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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109197
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】見守り生活支援装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20220720BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220720BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20220720BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20220720BHJP
【FI】
H04M11/00 301
G08B25/04 K
G08B21/02
G06Q50/26 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021032132
(22)【出願日】2021-01-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】512065591
【氏名又は名称】株式会社フューチャー・ブレイン
(72)【発明者】
【氏名】萬屋 菊洋
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA01
5C086CA09
5C086CA28
5C086CB26
5C086CB36
5C086DA08
5C086DA14
5C086EA41
5C086FA01
5C086FA06
5C086GA09
5C087AA02
5C087AA31
5C087AA37
5C087BB11
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD24
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087FF19
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG17
5C087GG66
5C087GG67
5C087GG83
5K201BA02
5K201BA06
5K201CA06
5K201CB05
5K201CB06
5K201CC08
5K201DC05
5K201DC07
5K201EA05
5K201EC06
5K201ED05
5K201EF03
5K201EF04
5K201EF07
5L049CC35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】行政の各種警報、通知、放送を確実に伝えると共に、高齢者、病人、一人暮らし、障害者などの日常生活、健康状態、病状などの見守りを行う見守り生活支援装置およびシステムを提供する。
【解決手段】居住者の居室内に取り付けられた生活状態の見守り装置2であって、インターネット回線接続用通信手段4及び音声インターフェース6を備える。音声インターフェースは、通信手段4により地域行政の情報通達基地局に接続される。情報通達基地局が放送する地域行政情報の屋外通報と同時に該地域行政情報が、居住者の有する通信手段の識別アドレスにより伝達される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
居住者および地域行政は、インターネット回線通信手段により接続され、
前記地域行政の情報通達基地局が放送する行政情報の屋外通報と同時に、該行政情報が前記居住者の有する通信手段の識別アドレスにより前記居住者に伝達されることを特徴とする見守りシステム。
【請求項2】
居住者の居室内に取り付けられた生活状態の見守り装置であって、
前記見守り装置は、インターネット接続用通信手段、音声インターフェースを備え、
前記音声インターフェースは前記通信手段により地域行政の情報通達基地局に接続され、
前記情報通達基地局が放送する地域行政情報の屋外通報と同時に、該地域行政情報が前記居住者の有する通信手段の識別アドレスにより前記音声インターフェースに伝達されることを特徴とする見守り装置。
【請求項3】
前記通信手段は、電話回線または無線LANにより構成され、前記地域行政の情報通達基地局に加えて前記居住者の監視センターまたは見守り関係者と接続されており、
前記音声インターフェースは、スピーカーまたはスマートスピーカにより双方向通信が可能となるよう構成され、
前記情報通達基地局より前記居住者の有する通信手段の識別アドレスに対し地域行政通達情報が通達されると共に、前記居住者は、前記地域行政、前記監視センターまたは見守り関係者との間で対話型音声操作および応答が可能であることを特徴とする請求項2記載の見守り装置。
【請求項4】
前記通信手段は、インターネット回線を介してクラウドサーバーに接続され、
前記クラウドサーバーは、前記スマートスピーカーに応答して前記居住者の見守りに関連する予め登録された固有情報または生活パターンを記憶、学習する見守りプラットフォームを有していることを特徴とする請求項3記載の見守り装置。
【請求項5】
前記生活パターンが前記見守りプラットフォームの記憶、学習により設定される所定値から外れた場合、前記スマートスピーカから前記居住者、前記地域行政、前記監視センターまたは見守り関係者に対し警告音または音声応答を発生するように構成することを特徴とする請求項4記載の見守り装置。
