(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108925
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】車両用インナーレンズ、車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/241 20180101AFI20220720BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20220720BHJP
F21S 43/239 20180101ALI20220720BHJP
F21S 43/247 20180101ALI20220720BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20220720BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20220720BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20220720BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20220720BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20220720BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20220720BHJP
F21W 104/00 20180101ALN20220720BHJP
F21W 105/00 20180101ALN20220720BHJP
【FI】
F21S43/241
F21S43/237
F21S43/239
F21S43/247
F21S43/14
F21S43/20
F21V8/00 310
F21W103:20
F21W103:10
F21W103:55
F21W104:00
F21W105:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004161
(22)【出願日】2021-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山本 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】鹿子木 寛
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 俊介
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA04
3K244BA08
3K244BA27
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA12
3K244EA24
3K244EC02
3K244EC14
3K244ED02
3K244ED08
3K244ED12
3K244KA13
(57)【要約】
【課題】部品点数を軽減することができ、かつ、均一な発光面を得ることができる車両用インナーレンズ、車両用灯具を提供することにある。
【解決手段】この発明は、棒形状の導光部分30と、板形状の発光部分31と、接続部分32と、を備える。導光部分30は、一次入射面300から入射した一次入射光L1を導光作用により導く。発光部分31は、導光部分30からの一次出射光L2を入射させてかつ二次出射光L5として外部に出射させることにより発光面310が得られる。接続部分32は、導光部分30と発光部分31とを接続する。この結果、この発明は、部品点数を軽減することができ、かつ、均一な発光面を得ることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射面から入射した光を導光作用により導く棒形状の導光部分と、
前記導光部分に並列配置されていて、前記導光部分から出射した光を入射させてかつ外部に出射させることにより発光面が得られる板形状の発光部分と、
前記導光部分と前記発光部分とを少なくとも1箇所において接続する接続部分と、
を備える、
ことを特徴とする車両用インナーレンズ。
【請求項2】
前記導光部分は、
直線形状をなす直線部と、
曲線形状をなす曲線部と、
を有し、
前記直線部の一端と前記曲線部の一端とは、一体に設けられていて、
前記曲線部の他端面には、前記入射面が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用インナーレンズ。
【請求項3】
前記接続部分は、前記直線部と前記発光部分とを接続する、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用インナーレンズ。
【請求項4】
前記発光部分は、
相互に向き合う2つの広い面と、
2つの前記広い面の間に位置する複数の狭い面と、
を有し、
前記直線部の側面と前記発光部分の少なくとも1つの前記狭い面とは、お互いに向き合っている、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の車両用インナーレンズ。
【請求項5】
前記導光部分は、
前記曲線部の他端面に設けられていて、光源からの光を一次入射光として入射させる前記入射面の一次入射面と、
前記直線部の側面であって前記狭い面に向き合っている前記側面に設けられていて、前記一次入射光を一次出射光として出射させる一次出射面と、
