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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109046
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】仕切部材
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/493 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
B65D5/493 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004367
(22)【出願日】2021-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】592181842
【氏名又は名称】株式会社サガシキ
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】特許業務法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高畑 幸典
(72)【発明者】
【氏名】山口 茂樹
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060BC02
3E060BC04
3E060CC14
3E060CC17
3E060CC34
3E060CC46
3E060DA30
3E060EA13
(57)【要約】
【課題】 仕切部材を平面上に置いた状態で容易に複数の商品を収容する箱の内部に配置できる状態に組み立てられるようにすること、複数の仕切部材を組合わせた状態で商品収容箱の内部に安定して配置し、様々な収容数の商品収容箱に対応できるようにすること。
【解決手段】
一辺の長さがMで、谷折線となる4辺1~4で囲まれる正方形5と、正方形5の左辺1及び右辺3の延長線上に延び、いずれも長さHの山折線となる4つの高さ規定線6~9と、正方形5の対角線の延長線上に延び、いずれも長さM×21/2の谷折線となる4つの放射線11~13を有し、4つの高さ規定線6~9の端及び4つの放射線11~13の端を順次結ぶ線14~21によって囲まれる輪郭線を有する仕切部材。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上辺の長さL、左辺の長さMで、谷折線となる4辺で囲まれる長方形と、
前記長方形の左辺及び右辺の延長線上に延び、いずれも長さHの山折線となる4つの高さ規定線と、
前記長方形の4つの頂点から放射状に延び、前記長方形の左辺又は右辺の延長線と45度の角度をなし、いずれも長さM×21/2の谷折線となる4つの放射線を有し、
上に延びた2つの高さ規定線の端を結ぶ線、
下に延びた2つの高さ規定線の端を結ぶ線、
上に延びた左側の高さ規定線の端と左上に延びる放射線の端を結ぶ線、
上に延びた右側の高さ規定線の端と右上に延びる放射線の端を結ぶ線、
下に延びた左側の高さ規定線の端と左下に延びる放射線の端を結ぶ線、
下に延びた右側の高さ規定線の端と右下に延びる放射線の端を結ぶ線、
左上に延びる放射線の端と左下に延びる放射線の端を結ぶ線、及び
右上に延びる放射線の端と右下に延びる放射線の端を結ぶ線で囲まれる輪郭線を有する
ことを特徴とする仕切部材。
【請求項2】
前記右上に延びる放射線の端と前記右下に延びる放射線の端を結ぶ線を直線状の右接続線とした請求項1に記載の仕切部材と、
前記左上に延びる放射線の端と前記左下に延びる放射線の端を結ぶ線を直線状の左接続線とした請求項1に記載の仕切部材とを、
前記右接続線と前記左接続線で山折り可能に接続してある
ことを特徴とする仕切部材。
【請求項3】
前記右接続線及び前記左接続線より右側の領域で、右上に延びる放射線の端と右下に延びる放射線の端を結ぶ線を直線状の第2右接続線とした請求項2に記載の仕切部材と、
前記左上に延びる放射線の端と前記左下に延びる放射線の端を結ぶ線を直線状の第2左接続線とした請求項1に記載の仕切部材又は前記右接続線及び前記左接続線より左側の領域で、左上に延びる放射線の端と左下に延びる放射線の端を結ぶ線を直線状の第2左接続線とした請求項2に記載の仕切部材とを、
前記第2右接続線と前記第2左接続線で山折り可能に接続してある
