(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109256
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】電子部品ユニット
(51)【国際特許分類】
H05K 7/12 20060101AFI20220720BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20220720BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220720BHJP
H05K 5/06 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
H05K7/12 N
H01R13/52 Z
H01R13/52 301A
H02J7/00 301B
H05K5/06 D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066707
(22)【出願日】2022-04-14
(62)【分割の表示】P 2019134436の分割
【原出願日】2019-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】田森 勇
(57)【要約】
【課題】新規な防水構造を実現することができる技術を提供する。
【解決手段】インレット載置部31に、インレット80を載置すると、インレット80のインレット溝部86と、上ケース20のインレット用ケース溝部35とが連結して第2連結空間120が形成される。このように、第2連結空間120は、2個のインレット溝部86と2個のインレット用ケース溝部35とを連結させることにより2個形成される。そして、第2連結空間120に、第2固定ピン90の第2固定ピン挿入部92を挿入する。この場合、2個の第2連結空間120に、第2固定ピン連結部94により連結された2個の第2固定ピン挿入部92を挿入する。これにより、第2固定ピン挿入部92は、第2連結空間120を構成するインレット用ケース溝部35とインレット溝部86とに跨って配置されることにより、上ケース20に対してインレット80を固定する。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱型のケースと、
前記ケースに形成された開口部と、
前記ケースに形成されたケース溝部と、
前記開口部の内周に配置された防水部材と、
前記開口部に配置された電子部品と、
前記電子部品に形成された電子部品溝部と、
前記ケース溝部と前記電子部品溝部とを連結させることにより形成される連結空間と、
前記連結空間に挿入される部材であり、前記連結空間の形状に沿った形状を含み、前記ケースに対して前記電子部品を固定する固定部材と、
を備える電子部品ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記ケース溝部は、
1つの前記ケースに複数形成されており、
前記電子部品溝部は、
1つの前記電子部品に複数形成されており、
前記連結空間は、
複数の前記ケース溝部と複数の前記電子部品溝部とを連結させることにより複数形成されており、
前記固定部材は、
複数の前記連結空間に挿入されることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記固定部材は、
前記固定部材の挿入方向である第1方向に延び、複数の前記連結空間に挿入される複数の挿入部と、
前記第1方向と直交する第2方向に延び、複数の前記挿入部を連結する連結部とを備えることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の電子部品ユニットにおいて、
複数の前記挿入部の少なくとも一部、及び、前記連結部の少なくとも一部は、
前記電子部品の少なくとも一部と接触することを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記連結部は、
前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に延びる突起部を備え、
前記突起部の少なくとも一部は、
前記電子部品の少なくとも一部と接触することを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の電子部品ユニットにおいて、
前記ケースは、
第1ケースと第2ケースとを備え、前記第1ケースと前記第2ケースとが結合することにより1つの前記ケースとなり、
前記第1ケース及び前記第2ケースの少なくとも一方は、
前記第1ケースと前記第2ケースとを結合する際に、前記連結空間に挿入された前記固定部材の少なくとも一部に接触する接触部を備えることを特徴とする電子部品ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を有する電子部品ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部電源供給用の電源コネクタとして、USBコネクタを本体ハウジングの前面に備えた構成とする充電器が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、電源コネクタをコネクタ本体と電源回路基板とに分離し、コネクタ本体を防水壁部で区画された領域に配置している。特許文献1の技術によれば、電源回路基板の防水性を高めることができる。
【0005】
そして、このような電源コネクタ等の電子部品ユニットでは、新規な防水構造が望まれている。
【0006】
そこで、本発明は、新規な防水構造を実現することができる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の解決手段及び括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
【0008】
解決手段1:本解決手段の電子部品ユニットは、箱型のケースと、前記ケースに形成された開口部と、前記ケースに形成されたケース溝部と、前記開口部の内周に配置された防水部材と、前記開口部に配置された電子部品と、前記電子部品に形成された電子部品溝部と、前記ケース溝部と前記電子部品溝部とを連結させることにより形成される連結空間と、前記連結空間に挿入される部材であり、前記連結空間を構成する前記ケース溝部と前記電子部品溝部とに跨って配置されることにより、前記ケースに対して前記電子部品を固定する固定部材とを備える電子部品ユニットである。
