋内側に、第一外板部31に対向して配置されている。第二外板部35のガラス側の端部は、第二連結板部34に連結されている。第二外板部35の戸尻側の端部は、第一連結板部33に連結されている。第二外板部35は、板状に形成されている。第二外板部35の板面は、屋内外方向を向いている。
【0024】
第一外板部31、第一連結板部33、第二外板部35及び第二連結板部34によって、屋外側ホロー(第一ホロー)H1が形成されている。屋外側ホローH1は、外召合せ框24Aの最も屋外側に位置する第一外板部31及び外召合せ框24Aの最も戸尻側に位置する第一連結板部33に沿って形成されている。屋外側ホローH1の水平断面は、幅方向に長い矩形状をしている。屋外側ホローH1は、外召合せ框24Aの上下方向の略全長にわたって形成されている。
【0025】
第三連結板部36は、第一連結板部33よりガラス側に、第一連結板部33に対向して配置されている。第三連結板部36の屋外側の端部は、第二外板部35に連結されている。第三連結板部36の屋内側の端部は、内板部32に連結されている。第三連結板部36は、板状に形成されている。第三連結板部36の板面は、幅方向を向いている。
【0026】
第二外板部35、第一連結板部33、内板部32及び第三連結板部36によって、戸尻側ホロー(第二ホロー)H2が形成されている。戸尻側ホローH2は、外召合せ框24Aの最も戸尻側に位置する第一連結板部33に沿って形成されている。戸尻側ホローH2は、屋外側ホローH1よりも屋内側に配置されている。戸尻側ホローH2の水平断面は、屋内外方向に長い矩形状をしている。戸尻側ホローH2は、外召合せ框24Aの上下方向の略全長にわたって形成されている。
【0027】
第二外板部35、第三連結板部36、内板部32及び第二連結板部34によって、ガラス側ホローH3が形成されている。ガラス側ホローH3の水平断面は、略矩形状をしている。ガラス側ホローH3は、屋外側ホローH1よりも屋内側且つ戸尻側ホローH2よりもガラス側に配置されている。ガラス側ホローH3の水平断面は、略矩形状をしている。ガラス側ホローH3は、外召合せ框24Aの上下方向の略全長にわたって形成されている。ガラス側ホローH3の内部には、略矩形状の芯材39が配置されている。
【0028】
内板部32の戸尻側の端部には、突出部32aが設けられている。突出部32aは、延出部321,322と、支持板部323と、を有している。突出部32aは、上下方向に延びている。
図6に示すように、突出部32aの上端部32cは、内板部32の上端部32uよりも下方に位置している。突出部32aの下端部(不図示)は、内板部32の下端部(不図示)よりも上方に位置している。突出部32aの上端部32u及び下端部には、後述する気密材ユニット5が取り付けられる。
【0029】
図4に示すように、延出部321は、内板部32の戸尻側の端部から屋内側に延びている。延出部321は、内板部32と屋内外方向に沿う同一平面上に配置されている。延出部322は、内板部32の戸尻側の端部近傍から屋内側に延びている。延出部321,322は、幅方向に対向配置されている。延出部321の屋内側の端部近傍と延出部322の屋内側の端部近傍とは、支持板部323で連結されている。
【0030】
内板部32、延出部321、支持板部323及び延出部322によって、戸尻側ホロー(第二ホロー)H4が形成されている。戸尻側ホローH4は、外召合せ框24Aの最も戸尻側に位置する延出部321に沿って形成されている。戸尻側ホローH4の水平断面は、略矩形状をしている。戸尻側ホローH4は、戸尻側ホローH2よりも屋内側に配置されている。戸尻側ホローH4は、突出部32aの上下方向の略全長にわたって形成されている。
【0031】
屋外側ホローH1、戸尻側ホローH2及び戸尻側ホローH4は、外召合せ框24Aの屋外に面する見込み面に沿って、屋外側から屋内側に向かって並んで配置されている。
【0032】
延出部321の屋内側の端部には、延出部322側に向かって延びるモヘア係合壁部324が設けられている。延出部322の屋内側の端部には、延出部321側に向かって延びるモヘア係合壁部325が設けられている。モヘア係合壁部324の端部とモヘア係合壁部325の端部とは、隙間を有して向かい合って配置されている。支持板部323及びモヘア係合壁部324,325によって、モヘア取付溝部326が形成されている。
【0033】
モヘア37は、外召合せ框24Aと内召合せ框24Bとの間の隙間を閉塞する気密材である。モヘア37は、モヘアベース部37aと、モヘア本体部37bと、を有している。
【0034】
