(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109241
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】摺動可能な中央灌注チューブを備えた血管内バルーン
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20220720BHJP
A61M 25/10 20130101ALI20220720BHJP
【FI】
A61B18/12
A61M25/10 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022003609
(22)【出願日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】63/137,270
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/546,252
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジェース・ピー・ヴァルス
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ダブリュー・ヒッツェロ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK16
4C160KK38
4C160KL03
4C160MM33
4C267AA07
4C267BB07
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB27
4C267BB42
4C267BB62
4C267CC08
4C267DD01
4C267EE11
4C267HH09
(57)【要約】
【課題】バルーンカテーテルを提供すること。
【解決手段】バルーンカテーテルは、バルーン膜を構造的に支持及び膨張させるように構成された中央チューブを有する。中央チューブは、バルーンを膨張させるための経路を提供する管腔及び側壁膨張ポートを有する。中央チューブの管腔は、遠位端ピース、ノーズピース、又は他の構造によって閉塞されて、流体が中央チューブの遠位端から出ることを防止する。中央チューブは、膨張中に、膨張媒体がカテーテルの細長シャフトを通って、中央チューブの近位開口端に、且つ膨張ポートを通ってバルーン内に入ることが可能にされるように構成されている。中央チューブは、シャフトに対して長手方向に摺動してバルーンを長手方向に伸長する及び/又は切り取ることができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーンカテーテルであって、
前記バルーンカテーテルの長手方向軸に沿って延在する細長シャフトと、
前記シャフトの遠位端に近接して配置された膨張可能バルーンであって、前記膨張可能バルーンを膨張させるために膨張媒体を受容するように構成された内部を備える、膨張可能バルーンと、
前記長手方向軸に沿って延在する中央チューブであって、
前記中央チューブの少なくとも一部が、前記膨張可能バルーン内に位置付けられ、前記膨張可能バルーンの構造的支持を提供し、膨張ポートを備え、前記膨張ポートと流体連通する中央管腔を備え、
前記中央管腔及び前記膨張ポートが、前記膨張可能バルーン内部と前記シャフトとの間に流路を提供して、前記膨張媒体が前記シャフトから前記膨張可能バルーンの前記内部に入ることを可能にする、中央チューブと、
前記チューブの遠位端に近接して配置され、前記チューブの前記遠位端を通る流体の損失を防止するように構成されたエンドプラグと、を備える、バルーンカテーテル。
【請求項2】
前記中央チューブが前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを拡張及び/又は収縮させるように移動可能であるように、前記中央チューブが前記シャフトの前記遠位端に結合されており、前記膨張可能バルーンの遠位端が前記中央チューブに取り付けられ、前記膨張可能バルーンの近位端が前記シャフトに取り付けられている、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項3】
前記膨張可能バルーンを折り畳む折り畳み事前形成形状を有する形状記憶材料から少なくとも部分的に製造されたスプラインの折り畳みセットと、
前記スプラインに取り付けられた膜と、を更に備える、請求項2に記載のバルーンカテーテル。
【請求項4】
前記中央チューブ及び前記シャフトに結合され、自己伸長することによって前記中央チューブを前記シャフトに対して摺動させ、前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを拡張するように構成された弾性要素と、
前記中央チューブに接続され、前記シャフトを通って延在している牽引ワイヤであって、前記牽引ワイヤの後退が前記弾性要素を前記長手方向軸の方向に圧縮することによって前記中央チューブを前記シャフトに対して摺動させ、前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを収縮させるように、処置中の後退のためにアクセス可能であるように構成された、牽引ワイヤと、を更に備える、請求項2に記載のバルーンカテーテル。
【請求項5】
前記中央管腔が前記膨張ポートの遠位の位置に閉塞物を備え、膨張媒体が前記閉塞物の遠位の前記中央管腔を通って移動することが阻止され、
前記中央管腔が、前記膨張ポートに対して近位方向に位置付けられ、前記膨張媒体が前記シャフトから前記中央管腔内に移動することを可能にするように前記シャフトと流体連通する開口部を備える、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項6】
前記中央管腔内に配設されたナビゲーションセンサを更に備え、前記ナビゲーションセンサが、3軸誘導センサであり、前記ナビゲーションセンサが、前記膨張ポートに対して遠位方向に位置付けられている、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項7】
灌注ポートであって、前記流路が、前記シャフトから前記中央管腔を通り、前記膨張ポートを通り、前記膨張可能バルーンの前記内部を通り、前記灌注ポートを通って延在するように、前記膨張可能バルーン上に位置付けられた、灌注ポートと、
前記膨張可能バルーンの外面上に配置された複数の電極と、
前記複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、前記シャフトを通って延在する、1つ以上のワイヤと、を更に備える、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項8】
灌注バルーンであって、灌注ポートを備え、且つ前記膨張可能バルーンの膨張が前記灌注バルーンを少なくとも部分的に膨張させ、前記カテーテルが前記灌注ポートを介して灌注するように構成されるように、前記膨張可能バルーン上に配置された、灌注バルーンと、
前記膨張可能バルーンの前記内部から流体的に分離され且つ前記灌注ポートと流体連通している前記灌注バルーンと前記膨張可能バルーンとの間のチャンバと、
前記灌注バルーンの外面上に配置された複数の電極と、
前記複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、前記シャフトを通って延在する、1つ以上のワイヤと、を更に備える、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項9】
カテーテルであって、
前記カテーテルの長手方向軸に沿って延在する細長シャフトと、
前記シャフトの遠位端に近接して配置された膨張可能バルーンであって、半トロイドに接続された基部を有する円錐台によって画定された第1の拡張容積まで前記膨張可能バルーンを膨張させるように、膨張媒体を受け入れるように構成された内部を備える、膨張可能バルーンと、
前記長手方向軸に沿って延在する中央チューブであって、
前記中央チューブの少なくとも一部が、前記膨張可能バルーン内に位置付けられ、前記膨張可能バルーンの構造的支持を提供し、膨張ポートを備え、前記膨張ポートと流体連通する中央管腔を備え、
前記中央管腔及び前記膨張ポートが、前記膨張可能バルーン内部と前記シャフトとの間に流路を提供して、前記膨張媒体が前記シャフトから前記膨張可能バルーンの前記内部に入ることを可能にし、
前記中央チューブが、前記長手方向軸に沿って遠位に移動して、前記第1の拡張容積を、各々の基部において接続された2つの円錐台によって実質的に画定された第2の拡張容積に変化させるように構成されている、中央チューブと、
前記中央チューブの遠位端を通る流体の損失を防止するように位置付けられた遠位プラグと、を備える、カテーテル。
【請求項10】
前記膨張可能バルーンの遠位端が、前記中央チューブに取り付けられ、前記膨張可能バルーンの近位端が、前記シャフトに取り付けられている、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記膨張可能バルーンを折り畳む折り畳み事前形成形状を有する形状記憶材料から少なくとも部分的に製造されたスプラインの折り畳みセットと、
前記スプラインに取り付けられた膜と、を更に備える、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記中央チューブ及び前記シャフトに結合され、自己伸長することによって前記中央チューブを前記シャフトに対して摺動させ、前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを拡張するように構成された弾性要素と、
前記中央チューブに接続され、前記シャフトを通って延在している牽引ワイヤであって、前記牽引ワイヤの後退が前記弾性要素を前記長手方向軸の方向に圧縮することによって前記中央チューブを前記シャフトに対して摺動させ、前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを収縮させるように、処置中の後退のためにアクセス可能であるように構成された、牽引ワイヤと、を更に備える、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記中央管腔が、前記膨張ポートに対して近位方向に位置付けられ、前記膨張媒体が前記シャフトから前記中央管腔内に移動することを可能にするように前記シャフトと流体連通する開口部を備える、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項14】
