(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109204
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】デジタルコンテンツ表示装置
(51)【国際特許分類】
H04N 21/43 20110101AFI20220720BHJP
H04N 21/658 20110101ALI20220720BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220720BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20220720BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220720BHJP
【FI】
H04N21/43
H04N21/658
G09G5/00 510B
G09G5/00 555D
G09G5/00 X
G09G5/36 510M
G09G5/00 550B
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075853
(22)【出願日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】P 2021003923
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】721000310
【氏名又は名称】渡邉 清仁
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 清仁
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 健吾
【テーマコード(参考)】
5C164
5C182
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA15
5C164TA08S
5C164TC15P
5C164UA03S
5C164UB04P
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB11
5C182AC43
5C182BA25
5C182BA28
5C182BA37
5C182BC03
5C182BC22
5C182BC26
5C182CC21
5C182DA62
5C182DA65
5C182DA70
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】デジタルサイネージまたは街頭ビジョン等のようなデジタルコンテンツ表示装置におけるビデオコンテンツの再生状態や表示状態を遠隔でリアルタイムにかつ視覚的に監視・チェック可能とした、使い勝手のよいデジタルコンテンツ表示装置を提供する。
【解決手段】
デジタルコンテンツ表示装置1は、デジタルサイネージまたは街頭ビジョンとして設置し使用されるものであって、ネットワークNに接続されたSTB端末2と、STB端末2で再生されるビデオコンテンツを表示するディスプレイ3と、を具備する。そして、STB端末2は、ビデオコンテンツをSTB端末2自身で再生可能とする再生機能と、STB端末2でのビデオコンテンツの再生に連動して同ビデオコンテンツの再生状態を出力することで、ネットワークN上の第2の端末TE1における同ビデオコンテンツの同期再生を可能とする再生状態出力機能と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルサイネージまたは街頭ビジョンとして設置し使用されるデジタルコンテンツ表示装置であって、
前記デジタルコンテンツ表示装置は、
ネットワークに接続されたSTB端末と、
前記STB端末で再生されるビデオコンテンツを表示するディスプレイと、を備え、
前記STB端末は、
前記ビデオコンテンツを前記STB端末自身で再生可能とする再生機能と、
前記STB端末でのビデオコンテンツの再生に連動して同ビデオコンテンツの再生状態を出力することで、前記ネットワーク上の第2の端末における同ビデオコンテンツの同期再生を可能とする再生状態出力機能と、を備えること
を特徴とするデジタルコンテンツ表示装置。
【請求項2】
前記STB端末は、Webサイトを閲覧表示可能なWebブラウザと、前記ビデオコンテンツを複数格納するコンテンツ格納部と、を有し、
前記再生機能は、前記コンテンツ格納部から前記ビデオコンテンツを一つずつ順次読み出して前記Webブラウザ上で再生する手段として機能し、
前記再生状態出力機能は、前記Webブラウザ上での前記ビデオコンテンツの再生開始を検知し、かつ、その再生開始のビデオコンテンツのファイル名又は該ファイル名を特定するIDと現在の再生時間とを前記再生状態として前記第2の端末に送出することで、前記再生中のビデオコンテンツを前記第2の端末のWebブラウザ上でリアルタイムに視聴可能とする手段として機能すること
を特徴とする請求項1に記載のデジタルコンテンツ表示装置。
【請求項3】
前記STB端末は、Webサイトを閲覧表示可能なWebブラウザと、前記ビデオコンテンツを複数格納するコンテンツ格納部と、を有し、
前記再生機能は、前記コンテンツ格納部からビデオコンテンツを一つずつ順次読み出して前記Webブラウザ上で再生する手段として機能し、
前記再生状態出力機能は、前記Webブラウザ上で再生中のビデオコンテンツから音と映像のストリームを取得するストリーム取得機能と、取得した前記ストリームを前記再生状態として前記第2の端末に送出することで、前記再生中のビデオコンテンツを前記第2の端末のWebブラウザ上でリアルタイムに視聴可能とするストリーム送出機能と、を含むこと