【0009】
解決手段1A:本解決手段の電子部品ユニットは、開口部及びケース溝部を有する箱型のケースと、前記開口部の内周に配置された防水部材と、前記開口部に配置され、前記ケース溝部と連結させることにより連結空間となる電子部品溝部を有する電子部品と、前記連結空間に挿入される部材であり、前記連結空間を構成する前記ケース溝部と前記電子部品溝部とに跨って配置されることにより、前記ケースに対して前記電子部品を固定する固定部材とを備える電子部品ユニットである。
【0010】
本解決手段の電子部品ユニットは、以下の構成を備えている。
(1)箱型のケースを備えている。ケースは、直方体形状の部材である。ケースの内部には、電子部品ユニットに必要な電子部品等が格納される。
(2)上記(1)のケースには、開口部が形成されている。開口部は、ケースの上面や底面に配置されていてもよく、ケースの側面に形成されていてもよい。
(3)上記(1)のケースには、ケース溝部が形成されている。ケース溝部は、ケースの壁に形成されていてもよく、ケースに取り付けられた部品に形成されていてもよい。
【0011】
(4)上記(2)の開口部の内周(周囲)には、防水部材(パッキン、ガスケット等)が配置されている。防水部材は、開口部から内部に水分が浸入することを防止する。
(5)上記(2)の開口部には、電子部品(インレット、ブッシュ部材等)が配置されている。電子部品は、開口部に挿入して配置してもよく、開口部を塞ぐように配置してもよい。
(6)上記(5)の電子部品には、電子部品溝部が形成されている。電子部品溝部は、電子部品の壁に形成されていてもよく、電子部品に取り付けられた部品に形成されていてもよい。
【0012】
(7)上記(3)のケース溝部と上記(6)の電子部品溝部とを連結させることにより、連結空間が形成される。
(8)上記(7)の連結空間に挿入される部材であり、上記(7)の連結空間を構成する上記(3)のケース溝部と上記(6)の電子部品溝部とに跨って配置されることにより、上記(1)のケースに対して上記(5)の電子部品を固定する固定部材を備えている。
【0013】
本解決手段によれば、連結空間に固定部材を挿入することにより、ケースに対して電子部品を固定するため、ネジ等を使用せずに、省スペースで電子部品を固定することができる。
【0014】
また、本解決手段によれば、固定部材は、連結空間を構成するケース溝部と電子部品溝部とに跨って配置されるため、ケースに対して電子部品を強固に固定することができるだけでなく、開口部の内周に配置された防水部材も強固に固定して(防水部材が外れることを防止して)防水性も向上させることができ、結果として、新規な防水構造を実現することができる。
【0015】
解決手段2:本解決手段の電子部品ユニットは、上述したいずれかの解決手段において、前記ケース溝部は、1つの前記ケースに複数形成されており、前記電子部品溝部は、1つの前記電子部品に複数形成されており、前記連結空間は、複数の前記ケース溝部と複数の前記電子部品溝部とを連結させることにより複数形成されており、前記固定部材は、複数の前記連結空間に挿入されることを特徴とする電子部品ユニットである。
【0016】
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(1)ケース溝部は、1つのケースに複数形成されている。
(2)電子部品溝部は、1つの電子部品に複数形成されている。
(3)連結空間は、複数のケース溝部と複数の電子部品溝部とを連結させることにより複数形成されている。
(4)固定部材は、複数の連結空間に挿入される。
【0017】
本解決手段によれば、連結空間は、複数形成されており、固定部材は、複数の連結空間に挿入されるため、連結空間が1つしかない状況と比較して、固定部材による固定を強化することができる。
【0018】
解決手段3:本解決手段の電子部品ユニットは、上述したいずれかの解決手段において、前記固定部材は、前記固定部材の挿入方向である第1方向に延び、複数の前記連結空間に挿入される複数の挿入部と、前記第1方向と直交する第2方向に延び、複数の前記挿入部を連結する連結部とを備えることを特徴とする電子部品ユニットである。
【0019】
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(1)固定部材は、固定部材の挿入方向である第1方向(上下方向、Z方向)に延び、複数の連結空間に挿入される複数の挿入部を備える。
(2)固定部材は、第1方向と直交する第2方向(左右方向、Y方向)に延び、複数の挿入部を連結する連結部とを備える。
【0020】
本解決手段によれば、固定部材は、複数の挿入部が連結部によって一体化されているので、複数の連結空間に対して、複数の挿入部を一度に挿入することができ、作業性を向上させることができる。
【0021】
解決手段4:本解決手段の電子部品ユニットは、上述したいずれかの解決手段において、複数の前記挿入部の少なくとも一部、及び、前記連結部の少なくとも一部は、前記電子部品の少なくとも一部と接触することを特徴とする電子部品ユニットである。
【0022】
本解決手段では、複数の挿入部の少なくとも一部(例えば2箇所の内側の端面)、及び、連結部の少なくとも一部(内側の端面)は、電子部品の少なくとも一部(底面や側面)と接触する。
【0023】
本解決手段によれば、固定部材の挿入部及び連結部といった2つの部品を電子部品に接触させることができるので、ケースに対する電子部品の固定を安定化させることができる。
【0024】
解決手段5:本解決手段の電子部品ユニットは、上述したいずれかの解決手段において、前記連結部は、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に延びる突起部を備え、前記突起部の少なくとも一部は、前記電子部品の少なくとも一部と接触することを特徴とする電子部品ユニットである。
【0025】
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(1)連結部は、第1方向及び第2方向と直交する第3方向(前後方向、X方向)に延びる突起部を備える。
(2)突起部の少なくとも一部(内側の端面)は、電子部品の少なくとも一部(底面)と接触する。
【0026】