灌注ポートであって、前記流路が、前記シャフトから、前記中央管腔を通り、前記膨張ポートを通り、前記膨張可能バルーンの前記内部を通り、前記灌注ポートを通って延在するように、前記膨張可能バルーン上に配置され、前記カテーテルが前記灌注ポートを介して灌注するように構成されている、灌注ポートと、
前記膨張可能バルーンの外面上に配置された複数の電極と、
前記複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、前記シャフトを通って延在する、1つ以上のワイヤと、を更に備える、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項15】
灌注バルーンであって、灌注ポートを備え、且つ前記膨張可能バルーンの膨張が前記灌注バルーンを少なくとも部分的に膨張させるように、前記膨張可能バルーン上に配置され、前記カテーテルが前記灌注ポートを介して灌注するように構成された、灌注バルーンと、
前記膨張可能バルーンの前記内部から流体的に分離され且つ前記灌注ポートと流体連通している前記灌注バルーンと前記膨張可能バルーンとの間のチャンバと、
前記灌注バルーンの外面上に配置された複数の電極と、
前記複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、前記シャフトを通って延在する、1つ以上のワイヤと、を更に備える、請求項9に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器に関し、詳細には、バルーンカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの血管内処置は、カテーテルの遠位端の近くに膨張可能バルーンを有するバルーンカテーテルを利用する。様々な目的のために使用可能な様々なバルーンカテーテル設計が存在し、一般に、バルーンは、血管構造を横断するように折り畳み可能であり、血管及び/又は心臓内で拡張可能である。典型的には、バルーンは、膨張チューブ及び/又はカテーテルの内腔を通じて流体(例えば、生理食塩水)を圧送することによって膨張及び収縮される。いくつかのバルーンカテーテルは、バルーン内の細孔を通じて灌注を更に提供することができ、そのような多孔性バルーンは、本明細書では「灌注バルーン」と呼ばれる。
【0003】
いくつかの灌注バルーンは、各々参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2020/0155226号、同第2019/0298441号、及び米国特許第7,410,486号に記載されているような、感知及び/又はアブレーションのための電極を含む。そのような灌注バルーンは、心不整脈のカテーテルアブレーションを伴う処置に使用されることができる。灌注バルーンカテーテルは、例えば、アブレーション中に血液及び/又は組織の温度を制御するための流体を提供することができる。
【0004】
一般に、より大きな容積のバルーンは、より小さい容積のバルーンと比較して、より長い膨張及び収縮時間を必要とする可能性がある。いくつかの灌注バルーンでは、バルーン内の細孔は、負圧がない場合、灌注バルーンへの流体の進入を可能にし、収縮時にバルーンが少なくとも部分的に拡張することを可能にすることができる。いくつかの灌注バルーンは、灌注バルーンの膨張及び/又は収縮を容易にするために、灌注バルーン内に及び/又は灌注バルーンに取り付けられた機構を含む。例えば、各々参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2018/0140807号、同第2018/0161093号、同第2019/0059818号、同第2019/0201669号、同第2019/0217065号、同第2020/0147295号、及び米国特許第9,907,610号を参照されたい。そのような灌注バルーンはまた、感知及び/又はアブレーションのための電極を含むことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に提示される例は、一般に、バルーン膜を構造的に支持及び膨張させるように構成された中央チューブを有するバルーンカテーテル、使用方法、及びその構築方法を含む。中央チューブは、バルーンを膨張させるための流路を提供する管腔及び膨張ポートを有する。中央チューブは、バルーン膜の下方に挿入された追加の膨張チューブを必要とせずに、バルーン膜が膨張されることを可能にする。中央チューブの管腔は、遠位端ピース、ノーズピース、又は他の構造によって閉塞されて、流体が中央チューブの遠位端から出ることを防止する。中央チューブは、膨張中に、膨張媒体がカテーテルの細長シャフトを通って、中央チューブの近位開口端に、且つ膨張ポートを通ってバルーン内に入ることが可能にされるように構成されている。中央チューブは、シャフトに対して長手方向に摺動してバルーンを長手方向に伸長及び/又は切り取るように構成されることができる。バルーンカテーテルは、心臓マッピング及び/又はアブレーションシステムと共に機能するための様々なセンサ及び電極を含むことができる。
【0006】
例示的なバルーンカテーテルは、細長シャフトと、膨張可能バルーンと、中央チューブと、エンドプラグと、を含むことができる。細長シャフトは、バルーンカテーテルの長手方向軸に沿って延在している。膨張可能バルーンは、シャフトの遠位端に近接して配置されることができる。エンドプラグは、中央チューブの遠位端に近接して配置されることができる。
【0007】
膨張可能バルーンは、膨張媒体を受容して膨張可能バルーンを膨張させるように構成された内部を有することができる。膨張可能バルーンの遠位端は、中央チューブに取り付けられることができる。膨張可能バルーンの近位端は、シャフトに取り付けられている。
【0008】
中央チューブは、長手方向軸に沿って延在することができる。中央チューブの少なくとも一部は、膨張可能バルーン内に配置され、膨張可能バルーンの構造的支持を提供し、膨張ポートを含み、膨張ポートと流体連通する中央管腔を有する。中央チューブは、中央チューブが長手方向軸に対して膨張可能バルーンの長さを拡張及び/又は収縮させるように移動可能であるように、シャフトの遠位端に結合されることができる。
【0009】
中央管腔及び膨張ポートは、膨張可能バルーン内部とシャフトとの間に流路を提供して、膨張媒体がシャフトから膨張可能バルーンの内部に入ることを可能にすることができる。中央管腔は、膨張ポートに対して近位方向に位置付けられ、膨張媒体がシャフトから中央管腔内に移動することを可能にするようにシャフトと流体連通する開口部を含むことができる。
【0010】
中央管腔は、膨張ポートの遠位の位置における閉塞物によって閉塞されることができ、その結果、膨張媒体が閉塞物の遠位の中央管腔を通って移動することが阻止される。エンドプラグは、チューブの遠位端を通る流体の損失を防止するように構成されることができる。エンドプラグ及び閉塞物は、同じものとすることができる。
【0011】
バルーンカテーテルは、スプラインの折り畳みセットと、スプラインに取り付けられた膜と、を更に含むことができる。スプラインは、膨張可能バルーンを折り畳む折り畳み事前形成形状を有する形状記憶材料から少なくとも部分的に製造されることができる。膨張可能バルーンは、膜を含むことができる。
【0012】
バルーンカテーテルは、弾性要素及び牽引ワイヤを更に含むことができる。弾性要素は、中央チューブ及びシャフトに結合されることができる。弾性要素は、自己伸長することによって中央チューブをシャフトに対して遠位に摺動させ、長手方向軸に対して膨張可能バルーンの長さを拡張するように構成されることができる。牽引ワイヤは、中央チューブに接続され、シャフトを通って延在し、牽引ワイヤの後退が弾性要素を長手方向軸の方向に圧縮することによって中央チューブをシャフトに対して摺動させ、長手方向軸に対して膨張可能バルーンの長さを収縮させるように、処置中の後退のためにアクセス可能とすることができる。
【0013】
バルーンカテーテルは、中央チューブ上且つシャフト内に配置された、中央チューブとシャフトとの間の流体不透過性シールを更に含むことができる。
【0014】
バルーンカテーテルは、中央管腔内に配設されたナビゲーションセンサを更に含むことができる。ナビゲーションセンサは、3軸誘導センサとすることができる。ナビゲーションセンサは、膨張ポートに対して遠位方向に位置付けられることができる。バルーンカテーテルは、ナビゲーションセンサと電気的に連通し、中央管腔の少なくとも一部を通って延在するセンサワイヤを更に含むことができる。
【0015】
バルーンカテーテルは、膨張可能バルーン上又はその上に配置された灌注ポートを更に含むことができる。バルーンカテーテルは、灌注ポートを介して灌注するように構成されることができる。灌注ポートは、流路が、シャフトから中央管腔を通り、膨張ポートを通り、膨張可能バルーンの内部を通り、灌注ポートを通って延在するように、膨張可能バルーン上に位置付けられることができる。バルーンカテーテルは、膨張可能バルーンの外面上に配置された複数の電極と、複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤとを更に含むことができる。各ワイヤは、シャフトを通って延在することができる。
【0016】
灌注バルーンでもある膨張バルーンの代替として、バルーンカテーテルは、灌注バルーンであって、灌注ポートを備え、膨張可能バルーンの膨張が灌注バルーンを少なくとも部分的に膨張させるように、膨張可能バルーンの上に配置された、灌注バルーンを含むことができる。バルーンカテーテルは、膨張可能バルーンの内部から流体的に分離され且つ灌注ポートと流体連通している灌注バルーンと膨張可能バルーンとの間のチャンバを含むことができる。バルーンカテーテルは、灌注バルーンの外面上に配置された複数の電極と、複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、シャフトを通って延在する、1つ以上のワイヤと、を更に含むことができる。
