(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109075
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】框組構造体及び建具
(51)【国際特許分類】
E06B 3/96 20060101AFI20220720BHJP
E06B 3/54 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
E06B3/96 A
E06B3/54 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004412
(22)【出願日】2021-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沖山 龍生
(72)【発明者】
【氏名】竜 泰之
【テーマコード(参考)】
2E016
2E035
【Fターム(参考)】
2E016AA02
2E016BA03
2E016CA01
2E016CC01
2E016DA01
2E016DC01
2E035AA00
2E035BA05
2E035CA01
2E035CB03
2E035DA01
2E035DC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造作業を容易化する框組構造体及び框組構造体を備える建具を提供する。
【解決手段】縦框25の表面において一方の縁部となる部分には、縦押縁を取り付けるための内縦押縁係合片65が内周方向に突出して設けられ、縦框25の表面において他方の縁部となる部分には、内縦押縁係合片65と同一方向に突出し、かつ突出寸法が内縦押縁係合片65よりも大きな突出片25bが設けられ、突出片25bの内表面には、内縦押縁係合片65の突出高さに対応する位置に横框23の小口端部が当接可能となる当接面ヒレ部67が内縦押縁係合片65に向けて突出して設けられている。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1框材の内周表面に第2框材の小口端部を対向させた状態でこれらの第1框材及び第2框材を接合することにより構成される框組構造体であって、
前記第1框材の内周表面において一方の縁部となる部分には、押縁を取り付けるための押縁係合片が内周方向に突出して設けられ、
前記第1框材の内周表面において他方の縁部となる部分には、前記第2框材の一方の外表面が当接可能となる突出片が前記押縁係合片と同一方向に向けて突出し、かつ突出寸法が前記押縁係合片よりも大きくなるように設けられ、
前記突出片と前記押縁係合片との間となる部分には、前記第2框材の小口端部が当接可能となる当接面部が前記押縁係合片の突出高さに対応して設けられていることを特徴とする框組構造体。
【請求項2】
前記当接面部は、前記突出片の内表面において前記押縁係合片の突出高さに対応する位置から前記押縁係合片に向けて突出されていることを特徴とする請求項1に記載の框組構造体。
【請求項3】
前記当接面部は、前記第1框材の内周表面から前記突出片と同一方向に向け、かつ前記押縁係合片と同一の突出高さとなるように突出されていることを特徴とする請求項1に記載の框組構造体。
【請求項4】
前記突出片の内表面において前記当接面部よりも先端部側に位置する部分には、前記第1框材の全長にわたって平坦状を成す対向面部が設けられ、
前記第2框材は、一方の外表面が前記対向面部に当接されるとともに、前記小口端部が前記当接面部及び前記押縁係合片に当接された状態で前記第1框材に接合されることを特徴とする請求項1に記載の框組構造体。
【請求項5】
前記第1框材には、シール部材が装着されたアタッチメントが前記突出片の内表面に配設されるとともに、シール部材が装着された押縁が前記アタッチメントに対向するように前記押縁係合片に取り付けられ、
前記アタッチメント及び前記押縁の間にそれぞれのシール部材を介して面材が挟持されていることを特徴とする請求項1に記載の框組構造体。
【請求項6】
前記第1框材の内周表面と前記第2框材の小口端部との間にこれら内周表面及び小口端部に当接するようにスペーサ部材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の框組構造体。
【請求項7】
前記スペーサ部材には、前記第1框材に当接することにより、前記内周表面に沿った方向への相対移動を制限する第1制限部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の框組構造体。
【請求項8】
前記スペーサ部材には、前記第2框材に当接することにより、前記内周表面に沿った方向への相対移動を制限する第2制限部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の框組構造体。
【請求項9】
前記第2框材は、前記小口端部に開口する中空部を有し、
前記第2制限部は、前記第2框材の中空部に嵌合するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の框組構造体。
【請求項10】
