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特開2022-109078情報処理装置、情報処理システム、自動運転制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109078
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、自動運転制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220720BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
G08G1/16
G08G1/09 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004417
(22)【出願日】2021-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】591139633
【氏名又は名称】東急株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】長束 晃一
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA06
5H181AA14
5H181AA20
5H181BB12
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF13
5H181FF27
5H181JJ28
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL08
5H181LL09
5H181MA02
5H181MA22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】何らかの障害物が走行の妨げになった場合にも自動運転車両の安全な走行を行う。
【解決手段】自動運転が可能な車両に搭載されたセンサが検知した情報に基づいて、車両に対して自動運転を禁止する制御部110を有し、また、センサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する禁止時間を算出する算出部を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転が可能な車両を制御する情報処理装置であって、
前記車両に搭載されたセンサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する制御部を有する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記センサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する禁止時間を算出する算出部を有し、
前記制御部は、前記算出部が算出した禁止時間の間、前記車両に対して自動運転を禁止する情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記算出部は、前記センサが検知した、前記車両に与えられた衝撃の大きさである衝撃度に基づいて、前記禁止時間を算出する情報処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置において、
前記算出部は、前記センサが検知した障害物の大きさに基づいて、前記禁止時間を算出する情報処理装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記算出部は、前記センサが検知した、前記車両から障害物までの距離に基づいて、前記禁止時間を算出する情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記車両を遠隔で操作する操作部を有し、
前記制御部は、前記車両に対して自動運転を禁止している間、前記操作部の操作を有効にする情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記車両に対して自動運転を禁止していない間、前記操作部の操作を無効にする情報処理装置。
【請求項8】
請求項2から7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
過去のデータを用いて、前記センサが検知した情報に対して必要な前記禁止時間を対応付けて機械学習を行った学習済みモデルを有し、
前記算出部は、前記センサが検知した情報を前記学習済みモデルに入力し、該学習済みモデルから出力された禁止時間を取得することで該禁止時間を算出する情報処理装置。
【請求項9】
自動運転が可能な車両と、情報処理装置とを有し、
前記車両は、センサを有し、
前記情報処理装置は、前記センサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する制御部を有する情報処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、前記センサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する禁止時間を算出する算出部を有し、
前記制御部は、前記算出部が算出した禁止時間の間、前記車両に対して自動運転を禁止する情報処理システム。
【請求項11】
自動運転が可能な車両に搭載されたセンサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する処理を行う自動運転制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載に自動運転制御方法において、
