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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109433
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】施設情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20220721BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220721BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/005
G08G1/0968 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004736
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】神谷 和宏
(72)【発明者】
【氏名】谷野 亘
(72)【発明者】
【氏名】上田 和幸
(72)【発明者】
【氏名】吉村 資巧
(72)【発明者】
【氏名】國本 篤矢
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC07
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC27
2F129CC28
2F129DD20
2F129DD21
2F129DD34
2F129EE02
2F129EE21
2F129EE23
2F129EE37
2F129EE43
2F129EE65
2F129EE67
2F129EE79
2F129EE90
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF60
2F129FF80
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH22
2F129HH40
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB02
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF23
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF40
(57)【要約】
【課題】目的地へ移動するユーザに対して、テイクアウトが可能な店舗に関する情報を適切に提供することを可能にした施設情報提供システムを提供する。
【解決手段】ユーザが目的地までの移動を行う移動経路とともに移動経路を移動するユーザの現在位置を取得し、ユーザの現在位置から目的地までの移動に必要な距離又は時間を取得し、ユーザの現在位置周辺にあってテイクアウトが可能な店舗の内、目的地までの移動に必要な距離又は時間に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出し、抽出された店舗の情報をユーザに対して提供するように構成する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが目的地までの移動を行う移動経路を取得する経路取得手段と、
前記移動経路を移動するユーザの現在位置を取得する現在位置取得手段と、
前記ユーザの現在位置から目的地までの移動に必要な距離又は時間を取得する移動行程取得手段と、
ユーザの現在位置周辺にあってテイクアウトが可能な店舗の内、目的地までの移動に必要な距離又は時間に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出する店舗抽出手段と、
前記店舗抽出手段により抽出された店舗の情報をユーザに対して提供する情報提供手段と、を有する施設情報提供システム。
【請求項2】
ユーザが目的地まで車両で移動する場合において、
前記店舗抽出手段は、
目的地までの移動に必要な距離又は時間が閾値以上である場合には、車両内での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出し、
目的地までの移動に必要な距離又は時間が閾値未満である場合には、車両外での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出する請求項1に記載の施設情報提供システム。
【請求項3】
前記店舗抽出手段は、目的地までの移動に必要な距離又は時間が閾値未満である場合には、目的地での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出する請求項2に記載の施設情報提供システム。
【請求項4】
前記目的地が外部からの飲食物の持ち込みが可能な地点か否かを判定する飲食判定手段を有し、
前記情報提供手段は、前記目的地が外部からの飲食物の持ち込みが可能な地点であって且つ目的地までの移動に必要な距離又は時間が所定の閾値未満である場合には、目的地での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出する請求項3に記載の施設情報提供システム。
【請求項5】
前記店舗抽出手段により抽出された店舗でテイクアウトが可能な商品の内、目的地までの移動に必要な距離又は時間に対応する商品を抽出する商品抽出手段を有し、