前記第1框材が上下方向に沿って配置されるとともに、前記突出片が室外側に配置された状態で請求項1~請求項9のいずれか一つに記載した框組構造体が枠体に対して開閉可能に配設され、かつ前記第1框材の室内に臨む見付け面が、前記第2框材の室内に臨む見付け面に対して同一の平面上に配置されていることを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子等のように複数の框材を接合させることによって構成される框組構造体及び框組構造体を備える建具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上下方向に延在する縦框と、左右方向に延在する横框とを備えた建具の障子においては、例えば、縦框の見込み面に横框の小口端部が対向した状態で互いの間を接合するようにしている。縦框及び横框には、それぞれの内周側となる見込み面の一方の縁部に挟持ヒレ部が設けられるとともに、他方の縁部に押縁が取り付けられており、挟持ヒレ部と押縁との間に面材の周縁部が挟持されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、縦框の見込み面には、押縁を取り付けるための押縁係合片が突出するように設けられている。従って、押縁係合片が設けられた状態のまま横框と縦框とを接合させた場合には、横框に対して縦框が傾いた姿勢になる等、互いの接合状態が不安定となる懸念がある。すなわち、横框の小口端部に対しては押縁係合片のみが当接した状態で横框及び縦框が互いに接合されることになる。このため従来では、予め横框の小口端部が対向する部分の押縁係合片を削除しておく必要があり、障子の製造作業が煩雑となる。なお、上述の問題は、縦框の小口端部が横框の見込み面に対向した状態で横框及び縦框を接合する場合にも同様に生じ得るものである。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、製造作業を容易化することのできる框組構造体及び建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る框組構造体は、第1框材の内周表面に第2框材の小口端部を対向させた状態でこれらの第1框材及び第2框材を接合することにより構成される框組構造体であって、前記第1框材の内周表面において一方の縁部となる部分には、押縁を取り付けるための押縁係合片が内周方向に突出して設けられ、前記第1框材の内周表面において他方の縁部となる部分には、前記第2框材の一方の外表面が当接可能となる突出片が前記押縁係合片と同一方向に向けて突出し、かつ突出寸法が前記押縁係合片よりも大きくなるように設けられ、前記突出片と前記押縁係合片との間となる部分には、前記第2框材の小口端部が当接可能となる当接面部が前記押縁係合片の突出高さに対応して設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る建具は、前記第1框材が上下方向に沿って配置されるとともに、前記突出片が室外側に配置された状態で上述した框組構造体が枠体に対して開閉可能に配設され、かつ前記第1框材に装着される押縁の室内に臨む見付け面と、前記第2框材の室内に臨む見付け面とが、それぞれ前記第1框材の室内に臨む見付け面と同一の平面上に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1框材において突出片と押縁係合片との間となる部分に当接面部が設けてあるため、第2框材の小口端部が当接面部及び押縁係合片に当接するとともに、第2框材の外表面が突出片に当接した状態で第1框材の内周表面に対向させることができる。従って、第1框材に対して事前に切削等の加工を施すことなく第1框材及び第2框材を安定した状態で接合することができ、製造作業を容易化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態である框組構造体を適用した建具を室外側から見た図である。
【
図4】
図3において框組構造体であるドアパネルが枠体に対して開いた状態の横断面図である。
【
図5】
図1の建具においてドアパネルに適用する框材の構成を示すもので、(a)は上方の横框の端面図、(b)は下方の横框の端面図、(c)は横框に取り付けられる横押縁の端面図である。
【
図6】
図1の建具においてドアパネルに適用する框材の構成を示すもので、(a)は一方の縦框の端面図、(b)は他方の縦框の端面図、(c)は縦框に取り付けられるアタッチメントの端面図、(d)は縦框に取り付けられる縦押縁の端面図である。
【
図7】ドアパネルに適用する横框及び縦框の大きさを比較するための端面図である。
【
図9】ドアパネルの要部を示すもので、(a)は横框及び縦框を接合する以前の分解斜視図、(b)は横框及び縦框を接合した状態の斜視図である。
【
図10】ドアパネルの要部を破断して示す斜視図である。
【
図13】変形例である框組構造体を適用した建具の横断面図である。
【
図14】