【0017】
例示的な方法は、様々な順序で実行されることができる以下のステップの一部又は全部を含むことができ、この方法は、列挙されていない追加のステップを含むことができる。この方法は、バルーンカテーテルの膨張可能バルーンを、バルーンカテーテルの細長シャフト、膨張可能バルーン内に位置付けられた中央チューブの中央管腔、中央チューブの膨張ポート、及び膨張可能バルーンの内部を横断する流路を介して膨張させることを含むことができる。この方法は、中央チューブを用いてバルーンカテーテルの長手方向軸に沿って膨張可能バルーンを構造的に支持することであって、中央チューブの少なくとも一部が膨張可能バルーン内に位置付けられるように、中央チューブが長手方向軸と位置合わせされる、構造的に支持することを含むことができる。
【0018】
この方法は、シャフトに対して中央チューブを摺動させることによって長手方向軸に対して膨張可能バルーンの長さを拡張及び/又は収縮させることを含むことができる。
【0019】
この方法は、膨張可能バルーンを折り畳む折り畳み事前形成形状を有する形状記憶材料から少なくとも部分的に製造されるスプラインのセットを折り畳むことを含むことができる。
【0020】
この方法は、中央チューブ及びシャフトに結合された弾性要素を自己伸長することを可能にすることによって中央チューブをシャフトに対して長手方向に摺動させることによって、長手方向軸に対して膨張可能バルーンの長さを拡張することを含むことができる。この方法は、中央チューブに接続され且つシャフトを通って延在する牽引ワイヤを後退させることによって弾性要素を長手方向軸の方向に圧縮し、中央チューブをシャフトに対して長手方向に摺動させることによって、長手方向軸に対して膨張可能バルーンの長さを収縮させることを含むことができる。
【0021】
この方法は、カテーテルの遠位端ピースによって、膨張媒体が中央管腔の遠位端から出ることを阻止することを含むことができる。
【0022】
この方法は、流路により、中央チューブの開口部を横断することであって、開口部が、中央管腔と流体連通し、シャフトと流体連通し、且つ膨張ポートから近位方向に位置付けられている、横断することを含むことができる。
【0023】
この方法は、中央管腔内に配設されたナビゲーションセンサによって提供される電気信号に基づいて、膨張可能バルーンの位置を判定することを含むことができる。ナビゲーションセンサは、3軸誘導センサとすることができる。
【0024】
この方法は、膨張ポートに対して遠位方向にナビゲーションセンサを位置付けることを含むことができる。
【0025】
この方法は、ナビゲーションセンサと電気的に連通し、中央管腔の少なくとも一部を通って延在するセンサワイヤを介して電気信号を受信することを含むことができる。
【0026】
この方法は、膨張可能バルーン上又はその上に配置された灌注ポートを通して灌注することを含むことができる。
【0027】
この方法は、流路が、シャフトから中央管腔を通り、膨張ポートを通り、膨張可能バルーンの内部を通り、灌注ポートを通って延在するように、膨張可能バルーン上に灌注ポートを位置付けることを含むことができる。この方法は、複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、シャフトを通って延在する1つ以上のワイヤを介して、膨張可能バルーンの外面上に配置された複数の電極に電気信号を受信及び/又は提供することを含むことができる。
【0028】
膨張可能バルーン上に灌注ポートを位置付ける代替として、この方法は、灌注ポートを灌注バルーン上に配置することを含むことができる。この方法は、膨張可能バルーン上に灌注バルーンを配置することを含むことができる。この方法は、膨張可能バルーンを膨張させて、灌注バルーンを少なくとも部分的に膨張させることを含むことができる。この方法は、灌注バルーン及び膨張可能バルーンの内部をそれらの間のチャンバによって流体的に分離することを含むことができる。この方法は、チャンバを灌注ポートと流体連通することを含むことができる。この方法は、複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、シャフトを通って延在する1つ以上のワイヤを介して、灌注バルーンの外面上に配置された複数の電極に電気信号を受信及び/又は提供することを含むことができる。
【0029】
別の例示的な方法は、様々な順序で実行されることができる以下のステップの一部又は全部を含むことができ、この方法は、列挙されていない追加のステップを含むことができる。この方法は、中央チューブが、カテーテルシャフトと流体連通する中央管腔を有し且つ中央チューブの膨張ポートが中央管腔、それによってシャフトと流体連通するように、中央チューブを細長カテーテルシャフトの遠位端に結合することを含むことができる。この方法は、膨張ポートが膨張可能バルーンの内部に位置付けられ、且つ膨張バルーンが、シャフトを通って、中央管腔を通って、膨張ポートを通ってバルーンの内部に延在する流路を通って膨張媒体を受容するように構成されるように、膨張可能バルーンをシャフトの遠位端に近接して中央チューブの少なくとも一部上に取り付けることを含むことができる。
【0030】
この方法は、中央チューブが長手方向軸に対して膨張可能バルーンの長さを拡張及び/又は収縮させるように移動可能であるように、中央チューブをシャフトの遠位端に結合することを含むができる。
【0031】
この方法は、膨張可能バルーンの遠位端を中央チューブに取り付けることを含むことができる。この方法は、膨張可能バルーンの近位端をシャフトに取り付けることを含むことができる。
【0032】
この方法は、形状記憶材料から少なくとも部分的に製造されたスプラインのセットを折り畳み事前形成形状に形成することを含むことができる。この方法は、スプラインを折り畳み事前形成形状に移動させると膨張可能バルーンを折り畳むように、膨張可能バルーンに対してスプラインのセットをバルーンカテーテルに取り付けることを含むことができる。
【0033】
この方法は、弾性要素が、自己伸長し、中央チューブをシャフトに対して摺動させることによって長手方向軸に対して膨張可能バルーンの長さを拡張するように構成されるように、弾性要素を中央チューブ及びシャフトに結合することを含むことができる。この方法は、牽引ワイヤを中央チューブに接続することを含むことができる。この方法は、牽引ワイヤが処置中の後退のためにアクセス可能であり、その結果、牽引ワイヤの後退が弾性要素を長手方向軸の方向に圧縮することによって中央チューブをシャフトに対して近位に摺動させ、長手方向軸に対して膨張可能バルーンの長さを収縮させるように、シャフトを介して牽引ワイヤを延在させることを含むことができる。
【0034】
この方法は、膨張媒体が閉塞物の遠位の中央管腔を通って移動することが阻止されるように、膨張ポートの遠位の位置において中央管腔を閉塞することを含むことができる。
【0035】
この方法は、膨張媒体がシャフトから中央管腔に移動することを可能にするために開口部がシャフトと流体連通するように、膨張ポートに対して近位方向に中央管腔に中央チューブ上の開口部を位置付けることを含むことができる。
【0036】
この方法は、流体不透過性シールが中央チューブ上及びシャフト内にあるように、中央チューブとシャフトとの間に流体不透過性シールを配置することを含むことができる。
【0037】
この方法は、ナビゲーションセンサを中央管腔内に取り付けることを含むことができる。ナビゲーションセンサは、3軸誘導センサとすることができる。この方法は、膨張ポートに対して遠位方向にナビゲーションセンサを取り付けることを含むことができる。この方法は、センサワイヤをナビゲーションセンサに電気的に接続することを含むことができる。この方法は、センサワイヤを中央管腔の少なくとも一部を通して延在することを含むことができる。
【0038】
この方法は、膨張可能バルーン上又はその上に配置された灌注ポートを通して灌注するようにバルーンカテーテルを構成することを含むことができる。この方法は、灌注ポートを通して灌注するように膨張可能バルーンを構成することを含むことができる。
【0039】
この方法は、流路が、シャフトから中央管腔を通り、膨張ポートを通り、膨張可能バルーンの内部を通り、灌注ポートを通って延在するように、膨張可能バルーン上に灌注ポートを位置付けることを含むことができる。この方法は、膨張可能バルーンの外面上に複数の電極を配置することを含むことができる。この方法は、1つ以上のワイヤを複数の電極の各々に電気的に接続することを含むことができる。この方法は、各ワイヤをシャフトを通して延在することを含むことができる。
【0040】
膨張可能バルーン上に灌注ポートを位置決めする代替として、この方法は、膨張可能バルーンの膨張が灌注バルーンを少なくとも部分的に膨張させるように、膨張可能バルーン上に灌注ポートを有する灌注バルーンを配置することを含むことができる。この方法は、膨張可能バルーンの内部から流体的に分離され且つ灌注ポートと流体連通している灌注バルーンと膨張可能バルーンとの間のチャンバを形成することを含むことができる。この方法は、灌注バルーンの外面上に複数の電極を配置することを含むことができる。この方法は、1つ以上のワイヤを複数の電極の各々に電気的に接続することを含むことができる。この方法は、各ワイヤをシャフトを通して延在することを含むことができる。
【0041】
別の例示的なカテーテルは、細長シャフトと、膨張可能バルーンと、中央チューブと、遠位端ピースと、を含むことができる。細長シャフトは、バルーンカテーテルの長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在することができる。膨張可能バルーンは、シャフトの遠位端に近接して配置されることができる。膨張可能バルーンは、半トロイドに接続された基部を有する円錐台によって画定された第1の拡張容積まで膨張可能バルーンを膨張させるように、膨張媒体を受け入れるように構成された内部を含むことができる。中央チューブは、長手方向軸に沿って延在することができる。中央チューブの少なくとも一部は、膨張可能バルーン内に配置され、膨張可能バルーンの構造的支持を提供し、膨張ポートを含み、膨張ポートと流体連通する中央管腔を有する。中央管腔及び膨張ポートは、膨張可能バルーン内部とシャフトとの間に流路を提供して、膨張媒体がシャフトから膨張可能バルーンの内部に入ることを可能にすることができる。中央チューブは、長手方向軸に沿って移動して、第1の拡張容積を、各々の基部において接続された2つの円錐台によって実質的に画定された第2の拡張容積に変化させるように構成されることができる。