前記直線部の側面であって前記一次出射面に向き合う側面に設けられていて、前記一次入射光を一次反射光として前記一次出射面側に反射させる一次反射面と、
を有し、
前記発光部分は、
前記一次出射面に向き合っている前記狭い面に設けられていて、前記一次出射面からの前記一次出射光を二次入射光として入射させる二次入射面と、
1つの前記広い面に設けられていて、前記二次入射光を二次出射光として出射させることにより前記発光面が得られる二次出射面と、
他の1つの前記広い面に設けられていて、前記二次入射光を二次反射光として前記二次出射面側に反射させる二次反射面と、
を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用インナーレンズ。
【請求項6】
前記接続部分は、前記一次出射面と前記二次入射面とを、前記直線部の両端において、接続する、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用インナーレンズ。
【請求項7】
灯室を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている光源および前記の請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用インナーレンズと、
を備え、
前記光源は、前記車両用インナーレンズの前記入射面に向き合って配置されていて、
前記車両用インナーレンズの前記発光面は、前記ランプレンズに向き合っている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用インナーレンズに関する。また、この発明は、車両用インナーレンズを備える車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用インナーレンズ、また、車両用インナーレンズを備える車両用灯具として、たとえば、特許文献1、特許文献2に示すものがある。以下、特許文献1について説明する。
【0003】
特許文献1の導光体(車両用インナーレンズ)は、棒状部と板状部とを一体的に設けてなるものである。棒状部は、棒状部の端面から入射した光を棒状部の延びる方向に導く。板状部は、棒状部の周面から突出していて、内部に光拡散材を含有し、棒状部からの光を入射させて光拡散材によって主表面から出射させる。
【0004】
特許文献1の導光体は、棒状部の端面から入射した光が、棒状部の入射側(上流側)から棒状部の入射側とは反対側(下流側)に導かれながら、棒状部から板状部に導かれ、板状部の光拡散材によって主表面から出射することにより、発光面が得られる、ものである。
【0005】
特許文献1の車両用灯具は、リヤコンビネーションランプであって、ランプボディとアウターカバーとで灯室を形成し、灯室内に特許文献1の導光体と光源とを収容してなるものである。光源は、導光体の棒状部の端面に配置されている。導光体の板状部の主表面は、アウターカバーに向き合っている。
【0006】
特許文献1の車両用灯具は、光源の光が導光体の棒状部の端面から入射して導光体の板状部の主表面から出射することにより、発光面が得られ、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、デイタイムランニングランプ等として機能する。
【0007】
特許文献1の導光体、車両用灯具は、棒状部と板状部とを一体的に設けてなるものであるから、部品点数を軽減することができる。
【0008】
特許文献2の導光体(車両用インナーレンズ)は、柱状導光体と、板状導光体と、を別個に備えるものである。柱状導光体は、一端面の入射面と、周面の一部の出射面と、出射面と対向した周面に、入射面から離れるほど周面から内側に入り込んで形成された複数の反射面と、を備える。板状導光体は、入射端面と、出射前面と、複数の斜面および平面の後面と、を備える。
【0009】
特許文献2の導光体は、柱状導光体の入射面から入射した光が、入射面側(上流側)から入射面側とは反対側(下流側)に導かれながら、複数の反射面で反射されて、出射面から外部に出射して板状導光体の入射端面から板状導光体内部に入射する。また、特許文献1の導光体は、状導光体の入射端面から板状導光体内部に入射した光が、入射端面側(上流側)から入射面面側とは反対側(下流側)に導かれながら、複数の斜面で反射されて、出射前面から外部に出射することにより、発光面が得られる、ものである。
【0010】
特許文献2の車両用灯具は、ランプボディとアウターカバーとで灯室を形成し、灯室内に特許文献2の導光体と光源とを収容してなるものである。光源は、柱状導光体の入射面に配置されている。板状導光体の出射前面は、アウターカバーに向き合っている。
【0011】
特許文献2の車両用灯具は、光源の光が、柱状導光体の入射面から入射して柱状導光体の出射面から出射して板状導光体の入射端面から入射して板状導光体の出射前面から出射することにより、発光面が得られ、種々なランプとして機能する。
【0012】
特許文献2の導光体、車両用灯具は、柱状導光体と板状導光体とを別個に備えるものであるから、均一な発光面が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2020-24867号公報
【特許文献2】特開2018-46024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1の導光体は、棒状部と板状部とを一体的に設けてなるものであるから、棒状部から板状部に導かれ光の量が、棒状部の上流側から下流側に行くに従って減少する傾向にあるものである。この結果、特許文献1の導光体、車両用灯具は、部品点数を軽減することができるが、均一な発光面を得ることができない場合がある。