【請求項6】
前記見守り装置は、前記通信手段に接続された監視カメラを具備し、
前記通信手段を介して前記監視カメラによる前記居住者の画像状況が前記地域行政、前記監視センターまたは見守り関係者へ配信されることを特徴とする請求項3記載の見守り装置。
【請求項7】
前記見守り装置は、前記通信手段に接続された温度検知を含む気候センサーを具備していることを特徴とする請求項3記載の見守り装置。
【請求項8】
前記通信手段は、前記居住者の電力、ガス、水道および・または電子機器の利用状況が通知される無線通信受信装置を具備し、
前記無線通信受信装置により取得された利用状況が所定値から外れた場合、前記居住者が何らかの異常事態にあることを検知する手段を有していることを特徴とする請求項3記載の見守り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、行政の各種警報、通知、放送を確実に伝えると共に、高齢者、病人、一人暮らし、障害者などの日常生活、健康状態、病状などの見守りを行う見守り生活支援装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会の進行、核家族化、一人暮らしの増加などにより個人の日常生活や健康状態を監視し、見守る必要性が増加している。特に、高齢者や身体の障害者で見守りや支援を必要とする者(以下、要支援者とも称する。)などにとっては、見守り、支援、介護の必要性があっても介護人や施設の不足、費用の増加などで容易に介護や見守りサービスが受けられない状況になりつつある。
【0003】
特に見守りや生活支援が必要な居住者としては、独居高齢者、病人、障害者、要介護者、単身生活者などが挙げられ、これらの要支援者の見守りおよび生活支援としては、▲1▼生存確認、▲2▼病状確認、▲3▼救急対応、▲4▼必需品購入、▲5▼家族・見守り者と居住者とのコミュニケーションなどが想定される。このような要支援者に対する見守り支援サービスを効率化し、より充実したものとする見守り生活支援システムが期待されている。
【0004】
また、行政にとっては、これら要支援者に対し見守りサービスや生活支援を行いながら緊急時、災害時などに緊急連絡、避難通知を行う必要があるものの現在の連絡・通知は、主に各地域に設置された防災行政無線スピーカー(広報スピーカー)による連絡や各地域コミュニティでの個別訪問などが主な手段となっている。しかし、防災行政無線スピーカーでは、高齢者や障害者などの要見守り者にとっては聞きづらく、緊急通報が伝わり難いという課題がある。また、健常者であっても災害時は地震、火事、津波、台風などの環境下であることが多く放送、通達が、雨、風、雪により聴取条件は極めて悪く、伝わり難いものである。
【0005】
これらを補完するため防災行政無線を受信しうる防災用ラジオを各家庭に配布し、防災用に利用する試みもなされているが、ラジオを聴取していない場合は緊急警報や連絡が届かず満足すべきものではない。また、その他の補完手段としてスマートフォン向け防災メール、緊急災害通報も一部で採用されているが、要支援者にとっては、扱いづらいもので広く活用されるに至っていない。また、地震、津波、火山噴火等大規模災害に結びつくような災害は、テレビやラジオの緊急放送で行われているものの広域に渡るため地域行政に限っての通報には向いていない。
【0006】
このような課題に対応するために、特許文献1では、常時電源供給されている常時電源の供給されているインターホン装置に受信周波数を設定可能な防災無線受信回路を内蔵し、インターホン装置の拡声機能を利用して個々の家庭向けに災害情報、行政放送などを提供する技術が開示されている。このシステムでは防災行政無線放送を同調する方式であり、行政無線の周波数(260MHzまたは60MHz)では雨雪などの気候条件や放送エリアにより受信条件が左右され、満足すべきものでない。
【0007】
また、特許文献2では、防災に関する役所側から住民への情報伝達手段として、防災行政無線、災害FM放送(コミュニティFM放送)、IP防災放送、エリアメール、防災メール、防災ポータルなどの方式を一元化して行政情報の伝達を確実にする工夫が提案されている。
【0008】
これらいずれの方式も行政連絡や災害・緊急警報などが確実に伝わらない課題を有している。特に、防災行政無線スピーカーによる警報、通達を高齢者や障害者に迅速に、かつより確実に伝えることは、近年の災害避難経験から必要となっている。このような課題を克服すると共に、要支援者に対する見守り支援サービスをより効率化する見守り装置やシステムが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003-289391号公報
【特許文献2】特開2014-112754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、上述の状況に鑑みて提供されるものであって、以下のような見守り生活支援装置およびシステムの提供を目的とする。
(1)建物屋内において防災警報、地域行政通達情報をより確実に伝える見守り生活支援装置およびシステム。
(2)居住者の生活形態に即した見守り、生活支援機能を必要に応じて拡張し得る拡張性を有する見守り生活支援装置およびシステム。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、この発明に係る見守りシステムは、居住者および地域行政は、インターネット回線通信手段により接続され、前記地域行政の情報通達基地局が放送する行政情報の屋外通報と同時に、該行政情報が前記居住者の有する通信手段の識別アドレスにより前記居住者に伝達されることを特徴とする。
