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特開2022-109240二重細長部材血塊回収装置のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109240
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】二重細長部材血塊回収装置のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
A61B17/22 528
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022003601
(22)【出願日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】17/148,766
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515248931
【氏名又は名称】ニューラヴィ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・オマリー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE22
4C160MM36
(57)【要約】
【課題】血塊回収デバイスを提供すること。
【解決手段】外側ケージと、外側ケージ内に同心円状に位置付けられた内側ケージと、外側ケージと連通する第1の細長部材と、内側ケージと連通する第2の細長部材と、を備える、血塊除去デバイス。第1の細長部材は、外側ケージの近位端に取り付けられ得、外側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成され得る。第2の細長部材は、内側ケージの近位端に取り付けられ得、内側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成され得る。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血塊回収デバイスであって、
外側ケージと、
前記外側ケージ内に同心円状に位置付けられた内側ケージと、
前記外側ケージと連通する第1の細長部材と、
前記内側ケージと連通する第2の細長部材と、
を備える、血塊回収デバイス。
【請求項2】
前記外側ケージの外径が、拡張構成において前記血塊回収デバイスの前記外径にほぼ等しく、それによって、前記血塊回収デバイスの前記外径を達成するように形状設定されたより小さい直径の外側ケージと比較したときに、血塊回収デバイスの両方が等しい半径方向力を有する場合に、血塊の下でより大きい直径に外側ケージを拡張するか、又は血管壁並置を改善する、請求項1に記載の血塊回収デバイス。
【請求項3】
前記外側ケージの外径が、拡張構成において前記血塊回収デバイスの前記外径よりも大きく、それによって、前記血塊回収デバイスの前記外径を達成するように形状設定されたより小さい直径の外側ケージと比較したときに、血塊回収デバイスの両方が等しい半径方向力を有する場合に、血塊の下でより大きい直径に外側ケージを拡張するか、又は血管壁並置を改善する、請求項1に記載の血塊回収デバイス。
【請求項4】
前記外側ケージが、8つの支柱のリングを備えるようにパターン形成されている、請求項1に記載の血塊回収デバイス。
【請求項5】
前記内側ケージが、血塊の一部分を挟持するように構成された4つの支柱のリングを備えるようにパターン形成されている、請求項1に記載の血塊回収デバイス。
【請求項6】
クリップを更に備え、前記クリップが、前記クリップの各端部にc字形状特徴部を含み、各特徴部が、前記第1の細長部材又は前記第2の細長部材の一方を受容するように構成されており、前記クリップが、取り付けられたときに、前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材を結合するように構成されている、請求項1に記載の血塊回収デバイス。
【請求項7】
前記外側ケージの近位端に取り付けられた前記第1の細長部材であって、前記外側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成されている、前記第1の細長部材と、
前記内側ケージの近位端に取り付けられた前記第2の細長部材であって、前記内側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成されている、前記第2の細長部材と、
を更に備える、請求項1に記載の血塊回収デバイス。
【請求項8】
前記第2の細長部材が、第1の複数のセグメントを備え、そのため、前記複数のセグメントの各セグメントが、それぞれの外径を減少させ、そのため、テーパが形成され、前記第2の細長部材が、前記第2の細長部材に沿って可変剛性プロファイルを含み、前記第2の細長部材の近位端が、前記第2の細長部材の遠位端よりも剛性である、請求項7に記載の血塊回収デバイス。
【請求項9】
レセプタクルの近位端に取り付けられた前記第2の細長部材の遠位端と、
前記レセプタクルの空洞内に取り付けられた前記内側ケージの前記近位端と、
を更に備え、
前記第2の細長部材が、前記第1の細長部材の管腔内で摺動可能である、請求項7に記載の血塊回収デバイス。
【請求項10】
前記レセプタクルが、前記内側ケージの近位端が過剰に挿入されることを低減するために、前記空洞内のステップを更に備える、請求項9に記載の血塊回収デバイス。
【請求項11】
前記第1の細長部材に沿って所望の剛性プロファイルを達成するための、前記第1の細長部材上の所定のパターンを更に備える、請求項7に記載の血塊回収デバイス。
【請求項12】
前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材が、マイクロカテーテル内の第1の潤滑細長部材ジャケット及び第2の潤滑細長部材ジャケットのそれぞれの管腔内にある、請求項7に記載の血塊回収デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、血管内医療処置中に血管から遮断物を除去するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血塊回収デバイスは、特に患者が急性虚血性脳卒中(acute ischemic stroke、AIS)、心筋梗塞(myocardial infarction、MI)、及び肺塞栓症(pulmonary embolism、PE)などに罹患している場合に、血管内介入のための機械的血塊除去に使用される。急性の閉塞物としては、血塊、誤配置されたデバイス、移動されたデバイス、大きい塞栓などが挙げられ得る。血栓塞栓症は、血栓の一部又は全てが血管壁から剥離したときに発生する。この血塊(ここでは、塞栓と呼ぶ)は次に、血流の方向に運ばれる。虚血性脳卒中は、脳の血管系内に血塊が詰まった場合に結果として生じ得る。肺塞栓症は、血塊が静脈系で又は心臓の右側で発生し、かつ肺動脈又はその支脈内で詰まった場合に、結果として生じ得る。血塊はまた、解放されずに塞栓の形状で発達して血管を局所的に遮断し得るが、この機序は、冠状動脈の遮断物の形成において一般的である。高レベルの性能を提供することができる血塊除去デバイスの設計と関連する重大な課題が存在する。まず、デバイスを送達することを困難にする、アクセスに関する多くの課題が存在する。アクセスが大動脈弓を誘導することを伴う場合(冠状動脈閉塞又は脳閉塞など)、一部の患者における大動脈弓の形状は、ガイドカテーテルを位置付けることを困難にする。これらの困難な大動脈弓の構成は、II型又はIII型の大動脈弓として分類され、III型大動脈弓が最大の障害を呈する。
【0003】
蛇行の問題は、脳に近づく動脈では、更により深刻である。例えば、デバイスが、180°の屈曲、90°の屈曲、及び360°の屈曲を有する血管部分を数センチメートルの血管にわたって間断なく進まなければならないことは、内頸動脈の遠位端では珍しくない。肺塞栓症の場合、アクセスは静脈系を通り、次いで心臓の右心房及び右心室を通る。右室流出路及び肺動脈は、不可撓性又は高プロファイルのデバイスによって容易に損傷する可能性のある繊細な血管である。これらの理由のため、血塊回収デバイスは、可能な限り低プロファイル及び可撓性のガイドカテーテルと適合性があることが望ましい。
【0004】
第2に、血塊が詰まっている可能性のある領域内の脈管構造は、多くの場合、脆弱であり、繊細である。例えば、神経脈管の血管は、身体の他の部分における同様の大きさの血管よりも脆弱であり、軟組織床にある。これらの血管に加えられる過剰な引張力は、穿孔及び出血をもたらす可能性がある。肺血管は脳血管系の血管よりも大きいが、本質的に繊細でもあり、特により遠位の肺血管は繊細である。
【0005】
第3に、血塊は、形態及び稠度のいずれかの範囲を含み得る。長い紐状のより軟質の血塊物質は、二分岐又は三分岐で詰まる傾向があり得、その結果、複数の血管が相当な長さにわたって同時に閉塞する。より成熟して組織化された血塊物質は、より軟質の新たな血塊より圧縮性が低い可能性があり、血圧の作用下では、それが内部に詰まっている柔軟な血管を膨張させ得る。更に、本発明者らは、血塊の特性が、それと相互作用するデバイスの作用によって著しく変化し得ることを発見した。具体的には、血塊の圧縮は血塊の脱水を引き起こし、血塊の剛性及び摩擦係数の両方の劇的な増加を結果としてもたらす。
【0006】
いかなるデバイスも、血塊を除去し、流れを回復させることにおける高いレベルの成功をもたらすためには、上述した課題を克服する必要がある。既存のデバイスは、これらの課題、特に血管外傷及び血塊特性と関連付けられる課題に適切に対処しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の必要性を満たすデバイス及び方法を提供することが、本設計の目的である。したがって、血塊回収デバイスが、AISに苦しむ患者の大脳動脈から、MIに苦しむ患者の自然の冠状血管又は移植血管から、肺塞栓症に苦しむ患者の肺動脈から、並びに血塊が閉塞を引き起こしている他の末梢動脈及び末梢静脈から、血塊を除去することが望ましい。
【0008】
いくつかの実施例では、デバイスは、閉塞に近接して配置するように構成された挟持機能(例えば、中頸動脈(internal carotid artery、ICA)内)を含む。デバイスは、血管を再灌流する、及び/又はフィブリンコアを有する血塊を除去するように構成され得る。いくつかの実施例では、フィブリンコアは、比較的軟らかい血栓によって囲まれた血塊内の中間又は遠位位置にある場合がある。
【0009】
いくつかの実施例では、デバイスは、M1分岐内の血塊を除去するように構成され得る。
【0010】
いくつかの実施例では、デバイスは、M2分岐内の血塊を除去するように構成され得る。
【0011】
いくつかの実施例では、血塊回収デバイスを製造するための方法は、外側ケージを形成するために第1の管上に第1の所定のパターンをパターン形成することであって、外側ケージがある外径を含む、第1の所定のパターンをパターン形成するステップと、内側流路を含む内側ケージを形成するために第2の管上に第2の所定のパターンをパターン形成するステップと、内側ケージを外側ケージ内に同心円状に位置付けるステップと、を含むことができる。付加的に、血塊回収デバイスは、マイクロカテーテルの内径よりも大きい直径を有する拡張構成を備えることができる。
【0012】
いくつかの実施例では、第1の管の外径は、拡張構成において血塊回収デバイスの外径にほぼ等しく、それによって、血塊回収デバイスの外径を達成するように形状設定されたより小さい直径の外側ケージと比較したときに、血塊回収デバイスの両方が等しい半径方向力を有する場合に、血塊の下、周囲、周りなどでより大きい直径に外側ケージを拡張するか、又は血管壁並置を改善することができる。
【0013】
いくつかの実施例では、第1の管の外径は、拡張構成において血塊回収デバイスの外径よりも大きく、それによって、血塊回収デバイスの外径を達成するように形状設定されたより小さい直径の外側ケージと比較したときに、血塊回収デバイスの両方が等しい半径方向力を有する場合に、血塊の下、周囲、周りなどでより大きい直径に外側ケージを拡張するか、又は血管壁並置を改善することができる。
【0014】
いくつかの実施例では、外側ケージは、8つの支柱のリングを備えるようにパターン形成され得る。
【0015】
いくつかの実施例では、内側ケージは、血塊の一部を挟持するように構成された4つの支柱のリングを備えるようにパターン形成され得る。
【0016】
いくつかの実施例では、方法は、外側ケージの遠位端に第1の放射線不透過性マーカを取り付け、外側ケージの近位端に第2の放射線不透過性マーカを取り付けるステップを更に含むことができる。
【0017】
いくつかの実施例では、方法は、外側ケージの近位端に第1の細長部材を取り付けるステップであって、第1の細長部材は、外側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成されている、第1の細長部材を取り付けるステップと、内側ケージの近位端に第2の細長部材を取り付けるステップであって、第2の細長部材は、内側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成されている、第2の細長部材を取り付けるステップと、を更に含むことができる。
