(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109232
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】自動車用チャイルドシート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/26 20060101AFI20220720BHJP
B60R 22/10 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
B60N2/26
B60R22/10 105
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022001350
(22)【出願日】2022-01-07
(62)【分割の表示】P 2020016321の分割
【原出願日】2015-08-27
(31)【優先権主張番号】20 2014 104 056.0
(32)【優先日】2014-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】505222381
【氏名又は名称】サイベックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ポス,マーティン
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE06
3B087DE06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】シート姿勢の調節が改良される自動車用チャイルドシートを提供する。
【解決手段】運搬用グリップ12を備えた支持シェル11及び支持シェル内に配置されたシートユニット13を有する自動車用チャイルドシート10であって、背部14、座部15、足部16、座部への往復の方向での動きに適するようにシートユニットの背部に取り付けられた、上側背もたれ17、上側背もたれ17の背部14に対する位置を変更するための装置、及び二つの肩ストラップを備えたハーネスであり、各肩ストラップは、背部及び上側背もたれ内の対応するスロットを通される、ハーネス、を有し、回動可能に装着されたストラップガイドが、それぞれ、背部内のベルトスロットに割り当てられた、チャイルドシート。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬グリップを備えた支持シェル及び該支持シェル内に配置されたシートユニットを有する自動車用チャイルドシートであって、
前記シートユニットが、
背部、
座部、及び
足部、
を有しており、
前記シートユニットは、前記シートユニットの前方への動きによって、背部が比較的直立して延びる着座姿勢から背部が実質的に水平に延びるリクライニング姿勢に、前記支持シェル内で動かされることができ、且つ逆に動かされることができ、
前記シートユニットの前記リクライニング姿勢において前記足部並びに同様に前記座部及び背部が実質的に水平に延びるように、前記シートユニットを前記リクライニング姿勢に動かすときに、前記座部に対する前記足部は、該足部の後端が前記支持シェルに対して持ち上げられるような方法で、前記座部に対して可動に配置されており、
ガイド接続リンク(30)が前記支持シェル上に配置されており、前記ガイド接続リンクはほぼ水平に延びており、前記シートユニットを実質的に水平な前記リクライニング姿勢に動かすときに、前記ガイド接続リンク(30)内をスライドするスライド要素が、前記ガイド接続リンク(30)の長手方向に沿って、前記座部及び前記背部から離れる方向に移動可能であり、前記足部は、前記着座姿勢から前記リクライニング姿勢に変わると同時に前記支持シェルに対して傾けられる、
チャイルドシート。
【請求項2】
前記座部への往復の方向での動きに適するように前記シートユニットの前記背部に取り付けられた、上側背もたれ、
前記上側背もたれの前記背部に対する位置を変更するための装置、及び
二つの肩ストラップを備えたハーネスであり、各肩ストラップは、前記背部及び前記上側背もたれ内の対応するスロットを通される、ハーネス、
を有し、
回動可能に装着されたストラップガイドが、それぞれ、前記背部内の前記のストラップスロットに割り当てられる、
請求項1に記載のチャイルドシート。
【請求項3】
前記背部の後部の前記ストラップガイドは、それぞれ、前記背部に対してほぼ直角に延びる軸の回りに回動可能に装着されている、請求項2に記載のチャイルドシート。
【請求項4】
前記背部の後部上の二つの肩ストラップは、前記後部上に配置された二つの前記ストラップガイドより下方で融合してYストラップになるか又はYストラップに接続されている、請求項2又は請求項3に記載のチャイルドシート。
【請求項5】
