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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109225
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】塗料組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20220720BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20220720BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20220720BHJP
   C09D 183/10 20060101ALI20220720BHJP
   C09D 133/00 20060101ALI20220720BHJP
   C09D 7/48 20180101ALI20220720BHJP
【FI】
C09D201/00
C09D7/61
C09D7/63
C09D183/10
C09D133/00
C09D7/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208071
(22)【出願日】2021-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2021004190
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】399054321
【氏名又は名称】東洋アルミニウム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124648
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 和夫
(74)【代理人】
【識別番号】100060368
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 迪夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154450
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 亜紀子
(72)【発明者】
【氏名】澤田 侑太朗
【テーマコード(参考)】
4J038
【Fターム(参考)】
4J038CG001
4J038DL151
4J038GA06
4J038HA066
4J038JB01
4J038JC32
4J038KA02
4J038KA03
4J038KA08
4J038KA20
4J038NA03
(57)【要約】
【課題】従来よりも耐久性が向上した塗料組成物を提供する。
【解決手段】塗料組成物は、有機-無機ハイブリッド樹脂と、硬化剤と、金属フレークを含む。硬化剤はシランカップリング剤である。金属フレークの含有量は、塗料組成物の不揮発分の10重量%以上80重量%以下である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機-無機ハイブリッド樹脂と、
硬化剤と、
金属フレークを含み、
前記硬化剤はシランカップリング剤であり、
前記金属フレークの含有量は、塗料組成物の不揮発分の10重量%以上80重量%以下である、塗料組成物。
【請求項2】
前記有機-無機ハイブリッド樹脂は、ポリシロキサン粒子からなるコアと、前記コアを少なくとも部分的に覆うアクリル樹脂からなるシェルとを有し、前記ポリシロキサン粒子と前記アクリル樹脂との間にSi-C結合を有する、請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
前記金属フレークは、ステンレスフレークまたはアルミニウムフレークである、請求項1または請求項2に記載の塗料組成物。
【請求項4】
光安定化剤をさらに含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項5】
前記光安定化剤はヒンダードアミン化合物である、請求項4に記載の塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗料組成物には、塗料組成物や塗膜に様々な機能を付すために金属フレークを含有するものがある。
【0003】
例えば、特開昭61-228073号公報(特許文献1)には、ステンレス鋼と合成樹脂との濡れ性を良好にすることを目的として、表面処理剤によって表面処理されたステンレス鋼箔粉体を含有する合成樹脂塗料が記載されている。
【0004】
また、特開2000-154338号公報(特許文献2)には、耐候性、耐薬品性、耐食性及び潤滑性に優れたコーティング組成物を提供することを目的として、エポキシ系樹脂、硬化剤、金属フレーク、滑剤からなる耐食性コーティング組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61-228073号公報