モヘアベース部37aは、支持板部323に沿って配置され、モヘア係合壁部324,325によって、屋内側への移動が規制されている。モヘア本体部37bは、複数列の繊維で構成されている。モヘア本体部37bの各繊維は、モヘアベース部37aから屋内側に向かって延び、モヘア係合壁部324の端部とモヘア係合壁部325の端部との間の隙間を通過している。外召合せ框24A及び内召合せ框24Bが閉じられた状態で、モヘア本体部37bの各繊維の先端部は、後述する内召合せ框24Bの外板部42に当接または、わずかに隙間を有して配置されている。
【0035】
延出部322の屋内側の端部には、ガラス側に向かって延びる煙返し328が設けられている。
【0036】
内召合せ框24Bについて説明する。内召合せ框24Bの構成において、外召合せ框24Aと同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
内召合せ框24Bは、第一内板部41と、外板部42と、第一連結板部(屋内に面した見込み面)43と、第二連結板部44と、第二内板部45と、を有している。
【0038】
第一内板部41は、内障子2Bのガラス29よりも屋内側に配置されている。第一内板部41は、板状に形成されている。第一内板部41の板面は、屋内外方向を向いている。第一内板部41は、内召合せ框24Bの最も屋内側に位置している。
【0039】
外板部42は、ガラス29よりも屋外側に配置されている。外板部42は、板状に形成されている。外板部42の板面は、屋内外方向を向いている。外板部42は、内召合せ框24Bの最も屋外側に位置している。
【0040】
第一連結板部43は、第一内板部41の戸尻側の端部と外板部42の戸尻側の端部とを連結している。第一連結板部43は、板状に形成されている。第一連結板部43の板面は、幅方向を向いている。第一連結板部43は内召合せ框24Bの最も戸尻側に位置している。
【0041】
第二連結板部44は、第一内板部41の幅方向の中間と外板部42の幅方向の中間とを連結している。
【0042】
第二連結板部44には、ガラス側に向かって延びる押縁係止壁部340が設けられている。第一内板部41のガラス側の端部、第二連結板部44及び押縁係止壁部340によって、戸尻側にむかって凹む挿入溝341が形成されている。挿入溝341には、押縁342の取付部343が挿入され、係止されている。
【0043】
第二内板部45は、第一内板部41より屋外側に、第一内板部41に対向して配置されている。第二内板部45のガラス側の端部は、第二連結板部44に連結されている。第二内板部45の戸尻側の端部は、第一連結板部43に連結されている。第二内板部45は、板状に形成されている。第二内板部45の板面は、屋内外方向を向いている。
【0044】
第一内板部41、第一連結板部43、第二内板部45及び第二連結板部44によって、屋内側ホロー(第四ホロー)H11が形成されている。屋内側ホローH11は、内召合せ框24Bの最も屋内側に位置する第一内板部41及び内召合せ框24Bの最も戸尻側に位置する第一連結板部43に沿って形成されている。屋内側ホローH11の水平断面は、幅方向に長い矩形状をしている。屋内側ホローH11は、内召合せ框24Bの上下方向の略全長にわたって形成されている。
【0045】
第二内板部45、第一連結板部43、外板部42及び第二連結板部44によって、戸尻側ホロー(第三ホロー)H12が形成されている。戸尻側ホローH12は、内召合せ框24Bの最も戸尻側に位置する第一連結板部43に沿って形成されている。戸尻側ホローH12は、屋内側ホローH11よりも屋外側に配置されている。戸尻側ホローH12の水平断面は、略矩形状をしている。戸尻側ホローH12は、内召合せ框24Bの上下方向の略全長にわたって形成されている。戸尻側ホローH12の内部には、芯材49が配置されている。
【0046】
外板部42の戸尻側の端部には、突出部32aが設けられている。突出部32aは、外召合せ框24Aに設けられた突出部32aを幅方向及び屋内外方向に反転させた向きで配置されている。外板部42、延出部321、支持板部323及び延出部322によって、戸尻側ホロー(第三ホロー)H4が形成されている。戸尻側ホローH4は、内召合せ框24Bの最も戸尻側に位置する第一連結板部43に沿って形成されている。突出部32aのモヘア取付溝部326に取り付けられたモヘア37のモヘア本体部37bの各繊維の先端部は、外召合せ框24Aの押縁342に当接または、わずかに隙間を有して配置されている。
【0047】
屋内側ホローH11、戸尻側ホローH12及び戸尻側ホローH4は、内召合せ框24Bの屋内に面する見込み面に沿って、屋内側から屋外側に向かって並んで配置されている。
【0048】
