(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108964
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】カート
(51)【国際特許分類】
B62B 3/02 20060101AFI20220720BHJP
F16B 5/07 20060101ALI20220720BHJP
F16B 5/06 20060101ALI20220720BHJP
A47B 31/04 20060101ALI20220720BHJP
A47B 91/06 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
B62B3/02 B
F16B5/07 A
F16B5/06 C
A47B31/04 B
A47B91/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004215
(22)【出願日】2021-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】山本 広和
(72)【発明者】
【氏名】小林 達之介
【テーマコード(参考)】
3B069
3D050
3J001
【Fターム(参考)】
3B069CA03
3D050AA01
3D050BB02
3D050CC05
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050GG01
3J001FA05
3J001FA19
3J001GB01
3J001GC09
3J001GC12
3J001HA02
3J001HA04
3J001HA08
3J001HA09
3J001JB02
3J001JB15
3J001JD24
3J001KA06
3J001KB01
(57)【要約】
【課題】保管場所のスペースを最小限としうるようにしたカートを提供する。
【解決手段】キャスタ4と複数段の分割載置部6を備える左右一対のカートユニット2、2同士は、連結部材3により前後方向に相対移動可能かつ左右に所定寸法離間可能に連結され、左右一対の分割載置部6により複数段の物品載置部7が構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャスタと複数段の分割載置部を備える左右一対のカートユニット同士は、連結部材により前後方向に相対移動可能かつ左右に所定寸法離間可能に連結され、左右一対の前記分割載置部により複数段の物品載置部が構成されていることを特徴とするカート。
【請求項2】
前記左右のカートユニットは前記物品載置部を支持する前後一対の支柱を備え、前記左右のカートユニットにおける前記前後の支柱に前記連結部材の端部が回動可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載のカート。
【請求項3】
前記連結部材は前記支柱の少なくとも上部と下部に連結されていることを特徴とする請求項2に記載のカート。
【請求項4】
前記支柱を管状支柱とし、上下に対向する前記分割載置部間に位置する前記管状支柱に、前記連結部材の端部が固着された管材を回動可能に嵌合したことを特徴とする請求項2または3に記載のカート。
【請求項5】
前記分割載置部は、前後方向の中央部に幅狭部を備え、該幅狭部には他方の分割載置部との対向方向に突出する突出片が形成され、前記カートユニット同士を折り畳む際に前記突出片が前記幅狭部に比べて対向方向に大きく突出する前後端部に当接することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のカート。
【請求項6】
前記カートユニットの相対移動を阻止し、カートを使用状態に保持するロック手段を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のカート。
【請求項7】
前記ロック手段は、前記カートユニットにそれぞれ一方端が軸支され、自由端にそれぞれ係合部が形成された杆材により構成され、これら杆材同士は前記カートユニットに対して斜めに交差して直線をなした状態で互いの係合部が係合することを特徴とする請求項6に記載のカート。
【請求項8】
前記ロック手段は前記分割載置部に上下に回動可能に取付けられた線状部材よりなり、該線状部材には、下向き回動時に前記連結部材に上方から嵌合可能な凹部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のカート。
【請求項9】
前記線状部材は前記カートユニットを使用状態に相対移動させるとき前記連結部材に接触して跳ね上げられる傾斜部を有し、前記カートユニットを使用状態としたとき前記跳ね上げられた線状部材が下向き回動して前記凹部が前記連結部材に上方から嵌合することを特徴とする請求項8に記載のカート。
【請求項10】
前記物品載置部を構成する左右一対の前記分割載置部には、載置されるトレー部材の左右方向及び前後方向の少なくともいずれか一方への移動を規制する規制部が形成されていることを特徴とする請求項請求項1ないし9のいずれかに記載のカート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み及びネスティング可能なカートに関する。