を特徴とする請求項1に記載のデジタルコンテンツ表示装置。
【請求項4】
前記ストリーム送出機能は、前記STB端末と前記第2の端末との間でピアツーピア接続を確立し、ピアツーピア通信によって前記STB端末から前記第2の端末に対して前記ストリームを送出するものであり、
前記ピアツーピア接続の確立と前記ピアツーピア通信は、前記STB端末および前記第2の端末がそれぞれ備える、WebRTC対応のWebブラウザ間で行われること
を特徴とする請求項3に記載のデジタルコンテンツ表示装置。
【請求項5】
前記ピアツーピア接続の確立では、前記STB端末と前記第2の端末との間でのオファーとアンサーによるSDPの交換およびその登録が行なわれ、
前記ビデオコンテンツの再生が完了したら、その再生完了によって発生する第1のイベントを検知する処理と、前記第1のイベントの検知に応じて前記再生完了の前記コンテンツビデオに対応する前記ストリームを削除する処理と、このストリームの削除によって発生する第2のイベントを検知する処理と、このイベントの検知に応じて前記SDPの交換およびその登録のやり直しを行う処理と、を実行することにより、
次に再生するビデオコンテンツに対応する前記ストリームの送出を可能とすること、
又は、
前記ビデオコンテンツの再生が完了したら、そのコンテンツビデオに対応する前記ストリームを削除する処理と、その削除後に前記SDPの交換およびその登録のやり直しを行う処理とを実行することにより、
次に再生するビデオコンテンツに対応する前記ストリームの送出を可能とすること
を特徴とする請求項3または4に記載のデジタルコンテンツ表示装置。
【請求項6】
前記STB端末は、更に、
前記ビデオコンテンツごとにその再生完了を検知し、該検知をトリガとして再生完了ログを出力する再生完了ログ出力機能
を具備することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のデジタルコンテンツ表示装置。
【請求項7】
前記STB端末は、更に、
前記ビデオコンテンツの再生完了を検知した時点又は再生開始を検知した時点若しくは再生完了ログが出力された時点からタイマーを起動し、該タイマーのカウント値が所定時間を経過した時点で次のビデオコンテンツが再生されなかった場合に、再生エラーログを出力する再生エラーログ出力機能
を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のデジタルコンテンツ表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載された第1の端末の機能を備えたSTB端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタルサイネージまたは街頭ビジョン等のように、ビデオコンテンツを表示するディスプレイを備えたデジタルコンテンツ表示装置に関し、特に、そのデジタルコンテンツ表示装置におけるビデオコンテンツの再生状態や表示状態を遠隔でリアルタイムにかつ視覚的に監視・チェック可能としたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のデジタルコンテンツ表示装置としては、例えば、特許文献1に記載されたデジタルサイネージ(2)とその監視システム(3)が知られている。
【0003】
この特許文献1のデジタルサイネージ(2)では、監視器(3)の検知部(6)においてデジタルサイネージ(2)の温度や電圧、輝度が検知される。そして、その検知結果が正常作動状態と異なる場合は、異常情報とともに、検知した温度情報等をサーバ(4)へ出力することで(同文献1の段落[0071]を参照)、デジタルサイネージ(2)から離れた場所にいながら、サーバ(4)に接続された表示装置の画面を見て、当該デジタルサイネージ(2)の状況を知ることができるように構成されている(同文献1の段落[0073]を参照)。
【0004】
しかし、特許文献1のような従来のデジタルサイネージとその監視システムで監視可能な情報は、デジタルサイネージの温度や電圧、輝度のような機器情報のみであり、今現在どのようなビデオコンテンツがデジタルサイネージで再生されているかとか、そのデジタルサイネージのディスプレイで表示されているのか等、デジタルサイネージにおけるビデオコンテンツの再生状態や表示状態を遠隔でリアルタイムにかつ視覚的に監視・チェックすることはできず、そのような監視・チェックを可能とするデジタルコンテンツ表示装置は従来存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、デジタルサイネージまたは街頭ビジョン等のようなデジタルコンテンツ表示装置におけるビデオコンテンツの再生状態や表示状態を遠隔でリアルタイムにかつ視覚的に監視・チェック可能とした使い勝手のよいデジタルコンテンツ表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、デジタルサイネージまたは街頭ビジョンとして設置し使用されるデジタルコンテンツ表示装置であって、前記デジタルコンテンツ表示装置は、ネットワークに接続された第1の端末と、前記第1の端末で再生されるビデオコンテンツを表示するディスプレイと、を備え、前記第1の端末は、前記ビデオコンテンツを前記第1の端末自身で再生可能とする再生機能と、前記第1の端末でのビデオコンテンツの再生に連動して同ビデオコンテンツの再生状態を出力することで、前記ネットワーク上の第2の端末における同ビデオコンテンツの同期再生を可能とする再生状態出力機能と、を備えることを特徴とする。
【0008】