図13の建具においてドアパネルに適用する框材の構成を示すもので、(a)は一方の縦框の端面図、(b)は他方の縦框の端面図、(c)は縦框に取り付けられるアタッチメントの端面図、(d)は縦框に取り付けられる縦押縁の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る框組構造体及び建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては便宜上、見込み方向及び見付け方向という用語を用いる。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、上框や下框等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦框等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。また、以下の説明においては、建具が躯体に取り付けられた状態の姿勢でそれぞれの構成要素の方向を特定することとする。
【0011】
図1~
図4は、本発明の実施の形態である框組構造体を適用した建具を示したものである。ここで例示する建具は、枠体10と、框組構造体であるドアパネル20とを備え、枠体10及びドアパネル20の間に介在させた複数のヒンジ1により、上下に沿ったヒンジ軸を中心に回転可能となる状態でドアパネル20を枠体10に支持させたものである。
【0012】
枠体10は、上下の横枠11,12及び左右の縦枠13,14を備え、これらを四周枠組みすることによって縦長の長方形状に構成したものである。横枠11,12及び縦枠13,14は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、それぞれが長手方向に沿った全長にわたってほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。上方の横枠(以下、適宜上枠11という)は、中空状を成す上枠基部11aと、上枠基部11aの内周側において室内側となる縁部から内周側に向けて突出した当接上ヒレ部11bとを有して構成してある。下方の横枠(以下、適宜下枠12という)は、下枠基部12aと、下枠基部12aの内周側において室内側となる縁部から内周側に向けて突出した当接下ヒレ部12bとを有して構成してある。下枠基部12aは、見込み方向に沿った寸法が上枠基部11aとほぼ同じで、下面に開口した略中空状を成すものである。横枠11,12の中空部内には、それぞれ枠ビスホール15が設けてある。縦枠13,14は、左右で互いにほぼ対称となる断面形状を有するもので、中空状を成す縦枠基部13a,14aと、縦枠基部13a,14aの内周側において室内側となる縁部から内周側に向けて突出した当接縦ヒレ部13b,14bとを有して構成してある。当接上ヒレ部11b、当接下ヒレ部12b及び当接縦ヒレ部13b,14bには、それぞれの突出縁部において室外に臨む見付け面にタイト材装着部16が設けてある。タイト材装着部16は、それぞれのヒレ部11b,12b,13b,14bの見付け面から室外に突出するように設けてある。これらの横枠11,12及び縦枠13,14は、図には明示していないが、縦枠13,14の内周側となる見込み面にそれぞれ横枠11,12の小口端部を当接させ、この状態から縦枠13,14を介して横枠11,12の枠ビスホール15に枠取付ネジ(図示せず)を螺合することにより相互に連結してある。上述したタイト材装着部16には、四周で連続するようにタイト材17が装着してある。
【0013】
ドアパネル20は、縦長の長方形状を成すガラス板等の面材21の四周に上下の横框(第2框材)22,23及び左右の縦框(第1框材)24,25を装着することによって構成したものである。本実施の形態では、室外側から見て左側に位置する縦枠14と縦框25との間に3つのヒンジ1が設けてあり、これらのヒンジ1を中心に枠体10に対してドアパネル20が室外側に突出するように回転可能に支持してある。室外側から見て右側に位置する縦枠13と縦框24との間には錠2が設けてあり、さらに室外側から見て右側に位置する縦框24には錠2を解除するためのドアハンドル3が設けてある。ドアパネル20を構成する横框22,23及び縦框24,25は、それぞれアルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、それぞれが長手方向に沿った全長にわたってほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。
【0014】
横框22,23は、上下で互いにほぼ対称となる断面形状を有するもので、中空状を成す横框基部22a,23aと、横框基部22a,23aの室外側となる縁部から内周側に向けて突出した挟持ヒレ部22b,23bとを有して構成してある。横框基部22a,23aは、
図5に示すように、2つの横見込み壁部41,42及び2つの横見付け壁部43,44によって囲まれた略四角形状を成すもので、中空部の四隅となる部分にそれぞれビスホール45を有している。この横框基部22a,23aには、内周側となる横見込み壁部41に2つの横押縁係合片46,47が設けてある。横押縁係合片46,47は、横框基部22a,23aの室内側となる縁部に横押縁50を取り付けるためのもので、横見込み壁部41の表面41aにおいて室内側となる縁部及び横見込み壁部41のほぼ中央となる部分からそれぞれ内周側に向けて突出している。室内側となる縁部に設けた横押縁係合片(以下、区別する場合に内横押縁係合片46という)は、内周側に向けて突出した後、突出縁部が室外に向けてほぼ直角に屈曲している。中央部分に設けた横押縁係合片(以下、区別する場合に中横押縁係合片47という)は、内周側に向けて突出した後、突出縁部が室内に向けてほぼ直角に屈曲している。図からも明らかなように、中横押縁係合片47及び内横押縁係合片46の突出寸法は、後述する挟持ヒレ部22b,23bの突出寸法よりも十分に小さく、また中横押縁係合片47の突出寸法が内横押縁係合片46の突出寸法よりもわずかに小さい。例示のために具体的に示せば、中横押縁係合片47の突出寸法は横框22,23の板厚の2倍程度であり、内横押縁係合片46の突出寸法は横框22,23の板厚の3倍程度に設定してある。
