(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109055
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20220720BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20220720BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20220720BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
G06F3/0484 120
G06F3/12 305
G06F3/12 353
G06F3/12 356
G06F3/12 392
G06F3/0484 150
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004379
(22)【出願日】2021-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山田 純
【テーマコード(参考)】
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
5C062AA01
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA29
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5E555AA26
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC11
5E555CA13
5E555CB17
5E555CB44
5E555CB57
5E555CC05
5E555CC11
5E555DB04
5E555DB58
5E555DC26
5E555DC73
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】情報処理装置において、印刷対象のデータベースの視認性を向上させる。
【解決手段】情報処理装置は、第1の表示処理と、第2の表示処理と、生成処理とを実行する。第1の表示処理は 第1の表示領域にデータベース画像を第1の表示倍率で表示する。第2の表示処理は、ユーザによる特定の操作が受け付けられることに応じて、データベース画像の一部を部分拡大画像として第2の表示領域に表示する。部分拡大画像は、第1の表示倍率よりも大きい第2の表示倍率で表示される。第2の表示領域は、第1の表示領域の一部に重畳するか若しくは第1の表示領域に重畳しない。生成処理は、印刷画像を示す印刷データを生成する。印刷画像は、印刷装置に印刷させる画像であって、データベースの少なくとも一部のデータを示す。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置と通信可能な情報処理装置において実行されるプログラムであって、
前記情報処理装置は、データベースが記憶された記憶部、表示部及び制御部を備え、
前記プログラムは、前記制御部に、
前記表示部における第1の表示領域にデータベース画像を第1の表示倍率で表示する第1の表示処理であって、前記データベース画像は前記データベースに含まれる少なくとも一部のデータを示す画像である、第1の表示処理と、
ユーザによる特定の操作を受け付ける特定受付処理と、
前記特定受付処理により前記特定の操作が受け付けられることに応じて前記表示部における第2の表示領域に前記データベース画像の一部の領域である拡大対象領域を第2の表示倍率で部分拡大画像として表示する第2の表示処理であって、前記第2の表示領域は前記第1の表示領域の一部に重畳するか若しくは前記第1の表示領域に重畳せず、前記第2の表示倍率は前記第1の表示倍率よりも大きい倍率である、第2の表示処理と、
印刷画像を示す印刷データを生成する生成処理であって、前記印刷画像は、前記印刷装置に印刷させる画像であって前記データベースに含まれる少なくとも一部のデータを示す、生成処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記データベース画像は、複数のセルを含む表形式のテーブルを含み、
前記特定の操作は、前記テーブルにおける特定の領域を選択する操作を含み、前記特定の領域は前記複数のセルのうちの少なくとも1つを含み、
前記第2の表示処理は、前記特定の操作で選択された前記特定の領域のうちの、前記第2の表示倍率で前記第2の表示領域に表示可能な一部または全てを、前記拡大対象領域に設定する、
プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記特定の操作は、
前記第1の表示領域に表示されている前記データベース画像における2箇所をそれぞれ前記ユーザの2本の指で規定時間継続して接触する第1の操作であって、前記2箇所は前記特定の領域を規定する、第1の操作と、
前記第1の操作の後にピンチアウトする第2の操作と、
を含む、プログラム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のプログラムであって、
前記複数のセルは、文字が入力されたセルを含み、
前記第2の表示倍率は、前記第2の表示領域に表示される前記文字のポイントサイズが下限ポイント以上となるように設定される、
プログラム。
【請求項5】
請求項2~請求項4のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記制御部に、さらに、
前記第2の表示領域に表示されているセルに対する編集操作を受け付ける編集受付処理と、
前記編集操作に応じて、前記編集操作の対象のセルを編集する編集処理と、
前記編集処理により編集された内容を、前記第1の表示領域に表示されている前記データベースにおける対応するセルに反映させる反映処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項6】
請求項2~請求項5のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記テーブルは、項目名が対応付けられた行であるヘッダと、前記項目に対応するデータが対応付けられた行であるレコードとを含み、
前記第2の表示処理は、前記特定の操作で選択された前記特定の領域に前記ヘッダが含まれていなくても、前記ヘッダを含む前記部分拡大画像を表示する、
プログラム。
【請求項7】
請求項2~請求項5のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記テーブルは、項目名が対応付けられた行であるヘッダと、前記項目に対応するデータが対応付けられた行であるレコードとを含み、
前記第2の表示処理は、前記特定の操作で選択された前記特定の領域に前記ヘッダが含まれていても、前記ヘッダを含まない前記部分拡大画像を表示する、
プログラム。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のプログラムであって、
前記制御部に、さらに、
前記第2の表示領域に表示されている前記レコードを指定する指定操作を受け付ける指定受付処理と、
前記指定受付処理により前記指定操作が受け付けられることに応じて、前記指定操作により指定された前記レコードを、前記生成処理による前記印刷データの生成対象に設定する設定処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記制御部に、さらに、
前記データベースのうちのプレビュー対象を設定するプレビュー設定処理と、
前記表示部における第3の表示領域にプレビュー画像を表示する第3の表示処理であって、前記プレビュー画像は、前記プレビュー設定処理により設定された前記プレビュー対象が前記印刷装置で印刷された結果を仮想的に示す、第3の表示処理、
を実行させるプログラム。
【請求項10】
請求項2~請求項8のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記制御部に、さらに、
前記第2の表示領域に表示されているセルを選択するセル選択操作を受け付けるセル選択処理と、