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗においては、バックヤードに保管された商品を店内に運搬して品出しする際、例えば特許文献1に記載されているようなカートが用いられる。特許文献1のカートは折り畳みもネスティングもできないため、複数のカートを保管する保管場所のスペースが大となる。このため、都市型の小型店舗など、バックヤードを大きく確保できない場合、商品の在庫量を増やせないなど、保管場所を有効に利用することができない。
【0003】
このような問題を解決するものとして、例えば特許文献2には、平面視ほぼZ字状に形成された下部フレームと上部フレームの四隅部に取り付けられた4本の支柱に、複数段の支持棚を対向状に取り付けたネスティング可能なカートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平3-33581号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】実願平3-33436号(実開平6-51049号)のCD-ROM(第6頁、第12図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載されているカートにおいては、複数のカートをネスティングして保管することができるので、特許文献1のカートに比して保管場所のスペースを小さくできる。しかしながら、カート単体の左右幅はもとより、ネスティング時の左右寸法も大となり、バックヤードを大きく確保できない都市型の小型店舗などにおいて保管場所を有効に利用できないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、保管場所のスペースを最小限としうるようにしたカートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のカートは、
キャスタと複数段の分割載置部を備える左右一対のカートユニット同士は、連結部材により前後方向に相対移動可能かつ左右に所定寸法離間可能に連結され、左右一対の前記分割載置部により複数段の物品載置部が構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、連結部材により連結された左右のカートユニットを前後方向に相対移動させて互いに近接または当接させることにより、不使用時にカートの左右幅を使用時の所定寸法よりも小さくして折り畳むことができる。従って、カートの保管場所のスペースを小さくすることができ、保管場所を有効に利用することができる。また、左右のカートユニット同士が前後方向にずれて折り畳まれるので、複数のカートを前後方向の間隔を小さくして効果的にネスティングすることができる。
【0008】
前記左右のカートユニットは前記物品載置部を支持する前後一対の支柱を備え、前記左右のカートユニットにおける前記前後の支柱に前記連結部材の端部が回動可能に連結されていることを特徴としている。
この特徴によれば、左右のカートユニットの前後一対の支柱に連結部材の端部が連結されているので、左右のカートユニット同士の連結強度が大となる。
【0009】
前記連結部材は前記支柱の少なくとも上部と下部に連結されていることを特徴としている。
この特徴によれば、左右のカートユニット同士の連結強度がより大となる。
【0010】
前記支柱を管状支柱とし、上下に対向する前記分割載置部間に位置する前記管状支柱に、前記連結部材の端部が固着された管材を回動可能に嵌合したことを特徴としている。
この特徴によれば、左右の管状支柱に連結部材の端部が固着された管材を嵌合するだけで、前後の支柱に連結部材を回動可能に容易に連結することができる。また、連結部材と一体を成す管材が管状支柱に嵌合されているので、左右のカートユニット同士の連結強度がさらに大となり、カートのぐらつきも防止される。
【0011】
前記分割載置部は、前後方向の中央部に幅狭部を備え、該幅狭部には他方の分割載置部との対向方向に突出する突出片が形成され、前記カートユニット同士を折り畳む際に前記突出片が前記幅狭部に比べて対向方向に大きく突出する前後端部に当接することを特徴としている。
この特徴によれば、不使用時にカートの左右幅を使用時の所定寸法よりも小さくして折り畳みながらも、安定して自立できるのに十分なカートユニット同士の離間距離を確保することができる。
【0012】
前記カートユニットの相対移動を阻止し、カートを使用状態に保持するロック手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、使用状態のカートが誤って折り畳まれることがない。
【0013】
前記ロック手段は、前記カートユニットにそれぞれ一方端が軸支され、自由端にそれぞれ係合部が形成された杆材により構成され、これら杆材同士は前記カートユニットに対して斜めに交差して直線をなした状態で互いの係合部が係合することを特徴としている。
この特徴によれば、カートの使用状態において杆材が筋交いのように機能し、別体のカートユニットを連結し構成されるカートの構造強度を補強できる。
【0014】
前記ロック手段は前記分割載置部に上下に回動可能に取付けられた線状部材よりなり、該線状部材には、下向き回動時に前記連結部材に上方から嵌合可能な凹部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、線状部材を下向きに回動させ、凹部を連結部材に上方から嵌合するだけで、カートを使用状態に簡単にロックすることができる。
【0015】