【0015】
これら横押縁係合片46,47を介して横框22,23に取り付ける横押縁50は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、長手方向に沿った全長にわたってほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。本実施の形態では、
図2及び
図5(c)に示すように、押縁基板部51、面材支持板部52、係合板部53を有した横押縁50を適用している。押縁基板部51は、横框基部22a,23aの室内側となる横見付け壁部43に沿って配置されるものである。面材支持板部52は、押縁基板部51の内周側となる縁部から室外に向けてほぼ直角に屈曲した後、さらに外周側に向けて屈曲したものである。面材支持板部52の延在縁部には、乾式の内方シール部材5が装着してある。係合板部53は、押縁基板部51の外周側となる縁部から室外に向けて漸次外周側となるように傾斜延在したものである。押縁基板部51と係合板部53との出隅部分には、内横押縁係合片46の屈曲部が係合可能となる係合溝54が設けてある。この横押縁50は、係合板部53の延在縁部を中横押縁係合片47と横見込み壁部41との間に挿入し、かつ係合溝54に内横押縁係合片46の屈曲部を係合させることにより、横框基部22a,23aの室内側となる部分から内周側に突出する状態で横框基部22a,23aに取り付けられることになる。
【0016】
挟持ヒレ部22b,23bは、横框基部22a,23aに取り付けた横押縁50とほぼ同じ突出寸法を有するもので、突出縁部において室内に臨む見付け面にシール装着部48を有している。シール装着部48は、室内に臨む部分に乾式の外方シール部材6を装着するためのもので、挟持ヒレ部22b,23bの見付け面から室内に突出するように設けてある。
【0017】
縦框24,25は、左右で互いにほぼ対称となる断面形状を有するもので、中空状を成す縦框基部24a,25aと、縦框基部24a,25aの室外側となる縁部から内周側に向けて突出した突出片24b,25bとを有して構成してある。縦框基部24a,25aは、2つの縦見込み壁部61,62及び2つの縦見付け壁部63,64によって囲まれた略四角形状を成すものである。
図7からも明らかなように、縦框基部24a,25aは、見込み方向に沿った寸法が横框基部22a,23aに対してほぼ突出片24b,25bの板厚分だけ大きく構成してあり、室内に臨む見付け面43a,64aを互いに同一平面上に位置させた場合、横框基部22a,23aの室外に臨む見付け面44aを突出片24b,25bの室内に臨む見付け面(以下、突出片24b,25bの内表面24c,25cという)側に当接させることが可能である。この縦框基部24a,25aには、内周側となる縦見込み壁部61の表面(内周表面)61bに2つの縦押縁係合片65,66が設けてある。2つの縦押縁係合片65,66は、縦框基部24a,25aの室内側となる縁部に縦押縁70を取り付けるためのもので、横框22,23に設けた横押縁係合片46,47と同様に、室内側の内縦押縁係合片65及び中央部分の中縦押縁係合片66によって構成してある。中縦押縁係合片66及び内縦押縁係合片65の突出寸法は、後述する突出片24b、25bの突出寸法よりも十分に小さく、また中縦押縁係合片66の突出寸法が内縦押縁係合片65の突出寸法よりもわずかに小さい。例示のために具体的に示せば、中縦押縁係合片66の突出寸法は縦框24,25の板厚の2倍程度であり、内縦押縁係合片65の突出寸法は縦框24,25の板厚の3倍程度に設定してある。
【0018】
これら縦押縁係合片65,66を介して縦框24,25に取り付ける縦押縁70は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、長手方向に沿った全長にわたってほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。本実施の形態では、
図3及び
図6に示すように、横押縁50と同様、押縁基板部71、面材支持板部72、係合板部73を有した縦押縁70を適用している。縦押縁70において押縁基板部71と係合板部73との出隅部分には、内縦押縁係合片65の屈曲部が係合可能となる係合溝74が設けてある。面材支持板部72の延在縁部には、乾式の内方シール部材5が装着してある。この縦押縁70は、係合板部73の先端を中縦押縁係合片66と縦見込み壁部61との間に挿入し、かつ係合溝54に内縦押縁係合片65の屈曲部を係合させることにより、縦框基部24a,25aの室内側となる部分から内周側に突出する状態で縦框基部24a,25aに取り付けられることになる。
【0019】
