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  • 特開-バイクライダー用衣服 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010908
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】バイクライダー用衣服
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/08 20060101AFI20220107BHJP
   A41D 13/06 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A41D13/08 101
A41D13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111694
(22)【出願日】2020-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】595042427
【氏名又は名称】株式会社コミネ
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(72)【発明者】
【氏名】阿知波 直哉
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AA05
3B011AA07
3B011AA14
3B011AB16
3B011AC08
3B011AC21
3B011AC22
(57)【要約】
【課題】バイク走行時に突然の雨などに遭遇しても、袖口や裾口から外部に露出される部分の水濡れを抑制できるバイクライダー用衣服を提供する。
【解決手段】袖口13または裾口16から取り出し可能な前カバー21,31と、前カバー21,31の先端部に接続され、バイクライダー50の指先またはつま先が挿入される挿入部22,32と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袖口または裾口から取り出し可能な前カバーと、
前記前カバーの先端部に接続され、バイクライダーの指先またはつま先が挿入される挿入部と、を備える、
バイクライダー用衣服。
【請求項2】
前記前カバーは、水滴を通さない性質の生地からなる、
請求項1に記載のバイクライダー用衣服。
【請求項3】
前記挿入部は、前記指先または前記つま先が収容される袋状である、
請求項1または2に記載のバイクライダー用衣服。
【請求項4】
前記袖口または前記裾口に配置され、前記前カバーおよび前記挿入部を収容可能なポケットを備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載のバイクライダー用衣服。
【請求項5】
前記前カバーが、前記袖口または前記裾口に着脱可能に取り付けられる、
請求項1から4のいずれか1項に記載のバイクライダー用衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイクライダー用衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動二輪車等のオートバイや自転車などに乗るバイクライダーが着用するバイクライダー用衣服として、例えば特許文献1に記載のレインウエアが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭59-4716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のバイクライダー用衣服は、たとえ衣服自体が防水性のレインウエアであっても、バイクライダーがバイク走行時に急な雨などに遭遇した際に、袖口や裾口から外部に露出される部分(グローブ、ブーツおよび身体の一部など)が濡れてしまう。
現状として、急な雨などに対応するためにレインウエアを常備しているバイクライダーは一定数いるが、レイングローブやレインブーツカバー等まで常備しているバイクライダーは少ない。
【0005】
本発明は、バイク走行時に突然の雨などに遭遇しても、袖口や裾口から外部に露出される部分の水濡れを抑制できるバイクライダー用衣服を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバイクライダー用衣服の一つの態様は、袖口または裾口から取り出し可能な前カバーと、前記前カバーの先端部に接続され、バイクライダーの指先またはつま先が挿入される挿入部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明のバイクライダー用衣服によれば、バイク走行時に突然の雨などに遭遇しても、袖口や裾口から外部に露出される部分の水濡れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態のバイクライダー用衣服、および、バイクライダー用衣服を着用したバイクライダーを示す側面図である。
図2図2(a)は、バイクライダー用衣服の上着を示す正面図であり、図2(b)は、バイクライダー用衣服のズボンを示す正面図である。
図3図3(a)は、袖口に取り付けられるレイングローブを示す平面図であり、図3(b)は、裾口に取り付けられるレインブーツカバーを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態のバイクライダー用衣服10について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、バイクライダー用衣服10は、例えば自動二輪車等のオートバイや自転車などに乗るバイクライダー50が着用する衣服である。本実施形態では、バイクライダー用衣服10である上着10Aおよびズボン10Bについて説明する。