本解決手段によれば、固定部材の挿入部、連結部及び突起部といった3つの部品を電子部品に接触させることができるので、ケースに対する電子部品の固定をより一層安定化させることができる。
【0027】
解決手段6:本解決手段の電子部品ユニットは、上述したいずれかの解決手段において、前記ケースは、第1ケースと第2ケースとを備え、前記第1ケースと前記第2ケースとが結合することにより1つの前記ケースとなり、前記第1ケース及び前記第2ケースの少なくとも一方は、前記第1ケースと前記第2ケースとを結合する際に、前記連結空間に挿入された前記固定部材の少なくとも一部に接触する接触部を備えることを特徴とする電子部品ユニットである。
【0028】
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(1)ケースは、第1ケースと第2ケースとを備え、第1ケースと第2ケースとが結合することにより1つのケースとなる。
(2)第1ケース及び第2ケースの少なくとも一方は、第1ケースと第2ケースとを結合する際に、連結空間に挿入された固定部材の少なくとも一部に接触する接触部を備える。
接触部は、第1ケースだけに設けられていれもよく、第2ケースだけに設けられていれもよく、第1ケース及び第2ケースに設けられていてもよい。
【0029】
本解決手段によれば、第1ケースと第2ケースとを結合する際に、連結空間に挿入された固定部材の少なくとも一部に接触する接触部を備えるため、2つのケースを結合させながら、接触部によって固定部材を簡単かつ強固に固定することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、新規な防水構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本実施形態の充電器100等を示す図である。
【
図2】本実施形態の充電器100を示す斜視図である。
【
図3】本実施形態の充電器100を示す分解斜視図である。
【
図10】ブッシュ部材50の固定方法を示す図である。
【
図11】ブッシュ部材50の固定方法を示す図である。
【
図12】ブッシュ部材50の固定方法を示す図である。
【
図13】ブッシュ部材50の固定方法を示す図である。
【
図14】ブッシュ部材50の固定方法を示す図である。
【
図15】ブッシュ部材50の固定方法を示す図である。
【
図16】ブッシュ部材50の固定方法を示す図である。
【
図17】ブッシュ部材50の固定方法を示す図である。
【
図18】インレット80の固定方法を示す図である。
【
図19】インレット80の固定方法を示す図である。
【
図20】インレット80の固定方法を示す図である。
【
図21】他の実施形態の充電器100Aを示す斜視図である。
【
図22】他の実施形態のブッシュ部材50Aを示す図である。
【
図23】他の実施形態の充電器100Aの縦断面図を示す図である。
【
図24】実施形態の充電器100の縦断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の充電器100等を示す図である。なお、図面においては、実際の物の大きさや長さを変更したり、存在する部品を省略したりして図示している箇所もある。
充電器100(電子部品ユニット)は、電子機器200が備えるバッテリー210を充電するための装置である。バッテリー210は、電子機器200に対して着脱可能であってもよく、着脱不能であってもよい。
電子機器200は、バッテリー210から供給される電力によって動作可能な装置である。電子機器200は、バッテリー210から供給される電力だけでなく、商用電源から供給される電力によって動作可能な装置であってもよい。電子機器200の具体的な内容は、特に限定されるものではないが、電子機器200は、例えば、携帯情報端末や携帯電話機、ノートパソコン、ビデオカメラ等である。
【0033】
充電器100には、電源コード300が接続可能となっており、商用電源を供給するコンセント400に電源コード300を差し込むことで、充電器100は、充電用の電力を確保することができる。充電器100は、電源コード300から入力された交流電力を直流電力に変換して出力するACアダプタである。
【0034】
また、充電器100には、ブッシュ部材50が取り付けられており、ブッシュ部材50の配線部をバッテリー210に差し込むことで、バッテリー210を充電することができる。
充電器100は、バッテリー210に直接接続してバッテリー210を充電することができる。また、充電用の専用機器がある場合、電子機器200からバッテリー210を取り外し、取り外したバッテリー210を専用機器にセットし、ブッシュ部材50の配線部を用いて充電器100と専用機器とを接続することにより、充電器100は、専用機器を介して間接的にバッテリー210を充電することができる。
【0035】
図2は、本実施形態の充電器100を示す斜視図である。
図2(A)は充電器100をブッシュ部材50側から見た斜視図を示しており、
図2(B)は充電器100をインレット80側から見た斜視図を示している。
【0036】
充電器100は、箱型のケース10を備えている。
ケース10は、扁平な直方体形状となっており、一の側面(ケース10の長手方向に配置される一の側面)に、ブッシュ部材50が取り付けられており、ブッシュ部材50が取り付けられている側面とは反対側の側面に、電源コード300(
図1参照)を差込可能なインレット用開口部26が形成されている。インレット用開口部26の内部には、インレット80が配置されている。
【0037】
図3は、本実施形態の充電器100を示す分解斜視図である。
図中では、充電器100の長手方向(左右方向)をX方向とし、充電器100の短手方向(前後方向)をY方向とし、充電器100の上下方向をZ方向としている。
【0038】
ケース10は、上ケース20(第1ケース)と下ケース27(第2ケース)とを備えている。
上ケース20及び下ケース27は、1つの平面(上面又は底面)と4つの側面とを備えている。
上ケース20は、下端面が開口した半箱型となっており、下ケース27は、上端面が開放した半箱型となっており、上ケース20と下ケース27とが結合することにより1つの完成した箱型のケースとなる。
上ケース20の高さは、下ケース27の高さよりも高くなっている。これは、上ケース20には、ブッシュ部材50やインレット80を取り付けるためである。
【0039】
上ケース20と下ケース27とは、外周パッキンPXを間に挟んで結合される。