前記セル選択処理により前記セル選択操作が受け付けられることに応じて、前記データベースのうちの、前記セル選択操作により選択されたセルに対応するデータを含むプレビュー対象のプレビュー画像を、前記表示部における前記第3の表示領域に表示する第3の表示処理であって、前記プレビュー画像は前記プレビュー対象が前記印刷装置で印刷された結果を仮想的に示す、第3の表示処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載のプログラムであって、
前記制御部に、さらに、
前記第3の表示領域に表示されている前記プレビュー画像に対するデータ選択操作を受け付けるデータ選択処理であって、前記データ選択操作は、前記プレビュー画像のうちの、前記データベースに含まれるデータに対応する画像を選択することを含む、データ選択処理、
を実行させ、
前記第2の表示処理は、前記データ選択処理により前記データ選択操作が受け付けられることに応じて、前記データ選択操作により選択されたデータを含む前記部分拡大画像を前記第2の表示領域に表示する、
プログラム。
【請求項12】
請求項9~請求項11のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記第2の表示領域は、前記第3の表示領域に表示されている前記プレビュー画像に重畳しない範囲に設定される、プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムであって、
前記第1の表示領域、前記第2の表示領域及び前記第3の表示領域は、互いに重畳しないように設定される、プログラム。
【請求項14】
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記特定の操作は、前記表示部に接触する操作を含み、
前記プログラムは、前記制御部に、さらに、
前記第2の表示処理により前記第2の表示領域に前記部分拡大画像が表示された後、前記表示部への接触が解除されることに応じて、前記第2の表示領域から前記部分拡大画像を消去する消去処理、
を実行させるプログラム。
【請求項15】
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記特定の操作は、前記表示部に接触する操作を含み、
前記第2の表示処理は、前記第2の表示領域に前記部分拡大画像を表示した後、前記表示部への接触が解除されても、前記部分拡大画像の表示を継続する、プログラム。
【請求項16】
請求項1~請求項15のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記印刷装置は、ロール紙へ画像を印刷するように構成されており、
前記生成処理は、前記ロール紙へ印刷させる前記印刷画像の前記印刷データを生成する、
プログラム。
【請求項17】
情報処理装置であって、
印刷装置と通信するように構成された通信インタフェースと、
データベースが記憶された記憶部と、
表示部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記表示部における第1の表示領域にデータベース画像を第1の表示倍率で表示する第1の表示処理であって、前記データベース画像は前記データベースに含まれる少なくとも一部のデータを示す画像である、第1の表示処理と、
ユーザによる特定の操作を受け付ける特定受付処理と、
前記特定受付処理により前記特定の操作が受け付けられることに応じて前記表示部における第2の表示領域に前記データベース画像の一部の領域である拡大対象領域を第2の表示倍率で部分拡大画像として表示する第2の表示処理であって、前記第2の表示領域は前記第1の表示領域の一部に重畳するか若しくは前記第1の表示領域に重畳せず、前記第2の表示倍率は前記第1の表示倍率よりも大きい倍率である、第2の表示処理と、
印刷画像を示す印刷データを生成する生成処理であって、前記印刷画像は、前記印刷装置に印刷させる画像であって前記データベースの少なくとも一部のデータを示す、生成処理と、
を実行する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷装置に印刷させるデータベースを情報処理装置で処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
データベースの中から選択された印刷対象のデータを印刷装置へ送信するように構成された情報処理装置が知られている。このような情報処理装置には、印刷対象のデータを選択しやすくするために、データベースを視認しやすいことが望まれる。
【0003】
特許文献1には、帳票形式の表示データのうちユーザにより選択された行及び列のデータのみ抽出して表示する可搬型通信端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の情報処理装置においても、例えばデータベースのうちの一部分のみを抽出して表示させることは可能である。しかし、一部分のみ抽出して表示させると、抽出された一部分の視認性は向上し得る一方で、抽出された部分以外を視認することが困難となる。
【0006】
本開示の一局面は、情報処理装置において、印刷装置で印刷させるデータベースの視認性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一局面におけるプログラムは、印刷装置と通信可能な情報処理装置において実行される。情報処理装置は、データベースが記憶された記憶部、表示部及び制御部を備える。プログラムは、制御部に、第1の表示処理と、特定受付処理と、第2の表示処理と、生成処理と、を実行させる
第1の表示処理は 表示部における第1の表示領域に、データベース画像を、第1の表示倍率で表示する。データベース画像は、データベースに含まれる少なくとも一部のデータを示す画像である。
【0008】
特定受付処理は、ユーザによる特定の操作を受け付ける。
第2の表示処理は、特定受付処理により特定の操作が受け付けられることに応じて、表示部における第2の表示領域に、部分拡大画像を、第2の表示倍率で表示する。部分拡大画像は、データベース画像のうちの一部の拡大対象領域に対応する。第2の表示領域は、第1の表示領域の一部に重畳するか若しくは第1の表示領域に重畳しない。第2の表示倍率は第1の表示倍率よりも大きい倍率である。
【0009】
生成処理は、印刷画像を示す印刷データを生成する。印刷画像は、印刷装置に印刷させる画像であって、データベースに含まれる少なくとも一部のデータを示す。
なお、データベース画像と印刷画像とは、互いに完全に同一であってもよいし、一部同一であってもよいし、全く異なっていてもよい。換言すれば、データベース画像において示されるデータと、印刷画像において示されるデータとは、互いに完全に同一であってもよいし、一部同一であってもよいし、全く異なっていてもよい。
このようなプログラムでは、特定の操作が受け付けられると、第1の表示領域におけるデータベース画像の表示が部分的または完全に維持されつつ、第2の表示領域に部分拡大画像が表示される。これにより、ユーザは、第1の表示領域においてデータベース画像を俯瞰的に視認できると共に、データベース画像のうちの特定の領域については第2の表示領域においてより大きいサイズで視認することができる。そのため、印刷装置で印刷させるデータベースの視認性を向上させることが可能となる。
【0010】
本開示の別の一局面では、上記プログラムが実行されるように構成された情報処理装置が提供されてもよい。その情報処理装置は、印刷装置と通信するように構成された通信インタフェースと、記憶部と、表示部と、制御部とを備えていてもよい。そして、制御部が、第1の表示処理と、特定受付処理と、第2の表示処理と、生成処理と、を実行してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態のモバイル印刷システムの構成を示す説明図である。
【
図2】実施形態のデータベースの一例を示す説明図である。
【
図3】実施形態の第1の画面例を示す説明図である。
【
図4】実施形態の部分抽出操作を示す説明図である。
【
図5】実施形態の第2の画面例を示す説明図である。
【
図6】実施形態の第3の画面例を示す説明図である。
【
図7】実施形態の第4の画面例を示す説明図である。
【
図8】実施形態のモバイルプリント処理のフローチャートである。
【
図9】実施形態の拡大画像対応処理のフローチャートである。
【
図10】実施形態のデータベース対応処理のフローチャートである。
【
