(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109087
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】形成材および原稿表示装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/222 20060101AFI20220720BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
H04N5/222 200
G02B5/00
G02B5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004430
(22)【出願日】2021-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】田中 利洋
【テーマコード(参考)】
2H042
5C122
【Fターム(参考)】
2H042AA02
2H042AA16
2H042AA26
5C122DA39
5C122EA54
5C122EA55
5C122FB11
5C122FB13
5C122GE07
(57)【要約】
【課題】ユーザビリティが向上した形成材および原稿表示装置を提供する。
【解決手段】撮像装置とユーザとの間に配置される原稿表示装置を形成するための形成材であって、前記形成材は、ハーフミラーで構成される第1鏡面2Aが設けられる主面部20と、前記主面部20を支持する支持部を形成する複数の側面部と、を有し、複数の前記側面部の少なくとも1つに、前記第1鏡面2Aと異なる第2鏡面2Bが設けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置とユーザとの間に配置される原稿表示装置を形成するための形成材であって、
前記形成材は、
ハーフミラーで構成される第1鏡面が設けられる主面部と、
前記主面部を支持する支持部を形成する複数の側面部と、を有し、
複数の前記側面部の少なくとも1つに、前記第1鏡面と異なる第2鏡面が設けられる
形成材。
【請求項2】
複数の前記側面部は、前記支持部を形成する第1状態と前記支持部を形成しない第2状態とを変更可能に構成される
請求項1に記載の形成材。
【請求項3】
前記主面部および複数の前記側面部を係合する係合部をさらに備える
請求項2に記載の形成材。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の前記形成材で構成される
原稿表示装置。
【請求項5】
前記第1鏡面は、原稿を通常状態で表示し
前記第2鏡面は、前記原稿を反転状態で表示する
請求項4に記載の原稿表示装置。
【請求項6】
前記原稿表示装置は、取付対象に取り付けるための取付部をさらに備え、
前記取付部は、折込片を備える
請求項5に記載の原稿表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、形成材および原稿表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラによる話し手の撮影を妨げることなく、話し手の手元に存在する原稿を話し手とカメラとの間に表示するプロンプター装置が知られている。このプロンプター装置によれば、話し手がカメラを見ながら原稿を参照できる。特許文献1は、従来のプロンプター装置の一例を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のプロンプター装置は、テレビカメラのような大型のカメラを使用する場合に適していた。一方で設置にかかるコストや、プロンプター装置の大きさから、パーソナルコンピュータやスマートデバイスに搭載される小型のカメラに対して使用する状況に適していない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に従う形成材は、撮像装置とユーザとの間に配置される原稿表示装置を形成するための形成材であって、前記形成材は、ハーフミラーで構成される第1鏡面が設けられる主面部と、前記主面部を支持する支持部を形成する複数の側面部と、を有し、複数の前記側面部の少なくとも1つに、前記第1鏡面と異なる第2鏡面が設けられる。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、ユーザビリティが向上した形成材および原稿表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】形成材で原稿表示装置を組み立てる途中の状態の一例を示す図。