一方では、前記背部及び前記座部が、他方では、前記足部が、ロッドのリンク機構を介して前記支持シェルに対してそれぞれ連結されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のチャイルドシート。
【請求項6】
前記背部及び前記座部に割り当てられた前記ロッドのリンク機構は、側面に二つの接続支柱を有し、該接続支柱を前記背部及び前記座部の約半分の長さの位置に連結させ、当該支柱の自由端は、それぞれ前記支持シェルに連結されている、請求項5に記載のチャイルドシート。
【請求項7】
前記足部に割り当てられたロッドのリンク機構は、後端、又はより正確には、前記座部及び前記背部に面する端部の付近に、側面に沿って連結された二つの接続支柱を有し、該接続支柱の自由端は、それぞれ前記支持シェルに連結されている、請求項5又は請求項6に記載のチャイルドシート。
【請求項8】
前記座部及び前記背部に割り当てられた前記ロッドのリンク機構(28)は、当該部分の後部から離れるように延びる一方で、前記足部に割り当てられたロッドのリンク機構(29)は、前記座部及び前記背部に割り当てられた前記ロッドのリンク機構(28)とは反対の方向に延びる、
請求項6又は請求項7に記載のチャイルドシート。
【請求項9】
前記シートユニットは、前記着座姿勢及び前記リクライニング姿勢の両方で、妥当な場合には、一つ又はいくつかの中間の姿勢でも、前記支持シェルに対してロック可能であり、ロック機構は、ロック解除又はラッチ解除のための手段を有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のチャイルドシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に従い、運搬用グリップを備えた支持シェル及び支持シェル内に配置されたシートユニットを有する自動車用チャイルドシートに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなチャイルドシートは、例えば独国特許出願公開第DE69923281T2号明細書から知られる。それは、背部及び座部を備えたシート本体を有する自動車用チャイルドシートを記述する。上側背もたれは、座部への往復の方向での動きに適するように背部に取り付けられる。上側背もたれの位置は、“制御装置”を介して背部に対して変えられることができる。
【0003】
全体として、独国特許出願公開第DE69923281T2号明細書は、(特に非常に若い)子供の着座姿勢及びリクライニング姿勢への特定の調節を可能にする。しかしながら、この調節は、特にストラップガイド及び子供の着座/リクライニング姿勢に関して、更に改良され得ると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第DE69923281T2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、特にストラップガイド及び/又は着座姿勢を変えることに関連して、シート姿勢の調節が改良される、自動車用チャイルドシートを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、運搬用グリップ(例えば、運搬ストラップ)を備えた支持シェル及び支持シェル内に配置されたシートユニットを有する自動車用チャイルドシートによって、具体的に達成される。シートユニットは、背部(back portion)、座部(seat portion)、足部(leg portion)、座部への往復の方向に動くようにシートユニットの背部に取り付けられた上側背もたれ(upper backrest)、上側背もたれの背部に対する位置を変更するための装置、及び二つの肩ストラップを備えたハーネスであり、各肩ストラップは、背部及び上側背もたれ内の対応するスロットを通される、ハーネス、を有し、回動可能に装着されたストラップガイドが、それぞれ、背部内のストラップスロットに割り当てられる。
【0007】
したがって、本発明の一つの重要な側面は、背部内のストラップスロットの領域において、回動可能に装着されるストラップガイドが提供されることである。そのような回動可能性によって、ストラップガイドでの摩擦力は容易に低減されることができ、特に、ストラップの歪みが防止される(又は少なくともそのような歪みの危険性が低減される)ことができる。
【0008】
好ましくは、背部の後部(rear)上のストラップガイドは、それぞれ、背部に対して(ほぼ)直角に延びる軸の回りに回動可能に装着されている。このような方法で、肩ストラップのねじれ及びストラップガイドでの摩擦の望ましくない増大は、特に効果的に低減される(又は完全に防がれる)。
【0009】