【0015】
また、特許文献1の導光体は、棒状部と板状部とを別個に備えるものであるから、部品点数の軽減化を図ることができない。この結果、特許文献2の導光体、車両用灯具は、均一な発光面を得ることができるが、部品点数の軽減化を図ることができない。
【0016】
この発明が解決しようとする課題は、部品点数を軽減することができ、かつ、均一な発光面を得ることができる車両用インナーレンズ、車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明の車両用インナーレンズは、入射面から入射した光を導光作用により導く棒形状の導光部分と、導光部分に並列配置されていて、導光部分から出射した光を入射させてかつ外部に出射させることにより発光面が得られる板形状の発光部分と、導光部分と発光部分とを少なくとも1箇所において接続する接続部分と、を備える、ことを特徴とする。
【0018】
この発明の車両用インナーレンズにおいて、導光部分は、直線形状をなす直線部と、曲線形状をなす曲線部と、を有し、直線部の一端と曲線部の一端とは、一体に設けられていて、曲線部の他端面には、入射面が設けられている、ことが好ましい。
【0019】
この発明の車両用インナーレンズにおいて、接続部分は、直線部と発光部分とを接続する、ことが好ましい。
【0020】
この発明の車両用インナーレンズにおいて、発光部分は、相互に向き合う2つの広い面と、2つの広い面の間に位置する複数の狭い面と、を有し、直線部の側面と発光部分の少なくとも1つの狭い面とは、お互いに向き合っている、ことが好ましい。
【0021】
この発明の車両用インナーレンズにおいて、導光部分は、曲線部の他端面に設けられていて、光源からの光を一次入射光として入射させる入射面の一次入射面と、直線部の側面であって狭い面に向き合っている側面に設けられていて、一次入射光を一次出射光として出射させる一次出射面と、直線部の側面であって一次出射面に向き合う側面に設けられていて、一次入射光を一次反射光として一次出射面側に反射させる一次反射面と、を有し、発光部分は、一次出射面に向き合っている狭い面に設けられていて、一次出射面からの一次出射光を二次入射光として入射させる二次入射面と、1つの広い面に設けられていて、二次入射光を二次出射光として出射させることにより発光面が得られる二次出射面と、他の1つの広い面に設けられていて、二次入射光を二次反射光として二次出射面側に反射させる二次反射面と、を有する、ことが好ましい。
【0022】
この発明の車両用インナーレンズにおいて、接続部分は、一次出射面と二次入射面とを、直線部の両端において、接続する、ことが好ましい。
【0023】
この発明の車両用灯具は、灯室を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている光源およびこの発明の車両用インナーレンズと、を備え、光源が、車両用インナーレンズの入射面に向き合って配置されていて、車両用インナーレンズの発光面が、ランプレンズに向き合っている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
この発明の車両用インナーレンズ、車両用灯具は、部品点数を軽減することができ、かつ、均一な発光面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、この発明にかかる車両用インナーレンズ、車両用灯具の実施形態を示す正面図(車両の前側から後側を見た図)である。
【
図2】
図2は、ランプレンズを取り外した状態を示す一部拡大正面図(
図1におけるII部の拡大正面図)である。
【
図3】
図3は、リフレクタおよび意匠用インナーレンズを取り外した状態で、光路を示す一部拡大正面図(
図2に対応する一部拡大正面図)である。
【
図4】
図4は、光路を示す一部拡大縦断面図(
図3におけるIV-IV線拡大断面図)である。
【
図5】
図5は、光路を示す一部拡大縦断面図(
図3におけるV-V線拡大断面図)である。
【
図6】
図6は、車両用インナーレンズを示す正面図である。
【
図7】
図7は、車両用インナーレンズの変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明にかかる車両用インナーレンズ、車両用灯具の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
なお、この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用インナーレンズ、車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。また、図面は、この発明にかかる車両用インナーレンズ、車両用灯具を示す概略図であるから、この発明にかかる車両用インナーレンズ、車両用灯具の詳細な部分の図示は、省略されている。断面図においては、ハッチングが省略されている。
【0028】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ、車両用灯具の構成について説明する。
【0029】
(車両用灯具1の説明)
図1中、符号1は、この実施形態にかかる車両用灯具(以下、「車両用灯具」と称する)である。車両用灯具1は、この例では、車両(図示せず)の前部の左右両側にそれぞれ装備されるフロントコンビネーションランプである。車両用灯具1は、図示されていない他の車両用部品(たとえば、車体側の部品)と共に、相互に近接した状態で、車両に装備されている。