図11】第3の画面例の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1-1)モバイル印刷システムの概要
図1に示す本実施形態のモバイル印刷システム1は、モバイル端末10と、プリンタ20とを備える。
【0013】
モバイル端末10は、例えばスマートフォン、タブレット端末、モバイルパソコンなどの、容易に持ち運び可能な情報処理装置である。モバイル端末10は、プリンタ20と通信可能である。
【0014】
プリンタ20は、印刷機能を有する。印刷機能は、印刷データに基づく印刷画像を被記録媒体に印刷する機能である。プリンタ20は、例えば、容易に持ち運び可能な小型の筐体を備えていてもよいし、例えば、もともと据え置かれて使用されることを前提に構成されていてもよい。
【0015】
(1-2)モバイル端末10の構成
図1に示すように、本実施形態のモバイル端末10は、制御部11と、記憶部12と、表示I/F13と、入力I/F14と、無線通信I/F15と、メディアI/F16とを備える。これら各部は、バスラインを介して互いにデータの送受が可能に接続されている。「I/F」はインタフェースの略称である。
【0016】
制御部11は、例えばCPUを有する。記憶部12は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態のモバイル端末10は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0017】
制御部11は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部12が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって(即ち、ソフトウェア処理によって)実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0018】
記憶部12には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。本実施形態では、記憶部12に、ソフトウェアとして、OS12aと、モバイルプリントアプリ12bとが記憶されている。モバイルプリントアプリ12bは、後述する
図8のモバイルプリント処理のプログラムを含む。OS12aおよびモバイルプリントアプリ12bは、制御部11を含むコンピュータシステムにインストールされている。モバイルプリントアプリ12bは、OS12aをベースに動作する。制御部11がモバイルプリントアプリ12bを実行することにより、モバイルプリントアプリ12bが有する各種機能が実現される。
【0019】
なお、以下の説明では、プログラムを実行する制御部11(詳しくは制御部11が有するCPU)のことを、単にプログラム名で記載する場合もある。例えば「モバイルプリントアプリ12bは」という記載が「モバイルプリントアプリ12bを実行するCPUは」を意味する場合もある。
【0020】
モバイルプリントアプリ12bは、モバイル端末10にどのようにインストールされてもよい。モバイルプリントアプリ12bは、例えば、モバイル端末10の出荷時にプリインストールされていてもよいし、例えばプリンタ20のベンダが管理するサーバからダウンロードすることによりインストール可能であってもよい。
【0021】
記憶部12には、さらに、データベース12cが記憶されている。本実施形態のデータベース12cは、例えば、CSV(comma-separated values)形式のファイルまたはExcel形式(Excelは登録商標)のファイルを含む。即ち、本実施形態のデータベース12cは、いわゆるリレーショナルデータベースまたはそれに類似したデータベースであり、
図2に例示するように、表形式のテーブルを含む。データベース12cは、複数のファイル(即ち複数のテーブル)を含み得る。本実施形態では、一例として、データベース12cは1つのファイル(即ち1つのテーブル)を含んでいるものとする。
【0022】
データベース12cに含まれるファイルは、各種データベースを処理可能なソフトウェアにより、表形式のテーブルの形態で表示される。モバイル端末10のモバイルプリントアプリ12bも、データベース12cを、
図2に示すテーブルの形態で表示I/F13に表示する。なお、以下の説明でデータベース12cについて説明する場合、便宜上、
図2に示すテーブルの形態を前提として説明する。
【0023】
図2に示すように、本実施形態のデータベース12cは、複数の行と複数の列とを含む。複数の行は、ヘッダ70と、複数のレコードとを含む。
図2には、複数のレコードのうち、第1レコード71と第2レコード72とが示されている。ヘッダ70は、1つ以上の項目それぞれの名称が対応付けられた行である。本実施形態のヘッダ70は、「敷地」から「オプションID」までの8個の項目を有する。各レコード71,72,・・・は、項目毎のデータが対応付けられた行である。
【0024】
1つの項目に対応する列は、一般に、フィールドあるいはカラムと呼ばれる。本実施形態のデータベース12cは、第1フィールド61、第2フィールド62及び、第3フィールド63を含む、計8個のフィールドを有する。
【0025】
フィールドとレコードとが交差するマス目は、一般に、セルと呼ばれる。本実施形態のデータベース12cは、複数のセル80を有する。なお、本実施形態では、ヘッダ70における各列も含めて、行と列が交差するマス目それぞれをセル80とみなす。複数のセル80の各々には、文字が入力され得る。文字が入力されていないセル80も存在し得る。本実施形態では、例えば、8列目のセル80には文字が入力されない場合がある。
図2は、8列目を除く全てのセル80に文字が入力されている例を示している。
【0026】
データベース12cは、記憶部12にどのように記憶されてもよい。例えば、メディアI/F16に装着された記憶メディアからデータベース12cが読み込まれて記憶部12に記憶されてもよい。あるいは、他の装置又はクラウドから無線通信I/F15を介してデータベース12cが取得されて記憶部12に記憶されてもよい。
【0027】
モバイルプリントアプリ12bは、ユーザの指示に基づき、データベース12cを読み込み、表示I/F13に表示させる。そして、データベース12cのうちの、ユーザにより選択された1つ以上の印刷対象それぞれの印刷データをプリンタ20へ送信して、その印刷データを示す印刷画像をプリンタ20で印刷させることができる。1つ以上の印刷対象のそれぞれは、1つ以上のセル80を含む。例えば、ユーザにより指定された1つ以上のレコードそれぞれを印刷対象としてプリンタ20に印刷させることができる。
【0028】
表示I/F13は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。
入力I/F14は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力I/F14が有する入力用デバイスには、タッチパネル14aが含まれる。タッチパネル14aは、表示デバイスにおける画像表示領域に対する、指示体による接触又は近接による指示操作を検出可能である。タッチパネル14aは、画像表示領域に対して指示体による指示操作が行われている場合に、その指示操作が行われている位置を示す位置情報を出力する。
【0029】
制御部11は、タッチパネル14aから出力される位置情報を取得し、その位置情報に基づいて、指示体による少なくとも一種類の操作を検出することができる。制御部11が検出可能な操作には、例えば、タップ、フリック、ドラッグ、ピンチイン、ピンチアウトなどが含まれる。指示体には、後述するユーザの手100における第1の指101及び第2の指102(
図4参照)が含まれる。
【0030】
無線通信I/F15は、モバイル端末10とは別の、無線通信が可能な通信機器と、無線通信を行うためのインタフェースである。無線通信I/F15は、例えば、無線LANによる無線通信を行う機能、Bluetooth(Bluetooth SIG,Inc.の登録商標)による無線通信を行う機能、携帯電話網を通じて無線通信を行う機能、のうちの少なくとも1つを備えていてもよい。本実施形態では、無線通信I/F15は、少なくとも、プリンタ20と無線通信を行う機能を有する。
【0031】
メディアI/F16は、例えばUSBフラッシュメモリなどの、各種の記憶メディアが装着される。制御部11は、メディアI/F16に装着された記憶メディアに対する、データの書き込み及び読み出しを制御する。