【0012】
さらに、この発明に係る見守り装置は、居住者の居室内に取り付けられた生活状態の見守り装置であって、前記見守り装置は、インターネット接続用通信手段、音声インターフェースを備え、前記音声インターフェースは前記通信手段により地域行政の情報通達基地局に接続され、前記情報通達基地局が放送する地域行政情報の屋外通報と同時に、該地域行政情報が前記居住者の有する通信手段の識別アドレスにより前記音声インターフェースに伝達されることを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係る見守り装置は、前記通信手段が、電話回線または無線LANにより構成され、前記地域行政の情報通達基地局に加えて前記居住者の監視センターまたは見守り関係者と接続されており、前記音声インターフェースは、スピーカーまたはスマートスピーカにより双方向通信が可能となるよう構成され、前記情報通達基地局より前記居住者の有する通信手段の識別アドレスに対し地域行政通達情報が通達されると共に、前記居住者は、前記地域行政、前記監視センターまたは見守り関係者との間で対話型音声操作および応答が可能であるように構成することができる。
【0014】
また、この発明に係る見守り装置は、前記通信手段が、インターネット回線を介してクラウドサーバーに接続され、前記クラウドサーバーは、前記スマートスピーカーに応答して前記居住者の見守りに関連する予め登録された固有情報または生活パターンを記憶、学習する見守りプラットフォームを有しているように構成することができる。
【0015】
また、この発明に係る見守り装置は、前記生活パターンが前記見守りプラットフォームの記憶、学習により設定される所定値から外れた場合、前記スマートスピーカから前記居住者、前記地域行政、前記監視センターまたは見守り関係者に対し警告音または音声応答を発生するように構成することができる。
【0016】
また、この発明に係る見守り装置は、前記見守り装置が、前記通信手段に接続された監視カメラを具備し、前記通信手段を介して前記監視カメラによる前記居住者の画像状況が前記地域行政、前記監視センターまたは見守り関係者へ配信されるように構成することができる。
【0017】
また、この発明に係る見守り装置は、前記見守り装置が、前記通信手段に接続された温度検知を含む気候センサーを具備するように構成することができる。
【0018】
また、この発明に係る見守り装置は、前記通信手段が、前記居住者の電力、ガス、水道および・または電子機器の利用状況が通知される無線通信受信装置を具備し、前記無線通信受信装置により取得された利用状況が所定値から外れた場合、前記居住者が何らかの異常事態にあることを検知する手段を有するように構成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、見守り生活支援に必須となる防災警報、地域行政通達情報をより確実に居住者へ伝達することが可能となり、必要性に応じて拡張性を有する見守り生活支援装置およびシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による見守り装置およびシステムの構成を示す説明図である。
図2】本発明による見守り装置の構成を示す説明図である。
図3】本発明によるシーリングローゼットと見守り装置、照明部および監視カメラの取り付け構成を示す説明図である。
図4】本発明によるスマートスピーカーの処理プロセスの一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る見守り生活支援装置およびシステムの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例に記載されているいずれの説明図や図面も本発明の説明用に概略的または模式図として描かれており、実際の寸法や形状は特に限定するものではない。また、構成要素の回路構成、寸法、材質、形状、その相対配置および用途としては家庭および介護・医療施設を想定しているが特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0022】
図1は、本発明による見守り生活支援装置およびシステムの構成説明図である。また、図2は、各部屋に取り付けられる見守り装置の具体的構成例を示す説明図である。居住者(要支援者)1の居住する個人住宅、介護・医療施設などの建物内(室内)に見守り装置2が設置されている。見守り装置2は、電源手段3、通信手段4および各種見守りモジュール5により構成されている。見守りモジュール5は、音声インターフェース6、監視カメラ7、気候センサー8、バイタルセンサー9などが選択的に取り付けることができる構成となっている。音声インターフェース6は、スピーカー部21、マイク部22またはスマートスピーカー23などで構成される。通信手段4は、電話回線または無線LAN(LOCAL AREA NETWORK)により構成され、外部ネットワーク(インターネット回線)10へ接続されている。
【0023】