【0030】
車両用灯具1は、
図1から
図5に示すように、ランプハウジング10と、ランプレンズ(アウターレンズ、アウターカバー)11と、光源ユニット2と、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ(以下、「車両用インナーレンズ」と称する)3と、を備える。
【0031】
ランプハウジング10は、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。ランプレンズ11は、光透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。ランプハウジング10とランプレンズ11とは、灯室12を形成する。
【0032】
ランプハウジング10側には、他の車両用部品が近接して配置されている。このため、灯室12内の奥行き寸法Wは、
図4、
図5に示すように、狭い(小さい)。灯室12内の奥行き寸法Wは、ランプハウジング10とランプレンズ11との間の幅であって、二次出射光L5がランプレンズ11から外部に出射する方向(
図4、
図5中の二次出射光L5の実線矢印方向)の幅である。
【0033】
また、灯室12内の奥行き方向は、二次出射光L5の出射方向である。二次出射光L5の出射方向は、前後方向または車両の内側から外側方向(左右方向)であって、水平方向である。これにより、灯室12内の奥行き方向は、前後方向または左右方向であって、水平方向である。
【0034】
灯室12内には、光源ユニット2および車両用インナーレンズ3、意匠用インナーレンズ13、インナーパネル(インナーハウジング、エクステンション)14、15、リフレクタ16および他の光源17、ヘッドランプやその他のランプユニットが、配置されている。
【0035】
光源ユニット2および車両用インナーレンズ3は、ランプハウジング10側のインナーパネル14を介してランプハウジング10に取り付けられている。光源ユニット2および車両用インナーレンズ3は、この例では、フロントクリアランスランプを構成する。なお、光源ユニット2および車両用インナーレンズ3は、この例のフロントクリアランスランプ以外に、デイタイムランニングランプ、フロントターンシグナルランプ、フロント装飾用ランプなどであっても良い。
【0036】
意匠用インナーレンズ13、リフレクタ16および他の光源17は、直接、または、ブラケットなどの取付部材を介してランプハウジング10に取り付けられている。リフレクタ16および他の光源17は、この例では、フロントターンシグナルランプを構成する。なお、リフレクタ16および他の光源17は、前記の光源ユニット2および車両用インナーレンズ3がフロントターンシグナルランプを構成する場合において、フロントクリアランスランプ、デイタイムランニングランプ、フロント装飾用ランプなどを構成する。
【0037】
ランプレンズ11側のインナーパネル15は、装飾用であって、直接、または、ブラケットなどの取付部材を介してランプハウジング10に取り付けられている。
【0038】
(光源ユニット2の説明)
光源ユニット2は、
図2および
図3に示すように、基板20と、基板20に実装されているLEDなどの光源21と、を有する。
【0039】
光源ユニット2は、車両用インナーレンズ3の下方に配置されている。これにより、光源ユニット2と車両用インナーレンズ3とは、灯室12内の奥行き方向に対して、交差する方向(上下方向、鉛直方向、垂直方向)に、配置されている。
【0040】
光源21は、車両用インナーレンズ3の後記の導光部分30の一次入射面300に向き合って配置されている。
【0041】
(車両用インナーレンズ3の説明)
車両用インナーレンズ(導光部材、ライトガイド、導光体など)3は、この例では、アクリル樹脂やPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの無色透明樹脂材からなる。
【0042】
車両用インナーレンズ3は、
図2から
図6に示すように、棒形状の導光部分30と、板形状の発光部分31と、少なくとも1個(この例では2個)の接続部分32と、を備える。
【0043】
(導光部分30の説明)
導光部分30は、後記の一次入射面300から入射した一次入射光L1を導光作用により導く。導光作用とは、一次入射光L1を車両用インナーレンズ3内部において繰り返し全反射させて導く作用である。
【0044】
導光部分30は、断面形状が円形をなす丸棒形状をなす。ここの断面は、導光部分30の中心線に対して垂直方向の断面である。導光部分30は、直線形状をなす直線部301と、曲線形状をなす曲線部302と、を有する。直線部301の一端と曲線部302の一端とは、一体に設けられている。曲線部302の他端面には、入射面(一次入射面300)が設けられている。
【0045】
直線部301は、車両の内側から外側方向(左右方向)すなわち水平方向に配置されている。曲線部302は、直線部301に対して、車両の外側から下側にかけて、湾曲している。
【0046】
また、導光部分30は、入射面としての一次入射面300と、一次出射面303と、複数個の一次反射面304および複数個の繋面(段差面)と、を有する。
【0047】
一次入射面300は、曲線部302の他端面に設けられている。一次入射面300は、光源21からの光Lを一次入射光L1として入射させる。
【0048】
一次出射面303は、直線部301の側面であって、発光部分31の後記の下側の狭い面312に向き合っている側面(この例では、上側面)に設けられている。一次出射面303は、一次入射光L1を一次出射光L2として出射させる。