ことを特徴とする仕切部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱内に複数の瓶、缶又は紙パック容器等の商品を収容するときに、収容される複数の商品間を仕切るために用いる仕切部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2007-153435号公報)には、2行3列の配置でガラス瓶製の容器を収容する直方体状の外箱(10)の内部に配置して、各商品間を仕切る仕切部材(20)が開示されている(特に、図1~5及び段落0013、0018~0027を参照)。
そして、図5及び段落0018に記載されているように、仕切部材(20)は矩形状をなすブランクシートに対して所定位置に折曲線(27)(28)等及び切断線(31)(34)が設けられたものであり、折曲線(27) (37)を谷折り、折曲線(30)(35)を山折りして図2(B)の状態にした後、折曲線(28)を谷折りすることによって図1の上部に記載されている状態となる。
しかし、特許文献1記載の仕切部材(20)に設けられている折曲線(27)(28)等は、いずれもブランクシートの一辺に対して平行又は垂直に配置されているため、ブランクシートの一辺に対して平行な折曲線(27)(30)(35)(37)を折った後、さらにブランクシートの一辺に対して垂直な折曲線(28)を折る作業が必要である。
さらに、仕切部材(20)を図2(B)の状態にするためには、第1仕切壁(22)と第3仕切壁(25A)(25B)を逆方向に折り曲げなければならないため、仕切部材(20)を平面上に置いた状態で、外箱(10)の内部に配置可能な状態にすることはできない。
【0003】
特許文献2(特開2010-30668号公報:特許第5302591号公報)には、段ボールケース(C)を6つの領域に仕切ることができる仕切り体(101)が開示されている(特に、図1~5及び段落0012~0027を参照)。
そして、図1及び段落0012、0013に記載されているように、仕切り体(101)は第1端面(5)、第1中間面(6)、中央面(7)、第2中間面(8)及び第2端面(9)を有する2枚の仕切り板(1)と、第1端連結板(2)と、中央連結板(3)と、第2端連結板(4)を有する段ボールシート(100)を折り曲げて組み立てられるものであり、境界線(16)~(18)を谷折りして図2下部の状態にした後、段落0023に記載されるように境界線(12)~(15)を谷折り又は山折りすることによって図3に記載されている状態となる。
しかし、特許文献2記載の段ボールシート(100)に設けられている境界線(12)~(15)は、段ボールシート(100)の上辺及び下辺に対して垂直に配置され、境界線(16)~(18)は、上辺及び下辺に対して平行に配置されているため、境界線(16)~(18)を谷折りした後、さらに境界線(12)~(15)を谷折り又は山折りする作業が必要である。
また、特許文献1記載の仕切部材(20)及び特許文献2記載の仕切り体(101)は、連続した平面状の側壁部を有していないため、複数の仕切部材(20)や仕切り体(101)を組合わせた状態で、外箱(10)又は段ボールケース(C)の内部に安定して配置することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-153435号公報
【特許文献2】特開2010-30668号公報(特許第5302591号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、仕切部材を平面上に置いた状態で、容易に複数の商品を収容する箱の内部に配置できる状態に組み立てられるようにすることを第1の課題としている。
また、複数の仕切部材を組合わせた状態で商品収容箱の内部に安定して配置し、様々な収容数の商品収容箱に対応できるようにすることを第2の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明の仕切部材は、
上辺の長さL、左辺の長さMで、谷折線となる4辺で囲まれる長方形と、
前記長方形の左辺及び右辺の延長線上に延び、いずれも長さHの山折線となる4つの高さ規定線と、
前記長方形の4つの頂点から放射状に延び、前記長方形の左辺又は右辺の延長線と45度の角度をなし、いずれも長さM×21/2の谷折線となる4つの放射線を有し、
上に延びた2つの高さ規定線の端を結ぶ線、
下に延びた2つの高さ規定線の端を結ぶ線、
上に延びた左側の高さ規定線の端と左上に延びる放射線の端を結ぶ線、
上に延びた右側の高さ規定線の端と右上に延びる放射線の端を結ぶ線、
下に延びた左側の高さ規定線の端と左下に延びる放射線の端を結ぶ線、