【0018】
いくつかの実施例では、第2の細長部材は、ワイヤであり得る。
【0019】
いくつかの実施例では、第1の細長部材は、管であり得る。
【0020】
いくつかの実施例では、第1の細長部材は、第1の複数のセグメントであって、複数のセグメントの各セグメントが、それぞれの外径を減少させ、そのため、テーパを形成することができ、第1の細長部材が、第1の細長部材に沿って可変剛性プロファイルを含むことができ、第1の細長部材の近位端が、第1の細長部材の遠位端よりも剛性であるような、第1の複数のセグメントを備えることができる。
【0021】
いくつかの実施例では、第2の細長部材は、第1の複数のセグメントであって、複数のセグメントの各セグメントが、それぞれの外径を減少させ、そのため、テーパを形成することができ、第2の細長部材が第2の細長部材に沿って可変剛性プロファイルを含むことができ、第2の細長部材の近位端が、第2の細長部材の遠位端よりも剛性であるような、第1の複数のセグメントを備えることができる。
【0022】
いくつかの実施例では、方法は、第2の細長部材の遠位端をレセプタクルの近位端に取り付けることと、内側ケージの近位端をレセプタクルの空洞内に取り付けることと、を含む、第2の細長部材を取り付けるステップを更に含み、第2の細長部材は、第1の細長部材の管腔内で摺動可能であり得る。
【0023】
いくつかの実施例では、レセプタクルは、内側ケージの近位端が過剰に挿入されることを緩和するために、空洞内のステップを更に含むことができる。
【0024】
いくつかの実施例では、方法は、第1の細長部材に沿って所望の剛性プロファイルを達成するために、第1の細長部材上に第3の所定のパターンをパターン形成するステップを更に含むことができる。
【0025】
いくつかの実施例では、第3の所定のパターンは、螺旋パターン、1つ若しくは2つ以上の断続螺旋パターン、又は1つ若しくは2つ以上の半径方向カットパターンのうちの1つ若しくは2つ以上を含むことができる。
【0026】
いくつかの実施例では、第1の細長部材及び第2の細長部材は、マイクロカテーテル内の別個の管腔内にあり得る。
【0027】
いくつかの実施例では、方法は、第1の細長部材及び第2の細長部材を結合解除するステップと、内側ケージのセルが血塊上で潰れて血塊の部分に追加の圧力を及ぼすようにすること、又は、血塊をマイクロカテーテルの遠位端と内側ケージのセルとの間で係合させることによって、マイクロカテーテルを内側ケージの上を近位方向に前進させるステップとを更に含むことができる。
【0028】
いくつかの実施例では、方法は、c字形状特徴部を含むクリップを使用して、c字形状特徴部を使用してそれぞれ、第1の細長部材及び第2の細長部材の近位端を取り付けること、並びに、第1の細長部材及び第2の細長部材を一斉に遠位又は近位方向に摺動させることによって第1の細長部材及び第2の細長部材を結合するステップを更に含むことができる。
【0029】
いくつかの実施例では、血塊を除去するための方法は、血管壁内の血塊に近接してマイクロカテーテルを配置するステップと、マイクロカテーテルの管腔内の外側ケージ及び内側ケージが血管壁の周りに拡張し、血塊の一部分と係合するように、マイクロカテーテルを近位方向に後退させるステップと、内側ケージの隣接する支柱又は外側ケージの支柱の間の距離が低減して内側支柱又は外側支柱と係合された血塊の部分に圧力を及ぼし、それによって血塊を挟持するように、内側ケージと連通する第1の細長部材又は外側ケージと連通する第2の細長部材を近位方向に後退させるステップと、マイクロカテーテルを第1の細長部材又は第2の細長部材のうちの一方の上を遠位方向に前進させるステップとを含むことができる。付加的に、内側ケージのセルが血塊上で潰れて血塊の当該部分に追加の圧力を及ぼすようにすること、又は、血塊をマイクロカテーテルの遠位端と内側ケージのセルとの間で係合させることによって、マイクロカテーテルを前進させることによって血塊の一部分が挟持される。
【0030】
いくつかの実施例では、方法は、マイクロカテーテル、第1の細長部材及び第2の細長部材、内側ケージ及び外側ケージ、並びに血塊を血管壁から後退させることを更に含むことができる。
【0031】
いくつかの実施例では、外側ケージは、8つの支柱のリングを備えるようにパターン形成され得る。
【0032】
いくつかの実施例では、内側ケージは、血塊の一部を挟持するように構成された4つの支柱のリングを備えるようにパターン形成され得る。
【0033】
いくつかの実施例では、血塊に近接してマイクロカテーテルを配置するステップは、c字形状特徴部を使用して、それぞれ、第1の細長部材及び第2の細長部材の近位端を取り付けることと、マイクロカテーテル並びに第1の細長部材及び第2の細長部材を一斉に血塊に向かって近接するように摺動させることと、によって、c字形状特徴部を含むクリップを使用して、第1の細長部材及び第2の細長部材を結合するステップを更に含むことができる。
【0034】
いくつかの実施例では、内側ケージと連通する第1の細長部材を後退させるステップは、第1の細長部材が第2の細長部材から独立して後退することができるように、第1の細長部材及び第2の細長部材を互いに結合解除することを更に含むことができる。
【0035】
いくつかの実施例では、第2の細長部材は、管であり得る。
【0036】
いくつかの実施例では、第1の細長部材は、ワイヤであり得る。
【0037】
いくつかの実施例では、第1の細長部材及び第2の細長部材は、マイクロカテーテル内の第1のジャケット及び第2のジャケットの別個の管腔内にあり得る。
【0038】
いくつかの実施例では、第1の細長部材は、第1の複数のセグメントであって、複数のセグメントの各セグメントが、それぞれの外径を減少させ、そのため、テーパを形成することができ、第1の細長部材が第1の細長部材に沿って可変剛性プロファイルを含むことができ、第1の細長部材の近位端が、第1の細長部材の遠位端よりも剛性であるような、第1の複数のセグメントを備えることができる。
【0039】
いくつかの実施例では、第2の細長部材は、第1の複数のセグメントであって、複数のセグメントの各セグメントが、それぞれの外径を減少させ、そのため、テーパを形成することができ、第2の細長部材が第2の細長部材に沿って可変剛性プロファイルを含むことができ、第2の細長部材の近位端が、第2の細長部材の遠位端よりも剛性であるような、第1の複数のセグメントを備える。
【0040】
いくつかの実施例では、内側ケージと連通する第1の細長部材を後退させるステップは、第1の細長部材を第2の細長部材の管腔内で近位又は遠位方向に摺動させることを更に含むことができる。
【0041】
いくつかの実施例では、第2の細長部材に沿って所望の剛性プロファイルを達成するために、第2の細長部材上に第3の所定のパターンをパターン形成することができる。
【0042】
いくつかの実施例では、第3の所定のパターンは、螺旋パターン、1つ若しくは2つ以上の断続螺旋パターン、又は1つ若しくは2つ以上の半径方向カットパターンのうちの1つ若しくは2つ以上を含むことができる。
【0043】
いくつかの実施例では、血塊回収デバイスは、外側ケージと、外側ケージ内に同心円状に位置付けられた内側ケージと、外側ケージと連通する第1の細長部材と、内側ケージと連通する第2の細長部材とを備えることができる。
【0044】
いくつかの実施例では、外側ケージの外径は、拡張構成において血塊回収デバイスの外径にほぼ等しくすることができ、それによって、血塊回収デバイスの外径を達成するように形状設定されたより小さい直径の外側ケージと比較したときに、血塊回収デバイスの両方が等しい半径方向力を有する場合に、血塊の下、周囲、周りなどでより大きい直径に外側ケージを拡張するか、又は血管壁並置を改善することができる。
【0045】
いくつかの実施例では、外側ケージの外径は、拡張構成において血塊回収デバイスの外径よりも大きくすることができ、それによって、血塊回収デバイスの外径を達成するように形状設定されたより小さい直径の外側ケージと比較したときに、血塊回収デバイスの両方が等しい半径方向力を有する場合に、血塊の下、周囲、周りなどでより大きい直径に外側ケージを拡張するか、又は血管壁並置を改善することができる。
【0046】
いくつかの実施例では、外側ケージは、8つの支柱のリングを備えるようにパターン形成され得る。
【0047】
いくつかの実施例では、内側ケージは、血塊の一部を挟持するように構成された4つの支柱のリングを備えるようにパターン形成され得る。
【0048】
いくつかの実施例では、デバイスは、外側ケージの遠位端にある第1の放射線不透過性マーカと、外側ケージの近位端にある第2の放射線不透過性マーカと、を更に備えることができる。
【0049】
いくつかの実施例では、デバイスは、クリップを更に備えることができ、クリップは、クリップの各端部にc字形状特徴部を含み、各特徴部は、第1の細長部材又は第2の細長部材の一方を受容するように構成されており、クリップは、取り付けられたときに第1の細長部材及び第2の細長部材を結合するように構成されている。
【0050】
いくつかの実施例では、デバイスは、外側ケージの近位端に取り付けられた第1の細長部材であって、第1の細長部材は、外側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成されている、第1の細長部材と、内側ケージの近位端に取り付けられた第2の細長部材であって、第2の細長部材は、内側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成されている、第2の細長部材とを更に備えることができる。
【0051】
いくつかの実施例では、第2の細長部材は、ワイヤであり得る。
【0052】
いくつかの実施例では、第1の細長部材は、管であり得る。
【0053】
いくつかの実施例では、第1の細長部材は、第1の複数のセグメントであって、複数のセグメントの各セグメントが、それぞれの外径を減少させ、そのため、テーパを形成することができ、第1の細長部材が第1の細長部材に沿って可変剛性プロファイルを含むことができ、第1の細長部材の近位端が、第1の細長部材の遠位端よりも剛性であるような、第1の複数のセグメントを備えることができる。
【0054】
いくつかの実施例では、第2の細長部材は、第1の複数のセグメントであって、複数のセグメントの各セグメントが、それぞれの外径を減少させ、そのため、テーパを形成することができ、第2の細長部材が第2の細長部材に沿って可変剛性プロファイルを含むことができ、第2の細長部材の近位端が、第2の細長部材の遠位端よりも剛性であるような、第1の複数のセグメントを備えることができる。
【0055】
いくつかの実施例では、デバイスは、レセプタクルの近位端に取り付けられた第2の細長部材の遠位端を更に備えることができ、内側ケージの近位端はレセプタクルの空洞内に取り付けられており、第2の細長部材は、第1の細長部材の管腔内で摺動可能であり得る。
【0056】
いくつかの実施例では、レセプタクルは、内側ケージの近位端が過剰に挿入されることを低減するために、空洞内のステップを更に備えることができる。
【0057】
いくつかの実施例では、デバイスは、第1の細長部材に沿って所望の剛性プロファイルを達成するために、第1の細長部材上の所定のパターンを更に備えることができる。
【0058】
いくつかの実施例では、所定のパターンは、螺旋パターン、1つ若しくは2つ以上の断続螺旋パターン、又は1つ若しくは2つ以上の半径方向カットパターンのうちの1つ若しくは2つ以上を含むことができる。
【0059】
いくつかの例では、第1の細長部材及び第2の細長部材は、マイクロカテーテル内の第1の潤滑細長部材ジャケット及び第2の潤滑細長部材ジャケットのそれぞれの管腔内にある。
【0060】
本開示の他の態様及び特徴は、以下の詳細な説明を添付の図と併せて考察することで、当業者には明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本開示の上記及び更なる態様は、添付の図面の以下の説明と併せて更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本開示の原理を例解することが重視されている。図は、限定としてではなく単なる例解として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。当業者は、ユーザの必要性により良好に適するように、複数の図面から要素を着想して組み合わせ得ることが予想される。
図1A】拡張構成における例示的な血塊回収デバイスを例解した。
図1B】例示的なレセプタクルの断面を例解する。
図1C】送達構成における例示的な血塊回収デバイスを例解する。
図1D】例示的なレセプタクルの平面図を例解する。
図1E】例示的な血塊回収デバイスの平面図を例解する。
図1F】細長部材上に配置された例示的な所定のパターンを例解する。
図1G】細長部材上に配置された例示的な所定のパターンを例解する。
図1H】細長部材上に配置された例示的な所定のパターンを例解する。
図1I】血管内で血塊に近接した、展開構成にある例示的な血塊回収デバイスを例解する。
図1J】血管内で挟持構成にあり、血塊と連通する例示的な血塊回収デバイスを例解する。
図1K】例示的な血塊回収デバイスの切断図を例解する。