外板部42の幅方向の中間には、煙返し421が設けられている。煙返し421は外板部42から屋外側に延び、先端部がガラス側に向かって延びる形状をしている。煙返し421の先端部は、外召合せ框24Aの煙返し328の先端部よりも屋外側に、煙返し328の先端部と対向して配置されている。
【0049】
突出部32aの上下端部に取り付けられた気密材ユニット5について説明する。
図5に示す外召合せ框24Aの突出部32aの上端部32cに取り付けられた気密材ユニット5を例に挙げて説明する。外召合せ框24Aの突出部32aの上端部32cは、上下方向に対して45°に切断されている。外召合せ框24Aの突出部32aの上端部32cは、内板部32の上端部32uよりも低い位置に配置されている。
【0050】
気密材ユニット5は、支持体51と、ヒレ部56,57と、を有している。支持体51は、側壁部52と、挿入部53と、上壁部54と、前壁部55と、を有している。
【0051】
側壁部52は、外召合せ框24Aの第一連結板部33の戸尻側を向く面33aを戸尻側から覆うように配置されている。側壁部52には、ガラス側に凹む凹部ように挿入部53が形成されている。
図6に示すように、第一連結板部33の上端部には、下方に凹む切欠き331が形成されている。挿入部53に設けられた不図示の係止部が、第一連結板部33の切欠き331に係止されている。
【0052】
上壁部54は、側壁部52の上端部からガラス側に延びている。上壁部54は、略水平面に沿って配置されている。上壁部54の上面54uは、上框21の上面21uと同一平面上に位置している。上壁部54は、第一上壁部541と、第二上壁部542と、を有している。上方から見て、第一上壁部541は、上框21の上面21uよりも戸尻側に配置されている。第二上壁部542は、第一上壁部541の屋内側の端部からガラス側に延びている。上方から見て、第二上壁部542は、上框21の上面21uよりも屋内側に配置されている。
【0053】
前壁部55は、側壁部52の屋内側の端部及び上壁部54の第二上壁部542の屋内側の端部に連結されている。前壁部55は、外召合せ框24Aの内板部32の屋内側を向く面32bを戸尻側から所定距離覆うように配置されている。
【0054】
ヒレ部56,57は、前壁部55から屋内側に突出するように設けられている。ヒレ部56,57は、幅方向に離間して配置されている。ヒレ部56,57は、板状に形成されている。ヒレ部56,57の板面は、幅方向を向いている。例えば、ヒレ部56,57は、例えば合成ゴム等の樹脂で形成されている。
【0055】
図7に示すように、ヒレ部56は、ヒレ部57よりもガラス側に配置されている。ヒレ部56の上端部56u及びヒレ部57の上端部57uは、上壁部54の上面の高さに位置している。
【0056】
ヒレ部57の下端部57dの方が、ヒレ部56の下端部56dよりも低い位置に達している。ヒレ部56の下端部56dは、外召合せ框24Aのモヘア37の上端部37uに当接または僅かにモヘア37の上端部37uからモヘア本体部37bの繊維の中に下方に挿入されている。ヒレ部57の下端部57dは、外召合せ框24Aのモヘア37の上端部37uからモヘア本体部37bの繊維の中に下方に挿入されている。ヒレ部57の下端部57dは、モヘア37の上端部37uに当接する位置であってもよい。気密材であるモヘア本体部37b及びヒレ部56,57が上下方向に連続することで、外召合せ框24Aと内召合せ框24Bとの間の気密性が外召合せ框24Aと内召合せ框24Bの上下方向の全長にわたって確保される。
【0057】
外召合せ框24Aの突出部32aの下端部には、外召合せ框24Aの突出部32aの上端部32cに設けられた気密材ユニット5が、上下反転した向きで設けられている。内召合せ框24Bには、外召合せ框24Aに設けられた気密材ユニット5が、屋内外方向に反転した向きで設けられている。
【0058】
このように構成された引違いサッシ100の外障子2Aでは、屋外側ホローH1が、外召合せ框24Aの最も屋外側に位置する第一外板部31に沿って形成されているとともに、外召合せ框24Aの最も戸尻側に位置する第一連結板部33に沿って形成されている。戸尻側ホローH2及び戸尻側ホローH4が、外召合せ框24Aの最も戸尻側に位置する第一連結板部33に沿って形成されている。屋外側ホローH1、戸尻側ホローH2及び戸尻側ホローH4は、外召合せ框24A自体に形成されている。これによって、アタッチメントを使用せずにホローが形成されるため、アタッチメントを外召合せ框24Aに取り付ける必要がなく、ホローを作業性良く形成することができる。
【0059】