【特許文献2】特開2000-154338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、被塗物の寿命を延ばしたり、コスト削減のためメンテナンス回数を減らしたりするため、塗膜の耐候性、耐食性などの耐久性のさらなる向上が求められている。
【0007】
そこで、本発明の目的は、従来よりも耐久性が向上した塗料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究の結果、塗料組成物の樹脂として有機-無機ハイブリッド樹脂を用い、硬化剤としてシランカップリング剤を用い、金属フレークを特定の含有量に調整することで、従来より耐久性が向上した塗料組成物を得られることを見出した。本発明者らのこのような知見に基づいて、本発明は以下のように構成される。
【0009】
本発明に従った塗料組成物は、有機-無機ハイブリッド樹脂と、硬化剤と、金属フレークを含む。硬化剤はシランカップリング剤である。金属フレークは、塗料組成物の不揮発分の10重量%以上80重量%以下、含まれている。
【発明の効果】
【0010】
このようにすることにより、従来よりも耐久性が向上した塗料組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に従った塗料組成物は、有機-無機ハイブリッド樹脂と、硬化剤と、金属フレークを含む。硬化剤はシランカップリング剤である。金属フレークは、塗料組成物の不揮発分の10重量%以上80重量%以下、含まれている。
【0012】
塗料組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他に溶剤、分散剤、着色剤、チクソ剤、体質顔料等を含んでいてもよい。塗料組成物は、さらに光安定剤を含むことが好ましい。
【0013】
[有機-無機ハイブリッド樹脂]
有機-無機ハイブリッド樹脂は、シリカナノ粒子であるポリシロキサンなどの無機系材料と、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などの有機高分子が複合した樹脂材料である。特に、ポリシロキサンと、カルボキシル基およびアルコキシシリル基を併有するアクリル樹脂とがナノオーダーで複合した樹脂を好適に用いることができる。このような有機-無機ハイブリッド樹脂は、無機化合物の耐久性と、有機高分子の柔軟性や増膜性を兼ね備える。中でも、ナノオーダーのポリシロキサン粒子からなるコアと、コアを少なくとも部分的に覆うアクリル樹脂からなるシェルを有し、当該ポリシロキサン粒子と当該アクリル樹脂との間にSi-C結合を有する有機-無機ハイブリッド樹脂を好適に用いることができる。このような樹脂を用いると、ナノオーダーのポリシロキサンが塗膜中で均一に分散し耐久性がいっそう向上する。さらに、シェルとなるアクリル樹脂中にカルボキシル基などの官能基を有する有機-無機ハイブリッド樹脂を用いると、硬化剤により架橋密度を高めることができるため、特に好適に用いることができる。
【0014】
このような有機-無機ハイブリッド樹脂の組成としてはポリシロキサン10~95重量%と、アクリル樹脂5~90重量%とからなることが好ましく、ポリシロキサン30~70重量%と、アクリル樹脂70~30重量%とからなることがより好ましい。このような範囲であれば、耐久性と塗膜の柔軟性を適切に兼ね備える。また、このような有機-無機ハイブリッド樹脂は溶剤系、水系、紫外線硬化系と種類を問わず、同程度の耐久性を得ることができる。
【0015】
[硬化剤]
本発明の硬化剤となるシランカップリング剤はエポキシ基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。硬化剤にシランカップリング剤を用いることにより、有機-無機ハイブリッド樹脂中のポリシロキサンと結合することでSi-O結合の架橋密度が高くなりさらに樹脂劣化を抑制することができる。さらに、シランカップリング剤は金属フレークとも結合し、有機-無機ハイブリッド樹脂と金属フレークの密着性を上げ、塗膜中での凝集破壊を防ぐことができる。塗膜中にこれらの機能を付与させることで、従来の金属フレーク含有塗料よりも飛躍的に耐候性・耐食性・遮蔽性・耐チッピング性(耐傷性)を改善することができる。
【0016】
[金属フレーク]
本発明に使用する金属フレークは、金属粉末を薄片状に延ばした粒子である。このような金属フレークとしては、ステンレスフレーク、アルミニウムフレーク、銅フレーク、ニッケルフレークなどが挙げられる。金属フレークを塗膜中で互いに平行に配向させることで紫外線を遮蔽し、塗膜樹脂や被塗物の劣化を抑制することができる。また、金属フレークが塗膜中で複層配向することで、塩害粒子や砂塵による塗膜損傷を抑え、塗膜外観や高い耐久性を維持することができる。中でも、ステンレスフレークは損傷した箇所から侵入する酸性雨などの腐食要因に耐性があり、好適に用いられる。金属フレークがステンレスフレークの場合、材質としては、耐食性・耐候性・耐薬品性、耐摩耗性などに優れたステンレス鋼であれば、鋼種は特に限定はされない。
【0017】