図2A】拡張構成における例示的な血塊回収デバイスを例解する。
図2B】拡張構成における例示的な血塊回収デバイスを例解する。
図2C】拡張構成における例示的な血塊回収デバイスを例解する。
図2D】送達構成における例示的な血塊回収デバイスを例解する。
図2E】例示的な血塊回収デバイスの例示的な断面を例解する。
図2F】例示的な血塊回収デバイスの例示的な断面を例解する。
図2G】例示的な血塊回収デバイスの例示的な断面を例解する。
図2H】血管内で血塊に近接した、展開構成にある例示的な血塊回収デバイスを例解する。
図2I】血管内で挟持構成にあり、血塊と連通する例示的な血塊回収デバイスを例解する。
図2J】例示的な血塊回収デバイスの切断図を例解する。
図2K】例示的な血塊回収デバイスの例示的なクリップを例解する。
図3】例示的な血塊回収デバイスの組み立てを示すフローチャートである。
図4】例示的な血塊回収デバイスの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本開示の具体的な実施例が、ここで図面を参照して詳細に説明されるが、同一の参照番号は、機能的に類似又は同一の要素を示す。実施例は、効率の悪い血塊除去及び標的部位へのカテーテルの不正確な展開などの、従来のカテーテルと関連する欠陥の多くに対処する。
【0063】
冠状血管であるか、肺血管であるか、脳血管であるかによらず、血管系内の様々な血管にアクセスするには、周知の手技ステップ及び多くの従来の市販アクセサリ製品の使用を伴う。血管造影物質及びガイドワイヤなどのこれらの製品は、検査手技及び医療手技において広く使用されている。これらの製品が、以下の説明において本開示のシステム及び方法と共に使用される場合、それらの機能及び正確な構成は、詳細には記載されない。
【0064】
以下の詳細な説明は、本来単なる例示的なものであり、本開示、又は本開示の応用及び使用を限定することを意図されていない。本開示の説明は、多くの場合は頭蓋内動脈の処置との関連におけるものであるが、本開示はまた、前述のような他の身体通路においても使用され得る。
【0065】
本開示の特定の実施例を例解及び説明してきたが、本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく様々な変更を行うことができることは、上記の説明により明らかとなるであろう。例えば、本明細書に記載された実施例は特定の特徴に言及するが、本開示は、異なる特徴の組み合わせを有する実施例を含む。本開示はまた、記載されている特定の特徴全てを含んではいない実施例をも含む。本開示の特定の実施例が、ここで、図面を参照して詳細に説明されており、同一の参照番号は、同一の又は機能的に類似した要素を示す。「遠位」又は「近位」という用語は、以下の記載において、処置している医師に対する位置又は方向に関して使用される。「遠位」又は「遠位に」とは、医師から離れた位置又は医師から離れる方向である。「近位」又は「近位に」又は「近接」とは、医師に近い位置又は医師に向かう方向である。
【0066】
大脳、冠状動脈、及び肺静脈にアクセスすることは、多数の市販の製品及び従来の処置ステップを使用することを伴う。ガイドワイヤ、ガイドカテーテル、血管造影カテーテル及びマイクロカテーテルなどのアクセス製品は、他の場所で説明され、カテーテル検査法で定常的に使用されるものである。以下の説明では、これらの製品及び方法は、本開示のデバイス及び方法と併せて使用されることが想定され、必ずしも詳細に説明される必要はない。
【0067】
以下の詳細な説明は、本来単なる例示的なものであり、本開示、又は本開示の応用及び使用を限定することを意図されていない。本開示の説明は、多くの場合は頭蓋内動脈の処置との関連におけるものであるが、本開示はまた、前述のような他の身体通路においても使用され得る。
【0068】
開示された設計の多くにわたる共通のテーマは、多層構造であり、ある場合におけるデバイスが、外側ケージを含むことができ、その中に、時には、内側ケージを含むことができ、両方のケージが1つ又は2つ以上の細長部材に直接的又は間接的に接続されている。図1Aは、第1の位置を含む拡張構成における例示的な血塊回収デバイス100を示す。デバイス100は、外側ケージ102、内側ケージ108、レセプタクル116、第1の細長部材114、第2の細長部材118、及びマイクロカテーテル120を含むことができる。マイクロカテーテル120は、内径ID1を含む管腔122を含むことができる。内径ID1は、約0.021インチであり得る。代替的に、内径ID1は、約0.5mmであり得る。
【0069】
付加的に、デバイス100は、近位放射線不透過性バンド128a及び/又は遠位放射線不透過性バンド128bを含むことができる。拡張構成では、外側ケージ102は、外径OD1に拡張することができ、マイクロカテーテル120の管腔122の外側にあり得る。外径OD1は、約0.6mm、2mm、4mm、又は6.5mmであり得る。代替的に、外径OD1は、約0.6mm~6.5mmであり得る。代替的に、外径OD1は、約2mm~6.5mmであり得る。代替的に、外径OD1は、マイクロカテーテル120の内径ID1に比例し得る。一実施例として、外径OD1は、内径ID1よりも2倍大きくてもよく、例えば、内径ID1が約0.5mmである場合、外径OD1は約1mmとなる。このように、外径OD1は、内径ID1よりも約1倍、4倍、8倍、又は13倍大きくすることができる。代替的に、外径OD1は、内径ID1よりも約4~13倍大きくてもよい。付加的に、拡張構成では、内側ケージ108は、マイクロカテーテル120の管腔122の外側にあり得る。
【0070】
外側ケージ102は、近位端104、遠位端106、及び外径OD1を含むことができる。外側ケージ102は、外側支柱のネットワーク103から作製することができる。外側ケージ102の近位端104は、第1の細長部材114の遠位端113aに取り付けられるように構成され得る。拡張構成では、外側ケージ102の近位端104は、マイクロカテーテル120の遠位端124の遠位にあり得る。送達構成では、下記に詳細に記載されるように、外側ケージ102の遠位端106は、マイクロカテーテル120の遠位端124の近位にあり得る。外側ケージ102は、マイクロカテーテル120の管腔122を外側ケージ102の上を近位又は遠位方向に摺動させることによって、拡張構成と送達構成との間で遷移することができ、それによって外側ケージ102が外径OD1に拡張し、内側ケージも同様に拡張する。付加的又は代替的に、外側ケージ102の外側支柱のネットワーク103は、以下で詳細に考察されるように、リング状のパターンを形成する、半径方向において均一に、又は不均一に分散された8つの支柱を含む、その上に配置された所定のパターンを含むことができる。しかしながら、必要又は要求に応じて、より多い又はより少ない支柱を含めることができる。
【0071】
外側ケージ102は、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる生体適合性材料から作製することができる。例として、限定するものではないが、約6.5mmの外径OD1を有する外側ケージ102は、例えば、約0.5mmの内径ID1を含むマイクロカテーテル120の管腔122内に挿入されるように半径方向に潰れ、外側ケージ102は、約92%の圧縮歪みを受ける。別の実施例として、約2mmの外径OD1を有する外側ケージ102は、例えば、約0.5mmの内径ID1を含むマイクロカテーテル120の管腔122内に挿入されるように半径方向に潰れ、外側ケージ102は、約75%の圧縮歪みを受ける。したがって、「著しくひずんだ送達構成」という用語は、本開示において使用されるとき、外側ケージ102が約75%~92%の圧縮歪みを受ける場所であり得る。しかしながら、著しくひずんだ構成に対応する他の範囲が、必要又は要求に応じて企図される。
【0072】
いくつかの実施例では、ニチノールなどの超弾性材料形状記憶合金、又は同様の特性の生体適合性合金が特に好適であり得る。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断し、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨して、支柱及び接続要素のネットワークを作製することである。このネットワークは、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化元素(例えば、白金、タンタルなど)の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化され得る。
【0073】
内側ケージ108は、近位端110、遠位端112、及び内側支柱のネットワーク109を含むことができる。内側ケージ108は、実質的に管状であり、外側ケージ102内に同心円状に位置付けられて、流路108aを形成することができる。流路108aは、外側ケージ102の近位端104と遠位端106との間の流体流を可能にするように構成することができる。付加的又は代替的に、流路108aは、内側ケージ108の近位端110と遠位端112との間の流体流を可能にするように構成することができる。付加的又は代替的に、内側ケージ108の内側支柱109のネットワークは、以下で詳細に考察されるように、リング状のパターンを形成する、半径方向において均一に、又は不均一に分散することができる4つの支柱を含む、その上に配置された所定のパターンを含むことができる。しかしながら、必要又は要求に応じて、より多い又はより少ない支柱を含めることができる。
【0074】
互いに直接的又は間接的にのいずれかで連通する内側支柱のネットワーク109内の2つ以上の内側支柱は、挟持セル109a(例えば、セル)を形成するように構成することができる。内側支柱のネットワーク109は、以下で詳細に考察されるように、血塊の一部を摘み取るように構成することができる。本明細書で考察されるように、「摘み取る(tweeze)」又は「摘み取ること(tweezing)」という用語は、それぞれの支柱を共にして、血塊の少なくとも一部分を摘み取る又は把持する挟持セルを覆うことを指すことが意図される。この点において、それぞれのセルにおける支柱の数は限定される必要はないが、少なくとも2つの支柱表面が、対応する血塊材料を摘み取るために含まれなければならない。内側ケージ108は、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる材料から作製することができる。ニチノール又は類似の特性を有する合金などの超弾性材料形状記憶合金が特に好適であり得る。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断し、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨して、支柱及び接続要素のネットワークを作製することである。このネットワークは、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化元素(例えば、白金、タンタルなど)の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化され得る。
【0075】
図1Bを参照すると、レセプタクル116は、取り付け面116eを含む近位端116a、開口部116dを含む空洞116b、及び空洞116b内に位置し、内径ID3を有するステップ116cを含むことができる。空洞116bは、内側ケージ108の近位端110を受容するように構成することができる。内側ケージ108の近位端110は、レセプタクル116の空洞116bに取り付けることができる。代替的に、内側ケージ108の近位端110は、レセプタクル116のステップ116cに取り付けられ得る。内側ケージ108の近位端110は、1つ又は2つ以上の溶接部を使用して取り付けることができる。ステップ116cは、内側ケージ108の近位端110の過剰挿入を防止することができる。レセプタクルは、実質的に管状であり得、116は、ニチノール、又は別の生体適合性金属などの形状記憶合金から構成され得る。付加的又は代替的に、取り付け面116eは、第2の細長部材118の遠位端119aに取り付けられるように構成され得る。
【0076】