【0032】
(1-3)プリンタ20の構成
図1に示すように、本実施形態のプリンタ20は、制御部21と、記憶部22と、表示I/F23と、入力I/F24と、無線通信I/F25と、有線通信I/F26と、印刷部27とを備える。
【0033】
制御部21は例えばCPUを有する。記憶部22は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリ、SSDなどの半導体メモリを有する。即ち、プリンタ20は、CPU及び半導体メモリを含むコンピュータを備えている。記憶部22には、ファームウェアを含む各種のプログラムやデータ等が記憶される。
【0034】
表示I/F23は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。
入力I/F24は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力I/F24は、例えばタッチパネルを備えていてもよい。
【0035】
無線通信I/F25は、プリンタ20とは別の、無線通信が可能な通信機器と、無線通信を行うためのインタフェースである。無線通信I/F25は、例えば、無線LANによる無線通信を行う機能及びBluetoothによる無線通信を行う機能のうちの少なくとも1つを備えていてもよい。本実施形態では、無線通信I/F15は、少なくとも、プリンタ20と無線通信を行う機能を有する。
【0036】
有線通信I/F26は、プリンタ20とは別の通信機器と有線による通信を行うためのインタフェースである。有線通信I/F26は、例えば、有線LANによる通信機能、USB(Universal Serial Bus)による通信機能及びシリアルケーブルによる通信機能のうちの少なくとも1つを備えていてもよい。
【0037】
印刷部27は、前述の印刷機能を実現する。本実施形態の印刷部27は、例えば感熱方式の印刷機構を備える。ただし、印刷部27は、感熱方式以外の印刷機構(例えば、熱転写方式、インクジェット方式または電子写真方式)を備えていてもよい。
【0038】
なお、本実施形態のプリンタ20は、例えば、いわゆるラベルプリンタに分類される。ラベルプリンタは、ロール紙へ画像を印刷する機能を有する。ロール紙は、ロール状に巻回された長尺の被記録媒体である。ロール紙には、例えば、粘着性を有する複数のラベルが一定間隔で配置されたラベル粘着タイプ、粘着性のない長尺の紙が巻回されたレシートタイプ、粘着性のある長尺のテープが巻回されたテープタイプなどがある。ラベル粘着タイプのロール紙に対しては、例えば、ラベル毎に印刷画像が印刷される。レシートタイプ及びテープタイプのロール紙は、例えば、1つの印刷画像が印刷される毎に自動で切断される。自動で切断する機能を有しない場合は、ユーザが手動で切断してもよい。
【0039】
(1-4)モバイルプリントアプリの機能
モバイルプリントアプリ12bの機能について、
図3~
図7を参照しながら具体的に説明する。モバイルプリントアプリ12bは、データベース12cのうち印刷対象に設定されたデータに基づいて、当該データを含む印刷画像を示す印刷データを生成し、プリンタ20へ送信することにより、プリンタ20で印刷画像を印刷させることができる。
【0040】
OS12aは、所定のアプリ起動トリガが発生すると、モバイルプリントアプリ12bを起動させる。アプリ起動トリガは、例えば、待ち受け画面(不図示)に表示された起動用アイコン(不図示)がユーザによりタップされること(以下、「第1の起動トリガ」と称する)、を含んでいてもよい。また例えば、アプリ起動トリガは、モバイルプリントアプリ12bとは別のソフトウェアによってデータベース12cが表示されている状態でユーザにより所定の操作が行われること(以下、「第2の起動トリガ」と称する)、を含んでいてもよい。
【0041】
アプリ起動トリガの発生によりモバイルプリントアプリ12bが起動すると、モバイルプリントアプリ12bは、例えば、プリンタ選択画面(不図示)を表示I/F13に表示する。プリンタ選択画面は、印刷データの送信先の印刷装置をユーザに選択させるための画面である。プリンタ選択画面を介して印刷装置が選択されると、モバイルプリントアプリ12bは、例えば、用紙サイズ選択画面(不図示)を表示I/F13に表示する。用紙サイズ選択画面は、印刷画像を印刷させるロール紙のサイズをユーザに選択させるための画面である。用紙サイズ選択画面を介してロール紙のサイズが選択されると、モバイルプリントアプリ12bは、例えば、テンプレート選択画面(不図示)を表示I/F13に表示する。テンプレート選択画面は、印刷画像のテンプレートをユーザに選択させるための画面である。
【0042】
アプリ起動トリガが第1の起動トリガであった場合、テンプレートが選択されると、モバイルプリントアプリ12bは、ユーザによるデータベース12cの読み込み指示を待つ。ユーザによりデータベース12cの読み込み指示がなされると、モバイルプリントアプリ12bは、データベース12cを読み込み、
図3に例示するようにメイン画面3を表示する。
【0043】
メイン画面3は、データベース領域30と、プレビュー領域50とを有する。データベース領域30及びプレビュー領域50は、例えば、
図3に示すように、互いに重ならないよう、上下に並んで配置される。メイン画面3には、さらに、
図3に例示するように、保存ボタン5及び印刷ボタン6が表示される。
【0044】
データベース領域30には、データベース画像60が、第1の表示倍率で表示される。データベース画像60は、モバイルプリントアプリ12bが読み込んだデータベース12cを示す画像を含む。本実施形態では、データベース画像60は、さらに、データベース12cの行ごとに配置された選択枠31,32,33・・・を含む。選択枠31,32,33・・・のそれぞれは、チェックボックス31a,32a,33a・・・を含む。
【0045】
なお、
図3では、プレビュー領域50にプレビュー画像51が表示されているが、本実施形態では、メイン画面3が表示された直後の初期状態ではプレビュー画像51はまだ表示されない。プレビュー画像51は、後述するマージ操作が行われることに応じて表示される。
【0046】
アプリ起動トリガが第2の起動トリガであった場合は、モバイルプリントアプリ12bは、テンプレートが選択されることに応じて、表示I/F13にメイン画面3を表示する。
なお、印刷装置の選択、用紙サイズの選択、テンプレートの選択及びメイン画面3の表示は、どのような順序で行われてもよい。また、印刷装置の選択、用紙サイズの選択およびテンプレートの選択のうちの少なくとも1つが省かれてもよい。
【0047】
メイン画面3においてマージ操作が行われると、モバイルプリントアプリ12bは、マージ対象のデータを示すプレビュー画像51をプレビュー領域50に表示する。マージ操作は、データベース画像60の中のいずれかのレコードをプレビュー領域50に表示するように要求する操作である。マージ操作はどのように行われてもよい。マージ操作は、例えば、マージ対象とすべきいずれかのレコードまたは当該レコードに対応する選択枠をプレビュー領域50へドラッグ&ドロップする操作であってもよい。
【0048】
プレビュー画像51は、マージ対象のレコードがプリンタ20で印刷された結果(即ち印刷画像)を仮想的に示す。印刷画像は、先に選択されたテンプレートに基づいて生成される。即ち、テンプレート毎に、背景画像や文字のレイアウトなどが設定されている。プレビュー画像51は、先に選択されたテンプレートにマージ対象のレコードが配置されてなる画像である。
【0049】
図3に例示するプレビュー画像51は、例えば次のように構成されたテンプレートに基づく。即ち、当該テンプレートでは、1列目から3列目までのセルの文字は互いに「-」(ハイフン)で区切られる。3列目のセルの文字と4列目のセルの文字とは、記号等で区切られることなく連続して配置される。4列目のセルの文字と5列目のセルの文字とは「.」(ピリオド)で区切られる。5列目のセルの文字と6列目のセルの文字とは「-」(ハイフン)で区切られる。6列目のセルの文字と7列目のセルの文字とは「:」(コロン)で区切られる。7列目のセルの文字と8列目のセルの文字とは「-」(ハイフン)もしくは「=」(イコール)で区切られる。8列目のセルに文字が入力されていない場合は、7列目のセルの文字の後の区切り記号が省略される。
【0050】