前記本発明において、前記第1の端末は、Webサイトを閲覧表示可能なWebブラウザと、前記ビデオコンテンツを複数格納するコンテンツ格納部と、を有し、前記再生機能は、前記コンテンツ格納部から前記ビデオコンテンツを一つずつ順次読み出して前記Webブラウザ上で再生する手段として機能し、前記再生状態出力機能は、前記Webブラウザ上での前記ビデオコンテンツの再生開始を検知し、かつ、その再生開始のビデオコンテンツのファイル名又は該ファイル名を特定するIDと現在の再生時間とを前記再生状態として前記第2の端末に送出することで、前記再生中のビデオコンテンツを前記第2の端末のWebブラウザ上でリアルタイムに視聴可能とする手段として機能することを特徴としてもよい。
【0009】
前記本発明において、前記STB端末は、Webサイトを閲覧表示可能なWebブラウザと、前記ビデオコンテンツを複数格納するコンテンツ格納部と、を有し、前記再生機能は、前記コンテンツ格納部からビデオコンテンツを一つずつ順次読み出して前記Webブラウザ上で再生する手段として機能し、前記再生状態出力機能は、前記Webブラウザ上で再生中のビデオコンテンツから音と映像のストリームを取得するストリーム取得機能と、取得した前記ストリームを前記再生状態として前記第2の端末に送出することで、前記再生中のビデオコンテンツを前記第2の端末のWebブラウザ上でリアルタイムに視聴可能とするストリーム送出機能と、を含むことを特徴としてもよい。
【0010】
前記本発明において、前記ストリーム送出機能は、前記第1の端末と前記第2の端末との間でピアツーピア接続を確立し、ピアツーピア通信によって前記第1の端末から前記第2の端末に対して前記ストリームを送出するものであり、前記ピアツーピア接続の確立と前記ピアツーピア通信は、前記第1の端末および前記第2の端末がそれぞれ備える、WebRTC対応のWebブラウザ間で行われることを特徴としてもよい。
【0011】
前記本発明において、前記ピアツーピア接続の確立では、前記第1の端末と前記第2の端末との間でのオファーとアンサーによるSDPの交換およびその登録が行なわれ、前記ビデオコンテンツの再生が完了したら、その再生完了によって発生する第1のイベントを検知する処理と、前記第1のイベントの検知に応じて前記再生完了の前記コンテンツビデオに対応する前記ストリームを削除する処理と、このストリームの削除によって発生する第2のイベントを検知する処理と、このイベントの検知に応じて前記SDPの交換およびその登録のやり直しを行う処理と、を実行することにより、次に再生するビデオコンテンツに対応する前記ストリームの送出を可能とすること、又は、前記ビデオコンテンツの再生が完了したら、そのコンテンツビデオに対応する前記ストリームを削除する処理と、その削除後に前記SDPの交換およびその登録のやり直しを行う処理とを実行することにより、次に再生するビデオコンテンツに対応する前記ストリームの送出を可能とすることを特徴としてもよい。
【0012】
前記本発明において、前記第1の端末は、更に、前記ビデオコンテンツごとにその再生完了を検知し、該検知をトリガとして再生完了ログを出力する再生完了ログ出力機能を具備することを特徴としてもよい。
【0013】
前記本発明において、前記第1の端末は、更に、前記ビデオコンテンツの再生完了を検知した時点又は再生開始を検知した時点若しくは再生完了ログが出力された時点からタイマーを起動し、該タイマーのカウント値が所定時間を経過した時点で次のビデオコンテンツが再生されなかった場合に、再生エラーログを出力する再生エラーログ出力機能を備えることを特徴としてもよい。
【0014】
また、本発明は、前記第1の端末の機能を備えたSTB端末である。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、デジタルコンテンツ表示装置の具体的な構成として、前述の通り、第1の端末では、その再生機能により、ビデオコンテンツを再生するだけでなく、これに加えて更に、ビデオコンテンツの再生に連動して同ビデオコンテンツの再生状態を出力することで、ネットワーク上の第2の端末における同ビデオコンテンツの同期再生を可能とする構成を採用した。このため、本デジタルコンテンツ表示装置の運用管理者としては、第1の端末やディスプレイの設置場所にわざわざ行かなくても、第1の端末におけるビデオコンテンツの再生状態や、ディスプレイでのビデオコンテンツの表示状態(例えば今現在どのようなビデオコンテンツが第1の端末で再生されているかとか、ディスプレイで表示されているか等)を遠隔の端末、具体的にはネットワーク上の第2の端末でリアルタイムにかつ視覚的にチェック・監視が可能となり、この点において使い勝手に優れたデジタルコンテンツ表示装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明を適用したデジタルコンテンツ表示装置とその装置を含むネットワーク構成の概要図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明を適用したデジタルコンテンツ表示装置とその装置を含むネットワーク構成の概要図、
図2は、第1の端末の機能概略構成図、
図3は、第1の端末の機能詳細構成図である。
【0018】
《デジタルコンテンツ表示装置1の概要》
図1および
図2を参照すると、
図1のデジタルコンテンツ表示装置1は、デジタルサイネージまたは街頭ビジョンとして設置し使用されるものであって、ネットワークN(
図1の例ではインターネット)に接続された第1の端末2(以下「STB端末2」という)と、STB端末2で再生されるビデオコンテンツを表示するディスプレイ3と、を備えている。
【0019】
《ディスプレイ3の詳細構成》
ディスプレイ3は、HDMI(登録商標)ケーブルを介してSTB端末2に接続され、かつ後述するSTB端末2が備えるWebブラウザの表示内容を表示するように構成されている。