図1Aに戻ると、第1の細長部材114は、遠位端113a、近位端113b、及び管腔115を含むことができる。第1の細長部材114の遠位端113aは、外側ケージ102の近位端104に取り付けることができ、外側ケージ102を動かすように構成することができる。外側ケージ102の近位端104は、1つ又は2つ以上の溶接部を使用して取り付けることができる。第1の細長部材114は、ニチノール又は別の形状記憶合金から構成することができる。第1の細長部材114は、以下で考察されるように、それに沿って可変剛性プロファイルを提供するためにその上に配置されている1つ又は2つ以上の所定のパターン、例えば、螺旋パターン、1つ若しくは2つ以上の断続螺旋パターン、又は1つ若しくは2つ以上の半径方向カットパターンのうちの1つ若しくは2つ以上を有することができる。付加的又は代替的に、第1の細長部材114は、実質的に管状であり得、マイクロカテーテル120の管腔122内で遠位又は近位方向に摺動するように構成され得る。付加的又は代替的に、第1の細長部材114は、第2の細長部材118及びレセプタクル116を、第1の細長部材114の管腔115内で遠位又は近位方向に摺動させるように構成することができる。付加的又は代替的に、第1の細長部材114は、以下で詳細に考察されるように、それに沿って可変剛性プロファイルを提供するためのテーパを含むことができる。第1の細長部材114は、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる材料から作製することができる。ニチノール又は類似の特性を有する合金などの超弾性材料形状記憶合金が特に好適であり得る。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断し、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨することである。この構造は、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化元素の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化することができる。
【0077】
第2の細長部材118は、遠位端119a及び近位端119bを含むことができる。第2の細長部材118の遠位端119bは、レセプタクル116の近位端116aに取り付けられるように構成することができる。付加的又は代替的に、第2の細長部材缶118は、ワイヤである。付加的又は代替的に、第2の細長部材118は、中実シャフトとすることができ、実質的に円筒形であり得る。付加的又は代替的に、第2の細長部材118は、管腔を含む中空シャフトとすることができ、実質的に管状であり得る。付加的又は代替的に、第2の細長部材118は、ニチノール又は別の形状記憶合金から構成され得る。付加的又は代替的に、第2の細長部材118は、以下で詳細に考察されるように、それに沿って可変剛性プロファイルを提供するためのテーパを含むことができる。第2の細長部材118は、以下で考察されるように、それに沿って可変剛性プロファイルを提供するためにその上に配置されている1つ又は2つ以上の所定のパターン、例えば、螺旋パターン、1つ若しくは2つ以上の断続螺旋パターン、又は1つ若しくは2つ以上の半径方向カットパターンのうちの1つ若しくは2つ以上を有することができる。
【0078】
付加的又は代替的に、第2の細長部材118は、第1の細長部材114の管腔115内で遠位又は近位方向に摺動するように構成され得る。これは、第2の細長部材118上にPEBAXジャケットを含む必要性をなくし、「チーズワイヤ」効果の結果として血管への損傷を防止するために有利であり得る。付加的又は代替的に、レセプタクル116は、管腔115内で遠位又は近位方向に摺動するように構成され得る。第2の細長部材118は、上で考察されたようにレセプタクル116に取り付けることができ、第2の細長部材118を近位又は遠位方向に摺動させることにより、レセプタクル116を第1の細長部材114の管腔115内で近位又は遠位方向に摺動させることができる。付加的又は代替的に、遠位又は近位方向における第2の細長部材118の動きは、上で考察されたように、内側ケージ108の近位端110をレセプタクル116に取り付けることができ、それによって、レセプタクル116を介して、第2の細長部材118の動きを内側ケージ108に伝達することができるため、遠位及び/又は近位方向に内側ケージ108を動かすことができる。第2の細長部材118は、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる材料から作製することができる。ニチノール又は類似の特性を有する合金などの超弾性材料形状記憶合金が特に好適であり得る。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断し、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨することである。この構造は、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化元素の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化することができる。
【0079】
マイクロカテーテル120は、管腔122と、遠位端124とを含むことができる。マイクロカテーテル120の内径ID1は、少なくとも第1の細長部材114及び外側ケージ102を管腔122内に摺動可能に位置付けるように寸法決めされ得る。更に、内側ケージ108は、管腔122内を摺動するように構成され得る。第2の細長部材118は、管腔122内を摺動するように構成することができる。
【0080】
近位放射線不透過性バンド128aは、外側ケージ102の近位端104に位置付けることができる。付加的又は代替的に、近位放射線不透過性バンド128aは、内側ケージ108の近位端110に位置付けることができる。近位放射線不透過性バンド128aは、白金又は他の放射線不透過性材料から構成することができる。近位放射線不透過性バンド128aは、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる材料から作製することができる。ニチノール又は類似の特性を有する合金などの超弾性材料形状記憶合金が特に好適であり得る。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断し、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨することである。この構造は、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化物の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化することができる。
【0081】
遠位放射線不透過性バンド128bは、外側ケージ102の遠位端106に位置付けることができる。付加的又は代替的に、遠位放射線不透過性バンド128bは、内側ケージ108の遠位端112に位置付けることができる。遠位放射線不透過性バンド128bは、白金又は他の放射線不透過性材料から構成することができる。遠位放射線不透過性バンド128bは、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる材料から作製することができる。ニチノール又は類似の特性を有する合金などの超弾性材料形状記憶合金が特に好適であり得る。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断し、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨して、構造を作製することである。この構造は、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化元素の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化することができる。
【0082】
図1Cは、第2の位置を含む送達構成にあるデバイス100を示す。送達構成では、デバイス100は、送達の準備が整った患者の外側にあり得、外側ケージ102は、マイクロカテーテル120の管腔122内にあり得、マイクロカテーテル120の内径ID1と実質的に同様の直径を含み得る。代替的に、送達構成において、デバイス100の少なくとも一部分は、患者の血管内にあり得る。更に、送達構成では、外側ケージ102の遠位端106及び内側ケージ108の遠位端112は、内径ID1を含むマイクロカテーテル120の管腔122内にあり得る。マイクロカテーテル120の内径ID1は、拡張構成における外側ケージ102の外径OD1未満であり得る。更に、遠位放射線不透過性バンド128bは、管腔122内にあり得る。
【0083】
図1Dは、血塊回収デバイス100の正面断面図を示す。この図は、レセプタクル116の様々な態様を詳細に示す。レセプタクル116は、内径ID3を含む開口部116dを含むことができる。レセプタクル116は、空洞116bの少なくとも一部分の内径ID3を含む空洞116bを含むことができる。レセプタクル116は、第1の細長部材114の管腔115内に位置付けることができる。第1の細長部材114は、開口部116dの内径ID3よりも大きい寸法を含むが、マイクロカテーテル120の内径ID1よりも小さい内径ID2を含むことができる。ステップ116cは、レセプタクル116の空洞116b内に配置することができる。内側ケージ108の近位端110の過剰挿入を防止するために、ステップ116cは、空洞116bの内径ID3を内径ID4まで低減させ、それによって内側ケージ108の近位端110がレセプタクル116の近位端116aに溶接されるのを防止する。内側ケージ108の近位端110は、レセプタクル116の空洞116bに取り付けることができる。代替的に、内側ケージ108の近位端110は、レセプタクル116のステップ116cに取り付けられ得る。内側ケージ108の近位端110は、1つ又は2つ以上の溶接部を使用して取り付けることができる。
【0084】
図1Eは、送達位置にある間の、外側支柱のネットワーク103を含む外側ケージ102及び内側支柱のネットワーク109を含む内側ケージ108の断面を示す。付加的又は代替的に、外側支柱のネットワーク103は、外側ケージ102の中心線の周りに均一又は不均一に分散することができる6~10個の支柱を含むようにパターン形成することができる。付加的又は代替的に、内側支柱のネットワーク109は、内側ケージ108の中心線の周りに均一又は不均一に分散することができる2~6個の支柱を含むようにパターン形成することができる。
【0085】
図1F図1Hは、第1の細長部材114上に配置された所定のパターンの例を示す。図1Fは、その上に配置された螺旋カット126aを含む第1の細長部材114を示す。螺旋カット126aは、螺旋の各回転間の均一な間隔、及び/又は、第1の細長部材114の長さに沿って螺旋の各回転間に均一な間隔を形成する均一な螺旋角度を有する螺旋であり得る。代替的に、螺旋カット126aは、螺旋の各回転間の不均一な間隔、及び/又は、第1の細長部材114の長さに沿って螺旋の各回転間に不均一な間隔を形成する不均一な螺旋角度を有し、それによって第1の細長部材114の長さに沿って第1の細長部材114の可変剛性を生じる螺旋であり得る。更に、第2の細長い部材118は、その上に配置された螺旋カット126aなどの螺旋カットを含むことができる。図1Gは、その上に配置された断続螺旋パターン126bを含む第1の細長部材114を示す。断続螺旋パターン126bは、螺旋の各回転間の均一な間隔、及び/又は、第1の細長部材114の長さに沿って螺旋の各回転間に均一な間隔を形成する均一な螺旋角度を有する螺旋カットであり得る。代替的に、断続螺旋パターン126bは、螺旋の各回転間の不均一な間隔、及び/又は、第1の細長部材114の長さに沿って螺旋の各回転間に不均一な間隔を形成する不均一な螺旋角度を含み、それによって第1の細長部材114の長さに沿って第1の細長部材114の可変剛性を生じる螺旋カットであり得る。更に、第2の細長い部材118は、その上に配置された断続螺旋パターン126bなどの断続螺旋パターンを含むことができる。螺旋(又は螺旋状)カットは、連続的なカットである必要はなく、言い換えれば、第1の細長部材114の材料によって中断された、又は分離された複数のカットが存在し得る。図1Hは、その上に配置された半径方向カットパターンを含む第1の細長部材114を示す。半径方向パターン126cは、第1の細長部材114の長さに垂直であり、かつ第1の細長部材114の長さに沿って均一に繰り返される複数のカットであり得る。細長代替的に、半径方向パターン126cは、第1の部材114の長さに垂直であり、かつ第1の細長部材114の長さに沿って不均一に繰り返される複数のカットであり得る。更に、第2の細長い部材118は、その上に配置された半径方向パターン126cなどの半径方向パターンを含むことができる。
【0086】
図1Iは、血管2内の第3の位置を含み、血塊1と連通する、展開構成における例示的な血塊回収デバイス100を例解する。付加的に、展開構成では、外側ケージ102は、マイクロカテーテル120の管腔122の外側(例えば、その遠位)にあり得る。付加的に、展開構成では、内側ケージ108は、マイクロカテーテル120の管腔122の外側(例えば、その遠位)にあり得る。近位方向におけるマイクロカテーテル120の後退によって、内側ケージ108及び外側ケージ102を展開することができる。結果として、血塊1の一部分は、外側ケージ102及び/又は内側ケージ108と連通することができる。具体的には、血塊1の部分は、内側支柱のネットワーク109及び/又は外側支柱のネットワーク103と連通することができる。内側ケージ108の流路108aは、流体が血塊1を越えて流れることを可能にすることができる。第1の細長部材114及び第2の細長部材118は、近位及び/又は遠位方向に互いに独立して動くことができる。付加的又は代替的に、第1の細長部材114及び第2の細長部材118は、それらが近位方向及び/又は遠位方向に共に動くように、第1の細長部材114及び第2の細長部材118のそれぞれの近位端113b、119bにおいて結合され得る。
【0087】