【
図5】形成材で原稿表示装置を組み立てる途中の状態の一例を示す図。
【
図6】
図1の原稿表示装置を端末に取り付けた状態の一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(形成材および原稿表示装置が取り得る形態の一例)
本開示に従う形成材は、撮像装置とユーザとの間に配置される原稿表示装置を形成するための形成材であって、前記形成材は、ハーフミラーで構成される第1鏡面が設けられる主面部と、前記主面部を支持する支持部を形成する複数の側面部と、を有し、複数の前記側面部の少なくとも1つに、前記第1鏡面と異なる第2鏡面が設けられる。
上記構成によれば、ユーザが手元の原稿を表示する場合に、第1鏡面と第2鏡面とにより、反転していない状態で表示することができる。このため、ユーザビリティが向上する。
【0009】
前記形成材の一例によれば、複数の前記側面部は、前記支持部を形成する第1状態と前記支持部を形成しない第2状態とを変更可能に構成される。
上記構成によれば、使用状態に応じて支持部の状態を第1状態と第2状態とで変更できるため、利便性が向上する。
【0010】
前記形成材の一例によれば、前記主面部および複数の前記側面部を係合する係合部をさらに備える。
上記構成によれば、係合部が設けられるため、形成材により原稿表示装置を容易に形成できる。
【0011】
本開示に従う原稿表示装置は、前記形成材で構成される。
上記構成によれば、ユーザが手元の原稿を表示する場合に、第1鏡面と第2鏡面とにより、反転していない状態で表示することができる。このため、ユーザビリティが向上する。
【0012】
前記原稿表示装置の一例によれば、前記第1鏡面は、原稿を通常状態で表示し前記第2鏡面は、前記原稿を反転状態で表示する。
上記構成によれば、ユーザが手元の原稿を表示する場合に、第1鏡面と第2鏡面とにより、反転していない状態で表示することができる。このため、ユーザビリティが向上する。
【0013】
前記原稿表示装置の一例によれば、前記原稿表示装置は、取付対象に取り付けるための取付部をさらに備え、前記取付部は、折込片を備える。
上記構成によれば、原稿表示装置を好適に取付対象に取り付けることができる。
【0014】
<実施形態>
図1~
図6を参照して、実施形態の原稿表示装置1および原稿表示装置1を構成するための形成材10について説明する。原稿表示装置1は、ユーザの手元に配置された原稿Mを表示し、ユーザが原稿Mを参照することを助けるプロンプターである。原稿表示装置1は、ユーザと撮像装置C(
図6参照)との間の任意の場所に配置される。撮像装置Cは、例えば動画の撮影が可能なカメラである。原稿表示装置1は、撮像装置Cによるユーザの撮影への影響が抑制されるように構成される。原稿表示装置1は、取付対象に取り付け可能である。取付対象は、撮像装置Cまたは撮像装置Cを含む端末Dである。端末Dは、例えばノート型パーソナルコンピュータまたはスマートデバイスである。なお、原稿表示装置1を撮像装置Cまたは撮像装置Cを含む端末Dに取り付けてユーザが使用している状態において原稿表示装置1の方向を規定する。前後方向は、ユーザ側を前方向、ユーザと反対側を後方向とする方向である。上下方向は、ユーザから見た上下の向きである。左右方向は、ユーザから見た左右の向きである。
【0015】
原稿表示装置1は、鏡面2および支持部3を備える。鏡面2は、第1鏡面2Aおよび第2鏡面2Bを含む。第1鏡面2Aは、一方から他方への光の大部分を透過させ、他方から一方への光の大部分を反射するように構成される。光は、可視光を含む。第1鏡面2Aは、例えばハーフミラーである。第2鏡面2Bは、例えば通常のミラーまたはハーフミラーである。支持部3は、第1鏡面2Aおよび第2鏡面2Bを所定の角度で支持する。所定の角度は、水平な面と第1鏡面2Aまたは水平な面と第2鏡面2Bとにより形成される角度である。第1鏡面2Aおよび第2鏡面2Bは、それぞれ異なる所定の角度で支持される。第1鏡面2Aおよび第2鏡面2Bが異なる所定の角度で支持されることにより、原稿Mが第1鏡面2Aおよび第2鏡面2Bに表示される。第1鏡面2Aが支持される所定の角度は、例えば45度である。第2鏡面2Bが支持される所定の角度は、例えば180度である。支持部3には、取付部4が形成される。取付部4は、原稿表示装置1を端末Dに取り付けることに適した構成を備える。一例では、取付部4は、溝状に構成される。
【0016】
図2および