また、このインターネット回線10を介して見守り装置2は、市町村役場防災行政無線基地局(行政または基地局)11、監視センター12または介護人、家族、かかりつけ医療機関などの関係者13とも接続され、ネットワークを構成して見守り支援システムを構成している。市町村役場の基地局11では無線放送により各地区毎に配置された広報スピーカー14より防災警報および行政通達を日常的に行っている。更に、インターネット回線10は、クラウドサーバー(クラウド)18に接続され、そのクラウド18は、居住者1を見守り生活支援を行う見守りプラットフォーム(アプリケーションソフトウェア)15および記憶・学習手段16を備えている、このような見守り装置およびシステムを利用して防災行政通達や警報を効果的に居住者1へ伝え、見守り生活支援と併せ、安心・安全をより確実に確保することができる。
【0024】
防災行政通達は、260MHz帯域(デジタル化により旧来の60MHz帯域よりの移行推奨されている)を利用した無線回線による地域行政放送が基地局11より広報スピーカー14に対し行われている。防災行政無線放送の役割としては、防災目的として地震、竜巻、光化学スモッグ、などの気象警報、避難警告、火災、害獣出没、停電・断水・ガス漏れなど異常時の緊急通達、通行止めなどの交通情報の伝達、また、防犯目的として、不審者注意勧告、行方不明者(徘徊者)確保支援、その他行政事務通達目的として、選挙投票案内、食中毒注意情報、交通安全情報、時報や生活情報通達など多岐に渡っている。これらの情報通達は、居住者1にとって生活支援として必要なだけでなく生命を守るためにも重要な情報である。
【0025】
無線回線による防災行政通達・警報は、260MHz帯域での4値FSK(Frequency Shift Keying)変調方式を採用しており、災害時一般電話回線が通信不可となる場合でも伝送しやすいという利点を有している。しかし、前述の通り、拡声スピーカーによる通達は、悪天候の中では聴取困難であり、各家庭内の居住者へは伝わり難いものとなっている。本発明では、これら無線回線によるスピーカー通達と同時に、本発明による居住者1の見守り装置2へインターネット回線10を用いて配信する。
【0026】
見守り装置2の電源手段3は、防災用として日常的にはAC電源(100V)を使用しているが、災害などによりAC電源が断たれた場合や可搬型とする場合は電源供給がバッテリー供給となるようにして常時電源供給ができる構成とする。通信手段4は、常時回線接続している電話回線もしくは無線LANを用いる。電話回線の場合、SIM(Subscriber Identify Module)カードを組み込むことで居住者1の加入識別が可能であり、SIMカードの識別アドレス(電話番号など)宛にネットワークを介して情報伝達することができる。また、WiFi(商標)などの無線LANの場合は、建物内など無線LANの届く範囲内に設置されたルーターやONU(Optical Network Unit)などのネットワーク接続手段(図示せず)を介して外部ネットワークへ接続する。電話回線では建物内での接続手段は格別必要としない。電話回線、無線LANのいずれの場合も伝送速度が向上し、データ使用量も無制限での料金体系が確立しつつあり、回線を常時接続状態で利用する環境が整備されている。つまり、電話回線でも無線LANであっても、それぞれの回線は居住者1の見守り装置2ごとに個別識別アドレス(電話番号、IPアドレス)が割り当てられて、ネットワーク10を介して、居住者1の識別アドレスに対し信号情報の伝達を行うことができ、通信手段4は常時接続によりいつでも受信できる環境にある。
【0027】
音声インターフェース6としては、最低限スピーカ部21を具備する。電源手段3、通信手段4、音声インターフェース6のスピーカー部21とは、それぞれUSB(Universal Serial Bus)入出力端子(またはUSB端子)24を有し、USB接続手段25により接続されて、電源および信号情報の伝達が行われる。スピーカー部21では、インターネット回線10を介して通信手段4により受信された情報を音声信号として復調し、アンプ部(図示せず)によりスピーカーより音声伝達する。ここで、電源手段3、通信手段4およびスピーカー部21とは別々にUSB接続手段25により接続されているが、勿論これらを見守り装置一体型として構成しても良い。
【0028】
居住者1の各見守り装置2へ割り当てられた識別アドレス(電話番号またはIPアドレスなど)は、予め市町村役場の基地局11へ登録されており、防災無線放送の内容や情報伝達事項をネットワーク回線10を介して登録された識別アドレスに対し、音声情報により通達する見守り支援システムを構成している。基地局11では、防災無線放送と同じ内容を無線放送すると共に、インターネット回線10を介して上記識別アドレスへ同時伝送する。居住者1側では、音声インターフェース6として少なくともスピーカー部21を備えており、この見守り装置2を取り付けておくだけで、常時接続、常時電源供給されており、常に防災無線放送内容を見守り装置2のスピーカー部21から聴取することができる。このような見守り装置2は、電源コンセントなどに常時接続として設置したり、電源手段3としてバッテリー電源も備えているため可搬型として所望する場所に設置したりすることも可能である。また、居住者1が常時帯同することもできるため、災害時は、見守り装置2を携帯して行動することで地域行政からの警報、避難場所、避難方法などの避難情報をより確実に聴取することができる。
【0029】