図1Jは、血管2内で挟持構成にあり、血塊1と連通する例示的な血塊回収デバイス100を例解する。付加的に、挟持構成では、外側ケージ102の一部分は、マイクロカテーテル120の管腔122の外側にあり得、血塊1の一部分と連通し得る。更に、挟持構成では、内側ケージ108の一部分は、マイクロカテーテル120の管腔122の外側にあり得、血塊1の一部分を挟持するか、又は摘み取ることができる。第1の細長部材114及び第2の細長部材118は、近位及び/又は遠位方向に互いに独立して動くことができる。付加的又は代替的に、第1の細長部材114及び第2の細長部材118は、それらが独立して動くように、第1の細長部材114及び第2の細長部材118のそれぞれの近位端113b、119bにおいて結合解除され得る。マイクロカテーテル120及び/又は第1の細長部材114は、第2の細長部材118の上を前進する(例えば、再被覆する)ことができる。付加的又は代替的に、マイクロカテーテル120及び/又は第1の細長部材114は、ピンチセル109aを形成するように構成された内側支柱のネットワーク109が血塊1の一部を挟持することができるように、内側ケージ108の上を前進させることができる。内側ケージ108の挟持セル109aが血塊1の一部分を挟持することができる間、外側支柱のネットワーク103は、血塊1の一部分と連通及び/又は係合したままであり得るため、第1の細長部材114及び第2の細長部材118が独立して動くことが有利であり得る。
【0088】
図1Kは、テーパを含む、例示的な第1の細長部材114及び例示的な第2の細長部材118を示す。第1の細長部材114は、第1の複数のセグメント114a、114bであって、複数の各セグメントが、増加するそれぞれの外径OD5及びOD6を含むことができ、そのため、テーパが形成され得るような、第1の複数のセグメント114a、114bを含むことができる。付加的又は代替的に、第1の複数のセグメント114a、114bの対応する内径の増加が企図される。一例として、セグメント114bの外径OD6は、セグメント114aの外径OD5よりも大きく、セグメント114bと関連する内径は、セグメント114aと関連する内径よりも大きくなり得る。テーパは、連続的であり得、例えば、第1の細長部材114の近位端113bにおける外径及び第1の細長部材114の遠位端113aにおけるより小さい外径を含み得る。付加的又は代替的に、対応する内径の連続的なテーパも企図される。一例として、対応する内径の連続的なテーパは、第1の細長部材114の近位端113bにおける内径及び第1の細長部材114の遠位端113aにおけるより小さい内径を含み得る。第1の細長部材114は、それに沿って可変剛性プロファイルを含むことができ、第1の細長部材114の近位端113bは、第1の細長部材114の遠位端113aよりも剛性である。第2の細長部材118は、第1の複数のセグメント118a、118b、及び118cであって、複数の各セグメントが、増加するそれぞれの外径OD2、OD3、及びOD4を含むことができ、そのため、テーパが形成され得るような、第1の複数のセグメント118a、118b、及び118cを含むことができる。テーパは、連続的であり得、例えば、第2のシャフト118の近位端119bにおける外径及び第2のシャフト118の遠位端119aにおけるより小さい外径を含み得る。第2の細長部材118は、それに沿って可変剛性プロファイルを含むことができ、第1の細長部材114の近位端113bは、第1の細長部材114の遠位端113aよりも剛性である。付加的又は代替的に、第2の細長部材118のみがテーパを含む。付加的又は代替的に、第1の細長部材114のみがテーパを含む。実施例では、第1の細長部材114及び第2の細長部材118がテーパを含む。
【0089】
図2A図2Cは、その構成が以前に説明されているような、第1の位置を含む拡張構成における例示的な血塊回収デバイス200を例解する。デバイス200は、外側ケージ202、内側ケージ208、第1の細長部材220、第2の細長部材216、第1の潤滑ジャケット221、第2の潤滑ジャケット217、及びマイクロカテーテル120を含むことができる。付加的に、デバイス200は、近位放射線不透過性バンド134a及び/又は遠位放射線不透過性バンド134bを含むことができる。
【0090】
外側ケージ202は、近位端204、遠位端206、及び外径OD1を含むことができる。外側ケージ202は、外側支柱のネットワーク203から作製することができる。外側ケージ202の近位端204は、第1の細長部材220の遠位端218に取り付けられるように構成され得る。拡張構成では、外側ケージ202の近位端204は、マイクロカテーテル120の遠位端124の遠位にあり得、それによって外側ケージ202を外径OD1に拡張させ、内側ケージ208も同様に拡張させる。送達構成では、下記に詳細に記載されるように、外側ケージ202の遠位端206は、マイクロカテーテル120の遠位端124の近位にあり得る。外側ケージ202は、マイクロカテーテル120の管腔122を外側ケージ202の上を近位又は遠位方向に摺動させることによって、展開構成と送達構成との間で遷移することができる。付加的又は代替的に、外側ケージ202の外側支柱のネットワーク203は、以下で詳細に考察されるように、半径方向においてリング状のパターンを形成する、均一に、又は不均一に分散された8つの支柱を含む、その上に配置された所定のパターンを含むことができる。しかしながら、必要又は要求に応じて、より多い又はより少ない支柱を含めることができる。図2B及び図2Cを参照すると、c字形状カラー232が、外側ケージ202の近位端204に配置され得る。c字形状カラー232は、第1の細長部材220の遠位端218において位置付けピン226を受容し、それと連通するように構成された管腔232aを含むことができる。更に、c字形状カラー232は、外側支柱のネットワーク203と連通することができる。更に、c字形状カラー232は、第1の細長部材220のステップ222に当接することができ、それにより、第1の細長部材を遠位方向に摺動させることにより、外側ケージ202が遠位方向に動く。更に、第1の細長部材220を近位方向に摺動させることによって、ステップ222がc字形状カラー232から係合解除され、位置付けピン226をc字形状カラー232の管腔232aから摺動させて、外側ケージ202が近位方向に動かないようにする。
【0091】
図2Aに戻って参照すると、外側ケージ202は、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる材料から作製することができる。ニチノールなどの超弾性材料形状記憶合金、又は同様の特性の生体適合性金属合金が特に好適であり得る。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断し、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨して、支柱及び接続要素のネットワークを作製することである。このネットワークは、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化元素の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化することができる。
【0092】
内側ケージ208は、近位端210、遠位端212、及び内側支柱のネットワーク209を含むことができる。内側ケージ208は、実質的に管状であり、外側ケージ202内に同心円状に位置付けられて、流路208aを形成することができる。流路208aは、外側ケージ202の近位端204と遠位端206との間の流体流を可能にするように構成することができる。付加的又は代替的に、流路208aは、内側ケージ208の近位端210と遠位端212との間の流体流を可能にするように構成することができる。付加的又は代替的に、内側ケージ208の内側支柱209のネットワークは、以下で詳細に考察されるように、リング状のパターンを形成する、半径方向において均一に、又は不均一に分散することができる4つの支柱を含む、その上に配置された所定のパターンを含むことができる。しかしながら、必要又は要求に応じて、より多い又はより少ない支柱を含めることができる。図2B及び図2Cを参照すると、c字形状カラー230が、内側ケージ208の近位端210に配置され得る。c字形状カラー230は、第2の細長部材216の遠位端214においてガイドピン228に取り付けることができる。更に、c字形状カラー230は、内側支柱のネットワーク209と連通することができる。付加的又は代替的に、c字形状カラー232は、第2の細長部材216のステップ224に当接することができ、それにより、第2の細長部材を遠位又は近位方向に摺動させることにより、内側ケージ208がそれぞれの方向に動く。c字形状カラー230は、ガイドピン228に溶接することができる。付加的又は代替的に、c字形状カラーをステップ224に溶接することができる。
【0093】
図2Aに戻って参照すると、内側支柱のネットワーク209内の2つ以上の支柱は、互いに直接的又は間接的に連通することができ、挟持セル209a(例えば、セル)を形成するように構成することができる。内側支柱のネットワーク209は、以下で詳細に考察されるように、血塊の一部を摘み取るように構成することができる。本明細書で考察されるように、「摘み取る(tweeze)」又は「摘み取ること(tweezing)」という用語は、それぞれの支柱を共にして、血塊の少なくとも一部分を摘み取る又は把持する挟持セルを覆うことを指すことが意図される。この点において、それぞれのセルにおける支柱の数は限定される必要はないが、少なくとも2つの支柱表面が、対応する血塊材料を摘み取るために含まれなければならない。内側ケージ208は、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる材料から作製することができる。ニチノール又は類似の特性を有する合金などの超弾性材料形状記憶合金が特に好適である。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断し、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨して、ストラット及び接続要素のフレームワークを作製することである。このフレームワークは、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化元素の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化することができる。
【0094】
図2B図2Cを参照すると、第1の細長部材220は、遠位端218及び近位端219を含むことができる。付加的に、遠位端218において、第1の細長部材220は、外側ケージ202のc字形状カラー232と当接するように構成されたステップ222を含むことができる。更に、ステップ222の遠位に配置された位置付けピン226は、外側ケージ202のc字形状カラー232の管腔232a内に挿入されるように構成され得る。図2Aに戻って参照すると、第1の細長部材220の近位端218は、第1の細長部材220を第2の細長部材216と結合するように構成されたクリップを受容するように構成することができ、そのため、以下で考察されるように、第1の細長部材220又は第2の細長部材216が近位又は遠位に摺動する結果として、他方の細長部材がそれぞれに摺動する。付加的又は代替的に、第1の細長部材220は、以下で考察されるように、それに沿って可変剛性プロファイルを提供するためにその上に配置されている1つ又は2つ以上の所定のパターン、例えば、螺旋パターン(例えば、螺旋カット126a)、1つ若しくは2つ以上の断続螺旋パターン(例えば、断続螺旋パターン126b)、又は1つ若しくは2つ以上の半径方向カットパターン(例えば、半径方向パターン126c)のうちの1つ若しくは2つ以上を含むことができる。付加的又は代替的に、第1の細長部材220は、ワイヤ、シャフト又は管であり得、マイクロカテーテル120の管腔122内で遠位又は近位方向に摺動するように構成され得る。第1の細長部材220は、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる材料から作製することができる。ニチノール又は類似の特性を有する生体適合性合金などの超弾性材料形状記憶合金が特に好適である。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断し、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨することである。この構造は、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化元素(例えば、白金など)の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化され得る。
【0095】