前記センサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する禁止時間を算出する処理と、
前記算出した禁止時間の間、前記車両に対して自動運転を禁止する処理とを行う自動運転制御方法。
【請求項13】
コンピュータに、
自動運転が可能な車両に搭載されたセンサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する手順を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムにおいて、
前記センサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する禁止時間を算出する手順と、
前記算出した禁止時間の間、前記車両に対して自動運転を禁止する手順とを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、自動運転制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動運転車両の走行実験が様々なところで行われている。車両に自動運転を行わせるシステムにおいては、様々な道路情報に基づいて、車両の走行を制御する必要がある。例えば、道路情報に基づいて車線変更が可能かどうかを判定し、判定結果にしたがって車線変更を開始する地点を設定する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-184721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたようなシステムにおいて、例えば、何らかの障害物が走行の妨げになった場合の車両の制御方法については考えられていない。そのため、自動運転車両の安全な走行を行うことができないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、自動運転車両の安全な走行を行うことができる情報処理装置、情報処理システム、自動運転制御方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、
自動運転が可能な車両を制御する情報処理装置であって、
前記車両に搭載されたセンサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する制御部を有する。
【0007】
また、本発明の情報処理システムは、
自動運転が可能な車両と、情報処理装置とを有し、
前記車両は、センサを有し、
前記情報処理装置は、前記センサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する制御部を有する。
【0008】
また、本発明の自動運転制御方法は、
自動運転が可能な車両に搭載されたセンサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する処理を行う。
【0009】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
コンピュータに、
自動運転が可能な車両に搭載されたセンサが検知した情報に基づいて、前記車両に対して自動運転を禁止する手順を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、自動運転車両の安全な走行を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の情報処理システムの第1の実施の形態を示す図である。
図2図1に示した情報処理装置の内部構成の一例を示す図である。
図3図2に示した算出部があらかじめ記憶する対応付けの一例を示す図である。
図4図1に示した車両の内部構成の一例を示す図である。
図5図1に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法のうち情報処理装置における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図6図2に示した制御部が自動運転を禁止した際の表示の一例を示す図である。
図7図2に示した操作部に具備されたディスプレイに表示された画像の一例を示す図である。
図8図1に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法のうち車両における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図9】本発明の情報処理システムの第2の実施の形態を示す図である。
図10図9に示した情報処理装置の内部構成の一例を示す図である。
図11図9に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法のうち情報処理装置における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図12】本発明の情報処理システムの適用例を示す図である。
図13図12に示した情報処理装置の内部構成の一例を示す図である。
図14図12に示した車両の内部構成の一例を示す図である。
図15図12に示したシステムを利用する利用者が利用の予約を行う際の処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
図16】予約を受け付けた情報処理装置が車両を手配する処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
図17】予約を受け付けた情報処理装置が車両を手配する処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