前記線状部材は前記カートユニットを使用状態に相対移動させるとき前記連結部材に接触して跳ね上げられる傾斜部を有し、前記カートユニットを使用状態としたとき前記跳ね上げられた線状部材が下向き回動して前記凹部が前記連結部材に上方から嵌合することを特徴としている。
この特徴によれば、カートユニットを相対移動させるだけで、カートを使用状態に自動的にロックすることができるので、使い勝手が向上する。
【0016】
前記物品載置部を構成する左右一対の前記分割載置部には、載置されるトレー部材の左右方向及び前後方向の少なくともいずれか一方への移動を規制する規制部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、左右一対の分割載置部にトレー部材が載置されることで、トレー部材により左右一対のカートユニット同士の相対移動が規制され、展開された使用状態のカートの構造強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例1に係るカートの使用状態の斜視図である。
【
図2】同じく折り畳み途中のカートを示す斜視図である。
【
図3】左右のカートユニットの上部側の一部を示す斜視図である。
【
図4】左右のカートユニットの連結部付近の拡大縦断面図である。
【
図5】左右のカートユニットをロック手段により使用状態にロックしたときの要部の斜視図である。
【
図6】ロック手段のロックを解除して左右のカートユニットを折り畳んだ状態の要部の斜視図である。
【
図8】カートユニットが自動的にロックされるときのロック手段の作動状態を示すもので、(a)は連結部材がロック手段に接触する前の状態、(b)はロック手段が連結部材に接触して跳ね上げられる状態、(c)はロック手段の凹部が連結部材に上方から嵌合して自動的にロックされた状態をそれぞれ示す要部の斜視図である。
【
図10】4台のカートを前後方向にネスティングしたときの平面図である。
【
図11】実施例2に係るカートの連結部材と支柱との連結部付近の斜視図である。
【
図12】実施例3に係るカートの折り畳んだ状態の平面図である。
【
図13】実施例3に係るカートの使用状態の平面図である。
【
図14】実施例3に係るカートの中間状態の平面図である。
【
図15】実施例3に係るカートの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るカートを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0019】
実施例1に係るカートにつき、
図1から
図8を参照して説明する。実施例1に係るカート1は、左右一対のカートユニット2、2の上部と下部同士を、前後方向に相対移動可能かつ左右に所定寸法離間するように4本の連結部材3により連結して構成されている。
【0020】
左右のカートユニット2、2は、それぞれ下端にキャスタ4が取付けられた前後一対の金属製の管状支柱5、5と、前後の管状支柱5、5により支持された上下複数段(本実施例では8段)の合成樹脂製の分割載置部6とを備えている。カートユニット2、2における左右に対向する分割載置部6、6により、例えばトレー部材Tを載置可能な複数段の物品載置部7が構成されている(
図3、
図4参照)。
【0021】
図3及び
図4に示すように、左右の分割載置部6、6の対向部には、前後の端部を除いて下方に凹入する段差部6a、6aが内向きに形成されている。段差部6a、6aの前後の端部は、トレー部材Tの支持面積を大とするために内向きの突出寸法を大としてある。段差部6a、6aの基部に形成されている上向きの側壁部6b、6bは、物品載置部7に載置されるトレー部材Tの左右方向への移動を規制する左右方向規制部となっており、また段差部6a、6aの前後の端部に形成されている上向きの前後壁部6c、6cは、トレー部材Tの前後方向への移動を規制する前後方向規制部となっている。
【0022】
左右の分割載置部6、6における前後両端部の外側面には、管状支柱5に嵌合される円筒部6d、6dが一体的に形成されている。上下に対向する分割載置部6、6間の管状支柱5には、連結部材3の装着部を除いて合成樹脂製の間隔保持管8が嵌装され、上下の分割載置部6、6間の間隔が保たれている。連結部材3の装着部において上下に対向する分割載置部6、6間の管状支柱5には、連結部材3の両端部に固着された金属パイプよりなる管材9、9が回転自在に嵌装されている。この管材9、9も上下の分割載置部6、6間の間隔を保持する間隔保持管としての機能を有する。なお、金属パイプにより形成された連結部材3の両端部は、左右の管材9、9の上端部の対向面に溶接により固着され、管材9、9と連結部材3とは実質的に一体をなしている(
図4参照)。
【0023】
図3に示すように、最上段の左右の分割載置部6の円筒部6d、6dと間隔保持管8、8との間の管状支柱5には、ゴム製の伸縮自在な管状クッション材10、10が若干圧縮させて嵌装されている。この管状クッション材10は、寒暖差によって合成樹脂製の円筒部6dと間隔保持管8との間に生じる膨張差や収縮差を吸収して、がたつきを防止するためのものである。最上段の円筒部6dの上端部には、鍔付きのキャップ11が嵌合され、このキャップ11は、管状支柱5の上端部に圧嵌された雌ねじ部材(図示略)に上方から螺合されるボルト12により固定されている。このキャップ11により全ての間隔保持管8と管材9及び全段の分割載置部6、6が管状支柱5から抜け外れるのが防止されている。