第1の潤滑ジャケット221は、管腔221aを含むことができる。第1の細長部材220は、第1の潤滑ジャケット221の管腔221a内で近位又は遠位方向に摺動するように構成され得る。第1の潤滑ジャケット221によって提供される潤滑は、第1の細長部材220と、例えば、第1の潤滑ジャケット221の管腔221aとの間の摩擦を低減するのに有利であり得る。付加的又は代替的に、第1の潤滑ジャケット221は、マイクロカテーテル120の管腔122及び/又は第2の潤滑ジャケット217に対する摩擦から第1の細長部材220の少なくとも一部分を隔離することができる。潤滑剤は、例えば、PEBAX及び/又は他の好適な潤滑剤などのエラストマーであり得る。第1の細長部材220及び第1の潤滑ジャケット221は、実質的に円形又は楕円形の断面を含むことができる。代替的に、第1の細長部材220及び第1の潤滑ジャケット221は、実質的に非対称の断面を含むことができる。更に、第1の細長部材220は、第1の潤滑ジャケット221の管腔221a内に同心円状に位置付けられ得る。
【0096】
図2B図2Cに戻って参照すると、第2の細長部材216は、遠位端214及び近位端215を含むことができる。付加的に、遠位端214において、第2の細長部材216は、内側ケージ208のc字形状カラー230に取り付けられるように構成されたステップ224を含むことができる。更に、ステップ224の遠位に位置するガイドピン228は、内側ケージ208のc字形状カラー230に取り付けられるように構成され得る。図2Aに戻って参照すると、第2の細長部材216の近位端215は、第2の細長部材216を第1の細長部材220と結合するように構成されたクリップを受容するように構成することができ、そのため、以下で考察されるように、第2の細長部材216又は第1の細長部材220が近位又は遠位に摺動する結果として、他方の細長部材がそれぞれに摺動する。
【0097】
付加的又は代替的に、第2の細長部材216は、以下で考察されるように、それに沿って可変剛性プロファイルを提供するためにその上に配置されている1つ又は2つ以上の所定のパターン、例えば、螺旋パターン(例えば、螺旋カット126a)、1つ若しくは2つ以上の断続螺旋パターン(例えば、断続螺旋パターン126b)、又は1つ若しくは2つ以上の半径方向カットパターン(例えば、半径方向パターン126c)のうちの1つ若しくは2つ以上を含むことができる。付加的又は代替的に、第2の細長部材216は、ワイヤ、シャフト又は管であり得、マイクロカテーテル120の管腔122内で遠位又は近位方向に摺動するように構成され得る。第2の細長部材216は、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる材料から作製することができる。ニチノール又は類似の特性を有する生体適合性金属合金などの超弾性材料形状記憶合金が特に好適である。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断することであり、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨することであり得る。この構造は、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化元素の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化することができる。
【0098】
第2の潤滑ジャケット217は、管腔217aを含むことができる。第2の細長部材216は、第2の潤滑ジャケット217の管腔217a内で近位又は遠位方向の側にあるように構成され得る。第2の潤滑ジャケット217によって提供される潤滑は、第2の細長部材216と、例えば、第2の潤滑ジャケット217の管腔217aとの間の摩擦を低減するのに有利であり得る。付加的又は代替的に、第2の潤滑ジャケット217は、マイクロカテーテル120の管腔122及び/又は第1の潤滑ジャケット221に対する摩擦から第2の細長部材216の少なくとも一部分を隔離することができる。潤滑剤は、例えば、PEBAX及び/又は他の好適な潤滑剤などのエラストマーであり得る。第2の細長部材216及び第2の潤滑ジャケット217は、実質的に円形又は楕円形の断面を含むことができる。代替的に、第2の細長部材216及び第2の潤滑ジャケット217は、実質的に非対称の断面を含むことができる。更に、第2の細長部材216は、第2の潤滑ジャケット217の管腔217a内に同心円状に位置付けられ得る。
【0099】
近位放射線不透過性バンド234aは、外側ケージ202の近位端204に位置付けることができる。付加的又は代替的に、近位放射線不透過性バンド234aは、内側ケージ208の近位端210に位置付けることができる。近位放射線不透過性バンド234aは、白金又は他の放射線不透過性材料から構成することができる。近位放射線不透過性バンド234aは、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる材料から作製することができる。ニチノール又は類似の特性を有する合金などの超弾性材料形状記憶合金が特に好適であり得る。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断し、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨することである。この構造は、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化元素の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化することができる。
【0100】
遠位放射線不透過性バンド234bは、外側ケージ202の遠位端206に位置付けることができる。付加的又は代替的に、遠位放射線不透過性バンド234bは、内側ケージ208の遠位端212に位置付けることができる。遠位放射線不透過性バンド234bは、白金又は他の放射線不透過性材料から構成することができる。遠位放射線不透過性バンド234bは、望ましくは、著しくひずんだ送達構成から解放されると、その形状を自動的に回復することができる材料から作製することができる。ニチノール又は類似の特性を有する合金などの超弾性材料形状記憶合金が特に好適であり得る。材料は、ワイヤ又はストリップ又はシート又は管などの多くの形態であり得る。特に好適な製造プロセスは、ニチノール管をレーザ切断し、次いで、結果として生じた構造体を熱処理及び電解研磨することである。この構造は、本明細書に開示されるように多種多様な形状のいずれかにすることができ、合金化元素の添加を通して、又は様々な他のコーティング若しくはマーカーバンドを通して、蛍光透視法の下で可視化することができる。
【0101】
図2Dは、その構成が以前に説明されているように、第2の位置にある送達構成におけるデバイス200を例解する。外側ケージ202の遠位端206及び内側ケージ208の遠位端212は、マイクロカテーテル120の遠位端124に近接し、内径ID1を含むマイクロカテーテル120の管腔122内にあり得る。更に、遠位放射線不透過性バンド128bは、管腔122内にあり得る。マイクロカテーテル120の内径ID1は、拡張構成における外側ケージ202の外径OD1未満であり得る。送達構成では、外側ケージ2020の遠位端206は、マイクロカテーテル120の遠位端124の近位にあり得る。外側ケージ202は、マイクロカテーテル120の管腔122を外側ケージ202の上を近位又は遠位方向に摺動させることによって、拡張構成と送達構成との間で遷移することができる。
【0102】
図2Eは、送達位置にある間の、外側支柱のネットワーク203を含む外側ケージ202及び内側支柱のネットワーク209を含む内側ケージ208の断面を示す。付加的又は代替的に、外側支柱のネットワーク203は、外側ケージ202の中心線の周りに均一又は不均一に分散する6~10個の支柱を含むようにパターン形成することができる。付加的又は代替的に、内側支柱のネットワーク209は、内側ケージ208の中心線の周りに均一又は不均一に分散することができる2~6個の支柱を含むようにパターン形成することができる。
【0103】
図2F図2Gは、例示的な血塊回収デバイスの例示的な断面を例解する。図2Fは、マイクロカテーテル120の管腔122内の第1の細長部材220及び第2の細長部材216の例示的な構成を例解する。第1の細長部材220及び第2の細長部材216は、実質的に円形及び/又は楕円形の断面を含むことができる。第1の潤滑ジャケット221及び第2の潤滑ジャケット217は、それぞれの細長部材の断面に対応する実質的に円形及び/又は楕円形の断面を含むことができる。第1の細長部材220及び第2の細長部材216は、それぞれ、第1の潤滑ジャケット221及び第2の潤滑ジャケット217内に同心円状に位置付けられ得る。図2Gは、マイクロカテーテル120の管腔122内の第1の細長部材220及び第2の細長部材216の例示的な構成を例解する。第1の細長部材220及び第2の細長部材216は、実質的に馬蹄形及び/又は楕円形の断面を含むことができる。第1の潤滑ジャケット221及び第2の潤滑ジャケット217は、それぞれの細長部材の断面に対応する実質的に馬蹄形及び/又は楕円形の断面を含むことができる。第1の細長部材220及び第2の細長部材216は、それぞれ、第1の潤滑ジャケット221及び第2の潤滑ジャケット217内に同心円状に位置付けられ得る。
【0104】
図2Hは、その構成が以前に説明されているように、血管2内の第3の位置にあり、血塊1と連通している展開構成における例示的な血塊回収デバイス200を例解する。近位方向におけるマイクロカテーテル120の後退によって、内側ケージ208及び外側ケージ202を展開することができる。結果として、血塊1の一部分は、外側ケージ202及び/又は内側ケージ208と連通することができる。具体的には、血塊1の部分は、内側支柱のネットワーク209及び/又は外側支柱のネットワーク203と連通することができる。内側ケージ208の流路208aは、流体が血塊1を越えて流れることを可能にすることができる。付加的又は代替的に、第1の細長部材220及び第2の細長部材216は、それらが独立して動くように、第1の細長部材220及び第2の細長部材216のそれぞれの近位端219、215において結合され得る。以下で考察されるように、クリップ235を利用して、第1の細長部材220及び第2の細長部材216を結合又は結合解除することができる。代替的に、クリップ235を取り外して、第1の細長部材220及び第2の細長部材216を結合解除し、第1の細長部材220及び第2の細長部材216が近位及び/又は遠位方向に互いに独立して動くことを可能にすることができる。
【0105】
図2Iは、血管2内で挟持構成にあり、血塊1と連通する例示的な血塊回収デバイス200を例解する。付加的又は代替的に、第1の細長部材220及び第2の細長部材216は、それらが独立して動くように、第1の細長部材220及び第2の細長部材216のそれぞれの近位端219、215において結合解除され得る。付加的又は代替的に、マイクロカテーテル120は、ピンチセル209aを形成するように構成された内側支柱のネットワーク209が血塊1の一部分を挟持することができるように、第2の細長部材216及び/又は内側ケージ208の上を前進させる(例えば、再被覆する)ことができる。内側ケージ208の挟持セル209aが血塊1の一部分を挟持することができる間、外側支柱のネットワーク203は、血塊1の一部分と連通及び/又は係合したままであり得るため、第1の細長部材220及び第2の細長部材216が独立して動くことが有利であり得る。
【0106】
図2Jは、テーパを含む、例示的な第1の細長部材220及び例示的な第2の細長部材216を示す。第1の細長部材220は、第1の複数のセグメント220a、220b、220cであって、複数の各セグメントが、増加するそれぞれの外径OD9、OD8、及びOD7を含むことができ、そのため、テーパが形成され得るような、第1の複数のセグメント114a、114bを含むことができる。テーパは、例えば、連続的であり得、第1の細長部材220の近位端219における外径及び第1の細長部材220の遠位端218におけるより小さい外径を含み得る。第1の細長部材220は、それに沿って可変剛性プロファイルを含むことができ、第1の細長部材220の近位端219は、第1の細長部材220の遠位端219よりも剛性である。第2の細長部材216は、第1の複数のセグメント216a、216b、及び216cであって、複数の各セグメントが、増加するそれぞれの外径OD12、OD11、及びOD10を含むことができ、そのため、テーパが形成され得るような、第1の複数のセグメント216a、216b、及び216cを含むことができる。テーパは、連続的であり得、例えば、第2のシャフト216の近位端215における外径及び第2のシャフト216の遠位端214におけるより小さい外径を含み得る。第2の細長部材216は、それに沿って可変剛性プロファイルを含むことができ、第2の細長部材216の近位端215は、第2の細長部材216の遠位端214よりも剛性である。付加的又は代替的に、第2の細長部材216のみがテーパを含む。付加的又は代替的に、第1の細長部材220のみがテーパを含む。実施例では、第1の細長部材220及び第2の細長部材216がテーパを含む。
【0107】