図3に示されるように、原稿表示装置1を形成する形成材10は、主面部20および複数の側面部30により構成される。形成材10は、原稿表示装置1を形成した場合に所定の強度を保つことができる材料で構成される。所定の強度は、ユーザが原稿表示装置1を把持した場合に、形が崩れない程度が好ましい。形成材10を構成する材料は、例えば紙または樹脂である。本実施形態において形成材10は、一枚の紙により形成される。形成材10は、外面10Aおよび内面10Bを含む。外面10Aは、主面部20の外面20Aおよび側面部30の外面30Aを含む。内面10Bは、主面部20の内面20Bおよび側面部30の内面30Bを含む。内面10Bは、好ましくは光の反射が抑制される色で構成される。一例では、内面10Bの色は黒色である。
【0017】
主面部20には、鏡面2が取り付けられる。主面部20は、第1鏡面2Aを支持する。主面部20は、主面部20は、第1鏡面2Aを透過する光を透過させる透過部21を備える。透過部21は、主面部20の外面20Aと内面20Bとを接続する開口である。主面部20に対する第1鏡面2Aの取り付け方は、任意である。一例では、両面テープにより第1鏡面2Aが主面部20の外面20Aに取り付けられる。第1鏡面2Aは、主面部20の内面20Bに取り付けられていてもよい。第1鏡面2Aは、主面部20に取り付けられた状態で、外面20A側から内面20B側に向かう方向の光の大部分を反射し、内面20B側から外面20A側に向かう光の大部分を透過する。
【0018】
透過部21は、第1透過部21Aおよび第2透過部21Bを含む。第1透過部21Aは、例えば四角形状に形成され、鏡面2を透過する光を透過させる。第2透過部21Bは、第1透過部21Aから突出するように構成される。本実施形態において、第2透過部21Bは、第1透過部21Aから下方向に向けて突出するように構成される。
【0019】
側面部30は、原稿表示装置1の支持部3を形成する。本実施形態において側面部30は、第1側面部31、第2側面部32、第3側面部33、第4側面部34、第5側面部35、第6側面部36、および、第7側面部37を含む。第1側面部31~第7側面部37の少なくとも1つは、主面部20と連続する。本願における連続するとは、後述する第1状態および第2状態の両方において、非係合の状態にはならないことを含む。
【0020】
主面部20および側面部30は、係合部40をさらに備える。係合部40は、主面部20または側面部30に含まれる各側面部の任意の組み合わせ同士を係合させる。係合部40は、第1係合部40Aおよび第2係合部40Bを含む。第1係合部40Aと第2係合部40Bとは、係合可能に構成される。第1係合部40Aと第2係合部40Bとは、係合した状態と係合していない状態とを切り替え可能に構成される。係合部40は、例えば面ファスナである。一例では、第1係合部40Aは、フック状に形成される。第2係合部40Bは、ループ状に形成される。別の例では、第1係合部40Aは、フック状に形成される。第2係合部40Bは、ループ状に形成される。第1係合部40Aは、例えば形成材10の外面10Aに形成される。第2係合部40Bは、例えば形成材10の内面10Bに形成される。
【0021】
第1側面部31は、原稿表示装置1が形成された状態の前後方向において主面部20に向かい合うように形成される。主面部20は、原稿表示装置1が形成された状態において前面を形成する。第1側面部31は、原稿表示装置1が形成された状態において後面を形成する。主面部20の面積は、第1側面部31の面積よりも大きく形成される。
【0022】
第2側面部32および第3側面部33は、原稿表示装置1が形成された状態の左右方向において、互いに向かい合うように形成される。第2側面部32および第3側面部33は、原稿表示装置1が形成された状態の支持部3において、左右の側面の少なくとも一部を形成する。第2側面部32と第3側面部33とは、面積が同じになるように形成される。
【0023】
第4側面部34および第5側面部35は、原稿表示装置1が形成された状態の上下方向において、少なくとも一部分が向かい合うように形成される。第4側面部34は、原稿表示装置1が形成された状態において底面を形成する。第5側面部35は、原稿表示装置1が形成された状態において天面を形成する。第4側面部34の面積は、第5側面部35の面積よりも小さくなるように構成される。
【0024】
第6側面部36は、原稿表示装置1が形成された状態の左右方向において、第2側面部32と少なくとも一部分が積層するように形成される。第7側面部37は、原稿表示装置1が形成された状態の左右方向において、第3側面部33と少なくとも一部分が積層するように形成される。第6側面部36および第7側面部37は、原稿表示装置1が形成された状態の支持部3において、左右の側面の少なくとも一部を形成する。第6側面部36と第7側面部37とは、面積が同じになるように形成される。