【0042】
遠位端ピースは、中央チューブを通る流体の損失を防止するためのエンドプラグ(又はノーズピース)を含むことができる。
【0043】
この例示的なカテーテルは、上記の例示的なカテーテルの特徴及び構造を更に含むことができる。この例示的なカテーテルは、上記の例示的な方法に従って構築及び/又は使用されることができる。
【0044】
上記の例示的な方法のステップは、単一の方法で組み合わせられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1A】本発明の態様に係る、半径方向に拡張されて長手方向に後退された状態(第1の膨張状態)における例示的な灌注バルーンカテーテルの遠位部分の図である。
【
図1B】本発明の態様に係る、半径方向に拡張されて長手方向に拡張された状態(第2の膨張状態)における灌注バルーンカテーテルの遠位部分の図である。
【
図1C】本発明の態様に係る、半径方向に収縮されて長手方向に拡張された状態(収縮状態)で更に拡張された灌注バルーンカテーテルの遠位部分の図である。
【
図2A】各々、
図1A及び
図1Bの視認面に平行な平面におけるカテーテルを通る途中の
図1A及び
図1Bに示される状態の灌注バルーンカテーテルの断面図である。
【
図2B】各々、
図1A及び
図1Bの視認面に平行な平面におけるカテーテルを通る途中の
図1A及び
図1Bに示される状態の灌注バルーンカテーテルの断面図である。
【
図3】
図1Aに示されるように、カテーテルのシャフトの遠位部分を通る断面を有する灌注バルーンカテーテルの等角図である。
【
図4A】本発明の態様に係る、任意の拡張可能な円錐膜を含む例示的な灌注バルーンカテーテルの遠位部分の図である。
【
図4B】
図4Aに示される灌注バルーンカテーテルの遠位部分の分解図の図である。
【
図5A】本発明の態様に係る、半径方向に拡張されて長手方向に後退された状態(膨張状態)における別の例示的な灌注バルーンカテーテルの遠位部分の図である。
【
図5B】本発明の態様に係る、半径方向に収縮されて長手方向に拡張された状態(収縮状態)における
図5Aに示される灌注バルーンカテーテルの遠位部分の図である。
【
図6】本発明の態様に係る、折り畳み可能及び/又は拡張可能なスプラインを有する別の例示的な灌注バルーンカテーテルの遠位部分の図である。
【
図7A】本発明の態様に係る、半径方向に収縮された長手方向に拡張された状態(収縮状態)にあり且つ自己拡張可能ばねを有する、別の例示的な灌注バルーンカテーテルの遠位部分の図である。
【
図7B】本発明の態様に係る、半径方向に拡張されて長手方向に後退された状態(膨張状態)における
図7Aに示される灌注バルーンカテーテルの遠位部分の図である。
【
図8】本発明の態様に係る、生きている患者の心臓の診断及び処置のためのシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
参照により本明細書に組み込まれる文書は本出願の一体部とみなされるべきであり、いかなる用語も、それらの組み込まれた文書内で、本明細書で明示的又は暗示的に行われる定義と相反するように定義される場合を除き、本明細書における定義のみが考慮されるべきである。
【0047】
本明細書で使用する場合、任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が、本明細書で述べる意図された目的に沿って機能することを可能にする好適な寸法の許容範囲を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指すことができ、例えば「約90%」は、71%から99%の値の範囲を指すことができる。
【0048】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「被験体」という用語は、任意のヒト被験体又は動物被験体を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。
【0049】
本明細書で使用する場合、「チューブ状」及び「チューブ」という用語は、直円柱であるか、又は断面が厳密に円周であるか、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されない。例えば、管状構造又は管状システムは、一般に、実質的な直円柱構造として図示される。しかしながら、チューブ状システムは、本開示の範囲から逸脱することなく、テーパ状外側表面、湾曲した外側表面、及び/又は部分的に平坦な外面を有し得る。
【0050】
本明細書に提示される例は、一般に、バルーン膜を構造的に支持及び膨張させるように構成された中央チューブを有するバルーンカテーテルを含む。中央チューブは、バルーンを膨張させるための経路を提供する管腔及び側壁膨張ポートを有することができる。中央チューブの管腔は、遠位端ピース、ノーズピース、又は他の構造によって閉塞されて、流体が中央チューブの遠位端から出ることを防止することができる。中央チューブは、膨張中に、膨張媒体がカテーテルの細長シャフトを通って、中央チューブの近位開口端に、且つ膨張ポートを通ってバルーン内に入ることが可能にされるように構成されることができる。中央チューブ管腔は、別個の支持チューブ及び灌注チューブを有するバルーンカテーテルの灌注管腔と比較して、より大きな内径を収容するように構成されることができる。より大きな灌注管腔は、バルーンに流体を供給するポンプへの全体的な背圧及び負荷を低減することができる。中央チューブは、シャフトに対して長手方向に摺動してバルーンを長手方向に伸長及び/又は後退させるように更に構成されることができる。
【0051】
中央チューブは、カテーテル灌注のためにシャフトを介してルアーハブに取り付けられることができる。中央チューブは、エンドユーザ(例えば、医師)が中央チューブを押してバルーンの前進をもたらすために使用することができるハンドル(手動で、又は油圧若しくは電気的に作動されて動力を供給される駆動装置又はスライダなど)内の前進システムに取り付けられることができる。中央チューブの外径の周りの間隙空間は、バルーン内の圧力での灌注がハンドルを含むカテーテルの近位区画に入るのを防ぐために、共形摩擦シール又はベローズ又は折り畳みスリーブを使用してシールされることができる。シールは、バルーンを伸長するために、シャフトから中央チューブの前進を可能にしながら漏れを防止することができる。ベローズ、共形、Oリングなどの様々なタイプのシールが目的に適することができる。バルーン膜は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド、又は任意の他の好適な材料から作製されることができる。
【0052】
ナビゲーションセンサ(例えば、3軸センサ、「TAS」)は、膨張ポートに対して遠位の位置で中央チューブに埋め込まれることができる。そのように位置付けるため、ナビゲーションセンサから信号を搬送するセンサワイヤは、中央チューブ管腔内に位置付けられることができる。センサワイヤを中央チューブ管腔内に位置付けることには、膨張流体の背圧の上昇という僅かなトレードオフにおいてバルーン内の空間的制約を緩和することができる。センサワイヤは、中央チューブ管腔から取り出され、ハンドル内にシールされることができる。センサワイヤは、ハンドルのたるみに対応するために歪み緩和を提供するように位置決め及びそうでなければ構成されることができる。
【0053】
本明細書に提示される例示的なカテーテルは、本明細書の教示に従って、当業者によって理解されるように、いくつかの方法で変更されることができる。灌注バルーンは、各々参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2020/0155226号、同第2019/0298441号、及び米国特許第7,410,486号に記載されているような、感知及び/又はアブレーションのための電極を含むことができる。灌注バルーンは、米国特許出願公開第2018/0140807号、同第2018/0161093号、同第2019/0059818号、同第2019/0201669号、同第2019/0217065号、同第2020/0147295号、及び米国特許第9,907,610号などに提示されているように、灌注バルーンの膨張及び/又は収縮、及び/又は中央チューブの伸縮を容易にするために、灌注バルーン内の機構及び/又は灌注バルーンに取り付けられた機構を含むことができ、これらは、各々参照により本明細書に組み込まれる。同様に、本明細書に提示される例示的なカテーテルは、ナビゲーションセンサ、熱電対、カテーテルシャフトの遠位部分を偏向させるための機構、力センサ、及び他の適合性のある電気的及び機械的特徴のような追加の構成要素を含むことができる。図からのそのような特徴の省略は、例示を明確にするためだけであり、描写された例示的なカテーテルのいずれも、当業者によって理解されるようなそのような特徴を含むように変更されることができる。
【0054】
図1Aから
図1Cは、例示的なバルーンカテーテル100の遠位部分の図である。バルーンカテーテル100の遠位部分は、
図1Aの半径方向に拡張されて長手方向に後退された状態、
図1Bの長手方向に拡張された状態、及び
図1Cの収縮された状態で示されている。
【0055】
【0056】
図1A~
図1C、
図2A、及び
図2Bを集合的に参照すると、バルーンカテーテル100は、細長シャフト130、膨張可能バルーン162、中央チューブ102、及び遠位プラグ106を含む。細長シャフト130は、バルーンカテーテル100の長手方向軸L-Lに沿って延在し、当業者によって理解されるように、ハンドル又は他の装置によってその近位端で操作されることができる。膨張可能バルーン162は、シャフト130の遠位端に近接して配置される。中央チューブ102の少なくとも一部は、膨張可能バルーン162内に位置付けられ、中央チューブ102は、膨張可能バルーン162の構造的支持を提供する。中央チューブ102は、膨張ポート104を含む。
図2A及び