いくつかの実施例では、第1の潤滑ジャケット221及び第2の潤滑ジャケット217は、それぞれの細長部材の各対応するセグメントの外径に実質的に等しい寸法にされた対応する内径を含む複数のセグメントを含むことができ、それによって各それぞれの潤滑ジャケットの管腔のテーパが形成される。一実施例として、第1の潤滑ジャケット221の管腔221aは、各々がある内径を含む複数のセグメントを含むことができる。第1の潤滑ジャケット221の第1のセグメントは、第1の細長部材220の第1のセグメント、例えば、第1のセグメント220aに対応することができ、そのため、第1の潤滑ジャケット221の第1のセグメントの内径は、外径OD9に実質的に等しくなり得る。代替的に、第1の潤滑ジャケット及び第2の潤滑ジャケットは、それぞれの一定の内径を含むことができる。付加的又は代替的に、第1の潤滑ジャケット221の一定の内径は、第2の潤滑ジャケット217の一定の内径と同じであり得る。付加的又は代替的に、第1の潤滑ジャケット221の一定の内径は、第2の潤滑ジャケット217の一定の内径と異なり得る。
【0108】
図2Kは、例示的な血塊回収デバイス200の例示的なクリップ235を例解する。クリップ235は、それらの間に接続構造239を有する第1のc字形状特徴部236及び第2のc字形状特徴部238を含むことができる。第1のCクリップ236及び第2のcクリップ238は、第1の細長部材220及び/又は第2の細長部材216を受容するように構成することができる。更に、第1のc字形状特徴部236及び第2のc字形状特徴部238は、第1の細長部材220及び/又は第2の細長部材216の近位端219、215を受容するように構成され得る。c字形状特徴部236、238は、ステンレス鋼、プラスチック、及び/又は他の好適な材料から作製することができる。クリップ235は、第1のc字形状特徴部236及び第2のc字形状特徴部238と係合したときに、第1の細長部材220及び第2の細長部材216を結合するように構成することができる。クリップ235は、第1のc字形状特徴部236及び第2のc字形状特徴部238から係合解除されたときに、第1の細長部材220及び第2の細長部材216を結合解除するように構成することができる。
【0109】
図3は、例示的な血塊回収デバイスを組み立てるための方法(300)を示すフローチャートである。方法300は、ブロック302において、外側ケージ(例えば、外側ケージ102)を形成するために第1の管上に第1の所定のパターンをパターン形成することを含み得、外側ケージは、外径(例えば、外径OD1)を含む。ブロック304において、方法300は、内側流路(例えば、流路108a)を備える内側ケージ(例えば、内側ケージ108)を形成するために第2の管上に第2の所定のパターンをパターン形成することを含むことができ、ブロック304において、内側ケージを外側ケージ内に同心円状に位置付けることを含むことができる。付加的又は代替的に、血塊回収デバイス(例えば、血塊回収デバイス100)は、マイクロカテーテル(例えば、マイクロカテーテル120)の外径が内径(例えば、内径ID1)よりも大きい拡張構成を含むことができる。
【0110】
付加的又は代替的に、第1の管の外径は、拡張構成において血塊回収デバイスの外径にほぼ等しくすることができ、それによって、血塊回収デバイスの外径を達成するように形状設定されたより小さい直径の外側ケージと比較したときに、血塊回収デバイスの両方が等しい半径方向力を有する場合に、血塊(例えば、血塊1)の下でより大きい直径に外側ケージを拡張するか、又は血管壁(例えば、血管2)並置を改善することができる。
【0111】
付加的又は代替的に、第1の管の外径は、拡張構成において血塊回収デバイスの外径よりも大きくすることができ、それによって、血塊回収デバイスの外径を達成するように形状設定されたより小さい直径の外側ケージと比較したときに、血塊回収デバイスの両方が等しい半径方向力を有する場合に、血塊の下でより大きい直径に外側ケージを拡張するか、又は血管壁並置を改善することができる。
【0112】
付加的又は代替的に、外側ケージ102の外側支柱のネットワーク103は、以下で詳細に考察されるように、半径方向においてリング状のパターンを形成する、均一に、又は不均一に分散された8つの支柱を含む、その上に配置された所定のパターンを含むことができる。しかしながら、必要又は要求に応じて、より多い又はより少ない支柱を含めることができる。付加的又は代替的に、内側ケージ108の内側支柱109のネットワークは、以下で詳細に考察されるように、リング状のパターンを形成する、半径方向において均一に、又は不均一に分散することができる4つの支柱を含む、その上に配置された所定のパターンを含むことができる。しかしながら、必要又は要求に応じて、より多い又はより少ない支柱を含めることができる。
【0113】
付加的又は代替的に、方法300は、外側ケージの遠位端(例えば、遠位端106)に第1の放射線不透過性マーカ(例えば、遠位放射線不透過性バンド128b)を取り付けることを含むことができる。付加的又は代替的に、方法300は、外側ケージの近位端(例えば、近位端104)に第2の放射線不透過性マーカ(例えば、近位放射線不透過性マーカ128a)を取り付けることを含むことができる。
【0114】
付加的又は代替的に、方法300は、第1の細長部材(例えば、第1の細長部材114)を外側ケージの近位端に取り付けることを含むことができる。第1の細長部材は、外側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成され得る。付加的又は代替的に、方法300は、第2の細長部材(例えば、第2の細長部材118)を内側ケージの近位端に取り付けることを含むことができる。第2の細長部材は、内側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成され得る。付加的又は代替的に、第1の細長部材は、管であり得る。付加的又は代替的に、第2の細長部材は、ワイヤであり得る。
【0115】
付加的又は代替的に、第2の細長部材は、第1の複数のセグメント(例えば、第1の複数のセグメント114a、114b)であって、複数の各セグメントが、増加するそれぞれの外径(例えば、OD5、OD6)を含むことができ、そのため、テーパが形成され得るような、第1の複数のセグメントを含むことができる。付加的又は代替的に、第2の細長部材は、それに沿って可変剛性プロファイルを含むことができ、第2の細長部材216の近位端(例えば、近位端113b)は、第2の細長部材の遠位端(例えば、遠位端119a)よりも剛性である。付加的又は代替的に、第1の細長部材及び第2の細長部材は、マイクロカテーテル内の別個の管腔内にあり得る。
【0116】
付加的又は代替的に、方法300は、第2の細長部材の遠位端(例えば、119a)をレセプタクル(例えば、レセプタクル116)の近位端(例えば、近位端116a)に取り付けることを含むことができる。付加的又は代替的に、方法300は、内側ケージの近位端(例えば、近位端110)をレセプタクルの空洞(例えば、空洞116b)内に取り付けることを含むことができる。付加的又は代替的に、第2の細長部材は、第1の細長部材の管腔(例えば、管腔115)内で摺動可能であり得る。付加的又は代替的に、レセプタクルは、内側ケージの近位端が過剰に挿入されることを防止するために、空洞内のステップ(例えば、ステップ116c)を含むことができる。
【0117】
付加的又は代替的に、方法300は、第1の細長部材に沿って所望の剛性プロファイルを達成するために、第1の細長部材上に第3の所定のパターンをパターン形成することを含むことができる。付加的又は代替的に、第3の所定のパターンは、螺旋パターン(例えば、螺旋パターン126a)、1つ若しくは2つ以上の断続螺旋パターン(例えば、断続螺旋パターン126b)、又は1つ若しくは2つ以上の半径方向カットパターン(例えば、半径方向カットパターン126c)のうちの1つ若しくは2つ以上を含むことができる。
【0118】
付加的又は代替的に、方法300は、第1の細長部材及び第2の細長部材(例えば、第1の細長部材216及び第2の細長部材220)を結合解除することと、内側ケージのセル(例えば、挟持セル209a)が血塊上で潰れて血塊の部分に追加の圧力を及ぼすようにすること、又は、血塊をマイクロカテーテルの遠位端と内側ケージのセルとの間で係合させることによって、マイクロカテーテルを内側ケージの上を近位方向に前進させることと、を含むことができる。
【0119】
付加的又は代替的に、方法300は、c字形状特徴部(例えば、第1のc字形状特徴部236及び第2のc字形状特徴部238)を含むクリップ(例えば、クリップ235)を使用して、c字形状特徴部を使用してそれぞれ、第1の細長部材及び第2の細長部材の近位端(例えば、近位端215、219)を取り付けること、並びに、第1の細長部材及び第2の細長部材を一斉に遠位又は近位方向に摺動させることによって第1の細長部材及び第2の細長部材(例えば、第1の細長部材216及び第2の細長部材220)を結合することを更に含むことができる。
【0120】
図4は、例示的な血塊回収デバイスの動作を示すフローチャートである。方法400は、ブロック402において、マイクロカテーテル(例えば、マイクロカテーテル120)を、血管(例えば、血管2)内の血塊(例えば、血塊1)に近接して配置することを含むことができる。ブロック404において、方法400は、マイクロカテーテルの管腔(例えば、管腔122)内の外側ケージ(例えば、外側ケージ102)及び内側ケージ(例えば、内側ケージ108)が、血管壁の周りに拡張し、血塊の一部分と係合するように、マイクロカテーテルを近位方向に後退させることを含むことができる。ブロック406において、方法400は、内側ケージの隣接する支柱(例えば、内側支柱のネットワーク209)又は外側ケージの支柱(例えば、外側支柱のネットワーク103)の間の距離が低減して内側支柱又は外側支柱と係合された血塊の部分に圧力を及ぼし、それによって血塊を挟持するように、内側ケージと連通する第1の細長部材(例えば、第2の細長部材118)又は外側ケージと連通する第2の細長部材(例えば、第1の細長部材114)を近位方向に後退させることと、を含むことができる。ブロック408において、方法400は、マイクロカテーテルを第1の細長部材又は第2の細長部材のうちの一方の上を遠位方向に前進させることを含むことができる。付加的又は代替的に、内側ケージのセル(例えば、挟持セル109a)が血塊上で潰れて血塊の部分に追加の圧力を及ぼすようにすること、又は、血塊をマイクロカテーテルの遠位端と内側ケージのセルとの間で係合させることによって、マイクロカテーテルを前進させることによって血塊の一部分が挟持される。
【0121】
付加的又は代替的に、方法400は、c字形状特徴部(例えば、第1のc字形状特徴部236及び第2のc字形状特徴部238)を含むクリップ(例えば、クリップ235)を使用して、c字形状特徴部を使用してそれぞれ、第1の細長部材及び第2の細長部材の近位端を取り付けることによって第1の細長部材及び第2の細長部材を結合することを含むことができる。付加的に、第1の細長部材及び第2の細長部材を一斉に遠位又は近位方向に摺動させる。
【0122】
付加的又は代替的に、方法400は、マイクロカテーテル、第1の細長部材及び第2の細長部材、内側ケージ及び外側ケージ、並びに血塊を血管壁から後退させることを含むことができる。付加的又は代替的に、外側ケージ102の外側支柱のネットワーク103は、以下で詳細に考察されるように、半径方向においてリング状のパターンを形成する、均一に分散された8つの支柱を含む、その上に配置された所定のパターンを含むことができる。しかしながら、必要又は要求に応じて、より多い又はより少ない支柱を含めることができる。付加的又は代替的に、内側ケージ108の外側支柱のネットワーク109は、以下で詳細に考察されるように、リング状のパターンを形成する、半径方向において均一に、又は不均一に分散することができる4つの支柱を含む、その上に配置された所定のパターンを含むことができる。しかしながら、必要又は要求に応じて、より多い又はより少ない支柱を含めることができる。
【0123】
付加的又は代替的に、内側ケージと連通する第1の細長部材を後退させるステップは、第1の細長部材が第2の細長部材から独立して後退することができるように、第1の細長部材及び第2の細長部材を互いに結合解除することを含むことができる。付加的又は代替的に、第2の細長部材は、管であり得る。付加的又は代替的に、第1の細長部材は、ワイヤであり得る。
【0124】
付加的又は代替的に、第1の細長部材及び第2の細長部材は、マイクロカテーテル内で第1のジャケット及び第2のジャケット(例えば、第1の潤滑ジャケット221及び第2の潤滑ジャケット217)の別個の管腔(例えば、管腔221a及び管腔217a)内にあり得る。付加的又は代替的に、第2の細長部材は、第1の複数のセグメントであって、複数のセグメントの各セグメントが、減少するそれぞれの外径を含むことができ、そのため、テーパが形成され、第2の細長部材が第2の細長部材に沿って可変剛性プロファイルを含み、第2の細長部材の近位端が、第2の細長部材の遠位端よりも剛性であるような、第1の複数のセグメントを含むことができる。
【0125】
付加的又は代替的に、内側ケージと連通する第1の細長部材を後退させるステップは、第1の細長部材を第2の細長部材の管腔内で近位又は遠位方向に摺動させることを更に含むことができる。
【0126】