上ケース20及び下ケース27は、樹脂により形成されている。また、外周パッキンPXや他のパッキンは、ゴムや樹脂により形成されている。
【0040】
上ケース20の第1側面21aには、ブッシュ部材50、内圧調整フィルタ60及び第1パッキンP1が取り付けられる。
ブッシュ部材50は、第1固定ピン70によって固定される。
【0041】
内圧調整フィルタ60は、円形のシートであり、ケース10の内圧を調整する部材である。内圧調整フィルタ60は、水分は通過させないが、気体(空気)は通過させる。内圧調整フィルタ60の直径は、数ミリ程度(例えば4.0mm)である。内圧調整フィルタ60は、フィルタ部分とその下層に配置されたリング状の両面テープ等によって構成されている。リング状の両面テープをつけている理由は、内圧調整フィルタ60と上ケース20との間に隙間ができないようにするため(内圧調整フィルタ60と上ケース20との間から空気が漏れないようにするため)である。
内圧調整フィルタ60の周囲には、内圧調整フィルタ60を保護するシート(例えば、内圧調整フィルタ60を中心に配置する円環状のシート)を配置してもよい。
【0042】
また、上ケース20の第3側面21cには、インレット80及び第2パッキンP2が取り付けられる。
インレット80は、第2固定ピン90によって固定される。
【0043】
図示は省略しているが、上ケース20と下ケース27との間には、充電器100を動作させるために必要な電子部品(基板、配線、変圧器、整流器等)や電子回路(制御回路)等が配置される。
また、上ケース20の第2側面21b及び第4側面21dは、開口部は形成されておらず、平らな面となっている。
さらに、下ケース27の第1側面27a、第2側面27b、第3側面27c及び第4側面27dは、開口部は形成されておらず、平らな面となっている。
【0044】
図4は、上ケース20を示す斜視図である。
図4(A)は上ケース20をブッシュ部材用開口部22側から見た斜視図を示しており、
図4(B)は上ケース20をインレット用開口部26側から見た斜視図を示している。
【0045】
図4(A)に示すように、上ケース20の第1側面21aには、ブッシュ部材用開口部22(開口部)が形成されており、ブッシュ部材用開口部22の内周には、第1パッキンP1(防水部材、
図3参照)が配置される。第1パッキンP1は、防水シール材である。
【0046】
また、
図4(B)に示すように、上ケース20の第3側面21cには、インレット用開口部26(開口部)が形成されており、インレット用開口部26の内周には、第2パッキンP2(防水部材、
図3参照)が配置される。第2パッキンP2は、防水シール材である。
【0047】
図4(A)に示すように、上ケース20の第3側面21cの内側には、インレット固定部30が配置されている。
インレット固定部30は、インレット80(
図3参照)を載置するインレット載置部31と、インレット載置部31の両側に配置された柱状の2つのインレット側面固定部34とを備えている。
【0048】
インレット載置部31は、2つのインレット側面固定部34の間に配置された第1突起部32と、第1突起部32から上ケース20の内側の方向に向かって平行に延びた2つの第2突起部33とを備えている。
【0049】
2つのインレット側面固定部34は、上下方向に延びたインレット用ケース溝部35(ケース溝部)を有する断面Uの字状(断面コの字状)の第1柱状部材36と、第1柱状部材36を支える三角形形状の第2柱状部材37とを備えている。
インレット用ケース溝部35は、1つの上ケース20に対して、2個形成されている。
【0050】
図4(B)に示すように、上ケース20の第1側面21aの内側には、ブッシュ部材固定部40が配置されている。
ブッシュ部材固定部40は、ブッシュ部材50(
図3参照)を載置するブッシュ部材載置部41と、ブッシュ部材載置部41の両側に配置された柱状の2つの第1ブッシュ部材側面固定部44と、第1ブッシュ部材側面固定部44の両側に配置された柱状の2つの第2ブッシュ部材側面固定部45とを備えている。
【0051】
ブッシュ部材載置部41は、2つの第1ブッシュ部材側面固定部44の間に配置された第3突起部42と、第3突起部42から上ケース20の内側の方向に向かって平行に延びた2つの第4突起部43とを備えている。
【0052】
2つの第1ブッシュ部材側面固定部44は、第3突起部42の両端に配置され、上ケース20の上下方向に延びた部材である。
2つの第2ブッシュ部材側面固定部45は、上ケース20の上下方向に延びたブッシュ部材用ケース溝部46(ケース溝部)を有する断面Jの字状(断面しの字状)の第3柱状部材47と、第3柱状部材47を支える三角形形状の第4柱状部材48とを備えている。
ブッシュ部材用ケース溝部46は、1つの上ケース20に対して、2個形成されている。
【0053】
図4(A)に示すように、上ケース20の第1側面21aには、ブッシュ部材用開口部22が形成されており、そのブッシュ部材用開口部22の周辺には、上ケース孔部23(第1孔部)が形成されている。上ケース孔部23は、内圧調整フィルタ60(
図3参照)を配置する孔である。上ケース孔部23の直径は、数ミリ程度(例えば1.0mm)である。
インレット用開口部26は、2つの第1柱状部材36の間の位置に形成されている。
【0054】
上ケース20の第1側面21aには、上ケース20の内側の方向に窪んだ窪み部24が形成されている。ブッシュ部材用開口部22及び上ケース孔部23は、窪み部24に形成されている。なお、上ケース孔部23の周囲には、窪み部24からさらに窪んだ内圧調整フィルタ収納部25(
図10参照)が形成されている。内圧調整フィルタ収納部25は、内圧調整フィルタ60の外形形状に沿った円形の外形形状を有する。内圧調整フィルタ60は、内圧調整フィルタ収納部25に収納される。
【0055】
図4(B)に示すように、上ケース孔部23は、一方(
図4(B)では左側)の第1ブッシュ部材側面固定部44と第3柱状部材47との間の位置に形成されている。
ブッシュ部材用開口部22は、2つの第1ブッシュ部材側面固定部44の間の位置に形成されている。
【0056】
図5は、下ケース27を示す斜視図である。
図5(A)は下ケース27をブッシュ部材用開口部22側(
図4参照)から見た斜視図を示しており、
図5(B)は下ケース27をインレット用開口部26側(
図4参照)から見た斜視図を示している。
【0057】