【0020】
この種のディスプレイ3としては、例えばLEDビジョン、液晶モニター、有機ELディスプレイなどの平面ディスプレイまたは曲面ディスプレイを採用することができる。
【0021】
図1のデジタルコンテンツ表示装置1を街頭ビジョンとして使用する場合、ディスプレイ3は、商店街の出入口付近の工作物や、建物の壁面、窓面、建物屋上の工作物などに設置される。また、同図のデジタルコンテンツ表示装置1をデジタルサイネージとして使用する場合、ディスプレイ3は、主に店頭あるいは店内に配置されるが、これら以外の場所に当該ディスプレイ3を設置してもよいし、またディスプレイ3はスタンドに取り付けて所定の場所に設置してもよい。
【0022】
《STB端末2の概要》
STB端末2は、ビデオコンテンツをSTB端末2自身で再生可能とする再生機能(
図3参照)と、STB端末2でのビデオコンテンツの再生に連動して同ビデオコンテンツの再生状態を出力することで、ネットワークN上の第2の端末TE1における同ビデオコンテンツの同期再生を可能とする再生状態出力機能(
図3参照)と、を備える。
【0023】
《再生機能、再生状態出力機能の詳細構成》
図1のデジタルコンテンツ表示装置1では、
図2、
図3に示したように、STB端末2が、Webサイトを閲覧し表示するWebブラウザと、ディスプレイ3で表示するビデオコンテンツをローカルデータとして複数格納するコンテンツ格納部4と、を有している。
【0024】
そして、再生機能は、コンテンツ格納部4からビデオコンテンツを一つずつ順次読み出し前記Webブラウザ上で再生表示する手段として機能する。
【0025】
再生状態出力機能は、前記Webブラウザ上で再生中のビデオコンテンツから音と映像のストリームを取得する『ストリーム取得機能』と、取得した前記ストリームを再生状態としてネットワークN上の第2の端末TE1(以下「監視端末TE1」という)に送出することで、該監視端末TE1のWebブラウザにおいて、前記再生中のビデオコンテンツをリアルタイムに視聴可能とする『ストリーム送出機能』と、を具備する。これらの機能等の詳細は後述する。
【0026】
図1のデジタルコンテンツ表示装置1では、STB端末2として市販のパーソナルコンピュータを採用するとともに、そのパーソナルコンピュータにOS:Linux(登録商標)とアプリケーションソフトウエア(具体的にはNode.jsとそのモジュールSoket.io等)をインストールすることにより、当該STB端末2が、ネットワークNを通じてアクセス可能なWebサイト(例えば後述の放映サイトP1やチェック・監視サイトP2)を公開するWebサーバsv1としての機能、および、複数の端末(例えばSTB端末2と監視端末TE1)間でネットワークNを通じてデータのリアルタイム送受信を可能とするソケット通信サーバsv2としての機能を備えるように構成してある。
【0027】
また、
図1のデジタルコンテンツ表示装置1では、STB端末2がルータRを介してネットワークN(具体的には、インターネット)に接続される構成を採用しており、この構成において、STB端末2のプライベートIPアドレスは所定の値に固定している(
図1の例では192.168.0.99)。
【0028】
STB端末2におけるコンテンツ格納部4の具体的な実施形態として、
図1のSTB端末1では、前述のWebサーバsv1機能によって公開されるWebサイト(具体的には後述の放映サイトP1)でビデオコンテンツを再生する都合上、Webサーバsv1の公開ディレクトリにコンテンツ格納部4を設ける構成を採用したが、これに限定されることはない。前記のような公開ディレクトリ以外の他のディレクトリをコンテンツ格納部4として使用してもよい。
【0029】
《再生機能》
STB端末2における『再生機能』の具体的な実施形態として、
図1のSTB端末2では、先に説明したWebサーバsv1の公開ディレクトリにhtml又はPHP言語で記述した放映サイトP1(ページ)を設置し、その放映サイトP1がSTB端末2のWebブラウザで閲覧表示されたときに、同放映サイトP1内でビデオコンテンツの読み出しとWebブラウザ上でのビデオコンテンツの再生が行なわれる方式を採用した。
【0030】
ディスプレイ3は前述の通りSTB端末2が備えるWebブラウザの表示内容を表示するため、STB端末2のWebブラウザで閲覧表示された放映サイトP1の内容、すなわち、そのWebブラウザ上で再生されているビデオコンテンツの内容がそのまま当該ディスプレイ3に表示されることになる。
【0031】
ビデオコンテンツの再生開始までの遅延時間を最小限とするために、
図1のデジタルコンテンツ表示装置1では、STB端末2のWebブラウザで前述の放映サイトP1を閲覧する方式(以下「ローカル再生方式」という)を採用したが、これに限定されることはない。
【0032】
前記ローカル再生方式の場合、STB端末2のWebブラウザで再生されるビデオコンテンツは、同STB端末2内(具体的には、コンテンツ格納部4)に格納されており、ネットワークN上の図示しないクラウドなどからダウンロードして再生するものではないので、再生開始の遅延時間は殆どなく、一つのビデオコンテンツの再生完了から次のビデオコンテンツの再生開始までの間の空白時間(ロードタイム)を効果的に低減することができる。
【0033】
STB端末2のWebブラウザにおけるビデオコンテンツの読出しと再生は、そのWebブラウザで閲覧表示する放映サイトP1の構成として、たとえば(1)当該放映サイトP1が拡張子mp4等のビデオコンテンツを再生するためのhtml5のビデオタグを含み、該ビデオタグ内で指定されたファイル名のビデオコンテンツが再生されるサイト構成を採用すること、および(2)STB端末2のWebブラウザによる放映サイトP1の閲覧表示時に実行されるプログラム(具体的には、ジャバスクリプト)として、下記(2-1)から(2-4)の処理が放映サイトP1に組み込まれることによって実現できる。