引違いサッシ100の内障子2Bでは、屋内側ホローH11、戸尻側ホローH12及び戸尻側ホローH4が、内召合せ框24Bの最も戸尻側に位置する第一連結板部43に沿って形成されている。屋内側ホローH11、戸尻側ホローH12及び戸尻側ホローH4は内召合せ框24B自体に形成されている。これによって、アタッチメントを使用せずにホローが形成されるため、アタッチメントを内召合せ框24Bに取り付ける必要がなく、ホローを作業性良く形成することができる。
【0060】
(変形例1)
上記に示す一実施形態の変形例1に係る引違いサッシについて、主に
図8を用いて説明する。下記に示す変形例の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0061】
図8に示すように、外召合せ框24Cでは、外召合せ框24Aの第三連結板部36に代えて、リブ361,362が設けられている。リブ361,362は、第一連結板部33よりガラス側に、第一連結板部33に対向して配置されている。リブ361,リブ362は、板状に形成されている。リブ361,362の板面は、幅方向を向いている。リブ361は、第二外板部35から屋内側に延びている。リブ362は、内板部32から屋外側に延びている。リブ361,362によって、外召合せ框24Cの剛性が高められている。
【0062】
第二外板部35、第一連結板部33、内板部32及び第二連結板部34によって、戸尻側ホロー(第二ホロー)H5が形成されている。戸尻側ホローH5は、外召合せ框24Cの最も戸尻側に位置する第一連結板部33に沿って形成されている。戸尻側ホローH5は外召合せ框24Cの上下方向の略全長にわたって形成されている。
【0063】
第一外板部31と第二外板部35とを連結するように、中間板部311が設けられている。中間板部311は、第一連結板部33よりもガラス側且つ第二連結板部34よりも戸尻側に配置されている。中間板部311は、板状に形成されている。中間板部311の板面は、幅方向を向いている。
【0064】
第一外板部31、中間板部311、第二外板部35及び第二連結板部34によって、屋外側ホロー(第一ホロー)H6が形成されている。屋外側ホローH6は、外召合せ框24Cの最も屋外側に位置する第一外板部31に沿って形成されている。
【0065】
第一外板部31、第一連結板部33、第二外板部35及び中間板部311によって、外召合せ框24Cの角部に位置する角部ホロー(第五ホロー)H7が形成されている。角部ホローH7は、外召合せ框24Cの最も屋外側に位置する第一外板部31及び外召合せ框24Cの最も戸尻側に位置する第一連結板部33に沿って形成されている。
【0066】
内召合せ框24Dでは、外板部42と第二内板部45とを連結するように、中間板部46が設けられている。中間板部46は、第一連結板部43よりもガラス側に配置されている。中間板部46は、板状に形成されている。中間板部46の板面は、幅方向を向いている。
【0067】
外板部42、中間板部46、第二内板部45及び第一連結板部43によって、戸尻側ホロー(第三ホロー)H13が形成されている。戸尻側ホローH13は、内召合せ框24Dの最も戸尻側に位置する第一連結板部43に沿って形成されている。
【0068】
外板部42、第二連結板部44、第二内板部45及び中間板部46によって、ガラス側ホローH14が形成されている。ガラス側ホローH14の内部には、芯材50が配置されている。
【0069】
このように構成された引違いサッシ100の外障子2Aでは、屋外側ホローH6が、外召合せ框24Cの最も屋外側に位置する第一外板部31に沿って形成されている。角部ホローH7が、外召合せ框24Cの最も屋外側に位置する第一外板部31に沿って形成されているとともに、外召合せ框24Cの最も戸尻側に位置する第一連結板部33に沿って形成されている。戸尻側ホローH5及び戸尻側ホローH4が、外召合せ框24Cの最も戸尻側に位置する第一連結板部33に沿って形成されている。屋外側ホローH6、角部ホローH7、戸尻側ホローH5及び戸尻側ホローH4は、外召合せ框24C自体に形成されている。これによって、アタッチメントを使用せずにホローが形成されるため、アタッチメントを外召合せ框24Cに取り付ける必要がなく、ホローを作業性良く形成することができる。
【0070】
引違いサッシ100の内障子2Bでは、屋内側ホローH11、戸尻側ホローH13及び戸尻側ホローH4が、内召合せ框24Dの最も戸尻側に位置する第一連結板部43に沿って形成されている。屋内側ホローH11、戸尻側ホローH13及び戸尻側ホローH4は、内召合せ框24D自体に形成されている。これによって、アタッチメントを使用せずにホローが形成されるため、アタッチメントを内召合せ框24Dに取り付ける必要がなく、ホローを作業性良く形成することができる。