【0010】
図1および図2(a)に示すように、上着10Aは、バイクライダー50の上半身に着用されるジャケットやジャンパー等である。上着10Aは、例えば、少なくとも外層生地が水滴を通さない性質の生地からなる、防水性のレインウエアである。
上着10Aは、胴部11と、腕部12と、袖口13と、レイングローブ20と、ポケット25と、を備える。
【0011】
胴部11は、バイクライダー50の胴体を覆う。
腕部12は、筒状である。腕部12には、バイクライダー50の腕が通される。腕部12は、一対設けられる。
袖口13は、腕部12の先端部に開口する。袖口13には、バイクライダー50の手首が通される。袖口13は、一対設けられる。なお本実施形態でいう袖口13とは、腕部12の先端開口部およびその近傍を指す。
【0012】
レイングローブ20は、袖口13に取り付けられる。レイングローブ20は、袖口13の外部に引き出し可能に、袖口13の内部に収容される。
図1および図3(a)に示すように、レイングローブ20は、袖口13から取り出し可能な前カバー21と、前カバー21の先端部に接続され、バイクライダー50の指先51が挿入される挿入部22と、を有する。つまり上着10A(バイクライダー用衣服10)は、前カバー21と、挿入部22と、を備える。
なお本実施形態でいう指先51には、バイクライダー50の手の指先(身体の一部)のほか、グローブや手袋等(以下、グローブと省略)の指先が含まれる。
【0013】
前カバー21は、シート状である。図3(a)に示すように、本実施形態では前カバー21が、平面視で四角形状である。前カバー21は、袖口13から指先51へ向けて延びる。前カバー21は、バイクライダー50の手の甲側に配置される。つまり前カバー21は、バイクライダー50の手の甲と対向する。前カバー21は、例えば防水シートなどの、水滴を通さない性質の生地からなる。なお前カバー21は、例えば撥水シートなどの、水滴をはじく性質の生地であってもよい。前カバー21は、図示しないボタンやファスナー等により、袖口13に着脱可能に取り付けられる。
【0014】
挿入部22は、指先51が収容される袋状である。挿入部22の先端側(袖口13とは反対側)の端部は開口されておらず、後端側(袖口13側)の端部は開口されている。本実施形態では、前カバー21と挿入部22とが、単一の部材により一体に形成される。具体的に、挿入部22は、例えば、前カバー21の先端部から前カバー21の厚さ方向に折り返された折り返し部22aと、前カバー21の先端部とが、互いに幅方向の両端部で縫い合わされるなどにより、袋状に形成される。
【0015】
図1および図2(a)に示すように、ポケット25は、袖口13に配置され、前カバー21および挿入部22つまりレイングローブ20を収容可能である。ポケット25は、上着10Aが有する他のポケットとは機能が異なるため、他のポケットと区別してレインポケット25と言い換えてもよい。本実施形態ではポケット25が、袖口13の内部に配置される。ポケット25の開口部は、先端側(指先51側)を向く。ポケット25の開口部は、開閉可能とされていてもよい。
【0016】
図1および図2(b)に示すように、ズボン10Bは、バイクライダー50の下半身に着用される。ズボン10Bは、例えば、少なくとも外層生地が水滴を通さない性質の生地からなる、防水性のレインウエアである。
ズボン10Bは、腰部14と、脚部15と、裾口16と、レインブーツカバー30と、ポケット35と、を備える。
【0017】
腰部14は、バイクライダー50の腰を覆う。
脚部15は、筒状である。脚部15には、バイクライダー50の脚が通される。脚部15は、一対設けられる。
裾口16は、脚部15の先端部に開口する。裾口16には、バイクライダー50の足首が通される。裾口16は、一対設けられる。なお本実施形態でいう裾口16とは、脚部15の先端開口部およびその近傍を指す。
【0018】
レインブーツカバー30は、裾口16に取り付けられる。レインブーツカバー30は、裾口16の外部に引き出し可能に、裾口16の内部に収容される。
図1および図3(b)に示すように、レインブーツカバー30は、裾口16から取り出し可能な前カバー31と、前カバー31の先端部に接続され、バイクライダー50のつま先52が挿入される挿入部32と、を有する。つまりズボン10B(バイクライダー用衣服10)は、前カバー31と、挿入部32と、を備える。
なお本実施形態でいうつま先52には、バイクライダー50の足の指先(身体の一部)のほか、ブーツや靴等(以下、ブーツと省略)のつま先が含まれる。
【0019】
前カバー31は、シート状である。図3(b)に示すように、本実施形態では前カバー31が、平面視で五角形状である。前カバー31は、裾口16からつま先52へ向けて延びる。前カバー31は、バイクライダー50の足の甲側に配置される。つまり前カバー31は、バイクライダー50の足の甲と対向する。前カバー31は、例えば防水シートなどの、水滴を通さない性質の生地からなる。なお前カバー31は、例えば撥水シートなどの、水滴をはじく性質の生地であってもよい。前カバー31は、図示しないボタンやファスナー等により、裾口16に着脱可能に取り付けられる。
【0020】
挿入部32は、つま先52が収容される袋状である。挿入部32の先端側(裾口16とは反対側)の端部は開口されておらず、後端側(裾口16側)の端部は開口されている。本実施形態では、前カバー31と挿入部32とが、単一の部材により一体に形成される。具体的に、挿入部32は、例えば、前カバー31の先端部から前カバー31の厚さ方向に折り返された一対の折り返し部32a同士が、互いに幅方向の中央部で縫い合わされるなどにより、袋状に形成される。