一つの実際的な実施形態において、背部の後部上の二つの肩ストラップは、後部上に配置された二つのストラップガイドより下方で融合してYストラップになり、換言すれば、Yストラップに接続されている。そのような方法によって、設計努力が低減され、同時に肩ストラップがより信頼性が高く(摩擦無く)ガイドされることが可能になる。
【0010】
一つの更なる(独立した)態様(しかしながら、先行する態様と組み合わされることもできる)によれば、上記の目的は、運搬用グリップを備えた支持シェル及び支持シェル内に配置されたシートユニットを有する自動車用チャイルドシートであって、支持シェルのシートユニットは、背部が(比較的)直立して(upright)延びる着座姿勢から背部が(実質的に)水平に延びるリクライニング姿勢に動かされることができる(且つ逆に動かされることができる)、チャイルドシートによって達成される。
【0011】
この態様の一つの中心的な構想は、チャイルドシートを、背部が(実質的に)水平に調整される(aligned)ことができるように構成することである。“実質的に水平”とは、特に水平に対して背部が20°未満の、特に15°未満の角度を有するアライメントを意味するように意図されており、そのアライメントは、チャイルドシートの裏面の開発(underside development)によって規定される(平坦な面上に置かれる場合)。“比較的直立した”とは、特に水平に対して40°よりも大きな、特に50°よりも大きな背部の角度を意味するように意図されている。背部は、好ましくは正確に垂直でなく80°未満の、特に水平に対して65°未満の角度を有する、その着座姿勢に調整される。背部は、そのリクライニング姿勢において水平に調整されることができるが、好ましくは少なくとも5°の、特に少なくとも10°の、好ましくは水平に対して鋭角を有する。
【0012】
いずれの場合にも、(実質的に)水平に延びる背部を調節する選択は、(特に睡眠中に)子供にとって安全且つ快適な姿勢が可能であるように達成される。このようにして、本チャイルドシートは、特により長い、車での旅行のためにもよく適合する。
【0013】
本発明の一つの更なる独立した態様(先行する態様、特に背部の水平方向への伸展に関する態様と組み合わされることもできる)によれば、上記の目的を達成するために、運搬用グリップを備えた支持シェル及び支持シェル内に配置されたシートユニットを有する自動車用チャイルドシートであって、好ましくはシートユニットのリクライニング姿勢において足部並びに座部及び背部が(実質的に)水平に延びるように、シートユニットが(特に上述された)リクライニング姿勢に動かされるときに、足部が座部に対して下方に傾けられるような方法で、足部は、座部に対して可動に配置される、チャイルドシートが提案される。
【0014】
この態様の一つの中心的な構想は、足部が座部に対して下方に傾くことである。子供にとってのリクライニングの快適さは、それにより更に改善される。特に、長い車での旅行が、問題なく成し遂げられることができる。
【0015】
一方では背部及び座部が、他方では足部が、ロッドのリンク機構(linkage of rods)を介して支持シェルに対して好ましくはそれぞれ連結される。そのような実施形態において、シートユニットは、設計が単純な方法でリクライニング姿勢に移されることができる。
【0016】
一つの実際的な実施形態において、背部及び座部に割り当てられた(assigned)ロッドのリンク機構は、二つの側面上に、背部及び座部の(約)半分の長さの、(蝶番での連結のように、動くように)連結された(hinged)接続支柱を有し、その接続支柱の自由端は、それぞれ支持シェルに連結されている。“約半分の”長さとは、特に背部及び座部の伸展の40%と60%との間の姿勢を意味すると取られることができる。いずれの場合においても、そのような開発は、極めて単純な設計を示す。
【0017】
一つの設計の実施形態において、足部に割り当てられたロッドのリンク機構は、後端、又はより正確には、座部及び背部に面する端部の付近に、側面に沿って連結された二つの接続支柱を有し、その接続支柱の自由端は、それぞれ支持シェルに連結されている。それにより、特に背部及び座部に割り当てられたロッドのリンク機構と組み合されて、(同時に)変更される着座姿勢及びリクライニング姿勢と共に、単純な足部の傾斜が達成される。このようにして、一つの流れるような動きで、リクライニング姿勢が具体化されることができ、足部は下方に傾けられることができる。
【0018】
一つの好ましい実施形態において、座部及び背部に割り当てられたロッドのリンク機構は、当該部分の後部から離れるように延び、一方で、足部に割り当てられたロッドのリンク機構は、反対の方向に延びる。本実施形態において、リクライニング姿勢の調節及び同時に起こる足部を下向きに傾かせることは、単純な方法での、力の最小限の適用によって実行されることができる。
【0019】