図5(A)に示すように、下ケース27の第1側面27aの内側には、第1固定ピン延長部材28(接触部、リブ)が配置されている。第1固定ピン延長部材28は、第1固定ピン70(
図3参照)の下方側の形状と同一の形状である。また、第1固定ピン延長部材28は、第1固定ピン70と対向する位置(上下方向で重なる位置)に配置されている。
【0058】
このため、上ケース20(
図4参照)と下ケース27とを結合する際に、第1固定ピン延長部材28は、第1連結空間110(
図15参照)に挿入された第1固定ピン70と接触する。つまり、第1固定ピン延長部材28は、2つのケースの結合時に、第1固定ピン70を押し込んで固定する。
【0059】
図5(B)に示すように、下ケース27の第3側面27cの内側には、第2固定ピン延長部材29(接触部、リブ)が配置されている。第2固定ピン延長部材29は、第2固定ピン90(
図3参照)の下方側の形状と同一の形状である。また、第2固定ピン延長部材29は、第2固定ピン90と対向する位置(上下方向で重なる位置)に配置されている。
【0060】
このため、上ケース20(
図4参照)と下ケース27とを結合する際に、第2固定ピン延長部材29は、第2連結空間120(
図19参照)に挿入された第2固定ピン90と接触する。つまり、第2固定ピン延長部材29は、2つのケースの結合時に、第2固定ピン90を押し込んで固定する。
【0061】
図6は、ブッシュ部材50を示す図である。
ここで、
図6(A)は、ブッシュ部材50を正面側から見た斜視図を示しており、
図6(B)は、ブッシュ部材50を背面側から見た斜視図を示しており、
図6(C)は、ブッシュ部材50の正面図を示しており、
図6(D)は、ブッシュ部材50の背面図を示している。
【0062】
ブッシュ部材50は、充電器100の出力側の部材(出口となる部材)であり、その一部がブッシュ部材用開口部22(
図3参照)に嵌め込まれる。
また、ブッシュ部材50は、本体部51と配線部56とを備えている。なお、本体部コード55や配線部コード59は、実際にはもっと長い部材であるが、途中以降の図示を省略している。
【0063】
本体部51は、ブッシュ部材用開口部22、上ケース孔部23及び内圧調整フィルタ60に重なる位置に配置される(
図3参照)。
また、本体部51は、板状部材52、直方体部材53、ブッシュ部材溝部53a、本体部円柱部材54及び本体部コード55を備えている。
【0064】
板状部材52は、おおむね長方形形状の板状の部材である。より詳細には、板状部材52の直方体部材53側の面は、平らな面であり、板状部材52の配線部円柱部材57側の面(直方体部材53側とは反対側の面)も、平らな面となっている。
【0065】
直方体部材53は、板状部材52の背面側(図中(A)では右斜め上の方向側)に配置された部材である。
また、直方体部材53の側面には、上下方向に延びるように、ブッシュ部材溝部53a(電子部品溝部)が形成されている。
ブッシュ部材溝部53aは、1つのブッシュ部材50に対して、2個形成されている。
【0066】
本体部円柱部材54は、直方体部材53の背面側(図中(A)では右斜め上の方向側)に配置された部材である。
本体部コード55は、本体部円柱部材54の背面側(図中(A)では右斜め上の方向側)に配置され、本体部円柱部材54と一体成型された部材である。なお、本体部コード55は、本体部円柱部材54と一体成型した部材でなくてもよく、本体部円柱部材54とは別の部材として、本体部円柱部材54に挿入された部材であってもよい。
【0067】
配線部56は、本体部51から上ケース20(
図3参照)の外部の方向に延びる部材である。
また、配線部56は、配線部円柱部材57、配線部保護部材58及び配線部コード59を備えている。
【0068】
配線部円柱部材57は、板状部材52の正面側(図中(A)では左斜め下の方向側)に配置された部材である。
配線部保護部材58は、配線部円柱部材57の円周面に配置されており、配線部コード59を保護する部材である。
配線部コード59は、配線部保護部材58と一体成型された部材である。配線部コード59の一端は、配線部保護部材58に接続されており、配線部コード59の他端は、バッテリー210(
図1参照)に接続される。
【0069】
また、
図6(C)に示すように、板状部材52の左下の領域には、ブッシュ部材孔部52a(第2孔部)が形成されている。ブッシュ部材孔部52aは、ブッシュ部材50(電子部品)の板状部材52に形成され、内圧調整フィルタ60(
図3参照)に重なる位置に形成された孔である。ブッシュ部材孔部52aの直径は、数ミリ程度(例えば1.5mm)である。
ブッシュ部材孔部52aは、正面視で配線部56(配線部円柱部材57、配線部保護部材58及び配線部コード59)と重ならない位置に形成されている。
【0070】
図6(B)(D)に示すように、板状部材52の背面の右下の領域には、ブッシュ部材孔部52aが形成されており、その周囲には、ブッシュ部材孔部52aを取り囲むようにして配置された円形突起部52bが形成されている。円形突起部52bは、内圧調整フィルタ収納部25に収納された内圧調整フィルタ60を押し込む役割を果たす(
図3参照)。
【0071】
図7は、インレット80を示す図である。
ここで、
図7(A)は、インレット80を背面側から見た斜視図を示しており、
図7(B)は、インレット80を正面側から見た斜視図を示している。
【0072】
インレット80は、充電器100の入力側の部材(入口となる部材)でり、電源コード300(
図1参照)が差し込まれる。
インレット80は、充電器100の内部において、インレット用開口部26を塞ぐようにして配置される(
図2(B)参照)。
インレット80は、電源コード挿入口82、ピン84及びインレット溝部86(電子部品溝部)を備えている。
【0073】
電源コード挿入口82は、電源コード300(
図1参照)を差し込む部分であり、電源コード300の一方の先端部分の形状に沿った形状となっている。具体的には、電源コード挿入口82は、概ね楕円形状(より詳細には、2つの半円形状の間に、1つの長方形形状を挟み込んだ形状となっており、長方形形状の2つの長辺には挿入口の中央に向かって突出した突起を有する形状)となっている。
【0074】
ピン84は、電源コード挿入口82の内部に配置され、電源コード300と電気的な接続をする部品である。ピン84は、内部の電子部品と接続される。
【0075】