【0049】
複数個の一次反射面304は、直線部301の側面であって、一次出射面303に向き合う側面(この例では、下側面)に設けられている。複数個の一次反射面304は、一次入射光L1を一次反射光L3として一次出射面303側に反射させる。
【0050】
複数個の一次反射面304と複数個の繋面とは、交互に連続して設けられている。複数個の一次反射面304と複数個の繋面とは、断面ジグザグ形状をなす。1個の一次反射面304と1個の繋面とは、1個のプリズムを構成する。
【0051】
(発光部分31の説明)
発光部分31は、導光部分30の上方に並列配置されている。これにより、発光部分31と導光部分30とは、前記の光源ユニット2および車両用インナーレンズ3と同様に、灯室12内の奥行き方向に対して、交差する方向(上下方向、鉛直方向、垂直方向)に、配置されている。
【0052】
発光部分31は、導光部分30から出射した一次出射光L2を入射させてかつ外部に出射させることにより発光面310(
図6、
図7中の格子模様が施されている部分を参照)が得られる。この発光面310が意匠面となる。
【0053】
発光部分31は、板形状をなしていて、相互に向き合う2つの広い面、すなわち、表面310および裏面311と、2つの広い面の表面310と裏面311との間に位置する複数(少なくとも上下左右の4つ)の狭い面312と、を有する。
【0054】
4つの狭い面312のうち下側の狭い面312と、直線部301の上側面の一次出射面303とは、お互いに向き合っている。
【0055】
発光部分31は、二次入射面312と、二次出射面310と、二次反射面311と、を有する。
【0056】
二次入射面312は、一次出射面303に向き合っている下側の狭い面312に設けられている。すなわち、二次入射面312は、下側の狭い面312である。二次入射面312は、一次出射面303からの一次出射光L2を二次入射光L4として入射させる。
【0057】
二次出射面310は、1つの広い面の表面310に設けられている。二次出射面310は、二次入射光L4を二次出射光L5として出射させることにより発光面310が得られる。すなわち、二次出射面310は、発光面310でもある。
【0058】
二次出射面310は、意匠用インナーレンズ13を介してランプレンズ11に向き合っている。これにより、車両用インナーレンズ3の発光部分31の発光面310は、ランプレンズ11に向き合っている。
【0059】
二次反射面311は、他の1つの広い面の裏面311に設けられている。二次反射面311は、二次入射光L4を二次反射光L6として二次出射面310側に反射させる。二次反射面311には、複数個の反射ステップや複数個の反射プリズムが設けられている。
【0060】
(接続部分32の説明)
接続部分32は、導光部分30と発光部分31とを少なくとも1箇所(この例では2箇所)において接続する。すなわち、接続部分32は、導光部分30の直線部301と発光部分31とを接続する。
【0061】
さらに、接続部分32は、導光部分30の直線部301の一次出射面303と発光部分31の二次入射面(下側の狭い面)312とを、直線部301の曲線部302側の端(車両の外側の端)、および、直線部301の曲線部302側の端とは反対側の端(車両の内側の端)において、接続する。
【0062】
ここで、導光部分30の直線部301の一次出射面303の幅は、
図4、
図5に示すように、発光部分31の二次入射面(下側の狭い面)312の幅より若干狭い(小さい)。接続部分32の幅は、
図5に示すように、導光部分30の直線部301の一次出射面303の幅よりも、約2分の1狭い(小さい)。
【0063】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3、車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0064】
光源21が点灯されると、光源21からの光Lは、一次入射光L1として、車両用インナーレンズ3の導光部分30の一次入射面300から導光部分30内部に入射する。一次入射光L1は、導光作用により、導光部分30の曲線部302から直線部301に導かれる。
【0065】
直線部301に導かれた一次入射光L1の大部分は、一次反射面304により、一次反射光L3として一次出射面303側に反射される。一次反射光L3の大部分は、一次出射光L2として一次出射面303から外部に一旦出射する。一次出射光L2は、二次入射光L4として車両用インナーレンズ3の発光部分31の二次入射面312から発光部分31内部に入射する。
【0066】
なお、一次反射光L3の一部分は、接続部分32を透過して直接、二次入射光L4として発光部分31内部に入射する。また、一次入射光L1の一部分は、直線部301の曲線部302側の端とは反対側の端から外部に抜けて行く。直線部301の端から外部に抜けた光は、ランプレンズ11側のインナーパネル14やリフレクタ16で遮られるので、意匠用インナーレンズ13およびランプレンズ11を透過して、車両の外部に照射されることが無い。これにより、直線部301の端から外部に抜けた光による弊害は無い。
【0067】
発光部分31に入射した二次入射光L4は、二次反射面311により、二次反射光L6として二次出射面310側に反射される。二次反射光L6は、二次出射光L5として二次出射面310から外部に出射する。二次出射光L5は、意匠用インナーレンズ13およびランプレンズ11を透過して、車両の外部に照射される。これにより、二次出射面310は、発光面310として、広い面で発光して、フロントクリアランスランプとして機能する。