音声インターフェース6は、マイク22を追加したり、マイク・スピーカー内蔵のスマートスピーカー23により居住者1の音声による双方向的通信を行うように構成することもできる。音声インターフェース6を双方向通信とすることで、災害時など防災行政通達を確実に行うと共に、行政側から居住者1の状況を音声で確認したり、災害状況、避難場所などを居住者1から確認することができる。また、居住者1と監視センター12または、知人、親戚、担当医者などの関係者13との間でインターネット回線10を介して通信・連絡できるため、必要に応じて救助や応援を依頼することもできる。
【0030】
本発明による見守り装置2は、通常屋内の壁や居住者1の近くにあるAC電源コンセントに接続して使用したり、図3A図3Bで示すように、照明用に配置されたシーリングローゼットに取り付けて使用することもできる。特に双方向で音声入出力操作や応答を行う場合は、室内の固定した場所に設置して使用する方が望ましい。スマートスピーカー23の検知範囲は、5~6mの範囲であり、室内であれば自然に話かける程度で十分機能する。
【0031】
丸形引っ掛けシーリングローゼットのボディ30は、天井などに配設され、照明器具などを取り付ける。ボディ30は、嵌合穴(引っ掛け刃受部)32を有し、照明部33に取り付けられたキャップ31の引っ掛け刃34と係合し、差し込んで回転すれば、ロックされる構成となっている。また、取り付け時と反対側に回転することで容易に取り外すことができる。シーリングローゼットのボディ30と照明部33のキャップ31との間には、電源手段3を内蔵した通信手段4および見守りモジュール5(スマートスピーカー23、またはスピーカー21とマイク22)が取り付けられ、接続される。通信手段4および見守りモジュール5の上部(天井側)には引っ掛け刃34が、下部には嵌合穴32がそれぞれ設けられている。図3Bには、それぞれの下部側から嵌合穴32を見た図が示されている。引っ掛け刃34および嵌合穴32は、それぞれ標準規格により嵌合出来るよう互換性を有している。通信手段4にはインターフェースとしてUSB端子24が備えられており、その端子24により各種見守りモジュール5や追加的ネットワーク網を構成することができる。
【0032】
見守りモジュール5のなかでも、特に監視カメラ7は、見守り監視においていずれの場合においても必要性が生じるので設置するのが望ましい。監視したい場所が特定されている場合や既存の監視カメラがある場合などは、通信手段4に設けられたUSB端子24に接続することで機能させうる。また、監視カメラは、居住者1にとってプライバシーが監視されているという違和感が強いため、照明部33の内部中央部に監視カメラ7を組み込むことで居住者1に監視されているという認識(違和感)なしに居住者状況を映像監視するように構成することもできる。図3Cおよび図3Dは、照明部33の断面図および平面図であり、内部の様子を示す。照明部33は複数のLED(Light Emitting Diode)35を発光体として備えており、LEDのドライバーや発色調整部などが収納されている。監視カメラ7は照明部33の中央下部に配置されている。監視カメラ7を照明部33の中央部に組み込むことで、環状に配置されたLED35素子の発光効果に影響を与えないように構成できる。監視カメラ7の特性は居住者1の動向や生活状態監視のみであれば、市販の通常の監視カメラで十分構成可能である。
【0033】
通常、監視カメラ7は、部屋の内部を監視できる広角レンズと可視光帯域のカラー撮像素子(センサー)などにより構成されるが、監視対象者を夜間でも監視する場合や病人などの体温も監視したい場合などは、赤外光センサーまたは可視光から赤外光に亘る波長帯域を有するセンサーなどを用いることもできる。近赤外帯域を有する赤外光カメラでは暗視カメラとして夜間の体動や動向を監視可能であり、また短波長赤外や長波長赤外帯域の画像は熱画像としてサーモカメラの機能を有するため、体温や温度検知などの見守りが可能となる。監視カメラ7により撮影された画像出力信号は、映像信号処理装置など(図示せず)を介して通信手段4のUSB端子24へ送られ、通信手段4よりインターネット通信により外部ネットワーク10へ送出される。送出された映像出力信号は、監視センター12に設けられた監視モニター20に表示され、監視される。
【0034】
本発明において見守り装置2を利用して防災行政通達・警報を配信するメリットは、野外の広報スピーカー14で行うより室内に備えられた音声インターフェース6のスピーカー部21またはスマートスピーカー23により確実に各居住者1に通達・警報を届けることができることである。また、マイク部22やスマートスピーカー23で双方向通信できる構成とした場合、通達・警報を受信した居住者1が双方向システムを介して監視センター12や行政11側へ即時に支援を要請したり、関係者13に連絡したりして双方向通信により緊急事態などに対応することができる点にある。更に必要に応じて、監視センター12または行政11側から居住者個別に状況確認を行ったり、監視カメラ7を備えている場合は、監視カメラ7を起動させて画像による居住者1の状況を把握することも可能となる。
【0035】
また、この見守りモジュール5としては、前述の音声インターフェース6や監視カメラ7の他に、気候センサー(温度・湿度センサー)8、バイタルセンサー9、その他各種センサーの受信装置などがUSB端子24により着脱可能であり、居住者1の必要性に応じて、必要な機能を取捨選択して使用する。更に、見守りモジュール5としてブルートゥースなどの近距離通信装置を設けることで居住者1の手元に配置したスマートフォンやPC(Personal Computer)などの入出力端末19に送信して受信、操作することも可能である。
【0036】