インレット溝部86は、インレット80の側面に形成され、上下方向に延びた溝部である。インレット溝部86は、1つのインレット80に対して、2個形成されている。
【0076】
図8は、第1固定ピン70を示す図である。
ここで、
図8(A)は第1固定ピン70の左側面図を示しており、
図8(B)は第1固定ピン70の平面図を示しており、
図8(C)は第1固定ピン70の正面図を示しており、
図8(D)は第1固定ピン70の底面図を示しており、
図8(E)は第1固定ピン70の右側面図を示しており、
図8(F)は第1固定ピン70の背面図を示している。
【0077】
第1固定ピン70(固定部材)は、正面視でUの字状(凹の字状)の形状となっており、樹脂や金属により形成されている。
第1固定ピン70は、第1固定ピン挿入部72、第1固定ピン連結部74及び第1固定ピン突起部76を備えている。
【0078】
第1固定ピン挿入部72は、第1固定ピン70(固定部材)の挿入方向である第1方向(
図8では上下方向、
図3ではZ方向)に延び、複数の第1連結空間110(
図15参照)に挿入される2つの板状の部材である。
【0079】
第1固定ピン連結部74は、第1方向と直交する第2方向(
図8では左右方向、
図3ではY方向)に延び、2つの第1固定ピン挿入部72を連結する1つの板状の部材である。
第1固定ピン突起部76は、第1固定ピン連結部74に設けられ、第1方向及び第2方向と直交する第3方向(
図8では前後方向、
図3ではX方向)に延びる部材である。
【0080】
第1固定ピン70の第1固定ピン挿入部72の寸法は、第1連結空間110(
図15参照)に隙間無く挿入可能な寸法であることが好ましい。ただし、第1固定ピン70の第1固定ピン挿入部72の寸法を第1連結空間110の寸法よりも小さな寸法とすることにより、第1連結空間110に対して第1固定ピン挿入部72を挿入しやすくしたり、第1固定ピン70の第1固定ピン挿入部72の寸法を第1連結空間110の寸法よりも大きな寸法(強い押し込みによる挿入可能な大きさ)とすることにより、第1連結空間110から第1固定ピン挿入部72が抜けてしまうことを回避したりすることができる。
【0081】
図9は、第2固定ピン90を示す図である。
ここで、
図9(A)は第2固定ピン90の左側面図を示しており、
図9(B)は第2固定ピン90の平面図を示しており、
図9(C)は第2固定ピン90の正面図を示しており、
図9(D)は第2固定ピン90の底面図を示しており、
図9(E)は第2固定ピン90の右側面図を示しており、
図9(F)は第2固定ピン90の背面図を示している。
【0082】
第2固定ピン90(固定部材)は、正面視でUの字状(凹の字状)の形状となっており、樹脂や金属により形成されている。
第2固定ピン90は、第2固定ピン挿入部92、第2固定ピン連結部94及び第2固定ピン突起部96を備えている。
【0083】
第2固定ピン挿入部92は、第2固定ピン90(固定部材)の挿入方向である第1方向(
図9では上下方向、
図3ではZ方向)に延び、複数の第2連結空間120(
図19参照)に挿入される2つの板状の部材である。
【0084】
第2固定ピン連結部94は、第1方向と直交する第2方向(
図9では左右方向、
図3ではY方向)に延び、2つの第2固定ピン挿入部92を連結する1つの板状の部材である。
第2固定ピン突起部96は、第2固定ピン連結部94に設けられ、第1方向及び第2方向と直交する第3方向(
図9では前後方向、
図3ではX方向)に延びる部材である。
【0085】
第2固定ピン90の第2固定ピン挿入部92の寸法は、第2連結空間120(
図19参照)に隙間無く挿入可能な寸法であることが好ましい。ただし、第2固定ピン90の第2固定ピン挿入部92の寸法を第2連結空間120の寸法よりも小さな寸法とすることにより、第2連結空間120に対して第2固定ピン挿入部92を挿入しやすくしたり、第2固定ピン90の第2固定ピン挿入部92の寸法を第2連結空間120の寸法よりも大きな寸法(強い押し込みによる挿入可能な大きさ)とすることにより、第2連結空間120から第2固定ピン挿入部92が抜けてしまうことを回避したりすることができる。
【0086】
【0087】
まず、
図10及び
図11に示すように、上ケース20をひっくり返して配置し(上ケース20の開放している部分を上に向けて配置し)、ブッシュ部材50、内圧調整フィルタ60及び第1固定ピン70を用意する。
【0088】
ついで、
図12及び
図13に示すように、内圧調整フィルタ60を、上ケース20の窪み部24の内圧調整フィルタ収納部25に収納する。これにより、内圧調整フィルタ60は、上ケース孔部23に重なる位置に配置される。より詳細には、内圧調整フィルタ60は、窪み部24に形成された上ケース孔部23に重ねて配置される。
【0089】
さらに、
図14及び
図15に示すように、ブッシュ部材50の本体部51を、上ケース20の窪み部24に嵌め込む。この場合、本体部51は、少なくとも一部が窪み部24に収納される。より詳細には、本体部51は、窪み部24に形成されたブッシュ部材用開口部22、及び、窪み部24に配置された上ケース孔部23及び内圧調整フィルタ60に重なる位置に配置される。これにより、ブッシュ部材50は、ブッシュ部材用開口部22、上ケース孔部23及び内圧調整フィルタ60に重なる位置に配置される。
また、ブッシュ部材50の本体部51を、上ケース20の窪み部24に嵌め込むと、ブッシュ部材50は、ブッシュ部材載置部41に載置される。
【0090】
そして、ブッシュ部材50の本体部51を、上ケース20の窪み部24に嵌め込むと、ブッシュ部材50のブッシュ部材溝部53aと、上ケース20のブッシュ部材用ケース溝部46とが連結して第1連結空間110が形成される。
このように、第1連結空間110は、2個のブッシュ部材用ケース溝部46と2個のブッシュ部材50のブッシュ部材溝部53aとを連結させることにより2個形成される。
【0091】
そして、
図16及び
図17に示すように、第1連結空間110に、第1固定ピン70の第1固定ピン挿入部72を挿入する。この場合、2個の第1連結空間110に、第1固定ピン連結部74により連結された2個の第1固定ピン挿入部72を挿入する。これにより、第1固定ピン挿入部72は、第1連結空間110を構成するブッシュ部材用ケース溝部46とブッシュ部材溝部53aとに跨って配置されることにより、上ケース20に対してブッシュ部材50を固定する。
【0092】
このとき、第1固定ピン70の2個の第1固定ピン挿入部72の内側の端面(