【0034】
(2-1)初期処理
初期処理では、コンテンツ格納部4に格納されているビデオコンテンツの図示しない再生リスト(個々のビデオコンテンツのファイル名の一覧)を所定の配列(以下「再生リスト配列」という)に格納し、また、ビデオコンテンツごとにその再生完了を検知するイベントリスナーを設定する。
(2-2)初期再生処理
初期再生処理では、前記再生リスト配列の最初に格納されているビデオコンテンツのファイル名が前記ビデオタグ内にセットされることにより、セットされたファイル名のビデオコンテンツが最初に自動再生されるものとする。
(2-3)ファイル名書換え処理
ファイル名書換え処理では、前述のイベントリスナーで再生完了を検知したら、次に再生するビデオコンテンツのファイル名を前記再生リスト配列から取得し、取得したファイル名で前記ビデオタグ内のファイル名を書換えることにより、書き換えたファイル名のビデオコンテンツが再生されるものとする。
(2-4)ループ再生処理
ループ再生処理では、先に説明した再生リスト配列の最後に格納されているファイル名のビデオコンテンツの再生が完了したら、前記(2-2)初期再生処理に戻ることで、再生リスト配列に格納されているファイル名のビデオコンテンツが繰り返し(ループ)再生されるものとする。
【0035】
《ストリーム取得機能(再生状態出力機能の一部)》
図1のSTB端末2では、html5のビデオタグによってビデオコンテンツを再生する構成を採用したことから、『ストリーム取得機能』の具体的な実施形態として、
図1のSTB端末2では、STB端末2のWebブラウザによる放映サイトP1の閲覧表示時に実行されるジャバスクリプトの中に『captureStream()』又は『mozCaptureStream()』若しくはこれらと同等のプログラムコードを記述し、記述した当該プログラムコードがビデオコンテンツの再生に連動して機能することにより、再生中のビデオコンテンツに対応する音声と映像のストリーム(メディアストリーム)をオブジェクトとして取得する方式を採用した。
【0036】
《ストリーム送出機能(再生状態出力機能の一部)》
『ストリーム送出機能』の具体的な実施形態として、
図1のSTB端末2では、STB端末2とネットワークN上の監視端末TE1との間でピアツーピア接続(P2P接続)を確立し、ピアツーピア通信(P2P通信)によって前述のストリームをSTB端末2から該監視端末TE1へ送出するように構成した。
【0037】
前記『captureStream()』や『mozCaptureStream()』等のプログラムコードの実行によって取得したストリームのオブジェクトは、昨今のWebブラウザの機能として実装されているWebRTC(Web Real-Time Communication)を介したストリーミングのソースとして使用できるため、前記のようなピアツーピア接続の確立とピアツーピア通信は、STB端末2やネットワークN上の監視端末TE1がそれぞれ備えるWebRTC対応のWebブラウザ間で行う方式(ブラウザ通信方式)を採用した。
【0038】
このブラウザ通信方式を採用する場合、具体的には、STB端末2のWebブラウザによる放映サイトP1の閲覧表示時に実行されるジャバスクリプト、および、ネットワークN上の監視端末TE1のWebブラウザによるチェック・監視サイトP2の閲覧表示時に実行されるジャバスクリプトの中に、それぞれnew RTCPeerConnection()でピアコネクションインスタンスPcを作成する処理と、そのピアコネクションインスタンスPc作成後にオファーとアンサーによるSDP(Session Description Protocol)の交換とその登録を行う処理を記述すればよい。そうすれば、STB端末2のWebブラウザとネットワークN上の監視端末TE1のWebブラウザとの間で、ピアツーピア接続の確立を試みることが可能となる。
【0039】
そして、ピアツーピア接続が確立した後は、STB端末2とネットワークN上の監視端末TE1との間で直接リアルタイム通信が可能となるため、STB端末2では、ネットワークN上の監視端末TE1に対して前述のストリームを送出する。この一方、ネットワークN上の監視端末TE1では、STB端末2から送出された前記ストリームを受信し、受信したストリームをWebブラウザ上で再生することにより、STB端末2で現在再生されているビデオコンテンツを略同時(1秒以下の遅延程度)に視聴可能となる。
【0040】
前記のように受信したストリームをWebブラウザ上で再生可能とする手段として、
図1のSTB端末2では、先に説明したWebサーバsv1の公開ディレクトリにhtml又はPHP言語で記述したチェック・監視サイトP2(Webページ)を設置する構成、および、そのチェック・監視サイトP2がネットワークN上の監視端末TE1のWebブラウザで閲覧表示されたときに、監視端末TE1のWebブラウザで当該ストリームを受信し、受信したストリームに基づいて監視端末TE1のWebブラウザ上でビデオコンテンツが再生される方式を採用した。
【0041】
ところで、
図1のSTB端末2では、複数のコンテンツビデオを一つずつ連続で再生すること、再生されるビデオコンテンツのストリームはビデオコンテンツごとに異なることから、ビデオコンテンツの再生が完了し、次のビデオコンテンツの再生が開始される度にその都度ストリームの変更が生じる。
【0042】
ストリームの変更が生じると、WebブラウザのWebRTCでは、STB端末2とネットワークN上の監視端末TE1との間で再度ネゴシエーション、すなわち前述のSDPの交換とその登録のやり直しが必要になる。ストリーム変更前に行ったネゴシエーションでは変更後のストリームの送受信に支障が生じる。