前記情報提供手段は、前記店舗抽出手段により抽出された店舗でテイクアウトが可能な商品の内、前記商品抽出手段により抽出された商品に関する情報を優先的にユーザに対して提供する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の施設情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地へ移動するユーザにテイクアウトが可能な店舗に関する情報を提供する施設情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザが目的地への移動を希望した場合において、目的地の場所を案内したり、目的地までの経路の案内を行うことによって、ユーザが所望の目的地に容易に到着できるようにした各種端末について提供されている。このような端末としては、車両に搭載されたナビゲーション装置に加えて、近年は携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ等においても上記ナビゲーション装置と同様の機能を有するものがある。
【0003】
更に近年において上記端末では、目的地の場所や目的地への経路の案内を行う以外に、目的地への移動を考えているユーザや移動を開始したユーザにとって有益と思われる各種情報を提供することも行われている。例えば国際公開第2017/179282号明細書には、ユーザが目的地まで移動する経路の周辺にある店舗の内、ユーザが立ち寄り可能な時間やユーザの嗜好に適合する店舗を抽出し、抽出した店舗に関する情報を提供する技術について開示されている。また、特に食べ歩きをユーザが目的とする場合については、飲食物を提供可能な店舗に関する情報を提供することについても開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017/179282号明細書(段落0109-0124、図9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、目的地へ移動するユーザに対して特に飲食物のテイクアウトが可能な店舗に関する情報を提供する場合については、提供する対象となるユーザの目的地までの移動の進捗状況を考慮することが重要である。例えば、目的地から遠いユーザであれば移動の道中で移動しながらテイクアウトした飲食物を飲食することが想定されるので、そのような移動しながらの飲食に適した飲食物をテイクアウト可能な店舗に関する情報を提供するのが望ましい。一方で目的地の近くにいるユーザであれば目的地へと到着した後にテイクアウトした飲食物を飲食することが想定されるので、目的地での飲食に適した飲食物をテイクアウト可能な店舗に関する情報を提供するのが望ましい。しかしながら、上記特許文献1ではユーザの目的地までの移動の進捗状況を考慮して店舗を抽出することは行っておらず、テイクアウトが可能な店舗について適切な情報を提供することができない問題があった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、目的地へ移動するユーザに対して、ユーザの目的地までの移動の進捗状況を考慮してテイクアウトが可能な店舗に関する情報を提供することにより、ユーザに対して適切な情報を提供することを可能にした施設情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明に係る施設情報提供システムは、ユーザが目的地までの移動を行う移動経路を取得する経路取得手段と、前記移動経路を移動するユーザの現在位置を取得する現在位置取得手段と、前記ユーザの現在位置から目的地までの移動に必要な距離又は時間を取得する移動行程取得手段と、ユーザの現在位置周辺にあってテイクアウトが可能な店舗の内、目的地までの移動に必要な距離又は時間に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出する店舗抽出手段と、前記店舗抽出手段により抽出された店舗の情報をユーザに対して提供する情報提供手段と、を有する。
尚、「テイクアウト」とは、客が店舗で提供された商品である飲食物を店内から持ち出して店外で飲食するシステムである。イートインとデリバリーを行っているかについては問わない。従って、コンビニなどのテイクアウト販売のみの店舗についてもテイクアウトが可能な店舗に含む。
【発明の効果】
【0008】
前記構成を有する本発明に係る施設情報提供システムによれば、目的地へ移動するユーザに対して、ユーザの現在位置から目的地までの移動に必要な距離又は時間に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗の情報を提供するので、ユーザの予想される飲食形態に合わせた商品をテイクアウト可能な店舗に関する情報を提供することが可能となる。その結果、テイクアウトが可能な店舗についてユーザに対してより適切な情報の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る施設情報提供システムを示した概略構成図である。
図2】本実施形態に係る施設情報提供システムの構成を示したブロック図である。
図3】配信情報DBに記憶される広告情報の一例を示した図である。
図4】ユーザ道程DBに記憶されるユーザ道程情報の一例を示した図である。
図5】本実施形態に係る通信端末の制御系を模式的に示すブロック図である。
図6】本実施形態に係る情報提供処理プログラムのフローチャートである。
図7】通信端末のディスプレイに対して表示される目的地入力画面を示した図である。
図8】店舗情報の出力態様の一例を示した図である。