下に延びた右側の高さ規定線の端と右下に延びる放射線の端を結ぶ線、
左上に延びる放射線の端と左下に延びる放射線の端を結ぶ線、及び
右上に延びる放射線の端と右下に延びる放射線の端を結ぶ線で囲まれる輪郭線を有する
ことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、
前記右上に延びる放射線の端と右下に延びる放射線の端を結ぶ線を直線状の右接続線とした請求項1に記載の仕切部材と、
前記左上に延びる放射線の端と左下に延びる放射線の端を結ぶ線を直線状の左接続線とした請求項1に記載の仕切部材とを、
前記右接続線と前記左接続線で山折り可能に接続してあることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、
前記右接続線及び前記左接続線より右側の領域で、右上に延びる放射線の端と右下に延びる放射線の端を結ぶ線を直線状の第2右接続線とした請求項2に記載の仕切部材と、
前記左上に延びる放射線の端と前記左下に延びる放射線の端を結ぶ線を直線状の第2左接続線とした請求項1に記載の仕切部材又は前記右接続線及び前記左接続線より左側の領域で、左上に延びる放射線の端と左下に延びる放射線の端を結ぶ線を直線状の第2左接続線とした請求項2に記載の仕切部材とを、
前記第2右接続線と前記第2左接続線で山折り可能に接続してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明の仕切部材は、谷折線となる4辺で囲まれる長方形の周囲に、長方形の左辺及び右辺の延長線上に延び、いずれも長さHの山折線となる4つの高さ規定線と、
前記長方形の4つの頂点から放射状に延び、前記長方形の左辺又は右辺の延長線と45度の角度をなし、いずれも長さM×21/2の谷折線となる4つの放射線を有している。
そして、仕切部材を平面上に置いた状態で、長方形の上辺と上側の2つの高さ規定線で囲まれる上側側壁部と、長方形の下辺と下側の2つの高さ規定線で囲まれる下側側壁部を平面に対して垂直になるように起こすと、長方形の左辺と左側の2つの放射線で囲まれる左側側壁部と、長方形の右辺と右側の2つの放射線で囲まれる右側側壁部が連動して引き上げられるので、容易に商品収容箱の内部に配置できる状態に組み立てることができる。
また、請求項1に係る発明の仕切部材は、左側側壁部と右側側壁部が連続した平面状の側壁部となるため、隣接する左側側壁部と右側側壁部を密着させることにより、複数の仕切部材を組合わせた状態で1つの商品収容箱の内部に安定して配置することができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明の仕切部材を2つ左右に接続するとともに、左側の仕切部材の右接続線と右側の仕切部材の左接続線が山折り可能に接続してあるので、仕切部材を平面上に置いた状態で、2つの上側側壁部と下側側壁部を平面に対して垂直になるように起こすと、2つの左側側壁部と右側側壁部が連動して引き上げられ、6個分の商品を仕切ることのできる仕切部材を容易に組み立てることができる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、請求項2に係る発明の仕切部材と請求項1又は2に係る発明の仕切部材を左右に接続するともに、前者の仕切部材の第2右接続線と後者の仕切部材の第2左接続線が山折り可能に接続してあるので、請求項2に係る発明の仕切部材と同様の組み立て作業によって、9個分又は12個分の商品を仕切ることのできる仕切部材を容易に組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】組み立てる前の実施例1に係る仕切部材を示す図。
図2】実施例1に係る仕切部材を組み立てる過程を示す図。
図3】組み立てる前の実施例2に係る仕切部材を示す図。
図4】組み立てる前の変形例(1)及び(2)に係る仕切部材を示す図。
図5】組み立てる前の変形例(3)~(5)に係る仕切部材を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
なお、以下では、図面の紙面手前側の面を「表面」、図面の紙面奥側の面を「裏面」とし、折曲線が裏面側にくぼむように折る場合を「谷折」、折曲線が表面側に突出するように折る場合を「山折」として説明する。
【実施例0014】
図1は、組み立てる前の実施例1に係る仕切部材を示す図である。
実施例1に係る仕切部材は、図1に示すような輪郭線を有する段ボール又はボール紙等に、折曲線や切断線を設けたものであり、折曲線の構成は次のとおりである。