突出片24b,25bは、縦框基部24a,25aに取り付けた縦押縁70とほぼ同じ突出寸法を有するもので、内表面24c,25cがほぼ平坦状を成し、かつ基端部分に当接面ヒレ部(当接面部)67を有している。当接面ヒレ部67は、突出片24b,25bの内表面24c,25cから室内に位置する内縦押縁係合片65に向けてほぼ直角に突出した薄板状を成すものである。当接面ヒレ部67の内周側に位置する表面67aは、縦見込み壁部61からの寸法が内縦押縁係合片65の突出高さとほぼ同じであり、内縦押縁係合片65の突出端面65aと同一の平面上に位置するように構成してある。上述の構成を有する突出片24b,25bは、内表面24c,25cにおいて当接面ヒレ部67よりも先端部側に位置する部分がほぼ平坦な対向面部24d,25dを構成している。
【0020】
この突出片24b,25bには、内表面24c,25cにアタッチメント80が取り付けてある。アタッチメント80は、縦押縁70との間に面材21を挟持するもので、縦押縁70と同様、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材を適用している。本実施の形態では、シール装着板部81、係着溝82及び係着板部83を有したアタッチメント80を適用している。シール装着板部81は、突出片24b,25bの対向面部24d,25dに沿って配置するもので、当接面ヒレ部67から突出片24b,25bの突出端縁までの距離とほぼ同じ長さを有している。このシール装着板部81には、突出縁部において室内に臨む見付け面にシール装着部84が設けてある。シール装着部84は、室内に臨む部分に乾式の外方シール部材6を装着するためのもので、横框22,23の挟持ヒレ部22b,23bに設けたシール装着部48と同様の構成を有して構成してある。係着溝82は、シール装着板部81を突出片24b,25bの対向面部24d,25d側に当接させた際に当接面ヒレ部67が挿入される部分である。係着板部83は、当接面ヒレ部67の外周側に位置する表面から室内側に向けて延在した後、外周側に向けて傾斜延在したものである。この係着板部83は、シール装着板部81を突出片24b,25bの対向面部24d,25d側に当接させた際に、延在縁部が中縦押縁係合片66に当接可能となる寸法に形成してある。
【0021】
上述のアタッチメント80は、係着板部83の延在縁部を中縦押縁係合片66に当接させ、かつ係着溝82に当接面ヒレ部67を挿入することにより、シール装着板部81が突出片24b,25bの対向面部24d,25d側に当接した状態で縦框24,25に取り付けられることになる。但し、縦框24,25に取り付けるアタッチメント80としては、縦框24,25の長手に沿った寸法に対して横框22,23の上下に沿った寸法の2倍だけ短い寸法のものを適用している。
【0022】
上記のように構成した横框22,23及び縦框24,25は、それぞれの小口端部が長手に直交する方向に延在した状態で、
図8~
図12に示すように、縦框24,25の内周側となる表面61bに横框22,23の小口端部を対向させ、この状態から縦框24,25を介して横框22,23のビスホール45にそれぞれ取付ネジ90を螺合することによって互いに接合された状態となる。より詳細に説明すると、縦框基部24a,25aの外周側に位置する縦見込み壁部62には、取付ネジ90の頭部90aを挿通可能とするネジ貫通孔62aが形成してあり、内周側に位置する縦見込み壁部61には、取付ネジ90の軸部90bを挿通可能、かつ頭部90aを挿通不可とするネジ挿通孔61aが形成してある。ネジ貫通孔62a及びネジ挿通孔61aを設ける位置は、横框基部22a,23aの室内に臨む見付け面43aと縦框基部24a,25aの室内に臨む見付け面64aとが同一平面上に位置した場合に、横框22,23のビスホール45に対向する部分に設定してある。従って、ネジ貫通孔62aを貫通した取付ネジ90を4つのビスホール45に螺合させれば、室内に臨む見付け面43a,64aが互いに同一平面上に位置し、かつ横框基部22a,23aの室外に臨む見付け面が突出片24b,25bの対向面部24d,25d側に当接されることになる。さらに、横框22,23の小口端部に対しては、室内側に位置する部分が縦框24,25の内縦押縁係合片65に当接するとともに、室外側に位置する部分が縦框24,25の当接面ヒレ部67に当接することになる。従って、縦框24,25に対して横框22,23の小口端部が安定した状態で当接することになり、横框22,23に対して縦框24,25が傾いた姿勢になる等の問題を招来する懸念がなくなる。しかも、上述した接合状態は、縦框24,25の成形時に突出片24b,25bの内表面24c,25cに当接面ヒレ部67を設ける一方、突出片24b,25bの内表面24c,25cにおいて当接面ヒレ部67よりも先端側となる対向面部24d,25dの全長に当接ヒレ部67を越えて室内側に突出する部分を設けていないことで実現されるものであり、縦框24,25の成形後に切削等の加工が必要となることがなく、製造作業が煩雑化する懸念もない。
【0023】