次に、音声インターフェース6としてスマートスピーカー(AIスピーカーとも称する)23を設置した場合について説明する。スマートスピーカー23は、人の音声をマイクロフォンにより入力し、認識し、インターネット回線10とつながれたクラウド18内に格納されたソフトウェアにより意図推定、固有表現抽出などのプロセス処理し、ディープラーニングやAI手法などを用いて最適解の応答を行うことができる対話型検索システムである。図4は、本発明で用いられるスマートスピーカー23の処理プロセスの一例を示している。
【0037】
図4において、スマートスピーカー23内のマイク50において音声入力を行う。マイク入力起動処理手段62では、所定の起動ワード(ウェイクアップワード)で話しかけることでシステムの起動を行う。このウェイクアップワードとしては、採用するプラットフォームの名称や予め登録した「呼びかけワード」を用いる。音声入力は、居住者1が室内に設置されたスマートスピーカー23に向かって呼びかけても良いし、手元のスマートフォンなどの手元端末装置19により行うこともできる。
【0038】
ウェイクアップワードによりシステムが起動され、居住者1の要望や情報問い合せを話しかける。入力された音声は、音声入力処理手段63において周辺ノイズや不要ノイズが除去され、話し手の方向をウェイクアップワードの音声特性により特定し音声を取り出す。取り出された音声はテキスト変換プロセス64によりテキスト言語へ変換される。テキスト変換された情報は、AIアシスタントソフトウェア17によりディープラーニングや言語検索ツールなどを利用して意図推定処理手段65および行動設計処理66を行い、入力された音声情報に基づく要望、問い合わせなどに対し最適解と思われる応答候補およびそれに対する行動を検索・選択する。
【0039】
選択された応答候補は、検索ツールおよびAI学習した履歴などに基づき照合・検証処理67を行う。照合・検証処理67により応答候補を絞り込みまたは特定し、行動判断・指示処理68により応答情報を送出する。出力された応答情報は音声変換合成処理69によりテキスト言語情報から音声情報へ変換処理され、音声出力合成処理70により音声信号化されスマートスピーカ23内のスピーカーより発声応答される。このようなスマートスピーカー23の基本的機能として、情報検索(天気、ニュース、交通情報、辞書など)、エンターテイメント(音楽、映画、ゲームなど)、室内の家電連携(家電オン・オフ、エアコン制御、音量調節など)、インターネットショッピングなどが備えられ利用されている。上述のプロセスのほとんどはクラウド18上のAIアシスタントソフトウェア17により行われ、スマートスピーカー23の端末機能は、マイクおよびスピーカーおよびネットワーク・クラウド18内のプラットフォームとのインターフェースなどで構成されているが、光アラート、振動アラートなどの追加機能やブルートゥースなどの近距離通信手段を組み込んでそれらの機能を居住者1の手元端末装置19へ送信するように構成することもできる。
【0040】
このような見守りや生活支援をスマートスピーカー23の機能を利用して行うには次のようにシステムを構成する。スマートスピーカー23に通信回線により接続されたクラウド18内のAIアシスタント17には、見守りプラットフォーム(ソフトウェア)15が専用プログラムとして形成され、見守り生活支援に適切かつ必要な居住者1の固有ニーズ、緊急連絡先、嗜好、相談事項を含む固有情報が予め登録され、プログラムされている。見守りプラットフォーム15は、AIアシスタント17と協働して居住者1の要望、相談、問い合わせに対して適切な意図推定、行動設計、照合、行動指示を行うようプログラムされる。
【0041】
また、それぞれの居住者1の音声応答行為がプラットフォーム15と連携した記憶・学習手段16により記憶・学習されて蓄積される構成となっている。このような見守り生活支援プログラムは、当初は予め居住者1の情報提供や医療・介護施設における患者カルテ、介護人などの情報により入力されているが、その後居住者1の見守りプラットフォーム15におけるスマートスピーカー23との応答行為。および見守りモジュール5として選択的に取り付けられる気候センサー8およびバイタルセンサー9などのデータを記憶・学習することでより居住者1の生活状態や健康状態に即した見守り生活支援を適切かつ効果的に行うことが可能となる。
【0042】
また、このような見守りシステムを利用して居住者1が必需品などを購入したい場合、居住者1は、予めリストアップされプログラムされた必需品の物品名をスマートスピーカー23または手元端末装置19に向かって話しかける。スマートスピーカー23に接続されているクラウド18内の見守りプラットフォーム15にはそれら要求された物品に関する製品名、型番、価格、製品仕様・特性、メーカー・ブランド名、販売・提供先などの詳細情報が予め登録されており、スマートスピーカー23からは、物品名を話しかけた居住者1に応答して、それらの候補となる製品の内容につき応答する。これらの必需品購入については、予め通信販売におけるカタログブックやPC端末などのショップリストなどから選択したい製品番号が判明していれば、製品番号を音声入力するだけで製品特定が可能となる。製品名が特定されれば、その購入個数、決済方法(予め登録済)、送付先(居住者自宅)などを音声応答により確認する。発注を受けた配達業者は、関係者13の見守りメンバーであり、製品の配達業務を通して居住者の安否、健康状態、生活状態の相談などの確認とコミュニケーションを図るようにシステム構成する。
【0043】