一辺の長さがMで、谷折線となる4辺1~4で囲まれる正方形5と、正方形5の左辺1及び右辺3の延長線上に延び、いずれも長さHの山折線となる4つの高さ規定線6~9と、正方形5の対角線の延長線上に延び、いずれも長さM×21/2の谷折線となる4つの放射線10~13を、左領域と右領域の各々に有している。
そして、左右領域において、高さ規定線6、7の端は正方形5側にくぼんでいる曲線14で結ばれ、高さ規定線8、9の端は正方形5側にくぼんでいる曲線15で結ばれ、高さ規定線6の端と放射線10の端は直線16で結ばれ、高さ規定線7の端と放射線11の端は直線17で結ばれ、高さ規定線8の端と放射線12の端は直線18で結ばれ、高さ規定線9の端と放射線13の端は直線19で結ばれている。また、左領域において、放射線10の端と放射線12の端は中央部が正方形5側にくぼんでいる曲線20で結ばれ、右領域において、放射線11の端と放射線13の端は中央部が正方形5側にくぼんでいる曲線21で結ばれており、これらの曲線15、16、20、21及び直線16~19は、実施例1に係る仕切部材の輪郭線を構成している。
さらに、左領域の放射線11の端(右領域の放射線10の端と一致)と左領域の放射線13の端(右領域の放射線12の端と一致)は直線22で結ばれており、左領域と右領域が山折り可能に接続されている。
なお、正方形5の一辺の長さMは、収容する商品の水平断面の直径よりやや大きく(商品が円柱状の場合)、高さ規定線6~9の長さHは、実施例1に係る仕切部材を配置する商品収容箱の高さの半分程度であり、左領域の左辺1と曲線20の膨出部との距離及び右領域の右辺3と曲線21の膨出部との距離H’はHと等しい(図1を参照)。
【0015】
左領域における4つの放射線10~13と、右領域における2つの放射線11、13の中央部には谷折線の無い部分があるとともに、谷折線の無い部分の両端を結ぶ弧状切断線23が設けてある。
これらの弧状切断線23は、実施例1に係る仕切部材を組み立てたときに、弧状の部分が下方に突出することによって、正方形5の上側及び下側に配置される商品が左右にがたつき難くするために設けられている。
また、左領域と右領域の境界部に位置する直線22の中央部にも谷折線の無い部分があるとともに、谷折線の無い部分の両端を結ぶU字状の境界部切断線24が設けてある。
この境界部切断線24は、実施例1に係る仕切部材を組み立てたときに、U字状の部分が上方に突出することによって、左右の正方形5の上に配置される商品が左右に揺れた場合に、ぶつかりにくくするために設けられている。
なお、輪郭線及び切断線は、1枚の段ボール又はボール紙等を打ち抜いて形成し、折曲線のうち図1に点線で示す谷折線は、表面側に折り目をつけたり裏面側に切れ目を入れたりして形成し、図1に二点鎖線又は鎖線で示す山折線は、表面側に切れ目を入れたり裏面側に折り目をつけたりして形成するのが通常であるが、仕切部材を後述するように単純な形状及び構成とする場合には、裁断及び型押しによって形成しても良い。
【0016】
実施例1に係る仕切部材の組立ては、次のような手順により行うが、組立て前に、正方形5の4辺1~4(2組)及び4つの放射線10~13(2組)に対して谷折り方向へ折り癖をつけ、4つの高さ規定線6~9(2組)に対して山折り方向へ折り癖をつけておくとスムーズに組立てを行うことができる。
(1)図1の状態から、上辺2、高さ規定線6、7及び曲線14で囲まれる上側側壁部Aと下辺4、高さ規定線8、9及び曲線15で囲まれる下側側壁部Bを、それぞれ上辺2と下辺4で谷折りし、仕切部材を置いている平面に対して垂直となる方向に起こすとともに、直線22を山折りすると、図2(A)の状態となる。
(2)図2(A)の状態から、左辺1、放射線10、12及び曲線20で囲まれる左側側壁部Cと右辺3、放射線11、13及び曲線21で囲まれる右側側壁部Dを、両側から中央側に押し縮めると、図2(B)の状態となる。
(3)左側側壁部Cと右側側壁部Dを押し縮めたままで、縦M×3、横M×2、深さH×2程度の商品収容箱に差し込み、正方形5の底面が底に達するまで押し込む。
そうすると、商品収容箱が3×2の領域に仕切られ、各領域に1つの商品を挿入できるので、半ダースの商品を互いにぶつからないように収容することができる。
なお、実施例1に係る仕切部材を縦M×3、横M×4、深さH以上の商品収容箱に配置する場合には仕切部材を2つ用い、一方の左側側壁部Cと他方の右側側壁部Dを密着させながら、両側から押し縮めて商品収容箱に差し込み、正方形5の底面が底に達するまで押し込めば良い。