横框22,23及び縦框24,25を互いに接合した後においては、横框22,23のシール装着部48及びアタッチメント80のシール装着部48にそれぞれ外方シール部材6を装着した状態で内周側となる部分に面材21を配置する。この状態から横框22,23に横押縁50を取り付ければ、外方シール部材6及び内方シール部材5を介して挟持ヒレ部22b,23bと横押縁50との間に面材21を挟持することができる。同様に、縦框24,25に縦押縁70を取り付ければ、外方シール部材6及び内方シール部材5を介してアタッチメント80と縦押縁70との間に面材21を挟持することができる。上述したように、外方シール部材6が装着されるアタッチメント80は、縦框24,25の長手に沿った寸法に対して横框22,23の上下に沿った寸法の2倍だけ寸法が短いため、横框22、23の小口端部を縦框24,25の内縦押縁係合片65及び当接面ヒレ部67に当接させる際に邪魔になることはない。
【0024】
さらに、本実施の形態では、横框22,23の小口端部と縦框24,25の縦見込み壁部61との間に樹脂製のスペーサ部材100を介在させることで、横框22,23の小口端部と縦框基部24a,25aの内周側に位置する縦見込み壁部61との間に生じる隙間を埋めるようにしている。スペーサ部材100は、フランジ部110と挿入部(第2制限部)120とを一体に成形したものである。フランジ部110は、横框基部22a,23aに設けたビスホール45をすべて覆い、かつ2つの横見込み壁部41,42に同時に当接することのできる寸法の略四角形状に構成してある。フランジ部110においてビスホール45に対応する部分には、それぞれネジ挿通孔110aが形成してある。フランジ部110の見込み方向に沿った寸法は、当接面ヒレ部67及び内縦押縁係合片65の相互間に嵌合される寸法に設定してある。
図11、
図12からも明らかなように、フランジ部110において縦框基部24a,25aの中縦押縁係合片66に対応する部分には、凹部111及び位置決め突条(第1制限部)112が設けてある。凹部111は、フランジ部110の表面が縦框基部24a,25aの内周側となる縦見込み壁部61に当接可能となるように中縦押縁係合片66を収容するためのものである。位置決め突条112は、フランジ部110を当接面ヒレ部67及び内縦押縁係合片65の相互間において縦框基部24a,25aの内周側となる縦見込み壁部61に当接させた場合に中縦押縁係合片66の室外側に位置する側面に当接することにより、縦框24,25に対するスペーサ部材100の見込み方向に沿った相対移動を制限するものである。挿入部120は、横框基部22a,23aの中空部に挿入可能となる寸法に構成したブロック状を成すものである。挿入部120の見込み方向に沿った寸法は、フランジ部110とほぼ同じである。挿入部120の上下に沿った寸法は、上下に隣接するビスホール45の周壁に同時に当接することができるように設定してある。挿入部120において見込み方向に隣接するビスホール45の相互間となる部分には、それぞれの周壁に同時に当接することができるように上方突出部121及び下方突出部122が設けてある。
【0025】
上述のスペーサ部材100を取り付けた場合には、縦框24,25の縦見込み壁部61から横框22,23の小口端部までの間の隙間がスペーサ部材100によって埋められるため、取付ネジ90の軸部90bに曲げモーメントが生じる事態を防止することが可能となる。さらに、スペーサ部材100と縦框24,25との間においては、位置決め突条112によって見込み方向の位置が規定されるとともに、スペーサ部材100と横框22,23との間においては、挿入部120が横框基部22a,23aの中空部に嵌合することで見込み方向及び見付け方向の位置が規定されることになる。これらの結果、スペーサ部材100によって横框22,23と縦框24,25とを容易に、かつ精度良く接合させることが可能となり、製造作業の容易化を図ることができるようになるとともに、横框22,23と縦框24,25との接合強度を向上させることができるようになる。
【0026】
なお、上述した実施の形態では、当接面ヒレ部67を突出片24b,25bの内表面24c,25cから縦押縁係合片65,66に向けて突出するように設けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図13及び
図14に示す変形例のように、縦框124,125の縦框基部24a,25aにおいて内周側となる縦見込み壁部61の表面(内周表面)61bに当接面ヒレ部(当接面部)167を設けることも可能である。すなわち、変形例では、縦框基部24a,25aの表面61bにおいて突出片24b,25bと縦押縁係合片65,66との間となる部分から突出片24b,25bと同一方向に向け、かつ縦押縁係合片65,66と同一の突出高さとなるように当接面ヒレ部167が設けてある。当接面ヒレ部167の突出縁部は、室外側に向けてわずかに突出している。突出片24b,25bは、内表面24c,25cにおいて当接面ヒレ部67よりも先端部側に位置する部分がほぼ平坦な対向面部24d,25dを構成している。
【0027】
この変形例で適用するアタッチメント180は、シール装着板部181及び係着板部182を有して構成してある。シール装着板部181は、突出片24b,25bの対向面部24d,25dに沿って配置するものである。シール装着板部181には、突出縁部において室内に臨む見付け面にシール装着部183が設けてある。シール装着部183は、室内に臨む部分に乾式の外方シール部材6を装着するためのものである。係着板部182は、シール装着板部181の外周側となる縁部から室内側に向けて漸次外方に傾斜した後、室外側に向けて漸次外方に傾斜した屈曲状を成すもので、突出片24b,25bと当接面ヒレ部167との間に装着することが可能である。係着板部182を表面61bに当接させた場合、シール装着板部181は、突出片24b,25bとほぼ同じ突出高さとなるように構成してある。変形例で適用する縦押縁70は、実施の形態と同様の構成を有したものである。その他、変形例において実施の形態と同様の構成については同一の符号が付してある。