図15のX1参照)、及び、第1固定ピン70の第1固定ピン連結部74の内側の端面(
図15のX2参照)は、ブッシュ部材50の側面(
図15のY1参照)及び底面(
図15のY2参照)と接触する。
また、第1固定ピン70の第1固定ピン突起部76の内側の端面(
図15のX3参照)は、ブッシュ部材50の底面(
図15のY2参照)と接触する。
【0093】
図18~
図20は、インレット80の固定方法を示す図である。
図18~
図20は、インレット80を背面側から見た斜視図を示している。
まず、
図18に示すように、上ケース20をひっくり返して配置し、インレット80及び第2固定ピン90を用意する。
【0094】
ついで、
図19に示すように、インレット載置部31に、インレット80を載置する。
インレット載置部31に、インレット80を載置すると、インレット80のインレット溝部86と、上ケース20のインレット用ケース溝部35とが連結して第2連結空間120が形成される。
このように、第2連結空間120は、2個のインレット溝部86と2個のインレット用ケース溝部35とを連結させることにより2個形成される。
【0095】
そして、
図20に示すように、第2連結空間120に、第2固定ピン90の第2固定ピン挿入部92を挿入する。この場合、2個の第2連結空間120に、第2固定ピン連結部94により連結された2個の第2固定ピン挿入部92を挿入する。これにより、第2固定ピン挿入部92は、第2連結空間120を構成するインレット用ケース溝部35とインレット溝部86とに跨って配置されることにより、上ケース20に対してインレット80を固定する。
【0096】
このとき、第2固定ピン90の2個の第2固定ピン挿入部92の内側の端面(
図19のX4参照)、及び、第2固定ピン90の第2固定ピン連結部94の内側の端面(
図19のX5参照)は、インレット80の側面(
図19のY3参照)及び底面(
図19のY4参照)と接触する。
また、第2固定ピン90の第2固定ピン突起部96の内側の端面(
図19のX6参照)は、インレット80の底面(
図19のY4参照)と接触する。
【0097】
そして、最終的に、上ケース20に下ケース27を重ねる。そうすると、第1固定ピン連結部74の底面(
図16のZ1参照)が、下ケース27の第1固定ピン延長部材28の上面(
図5のZ2参照)と接触する。また、第2固定ピン連結部94の底面(
図20のZ3参照)が、下ケース27の第2固定ピン延長部材29の上面(
図5のZ4参照)と接触する。これにより、第1固定ピン70及び第2固定ピン90が固定される。
なお、上ケース20と下ケース27とは、図示しない固定手段(ネジ、ピン、接着手段等)により固定する。
これにより、
図2に示す充電器100が完成する。
【0098】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、第1連結空間110に第1固定ピン70を挿入することにより、上ケース20に対してブッシュ部材50を固定し、第2連結空間120に第2固定ピン90を挿入することにより、上ケース20に対してインレット80を固定するため、ネジ等を使用せずに、省スペースでブッシュ部材50やインレット80を固定することができる。
【0099】
(2)本実施形態によれば、第1固定ピン70は、第1連結空間110を構成するブッシュ部材用ケース溝部46とブッシュ部材溝部53aとに跨って配置され、第2固定ピン90は、第2連結空間120を構成するインレット用ケース溝部35とインレット溝部86とに跨って配置されるため、上ケース20に対してブッシュ部材50やインレット80を強固に固定することができるだけでなく、ブッシュ部材用開口部22やインレット用開口部26の内周に配置された第1パッキンP1や第2パッキンP2も強固に固定して防水性(防水シール性)も向上させることができ、結果として、新規な防水構造を実現することができる。
【0100】
(3)本実施形態によれば、樹脂製の第1固定ピン70や樹脂製の第2固定ピン90によってブッシュ部材50やインレット80を固定しているため、金属のネジによって固定する方式と比較して、内部の電子部品に及ぼす電気的な影響を低減させることができる。
【0101】
(4)本実施形態によれば、連結空間は、第1連結空間110及び第2連結空間120といったように複数形成されており、第1固定ピン挿入部72や第2固定ピン挿入部92は、複数の連結空間である第1連結空間110及び第2連結空間に挿入されるため、連結空間や固定ピン挿入部が1つしかない状況と比較して、第1固定ピン70や第2固定ピン90による固定を強化することができる。
【0102】
(5)本実施形態によれば、第1固定ピン70は、2つの第1固定ピン挿入部72が第1固定ピン連結部74によって一体化されており、第2固定ピン90は、2つの第2固定ピン挿入部92が第2固定ピン連結部94によって一体化されているので、2つの第1連結空間110に対して2つの第1固定ピン挿入部72を一度に挿入したり、2つの第2連結空間120に対して2つの第2固定ピン挿入部92を一度に挿入したりすることができ、作業性を向上させることができる。
【0103】
(6)本実施形態によれば、第1固定ピン70の第1固定ピン挿入部72及び第1固定ピン連結部74といった2つの部品をブッシュ部材50に接触させたり、第2固定ピン90の第2固定ピン挿入部92及び第2固定ピン連結部94といった2つの部品をインレット80に接触させたりすることができるので、上ケース20に対するブッシュ部材50やインレット80の固定を安定化させることができる。
【0104】
(7)本実施形態によれば、第1固定ピン70の第1固定ピン挿入部72、第1固定ピン連結部74及び第1固定ピン突起部76といった3つの部品をブッシュ部材50に接触させたり、第2固定ピン90の第2固定ピン挿入部92、第2固定ピン連結部94及び第2固定ピン突起部96といった3つの部品をインレット80に接触させたりすることができるので、上ケース20に対するブッシュ部材50やインレット80の固定をより一層安定化させることができる。
【0105】
(8)本実施形態によれば、上ケース20と下ケース27とを結合する際に、第1連結空間110に挿入された第1固定ピン70に接触する第1固定ピン延長部材28や、第2連結空間120に挿入された第2固定ピン90に接触する第2固定ピン延長部材29を備えるため、2つのケースを結合させながら、第1固定ピン延長部材28及び第2固定ピン延長部材29によって第1固定ピン70及び第2固定ピン90を簡単かつ強固に固定することができる。