図2Bにおいてより良好に視覚化されるように、中央チューブ102は、膨張ポート104と流体連通する中央管腔103を含む。中央管腔103及び膨張ポート104は、膨張可能バルーン内部とシャフト130との間に流路を提供して、膨張媒体がシャフト130から膨張可能バルーン162の内部に入ることを可能にする。中央チューブ102は、長手方向軸L-Lに沿って遠位に移動して、バルーン162の再成形を容易にすることができる。遠位プラグ106は、カテーテル100の遠位端126に位置付けられて、中央チューブ102の遠位端を通る流体の損失を防止する。遠位プラグ106は、非外傷性形状を有する。あるいは、遠位プラグ106は、中央チューブ102内に位置付けられることができる。そのような例では、カテーテル100は、米国特許出願公開第2019/0201669号の対応する構造と同様の内部遠位端を有することができる。
【0057】
図1A及び
図2Aは、半トロイドに接続された基部を有する円錐台によって画定される第1の拡張容積まで膨張した第1の膨張状態のバルーン162を示している。半トロイドは、中央チューブ102の遠位端の近くに取り付けられたバルーン162の遠位端188から半径方向及び遠位に延在する。次いで、半トロイドは、図示された形状のバルーン162の最大円周である第1の円周C1まで近位に湾曲する。円錐台は、シャフト130に取り付けられたバルーン162の近位端186に頂点を有する。円錐台は、頂点から半径方向及び遠位に延在して、最大円周C1において半トロイドを満たす。バルーン162は、バルーン162の近位端186から遠位プラグ106まで測定された第1の長手方向寸法、又は第1の高さH1を有する。
【0058】
図1B及び
図2Bは、各々の基部で接続された2つの円錐台によって実質的に画定された第2の拡張容積まで膨張した第2の膨張状態のバルーンを示している。バルーン162は、中央チューブ102をシャフト130に対して遠位及び近位に摺動させることによって、第1の膨張状態から第2の膨張状態に、及びその逆に移動させることができる。第2の容積は、第1の容積にほぼ等しくすることができる。遠位円錐は、バルーン162の遠位端188に頂点を有し、バルーン162の第2の最大周囲C2に対して半径方向及び近位に延在する。近位円錐は、バルーン162の近位端186に頂点を有し、半径方向及び遠位に延在して、第2の円周C2において遠位円錐を満たす。バルーン162は、バルーン162の近位端186から遠位プラグ106まで測定された第2の高さH2を有する。
図1A及び
図2Aに示されるように、中央チューブ102がシャフト130から遠位に延在するため、第2の高さH2は、第1の高さH1よりも大きい。第2の円周C2は、ほぼ第1の円周C1以下である。
【0059】
図1Cは、バルーン162をカテーテルに再配置及び/又は後退させることができるように、第3の容積に収縮した収縮状態のバルーン162を示している。第3の容積は、第1及び第2の容積の双方よりも著しく小さい。バルーン162は、バルーン162の近位端186から遠位プラグ106まで測定される第3の高さH3まで延在し、これは、
図1B及び2Bに示される第2の高さH2以上であり、好ましくは第2の高さH2よりも大きい。第3の高さH3が第2の高さH2よりも大きい場合、バルーンが第2の膨張状態から収縮状態に移動するときに、中央チューブ102は、シャフトから遠位に拡張される。バルーン162は、第1の円周C1及び第2の円周C2よりも小さい第3の最大円周C3を有する。バルーン162を収縮させるために、流体が、バルーン162の内部容積から、中央チューブ102の中央管腔103を通って膨張ポート104内に、及びシャフト130内に引き込まれ、ポンプ又は他のそのような装置によってカテーテル100からポンプ圧送されることができる。
【0060】
いくつかの例では、最大高さH3(
図1C)は、約45mmを測定することができ、最小高さH1(
図1A)は、約38mmを測定することができる。約45mmから約38mmの高さは、例えば、
図8に関連して図示及び説明されるような手順を実行するときに有用とすることができる。そうでなければ、高さH1、H2、H3は、本明細書の教示に従って、当業者によって理解されるように、血管内処置の必要性を満たすように寸法決めされることができる。
【0061】
図2A及び2Bは、膨張ポート104の遠位の中央チューブ102内に位置付けられたTAS112と、TAS112に接続され且つ中央管腔103を通って延在するセンサワイヤ114とを示している。
【0062】
図3は、
図1Aに示されるように、シャフト130の断面図でバルーン162が第1の膨張状態にある、カテーテル100の等角図である。
【0063】
図2A、
図2B、及び
図3を集合的に参照すると、カテーテル100は、中央チューブ102に階段状になっている中間膨張チューブ116を含む。この階段は、膨張チューブ116が中央チューブ102の延長部であるように再設計されることができる。及び/又はシャフト130の管腔(例えば、膨張チューブ116が図示されるように位置付けられている管腔118)は、膨張チューブ116の機能性を提供する。そのような代替の設計は、設計及び構築を更に単純化し、カテーテルの背圧を改善することができる。
【0064】
図3に示すように、シャフト130は、いくつかの目的を提供するために、複数の管腔118、120、122、124を含むことができる。第1の管腔118は、上述したようにバルーンに流体を提供することができる。第2及び第3の管腔120、122は、シャフト130によって画定される長手方向軸L-Lから離れてバルーン162を偏向させるために、牽引ワイヤを収容することができる。第4の管腔124は、TASワイヤ114、アブレーションのためのワイヤ及び/又はマッピング電極などのワイヤ及びケーブルの経路を提供することができる。シャフト130は、当業者によって理解されるように、代替の構造及び機能に対応するためにより少ない又は追加の管腔を含むように変更されることができる。
【0065】
図4A及び
図4Bは、任意の外膜128を含むカテーテル100を示している。
図4Bは、
図4Aの拡大図である。電極(図示せず)は、バルーン膜162の上に取り付けられることができ、電極に対するワイヤ(図示せず)は、米国特許出願公開第2020/0155266号の対応する構造の構成と同様に、バルーン膜162と外膜128との間に位置付けられることができる。カテーテル100は、米国特許出願公開第2020/0155266号の対応する構造と同様に構成された第3の膜を更に含むことができる。
【0066】
カテーテル100は、例えば、第4の管腔124において、シャフト130内に位置付けられたナビゲーションセンサ132を含むことができる(
図3)。カテーテル100は、中央チューブ102を遠位プラグ106に結合する内側リング110を含むことができる。バルーン162の遠位端188は、内側リング110に取り付けられることができ、それによって、バルーン162の遠位端を中央チューブ102に対して固定することができる。カテーテル100は、バルーン162の近位端186をシャフト130に結合するカプラ108を含むことができる。
【0067】
カテーテル100は、流体不透過性シール134が中央チューブ上及びシャフト内にあるように、中央チューブ102とシャフト130との間に流体不透過性カプラ又はシール134を含むことができる。図示されるように、シール134は、中央チューブ102を膨張チューブ116に結合する。あるいは、シャフト130は、膨張チューブ116を必要とせずに膨張可能バルーン162が膨張管腔を通って直接膨張されることができるように、中央チューブ102に対してシール134(又は適切な構成と同様のシール134)にシールされた膨張管腔を含むことができる。
【0068】
図5A及び
図5Bは、膨張バルーン262上に灌注バルーン264を有する代替のカテーテル200、及びバルーン262、264の構造的支持を提供する中央チューブ202及び膨張バルーン262を膨張させるための流路を示している。中央チューブは、膨張ポート204を含む。中央チューブ202は、
図1Aから
図4Bに示される中央チューブ102と同様に膨張バルーン262を膨張及び/又は収縮させるように構成されることができる。中央チューブ102は、バルーン262、264の長手方向寸法、高さH1、H3を調整するために、シャフト230に対して長手方向に摺動することができる。中央チューブ202は、遠位プラグ106(
図1Aから
図4D)又は他の障害物によって閉塞されて、流体がカテーテル200の遠位端226から出ることを阻止することができる。
【0069】
灌注バルーン264及び内側膨張バルーン262は、遠位バルーン端288及びカテーテルシャフト230に対して固定された近位バルーン端286で互いに取り付けられている。灌注管腔266は、灌注流体のための導管を灌注バルーン264に提供する。灌注バルーン264は、灌注流体が灌注バルーン264の内部から出ることを可能にするようにサイズ決め及び位置決めされた細孔272を含む。非灌注内側膨張バルーン262は、負圧が内側バルーン262を収縮させるために適用され、収縮中に内側バルーン262に入ることができる任意の量の灌注流体が、内側バルーン262の結果として生じる容積に大きく影響しないことを意味する、有意量の灌注流体が外側バルーン264から内側バルーン262内に入ることがないように、灌注流体に対して不透過性である。
【0070】
膨張管腔216は、中央チューブ202に流体的に結合される。灌注管腔266及び膨張管腔216は、シャフト230内に位置付けられている。シャフト230、灌注管腔266、及び膨張管腔216は、処置部位から、血管系を介して、患者の外部に延在するのに十分な長さを有することができる。カテーテル200の遠位部分は、シャフト230の近位部分の操作によって配置されることができる。流体は、灌注管腔266及び膨張管腔268の各々の近位開口部に注入されることができる。カテーテル200は、
図4Dに示される膨張チューブ116と同様の膨張チューブを含むことができる。カテーテル200は、
図4Dに示されるシール134と同様の、中央チューブ202とシャフト230との間のシールを灌注管腔266に含むことができる。
【0071】
そのように構成されると、内側バルーン262の容積は、内側バルーン構造262を欠く灌注バルーンの同等の容積よりも急速に収縮されることができる。これは、一般に、灌注バルーンが、灌注バルーンを収縮させるために負圧が加えられたときに、灌注バルーンの容積への流体の逆流を可能にする細孔を含むためである。
【0072】