【0043】
以上のことから、
図1のSTB端末2では、ストリームの変更対応処理として、(1)ビデオコンテンツの再生が完了したら、そのコンテンツビデオに対応する現在のストリームを削除する処理と、(2)その削除後にネゴシエーション(SDPの交換とその登録)のやり直しを行う処理とを実行することで、ストリームの変更が生じても、複数のビデオコンテンツを一つずつ確実に連続して再生できるように構成した。
【0044】
なお、前記のようなストリームの変更対応処理の他の実施形態として、(1)ビデオコンテンツの再生が完了したら、その再生完了によって発生する第1のイベントを検知する処理と、(2)第1のイベントの検知に応じて再生完了のコンテンツビデオに対応するストリームを削除する処理と、(3)このストリームの削除によって発生する第2のイベントを検知する処理と、(4)このイベントの検知に応じてネゴシエーション(SDPの交換およびその登録)のやり直しを行う処理とを実行することで、次に再生するビデオコンテンツに対応するストリームの送出を可能とするように構成してもよい。
【0045】
先に説明したSTB端末2とネットワークN上の監視端末TE1との間でのオファーとアンサーによるSDP(Session Description Protocol)の交換は、基本的には手動でも可能であるが、
図1のデジタルコンテンツ表示装置1では、通信サーバを使って当該交換を行うように構成している。
【0046】
この種の通信サーバとして、
図1のデジタルコンテンツ表示装置1では、STB端末2の機能である前述のソケット通信サーバsv2を使用したが、これに限定されることはない。ソケット通信サーバsv2は例えばPython等によるプログラムでも構築できるが、
図1のSTB端末2ではNode.jsのモジュールであるSoketo.ioで構築している。
【0047】
図1のSTB端末2は、さらに下記《再生完了ログ出力機能》、《再生エラーログ出力機能》、《Webブラウザリロード機能》、《再生リスト更新機能》および《ビデオコンテンツ全画面表示機能》を備える。
【0048】
《再生完了ログ出力機能》
再生完了ログ出力機能とは、ジャバスクリプトで構成され、STB端末2のWebブラウザによる放映サイトP1の閲覧表示時に実行されるものであって、具体的には、ビデオコンテンツごとにその再生完了を検知し、該検知をトリガとして再生完了ログを出力する機能である。
【0049】
再生完了の検知については、前述のビデオタグに対して予めID(以下「ビデオタグID」という)を付しておき、そのビデオタグIDに基づきビデオ要素を取得し、取得したビデオ要素に対してビデオコンテンツの再生完了(ended)を検知するためのイベントリスナーをジャバスクリプトで設定すればよい。
【0050】
再生完了ログには、少なくとも、再生完了の時刻および再生完了コンテンツのファイル名が含まれることで、いつどのコンテンツの再生が完了したのか、この点が明確に分かるものとする。
【0051】
前記のような再生完了ログ出力機能は、プログラム(具体的には、STB端末2のWebブラウザによる放映サイトP1の閲覧表示時に実行されるジャバスクリプト)で実装することができる。
【0052】
また、再生完了ログの出力は、その都度、STB端末2のソケット通信サーバsv2機能によってチェックサイトP2に送出され、チェックサイトP2では、その再生完了ログを受信し時系列的に再生完了ログ表示部で表示できるように構成した。
【0053】
これにより、ネットワークN上の監視端末TE1のWebブラウザでチェック・監視サイトP2を閲覧した場合には、STB端末2で再生中のビデオコンテンツが監視端末TE1のWebブラウザでリアルタイムに再生されることによる視覚的なチェック・監視ができるだけでなく、その再生完了ログがリアルタイムに表示されることによるチェック・監視も可能となる等、2重監視体制で的確にSTB端末2の死活を判断できる。
【0054】
《再生エラーログ出力機能》
再生エラーログ機能とは、ジャバスクリプトで構成され、STB端末2のWebブラウザによる放映サイトP1の閲覧表示時に所定のタイミングで実行されるものであって、具体的には、ビデオコンテンツの再生完了を検知した時点又は再生開始を検知した時点若しくは再生完了ログが出力された時点からタイマーを起動し、タイマーのカウント値が所定時間を経過した時点で次のビデオコンテンツが再生されなかった場合に、再生エラーログを出力する機能である。なお、再生エラーログは、少なくとも再生エラーの発生時刻および再生エラーが発生したビデオコンテンツのファイル名を含むものとする。
【0055】
例えば、ビデオコンテンツの再生完了又は再生開始の検知は、前述のビデオタグIDに基づきビデオ要素を取得し、取得したビデオ要素に対してビデオコンテンツの再生完了(ended)又は再生開始(play)を検知するためのイベントリスナーをジャバスクリプトで設定する構成、および、そのイベントリスナーによる再生完了の検知から所定時間(例えば5秒とか10分等)内に再生開始の検知が無かったこと、又は、イベントリスナーによる再生開始の検知から所定時間(前例参照)内に次の再生開始の検知が無かった場合に、再生エラーログを出力する構成を採用してもよい。
【0056】
また、この再生エラーログの出力も、先に説明した再生完了ログの出力と同様に、STB端末2のソケット通信サーバsv2機能によってチェック・監視サイトP2に送出される。チェック・監視サイトP2では、その再生エラーログを受信し図示しない再生エラーログ表示部で表示できるように構成した。したがって、ネットワーク上の端末のWebブラウザでチェック・監視サイトP2を閲覧した場合は更に、その再生エラーログから再生エラー情報(再生エラーの発生時刻および再生エラーが発生したビデオコンテンツのファイル名)を知ることができる。