【0106】
(9)本実施形態によれば、内圧調整フィルタ60をブッシュ部材50のブッシュ部材孔部52aの裏に配置しているため、内圧調整フィルタ60を上ケース20の外壁に配置する方式と比較して、内圧調整フィルタ60をブッシュ部材50の後ろに隠して目立たなくさせることができ、結果として、内圧調整フィルタ60によって充電器100のデザイン性が損なわれることを回避することができる。
【0107】
(10)本実施形態によれば、ブッシュ部材50にブッシュ部材孔部52aを配置しているため、上ケース20の外壁に目立つ孔を形成する必要がなくなり、上ケース20の外観を損ねずに、内圧調整フィルタ60を配置することができる。
【0108】
(11)本実施形態によれば、ブッシュ部材50によって内圧調整フィルタ60を押え付けることができるので、内圧調整フィルタ60を押え付ける専用の部品は不要となり、部品点数を削減することができる。
【0109】
(12)本実施形態によれば、ブッシュ部材50によって内圧調整フィルタ60を押え付けることができるので、意図せずに内圧調整フィルタ60が外れてしまうという状況を回避することができる。
【0110】
(13)本実施形態によれば、ブッシュ部材孔部52aは、本体部51における配線部56と重ならない位置に形成されているため、充電器100の出荷前に、ブッシュ部材孔部52aにテープを貼る試験を行う場合、配線部56が邪魔になってテープが貼り辛くなる状況が発生することを抑制することができ、作業性を向上させることができる。
【0111】
(14)本実施形態によれば、本体部51は、少なくとも一部が窪み部24に収納されるため、ブッシュ部材50の一部である本体部51の少なくとも一部を上ケース20の内部に埋め込むことができ、本体部51が上ケース20の外部に張り出しすぎて配置されることによるデザイン性の低下を軽減することができる。
【0112】
(15)本実施形態によれば、窪み部24に、ブッシュ部材用開口部22、上ケース孔部23及び内圧調整フィルタ60を集約して配置しているため、これらの要素をコンパクトにまとめて、省スペース化を図ることができる。
【0113】
(16)本実施形態によれば、本体部51は、窪み部24に形成されたブッシュ部材用開口部22、及び、窪み部24に配置された上ケース孔部23及び内圧調整フィルタ60に重なる位置に配置されているため、窪み部24に本体部51を収納するだけで、ブッシュ部材用開口部22、上ケース孔部23及び内圧調整フィルタ60に対して本体部51を重ねることができ、作業性を向上させることができる。
【0114】
図21は、他の実施形態の充電器100Aを示す斜視図である。
なお、以下の説明及び図面において、上述した実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図21(A)は充電器100Aをブッシュ部材50側から見た斜視図を示しており、
図21(B)は充電器100Aをインレット80側から見た斜視図を示している。
【0115】
充電器100Aは、箱型のケース10を備えている。
図21(A)に示すように、ケース10の一の側面(ケース10の長手方向に配置される一の側面)には、ブッシュ部材50Aを取り付け可能なブッシュ部材用開口部22が形成されている。
また、
図21(B)に示すように、ケース10の他の側面には、電源コード300(
図1参照)を差込可能なインレット用開口部26が形成されている。インレット用開口部26の内部には、インレット80が配置されている。
上述した実施形態では、第1パッキンP1は、ブッシュ部材用開口部22の内周付近に配置されていたが、この実施形態では、第1パッキンP1は、ブッシュ部材50Aに取り付けられている。
【0116】
図22は、他の実施形態のブッシュ部材50Aを示す図である。本図は、ブッシュ部材50Aを背面側から見た斜視図を示している。
【0117】
ブッシュ部材50Aの直方体部材53には、板状部材52側の端部付近に、パッキン用溝部53bが形成されている。パッキン用溝部53bは、直方体部材53の外周を取り囲むようにして形成されている。
そして、このパッキン用溝部53bには、第1パッキンP1が取り付けられる。第1パッキンP1は、弾力性を有する部材であるため、大きさを拡大させることにより、パッキン用溝部53bに取り付けることができる。
【0118】
図23は、他の実施形態の充電器100Aの縦断面図を示す図であり、
図24は上述した実施形態の充電器100の縦断面図を示す図である。
【0119】
図23に示すように、他の実施形態において、第1パッキンP1は、ブッシュ部材50Aのパッキン用溝部53bに取り付けられている。このため、ブッシュ部材50Aを、上ケース20のブッシュ部材用開口部22に嵌め込むと、第1パッキンP1が、上ケース20とブッシュ部材50Aとの間において図中の上下方向で挟み込まれる。これにより、第1パッキンP1による密閉度を向上させて防水性を向上させることができる。
【0120】
図24に示すように、上述した実施形態において、第1パッキンP1は、ブッシュ部材用開口部22の内周付近に取り付けられている。このため、ブッシュ部材50を、上ケース20のブッシュ部材用開口部22に嵌め込むと、第1パッキンP1が、上ケース20とブッシュ部材50との間において図中の左右方向で挟み込まれる。これにより、ブッシュ部材50の形状を複雑化せずに、第1パッキンP1による防水性を向上させることができる。
【0121】
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。
本発明は、充電器に適用する例で説明したが、充電器以外の電子部品ユニット(例えば、携帯情報端末や携帯電話機、ノートパソコン、ビデオカメラ等)にも適用可能である。
【0122】
第1固定ピン70の第1固定ピン挿入部72や、第2固定ピン90の第2固定ピン挿入部92は、直方体形状の例で説明したが、後端側の幅が広く先端側に向けて次第に幅が狭くなる楔形状(挿入方向の先端が尖っている形状)を少なくとも一部に有する形状であってもよい。
【符号の説明】
【0123】
10 ケース
20 上ケース
27 下ケース
30 インレット固定部
40 ブッシュ部材固定部
50 ブッシュ部材
60 内圧調整フィルタ
70 第1固定ピン
80 インレット
90 第2固定ピン
100 充電器
110 第1連結空間
120 第2連結空間