【0068】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3、車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0069】
この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、導光部分30と発光部分31と接続部分32とが一体構造をなすものであるから、部品点数を軽減することができる。
【0070】
この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、棒形状の導光部分30と板形状の発光部分31とを、接続部分32により、2箇所において接続するものである。このため、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、導光部分30内部を導かれている一次入射光L1が、導光部分30の一次出射面303から導光部分30の全長(一次入射面300側の上流側から一次入射面300側とは反対側の下流側にかけての全長)に亘って、ほぼ均一に出射する、ものである。しかも、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、導光部分30の全長に亘ってほぼ均一に出射した一次出射光L2が、二次入射光L4として、発光部分31の二次入射面312から発光部分31内部にほぼ均一に入射する、ものである。
【0071】
これにより、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、棒形状の導光部分30から板形状の発光部分31に入射する二次入射光L4の量が、一次入射面300側の上流側から一次入射面300側とは反対側の下流側にかけて、ほぼ均一とすることができる、ものである。この結果、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、二次出射光L5が発光部分31の二次出射面310から二次出射面310全面に亘ってほぼ均一に出射するので、全面に亘ってほぼ均一な二次出射面310すなわち発光面310が得られる。
【0072】
このように、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、部品点数を軽減することができ、かつ、均一な発光面310を得ることができる。
【0073】
この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、導光部分30が、直線形状をなす直線部301と、一端が直線部301の一端に設けられていて、他端面に一次入射面300が設けられていて、曲線形状をなす曲線部302と、を有する、ものである。このため、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、発光面310を有する発光部分31に対して、曲線部302の一次入射面300、すなわち、光源ユニット2を、任意の位置に配置させることができる。
【0074】
これにより、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、光源ユニット2を発光面310の範囲外に配置することができるので、発光面310の意匠面の自由度が増大する。また、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、光源ユニット2を、灯室12内の奥行き方向に対して、交差する方向、この例では、下方に配置することができるので、灯室12内の奥行き寸法Wが狭い(小さい)車両用灯具1に適している。
【0075】
この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、接続部分32が導光部分30の直線部301と発光部分31とを接続するものである。このため、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、一次入射光L1を直線部301の下流側まで行き届かせることができるので、一次出射光L2を直線部301の全長に亘ってほぼ均一に出射させることができ、これにより、前記の通り、全面に亘ってほぼ均一な発光面310を得ることができる。
【0076】
すなわち、接続部分32を曲線部302に設けると、一次入射光L1の大部分が曲線部302に沿って接続部分32を透過して発光部分31側に入射し、一次入射光L1が直線部301の下流側に行き届かない場合がある。この場合、一次出射光L2が直線部301の全長に亘ってほぼ均一に出射することができず、これにより、全面に亘ってほぼ均一な発光面310が得られない。これに対して、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、接続部分32を直線部301に設けたので、一次入射光L1の大部分を、曲線部302から直線部301に導いて、接続部分32を透過して発光部分31側に入射するのを抑制して、直線部301の下流側まで行き届かせることができる。このため、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、一次出射光L2を直線部301の全長に亘ってほぼ均一に出射させることができ、これにより、前記の通り、全面に亘ってほぼ均一な発光面310を得ることができる。
【0077】