図18】予約に応じて情報処理装置が車両へ自動運転を開始させる処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
【0013】
図1は、本発明の情報処理システムの第1の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図1に示すように、情報処理装置100と、車両200とを有する。情報処理装置100と、車両200とは互いに通信ネットワーク300を介して接続されている。情報処理装置100および車両200と、通信ネットワーク300との接続は、無線通信を介するものであっても良いし、有線通信を介するものであっても良い。また、情報処理装置100と車両200とが、互いに通信可能に直接接続されているものであっても良い。なお、車両200は1台に限らず、複数であっても良い。
【0014】
情報処理装置100は、例えば、本システム全体を管理・制御するコントロールセンター等の施設に設置される装置である。また、情報処理装置100は、本システムを管理・監視する管理者や運用する運用者が操作する装置である。
【0015】
車両200は、運転手が乗車せずに走行する自動運転および情報処理装置100からの操作に基づいて走行する遠隔運転が可能な車両である。車両200は、例えば、道路を走行するバスやタクシー等、本システムを利用する利用者を運搬する車両である。
【0016】
図2は、図1に示した情報処理装置100の内部構成の一例を示す図である。図1に示した情報処理装置100は図2に示すように、制御部110と、算出部120と、操作部130とを有する。なお、図2には、図1に示した情報処理装置100が有する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0017】
算出部120は、車両200に搭載されたセンサが検知した情報に基づいて、車両200に対して制御部110が自動運転を禁止する禁止時間を算出する。算出部120は、車両200に搭載されたセンサが検知した、車両200に与えられた衝撃の大きさである衝撃度に基づいて、制御部110が自動運転を禁止する禁止時間を算出する。例えば、算出部120は、車両200に搭載されたセンサが検知した、車両200に与えられた衝撃の大きさが大きいほど、制御部110が自動運転を禁止する禁止時間を長い時間として算出する。また、算出部120は、車両200に搭載されたセンサが検知した障害物の大きさに基づいて、制御部110が自動運転を禁止する禁止時間を算出する。例えば、算出部120は、車両200に搭載されたセンサが検知した障害物の大きさが大きいほど、制御部110が自動運転を禁止する禁止時間を長い時間として算出する。また、算出部120は、車両200に搭載されたセンサが検知した、車両200から障害物までの距離に基づいて、制御部110が自動運転を禁止する禁止時間を算出する。例えば、算出部120は、車両200に搭載されたセンサが検知した、車両200から障害物までの距離が遠いほど、制御部110が自動運転を禁止する禁止時間を長い時間として算出する。算出部120は、衝撃度や障害物の大きさ、障害物までの距離と禁止時間との対応付けをあらかじめ記憶しており、車両200から送信されてきたセンサ情報が示す衝撃度や障害物の大きさ、障害物までの距離に基づいて、それらと対応付けられている禁止時間を算出するものであっても良い。また、算出部120は、これらのセンサが検知した情報を組み合わせて、禁止時間を算出するものであっても良い。
【0018】
図3は、図2に示した算出部120があらかじめ記憶する対応付けの一例を示す図である。図2に示した算出部120は図3に示すように、車両200から障害物までの距離と禁止時間とをあらかじめ対応付けて記憶する。算出部120はこの対応付けから、車両200から送信されてきたセンサ情報が示す障害物までの距離に基づいて、それらと対応付けられている禁止時間を抽出する。これは、図3に示した障害物までの距離だけに限らず、衝撃度や障害物の大きさについても同様である。
【0019】
制御部110は、車両200に搭載されたセンサが検知した情報に基づいて、車両200に対して自動運転を禁止する。具体的には、制御部110は、算出部120が算出した禁止時間の間、車両200に対して自動運転を禁止する。制御部110は、車両200が自動運転を行うことを禁止するために、車両200に対して自動運転が不可能になるような制御信号を送信するものであっても良い。また、車両200に車両200の運転モード(自動運転モードと遠隔運転モード)を制御する制御装置が搭載されている場合、制御部110は、制御装置にどちらの運転モードを選択させるかを指示する旨を示す制御信号を車両200へ送信するものであっても良い。制御部110は、車両200に対して自動運転を禁止している間、操作部130の操作を有効にする。制御部110は、車両200に対して自動運転を禁止していない間、操作部130の操作を無効にする。
【0020】
操作部130は、車両200を遠隔で操作する。例えば、操作部130は、車両200の運転席を疑似的に作成したセットを用いて、管理者や運用者が車両200を遠隔で操作するものであっても良い。操作部130には、例えば、ハンドルや、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ウインカーレバー、ワイパーレバー、ヘッドライトスイッチ、ホーンボタン等、一般的な車両の運転席に設けられた操作部材が設けられているものであっても良い。
【0021】
図4は、図1に示した車両200の内部構成の一例を示す図である。図1に示した車両200は図4に示すように、センサ210と、通信部220と、運転部230とを有する。なお、図4には、図1に示した車両200が有する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0022】