【0025】
主面部20は、第4側面部34と連続する。主面部20は、複数の係合部40を備える。本実施形態において、主面部20に構成される複数の係合部40は、2つの第1係合部40Aである。
【0026】
第1側面部31は、第4側面部34および第5側面部35と連続する。第1側面部31は、複数の係合部40を備える。複数の係合部40は、第2側面部32および第3側面部33の係合部40と係合可能に構成される。本実施形態において、第1側面部31に構成される複数の係合部40は、2つの第2係合部40Bである。
【0027】
第2側面部32は、第4側面部34と連続する。第2側面部32は、複数の係合部40を備える。複数の係合部40は、主面部20、第1側面部31、および、第6側面部36の係合部40と係合可能に構成される。本実施形態において、第2側面部32に構成される複数の係合部40は、2つの第1係合部40Aおよび1つの第2係合部40Bである。
【0028】
第3側面部33は、第4側面部34と連続する。第3側面部33は、複数の係合部40を備える。複数の係合部40は、主面部20,第1側面部31、および、第7側面部37の係合部40と係合可能に構成される。本実施形態において、第3側面部33に構成される複数の係合部40は、2つの第1係合部40Aおよび1つの第2係合部40Bである。
【0029】
第4側面部34は、主面部20、第1側面部31、第2側面部32、および、第3側面部33と連続する。第5側面部35は、第1側面部31と連続する。第6側面部36は、第5側面部35と連続する。第6側面部36は、係合部40を備える。第6側面部36の係合部40は、第2側面部32の係合部40と係合可能に構成される。本実施形態において、第6側面部36に構成される係合部40は、1つの第2係合部40Bである。第7側面部37は、第5側面部35と連続する。第7側面部37は、係合部40を備える。第7側面部37の係合部40は、第3側面部33の係合部40と係合可能に構成される。本実施形態において、第7側面部37に構成される係合部40は、1つの第2係合部40Bである。
【0030】
主面部20および各側面部30において、連続する各面部間の少なくとも1つには、折り目加工が施された折り目Fが形成される。折り目Fは、折り目Fをもとに谷折りが可能となるように構成される。谷折りによる各面部が形成する内側の角度は、例えば90~180°の範囲に含まれる。
【0031】
複数の側面部30の少なくとも1つには、第2鏡面2Bが設けられる。第2鏡面2Bは、ユーザの手元に存在する原稿Mを反射して、主面部20に設けられる第1鏡面2Aに原稿Mを表示する。本実施形態においては、第5側面部35に第2鏡面2Bが形成される。
【0032】
側面部30の少なくとも1つには、開口部50が形成される。開口部50は、原稿表示装置1が形成された状態において取付部4を構成する。開口部50は、第4側面部34に形成される主開口部51、第2側面部32および第3側面部33に形成される側開口部52を含む。
【0033】
主開口部51は、原稿表示装置1が形成された状態において、第4側面部34の左右方向に沿って形成される。主開口部51は、第4側面部34の左右方向において一方から他方の折り目Fまで形成される。主開口部51の前後方向の長さは、例えば8mm以上である。主開口部51の前後方向の長さは、例えば20mm以下である。
【0034】
側開口部52は、原稿表示装置1が形成された状態において、第2側面部32および第3側面部33の上下方向に沿って形成される。側開口部52は、第2側面部32および第3側面部33と第4側面部34の折り目Fから上方向に所定の長さの取付部4になるように形成される。第2側面部32および第3側面部33に形成される側開口部52は、形状および大きさが同じになるように構成される。側開口部52の上下方向の長さは、例えば10mm以上である。側開口部52の上下方向の長さは、例えば20mm以下である。
【0035】
側開口部52には、折込片60が形成される。折込片60は、側開口部52の外枠を構成する複数の辺Eのうち、1つの辺E1と連続する。本実施形態において、前方向側に設けられる辺E1と折込片60とが連続する。その他の辺E2は、折込片60と連続しない。辺Eは、上下方向または前後方向の少なくとも一方において折り曲がるように構成されていてもよい。本実施形態において、折込片60と連続する辺E1は、直線状に構成される。折込片60と連続しない辺E2は、折れ線状に形成される。好ましくは、原稿表示装置1が形成された状態で取付部4の幅が上方向に向かうにつれて狭くなるように、辺E1と辺E2との間の距離が変更される。
【0036】