ユーザは、データベース領域30に表示されているデータベース画像60を、拡大、縮小及び移動させることができる。例えば、データベース画像60に対してピンチアウト操作を行うことにより、データベース画像60を拡大させることができる。なお、後述する部分抽出操作に含まれるピンチアウト操作は、ここでいうピンチアウト操作としては扱われない。
【0051】
また例えば、データベース画像60に対してピンチイン操作を行うことにより、データベース画像60を縮小させることができる。
また例えば、データベース画像60に対してフリック操作またはドラッグ操作を行うことにより、データベース画像60を移動させることができる。データベース12cのデータ量が多くてデータベース画像60が大きいと、データベース画像60全体を第1の表示倍率で同時に表示させることができず、一部のみ表示される。この場合、フリック操作またはドラッグ操作を行うことで、表示されていない領域を表示させることができる。
【0052】
また、ユーザは、メイン画面3において、表示されている任意のセルの文字を編集できる。ここでいう編集とは、例えば、文字を入力すること、現在の文字を別の文字に変更すること、他のセルの文字をコピー&ペーストすること、及び文字を消去すること、の少なくとも一方を含む。
【0053】
本実施形態では、例えば、データベース画像60中の任意のセルがダブルタップされると、モバイルプリントアプリ12bは、当該セルを編集対象に設定する。ユーザは、編集対象に設定されたセルに対し、所定の編集操作を行うことで、当該セルを編集できる。当該セルがプレビュー画像51に含まれている場合は、プレビュー画像51にも編集結果が反映される。即ち、プレビュー画像51中の当該セルも、編集結果に応じて変更される。
【0054】
また例えば、プレビュー画像51中の任意の文字がダブルタップされると、モバイルプリントアプリ12bは、当該文字を編集対象に設定する。ユーザは、編集対象に設定された文字に対し、所定の編集操作を行うことで、当該文字を編集できる。その編集結果は、データベース領域30中のデータベース画像60にも反映される。
【0055】
ユーザにより保存ボタン5がタップされると、モバイルプリントアプリ12bは、データベース12cを、現状のデータベース画像60に合わせて更新する。例えば、データベース画像60が表示された後、ユーザにより編集が行われた場合は、既存のデータベース12cをその編集後の内容に更新する。
【0056】
複数のチェックボックス31a,32a,33a・・・のうちの任意の1つ以上がユーザによりタップされると、当該タップされたチェックボックスにはチェックマークが表示される。チェックマークが表示されることは、対応するレコードが印刷対象に選択されたことを意味する。
【0057】
ユーザにより印刷ボタン6がタップされると、モバイルプリントアプリ12bは、印刷対象のレコード毎に個別に、テンプレートに基づいて印刷データを生成する。そして、生成した印刷データを、無線通信I/F15を介して、先に選択された印刷装置(例えばプリンタ20)へ無線送信する。これにより、プリンタ20にて、印刷データ毎に印刷画像が印刷される。
【0058】
ここまで、モバイルプリントアプリ12bの基本的な機能を説明したが、本実施形態のモバイルプリントアプリ12bは、さらに、次のような部分拡大機能を備える。即ち、モバイルプリントアプリ12bは、データベース画像60に対して部分抽出操作が行われると、部分抽出操作により選択された部分抽出領域36(
図5参照)のうちの一部または全ての拡大対象領域を、部分拡大画像41(
図6参照)として、データベース画像60とは別に、例えばポップアップ表示する。
【0059】
モバイル端末10は、容易に携帯可能な小型の端末であるが故に、表示I/F13における画面が小さい。そのため、データベース画像60が比較的小さく(即ち第1の表示倍率で)表示され、ユーザにとってはセルの文字が読み取りにくい可能性がある。なお、本実施形態では、前述の通り、データベース画像60に対してピンチアウト操作を行うことによりデータベース画像60を第1の表示倍率から拡大させることは一応可能である。しかし、データベース画像60自体を拡大させると、データベース画像60のうち表示されない領域の割合が多くなり、データベース画像60全体を俯瞰できなくなって、ユーザの使い勝手が低下するおそれがある。
【0060】
そこで、本実施形態のモバイルプリントアプリ12bは、部分拡大機能を具備することにより、データベース画像60を表示させつつ、同時に部分拡大画像41を表示させることを可能としている。以下、部分拡大機能について具体的に説明する。
【0061】
ユーザは、データベース画像60の一部を拡大表示させたい場合、部分抽出操作を行う。部分抽出操作は、データベース画像60のうち拡大表示させたい範囲を選択する操作である。なお、本実施形態では、基本的には、部分抽出操作により選択された部分抽出領域36(
図5参照)の全体が部分拡大画像41として表示されるが、部分抽出領域36の大きさによっては、部分抽出領域36の一部が部分拡大画像41から省かれることがある。
【0062】
部分抽出操作はどのような操作を含んでいてもよい。本実施形態では、部分抽出操作は、例えば、第1の操作と第2の操作とを含む。第1の操作は、データベース画像60における任意の2箇所をそれぞれユーザの第1の指101(例えば親指)と第2の指102(例えば人差し指)の指とで規定時間継続して接触する操作である。上記2箇所は、部分抽出領域36を規定する。即ち、上記2箇所は互いに部分抽出領域36における対角の位置関係となる。
図4は、第1レコード71の選択枠32と、ヘッダ70における3列目のセル(「フロア」の文字のセル)80とがユーザにより接触されている状態を例示している。
【0063】
第1の操作が行われると、
図5に例示するように部分抽出領域36が決定される。本実施形態では、ユーザにより規定時間継続して接触された2カ所のセルを対角とする矩形の領域が、部分抽出領域36に決定される。つまり、本実施形態では部分抽出領域36はセル単位で決定される。
【0064】
部分抽出領域36は、ユーザが視認可能に表示される。例えば、部分抽出領域36は、
図5に例示するような枠線(例えば一点鎖線の枠線)で囲まれてもよい。また例えば、部分抽出領域36の背景色が他の領域とは異なる色あるいは模様等で表示されてもよい。第1の操作を行うことで、ユーザは、部分抽出領域36を視認できる。
【0065】
第1の操作により部分抽出領域36が決定された後、ユーザにより第2の操作が行われると、モバイルプリントアプリ12bは、部分拡大画像41を表示するための処理に移行する。第2の操作は、例えば、ピンチアウト操作である。つまり、2本の指101,102の接触によって部分抽出領域36が決定された状態(即ち
図5に例示する状態)からピンチアウト操作する操作が第2の操作に対応する。この第2の操作が行われることにより、部分抽出操作が終了する。
【0066】
部分抽出操作が行われると、モバイルプリントアプリ12bは、部分抽出操作に基づいて決定した部分抽出領域36の全部または一部を、部分拡大画像41として拡大表示させるべき拡大対象領域に設定する。そして、設定した拡大対象領域を、
図6に例示するように、表示I/F13における所定の拡大表示領域40に、第2の表示倍率で、部分拡大画像41として表示(例えばポップアップ表示)する。
【0067】
第2の表示倍率は、第1の表示倍率よりも大きい倍率である。第2の表示倍率は、本実施形態では、拡大表示領域40に表示される文字のポイントサイズが下限ポイント(例えば7ポイント)以上となるように設定されている。なお、1ポイントは例えば約0.35mmに対応する。下限ポイントは、例えば、ユーザの可読性を考慮して設定される。つまり、例えば、あるポイントサイズを境に、当該ポイントサイズよりも大きい文字であれば一般に可読性が良く、当該ポイントサイズ未満の文字だと一般に可読性が良くないと言える場合、当該ポイントサイズを下限ポイントに設定してもよい。
【0068】
第2の表示倍率は、例えば一定値であってもよい。また例えば、第2の表示倍率は、拡大表示領域40に表示される文字のポイントサイズが下限ポイントを下回らない範囲内で、例えば部分抽出領域36の大きさに応じて可変設定されてもよい。例えば、部分抽出領域36が小さいほど第2の表示倍率を大きくし、逆に部分抽出領域36が大きいほど第2の表示倍率を小さく設定してもよい。
【0069】