図9】ユーザの目的地への移動行程とユーザに対して提供される店舗情報の内容を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る施設情報提供システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る施設情報提供システム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係る施設情報提供システム1を示した概略構成図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る施設情報提供システム1は、情報提供センタ2が有する情報提供サーバ(情報提供装置)3と、情報提供の対象となる店舗である情報提供地点4と、ユーザ5が所持する通信端末6と、を基本的に有する。また、情報提供サーバ3と通信端末6は通信ネットワーク網7を介して互いに電子データを送受信可能に構成されている。尚、通信端末6としては例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、車載器であるナビゲーション装置等がある。また、以下の説明ではユーザ5が移動する場合には車両で移動することを前提とするが、車両以外の移動手段で移動しても良いし、徒歩で移動しても良い。
【0012】
ここで、情報提供サーバ3は、施設情報提供システム1における情報の送受信を管理するサーバ装置である。情報提供サーバ3は、全国各地の情報提供地点4に関する情報を配信情報DB8に記憶する。尚、本実施形態では特に情報提供地点4は飲食物等のテイクアウトが可能な店舗であり、情報提供地点4に関する情報として情報提供地点4自身に関する情報(例えば店舗名、ジャンル、所在地、営業時間、定休日)と、情報提供地点4がテイクアウトにより提供可能な商品に関する情報(例えば商品名、商品ジャンル、価格)を含む。そして、情報提供サーバ3は、ユーザ5が所持する通信端末6に対して、通信ネットワーク網7を介して配信情報DB8に記憶された情報提供地点4に関する情報を提供(配信)する。尚、情報提供サーバ3は情報提供地点毎に存在しても良いし、一のサーバが複数の情報提供地点に関する情報を配信するようにしても良い。
【0013】
また、情報提供地点4は、本実施形態の施設情報提供システム1においてユーザ5に対して情報の提供対象となる地点である。特に本実施形態ではジャンルや規模については限定されないが、飲食物等のテイクアウトが可能な店舗とする。情報提供地点4は、自らの店舗の情報(例えば営業時間や定休日)を変更したり、提供する商品や価格の変更を行う場合については、必要な情報を情報提供サーバ3に対して配信し、情報提供サーバ3が備える配信情報DB8を更新する。
【0014】
一方、通信端末6は、ユーザ5が所持し、ユーザ5がスケジュールを入力することによってスケジュールを登録及び管理する機能やナビ機能等を備えた情報端末が用いられ、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、ナビゲーション装置等が該当する。特に通信端末6がスマートフォン等のアプリケーションを実行可能な端末である場合には、アプリケーションの一つとして目的地を入力することによってユーザが目的地までの移動の道程において情報提供地点4に関する情報の提供を受けることが可能となるアプリケーションプログラムがインストールされている。尚、これらの情報提供地点4に関する情報の提供を受ける機能は、目的地までの移動案内を行うナビ機能の一部としても良いし、ナビ機能とは異なるアプリケーションプログラムにより実行されても良い。
【0015】
また、通信ネットワーク網7は全国各地に配置された多数の基地局と、各基地局を管理及び制御する通信会社とを含み、基地局及び通信会社を有線(光ファイバー、ISDN等)又は無線で互いに接続することにより構成されている。ここで、基地局は通信端末6との通信をするトランシーバー(送受信機)とアンテナを有する。そして、基地局は通信会社の間で無線通信を行う一方、通信ネットワーク網7の末端となり、基地局の電波が届く範囲(セル)にある通信端末6の通信を情報提供サーバ3との間で中継する役割を持つ。
【0016】
続いて、施設情報提供システム1における情報提供サーバ3の構成について図2を用いてより詳細に説明する。情報提供サーバ3は、図2に示すようにサーバ制御部11と、サーバ制御部11に接続された情報記録手段としての配信情報DB8と、ユーザ道程DB13と、地図情報DB14と、サーバ側通信装置15とを備える。
【0017】
サーバ制御部11は、情報提供サーバ3の全体の制御を行う制御ユニット(MCU、MPU等)であり、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラムのほか、後述の情報提供処理プログラム(図6)等が記録されたROM23、ROM23から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ24等の内部記憶装置を備えている。尚、サーバ制御部11は、後述の通信端末6の制御部とともに処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、経路取得手段は、ユーザが目的地までの移動を行う移動経路を取得する。現在位置取得手段は、移動経路を移動するユーザの現在位置を取得する。移動行程取得手段は、ユーザの現在位置から目的地までの移動に必要な距離又は時間を取得する。店舗抽出手段は、ユーザの現在位置周辺にあってテイクアウトが可能な店舗の内、目的地までの移動に必要な距離又は時間に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出する。情報提供手段は、抽出された店舗の情報をユーザに対して提供する。