【0024】
連結部材3と一体をなす管材9は、前後左右4本の管状支柱5の上部と下部、すなわちこの実施例では、最下段の分割載置部6と2段目の分割載置部6間の管状支柱5及び6段目の分割載置部6と7段目の分割載置部6間の管状支柱5に回転自在に嵌装されている(
図1参照)。詳しくは
図4に示されるように、管材9は上下端に取り付けられた摩擦係数の低いフランジ付き筒体である滑り軸受20を介してスムーズに回転可能な状態で管状支柱5に嵌装されている。
【0025】
図5ないし
図8に示すように、上下の連結部材3の直上において後部側の右方の管状支柱5に嵌合されている分割載置部6の後端部の内側面(左側面)には、ロック手段である金属ワイヤ製の線状部材13が取り付けられている。この線状部材13は、
図7に拡大して示すように、上方の遊端部に前後方向外向きに連設された前後一対の取付部13a、13aと、前後方向の中央部に形成され、カート1を使用状態にしたとき連結部材3に上方から嵌合可能な上向きの凹部13bと、前部側の取付部13aから凹部13bの前下端に向かって斜め上下方向に傾斜する傾斜部13cとを有している。
【0026】
分割載置部6の内側面には、線状部材13を取付けるための前後一対のL字状をなす取付金具14、14がねじ止めされている。線状部材13を内向きに弾性変形させつつ、取付部13a、13aを取付金具14、14の内向片14a、14aに遊嵌することにより、線状部材13は取付部13a、13aを中心として上下方向に回動するように支持されている。なお、線状部材13は自重により常時下向きに垂下した状態に支持される。取付金具14の内向片14aから突出する取付部13aには環状溝(図示略)が形成され、この環状溝にスナップリング15を嵌め込むことにより、取付部13aが抜け止めされている。
【0027】
図5を参照し、カート1を使用状態に展開した状態で上下の線状部材13(上部のみ図示する)を下向きに回動させ、凹部13bを連結部材3に上方から嵌合すると、上下の連結部材3の水平回動が阻止され、左右のカートユニット2、2の前後方向への相対移動がロックされる。また、
図6を参照し、線状部材13を上向きに回動させ、凹部13bを連結部材3から離脱させると、左右のカートユニット2、2の前後方向への相対移動が許容され、左右の分割載置部6、6同士を互いに近接または当接させた状態でカート1を折り畳むことができる。
【0028】
折り畳まれたカート1を使用状態まで展開すると、線状部材13により自動的にロックすることができる。すなわち、
図8(a)に示す折り畳み状態からカートユニット2、2を前後方向に相対移動させると、
図8(b)に示すように、連結部材3の水平回動運動により該連結部材3が線状部材13の傾斜部13cに接触し、線状部材13が跳ね上げられる。連結部材3が線状部材13の凹部13bと対向する位置までカートユニット2、2をさらに相対移動させると、
図8(c)に示すように、線状部材13が自重により下向きに回動して凹部13bが連結部材3に上方から嵌合する。これにより、カート1は自動的に使用状態にロックされる。
【0029】
以上説明したように、実施例1に係るカート1においては、
図9に示すように、左右一対のカートユニット2、2を前後方向に相対移動させて分割載置部6、6同士を互いに近接または当接させることにより、不使用時にカート1の左右幅を使用時の所定寸法よりも小さくして折り畳むことができる。従って、カート1の保管場所のスペースを小さくでき、保管場所を有効に利用することができる。また、カートユニット2、2同士が前後方向にずれて折り畳まれるので、
図10に示すように、複数台のカート1を前後方向の間隔を小さくして効果的にネスティングすることができる。
【0030】
また、
図10に示すように、複数台のカート1をネスティングする際には、左右の分割載置部6、6の対向部に形成された幅狭部6eの内側に、隣接するカート1の幅狭部6eを挟んだ前後端部6fを入れることで、ネスティング時に隣接するカート1同士の前後方向の相対移動が抑制される。
【0031】
連結部材3の両端部は、カートユニット2、2の前後の管状支柱5の上部と下部に連結され、しかも連結部材3と実質的に一体をなす所定長さの管材9が管状支柱5に嵌装されているので、左右のカートユニット2、2同士の連結強度が大となり、使用時においてカート1がぐらつくのが防止される。また、管材9を管状支柱5に嵌装するだけで、連結部材3を前後の管状支柱5、5に回動可能に容易に連結することができる。
【0032】
左右のカートユニット2、2の相対移動を阻止し、カート1を使用状態にロックする線状部材13(ロック手段)を有しているので、使用状態のカート1が誤って折り畳まれることがなくなる。また、カートユニット2を使用状態に展開させるだけで、カート1を使用状態に自動的にロックすることができるので、使い勝手が向上する。
【0033】
物品載置部7を構成する左右一対の分割載置部6、6には、載置されるトレー部材Tの左右方向及び前後方向への移動を規制する規制部、すなわち側壁部6bと前後壁部6cが形成されているので、物品載置部7に載置されるトレー部材Tによっても左右のカートユニット2、2の相対移動が規制され、展開された使用状態のカート1の構造強度を高めることができる。
【0034】
なお、連結部材3は左右の管材9、9に溶接により固着される例について説明したが、連結部材は左右の管材に回動可能に取り付けられていてもよく、この場合左右の管材は管状支柱5に回動不能に固着されていてもよい。