センサ210は、車両200周辺の障害物を検知する。センサ210は車両200に取り付けられているが、取り付け位置については、規定しない。センサ210は、車両200周辺の様子を撮像するカメラであっても良いし、レーザ光の送信および受信を用いたものや、電磁波や超音波を用いて障害物を検知するものであっても良い。センサ210は、障害物から受けた衝撃の強度を示す衝撃度を検知するものであっても良いし、障害物の大きさや、車両200から障害物までの距離を検知するものであっても良い。ここで、障害物とは、車両200の走行に障害となる物体であって、固定されている物に限らず、移動する物も含まれる。また、障害物には、車両200を利用する利用者の安全性を妨げるおそれがあるものも含まれる。また、センサ210は、検知した内容を示す情報を通信部220へ出力する。
【0023】
通信部220は、情報処理装置100との間で通信を行う。通信部220は、センサ210から出力されてきた情報が示す検知内容をセンサ情報として情報処理装置100へ送信する。センサ情報は、車両200と情報処理装置100との間で、センサ210が何(衝撃度または障害物の大きさまたは障害物までの距離等)を検知したかが認識可能な情報である。通信部220が使用する通信方式については、特に規定しない。
【0024】
運転部230は、車両200の走行を操作する。運転部230は、自動運転モードと遠隔運転モードとの2つの運転モードのいずれか一方を用いて車両を運転する。自動運転モードは、一般的な自動運転モードと同じものであり、車両200が道路の状況に応じて自動で走行する運転モードである。遠隔運転モードは、情報処理装置100の操作部130における操作に応じて、情報処理装置100から遠隔で車両200を走行させる運転モードである。運転部230は、情報処理装置100から送信されてきた指示に基づいた運転モードで車両を運転する。
【0025】
以下に、図1に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法について説明する。まずは、図1に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法のうち、図1に示した情報処理装置100における処理について説明する。図5は、図1に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法のうち情報処理装置100における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0026】
まず、制御部110が、車両200からセンサ情報を受信したかどうかを判定する(ステップS1)。制御部110はセンサ情報を受信した場合、センサ情報が示す、センサ210が検知した内容が自動運転禁止の条件を満たすかどうか判定する(ステップS2)。この判定は、制御部110が自動運転禁止の対象となる検知内容を条件としてあらかじめ記憶しておき、車両200から送信されてきたセンサ情報が示す検知内容が、記憶されている条件を満たすものである場合、制御部110が、センサ210が検知した内容が自動運転禁止の条件を満たすと判定するものである。この条件は、例えば、車両200の前方に障害物を検知したというものや、車両200がいずれかの方向から衝撃を受けたというもの等である。
【0027】
センサ210が検知した内容が自動運転禁止の条件を満たすものである場合、算出部120が、検知内容に基づいて自動運転の禁止時間を算出する(ステップS3)。この算出部120における自動運転の禁止時間の算出方法は上述した通りである。また、制御部110は、車両200に対して自動運転を禁止する(ステップS4)。具体的には、制御部110が車両200に対して、自動運転を禁止する指示を示す信号を送信する。このとき、制御部110はタイマー(不図示)を起動する。このタイマーは、自動運転禁止時間を測定するためのものである。また、ここで、制御部110は、自動運転を禁止した旨や、自動運転の禁止時間を表示するものであっても良い。また、制御部110は、自動運転を禁止した旨や、自動運転の禁止時間を車両200へ通知し、車両200が情報処理装置100からの通知を表示するものであっても良い。
【0028】
図6は、図2に示した制御部110が自動運転を禁止した際の表示の一例を示す図である。図6に示すように、障害物を検知した旨および自動運転を禁止(停止)する時間が表示される。この表示は、情報処理装置100に設けられたディスプレイ等の表示部に表示されるものであっても良いし、車両200に設けられたディスプレイ等の表示部に表示されるものであっても良い。
【0029】
また、制御部110は、操作部130から車両200に対する遠隔操作を有効にする(ステップS5)。その後、管理者や運用者が操作部130を操作して、車両200を遠隔で操作する。このとき、操作部130に具備されたディスプレイに、車両200に搭載されたカメラが撮像した画像が表示される。図7は、図2に示した操作部130に具備されたディスプレイに表示された画像の一例を示す図である。図7に示すように、操作部130に具備されたディスプレイには、車両200に搭載されたカメラが撮像した画像がリアルタイムで表示される。車両200を遠隔で操作(運転)する管理者や運用者は、この表示を見ながら、操作部130を操作して車両200の走行を制御する。
【0030】
その後、制御部110は、ステップS3にて算出部120が算出した自動運転の禁止時間が満了したかどうかを、タイマーが測定している時間に基づいて判定する(ステップS6)。算出部120が算出した自動運転の禁止時間が満了した場合、制御部110は、自動運転の禁止を解除する(ステップS7)。このとき、制御部110は、車両200に対して、自動運転の禁止を解除する指示を示す信号を送信する。また、制御部110は、操作部130の操作を無効にする(ステップS8)。制御部110がステップS8の処理を行うと、操作部130を用いた車両200の遠隔操作(遠隔運転)ができなくなる。