部分抽出領域36が大きい場合、部分抽出領域36全体を拡大表示領域40内に表示させようとすると文字サイズが下限ポイントを下回る可能性がある。そのような場合、モバイルプリントアプリ12bは、部分抽出領域36の一部を拡大対象領域から除外する。具体的には、モバイルプリントアプリ12bは、拡大表示領域40に表示される文字のポイントサイズを下限ポイント以上に維持し得るように、部分抽出領域36の一部を拡大対象領域から除外する。そして、部分抽出領域36のうち拡大対象領域に設定した範囲を、部分拡大画像41として拡大表示する。
【0070】
拡大表示領域40の大きさは、本実施形態ではあらかじめ定められた一定の大きさに固定されている。拡大表示領域40は、データベース領域30の一部に重畳するか若しくはデータベース領域30に重畳しない。つまり、拡大表示領域40は、データベース領域30の全体を覆わない。本実施形態では、
図6に例示するように、拡大表示領域40は、データベース領域30に全く重畳しない。
【0071】
拡大表示領域40は、さらに、プレビュー領域50の一部に重畳するか若しくはプレビュー領域50に重畳しない。本実施形態では、
図6に例示するように、拡大表示領域40は、プレビュー領域50の一部に重畳する。
【0072】
拡大表示領域40内の部分拡大画像41に対し、ユーザは各種の編集を行うことができる。本実施形態では、例えば、部分拡大画像41中の任意のセルがダブルタップされると、モバイルプリントアプリ12bは、当該セルを編集対象に設定する。ユーザは、編集対象に設定されたセルに対し、所定の編集操作を行うことで、当該セルを編集できる。
【0073】
部分拡大画像41に対する編集結果は、データベース画像60にも反映される。つまり、拡大表示領域40内で文字が変更されると、データベース画像60における対応するセルの文字も同様に変更される。また、編集対象の文字がプレビュー画像51に含まれている場合は、プレビュー画像51にも編集結果が反映される。
図7は、一例として、部分拡大画像41における、第1レコード71の第3フィールド63に対応するセル80の文字が、ユーザの編集操作によって「C」から「J」へ変更された例を示している。
図7は、さらに、部分拡大画像41における文字の変更がデータベース画像60及びプレビュー画像51それぞれに反映された例を示している。
【0074】
ユーザは、拡大表示領域40に表示されている部分拡大画像41を、拡大、縮小及び移動させることができる。例えば、第2の表示倍率で表示された部分拡大画像41に対してピンチアウト操作を行うことにより、部分拡大画像41をさらに拡大させることができる。逆に、部分拡大画像41に対してピンチイン操作を行うことにより、部分拡大画像41を縮小させることができる。
【0075】
また例えば、部分拡大画像41に対してフリック操作またはドラッグ操作を行うことにより、拡大表示領域40内で部分拡大画像41を移動させることができる。
拡大表示領域40に表示されているレコードがプレビュー画像51として表示されていない場合、ユーザは、拡大表示領域40に表示されているレコードのプレビュー画像51をプレビュー領域50に表示させることができる。具体的には、例えば、拡大表示領域40中のセル80をタップすると、当該タップされたセル80を含むレコードのプレビュー画像51がプレビュー領域50に表示される。プレビュー領域50にすでにプレビュー画像51が表示されている場合は、例えば、その表示されているプレビュー画像51が新たなプレビュー画像51に更新されてもよい。
【0076】
逆に、プレビュー画像51として表示されているレコードが拡大表示領域40に表示されていない場合、ユーザは、プレビュー対象のレコードを拡大表示領域40に表示させることができる。具体的には、例えば、プレビュー画像51をタップすると、プレビュー対象のレコードを含む部分拡大画像41が拡大表示領域40に表示される。より具体的には、例えばプレビュー画像51における任意の文字をタップすると、その文字を含む部分拡大画像41が拡大表示領域40に表示される。
【0077】
(1-5)モバイルプリント処理
上述の部分拡大機能を含む、モバイルプリントアプリ12bの各種機能は、制御部11が
図8に示すモバイルプリント処理を実行することによって実現される。制御部11は、前述のアプリ起動トリガが発生すると、モバイルプリントアプリ12bにおけるモバイルプリント処理のプログラムを記憶部12から読み出して実行する。
【0078】
制御部11は、モバイルプリント処理を開始すると、アプリ起動トリガに応じた所定の処理を必要に応じて実行した上で、S110にてメイン画面3を表示する。アプリ起動トリガに応じた所定の処理には、例えば、アプリ起動トリガが第1の起動トリガである場合における前述の印刷装置選択、用紙サイズ選択、テンプレート選択などが含まれる。
【0079】
S120では、ユーザ操作(詳しくはタッチパネル14aに対するユーザの操作)を受け付ける。S130以降では、S120で受け付けたユーザ操作に応じた処理が行われる。
S130では、S120で受け付けたユーザ操作がデータベース領域30からプレビュー領域50への前述のマージ操作であるか否か判断する。S130で、ユーザ操作がマージ操作である場合は、S140に移行する。S140では、マージ操作により選択されたレコードのプレビュー画像51をプレビュー領域50に表示する。S140の処理後は、S120に移行する。
【0080】
S130で、ユーザ操作がマージ操作ではない場合は、S150に移行する。S150では、S120で受け付けたユーザ操作が、データベース領域30に対する部分抽出操作であるか否か判断する。S150で、ユーザ操作が部分抽出操作である場合は、S160に移行する。
【0081】
S160では、部分抽出操作により選択された部分抽出領域36が規定範囲内か否か判断する。規定範囲とは、例えば、拡大表示領域40において文字を下限ポイント以上のポイントサイズで表示し得る最大の範囲、若しくはその最大の範囲よりも小さい所定の範囲である。
【0082】
S160で、部分抽出領域36が規定範囲内である場合は、S180に移行する。この場合、部分抽出領域36全体を拡大対象領域に設定する。
S160で、部分抽出領域36が規定範囲内ではない場合は、S170に移行する。S170では、拡大対象領域を制限する。即ち、前述のように、拡大表示領域40に表示される文字のポイントサイズを下限ポイント以上に維持し得るように、部分抽出領域36の一部が除外された拡大対象領域を設定する。
【0083】
S180では、設定された拡大対象領域を、第2の表示倍率で、部分拡大画像41として、拡大表示領域40に表示する。S180の処理後は、S120に移行する。
S150で、ユーザ操作が部分抽出操作ではない場合は、S190に移行する。S190では、S120で受け付けたユーザ操作が、部分拡大画像41に対する操作であるか否か判断する。S190で、ユーザ操作が部分拡大画像41に対する操作である場合は、S200に移行する。S200では、拡大画像対応処理を実行する。拡大画像対応処理の詳細は、
図9に示す通りである。
【0084】
図9に示すように、拡大画像対応処理に移行すると、S310で、ユーザ操作がスクロール指示操作であるか否か判断する。スクロール指示操作とは、部分拡大画像41を拡大表示領域40内でスクロールさせることを指示する操作である。スクロール指示操作には、例えば、前述のドラッグ操作及びフリック操作が含まれる。
【0085】
S310で、ユーザ操作がスクロール指示操作である場合は、S320に移行する。S320では、部分拡大画像41のスクロール処理を行う。即ち、部分拡大画像41を拡大表示領域40内でスクロールさせる。S320の処理後は、S120(
図8参照)に移行する。
【0086】
S310で、ユーザ操作がスクロール指示操作ではない場合は、S330に移行する。S330では、ユーザ操作が拡縮操作であるか否か判断する。拡縮操作とは、部分拡大画像41を拡大表示領域40内で拡大または縮小させることを指示する操作である。拡縮操作には、例えば、前述のピンチイン操作及びピンチアウト操作が含まれる。
【0087】
S330で、ユーザ操作が拡縮操作である場合は、S340に移行する。S340では、部分拡大画像41の拡縮処理を行う。即ち、ユーザ操作に応じて、部分拡大画像41を拡大表示領域40内で拡大または縮小させる。S340の処理後は、S120(
図8参照)に移行する。
【0088】