この見守り生活支援プログラムにおいては、日常生活必需品や常備薬など限られた必需品の購入・発注をスマートスピーカー23を介して容易に行いうること、このプログラムにより発注された製品の配達業者(関係者13)による安否確認を含む見守り生活支援が組み合わされていることである。さらに、この生活支援プログラムでは、居住者1の購入履歴や生活必需品や常備薬などが記憶・学習手段16により記録され、生活パターンとして学習する。学習された生活パターンが異常と判断される場合や必需品・常備薬などが在庫切れとなっても発注されないような場合、見守りプラットフォーム15より居住者1および監視センター12や関係者13へアラート信号が自動的に発信され、居住者1の適切な応答がなければ、関係者13などによる監視カメラ7を駆動させ建物内の居住者1の動向を監視する。監視カメラ7によっても生活状態が確認されない場合、関係者13を派遣して状況を確認する。このようなプログラムやシステムは、過疎地や購入先の店舗が遠方である場合などの居住者1にとっては地域コミュニケーション、見守りにとって有用である。
【0044】
また、この見守り装置およびシステムを利用して居住者1が緊急対応や行政11および関係者13とのコミュニケーションを必要とする場合、居住者1は、予めリストアップまたはプログラムされた行政11,病院、警察、消防、介護人、家族、友人などの関係者名をスマートスピーカー23または手元端末装置19に向かって話しかける。居住者1は、上記名称や名前などを呼びかけることで、予めプログラムされた連絡先に電話またはネットワークにより接続され、必要なコミュニケーションをはかる。しかし、居住者1に緊急事態が生じた場合などは、即時対応を可能とするために非常事態ワードによる緊急連絡が可能となるようにプログラムする。非常事態ワードとして「たすけて!」「火事だ!」「ドロボー!」「死ぬー!」「苦しいー!」などを登録し、これらの事情事態ワードをスマートスピーカー23が検知すれば、即時自動的に監視センター12や関係者13へフィードバックされ、管理人や介護人などは、監視カメラ7を起動し、異常事態と思われる状況を監視モニター20上で監視したり、スマートスピーカー23を介して呼びかけたり、関係者13を派遣して状況把握するように構成する。非常事態ワードの他に、異常音(破壊音、破裂音、衝突音、叫び声など)を検知すれば、同様なモニター監視や関係者派遣を行うよう構成することもできる。
【0045】
次に、健康管理として見守りモジュール5に温度や湿度などの気候センサー8、居住者の血圧、心拍、体動などのデータを取得するバイタルセンサー9を組み込んだ場合について説明する。各部屋の室温、湿度を検知することは、居住者1の健康管理には必須の情報である。見守りモジュール5に温度、湿度を検知する気候センサー8を組み込み、その温度(室温)、湿度データを通信手段4を介して見守りプラットフォーム15へ随時送信し、見守りプラットフォーム15内の記憶・学習手段16に記録される。特に、高齢者にとっては、健常者であっても熱中症や低体温症などの危険性があるため、室温、湿度の状態により所定レベルに達した場合、熱中症、肌疾患などの注意、警戒、危険アラートを発生する。また、建物内のエアコン、加湿器、乾燥機など温度、湿度に関連する電子機器と通信手段4を介して家庭内エネルギー電子制御システム(Home Energy Management System:HEMS)を電子機器が対応することにより各種電子機器を居住者1の要望に沿って自動調整を行うように構成することもできる。
【0046】
更に、居住者1の血圧、脈拍、体動などのバイタル情報を離れた場所から観察するには、市販の超音波バイタルセンサーなどの既存手段を利用することができる。そのようなバイタルセンサー9を見守りモジュール5に組み込んでデータを取得する。また、近年、ウェアラブル端末として腕時計のように身に着けて血圧、心拍、体動、体温などを検知し、スマートフォンや他の端末へデータ送信できるウェアラブル端末センサーも製品化されている。このようなウェアラブルバイタルセンサーはブルートゥースやジグビーなどの近距離通信手段であり、見守りモジュール5に取り付けた通信手段4内に近距離通信手段を組み込むことで、ウェアラブルバイタルセンサーで取得したバイタルデータを受信して、見守り管理や電子機器制御を行うように構成することができる。
【0047】
このような健康見守り管理は、ネットワーク環境が整っていればどこにいても見守り監視が可能となるため、居住者1のリモートによる病気診断、健康増進アドバイス、リハビリ指導、食事管理などに適用することが可能である。つまり、医者、介護人、医療療法士、健康管理専門家と離れた場所から診断、アドバイスでき、居住者1にとっても施設へ出向くことなく、自宅での診断や相談が可能となる。また、このシステムにより、バイタル情報が自動的に記録・学習を連続的に行っているためバイタル情報が異常検知した場合や必要性が生じた場合にアラートをシステムより発生させることで即時対応が可能となり、監視者、医者、指導者にとっては常時監視する必要もなく、効率的指導や診察が可能となる。
【0048】