カテーテル200は、そうでなければ、米国特許出願公開第2020/0147295号の対応するカテーテルと同様に操作及び構築されることができる。
【0073】
灌注バルーン264は、膨張及び収縮中の周囲範囲を通して拡張及び収縮することができる。灌注バルーン264は、灌注バルーン264がシース内に後退されることができるように、収縮状態にサイズ決めされるときに小さな円周C7を有することができる(
図5B)。灌注バルーン264は、膨張状態にあるときに最大円周C5を有することができる(
図5A)。
【0074】
内側バルーン262は、膨張及び収縮中の周囲範囲を通して拡張及び収縮することができる。内側バルーン262は、カテーテル200が収縮状態にあるとき(
図5B)、小さい円周C6を有することができ、カテーテル200が膨張状態にあるとき(
図5A)、より大きな円周C4を有することができる。膨張状態の内側膨張バルーン262の円周C4は、膨張状態の灌注バルーン264の円周C5に対してサイズ決めされて(
図5A)、灌注流体が細孔272を介して内側バルーン262の外面と外側バルーン264の内面との間を所望の流速で通過することを可能にすることができる。
【0075】
図5Aに示すようにバルーン262、264が膨張状態にあるとき、バルーンは、各々、平面Pに円形の断面形状を有することができる。バルーン262、264の円形断面形状は、同心とすることができる。中央チューブ202は、平面Pにおいてバルーン262、264と同心とすることができる。バルーン262、264は、
図5Aに示されるように実質的に球形とすることができるか、又は
図1A及び1Bに示されるものと同様の膨張形状を形成することができる。
【0076】
中央チューブ202は、灌注バルーン264及び内側バルーン262が膨張及び収縮中に収縮及び伸長することを可能にするように伸縮することができる。バルーン262、264は、
図1A及び
図1Cに示される例示的なカテーテル100と同様に、収縮状態にあるとき(
図5B)に最大高さH3を有することができ、膨張状態にあるとき(
図5A)に最小高さH1を有することができる。
【0077】
図6は、スプライン356の拡張セット及びスプライン358の折り畳みセットを有する、別の例示的なバルーンカテーテル300の遠位部分の図である。バルーンカテーテル300は、膨張状態で示されている。カテーテル300は、
図1Aから
図4Bに示される中央チューブ102と同様にバルーン354を膨張させるように構成された膨張ポート304を有する中央チューブ302を含む。中央チューブ302は、
図1Aから
図1Cに示されるものと同様に、バルーン354の長手方向寸法、高さH1、H2、H3を調整するために、シャフト330に対して長手方向に摺動することができる。中央チューブ302は、遠位プラグ106(
図1Aから
図4D)又は他の障害物によって閉塞されて、流体がカテーテル300の遠位端から出ることを阻止することができる。
【0078】
カテーテル300は、スプライン356の拡張セット、スプライン358の折り畳みセット、バルーン354、及び中央チューブ302を含むバルーンアセンブリ340を含む。スプラインは、形状記憶材料から少なくとも部分的に製造される。スプライン356、358は、好ましくは、バルーン354の内側に位置付けられているが、バルーン354の外側に位置付けられることができる。スプライン356、358は、カテーテルのシャフト330を通って延びる適切なワイヤを介して供給される電流を使用して加熱されるように構成されることができる。医師は、2組のスプライン356、358の各々を独立して動作(例えば、アクティブ化及び非アクティブ化)させることができる。スプライン356、358は、米国特許出願公開第2019/0059818号の対応する構造と同様に構成されることができる。カテーテル300は、米国特許出願公開第2019/0059818号に提示されているような追加の互換性のある機能及び構造を含むことができる。
【0079】
バルーン354は、スプライン356の拡張セットを加熱することによって拡張されることができ、スプライン356の拡張セットは、熱の除去時に折り畳むように強制されることができる。バルーン354は、スプライン358の折り畳みセットを加熱することによって折り畳まれることができ、スプライン358の折り畳みセットは、熱の除去時に拡張するように強制されることができる。バルーン354が拡張して折り畳まれると、中央チューブ302は、シャフトに対して長手方向に摺動して、バルーン354を長手方向に伸長及び短縮することができる。スプライン356、358は、スプラインの遠位端が中央チューブ302に対して固定され、スプラインの近位端がシャフト330に対して固定されるように取り付けられることができる。スプライン356、358の拡張及び/又は折り畳みに応答してバルーン354が再形成すると、中央チューブ302は、シャフト330に対して摺動することができる。
【0080】
スプライン356、358は、バルーン354の内側の周りに円周方向に分布している。スプライン356、358は、交互に組み立てられてもよく、例えば、2つの折り畳みスプライン358の間に配置された拡張スプライン356、及びその逆であってもよい。この構成は、バルーン354を拡張させるスプライン356と、折り畳まれてシース内に容易に引き戻される準備が機械的に整うスプライン358とのバランスをとる。
【0081】
バルーンアセンブリ340は、様々な好適な配置において、適切な数のスプラインを含むことができる。例えば、スプライン356の数は、スプライン358の数と異なっていてもよい。バルーンアセンブリ340は、形状記憶材料から製造されていない1つ以上の追加のスプラインを含むことができる。3つ以上のセットのスプラインが使用されることができる。いくつかの例では、スプライン356の拡張セットは省略されることができ、バルーン354内の膨張流体からの圧力は、バルーン354を拡張するのに十分とすることができる。スプライン358の折り畳みセットが作動されて、再被覆のためにバルーン354を折り畳むことができる。
【0082】
図7A及び
図7Bは、自己拡張可能ばね451を有する別の例示的な灌注バルーンカテーテル400の遠位部分の図である。
図7Aは、半径方向に収縮されて長手方向に拡張された状態の遠位部分を示している。
図7Bは、半径方向に拡張されて長手方向に後退された状態の遠位部分を示している。カテーテル400は、
図1Aから
図4Bに示される中央チューブ102と同様にバルーン462を膨張させるように構成された膨張ポート404を有する中央チューブ402を含む。中央チューブ402は、
図1Aから
図1Cに示されるものと同様に、バルーン462の長手方向寸法、高さH1、H2、H3を調整するために、シャフト430に対して長手方向に摺動することができる。中央チューブ402は、遠位プラグ106(
図1Aから
図4D)又は他の障害物によって閉塞されて、流体がカテーテル400の遠位端から出ることを阻止することができる。
【0083】
図7Aは、シャフト430の遠位端に取り付けられた伸長状態のカテーテル400の伸縮バルーンアセンブリ440を示している。近位区画448及び中央チューブ402は、伸縮アセンブリ440の二部構造に組み立てられる。近位区画448は、管状であり、中央チューブ402を受け入れるように成形されている。近位区画448は、カテーテルシャフト430に結合される。中央チューブ402は、近位区画448の内部で伸縮式に移動することができ、すなわち、その動きは、長手方向軸L-Lに沿って近位方向又は遠位方向のいずれかである。バルーン462は、その遠位端で遠位アンカー456によって中央チューブ402に結合され、その近位端で近位アンカー458によって近位区画448に結合される。
【0084】
牽引ワイヤ452は、シャフト430を通って、二部構成の伸縮アセンブリ440内に延び、中央チューブ402に接続されている。牽引ワイヤ452は、ハンドル(図示せず)から操作される(例えば、牽引されるか又は弛緩される)ことができる。牽引ワイヤ452は、牽引されて、中央チューブ402を近位区画448内に移動させ、それによってバルーン462の長手方向寸法(すなわち、高さ)を短縮して、伸縮アセンブリ440を
図7Aに示す長手方向に拡張された高さから
図7Bに示す長手方向に後退された状態に移動させることができる。中央チューブ402上に位置付けられたストッパ459は、ストッパ459が近位区画448に接触するときに、近位方向における中央チューブ402の動きを制限することができる。次いで、
図7Bに示すように、バルーン462が膨張されることができる。ばね451は、牽引ワイヤ452の張力が緩和されたときに、伸縮アセンブリ440を
図7Bに示す長手方向に後退された状態から
図7Aに示す長手方向に拡張された状態に移動させる力を提供することができる。
【0085】
カテーテル400は、膨張チューブ116と同様の膨張チューブ又は膨張管腔と、
図1Aから
図4Bに示されるカテーテル100に関連して説明される代替の膨張管腔とを含むことができる。カテーテル400は、米国特許出願公開第2019/0217065号に提示されているような追加の互換性のある機能及び構造を含むことができる。
【0086】
図8は、生きている患者36の心臓12の診断及び/又は処置のためのシステム10の図である。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、米国カリフォルニア州に位置するBiosense Webster,Inc.から入手可能なCARTO(登録商標)3システムとして入手可能である。
【0087】
バルーンカテーテル14は、本明細書の教示に従って当業者によって理解されるように、参照により本明細書に組み込まれる参考文献、その変形形態、及びそれらの代替形態に記載されるものを含む、本明細書に図示及び記載される例示的なカテーテル100、200、300、400と同様に構築及び機能することができる。バルーンカテーテル14は、参照により本明細書に組み込まれる参考文献に記載されているものを含む、本明細書に図示及び記載される様々なカテーテル100、200、300、400の適合特徴を更に含むことができる。
【0088】