シートユニットを(実質的に)水平なリクライニング姿勢に動かすとき、又は戻すときに、足部は、好ましくは支持シェル上に配置されたガイド接続リンク(guide connecting link)内で長手方向に動かせるように装着され、リンクは(ほぼ)水平に伸び、特にはアーチ形状である。足部を下向きに傾かせることは、そのようなガイド接続リンクを介して単純な方法で制御されることができる。
【0020】
一つの好ましい実施形態において、シートユニットは、着座姿勢及びリクライニング姿勢の両方で、妥当な場合には、一つ又はいくつかの中間の姿勢でも、支持シェルに対してロック可能であり、ロック機構には、好ましくはロック解除又はラッチ解除のための手段が与えられる。チャイルドシートに関する安全性及び可変性が、そのような方法によって向上させられる。
【0021】
更なる実施形態は、従属請求項から明らかにされる。
【0022】
本発明の更なる特徴及び利点は、一つの例示的な実施形態に基づいて、図面を参照しながらこれから記述されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】
図1によるチャイルドシートを、部分的に内部を露出して、側面図且つ着座姿勢で示す。
【
図3】
図2によるチャイルドシートを、リクライニング姿勢で示す。
【
図4】
図1乃至
図3によるチャイルドシートを、平面図で示す。
【
図5】
図1乃至
図4によるチャイルドシートの斜視図を、部分的に内部を露出して、リクライニング姿勢で示す。
【
図6】
図5によるチャイルドシートを、着座姿勢で示す。
【
図7】
図1乃至
図6によるチャイルドシートの側面図を、部分的に内部を露出して、着座姿勢で示す。
【
図8】
図7によるチャイルドシートを、リクライニング姿勢で示す。
【
図9】第一の位置にある、チャイルドシートのストラップ振れ(deflection)の領域内の細部を示す。
【
図10】第二の位置にある、
図9による細部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の記述において、同一の参照番号は、同一の部分及び同様に機能する部分について使用される。
【0025】
図1は、本発明によるチャイルドシートの斜視図を示す。これは、支持シェル11を有し、支持シェル11内にはシートユニット13が配置される。
【0026】
シートユニット13は、背部14、座部15及び足部16を有する。背もたれ17は、(上側)背もたれ17が座部15への往復の方向(座部15に向かう方向及び座部15からの方向)で動かされることができるように、背部14上に移動可能に装着される。その上に、詰め物が提供されてもよい(詰め物は簡潔さのために図示されていない)。
【0027】
図4において、背もたれ17は上方から見られることができる。ストラップスロット22,23が背もたれ17に設けられる。ストラップスロット22,23のそれぞれを通して、肩ストラップ18,19(
図9及び
図10参照)が案内されて通り抜けることができる。
【0028】
図9及び
図10は、背部14の後部側(細部)を示す。スロット20,21もまた背部14に設けられる。スロット20,21を通して、肩ストラップ18,19が案内されることができる。回動可能に装着されたストラップガイド24,25は、スロット20,21(及び従って背もたれ17の対応するスロット23及びスロット22)に割り当てられる(assigned)。本構成において、ストラップガイド24,25はそれぞれ、背部14に対して直角な軸の回りに回転可能に装着されている。
【0029】
装置32(
図9及び
図10参照)は、背部14と背もたれ17との間の相対的位置を調節する働きをする。
【0030】
図9及び
図10から理解されることができるように、肩ストラップ18,19は、互いに対して比較的大きな角度(
図9参照)又は比較的小さな角度(
図10参照)のいずれかを有する。この角度の変更は、ストラップガイド24,25の回動可能性によって容易に相殺されることができる。そのようにして、肩ストラップ18,19の厳しい摩擦又は歪みは弱められることができる。
【0031】
ストラップガイド24,25は、(スロット形状の)受容部33,34を有する。受容部33,34を通して、対応する肩ストラップ18,19は、開口部35,36を経由して通されることができる。
【0032】
肩ストラップ18,19は、ストラップガイド24,25より下方で融合してYストラップになる。
図9及び
図10によれば、融合箇所内の点37は、比較的遠い上方(
図9参照)又は比較的遠い下方(
図10参照)のいずれに配置されてもよい。
【0033】
図2及び
図3は、チャイルドシートの側面図を示す。チャイルドシートの内部は、部分的に露出させられている。具体的には、シェル11及び運搬グリップ12(=好ましくは運搬ハンドル又は運搬ストラップ)は、部分的にのみ表示されている。本構成において、