【0031】
次に、図1に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法のうち、図1に示した車両200における処理について説明する。図8は、図1に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法のうち車両200における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0032】
まず、センサ210が、車両200の周囲の障害物を検知すると(ステップS11)、通信部220は、センサ210が障害物を検知したセンサ情報を情報処理装置100へ送信する(ステップ12)。ここで、センサ210は障害物を検知すると、障害物から車両が受けた衝撃度や、障害物の大きさ、車両200から障害物までの距離を示す情報を通信部220へ出力し、通信部220がその情報が示す内容をセンサ情報として情報処理装置100へ送信する。
【0033】
その後、運転部230は、情報処理装置100から自動運転禁止の指示を示す信号が送信されてきたかどうか判定する(ステップS13)。情報処理装置100から自動運転禁止の指示を示す信号が送信されてきた場合、運転部230は、自動運転を停止する(ステップS14)。自動運転が停止している間は、運転部230は、情報処理装置100からの遠隔操作に基づいて、車両200を走行させる。その後、運転部230は、情報処理装置100から自動運転禁止解除の指示を示す信号が送信されてきたかどうか判定する(ステップS15)。情報処理装置100から自動運転禁止解除の指示を示す信号が送信されてきた場合、運転部230は、車両200の自動運転を再開する(ステップS16)。
【0034】
このように、情報処理装置100が、自動運転を行っている車両200に搭載されたセンサ210から送信されてきたセンサ情報に基づいて、自動運転を禁止する時間を算出し、算出した時間、車両200の自動運転を禁止する。自動運転を禁止している間は、情報処理装置100に設けられた操作部130を用いた操作に基づいて、車両200が遠隔で操作される。これにより、自動運転車両の安全な走行を行うことができる。
(第2の実施の形態)
【0035】
図9は、本発明の情報処理システムの第2の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図9に示すように、情報処理装置101と、車両200とを有する。情報処理装置101と、車両200とは互いに通信ネットワーク300を介して接続されている。情報処理装置101および車両200と、通信ネットワーク300との接続は、無線通信を介するものであっても良いし、有線通信を介するものであっても良い。また、情報処理装置101と車両200とが、互いに通信可能に直接接続されているものであっても良い。なお、車両200は1台に限らず、複数であっても良い。車両200は、第1の実施の形態における車両200と同じものである。
【0036】
情報処理装置101は、例えば、本システム全体を管理・制御するコントロールセンター等の施設に設置される装置である。また、情報処理装置101は、本システムを管理・監視する管理者や運用する運用者が操作する装置である。
【0037】
図10は、図9に示した情報処理装置101の内部構成の一例を示す図である。図9に示した情報処理装置101は図10に示すように、制御部110と、算出部121と、操作部130と、学習済みモデル141とを有する。なお、図10には、図9に示した情報処理装置101が有する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。制御部110および操作部130それぞれは、第1の実施の形態における制御部110および操作部130それぞれと同じものである。
【0038】
学習済みモデル141は、過去のデータを用いて、センサ210が検知した情報に対して必要な禁止時間を対応付けて機械学習を行ったモデルである。この機械学習は、過去の多くのデータを用いてあらかじめ行われたものであり、センサ210が検知した障害の内容(衝撃度、障害物の大きさ、障害物までの距離等)に基づいて、その障害が解消されるまでの時間を学習したものであり、その時間が自動運転の禁止時間となる。なお、学習済みモデル141は、情報処理装置101の外部に設けられ、情報処理装置101から情報を入力でき、また学習済みモデル141からの出力を情報処理装置101が取得できる構成であっても良い。
【0039】
算出部121は、車両200に搭載されたセンサ210が検知した情報を学習済みモデル141に入力し、学習済みモデルから出力された禁止時間を取得することで禁止時間を算出する。
【0040】
以下に、図9に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法について説明する。図9に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法のうち、図9に示した車両200における処理は、第1の実施の形態におけるものと同じである。図1に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法のうち、図9に示した情報処理装置101における処理について説明する。図11は、図9に示した情報処理システムにおける自動運転制御方法のうち情報処理装置100における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0041】