バルーンカテーテル14は、患者の血管系を通して操作者16によって経皮的に挿入されることができ、カテーテル14のシャフト30は、心臓12の心腔又は血管構造内のバルーンカテーテル14の遠位端の近くにバルーン2を位置決めするように操作されることができる。典型的には医師である操作者16は、バルーン2を膨張させ、バルーン表面上の電極42を、例えばアブレーション標的部位において心臓壁と接触させることができる。バルーンは、細孔72を通して灌注することができる。バルーン2は、本明細書の教示に従って当業者によって理解されるように、本明細書に示される中央チューブ102、202、302、402、その変形形態、及びそれらの代替形態のいずれかと同様に構成された中央チューブを介して膨張するように構成されることができる。中央チューブは、バルーン2が膨張するときにバルーン2の高さを短縮すること、及び/又はバルーン2が収縮するときにバルーン2が伸長することを可能にするように伸縮することができる。
【0089】
電極42によって測定された電気信号が使用されて、電気的活性化マップを準備することができる。電気的活性化マップは、各々参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,226,542号、同第6,301,496号、及び同第6,892,091号に開示されている方法に従って準備されることができる。
【0090】
例えば、電気的活性化マップの評価によって異常であると判定された領域は、熱エネルギーの印加によって、例えば、バルーンカテーテル14内のワイヤを通る高周波電流をバルーン2上に配置された、高周波エネルギーを標的組織に印加する1つ以上の電極42に流すことによってアブレーションされることができる。電極42は、電気信号の測定及び高周波アブレーションの適用の双方に使用されることができる。あるいは、各プロセスは、異なる電極によって、潜在的には異なるカテーテル上で実行されることができる。
【0091】
アブレーション中、電流からのエネルギー(高周波の形態の交流又は双極パルス内の直流)は、組織に吸収され、その電気的興奮性の永久的な損失を引き起こす。この処置は、典型的には、不整脈を引き起こす異常な電気経路を破壊する、心臓組織に非伝導性病変を作り出すことを意図している。かかる原理は、異なる心腔に適用されて、多数の異なるタイプの心不整脈を診断及び治療することができる。
【0092】
カテーテル14は、操作者16がアブレーション及び/又は診断のために所望に応じてカテーテルの遠位端を操縦、位置決め、及び配向することを可能にするための適切な制御部をハンドル上に有するハンドル20を含むことができる。操作者16を補助するために、バルーンカテーテル14は、コンソール24内に配置されたプロセッサ22に信号を提供するバルーンカテーテル14の遠位端の近く(例えば、バルーン2の下方又は近く)に位置付けられた位置センサを含むことができる。コンソール24は、プロセッサ22によって実行されると、処置中にコンソール24に様々な機能を実行させるプロセッサ22と通信するメモリ58を含むことができる。コンソール24は、アブレーションモジュール74、灌注モジュール76、及び膨張モジュール78を更に含むことができ、これらは、各々、各モジュールに関連する様々な機能を実行するためのハードウェア及びソフトウェア(例えば、メモリ58内)を各々含むことができる。モジュール74、76、78は、共通のハードウェア及び/又はソフトウェアを含むことができ、コンソール24の様々な機能を例示するために含まれる。コンソール24は、図示されていない追加のモジュールを含むことができる。灌注モジュール76及び膨張モジュール78は、同じ又は別個のもの(例えば、カテーテル14が別々の灌注バルーン及び膨張バルーンを含む場合)とすることができる。
【0093】
アブレーションエネルギー及び電気信号は、心臓12との間でケーブル38を介してバルーン2上の電極42を通じてコンソール24に伝達されることができる。ペーシング信号及び他の制御信号は、コンソール24からケーブル38及び電極42を介して、心臓12に伝達されることができる。この機能は、アブレーションモジュール74によって制御されることができる。
【0094】
ワイヤ接続部35は、コンソール24を、体表面電極40、並びにカテーテル14の位置座標及び配向座標を測定するための位置決めサブシステムの他の構成要素と連結する。プロセッサ22又は別のプロセッサは、位置決めサブシステムの要素であってもよい。バルーン2上の電極42及び体表面電極40は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,536,218号に教示されているように、アブレーション部位での組織インピーダンスを測定するために使用されることができる。
【0095】
温度センサ、典型的には、熱電対又はサーミスタは、電極42の各々の上に、又は電極の各々の付近に、取り付けられることができる。アブレーション電極と共に使用される温度センサの例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2019/0298441号に示されて記載される。
【0096】
カテーテル14は、参照により本明細書に組み込まれる、代理人整理番号BIO6131USNP1の「Balloon Catheter with Force Sensor」と題する、2020年4月30日に出願された米国特許出願第16/863,815号に記載されているように、バルーンによって組織に加えられた力の大きさ及び方向を示す信号を提供するように構成された力センサを含むことができる。
【0097】
コンソール24は、アブレーションモジュール74に含まれるか、又は少なくともそれによって制御される1つ以上のアブレーション電力発生器25を含むことができる。カテーテル14は、任意の既知のアブレーションエネルギー又はモダリティ、例えば、高周波エネルギー、エレクトロポレーション、超音波エネルギー、極低温エネルギー、及びレーザー生成光エネルギーを使用して心臓にアブレーションエネルギーを伝導するように構成されることができる。そのような方法は、各々参照により本明細書に組み込まれる、同一出願人による米国特許第6,814,733号、同第6,997,924号、及び同第7,156,816号、並びにChristopher B.Arena,Michael B.Sano,Marissa Nichole Rylander,及びRafael V.Davalosによる「Theoretical Considerations of Tissue Electroporation With High-Frequency Bipolar Pulses」(2011年5月)、並びにO.Serorによる「Ablative therapies:Advantages and disadvantages of radiofrequency,cryotherapy,microwave and electroporation methods,or how to choose the right method for an individual patient?」(2015年4月)に開示されている。
【0098】
位置決めサブシステムは、磁場発生器28を使用して、既定の作業容積内に磁場を発生させ、典型的には先端に近接してカテーテル内に配置されたコイル又はトレースを使用して、カテーテルでのこれらの磁場を感知することによって、カテーテル14の位置及び配向を判定する、磁気位置追跡配置を含むこともできる。位置決めサブシステムは、各々その全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,756,576号及び同第7,536,218号に記載されている。
【0099】
操作者16は、コンソール24を介してカテーテル14の機能を観察及び調節することができる。プロセッサ22は、ディスプレイ29を駆動することができる。プロセッサ22及びコンソール24の関連する回路は、カテーテル14からの信号を受信、増幅、フィルタリング及びデジタル化するように構成されることができ、この信号は、電気、温度及び接触力センサなどのセンサ、並びにカテーテル14内の遠位に配置された複数の位置検知コイル又はトレースによって生成された信号を含む。デジタル化信号は、カテーテル14の位置及び方向を計算するために、また電極及びセンサからの電気信号を解析するために、コンソール24及び位置決めサブシステムによって受信及び利用される。
【0100】
電気解剖学的マップを生成するために、プロセッサ22は、典型的には、電気解剖学的マップ発生器と、画像位置合わせプログラムと、画像又はデータ解析プログラムと、ディスプレイ29上にグラフィカル情報を提示するように構成されたグラフィカルユーザインターフェースと、を含むことができる。
【0101】
システム10は、簡略化のために図示されていない他の要素を含むことができる。例えば、システム10は、ECG同期信号をコンソール24に供給するために、1つ以上の体表面電極から信号を受信するように結合された心電図(ECG)モニタを含むことができる。システム10は、対象の身体の外面に取り付けられた、外部から貼付された参照パッチ、又は心臓12に対して固定された位置に維持された、心臓12内に挿入された、内部に配置されたカテーテルのいずれかの上に参照位置センサを含むことができる。システム10は、処置部位を灌注するためにカテーテル14を通して液体を循環させるためのポンプ及びラインを更に含むことができる。システム10は、MRIユニット、CTなどのような外部撮像モダリティからの画像データを受信するように構成されることができ、画像を生成及び表示するためにプロセッサ22に組み込まれる又はプロセッサ22によって呼び出されることができる画像プロセッサを含む。
【0102】
〔実施の態様〕
(1) バルーンカテーテルであって、
前記バルーンカテーテルの長手方向軸に沿って延在する細長シャフトと、
前記シャフトの遠位端に近接して配置された膨張可能バルーンであって、前記膨張可能バルーンを膨張させるために膨張媒体を受容するように構成された内部を備える、膨張可能バルーンと、
前記長手方向軸に沿って延在する中央チューブであって、
前記中央チューブの少なくとも一部が、前記膨張可能バルーン内に位置付けられ、前記膨張可能バルーンの構造的支持を提供し、膨張ポートを備え、前記膨張ポートと流体連通する中央管腔を備え、
前記中央管腔及び前記膨張ポートが、前記膨張可能バルーン内部と前記シャフトとの間に流路を提供して、前記膨張媒体が前記シャフトから前記膨張可能バルーンの前記内部に入ることを可能にする、中央チューブと、