塗料組成物の金属フレークの含有量は、塗料組成物の不揮発分の10重量%以上80重量%以下であり、15重量%以上50重量%以下であることが好ましい。金属フレークの含有量が塗料組成物の不揮発分の10重量%未満では遮蔽性が不十分となるおそれがあり、80重量%を超えると、柔軟性、増膜性や密着性が不十分となるおそれがある。
【0018】
金属フレークの体積平均粒子径D50は3μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。金属フレークの粒子径D50が3μm以下であると製造コストが増大し、金属フレークの粒子径D50が100μmを超えると、塗膜からの突き出しが生じたり、塗装時にノズルに詰まったりするおそれがある。
【0019】
樹脂との濡れ性を付与するため、金属フレークは表面処理剤で処理されていてもよい。表面処理剤としては、溶剤系、水系、紫外線硬化系など、それぞれの樹脂系との相性により脂肪酸、界面活性剤やシランカップリング剤などを適宜使用すればよい。
【0020】
[光安定剤]
光安定剤は、塗膜表層部に当たる紫外線や、塗膜を透過する紫外線により発生するラジカルを補足し樹脂の劣化を抑制する。光安定剤としては、ヒンダードアミン系(HALS型)が好適に用いられる。光安定剤の添加量は、塗料組成物の不揮発分中0.01重量%以上5.0重量%であることが好ましく、0.3重量%以上3.0%以下であることがより好ましい。光安定剤の添加量が塗料組成物の不揮発分中0.01重量%未満では樹脂の劣化抑制に効果がなく、5.0重量%を超えてもほとんど効果は変わらず、凝集のおそれがある。
【0021】
[塗料組成物の製造方法]
塗料組成物は、上述の原料を用いて、公知の方法で調製することができる。例えば、有機-無機ハイブリッド樹脂と金属フレークを混合し、シランカップリング剤を添加してさらに混合して塗料組成物を調製することができる。
【実施例0022】
本発明を実施例、試験例により更に詳しく説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。
【0023】
次の実施例1~4と比較例1~5の塗料組成物で塗装した試験板について促進耐候性試験を行い、試験前後のグロス値と塗膜厚の変化を測定した。なお、各塗料組成物中の不揮発分の量は、JIS K5601-1-2に基づき測定した。ただし、試験条件は、JIS K5659-7.19に基づき、加熱温度105℃±2℃、加熱時間3時間とした。
【0024】
[実施例1]
有機-無機ハイブリッド樹脂(セラネートWSA-1070、DIC株式会社製)77g、ステンレスフレーク(RFA4500、東洋アルミニウム株式会社製、体積平均粒子径(D50)30μm、)固形分で11g、ブチルセロソルブ(和光純薬工業株式会社製)4g、沈降防止剤(AQ-001、楠本化成株式会社)1.75g、湿潤剤(ポリフローKL-900、共栄社化学株式会社製)0.14g、消泡剤(SNデフォーマー777、サンノプコ株式会社製)0.11g及びヒンダードアミン系の光安定剤(アデカノールUC-606、株式会社ADEKA社製)1g(不揮発分中の含有量は0.5重量%)をディスパーで20分間混合した。続いてシランカップリング剤(ウォーターゾールWSA-950、DIC株式会社製)を5g添加後、ガラス棒で撹拌し、ステンレスフレークを含有する塗料組成物を得た。塗料組成物の不揮発分は塗料組成物の46重量%であり、金属フレークの量は不揮発分の23重量%であった。得られた塗料組成物を必要に応じて純水で粘度調整し、エアスプレーにより冷間圧延鋼板(SPCC板)の表面に乾燥後厚み約30μmとなるようスプレー塗装し、7日間常温乾燥後60℃で120分間焼付け乾燥して試験板を作製した。
【0025】
実施例1で用いられた有機-無機ハイブリッド樹脂は、ポリシロキサン粒子からなるコアと、コアを少なくとも部分的に覆うアクリル樹脂からなるシェルとを有し、ポリシロキサン粒子とアクリル樹脂との間にSi-C結合を有する樹脂であり、ポリシロキサンを30重量%、アクリル樹脂を70重量%含有する。
【0026】
[実施例2]
光安定剤を用いなかった点を除いて、実施例1と同様にして試験板を作製した。塗料組成物の不揮発分は塗料組成物の46重量%であり、金属フレークの量は不揮発分の23重量%であった。
【0027】
[実施例3]
有機-無機ハイブリッド樹脂(セラネートWSA-1070、DIC株式会社製)55g、ステンレスフレーク(RFA4500、東洋アルミニウム株式会社製、体積平均粒子径(D50)30μm)固形分で31gに変更した点を除いて、実施例1と同様にして試験板を作製した。塗料組成物の不揮発分は塗料組成物の58重量%であり、金属フレークの量は不揮発分の55重量%であった。
【0028】
[実施例4]
有機-無機ハイブリッド樹脂(セラネートWSA-1070、DIC株式会社製)77g、アルミニウムフレーク(WJM7640、東洋アルミニウム株式会社製、体積平均粒子径(D50)16μm)固形分で7gに変更した点を除いて、実施例1と同様にして試験板を作製した。塗料組成物の不揮発分は塗料組成物の42重量%であり、金属フレークの量は不揮発分の16重量%であった。