そうすることにより、商品収容箱が3×4の領域に仕切られ、各領域に1つの商品を挿入できるので、1ダースの商品を互いにぶつからないように収容することができる。
【実施例0017】
図3は、組み立てる前の実施例2に係る仕切部材を示す図である。
実施例2に係る仕切部材は、実施例1に係る仕切部材の右領域において、放射線11の端と放射線13の端を曲線21で結ぶのに代えて直線22で結んだものと、実施例1に係る仕切部材の左領域において、放射線10の端と放射線12の端を曲線20で結ぶのに代えて直線22で結んだものを、両直線22を合致させて接続するとともに、その接続部分の中央部に谷折線の無い部分と、谷折線の無い部分の両端を結ぶU字状の境界部切断線24を設けて構成されている。
また、基本的な構成は実施例1と同様であり、組立ての手順も実施例1と同様、上側側壁部Aと下側側壁部Bを垂直となる方向に起こすとともに直線22を山折りし、左側側壁部Cと右側側壁部Dを両側から中央側に押し縮めたままで商品収容箱に差し込み、正方形5の底面が底に達するまで押し込むものなので、詳しい説明は省略し、折曲線、切断線及び輪郭線を構成する接続線の番号には図1と同じ番号を用いることとする。
そして、実施例2に係る仕切部材を、縦M×3、横M×4、深さH以上の商品収容箱に配置すれば、商品収容箱は3×4の領域に仕切られ、各領域に1つの商品を挿入できるので、1ダースの商品を互いにぶつからないように収容することができる。
【0018】
実施例1及び2に係る仕切部材の変形例を説明する。
(1)実施例1及び2においては、高さ規定線6、7の端は正方形5側にくぼんでいる曲線14で結ばれ、高さ規定線8、9の端は正方形5側にくぼんでいる曲線15で結ばれ、左領域にある放射線10の端と放射線12の端は中央部が正方形5側にくぼんでいる曲線20で結ばれ、右領域にある放射線11の端と放射線13の端は中央部が正方形5側にくぼんでいる曲線21で結ばれているが、これらのくぼみは、商品を出し入れする時の指穴として機能しているので、上側側壁部A、下側側壁部B、左側側壁部C及び右側側壁部Dの高さHが商品の高さより低い場合や、商品の上部が瓶のように下部より細くなっている場合等には、曲線14、15及び曲線20、21のくぼみは設けなくても良い。
また、弧状切断線23及び境界部切断線24は、商品のがたつきを抑えたり、隣接する商品同士の衝突を防止したりするために設けられているので、設けなくても良い。
そのため、実施例1に係る仕切部材の正方形5、高さ規定線6~9及び放射線10~13の構成はそのままとし、例えば図4(A)のように、輪郭線を直線の組み合わせとするとともに、弧状切断線23及び境界部切断線24を設けない構成としても良い。
そして、図4(A)では、曲線14に代えて高さ規定線6、7の端を結ぶ直線25とし、曲線15に代えて高さ規定線8、9の端を結ぶ直線26とし、曲線20に代えて左領域にある放射線10の端と放射線12の端を結ぶ折れ線27とし、曲線21に代えて右領域にある放射線11の端と放射線13の端を結ぶ折れ線28としている。
なお、正方形5の左辺1と折れ線27の中央部の直線との距離及び正方形5の右辺3と折れ線28の中央部の直線との距離はH’となっている。
【0019】
(2)実施例1に係る仕切部材及び変形例(1)に係る仕切部材は、左領域と右領域を有し、それらの境界部を直線22として左領域と右領域が山折り可能に接続されていたが、左領域と右領域を接続せず、例えば図4(B)のように、正方形5の左辺1及び右辺3に、それぞれ左側側壁部C及び右側側壁部Dが隣接する構成としても良い。
なお、図4(B)においても、曲線14、15に代えて直線25、26とし、曲線20、21に代えて折れ線27、28としている。
そうした場合も、上側側壁部Aと下側側壁部Bを、それぞれ上辺2と下辺4で谷折りし、仕切部材を置いている平面に対して垂直となる方向に起こすと、それに連動して左側側壁部C及び右側側壁部Dが引っ張り上げられるので、それらを両側から中央側に押し縮めると、図2(B)の左半分又は右半分だけの状態となる。
そして、この変形例(2)に係る仕切部材をn個用いて、一方の左側側壁部Cと他方の右側側壁部Dを密着させながら、両側から中央側に押し縮めたままで商品収容箱に差し込み、正方形5の底面が底に達するまで押し込めば、縦M×3、横M×n、深さH以上の商品収容箱に配置することができる。
【0020】
(3)実施例1、2及び変形例(1)、(2)に係る仕切部材においては、正方形5の一辺の長さをMとし、収容する商品が円柱状又は正方形や正八角形の水平断面を有する角柱状である場合に適合させている。しかし、収容する商品が楕円柱状又は長方形又は正六角形の水平断面を有する角柱状等である場合には、図5(A)のように、その水平断面形状に合わせて左辺1及び右辺3の長さをM、上辺2及び下辺4の長さをLとした方が良い。