この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、棒形状の導光部分30の直線部301の側面の一次出射面303と板形状の発光部分31の狭い面の二次入射面312とが、お互いに向き合っている、ものである。このため、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、発光部分31と導光部分30とを、灯室12内の奥行き方向に対して、交差する方向、この例では、上下に配置することができるので、灯室12内の奥行き寸法Wが狭い(小さい)車両用灯具1に適している。
【0078】
この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、接続部分32により、導光部分30の一次出射面303と発光部分31の二次入射面312とを、直線部301の両端において、接続するものである。このため、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、一次出射面303と二次入射面312との間に広い空間を形成していても、導光部分30と発光部分31とを高剛性で一体に保持することができる。
【0079】
この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3は、一次出射面303と二次入射面312との間に広い空間を形成することができるので、直線部301の一次入射光L1が接続部分32を透過して発光部分31に直接入射するのを大幅に抑制することができ、これにより、前記の通り、全面に亘ってほぼ均一な発光面310を得ることができる。
【0080】
この実施形態にかかる車両用灯具1は、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3を備えるものであるから、前記の通り、この実施形態にかかる車両用インナーレンズ3の効果と同様の効果を達成することができる。
【0081】
特に、この実施形態にかかる車両用灯具1は、1個の光源21で、車両用インナーレンズ3の全面に亘ってほぼ均一な発光面310を得ることができる。この結果、この実施形態にかかる車両用灯具1は、部品点数を軽減することができる。
【0082】
(車両用インナーレンズ3Aの変形例の説明)
図7は、車両用インナーレンズ3Aの変形例を示す正面図である。この変形例の車両用インナーレンズ3Aは、前記の車両用インナーレンズ3と比較して、湾曲部302Aの曲率が小さい(曲率半径が大きい)ものである。この変形例の車両用インナーレンズ3Aの湾曲部302Aの一次入射面300に光源ユニット2を配置させる。このように、車両用灯具1の灯室12内の収容空間により、光源ユニット2の配置位置を任意に変更することができる。
【0083】
(実施形態以外の例の説明)
なお、前記の実施形態においては、車両用灯具1をフロントコンビネーションランプに使用した例について説明するものである。しかしながら、この発明においては、車両用灯具1を、フロントコンビネーションランプ以外のランプ、たとえば、リヤコンビネーションランプに、使用しても良い。この場合において、光源ユニット2および車両用インナーレンズ3は、リヤターンシグナルランプ、リヤクリアランスランプ、リヤ装飾用ランプなどである。
【0084】
また、前記の実施形態においては、導光部分30と板形状の発光部分31とを、接続部分32により、2箇所において、すなわち、接続部分32により、導光部分30の一次出射面303と発光部分31の二次入射面312とを、直線部301の両端において、接続するものである。しかしながら、この発明においては、接続部分32による接続箇所の数や場所、また、接続部分32の大きさや形状などを特に限定しない。すなわち、この発明においては、一次出射面303と二次入射面312との間を広い空間で形成することができ、または、導光部分30と発光部分31とを高剛性で一体に保持することができる、ものであれば良い。
【0085】
さらに、前記の実施形態においては、車両用インナーレンズ3と光源ユニット2とを上下に配置したものである。しかしながら、この発明においては、車両用インナーレンズ3と光源ユニット2との配置を特に限定しない。
【0086】
さらにまた、前記の実施形態においては、車両用インナーレンズ3の発光部分31と導光部分30とを上下に配置したものである。しかしながら、この発明においては、車両用インナーレンズ3の発光部分31と導光部分30との配置を特に限定しない。
【0087】
さらにまた、前記の実施形態においては、車両用インナーレンズ3の二次出射面310、すなわち、意匠面を形成する発光面の形状が四角形形状をなすものである。しかしながら、この発明においては、車両用インナーレンズ3の二次出射面310であって、意匠面を形成する発光面の形状を特に限定しない。
【0088】
なお、この発明は、前記の実施形態により限定されるものではない。
【符号の説明】
【0089】
1 車両用灯具
10 ランプハウジング
11 ランプレンズ
12 灯室
13 意匠用インナーレンズ
14 ランプハウジング10側のインナーパネル
15 ランプレンズ11側のインナーパネル
16 リフレクタ
17 他の光源
2 光源ユニット
20 基板
21 光源
3、3A 車両用インナーレンズ
30 導光部分
300 一次入射面
301 直線部
302、302A 曲線部
303 一次出射面
304 一次反射面
31 発光部分
310 二次出射面(発光面、広い表面)
311 二次反射面(広い裏面)
312 二次入射面(下側の狭い面)
32 接続部分
L 光源21からの光
L1 一次入射光
L2 一次出射光
L3 一次反射光
L4 二次入射光
L5 二次出射光
L6 二次反射光
W 奥行き寸法