S330で、ユーザ操作が拡縮操作ではない場合は、S350に移行する。S350では、ユーザ操作がセル選択操作であるか否か判断する。セル選択操作とは、部分拡大画像41におけるセルを選択する操作である。セル選択操作には、例えば前述のタップ操作が含まれる。
【0089】
S350で、ユーザ操作がセル選択操作である場合は、S360に移行する。S360では、選択されたセルを含むレコードのプレビュー画像51をプレビュー領域50に表示する。S360の処理後は、S120(
図8参照)に移行する。
【0090】
S350で、ユーザ操作がセル選択操作ではない場合は、S370に移行する。S370では、ユーザ操作が編集対象選択操作であるか否か判断する。編集対象選択操作とは、編集対象のセルを選択する操作を意味する。編集対象選択操作には、例えば前述のダブルタップが含まれる。
【0091】
S370で、ユーザ操作が編集対象選択操作である場合は、S380に移行する。S380では、編集処理を実行する。具体的には、ユーザによる編集操作を受け付け、その編集操作に応じて編集対象のセルを編集する。S390では、S380の編集処理の結果を、プレビュー画像51及びデータベース画像60それぞれに反映させる。S390の処理後は、S120(
図8参照)に移行する。
【0092】
S370で、ユーザ操作が編集対象選択操作ではない場合は、S400に移行する。S400に移行してきたということは、拡大表示領域40に対するユーザ操作が、スクロール指示操作、拡縮操作、セル選択操作及び編集対象選択操作のいずれとも異なる操作であることを意味する。S400では、そのユーザ操作に基づく処理を実行する。S400に移行するユーザ操作には、例えば、拡大表示領域40にチェックボックスが表示されている場合における、当該チェックボックスの選択操作が含まれる。チェックボックスの選択操作には、例えば、タップ操作が含まれる。チェックボックスの選択操作は、換言すれば、対応するレコードを選択する操作である。拡大表示領域40内のチェックボックスが選択操作されると、そのチェックボックスにチェックマークを表示すると共に、データベース画像60における対応するチェックボックスにも同様にチェックマークを表示する。そして、当該チェックボックスに対応するレコードを、印刷対象に設定する。S400の処理後は、S120(
図8参照)に移行する。
【0093】
図8に戻って説明を続ける。S190で、ユーザ操作が部分拡大画像41に対する操作ではない場合は、S210に移行する。S210では、ユーザ操作がデータベース画像60に対する操作であるか否か判断する。
【0094】
S210で、ユーザ操作がデータベース画像60に対する操作である場合は、S220に移行する。S220では、データベース対応処理を実行する。データベース対応処理の詳細は、
図10に示す通りである。
【0095】
図10に示すように、データベース対応処理に移行すると、S510で、ユーザ操作がスクロール指示操作であるか否か判断する。S510におけるスクロール指示操作は、データベース画像60をデータベース領域30内でスクロールさせることを指示する操作である。スクロール指示操作には、例えば、前述のドラッグ操作及びフリック操作が含まれる。
【0096】
S510で、ユーザ操作がスクロール指示操作である場合は、S520に移行する。S520では、データベース画像60のスクロール処理を行う。即ち、データベース画像60をデータベース領域30内でスクロールさせる。S520の処理後は、S120(
図8参照)に移行する。
【0097】
S510で、ユーザ操作がスクロール指示操作ではない場合は、S530に移行する。S330では、ユーザ操作が拡縮操作であるか否か判断する。S530における拡縮操作は、データベース画像60をデータベース領域30内で拡大または縮小させることを指示する操作である。拡縮操作には、例えば、前述のピンチイン操作及びピンチアウト操作が含まれる。
【0098】
S530で、ユーザ操作が拡縮操作である場合は、S540に移行する。S540では、データベース画像60の拡縮処理を行う。即ち、ユーザ操作に応じて、データベース画像60をデータベース領域30内で拡大または縮小させる。S540の処理後は、S120(
図8参照)に移行する。
【0099】
S530で、ユーザ操作が拡縮操作ではない場合は、S550に移行する。S550では、ユーザ操作が編集対象選択操作であるか否か判断する。S550における編集対象選択操作は、データベース画像60における編集対象のセルを選択する操作である。編集対象選択操作には、例えば前述のダブルタップが含まれる。
【0100】
S550で、ユーザ操作が編集対象選択操作である場合は、S560に移行する。S560では、編集処理を実行する。具体的には、ユーザによる編集操作を受け付け、その編集操作に応じて、データベース画像60内の編集対象のセルを編集する。S570では、S560の編集処理の結果を、プレビュー画像51及び部分拡大画像41それぞれに反映させる。S570の処理後は、S120(
図8参照)に移行する。
【0101】
S550で、ユーザ操作が編集対象選択操作ではない場合は、S580に移行する。S580に移行してきたということは、データベース画像60に対するユーザ操作が、スクロール指示操作、拡縮操作及び編集対象選択操作のいずれとも異なる操作であることを意味する。S580では、そのユーザ操作に基づく処理を実行する。S580に移行するユーザ操作には、例えば、データベース領域30に表示されているチェックボックスの選択操作が含まれる。データベース領域30内のチェックボックスが選択操作されると、そのチェックボックスにチェックマークを表示すると共に、拡大表示領域40にも対応するチェックボックスが表示されている場合にはそのチェックボックスにもチェックマークを表示する。そして、当該チェックボックスに対応するレコードを、印刷対象に設定する。S580の処理後は、S120(
図8参照)に移行する。
【0102】
図8に戻って説明を続ける。S210で、ユーザ操作がデータベース画像60に対する操作ではない場合は、S230に移行する。S230では、ユーザ操作がプレビュー画像操作であるか否か判断する。プレビュー画像操作とは、プレビュー画像51に対する操作を意味する。プレビュー画像操作には、例えばタップ操作が含まれる。
【0103】
S230で、ユーザ操作がプレビュー画像操作である場合は、S240に移行する。S240では、プレビュー対応処理を実行する。具体的には、プレビュー対象のレコードを含む部分拡大画像41を拡大表示領域40に表示する。S240の処理後は、S120に移行する。
【0104】
S230で、ユーザ操作がプレビュー画像操作ではない場合は、S250に移行する。S250では、拡大解除条件が成立したか否か判断する。拡大解除条件とは、拡大表示領域40に表示されている部分拡大画像41を消去すべき条件である。拡大解除条件はどのような場合に成立してもよい。本実施形態では、例えば、特定の拡大解除操作が行われた場合に拡大解除条件が成立してもよい。拡大解除操作はどのような操作であってもよく、例えば、拡大表示領域40に所定時間以上継続して接触すること、であってもよい。
【0105】
S250で、拡大解除条件が成立した場合は、S260に移行する。S260では、部分拡大画像41を消去する。S260の処理後は、S120に移行する。
S250で、拡大解除条件が成立していない場合は、S270に移行する。S270では、ユーザ操作に基づく処理を実行する。S270に移行するユーザ操作には、例えば、保存ボタン5または印刷ボタン6の操作が含まれる。例えば印刷ボタン6が操作されたことによりS270に移行してきた場合、S270では、前述の通り、印刷対象に設定されているレコードの印刷データを生成し、その印刷データをプリンタ20へ送信する。S270の処理後は、S120に移行する。
【0106】
(1-6)実施形態の効果
以上説明した実施形態によれば、以下の(1a)~(1h)の効果を奏する。
(1a)モバイルプリントアプリ12bは、部分抽出操作を受け付けると、データベース領域30におけるデータベース画像60の表示を部分的または完全に維持しつつ、拡大表示領域40に部分拡大画像41を表示する。拡大表示領域40は、データベース領域30の一部に重畳するか若しくはデータベース領域30に重畳しない。部分拡大画像41は、第2の表示倍率で表示される。第2の表示倍率は、データベース画像60が表示される際の第1の表示倍率よりも大きい倍率である。
【0107】