なお、そうした場合も、正方形5に代わる長方形29に隣接する箇所で区画される部分の底面が、縦の長さM、横の長さLの長方形となるようにするため、放射線10~13の長さはM×21/2とする必要がある。
また、実施例1、2及び変形例(1)、(2)に係る仕切部材においては、高さ規定線6~9の長さHと距離H’は等しかったが、異なっていても良い。
そして、図5(A)では、図4(B)に示す変形例(2)に係る仕切部材において、正方形5に代えて縦の長さM、横の長さLの長方形29とするとともに、長方形29の左辺と折れ線27の中央部の直線との距離及び長方形29の右辺と折れ線28の中央部の直線との距離をGとしている。
【0021】
(4)実施例1、2及び変形例(1)~(3)に係る仕切部材においては、高さ規定線6の端と放射線10の端は直線16で結ばれ、高さ規定線7の端と放射線11の端は直線17で結ばれ、高さ規定線8の端と放射線12の端は直線18で結ばれ、高さ規定線9の端と放射線13の端は直線19で結ばれていたが、これらの端は直線16~19に限らず、曲線や折れ線で結ばれていても良い。
例えば、図5(B)では、図4(B)に示す変形例(2)の直線16、17及び直線18、19を、それぞれ高さ規定線6、7の端を結ぶ直線25の延長線とその延長線から直角に曲折する直線からなる折れ線及び高さ規定線8、9の端を結ぶ直線26の延長線とその延長線から直角に曲折する直線からなる折れ線に代えるとともに、折れ線27、28を、いずれもコの字状に曲折する折れ線に代えて、輪郭線全体の形状を奴形としている。
なお、図5(B)では、直線18、19及び折れ線27、28の変更に加えて、図5(A)と同様、図4(B)の正方形5を縦の長さM、横の長さLの長方形29に代えるとともに、長方形29の左辺、右辺と、コの字状の折れ線との距離を、それぞれHとしてある。
こうすることによって、組み立て後における上側側壁部A、下側側壁部B、左側側壁部C及び右側側壁部Dの上端の高さを一致させることができる。
【0022】
(5)実施例1、2及び変形例(1)~(4)に係る仕切部材においては、高さ規定線6~9の長さHは、いずれも仕切部材を配置する商品収容箱の高さの半分程度であったが、これらの長さHは商品収容箱の高さの5分の1以上、かつ、商品収容箱の高さ以下であれば良く、商品収容箱の高さの4分の1~4分の3であればより良い。
例えば、図5(C)では、図5(B)に示す変形例(4)の高さ規定線6~9の長さを全てMに変更し、高さ規定線6、7及び8、9の端を、それぞれ直線で結び、高さ規定線6の端と放射線10の端、高さ規定線7の端と放射線11の端、高さ規定線8の端と放射線12の端及び高さ規定線9の端と放射線13の端を、それぞれ直線で結び、放射線10の端と放射線12の端及び放射線11の端と放射線13の端を、それぞれ直線で結ぶことによって、輪郭線全体の形状を長方形状としている。
そうすると、輪郭線の形状が非常に単純になり、切れ端が発生しないので、製造し易くなるとともに、製造コストを抑えることができる。
【0023】
(6)実施例1、2及び変形例(1)~(5)に係る仕切部材においては、高さ規定線6~9及び放射線10~13の隣接する端同士を、それぞれ左右対称な曲線若しくは折れ線又は直線で結んで輪郭線としたが、仕切部材を組み立てたときに、底面からの高さが商品収容箱の高さ以下であれば、隣接する端同士は、どのような線で結ばれていても良い。
そのため、輪郭線の形状はバラエティーに富んだものとすることが可能であり、仕切部材を組み立てたときの形態も様々な形態とすることが可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 正方形5の左辺 2 正方形5の上辺 3 正方形5の右辺
4 正方形5の下辺 5 正方形 6~9 高さ規定線
10~13 放射線 14、15 曲線 16~19 直線
20、21 曲線 22 直線 23 弧状切断線 24 境界部切断線
25、26 直線 27、28 折れ線 29 長方形
A 上側側壁部 B 下側側壁部 C 左側側壁部 D 右側側壁部
G 長方形29の左辺及び右辺と折れ線27、28の中央部の直線との距離
H 高さ規定線6~9の長さ
H’左辺1、3と曲線20、21の膨出部又は折れ線27、28の中央部との距離
L 長方形29の上辺及び下辺の長さ
M 正方形5の一辺の長さ又は長方形29の左辺及び右辺の長さ
図1
図2
図3
図4
図5