【0057】
《Webブラウザリロード機能》
Webブラウザリロード機能とは、ジャバスクリプトで構成され、STB端末2のWebブラウザによる放映サイトP1の閲覧表示時に所定のタイミングで実行されるものであって、具体的には、前記再生エラーログが出力された時点でSTB端末2のWebブラウザをリロードすることにより、中断していたビデオコンテンツの再生を可能とするものである。この機能は、例えばWebブラウザの機能障害等によってビデオコンテンツの再生が中断した場合の対策として有効である。
【0058】
《再生不可コンテンツスキップ機能》
再生不可コンテンツスキップ機能とは、前述のリロードに代えて、または前述のリロード後に再度同じ再生エラーログが出力された時点で、再生エラーが発生したビデオコンテンツの再生をスキップし、次のビデオコンテンツの再生に移行する処理である。
【0059】
《再生リスト更新機能》
再生リスト更新機能とは、ジャバスクリプトで構成され、ネットワークN上の監視端末TE1のWebブラウザによるチェック・監視サイトP2の閲覧表示時に所定のタイミングで実行されるものであって、具体的には、放映サイトP1で再生されるビデオコンテンツのファイル名一覧をチェック・監視サイトP2の再生リスト表示部LSで再生順に表示し、その表示上においてファイル名のドラッグアンドドロップ操作により再生順を入れ替えることにより、放映サイトP1におけるビデオコンテンツの再生順を変更する機能である。
【0060】
前記のようなドラッグアンドドロップ操作によって再生順を入れ替えた後のファイル名一覧は、所定の配列(以下「新規再生リスト配列」という)に格納し、STB端末2のソケット通信サーバsv1機能によって放映サイトP1に送出される。
【0061】
そして、新規再生リスト配列を受信した放映サイトP1では、現在のビデオコンテンツの再生リスト、すなわち先に説明した再生リスト配列の要素を新規再生リスト配列の要素で置き換えることにより、新しい再生順でビデオコンテンツを再生可能としている。
【0062】
《ビデオコンテンツ全画面表示機能》
ビデオコンテンツ全画面表示機能とは、STB端末2のWebブラウザによる放映サイトP1の閲覧表示時に実行されるものであって、放映サイトP1で再生されるビデオコンテンツだけをSTB端末2のWebブラウザで全画面表示(フルスクリーンモード)する機能である。この機能はたとえばWebブラウザを公知のKIOSKモードで起動することによって実現してもよい。
【0063】
《その他の機能》
チェック・監視サイトP2におけるその他の機能として、STB端末2のコンテンツ格納部4に対してビデオコンテンツをアップロードする機能や、そのコンテンツ格納部4の中に格納されているビデオコンテンツを削除する機能を採用してもよい。
【0064】
《デジタルコンテンツ表示装置1の作用ないしは使用方法》
ディスプレイ3でビデオコンテンツの放映を開始するには、STB端末2のWebブラウザを起動し、起動したWebブラウザのアドレス入力欄に放映サイトP1のIPアドレスを入力することで、放映サイトP1をWebブラウザで閲覧表示すればよい。
【0065】
この際、STB端末2のプライベートIPアドレスは前例の192.168.0.99で固定されていること、および、放映サイトP1を設置したWebサーバsv1はSTB端末2の機能として同STB端末2に構築されていることから、前述のアドレス入力欄に入力するIPアドレスとしては例えば『192.168.0.99:3000/放映サイトファイル名(pub.html)』又は『127.0.0.1:3000/放映サイトファイル名(pub.html)』若しくは『localhost:3000放映サイトファイル名(pub.html)』でよい。なお、3000番はWebサーバsv1のリスンニングポートであり、必要に応じて適宜変更できる。
【0066】
この一方、STB端末2で今現在どのようなビデオコンテンツが再生されていかや、ディスプレイ3で今現在どのようなビデオコンテンツが表示されているかなど、STB端末2の再生状態やディスプレイ3の表示状態をチェック・監視したい場合は、ネットワークN上の監視端末TE1を使用する。
【0067】
具体的には、監視端末TE1のWebブラウザを起動し、そのWebブラウザのアドレス入力欄に、チェック・監視サイトP2のIPアドレス(具体的には、STB端末2のグローバルIPアドレス又はこれに対応するドメイン名とチェック・監視サイトP2のファイル名からなるアドレス、例えばhttps://123.123.xx.xx:3000/monitor.html)を入力することで、チェック・監視サイトP2を閲覧表示すればよい。
【0068】
《再生状態出力機能の他の実施形態》
先に説明した再生状態出力機能の他の実施形態(以下「第2の再生状態出力機能」という)として、かかる第2の再生状態出力機能は、Webブラウザ上でのビデオコンテンツの再生開始を検知し、かつ、その再生開始のビデオコンテンツのファイル名又は該ファイル名を特定するIDと現在の再生時間とを再生状態としてネットワーク上の監視端末に送出することで、STB端末において再生中のビデオコンテンツを前記監視端末のWebブラウザ上でリアルタイムに視聴可能とする手段として機能するように構成してもよい。この第2の再生状態出力機能もジャバスクリプトで構成することができる。
【0069】
ここで、前記『再生時間』とは、ビデオコンテンツの再生開始を0秒とし、この0秒の再生開始からカウントされる時間を意味する。以下でも同様である。
【0070】