主面部20および第1側面部31~第7側面部37によって、原稿表示装置1の内部には、内部空間が形成される。内部空間は、鏡面2、透過部21、および、開口部50と取付対象との隙間以外において、光が入り込まないように形成される。係合部40により係合された主面部20および側面部30の間からは、光が入り込まないように構成されることが好ましい。
【0037】
図2~5を参照して、形成材10から原稿表示装置1を形成する形成方法について説明する。形成材10から原稿表示装置1の形成は、以下の第1ステップから第7ステップの工程を含む。形成前の形成材10は、
図2および
図3に示された状態である。
【0038】
第1ステップにおいて主面部20と第2側面部32を係合する。具体的には、主面部20の第1係合部40Aと第2側面部32の第2係合部40Bとを係合する。第2ステップにおいて、主面部20と第3側面部33とを係合する。具体的には、具体的には、主面部20の第1係合部40Aと第3側面部33の第2係合部40Bとを係合する。第1ステップと第2ステップとは、入れ替えてもよい。
図4は、第2ステップまでが完了した状態を示す。第3ステップにおいて、第1側面部31の2つの第2係合部40Bをそれぞれ第2側面部32の第1係合部40Aおよび第3側面部33の第1係合部40Aと係合させる。形成材10は、
図5に示される状態に形成される。
【0039】
第5ステップにおいて、第5側面部35~第7側面部37を前方向に移動させる。第6ステップにおいて、第6側面部36と第2側面部32とを係合させる。具体的には、第6側面部36の第2係合部40Bと第2側面部32の第1係合部40Aとを係合させる。第7ステップにおいて、第7側面部37と第3側面部33とを係合させる。具体的には、第7側面部37の第2係合部40Bと第3側面部33の第1係合部40Aとを係合させる。第6ステップと第7ステップとは、入れ替えてもよい。第7ステップの終了後、
図1に示される原稿表示装置1が形成される。
【0040】
形成材10は、支持部3を構成する第1状態と支持部3を構成しない第2状態とを変更可能に構成される。第1状態と第2状態との変更は、第1係合部40Aと第2係合部40Bとの係合状態と非係合状態との切替により実施される。第1状態は、支持部3が第1鏡面2Aおよび第2鏡面2Bを所定の角度で支持可能な状態である。第1状態の原稿表示装置1において、少なくとも1つの第1係合部40Aと第2係合部40Bとが係合される。
【0041】
第2状態は、支持部3が形成されず、主面部20および主面部20に設けられる鏡面2が所定の角度で支持されない状態である。第1状態から第2状態への変更は、例えば、
図4および
図5に示される組み立て手順を逆の順序で実施することにより行われる。第2状態は、第1係合部40Aと第2係合部40Bとがすべて非係合の状態を含む。この場合は、
図2および
図3に示されるような状態であり、主面部20および側面部30が平面状に形成される。
【0042】
図6に示される通り、開口部50に対応する取付部4には、折込片60が設けられている。折込片60は、原稿表示装置1が形成された状態において内部空間に向けて突出するように構成される。原稿表示装置1が端末Dに取り付けた状態において、折込片60は、端末Dに対して少なくとも接触する。好ましくは原稿表示装置1が端末Dに取り付けた状態において、折込片60の復元力により端末Dに対して押し付けられる。
【0043】
図6を参照して、原稿表示装置1の使用方法について説明する。
ユーザは、原稿Mを用意する。原稿Mは、紙に文字が記載されていてもよく原稿表示装置1を取り付けている端末Dとは異なる端末に表示してもよい。ユーザは、第1鏡面2Aに表示される文字を読むことで容易に原稿Mを読み上げることができる。ユーザは、原稿Mを一方向から他方向に向けてずらすことにより、常に原稿表示装置1の第1鏡面2Aに原稿Mを適切に表示することができる。原稿表示装置1を取り付けている端末Dとは異なる端末を用いて、表示される文字の表示時間を調節してもよい。撮像装置Cは、ユーザの目線が撮像装置Cを向いている状態でユーザを撮影する。撮像装置Cにより撮影されたユーザを見る視聴者は、ユーザが撮像装置Cを介して自らを向いて、すなわち、原稿Mを参照することなく話しているように認識する。視聴者は、例えばユーザの授業または講義を受講する受講者、および、ユーザに対する面接官である。
【0044】