前記チューブの遠位端に近接して配置され、前記チューブの前記遠位端を通る流体の損失を防止するように構成されたエンドプラグと、を備える、バルーンカテーテル。
(2) 前記中央チューブが前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを拡張及び/又は収縮させるように移動可能であるように、前記中央チューブが前記シャフトの前記遠位端に結合されており、前記膨張可能バルーンの遠位端が前記中央チューブに取り付けられ、前記膨張可能バルーンの近位端が前記シャフトに取り付けられている、実施態様1に記載のバルーンカテーテル。
(3) 前記膨張可能バルーンを折り畳む折り畳み事前形成形状を有する形状記憶材料から少なくとも部分的に製造されたスプラインの折り畳みセットと、
前記スプラインに取り付けられた膜と、を更に備える、実施態様2に記載のバルーンカテーテル。
(4) 前記中央チューブ及び前記シャフトに結合され、自己伸長することによって前記中央チューブを前記シャフトに対して摺動させ、前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを拡張するように構成された弾性要素と、
前記中央チューブに接続され、前記シャフトを通って延在している牽引ワイヤであって、前記牽引ワイヤの後退が前記弾性要素を前記長手方向軸の方向に圧縮することによって前記中央チューブを前記シャフトに対して摺動させ、前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを収縮させるように、処置中の後退のためにアクセス可能であるように構成された、牽引ワイヤと、を更に備える、実施態様2に記載のバルーンカテーテル。
(5) 前記中央管腔が前記膨張ポートの遠位の位置に閉塞物を備え、膨張媒体が前記閉塞物の遠位の前記中央管腔を通って移動することが阻止され、
前記中央管腔が、前記膨張ポートに対して近位方向に位置付けられ、前記膨張媒体が前記シャフトから前記中央管腔内に移動することを可能にするように前記シャフトと流体連通する開口部を備える、実施態様1に記載のバルーンカテーテル。
【0103】
(6) 前記中央管腔内に配設されたナビゲーションセンサを更に備え、前記ナビゲーションセンサが、3軸誘導センサであり、前記ナビゲーションセンサが、前記膨張ポートに対して遠位方向に位置付けられている、実施態様1に記載のバルーンカテーテル。
(7) 灌注ポートであって、前記流路が、前記シャフトから前記中央管腔を通り、前記膨張ポートを通り、前記膨張可能バルーンの前記内部を通り、前記灌注ポートを通って延在するように、前記膨張可能バルーン上に位置付けられた、灌注ポートと、
前記膨張可能バルーンの外面上に配置された複数の電極と、
前記複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、前記シャフトを通って延在する、1つ以上のワイヤと、を更に備える、実施態様1に記載のバルーンカテーテル。
(8) 灌注バルーンであって、灌注ポートを備え、且つ前記膨張可能バルーンの膨張が前記灌注バルーンを少なくとも部分的に膨張させ、前記カテーテルが前記灌注ポートを介して灌注するように構成されるように、前記膨張可能バルーン上に配置された、灌注バルーンと、
前記膨張可能バルーンの前記内部から流体的に分離され且つ前記灌注ポートと流体連通している前記灌注バルーンと前記膨張可能バルーンとの間のチャンバと、
前記灌注バルーンの外面上に配置された複数の電極と、
前記複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、前記シャフトを通って延在する、1つ以上のワイヤと、を更に備える、実施態様1に記載のバルーンカテーテル。
(9) カテーテルであって、
前記カテーテルの長手方向軸に沿って延在する細長シャフトと、
前記シャフトの遠位端に近接して配置された膨張可能バルーンであって、半トロイドに接続された基部を有する円錐台によって画定された第1の拡張容積まで前記膨張可能バルーンを膨張させるように、膨張媒体を受け入れるように構成された内部を備える、膨張可能バルーンと、
前記長手方向軸に沿って延在する中央チューブであって、
前記中央チューブの少なくとも一部が、前記膨張可能バルーン内に位置付けられ、前記膨張可能バルーンの構造的支持を提供し、膨張ポートを備え、前記膨張ポートと流体連通する中央管腔を備え、
前記中央管腔及び前記膨張ポートが、前記膨張可能バルーン内部と前記シャフトとの間に流路を提供して、前記膨張媒体が前記シャフトから前記膨張可能バルーンの前記内部に入ることを可能にし、
前記中央チューブが、前記長手方向軸に沿って遠位に移動して、前記第1の拡張容積を、各々の基部において接続された2つの円錐台によって実質的に画定された第2の拡張容積に変化させるように構成されている、中央チューブと、
前記中央チューブの遠位端を通る流体の損失を防止するように位置付けられた遠位プラグと、を備える、カテーテル。
(10) 前記膨張可能バルーンの遠位端が、前記中央チューブに取り付けられ、前記膨張可能バルーンの近位端が、前記シャフトに取り付けられている、実施態様9に記載のカテーテル。
【0104】
(11) 前記膨張可能バルーンを折り畳む折り畳み事前形成形状を有する形状記憶材料から少なくとも部分的に製造されたスプラインの折り畳みセットと、
前記スプラインに取り付けられた膜と、を更に備える、実施態様9に記載のカテーテル。
(12) 前記中央チューブ及び前記シャフトに結合され、自己伸長することによって前記中央チューブを前記シャフトに対して摺動させ、前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを拡張するように構成された弾性要素と、
前記中央チューブに接続され、前記シャフトを通って延在している牽引ワイヤであって、前記牽引ワイヤの後退が前記弾性要素を前記長手方向軸の方向に圧縮することによって前記中央チューブを前記シャフトに対して摺動させ、前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを収縮させるように、処置中の後退のためにアクセス可能であるように構成された、牽引ワイヤと、を更に備える、実施態様9に記載のカテーテル。
(13) 前記中央管腔が、前記膨張ポートに対して近位方向に位置付けられ、前記膨張媒体が前記シャフトから前記中央管腔内に移動することを可能にするように前記シャフトと流体連通する開口部を備える、実施態様9に記載のカテーテル。
(14) 灌注ポートであって、前記流路が、前記シャフトから、前記中央管腔を通り、前記膨張ポートを通り、前記膨張可能バルーンの前記内部を通り、前記灌注ポートを通って延在するように、前記膨張可能バルーン上に配置され、前記カテーテルが前記灌注ポートを介して灌注するように構成されている、灌注ポートと、
前記膨張可能バルーンの外面上に配置された複数の電極と、
前記複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、前記シャフトを通って延在する、1つ以上のワイヤと、を更に備える、実施態様9に記載のカテーテル。
(15) 灌注バルーンであって、灌注ポートを備え、且つ前記膨張可能バルーンの膨張が前記灌注バルーンを少なくとも部分的に膨張させるように、前記膨張可能バルーン上に配置され、前記カテーテルが前記灌注ポートを介して灌注するように構成された、灌注バルーンと、
前記膨張可能バルーンの前記内部から流体的に分離され且つ前記灌注ポートと流体連通している前記灌注バルーンと前記膨張可能バルーンとの間のチャンバと、
前記灌注バルーンの外面上に配置された複数の電極と、
前記複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、前記シャフトを通って延在する、1つ以上のワイヤと、を更に備える、実施態様9に記載のカテーテル。
【0105】
(16) 方法であって、
バルーンカテーテルの膨張可能バルーンを、前記バルーンカテーテルの細長シャフト、前記膨張可能バルーン内に位置付けられた中央チューブの中央管腔、前記中央チューブの膨張ポート、及び前記膨張可能バルーンの内部を横断する流路を介して膨張させることと、
前記中央チューブを用いて前記バルーンカテーテルの長手方向軸に沿って前記膨張可能バルーンを構造的に支持することであって、前記中央チューブの少なくとも一部が前記膨張可能バルーン内に位置付けられるように、前記中央チューブが前記長手方向軸と位置合わせされる、構造的に支持することと、を含む、方法。
(17) 前記シャフトに対して前記中央チューブを摺動させることによって前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを拡張及び/又は収縮させること、を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記膨張可能バルーンを折り畳む折り畳み事前形成形状を有する形状記憶材料から少なくとも部分的に製造されるスプラインのセットを折り畳むこと、を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記中央チューブ及び前記シャフトに結合された弾性要素を自己伸長することを可能にすることによって前記中央チューブを前記シャフトに対して長手方向に摺動させることによって、前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを拡張することと、
前記中央チューブに接続され且つ前記シャフトを通って延在する牽引ワイヤを後退させることによって前記弾性要素を前記長手方向軸の方向に圧縮し、前記中央チューブを前記シャフトに対して長手方向に摺動させることによって、前記長手方向軸に対して前記膨張可能バルーンの長さを収縮させることと、を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(20) 前記流路を横断する膨張媒体が前記中央チューブの遠位の前記中央管腔を通って移動することを阻止することと、
前記流路により、前記中央チューブの開口部を横断することであって、前記開口部が、前記中央管腔と流体連通し、前記シャフトと流体連通し、且つ前記膨張ポートから近位方向に位置付けられている、横断することと、を更に含む、実施態様16に記載の方法。
【外国語明細書】