まず、制御部110が、車両200からセンサ情報を受信したかどうかを判定する(ステップS21)。制御部110がセンサ情報を受信した場合、算出部121は、センサ情報が示す、センサ210が検知した内容を学習済みモデル141に入力する(ステップS22)。そして、算出部121は、学習済みモデル141からに出力を取得する(ステップS23)。制御部110は、算出部121が取得した内容に、自動運転禁止の時間が含まれているかどうかを判定する(ステップS24)。算出部121が取得した内容に、自動運転禁止の時間が含まれている場合、制御部110は、車両200に対して自動運転を禁止する(ステップS25)。具体的には、制御部110が車両200に対して、自動運転を禁止する指示を示す信号を送信する。このとき、制御部110はタイマー(不図示)を起動する。このタイマーは、自動運転禁止時間を測定するためのものである。また、ここで、制御部110は、自動運転を禁止した旨や、自動運転の禁止時間を表示するものであっても良い。また、制御部110は、自動運転を禁止した旨や、自動運転の禁止時間を車両200へ通知し、車両200が情報処理装置100からの通知を表示するものであっても良い。この通知や表示については、第1の実施に形態と同じで良い。
【0042】
また、制御部110は、操作部130から車両200に対する遠隔操作を有効にする(ステップS26)。その後、管理者や運用者が操作部130を操作して、車両200を遠隔で操作する。管理者や運用者が操作部130を操作して、車両200を遠隔で操作する態様については、第1の実施の形態と同じで良い。
【0043】
その後、制御部110は、ステップS23にて算出部121が学習済みモデル141から取得した自動運転の禁止時間が満了したかどうかを、タイマーが測定している時間に基づいて判定する(ステップS27)。算出部121が学習済みモデル141から取得したした自動運転の禁止時間が満了した場合、制御部110は、自動運転の禁止を解除する(ステップS28)。このとき、制御部110は、車両200に対して、自動運転の禁止を解除する指示を示す信号を送信する。また、制御部110は、操作部130の操作を無効にする(ステップS29)。制御部110がステップS29の処理を行うと、操作部130を用いた車両200の遠隔操作(遠隔運転)ができなくなる。
【0044】
このように、情報処理装置101が、自動運転を行っている車両200に搭載されたセンサ210から送信されてきたセンサ情報を学習済みモデル141に入力して自動運転を禁止する時間を学習済みモデル141から取得し、取得した時間、車両200の自動運転を禁止する。自動運転を禁止している間は、情報処理装置101に設けられた操作部130を用いた操作に基づいて、車両200が遠隔で操作される。これにより、自動運転車両の安全な走行を行うことができる。さらに、過去のデータに基づいた、状況に応じた自動運転の制御を行うことができる。
(適用例)
【0045】
以下に、本発明の情報処理システムの適用例について説明する。図12は、本発明の情報処理システムの適用例を示す図である。図12に示した適用例では、情報処理装置102と、車両202と、通信端末402とが、通信ネットワーク300を介して接続されている。通信ネットワーク300は、汎用の通信回線であっても良いし、本システム専用の通信回線であっても良い。また、情報処理装置102と、車両202と、通信端末402とは、有線回線を介して接続されていても良いし、無線回線を介して接続されていても良い。
【0046】
通信端末402は、一般的な通信機能を具備する携帯端末(例えば、スマートフォン等)やPC(Personal Computer)等の端末装置である。通信端末402は、本システムを利用する利用者が所持するものであり、利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて情報の入力および出力(例えば、表示等)を行う装置である。
【0047】
図13は、図12に示した情報処理装置102の内部構成の一例を示す図である。図12に示した情報処理装置102は図13に示すように、制御部112と、算出部122と、操作部132と、登録部152とを有する。制御部112、算出部122および操作部132それぞれは、第1の実施の形態における制御部110、算出部120および操作部130それぞれと同じ機能を具備する。登録部152は、利用者の情報を登録する。登録部152が登録する利用者の情報は、利用者を識別するための利用者識別情報や、利用者の予約情報等、本システムを利用するために必要な情報である。この利用者の情報は、本システムを利用する際に、利用者によって入力され、登録部152が登録する。登録部152は、メモリ等の記憶媒体であっても良い。なお、情報処理装置102は、第2の実施の形態における学習済みモデル141を具備するものであっても良い。
【0048】
図14は、図12に示した車両202の内部構成の一例を示す図である。図12に示した車両202は図14に示すように、センサ212と、通信部222と、運転部232とを有する。センサ212、通信部222および運転部232それぞれは、第1の実施の形態におけるセンサ210、通信部220および運転部230それぞれと同じもので良い。
【0049】
以下に、図12に示した適用例における処理について説明する。まずは、本システムを利用する利用者が利用の予約を行う際の処理について説明する。図15は、図12に示したシステムを利用する利用者が利用の予約を行う際の処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0050】