本実施形態の原稿表示装置1および原稿表示装置1を形成する形成材10の作用について説明する。主面部20および側面部30が平らな状態である第2状態から主面部20に取り付けられる第1鏡面2Aおよび第2鏡面2Bが所定の角度で支持される第1状態になるように、形成材10から原稿表示装置1を形成する。原稿表示装置1は、取付対象に対して取付部4を介して取り付ける。このとき、折込片60を内部空間に向けて折り込んで取り付ける。取付部4および折込片60により、取付対象に対して安定して固定できる。
【0045】
本実施形態の原稿表示装置1および原稿表示装置1を形成する形成材10によれば、以下の効果が得られる。原稿表示装置1は、ユーザの手元に配置される通常状態の原稿Mを第1鏡面2Aに通常状態で表示する。原稿Mの通常状態と反転状態について説明する。通常状態は、ユーザが原稿Mを読むことに支障のない状態である。通常状態は、原稿Mに含まれる文字および図形が反転していない状態を含む。反転状態は、ユーザが原稿Mを読むことに支障のある状態である。反転状態は、原稿Mに含まれる文字および図形が反転している状態を含む。鏡面2は、通常状態と反転状態との一方から他方に変更する。原稿表示装置1の第2鏡面2Bは、原稿Mを通常状態から反転状態に反射して表示する。原稿表示装置1の第1鏡面2Aは、第2鏡面2Bに表示される反転状態の原稿Mを通常状態に反射して表示する。第1鏡面2Aおよび第2鏡面2Bが設けられることで、ユーザは原稿Mを反転状態で手元に配置する必要がない。このため、ユーザビリティが向上する。
【0046】
形成材10の第4側面部34に形成される主開口部51の前後方向の長さは、8mm以上および20mmの範囲に設定される。このため、原稿表示装置1を端末Dに取り付ける際に容易に取り付けることができ、かつ、端末Dと取付部4との間に隙間が形成されにくいため取付部4から内部空間への光の侵入が抑制される。
【0047】
第2側面部32および第3側面部33に形成される側開口部52の上下方向の長さは、10mm~20mmの範囲に設定される。このため、原稿表示装置1を端末Dに取り付ける際に、端末Dの表示画面を原稿表示装置1が覆うおそれが低く、ユーザが端末Dの表示画面を認識することを妨げにくい。
【0048】
主面部20および側面部30において、連続する各面部の間には、折り目Fが形成されている。このため、第2状態において形成材10を折りたたむことができる。原稿表示装置1を使用しない場合、折り目Fを谷折りすることで、形成材10の寸法をさらに小さくすることができる。このため、例えば小さな入れ物で保管することができ、保管時または持ち運び時のユーザビリティが向上する。
【0049】
<変形例>
実施の形態に関する説明は、本開示に従う形成材および原稿表示装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う形成材および原稿表示装置は、実施の形態以外に例えば以下に示される実施の形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0050】
・原稿表示装置1はスマートデバイスに取り付け可能に構成されていてもよい。一例では、スマートデバイスはタブレット端末またはスマートフォンである。原稿表示装置1を取り付けた状態においてスマートデバイスが水平方向および垂直方向に対して任意の角度で傾斜するように固定支持材を用いることが好ましい。
【0051】
・支持部3の形状は任意である。一例では、形成材10は、側面部30をさらに含み、支持部3の形状がより多角形状に構成されていてもよい。別の例では、形成材10は、第1側面部31~第7側面部37の少なくとも1つが省略される。
【0052】
・取付部4は、別の構成であってもよい。一例では取付部4は、原稿表示装置1を端末Dに固定可能な両面テープで構成されていてもよく、端末Dを挟み込むのに適したばねを含む把持材であってもよい。上記例において、形成材10の開口部50の構成が省略されてもよい。形成材10に把持材が着脱可能に設けられてもよい。
【0053】
・係合部40の構成は、任意に変更されてもよい。一例では、第1係合部40Aは、側面部30に形成される凸部または凹部の一方である。第2係合部40Bは、側面部30に形成される凸部または凹部の他方である。本実施形態において、第1係合部40Aの形状は、側面部30から突出する凸部形状である。第2係合部40Bの形状は、主面部20または側面部30の一部を折り込んだ凹部形状である。別の例では、任意の第1係合部40Aと第2係合部40Bとを入れ替えて構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 …原稿表示装置
2 …鏡面
2A…第1鏡面
2B…第2鏡面
3 …支持部
4 …取付部
10 …形成材
20 …主面部
21 …透過部
30 …側面部
40 …係合部
50 …開口部
60 …折込片