次に、本発明のシステムを利用して生存確認や病状悪化(動けない状態)を検知する仕組みについて説明する。居住者1の生存確認については、監視カメラ7を見守りモジュール5に取り付けて監視センター12や関係者13において監視することが可能であるが、監視センター12において監視者や関係者13が常時見張っている必要がある。生存確認や病気で動けない状態などの検知は、見守り監視において最も重要な監視機能であり、特に、一人暮らしにおいてはできるだけ早く検知する必要性があり、また死亡している場合などでもできるだけ早急に発見する必要がある。そのため、いくつかの方法・手段を組合せてできるだけ事前に自動的に検知し、アラートで警告することも必要となる。それらの解決手段として、電力消費量、ガス消費量、水道消費量、テレビ・ラジオなど電子機器のオン・オフなどの回数の変化(低下)を生活パターンとして検知し、これらに異常が生じた場合、つまり所定の基準値から外れた場合、アラート警告を発生させるいくつかの手段が考えられる。
【0049】
電力、ガス、水道消費量などの変化を検知するにはスマートメータとして消費量を各家庭に通知される通信データを利用することができる。このスマートメータは、電力消費量を自動計測し、専用の通信網により電力などの管理センターより各家庭へインターネット配信し、各家庭ではインターネットに接続されたパソコンやスマートフォンで電気量、ガス、水道の消費量を通知すると共に、前述のHEMSシステムを利用して効率的電気消費量の調整・制御を行うことが可能となっている。本発明においては、これら電力などの管理センターからインターネットを介して各家庭に送信される消費量データ情報を見守りプラットフォーム15へ送り込み、電力、ガス、水道などの消費量の推移を記憶・学習する。この電力、ガス、水道の消費量が記憶・学習により日常的消費量に比較して予め設定された所定値から外れ異常と判断される場合、自動的にアラート信号が居住者1および監視センター12および関係者13へ送られる。
【0050】
また、テレビ・ラジオなどの電子機器のオン・オフ、消費量の検知などにおいては、電子機器側においてセンサーによりオン・オフを検知し、ブルートゥースなどの近距離通信手段によりPCやスマートフォンなどのブルートゥース受信手段を介してインターネットへ送り込んでいる。本発明においては、見守りモジュール5にブルートゥースなどの近距離通信受信手段を組み込み、それら電子機器側から発信されるオン・オフ回数や消費量の通信データを受信し、見守りプラットフォーム15へ送り込み、電力、ガス、水道などと同様、オン・オフ回数や消費量の推移を記憶・学習し、設定された所定値からはずれ異常と判断される場合、自動的にアラート信号が居住者1および監視センター12および関係者13へ送られる。
【0051】
居住者1へのアラート信号は、スピーカー部21またはスマートスピーカー23からの「異常検知!大丈夫ですか!」などの言語アラートを行う。この言語アラートに加えて警告音ブザー、光点滅、バイブレーターなどの駆動をブルートゥースなどの近距離通信手段を介してスマートフォンや手元端末装置19にて同時に行う。アラート信号を検知した居住者1が特に異常でなければ、音声で「大丈夫」「元気です」など発声すれば、予めこれらの安心ワードに反応し、設定されたリセット状態に戻され、異常状態が解除される。これらのアラートにも関わらず居住者1による異常解除が行われない場合、緊急事態と認識され監視カメラ7による監視および必要に応じて監視者や関係者を派遣して状況確認を行う。
【0052】
上述の通り、常時接続の電話回線や無線LANによるネットワーク回線を利用して防災行政無線で通達される防災警報、行政通達が直接各居住者(要支援者)1へ直接届けられると共に、スマートスピーカー23などの双方向見守り手段に拡張することより状況連絡、支援や救助を求めることができるなど、種々の見守り、生活支援に利用することができる。この様にして居住者1は、健康状態、生活環境、必要性、要介護レベルなどに応じて見守りモジュール5の内必要なモジュールを追加、変更、修正することで要支援者のニーズに適応した見守り装置2を構成することができる。
【0053】
本発明では、個人住宅に限らず集合住宅や病院、介護施設においても各部屋に容易に見守り装置2が敷設できるため、複数の病人や要介護者を管理センターなどで集中管理するのにも適している。また、本発明による装置およびシステムでは、健常者であっても健康相談、生活支援が活用でき、高齢化や生活環境の変化、見守りの状態に応じて必要な見守り装置を追加的に装着するなど拡張性を有するシステムの構成を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明による見守り生活支援システムでは、居住者の見守り生活支援の状態に応じて追加・変更が可能となる拡張性を有しており、防災警報、行政通達を確実に居住者へ届けると共に、見守りおよび生活支援に必要な情報通信が可能となるシステムを構築できるため行政、医療、介護、健康管理などの分野で広く利用することができ、産業上の利用可能性が広がる。
【符号の説明】
【0055】
1 居住者(要支援者)、
2 見守り装置
3 電源手段
4 通信手段
5 見守りモジュール
6 音声インターフェース
7 監視カメラ
8 気候(温度・湿度)センサー
9 バイタルセンサー
10 インターネット回線(ネットワーク)
11 防災行政無線基地局(行政または基地局)
12 監視センター
13 関係者
14 広報スピーカー
15 見守りプラットフォーム
16 記憶学習手段
17 AIアシスタント
18 クラウドサーバー(クラウド)
19 手元端末装置
20 監視モニター
21 スピーカー部
22 マイク部
23 スマートスピーカー(AIスピーカー)
30 シーリングローゼットボディ
31 シーリングローゼットキャップ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4