【0071】
(変形例2)
上記に示す一実施形態の変形例2に係る引違いサッシについて、主に
図9を用いて説明する。
図9に示すように、外召合せ框24Eでは、第一外板部31と第二外板部35とを連結するように、中間板部311が設けられている。第一連結板部33よりガラス側に第一連結板部33に対向して、第三連結板部36が設けられている。外召合せ框24Eでは、屋外側ホロー(第一ホロー)H6、角部ホロー(第五ホロー)H7、戸尻側ホロー(第二ホロー)H2及び戸尻側ホロー(第二ホロー)H4が形成されている。
【0072】
内召合せ框24Fでは、第二内板部45と第一内板部41とを連結するように、中間板部47が設けられている。中間板部47は、第一連結板部43よりもガラス側且つ第二連結板部44よりも戸尻側に配置されている。中間板部47は、板状に形成されている。中間板部47の板面は、幅方向を向いている。
【0073】
第二内板部45、第二連結板部44、第一内板部41及び中間板部47によって、屋内側ホロー(第四ホロー)H15が形成されている。屋内側ホローH15は、内召合せ框24Fの最も屋内側に位置する第一内板部41に沿って形成されている。
【0074】
第二内板部45、中間板部47、第一内板部41及び第一連結板部43によって、内召合せ框24Fの角部に位置する角部ホロー(第六ホロー)H16が形成されている。角部ホローH16は、内召合せ框24Fの最も屋内側に位置する第一内板部41及び内召合せ框24Fの最も戸尻側に位置する第一連結板部43に沿って形成されている。
【0075】
このように構成された引違いサッシ100の外障子2Aでは、屋外側ホローH6が、外召合せ框24Cの最も屋外側に位置する第一外板部31に沿って形成されている。角部ホローH7が、外召合せ框24Cの最も屋外側に位置する第一外板部31に沿って形成されているとともに、外召合せ框24Cの最も戸尻側に位置する第一連結板部33に沿って形成されている。戸尻側ホローH2及び戸尻側ホローH4が、外召合せ框24Eの最も戸尻側に位置する第一連結板部33に沿って形成されている。屋外側ホローH6、角部ホローH7、戸尻側ホローH2及び戸尻側ホローH4は、外召合せ框24E自体に形成されている。これによって、アタッチメントを使用せずにホローが形成されるため、アタッチメントを外召合せ框24Eに取り付ける必要がなく、ホローを作業性良く形成することができる。
【0076】
引違いサッシ100の内障子2Bでは、屋内側ホローH15が、内召合せ框24Fの最も屋内側に位置する第一内板部41に沿って形成されている。角部ホローH16が、内召合せ框24Fの最も屋内側に位置する第一内板部41に沿って形成されているとともに、内召合せ框24Fの最も戸尻側に位置する第一連結板部43に沿って形成されている。戸尻側ホローH13及び戸尻側ホローH4が、内召合せ框24Fの最も戸尻側に位置する第一連結板部43に沿って形成されている。屋内側ホローH15、角部ホローH16、戸尻側ホローH13及び戸尻側ホローH4は、内召合せ框24F自体に形成されている。これによって、アタッチメントを使用せずにホローが形成されるため、アタッチメントを内召合せ框24Fに取り付ける必要がなく、ホローを作業性良く形成することができる。
【0077】
上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0078】
例えば、実施形態では、内障子2Bの内召合せ框24Bの第一連結板部43に沿って、屋内側ホローH11、戸尻側ホローH12及び戸尻側ホローH4が形成されているが、本発明はこれに限られない。内障子の屋内に面した見込み面に沿ってホローが形成されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0079】
2…障子、2A…外障子、2B…内障子、21…上框、22…下框、23…戸先框、24…召合せ框、24A,24C…外召合せ框(外障子の召合せ框) 24B,24D…内召合せ框(内障子の召合せ框) 31…第一外板部(屋外側の面)、33…第一連結板部(屋外に面した見込み面)、43…第一連結板部(屋内に面した見込み面)、H1…屋外側ホロー(第一ホロー)、H2…戸尻側ホロー(第二ホロー)、H4…戸尻側ホロー(第二ホロー、第三ホロー)、H5…戸尻側ホロー(第二ホロー)、H6…屋外側ホロー(第一ホロー)、H7…角部ホロー(第五ホロー)、H11…屋内側ホロー(第四ホロー)、H12…戸尻側ホロー(第三ホロー)、H13…戸尻側ホロー(第三ホロー)、H15…屋内側ホロー(第四ホロー)、H16…角部ホロー(第六ホロー)