図2は着座姿勢(sitting position)を示し、
図3はリクライニング姿勢(reclining position)を示す。
【0034】
図2及び
図3から理解されることができるように、着座姿勢(
図2)において、背部14は、(30から50°の角度で)比較的直立して延びる。
図3によるリクライニング姿勢において、背部14は、(実施的に(virtually))水平に、例えば0から25°の角度で延びる。
【0035】
ロッドのリンク機構28(
図2及び
図3参照)は、背部及び座部14,15に割り当てられる。そのロッドのリンク機構は、継ぎ目のある方法(jointed manner)で支持シェル11に取り付けられる。ロッドのリンク機構28は二つの接続支柱(connecting struts)43を有し、接続支柱43は、支持シェル11に連結されている(hinged)。背部及び座部14,15上に配置された(また、接合された)接続ロッド43の端部が前方に傾くことができ、従って背部及び座部14,15と一緒に支持シェルに対して前方に動くことができるように、接続支柱は支持シェル11上に配置された軸38に関して傾くことができる(
図5乃至
図8参照)。本構成において、背部及び座部14,15に接続された接続ロッド43の端部は、(少なくとも着座姿勢(
図2参照)において、)支持シェル11に接続された接続ロッド43の端部よりも上にある。リクライニング姿勢(
図3参照)において、接続ロッド43の端部のそれぞれは、(ほとんど)同じ高さに配置されて、背部及び座部14,15に接続された接続ロッド43の端部が、支持シェル11に接続された接続ロッド43の端部の前に配置されてもよい。
【0036】
更なるロッドのリンク機構29が、
図5乃至
図8において具体的に特定されることができる。
図5及び
図6は、チャイルドシートの異なる姿勢を、内部への視野を部分的に露出して斜視図で示す。
図7及び
図8は、対応する複数の側面図を示す。ロッドのリンク機構29は、足部16に割り当てられる。ロッドのリンク機構29は、二つの接続支柱44を有する。接続支柱44のそれぞれの端部39は、足部16上(実際的には、足部16と座部15との間の移行領域)に配置され、それが軸40の回りで回転できるように足部に対して継ぎ目のある方法で装着される。同様に、接続ロッド44の一つの端部41も回転可能に装着されるが、ただし支持シェル11(
図5乃至
図8に図示されない)(
図1乃至
図3参照)に対して回転可能である。
【0037】
リクライニング姿勢(
図5参照)及び着座姿勢(
図6参照)の両方において、端部39は、端部41よりも下に配置される。着座姿勢(
図6参照)において、ロッドのリンク機構29は、(実質的に)垂直に調整される。着座姿勢(
図6)からリクライニング姿勢(
図5)に移すときに、接続支柱44は前方に振れ、足部16も支持シェルに対して前方に動く。
【0038】
加えて、足部16は、リクライニング姿勢(
図5)において着座姿勢(
図6)と比較して下方に傾けられるように、座部及び背部14,15に対して傾けられることができる。足部16を下方に傾けるために、(
図5及び
図6においてその他の点では図示されない支持シェル11の構成部分としての)ガイド連結ロッド(guide linking rod)30が、(同様に足部の構成部分である)バー42を介して動かすことができるように取り付けられる。(正確には、二つの平行に伸びる連結ロッドから成る)ガイド連結ロッド30は、アーチ形状に構成され、従って下方に傾く動きを押し進める。着座姿勢(
図6)において、ガイド連結ロッド30内をスライドするバー42は、ガイド接続ロッド30の一端部に置かれ、その端部は、座部及び背部14,15により近くに配置される。リクライニング姿勢(
図5)において、バー42は、座部及び背部14,15から更に遠い位置に置かれる。
【0039】
全体で、ロッドのリンク機構28,29及びガイド接続ロッド30の協力(cooperation)によって、(支持シェル11に対する)シートユニット13の前方への動きにより、座部及び背部の水平な調整が達成され、足部16が同時に下方に傾く(また、水平に調整される)。
【0040】
図5において、着座姿勢(
図6)及びリクライニング姿勢(
図5)を解放するための手段31(作動レバー)も特定されることができる。その上に、ロック機構(図面において詳細に表示されない)が提供され、そのロック機構を用いて着座姿勢及びリクライニング姿勢がロックされることができる。このロック機構は、手段31を用いてロック解除されることができ、対応する位置はラッチ解除されている。好ましくは、(
図5及び
図6において見られることができる)末端位置だけでなく、支持シェルに対するシートユニット13の中間位置(例えば、少なくとも一つ又は少なくとも二つ又は少なくとも4つの中間位置)でもロック可能である。