【0021】
図1および図2(b)に示すように、ポケット35は、裾口16に配置され、前カバー31および挿入部32つまりレインブーツカバー30を収容可能である。ポケット35は、ズボン10Bが有する他のポケットとは機能が異なるため、他のポケットと区別してレインポケット35と言い換えてもよい。本実施形態ではポケット35が、裾口16の内部に配置される。ポケット35の開口部は、先端側(つま先52側)を向く。ポケット35の開口部は、開閉可能とされていてもよい。
【0022】
以上説明した本実施形態のバイクライダー用衣服10によれば、バイクライダー50がバイク走行時に急な雨などに遭遇した際に、袖口13から前カバー21および挿入部22つまりレイングローブ20を取り出し、指先51を挿入部22に挿入することで、前カバー21によって手首、手の甲および指先51にかけて覆うことができる。バイク走行時に前方から受ける雨風を、前カバー21で受けることにより、袖口13から衣服の外部に出るバイクライダー50の手首から先端側の部分(身体の一部およびグローブを含む)が濡れることを抑制できる。また、裾口16から前カバー31および挿入部32つまりレインブーツカバー30を取り出し、つま先52を挿入部32に挿入することで、前カバー31によって足首、足の甲およびつま先52にかけて覆うことができる。バイク走行時に前方から受ける雨風を、前カバー31で受けることにより、裾口16から衣服の外部に出るバイクライダー50の足首から先端側の部分(身体の一部およびブーツを含む)が濡れることを抑制できる。
【0023】
このため、バイク走行時に天候が急変して雨などが降っても、グローブ、ブーツおよび身体の一部を濡らすことなく、着用感を良好に維持したまま、目的地に到着することが可能となる。本実施形態によれば、簡素化された構造でありながらも、効果的に一定時間グローブやブーツ等、つまり袖口13や裾口16から外部に露出される部分の水濡れを抑制できる。また嵩張りにくい構造であるため、袖口13や裾口16の内部に収容した際の収納性がよい。
【0024】
また本実施形態では、前カバー21,31が、水滴を通さない性質の生地からなる。
この場合、前カバー21,31により雨風を防ぐ機能が安定して得られる。なお本実施形態では、挿入部22,32についても水滴を通さない性質の生地からなるため、指先51やつま先52がより水濡れしにくい。
【0025】
また本実施形態では、挿入部22,32が、指先51またはつま先52が収容される袋状である。
この場合、袋状の挿入部22,32によって、バイクライダー50の指先51やつま先52が濡れることをより安定して抑制できる。
【0026】
また本実施形態では、前カバー21,31および挿入部22,32を使用しない際には、ポケット25,35に収容しておくことができるので、レイングローブ20やレインブーツカバー30の収納時に、袖口13や裾口16において衣服の着用感を良好に維持できる。また、前カバー21,31および挿入部22,32が意図せず袖口13または裾口16から飛び出すことが抑えられるため、バイク走行時などに邪魔になりにくい。
【0027】
また本実施形態では、前カバー21,31が、袖口13または裾口16に着脱可能に取り付けられる。
この場合、前カバー21,31および挿入部22,32、つまりレイングローブ20およびレインブーツカバー30をバイクライダー用衣服10から取り外して、清掃などのメンテナンスをしたり交換したりすることができ、利便性がよい。
【0028】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0029】
前述の実施形態では、挿入部22,32が袋状である例を挙げたが、これに限らない。特に図示しないが、挿入部は、例えば、指先51やつま先52を挿入可能な環状のゴムなどの弾性部材等であってもよい。
【0030】
前述の実施形態では、ポケット25,35が、袖口13または裾口16の内部に配置される例を挙げたが、これに限らない。ポケット25,35は、袖口13または裾口16の外部に配置されてもよい。
また、前カバー21,31が、ポケット25,35の開口部などに着脱可能に取り付けられてもよい。
【0031】
前述の実施形態では、バイクライダー用衣服10が、上着10Aとズボン10Bである場合について説明したが、これに限らない。バイクライダー用衣服10は、例えば、上着10Aとズボン10Bが一体に形成されたいわゆる「つなぎ」等であってもよい。
【0032】
本発明は、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態および変形例等で説明した各構成を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態等によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明のバイクライダー用衣服によれば、バイク走行時に突然の雨などに遭遇しても、袖口や裾口から外部に露出される部分の水濡れを抑制できる。したがって、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0034】
10…バイクライダー用衣服、10A…上着、10B…ズボン、13…袖口、16…裾口、21,31…前カバー、22,32…挿入部、25,35…ポケット、50…バイクライダー、51…指先、52…つま先
図1
図2
図3