これにより、ユーザは、データベース領域30においてデータベース画像60を俯瞰的に視認できると共に、データベース画像60のうちの拡大対象領域については拡大表示領域40においてより大きいサイズで視認することができる。そのため、プリンタ20で印刷させるデータベースの視認性を向上させることが可能となる。
【0108】
(1b)本実施形態のデータベース12cは、テーブルを含む。つまり、複数のセルを含む表形式のテーブルとして表示される。そして、ユーザは、セル単位で部分抽出操作を行うことにより、セル単位で部分抽出領域36を設定することができる。そのため、ユーザは、拡大表示させたい領域を容易に選択することができる。
【0109】
(1c)第2の表示倍率は、拡大表示領域40に表示される文字のポイントサイズが下限ポイント以上となるように設定される。つまり、ユーザにより選択された部分抽出領域36の大きさによらず、部分拡大画像41は、セルのポイントサイズが下限ポイント以上に維持される表示倍率で表示される。そのため、拡大表示領域40における文字の視認性を良好に維持することが可能となる。
【0110】
(1d)ユーザは、拡大表示領域40に拡大表示されたセルに対する編集操作が可能である。しかも、拡大表示領域40内のセルに対する編集結果は、データベース画像60及びプレビュー画像51のそれぞれに反映される。そのため、ユーザは、データベース12cの編集を容易且つ効率的に行うことが可能となる。
【0111】
(1e)ユーザは、拡大表示領域40内のチェックボックスを操作することで、対応するレコードを印刷対象に設定することができる。そのため、ユーザは、拡大表示領域40への操作を通じて、印刷させたいレコードを容易に設定することができる。
【0112】
(1f)拡大表示領域40に表示されているセルがユーザにより選択操作されると、その選択操作されたセルを含むレコードのプレビュー画像51がプレビュー領域50に表示される。そのため、ユーザは、拡大表示領域40への操作を通じて、所望のレコードのプレビュー画像51を容易に表示させることができる。
【0113】
(1g)プレビュー画像51中の文字(即ちデータに相当する画像)がユーザにより選択操作されると、拡大表示領域40には、その選択された文字を含む部分拡大画像41が表示される。そのため、ユーザは、プレビュー画像51中の所望のデータを容易に拡大表示領域40に拡大表示させることができる。
【0114】
(1h)本実施形態では、拡大表示領域40は、プレビュー画像51に重ならない。そのため、ユーザは、部分拡大画像41とプレビュー画像51とをそれぞれ容易且つ効率的に見比べることができる。
【0115】
なお、本実施形態において、プリンタ20は本開示における印刷装置の一例に相当する。モバイル端末10は本開示における情報処理装置の一例に相当する。モバイルプリントアプリ12bは本開示におけるプログラムの一例に相当する。表示I/F13は本開示における表示部の一例に相当する。無線通信I/F15は本開示における通信インタフェースの一例に相当する。データベース領域30は本開示における第1の表示領域の一例に相当する。拡大表示領域40は本開示における第2の表示領域の一例に相当する。プレビュー領域50は本開示における第3の表示領域の一例に相当する。部分抽出領域36は本開示における特定の領域の一例に相当する。部分抽出操作は本開示における特定の操作の一例に相当する。
【0116】
S110の処理は本開示における第1の表示処理の一例に相当する。S150の処理は本開示における特定受付処理の一例に相当する。S180及びS240の処理はそれぞれ本開示における第2の表示処理の一例に相当する。S270の処理は本開示における生成処理の一例に相当する。S120の処理は本開示における処理の一例に相当する。Sの処理は本開示における処理の一例に相当する。Sの処理は本開示における処理の一例に相当する。Sの処理は本開示における処理の一例に相当する。Sの処理は本開示における処理の一例に相当する。S370の処理は本開示における編集受付処理の一例に相当する。S390の処理は本開示における反映処理の一例に相当する。S400の処理は本開示における指定受付処理及び設定処理の一例に相当する。S130の処理は本開示におけるプレビュー設定処理の一例に相当する。S140及びS360の処理はそれぞれ本開示における第3の表示処理の一例に相当する。S350の処理は本開示におけるセル選択処理の一例に相当する。S230の処理は本開示におけるデータ選択処理の一例に相当する。S260の処理は本開示における消去処理の一例に相当する。
【0117】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0118】
(2-1)データベース画像60の中からユーザ操作により抽出された部分抽出領域36にヘッダ70が含まれているか否かにかかわらず、部分拡大画像41にヘッダ70を含めるか否かが予め決められていてもよい。例えば、部分抽出領域36にヘッダ70が含まれていなくても、ヘッダ70を含む部分拡大画像41を拡大表示領域40に表示させてもよい。逆に、例えば
図11に例示するように、部分抽出領域36にヘッダ70が含まれていても、ヘッダ70を除く部分拡大画像41を拡大表示領域40に表示させてもよい。
【0119】
また、そもそも、部分抽出領域36として、ヘッダ70やチェックボックスは選べないように構成されていてもよい。
また、部分抽出領域36としてヘッダ70やチェックボックスが選べる構成であるか否かにかかわらず、拡大表示領域40には、ヘッダ70及びチェックボックスが自動で表示されてもよい。
また、本開示のデータベース画像は、上記実施形態のデータベース画像60に限定されない。本開示のデータベース画像は、データベースに含まれる少なくとも一部のデータがどのような形態で示されていてもよい。具体的には、本開示のデータベース画像は、データベースに含まれる少なくとも一部のデータが、例えば、どのようなレイアウトで表示されてもよいし、どのようなフォント、色で表示されてもよいし、どのような装飾(罫線等含む)が付加されて表示されてもよい。
【0120】
(2-2)拡大表示領域40の大きさは、一定の大きさに固定されていなくてもよい。即ち、例えばユーザの操作によって拡大表示領域40自体を拡大または縮小できてもよい。
その場合、拡大表示領域40を拡縮するとそれに応じて中の部分拡大画像41も拡縮されてもよい。あるいは、拡大表示領域40を拡縮しても中の部分拡大画像41の表示倍率は不変であってもよい。
【0121】
(2-3)拡大解除条件は、例えば、ユーザの部分抽出操作により拡大表示領域40に部分拡大画像が表示された後、ユーザの手100によるタッチパネル14aへの接触が解除されることに応じて成立してもよい。この場合、部分拡大画像41を表示させ続けるためには部分抽出操作の後も引き続きタッチパネル14aへの手100の接触を維持させる必要がある。しかし、部分拡大画像41を消去させることは容易である。
【0122】
(2-4)拡大表示領域40は、データベース領域30及びプレビュー領域50のいずれとも重ならないように設定されてもよい。例えば、表示I/F13における画像表示領域全体が、データベース領域30、拡大表示領域40及びプレビュー領域50によって三分割されてもよい。
【0123】
(2-5)プレビュー領域50は、メイン画面3に初めから含まれていなくてもよい。例えば、初期のメイン画面3にはデータベース領域30が含まれていてもよい。プレビュー領域50を表示させるための所定の操作が行われることによりプレビュー領域50が表示されてもよい。
【0124】
(2-6)本開示は、モバイル端末10以外の他の様々な情報処理装置に適用可能である。また、本開示は、プリンタ20以外の様々な印刷装置に適用可能である。
(2-7)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0125】
10…モバイル端末、11…制御部、12…記憶部、12b…モバイルプリントアプリ、12c…データベース、13…表示I/F、14a…タッチパネル、15…無線通信I/F、20…プリンタ、30…データベース領域、31,32,33…選択枠、36…部分抽出領域、40…拡大表示領域、41…部分拡大画像、50…プレビュー領域、51…プレビュー画像、60…データベース画像、61…第1フィールド、62…第2フィールド、63…第3フィールド、70…ヘッダ、71…第1レコード、72…第2レコード、73…第3レコード、80…セル、101…第1の指、102…第2の指。