【0041】
本明細書において、以上で記述された全ての部分は、単独で及び任意の、特には図面において詳細に示された組み合わせで、考慮されて、本発明に対して本質であるものとして請求されることが、留意されるべきである。それらからの改良は当業者に精通される。
【0042】
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の内容を実施例として示す。
[実施例1]
運搬グリップを備えた支持シェル及び該支持シェル内に配置されたシートユニットを有する自動車用チャイルドシートであって、
背部、
座部、
足部、
前記座部への往復の方向での動きに適するように前記シートユニットの前記背部に取り付けられた、上側背もたれ、
前記上側背もたれの前記背部に対する位置を変更するための装置、及び
二つの肩ストラップを備えたハーネスであり、各肩ストラップは、前記背部及び前記上側背もたれ内の対応するスロットを通される、ハーネス、
を有し、
回動可能に装着されたストラップガイドが、それぞれ、前記背部内の前記のストラップスロットに割り当てられた、
チャイルドシート。
[実施例2]
前記背部の後部の前記ストラップガイドは、それぞれ、前記背部に対してほぼ直角に延びる軸の回りに回動可能に装着されている、実施例1に記載のチャイルドシート。
[実施例3]
前記背部の後部上の二つの肩ストラップは、前記後部上に配置された二つの前記ストラップガイドより下方で融合してYストラップになるか又はYストラップに接続されている、実施例1又は実施例2に記載のチャイルドシート。
[実施例4]
前記支持シェル内の前記シートユニットは、背部が比較的直立して延びる着座姿勢から背部が実質的に水平に延びるリクライニング姿勢に動かされることができ、且つ逆に動かされることができる、実施例1乃至3のいずれか一項に特に記載のチャイルドシート。
[実施例5]
前記シートユニットの前記リクライニング姿勢において前記足部並びに同様に前記座部及び背部が実質的に水平に延びるように、前記足部は、前記シートユニットを前記リクライニング姿勢に動かすときに、前記足部が前記座部に対して下方に傾けられるような方法で、前記座部に対して可動に、前記座部に配置されている、実施例4に記載のチャイルドシート。
[実施例6]
一方では、前記背部及び前記座部が、他方では、前記足部が、ロッドのリンク機構を介して前記支持シェルに対してそれぞれ連結されている、実施例4又は実施例5に記載のチャイルドシート。
[実施例7]
前記背部及び前記座部に割り当てられた前記ロッドのリンク機構は、前記背部及び前記座部の約半分の長さの、側面に沿って連結された二つの接続支柱を有し、当該支柱の自由端は、それぞれ前記支持シェルに連結されている、実施例6に記載のチャイルドシート。
[実施例8]
前記足部に割り当てられたロッドのリンク機構は、後端、又はより正確には、前記座部及び前記背部に面する端部の付近に、側面に沿って連結された二つの接続支柱を有し、該接続支柱の自由端は、それぞれ前記支持シェルに連結されている、実施例6及び/又は実施例7に記載のチャイルドシート。
[実施例9]
前記座部及び前記背部に割り当てられた前記ロッドのリンク機構は、当該部分の後部から離れるように延び、
一方で、前記足部に割り当てられたロッドのリンク機構は、反対の方向に延びる、
実施例7及び/又は実施例8に記載のチャイルドシート。
[実施例10]
前記シートユニットを実質的に水平なリクライニング姿勢に動かすとき、又は戻すときに、前記足部は、前記支持シェル上に配置されたガイド接続リンク内で長手方向に動かせるように装着され、前記リンクはほぼ水平に伸び、特にはアーチ形状である、実施例5乃至9のいずれか一項に記載のチャイルドシート。
[実施例11]
前記シートユニットは、前記着座姿勢及び前記リクライニング姿勢の両方で、妥当な場合には、一つ又はいくつかの中間の姿勢でも、前記支持シェルに対してロック可能であり、ロック機構は、ロック解除又はラッチ解除のための手段を有する、実施例4乃至10のいずれか一項に記載のチャイルドシート。
【符号の説明】
【0043】
10 チャイルドシート
11 支持シェル
12 運搬用グリップ
13 シートユニット
14 背部
15 座部
16 足部
17 上側背もたれ
18 肩ストラップ
19 肩ストラップ
20 ストラップスロット
21 ストラップスロット
22 ストラップスロット
23 ストラップスロット
24 ストラップガイド
25 ストラップガイド
26 回転軸
27 回転軸
28 ロッドのリンク機構
29 ロッドのリンク機構
30 ガイド連結ロッド
31 手段
32 装置
33 受容部
34 受容部
35 開口部
36 開口部
37 点
38 軸
39 端部
40 軸
41 端部
42 バー
43 接続支柱
44 接続支柱
【外国語明細書】