【0028】
上記のように構成した変形例においても、横框22,23及び縦框24,25の小口端部を長手に直交する方向に延在させた状態で、縦框24,25の内周側となる表面61bに横框22,23の小口端部を対向させ、この状態から縦框24,25を介して横框22,23のビスホール45にそれぞれ取付ネジ90を螺合することによって横框22,23及び縦框24,25が互いに接合された状態となる。このとき、横框基部22a,23aの室内に臨む見付け面43a,64aが互いに同一平面上に位置し、かつ横框基部22a,23aの室外に臨む見付け面が突出片24b,25bの対向面部24d,25d側に当接されることになる。横框22,23の小口端部に対しては、室内側に位置する部分が縦框24,25の内縦押縁係合片65に当接するとともに、室外側に位置する部分が縦框24,25の当接面ヒレ部167に当接することになる。従って、縦框24,25に対して横框22,23の小口端部が安定した状態で当接することになり、横框22,23に対して縦框24,25が傾いた姿勢になる等の問題を招来する懸念がなくなる。しかも、上述した接合状態は、縦框24,25の成形時に縦框基部24a,25aの表面61bに当接面ヒレ部167を設ける一方、突出片24b,25bの内表面24c,25cにおいて当接面ヒレ部167よりも先端側となる対向面部24d,25dの全長に、当接ヒレ部67の位置を越えて室内側に突出する部分を設けていないことで実現されるものであり、縦框24,25の成形後に切削等の加工が必要となることがなく、製造作業が煩雑化する懸念もない。
【0029】
なお、上述した実施の形態及び変形例では、框組構造体としてドアパネル20を例示しているが、複数の框材を接合することによって構成されるものであれば開き窓の障子等、その他のものにも適用することが可能である。また、第1框材が縦框24,25で第2框材が横框22,23として框組構造体を構成しているが、第1框材が横框22,23で第2框材が縦框24,25として框組構造体を構成しても良いし、第1框材及び第2框材のいずれかが中桟として框組構造体を構成することも可能である。さらに、框材としてアルミニウム合金等の金属によって成形したものを例示しているが、樹脂によって成形したものや金属と樹脂との複合した構成であっても構わない。なお、スペーサ部材として樹脂製のものを例示しているが、ダイカスト等、金属によって構成することも可能である。
【0030】
また、上述した実施の形態及び変形例では、突出片24b,25bにアタッチメント80を配設するようにしているが、シール部材として湿式のものを適用することでアタッチメント80を省略して面材を支持することも可能である。さらに、突出片24b,25bが室外側となるように配置される建具を例示しているが、突出片24b,25bを室内側に配置するように建具を構成しても良い。またさらに、当接面部として薄板状を成す当接面ヒレ部67を例示しているが、必ずしも当接面部が薄板状を成している必要はない。また、室内に臨む見付け面が互いに同一の平面上に位置する状態で横框及び縦框を接合するようにしているため、一連のタイト材17によって枠体10との間の水密性及び気密性を確保することが可能となるが、本発明はこれに限定されない。
【0031】
さらに、上述した実施の形態では、第2框材として挟持ヒレ部と押縁との間に面材を挟持するように構成したものを例示しているが、必ずしもこれに限定されない。例えば、横框基部22a,23aの室内側にも挟持ヒレ部を一体に形成し、2つの挟持ヒレ部の間に面材を挟持するように構成することも可能である。またさらに、第1框材及び第2框材として中空状の框基部22a,23a,24a,25aを有したものを例示しているが、必ずしも中空部を有して構成する必要はない。
【0032】
以上のように、本発明に係る框組構造体は、第1框材の内周表面に第2框材の小口端部を対向させた状態でこれらの第1框材及び第2框材を接合することにより構成される框組構造体であって、前記第1框材の内周表面において一方の縁部となる部分には、押縁を取り付けるための押縁係合片が内周方向に突出して設けられ、前記第1框材の内周表面において他方の縁部となる部分には、前記第2框材の一方の外表面が当接可能となる突出片が前記押縁係合片と同一方向に向けて突出し、かつ突出寸法が前記押縁係合片よりも大きくなるように設けられ、前記突出片と前記押縁係合片との間となる部分には、前記第2框材の小口端部が当接可能となる当接面部が前記押縁係合片の突出高さに対応して設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、第1框材において突出片と押縁係合片との間となる部分に当接面部が設けてあるため、第2框材の小口端部が当接面部及び押縁係合片に当接するとともに、第2框材の外表面が突出片に当接した状態で第1框材の内周表面に対向させることができる。従って、第1框材に対して事前に切削等の加工を施すことなく第1框材及び第2框材を安定した状態で接合することができ、製造作業を容易化することが可能となる。