ジャバスクリプトで第2の再生状態出力機能を実現するとしたら、例えば、ビデオコンテンツの再生開始の検知は、前述したビデオタグIDに基づきビデオ要素(video)を取得する処理(video=document.getElementById("ビデオID"))、および、取得したビデオ要素に対してビデオコンテンツの再生完了(ended)又は再生開始(play)を検知するためのイベントリスナー(video.addEventListener(‘ended’又は’play’))を設定する処理をプログラム中に記述すればよい。
【0071】
また、STB端末2では、前述のファイル名書換え処理において、再生するビデオコンテンツのファイル名を再生リスト配列から取得し、取得したファイル名でビデオタグ内のファイル名を書換えることにより、書き換えたファイル名のビデオコンテンツが再生される構成を採用しているので、再生開始のビデオコンテンツのファイル名は、そのように取得したビデオコンテンツのファイル名を採用すればよい。
【0072】
ビデオコンテンツの再生時間は、先に説明したビデオタグIDに基づきビデオ要素を取得し、取得したビデオ要素(video)のカレントタイム(video.currentTime)から取得すればよい。
【0073】
以上のように取得したビデオコンテンツのファイル名と現在の再生時間、すなわちビデオコンテンツの再生状態は、STB端末2が備える前述のソケット通信サーバsv2としての機能を利用して、STB端末2からネットワークを介して同ネットワークN上の監視端末に送出される。この場合、ソケット通信サーバsv2は、STB端末2から監視端末TE1へのビデオコンテンツの再生状態の送信を中継する手段として機能する。
【0074】
以上説明した第2の再生状態出力機能を採用する場合、前述のチェック・監視サイトP2は、監視端末TE1のWebブラウザで閲覧表示されたときに、ソケット通信サーバsv2を介してSTB端末から送信されてくるビデオコンテンツの再生状態を待ち受け受信する処理(第1の処理)と、その受信した再生状態の中からファイル名を取得し、そのファイル名と同じファイル名のビデオコンテンツをコンテンツ格納部4から読み出し再生可能とする処理(第2の処理)と、その受信した再生状態の中から再生時間を取得し、その再生時間からビデオコンテンツの再生を開始する処理(第3の処理)が実行されるものとする。これらの処理もまたジャバスクリプトで実現できる。
【0075】
したがって、ネットワークN上の監視端末TE1でチェック・監視サイトP2のWebブラウザを閲覧表示した場合、監視端末TE1では、前記第1から第3の一連の処理により、STB端末2において現在再生が開始されたビデオコンテンツ若しくは現在再生中のビデオコンテンツの同期再生が行われ、同じビデオコンテンツをリアルタイムに視聴可能となる。
【0076】
以上説明した実施形態のデジタルコンテンツ表示装置1にあっては、その具体的な構成として、前述の通り、STB端末では、再生機能により、ビデオコンテンツを再生するだけでなく、これに加えて更に、ビデオコンテンツの再生に連動して同ビデオコンテンツの再生状態を出力することで、ネットワーク上の監視端末における同ビデオコンテンツの同期再生を可能とする構成を採用した。このため、本デジタルコンテンツ表示装置の運用管理者としては、第1の端末やディスプレイの設置場所にわざわざ行かなくても、STB端末におけるビデオコンテンツの再生状態や、ディスプレイでのビデオコンテンツの表示状態(例えば、今現在どのようなビデオコンテンツが第1の端末で再生されているかとか、ディスプレイで表示されているか等)を遠隔の監視端末でリアルタイムにかつ視覚的にチェック・監視が可能となり、この点において使い勝手に優れたものである。
【0077】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。
【0078】
例えば、
図4に示したように、STB端末は2台のPCで構成することができ、この場合、1台目のPCは再生専用端末として構成するために、それに必要な最低限の機能として少なくともWEBブラウザを具備し、それ以外の他の機能、例えば、前述のソケット通信サーバsv2やWebサーバsv1としての機能は、2台目のPC(以下「システム端末」という)に持たせてもよい。
【0079】
また、前記のようにSTB端末を2台のPC、すなわち再生専用端末とシステム端末とで構成する場合は、(1)それぞれのPCがルータRによって構成される同一のLANに接続される構成、(2)再生専用端末で再生完了ログがその都度生成され、かつ、生成された再生完了ログはシステム端末におけるソケット通信サーバsvの機能を利用して、再生専用端末からシステム端末にその都度送信される構成、および(3)前記システム端末で再生完了ログを受信した時点から所定時間内(例えば10分以内)に次の再生完了ログを受信しなかった場合に、再生エラーログを発行する構成を採用してもよい。
【0080】
図3のようにSTB端末を1台のPCで構成した場合は、電源断等によってそのPCが機能しなくなったら、再生エラーログの発行も不可能になる。しかし、前記のようにSTB端末を2台のPCで構成した場合は、例えば電源断で再生専用端末が機能しなくなっても、システム端末は正常に機能していること、および、電源断後は次のビデオコンテンツの再生完了ログが再生専用端末からシステム端末側へ送信されなくなることから、システム端末では再生エラーログを正常に発行することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 デジタルコンテンツ表示装置
2 STB端末(第1の端末)
3 ディスプレイ
4 コンテンツ格納部
LS 再生リスト表示部
N ネットワーク
R ルータ
TE1 ネットワーク上の監視端末(第2の端末)
sv1 Webサーバ
sv2 ソケット通信サーバ