まず、利用者が通信端末402を操作して、通信端末402が本システムのサイト(例えば、情報処理装置102)にアクセスすると、通信端末402は予約入力フォームを表示する(ステップS31)。図16は、ステップS31にて通信端末402に表示された予入力フォームの一例を示す図である。図16に示すように、予約に必要な情報を入力するためのフォームが通信端末402に表示される。図16に示した予約入力フォームには、利用者識別情報であるお客様番号と、車両202に乗車を予定している乗車日および乗車時刻と、車両202にどこからどこまで乗車するのかを示す乗車区間と、乗車する人数とが入力可能に表示される。利用者がこの表示に従って通信端末402を操作すると、その操作に基づいてこれらの予約情報を通信端末402が受け付けて、入力される(ステップS32)。
【0051】
すると、通信端末402は、入力された予約情報を情報処理装置102へ送信する(ステップS34)。通信端末402から送信された予約情報を情報処理装置102が受信すると、登録部152は受信した予約情報を登録する(ステップS34)。
【0052】
次に、予約を受け付けた情報処理装置102が車両202を手配する処理について説明する。図17は、予約を受け付けた情報処理装置102が車両202を手配する処理の一例を説明するためのシーケンス図である。情報処理装置102の登録部152には、各車両202の運行情報もあらかじめ登録されている。運行情報とは、車両202の走行経路や、その経路の所定の地点の発車時刻および到着時刻、乗車人数等が含まれる。
【0053】
まず、制御部112が登録部152に登録されている予約情報を読み出す(ステップS41)。また、制御部112が登録部152に登録されている運行情報を読み出す(ステップS42)。このステップS41の処理とステップS42の処理とは、どちらを先に行っても良い。制御部112は、登録部152から読み出した予約情報が示す予約に対応可能な車両202があるかどうかを、読み出した運行情報に基づいて判定する(ステップS43)。これは、例えば、予約の乗車日時や乗車区間、乗車人数を許容できる運行情報の車両202があるかどうかを制御部112が判定するものである。
【0054】
登録部152から読み出した予約情報が示す予約に対応可能な車両202がある場合、制御部112は、その車両202を予約に対応する車両として決定する(ステップS44)。一方、登録部152から読み出した予約情報が示す予約に対応可能な車両202がない場合は、制御部112は、新規に車両を手配する(ステップS45)。
【0055】
予約に対応する車両が決定されると、制御部112は配車情報として、予約情報とその車両の識別情報とを対応付けて登録部152に登録する(ステップS46)。
【0056】
次に、予約に応じて情報処理装置102が車両202へ自動運転を開始させる処理について説明する。図18は、予約に応じて情報処理装置102が車両202へ自動運転を開始させる処理の一例を説明するためのシーケンス図である。ここでは、情報処理装置102が手配した車両202が、当該予約を行った利用者を最初に乗車させる場合を例に挙げて説明する。
【0057】
制御部112が、登録部152に登録された予約日時に応じた日時になったかどうかを判定する(ステップS51)。予約日時に応じた日時とは、例えば、予約乗車時刻が11時であって、車両202が待機場所から予約された乗車場所までの所要時間が30分であるとすると、予約日時に応じた日時は、その日の10時30分となる。このように、制御部112は、予約された予約日時までに乗車場所に車両202が到着するような日時を算出し、その日時になったかどうかを判定する。登録部152に登録された予約日時に応じた日時になると、制御部112は、その旨を車両202へ通知する(ステップS52)。すると、車両202はあらかじめ設定された運行計画に従って自動運転を開始する(ステップS53)。その後、第1の実施の形態または第2の実施の形態で説明した、自動運転または遠隔運転を車両202が行うような処理が行われる(ステップS54)。なお、自動運転を禁止している間は、予約を受け付けないようにして、その旨を情報処理装置102が利用者の通信端末402へ通知しても良い。また、自動運転の禁止時間に応じて、情報処理装置102が車両202の運転計画を変更するものであっても良い。
【0058】
以上、各構成要素に各機能(処理)それぞれを分担させて説明したが、この割り当ては上述したものに限定しない。また、構成要素の構成についても、上述した形態はあくまでも例であって、これに限定しない。
【0059】
上述した各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を各構成要素を具備した装置(例えば、情報処理装置100,101,102。以下、情報処理装置と称する)にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを情報処理装置に読み込ませ、実行するものであっても良い。情報処理装置にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの移設可能な記録媒体の他、情報処理装置に内蔵されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリやHDD(Hard Disc Drive)等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、情報処理装置に設けられたCPUにて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0060】
100,101,102 情報処理装置
110,112 制御部
120,121,122 算出部
130,132 操作部
141 学習済みモデル
152 登録部
200,202 車両
210,212 センサ
220,222 通信部
230,232 運転部
300 通信ネットワーク
402 通信端末
図1
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