【0029】
[比較例1]
有機-無機ハイブリッド樹脂(セラネートWSA-1070、DIC株式会社製)87g、ステンレスフレーク(RFA4500、東洋アルミニウム株式会社製、体積平均粒子径(D50)30μm)固形分で2.2gに変更した点を除いて、実施例1と同様にして試験板を作製した。塗料組成物の不揮発分は塗料組成物の41重量%であり、金属フレークの量は不揮発分の5重量%であった。
【0030】
[比較例2]
有機-無機ハイブリッド樹脂(セラネートWSA-1070、DIC株式会社製)81g、粒状ステンレス粉末(AKT316L(15)、三菱製鋼株式会社製、体積平均粒子径(D50)15μm)固形分で8.6gに変更した点を除いて、実施例1と同様にして試験板を作製した。塗料組成物の不揮発分は塗料組成物の46重量%であり、金属粒子の量は不揮発分の19重量%であった。
【0031】
[比較例3]
有機-無機ハイブリッド樹脂(セラネートWSA-1070、DIC株式会社製)77g、アルミニウムフレーク(WJM7640、東洋アルミニウム株式会社製、体積平均粒子径(D50)16μm)固形分で2gに変更した点を除いて、実施例1と同様にして試験板を作製した。塗料組成物の不揮発分は塗料組成物の41重量%であり、金属フレークの量は不揮発分の6重量%であった。
【0032】
[比較例4]
有機-無機ハイブリッド樹脂(セラネートWSA-1070、DIC株式会社製)77g、アルミニウムフレーク(WJM7640、東洋アルミニウム株式会社製、体積平均粒子径(D50)16μm)固形分で4gに変更した点を除いて、実施例1と同様にして試験板を作製した。塗料組成物の不揮発分は塗料組成物の41重量%であり、金属フレークの量は不揮発分の9重量%であった。
【0033】
[比較例5]
エポキシ樹脂(jER828、三菱ケミカル株式会社製)19g、ステンレスフレーク(RFA4000、東洋アルミニウム株式会社製、体積平均粒子径(D50)30μm)固形分で11g、ポリパーフルオロエチレン樹脂(ホスタフロンTF-9205、ヘキスト社製)9g、分散剤(フローレンD-90、共栄社化学)0.28g、沈降防止剤(AQ-001、楠本化成株式会社製)1.72gおよび溶剤(TE-901専用シンナー、東西化学株式会社製)11gをディスパーで20分間混合した。続いてエポキシ硬化剤(DIC株式会社製、ラッカーマイドN-153-IM-59)48gを添加後、ガラス棒で撹拌し、塗料組成物を得た。塗料組成物の不揮発分は塗料組成物の64重量%であり、金属フレークの量は不揮発分の20重量%であった。得られた塗料組成物をエアスプレーにより冷間圧延鋼板(SPCC板)の表面に乾燥後厚み約30μmとなるようスプレー塗装し、10分間常温でセッティング乾燥後、60℃で120分間焼付け乾燥して試験板を作製した。
【0034】
[比較例6]
ステンレスフレークを用いなかったことを除いて、比較例1と同様にして試験板を作製した。塗料組成物の不揮発分は塗料組成物の60重量%であった。
【0035】
[比較例7]
市販のステンレス配合アクリルシリコン樹脂塗料(フェニックスASカラーSA、神戸ペイント株式会社製)のA液90gおよびB液(イソシアネート系硬化剤)10gをガラス棒で攪拌し、塗料組成物を得た。塗料組成物の不揮発分は塗料組成物の62重量%であり、金属フレークの量は不揮発分の22重量%であった。得られた塗料組成物をエアスプレーにより冷間圧延鋼板(SPCC板)の表面に乾燥後厚み約30μmとなるようスプレー塗装し、10分間常温でセッティング乾燥後、60℃で120分間焼付け乾燥して試験板を作製した。
【0036】
[促進耐候性試験]
各実施例、比較例の試験板を促進耐候性試験にて評価を実施した。促進耐候性試験は、JISK5600-7-7に基づき、キセノンランプ法(180W/m)にて実施した。
【0037】
[外観]
促進耐候性試験前後の外観の変化を目視で確認した。結果を表1に示す。
【0038】
[グロス変化率]
光電光沢計(TC-108DP/A、有限会社東京電色製)を用いて、促進耐候性試験前後の各試験板のグロス値を測定し、試験後のグロス値を試験前のグロス値で除した値を変化率として求めた。結果を表1に示す。
【0039】
[減膜厚]
デュアルタイプ膜厚計(LZ-990、株式会社ケツト製)を用いて、促進耐候性試験前後の各試験板の塗膜厚みを5箇所ずつ測定し、平均値を求めた。試験前の塗膜厚みの平均値から試験後の塗膜厚みの平均値を引いた値を減膜厚として表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示す通り、実施例1~4は外観に変化がなく、グロス変化率にも大きな低下はなかった。また、膜厚の減少も抑えられていた。一方、有機-無機ハイブリッド樹脂、シランカップリング剤、塗料組成物の不揮発分の10重量%80重量%以下の金属フレークのいずれかが配合されなかった塗料組成物(比較例1~7)は、外観、グロス変化率、減膜厚のうち2つ以上で実施例よりも劣る結果となった。
【0042】
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変形を含むものである。