【0033】
また本発明は、上述した框組構造体において、前記当接面部は、前記突出片の内表面において前記押縁係合片の突出高さに対応する位置から前記押縁係合片に向けて突出されていることを特徴としている。
この発明によれば、突出片に設けた当接面部を第2框材の小口端部に当接させることができる。
【0034】
また本発明は、上述した框組構造体において、前記当接面部は、前記第1框材の内周表面から前記突出片と同一方向に向け、かつ前記押縁係合片と同一の突出高さとなるように突出されていることを特徴としている。
この発明によれば、第1框材の内周表面に設けた当接面部を第2框材の小口端部に当接させることができる。
【0035】
また本発明は、上述した框組構造体において、前記突出片の内表面において前記当接面部よりも先端部側に位置する部分には、前記第1框材の全長にわたって平坦状を成す対向面部が設けられ、前記第2框材は、一方の外表面が前記対向面部に当接されるとともに、前記小口端部が前記当接面部及び前記押縁係合片に当接された状態で前記第1框材に接合されることを特徴としている。
この発明によれば、突出片の内表面に平坦状を成す対向面部が設けてあるため、この当接平面に第2框材の外表面を当接させることができる。従って、第1框材及び第2框材をより安定した状態で接合することができるようになる。平坦状を成す対向面部としては、必ずしも全面が同一の平面上に位置するように平坦に構成する必要はなく、突出片の内表面からの突出高さ(実施の形態では室内側への突出高さ)が当接面部よりも小さければ、凹凸があっても構わない。
【0036】
また本発明は、上述した框組構造体において、前記第1框材には、シール部材が装着されたアタッチメントが前記突出片の内表面に配設されるとともに、シール部材が装着された押縁が前記アタッチメントに対向するように前記押縁係合片に取り付けられ、前記アタッチメント及び前記押縁の間にそれぞれのシール部材を介して面材が挟持されていることを特徴としている。
この発明によれば、湿式のシール部材を適用することなく面材と突出片とが直接接触する状態を避けて押縁のシール部材との間に面材を挟持することが可能となる。
【0037】
また本発明は、上述した框組構造体において、前記第1框材の内周表面と前記第2框材の小口端部との間にこれら内周表面及び小口端部に当接するようにスペーサ部材が配設されていることを特徴としている。
この発明によれば、スペーサ部材を介して内周表面と小口端部との間を密接させることができ、接合強度の点で有利となる。
【0038】
また本発明は、上述した框組構造体において、前記スペーサ部材には、前記第1框材に当接することにより、前記内周表面に沿った方向への相対移動を制限する第1制限部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、第1制限部を第1框材に当接させることにより、第1框材に対するスペーサ部材の位置決めを容易に実施することができる。
【0039】
また本発明は、上述した框組構造体において、前記スペーサ部材には、前記第2框材に当接することにより、前記内周表面に沿った方向への相対移動を制限する第2制限部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、第2制限部を第2框材に当接させることにより、第2框材に対するスペーサ部材の位置決めを容易に実施することができる。
【0040】
また本発明は、上述した框組構造体において、前記第2框材は、前記小口端部に開口する中空部を有し、前記第2制限部は、前記第2框材の中空部に嵌合するように構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、第1框材に対する第2框材の相対移動が制限されることにより、これら框材の接合後においてずれやねじりを抑制することが可能となる。
【0041】
また、本発明に係る建具は、前記第1框材が上下方向に沿って配置されるとともに、前記突出片が室外側に配置された状態で上述した框組構造体が枠体に対して開閉可能に配設され、かつ前記第1框材の室内に臨む見付け面が、前記第2框材の室内に臨む見付け面に対して同一の平面上に配置されていることを特徴としている。
この発明によれば、第1框材において突出片と押縁係合片との間となる部分に当接面部が設けてあるため、第2框材の小口端部が当接面部及び押縁係合片に当接するとともに、第2框材の外表面が突出片に当接した状態で第1框材の内周表面に対向させることができる。従って、第1框材に対して事前に切削等の加工を施すことなく第1框材及び第2框材を安定した状態で接合することができ、製造作業を容易化することが可能となる。
【符号の説明】
【0042】
5 内方シール部材、6 外方シール部材、10 枠体、20 ドアパネル、21 面材、22、23 横框、24,25 縦框、24b,25b 突出片、24c,25c 内表面、24d,25d 対向面部、41 横見込み壁部、43a,64a 室内に臨む見付け面、54 係合溝、61 縦見込み壁部、61a 表面、65 内縦押縁係合片、65a 突出端面、67,167 当接面ヒレ部、67a 表面、70 縦押縁、80 アタッチメント、100 スペーサ部材、112 位置決め突条、120 挿入部、121 上方突出部、122 下方突出部