付加的又は代替的に、第3の所定のパターンは、螺旋カット(例えば、螺旋カット126a)であり得、螺旋の各回転間の均一な間隔、及び/又は、第1の細長部材又は第2の細長部材の長さに沿って螺旋の各回転間に均一な間隔を形成する均一な螺旋角度を有する螺旋であり得る。付加的又は代替的に、螺旋カット(例えば、螺旋カット126a)は、螺旋の各回転間の不均一な間隔、及び/又は、第1の細長部材又は第2の細長部材の長さに沿って螺旋の各回転間に不均一な間隔を形成する不均一な螺旋角度を有する螺旋であり得る。付加的又は代替的に、第3の所定のパターンは、その上に配置された断続螺旋パターン(例えば、断続螺旋パターン126b)であり得る。断続螺旋パターンは、螺旋の各回転間の均一な間隔、及び/又は、第1の細長部材又は第2の細長部材の長さに沿って螺旋の各回転間に均一な間隔を形成する均一な螺旋角度を有する螺旋カットであり得る。
【0127】
付加的又は代替的に、断続螺旋パターンは、螺旋の各回転間の不均一な間隔、及び/又は、第1の細長部材又は第2の細長部材の長さに沿って螺旋の各回転間に不均一な間隔を形成する不均一な螺旋角度を有する螺旋カットであり得る。螺旋カットは、連続的なカットである必要はなく、言い換えれば、第1の細長部材又は第2の細長部材の材料によって中断された、又は分離された複数のカットが存在し得る。付加的又は代替的に、第3の所定のパターンは、その上に配置された半径方向カットパターン(例えば、半径方向パターン126c)であり得る。半径方向パターンは、第1の細長部材又は第2の細長部材の長さに垂直であり、かつ第1の細長部材又は第2の細長部材の長さに沿って均一に繰り返される複数のカットであり得る。付加的又は代替的に、半径方向パターンは、第1の細長部材又は第2の細長部材の長さに垂直であり、かつ第1の細長部材又は第2の細長部材の長さに沿って不均一に繰り返される複数のカットであり得る。
【0128】
本開示は、構成及び詳細において変化し得る、記載された実施例に限定されない。「遠位」及び「近位」という用語は、前述の説明を通して使用され、処置している医師に対する位置及び方向を指すことを意図する。したがって、「遠位」又は「遠位に」は、医師に対して離れた位置又は医師から離れる方向を指す。同様に、「近位」又は「近位に」は、医師に対して近い位置又は医師に向かう方向を指す。
【0129】
実施例の説明では、明確性を期すために専門用語を用いる。各用語は、当業者によって理解されるその最も広義の意味を有することが企図されており、類似の目的を実現するために同様に作用する全ての技術的な均等物を含むことが意図される。方法の1つ又は2つ以上のステップへの言及は、追加の方法ステップ又は明示的に識別されたそれらのステップ間に介在する方法ステップの存在を排除しないことも理解されたい。方法の各ステップは、開示される技術の範囲から逸脱することなく、本明細書に述べられる順序とは異なる順序で行うことができる。同様に、デバイス又はシステムにおける1つ又は2つ以上の構成要素への言及は、追加の構成要素の存在又は明示的に識別されたそれらの構成要素間に介在する構成要素の存在を排除しないことも理解されたい。
【0130】
本明細書で考察されるとき、「患者」又は「被験者」は、人間又は任意の動物であることができる。動物は、限定されるものではないが、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含む、種々のあらゆる該当する種類のものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。
【0131】
本明細書で使用するとき、任意の数値又は数値の範囲について「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指し得る。
【0132】
「備える(comprising)」、「含む(containing)」、「含む(including)」、又は「有する(having)」とは、少なくとも指定された化合物、要素、粒子、又は方法ステップが、組成、物品、又は方法内に存在するが、他の化合物、物質、粒子、方法ステップが、指定されたものと同じ機能を有する場合でも、他のそのような化合物、物質、粒子、方法ステップの存在を除外しないことを意味する。
【0133】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別途明白に指示しない限り、複数の指示対象も含むことにも留意されたい。範囲は、本明細書では、「約」又は「およそ」の1つの特定の値から及び/又は「約」又は「およそ」の別の特定の値として表すことができる。そのような範囲を表すとき、他の例示的な実施形態も、1つの特定の値から及び/又は他の特定の値を含む。
【0134】
本明細書に含まれる記載は本開示の実施例であって本開示の範囲をいかなる意味でも限定しようと意図するものではない。本開示の特定の実施例を説明しているが、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、デバイス及び方法に対する様々な修正を行うことができる。例えば、本明細書に記載する実施例は、特定の構成要素に言及するが、本開示は、記載する機能性を達成するために様々な構成要素の組み合わせを利用し、記載する機能性を達成するために代替の材料を利用し、様々な実施例からの構成要素を組み合わせ、様々な実施例からの構成要素を既知の構成要素と組み合わせるなどの、他の実施例を含む。本開示は、本明細書に例解された構成要素部分を他の周知の市販製品での置き換えを企図する。本開示に関わる当業者には、これらの修正は多くの場合に明らかであり、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
【0135】
〔実施の態様〕
(1) 血塊を除去するための方法であって、
血管壁内の血塊に近接してマイクロカテーテルを配置することと、
前記マイクロカテーテルの管腔内の外側ケージ及び内側ケージが、前記血管壁の周りに拡張し、前記血塊の一部分と係合するように、前記マイクロカテーテルを近位方向に後退させることと、
前記内側ケージの隣接する支柱又は前記外側ケージの支柱の間の距離が低減して内側支柱又は外側支柱と係合された前記血塊の前記一部分に圧力を及ぼし、それによって前記血塊を挟持するように、前記内側ケージと連通する第1の細長部材又は前記外側ケージと連通する第2の細長部材を近位方向に後退させることと、
前記マイクロカテーテルを前記第1の細長部材又は前記第2の細長部材のうちの一方の上を遠位方向に前進させることと、を含み、
前記マイクロカテーテルを前進させることは、前記血塊の一部分を、前記内側ケージのセルが前記血塊上で潰れて前記血塊の当該部分に追加の圧力を及ぼすようにすることによって、又は、前記血塊を前記マイクロカテーテルの前記遠位端と前記内側ケージのセルとの間で係合させることによって、挟持する、方法。
(2) 前記方法が、
前記マイクロカテーテル、前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材、前記内側ケージ及び前記外側ケージ、並びに前記血塊を前記血管壁から後退させることを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記血塊に近接して前記マイクロカテーテルを配置することが、
c字形状特徴部を備えるクリップを使用して、
前記c字形状特徴部を使用して、それぞれ、前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材の近位端を取り付けることと、
前記マイクロカテーテル、並びに前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材を一斉に前記血塊に向かって、かつこれに近接するように摺動させることと、によって、前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材を結合することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記内側ケージと連通する前記第1の細長部材を後退させることは、
前記第1の細長部材が前記第2の細長部材とは独立して後退することができるように、前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材を互いから結合解除することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材が、前記マイクロカテーテル内の第1のジャケット及び第2のジャケットの別個の管腔内にある、実施態様1に記載の方法。
【0136】
(6) 前記第2の細長部材が、第1の複数のセグメントを備え、そのため、前記複数のセグメントの各セグメントが、それぞれの外径を減少させ、そのため、テーパが形成され、前記第2の細長部材が、前記第2の細長部材に沿って可変剛性プロファイルを含み、前記第2の細長部材の近位端が、前記第2の細長部材の遠位端よりも剛性である、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記内側ケージと連通する前記第1の細長部材を後退させることが、
前記第1の細長部材を前記第2の細長部材の管腔内で近位又は遠位方向に摺動させることを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記第2の細長部材に沿って所望の剛性プロファイルを達成するために、前記第2の細長部材上に第3の所定のパターンがパターン形成される、実施態様1に記載の方法。
(9) 血塊回収デバイスであって、
外側ケージと、
前記外側ケージ内に同心円状に位置付けられた内側ケージと、
前記外側ケージと連通する第1の細長部材と、
前記内側ケージと連通する第2の細長部材と、
を備える、血塊回収デバイス。
(10) 前記外側ケージの外径が、拡張構成において前記血塊回収デバイスの前記外径にほぼ等しく、それによって、前記血塊回収デバイスの前記外径を達成するように形状設定されたより小さい直径の外側ケージと比較したときに、血塊回収デバイスの両方が等しい半径方向力を有する場合に、血塊の下でより大きい直径に外側ケージを拡張するか、又は血管壁並置を改善する、実施態様9に記載の血塊回収デバイス。
【0137】
(11) 前記外側ケージの外径が、拡張構成において前記血塊回収デバイスの前記外径よりも大きく、それによって、前記血塊回収デバイスの前記外径を達成するように形状設定されたより小さい直径の外側ケージと比較したときに、血塊回収デバイスの両方が等しい半径方向力を有する場合に、血塊の下でより大きい直径に外側ケージを拡張するか、又は血管壁並置を改善する、実施態様9に記載の血塊回収デバイス。
(12) 前記外側ケージが、8つの支柱のリングを備えるようにパターン形成されている、実施態様9に記載の血塊回収デバイス。
(13) 前記内側ケージが、血塊の一部分を挟持するように構成された4つの支柱のリングを備えるようにパターン形成されている、実施態様9に記載の血塊回収デバイス。
(14) クリップを更に備え、前記クリップが、前記クリップの各端部にc字形状特徴部を含み、各特徴部が、前記第1の細長部材又は前記第2の細長部材の一方を受容するように構成されており、前記クリップが、取り付けられたときに、前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材を結合するように構成されている、実施態様9に記載の血塊回収デバイス。
(15) 前記外側ケージの近位端に取り付けられた前記第1の細長部材であって、前記外側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成されている、前記第1の細長部材と、
前記内側ケージの近位端に取り付けられた前記第2の細長部材であって、前記内側ケージを送達構成と拡張構成との間で動かすように構成されている、前記第2の細長部材と、
を更に備える、実施態様9に記載の血塊回収デバイス。
【0138】
(16) 前記第2の細長部材が、第1の複数のセグメントを備え、そのため、前記複数のセグメントの各セグメントが、それぞれの外径を減少させ、そのため、テーパが形成され、前記第2の細長部材が、前記第2の細長部材に沿って可変剛性プロファイルを含み、前記第2の細長部材の近位端が、前記第2の細長部材の遠位端よりも剛性である、実施態様15に記載の血塊回収デバイス。
(17) レセプタクルの近位端に取り付けられた前記第2の細長部材の遠位端と、
前記レセプタクルの空洞内に取り付けられた前記内側ケージの前記近位端と、
を更に備え、
前記第2の細長部材が、前記第1の細長部材の管腔内で摺動可能である、実施態様15に記載の血塊回収デバイス。
(18) 前記レセプタクルが、前記内側ケージの近位端が過剰に挿入されることを低減するために、前記空洞内のステップを更に備える、実施態様17に記載の血塊回収デバイス。
(19) 前記第1の細長部材に沿って所望の剛性プロファイルを達成するための、前記第1の細長部材上の所定のパターンを更に備える、実施態様15に記載の血塊回収デバイス。
(20) 前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材が、マイクロカテーテル内の第1の潤滑細長部材ジャケット及び第2の潤滑細長部材ジャケットのそれぞれの管腔内にある、実施態様15に記載の血塊回収デバイス。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図3
図4
【外国語明細書】