【0018】
また、配信情報DB8は、前述したように全国各地の情報提供の対象となる地点である情報提供地点4に関する情報(以下、店舗情報という)を格納した記憶手段である。前述したように本実施形態では特に情報提供地点4は飲食物等のテイクアウトが可能な店舗である。そして、配信情報DB8に格納される店舗情報としては、情報提供地点4自身に関する情報(例えば店舗名、ジャンル、所在地、営業時間、定休日)と、情報提供地点4がテイクアウトにより提供可能な商品に関する情報(例えば商品名、商品ジャンル、価格)を含む。また、格納される情報は文章データに限られることなく、画像データ、音声データ、動画データであっても良い。
【0019】
例えば図3は配信情報DB8に記憶される店舗情報の一例を示した図である。図3に示す例では、情報提供地点4の一つである店舗Aに関する情報として、店舗Aの店名、店舗名、ジャンル、所在地、営業時間、定休日、テイクアウトにより提供可能な各商品に関する情報が格納されている。店舗Aはハンバーガーショップであるので、例えばテイクアウトにより提供可能な商品としては、移動しながらの飲食に適したハンバーガー、ポテト、ドリンクなどがある。同様に店舗Bや店舗Cに関する情報についても格納されており、店舗Bは珈琲店であるのでテイクアウトにより提供可能な商品としては、移動しながらの飲食に適したコーヒーやドーナツなどがある。一方、店舗Cはファミリーレストランであるのでテイクアウトにより提供可能な商品としては、移動しながらの飲食には不向きであるが建物内や公園などの落ち着いた場所での飲食に適したカレーライス、オムライスなどがある。
【0020】
尚、図3に示す配信情報DB8には、店舗情報として情報提供地点4がテイクアウトにより提供可能な商品に関する情報を格納しているが、テイクアウトに加えて店内飲食として提供可能な商品に関する情報についても格納するようにしても良い。また、店舗の外観写真、商品の写真、店舗の紹介動画(広告)などについても格納しても良い。
【0021】
また、店舗情報の配信手段としては、予め収録及び生成して配信情報DB8に格納しておいたテキストデータや画像データを所定の出力タイミングで通信端末6へ配信することも可能であるが、リアルタイムで人が話す内容を配信しても良い。即ち、情報提供を行う担当のコンシェルジュを設定し、店舗や商品を説明するコンシェルジュの音声や映像を配信しても良い。
【0022】
一方、ユーザ道程DB13は、情報提供サーバ3と通信可能に接続された通信端末6を所持する各ユーザ5の“目的地への道程に関する情報”を記憶する記憶手段である。具体的には、ユーザ5が目的地への移動を開始する或いは開始した移動開始地点の座標、目的地への移動を開始する或いは開始した日時、ユーザ5の現在位置、ユーザ5が移動する目的地に関する情報が記憶され、特に目的地の位置座標、名称、ジャンル等が記憶される。また、通信端末6において目的地までの案内経路が設定されている場合には、設定された案内経路を今後のユーザの行動(移動経路)を示すものとしてユーザに紐づけられてユーザ道程DB13に記憶される。例えば図4はユーザ道程DB13に記憶されるユーザ道程情報の一例を示した図である。
【0023】
図4に示す例では例えば『ID:10001』のユーザ5は、『○○モール(ジャンル:ショッピングモール)』を目的地としており、2020年の10月21日の12時半に(x1,y1)から移動を開始し、現在は(X1,Y1)に位置することを示している。同様に他のユーザの目的地までの道程に関する情報についても記憶されている。尚、ユーザ5がこれから移動することを希望する目的地(或いは現在移動中の目的地)は、後述のように通信端末6のディスプレイに表示された目的地入力画面51(図7参照)において必要事項を入力することによって登録することが可能であり、登録された内容は通信端末6から情報提供サーバ3へと適宜送信され、更にユーザに紐づけられてユーザ道程DB13に格納される。移動開始地点、移動開始日時、移動計画、移動経路についても同様に通信端末6から取得される。また、ユーザの現在位置についてはユーザが所持する通信端末6から定期的に受信して更新される。但し、ユーザ道程DB13に上記全ての情報を“目的地への道程に関する情報”として記憶する必要はなく、例えば目的地に関する情報とユーザの現在位置を特定する情報のみを記憶するようにしても良い。
【0024】
そして、ユーザ道程DB13に記憶されたユーザ道程情報は、配信情報DB8に格納された店舗情報をユーザに対して配信する際に、ユーザの目的地への移動に対する進捗状況を特定する為に用いられる。
【0025】
また、地図情報DB14は、地図情報が記憶される記憶手段である。地図情報は、道路網を始めとして経路探索、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されている。例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等からなる。
【0026】
そして、サーバ制御部11は、通信端末6から経路探索要求を受信した場合には、上記地図情報DB14に格納された地図情報を用いて出発地から目的地までの経路探索を行うことも可能である。具体的には、通信端末6において目的地が設定された場合に、通信端末6から情報提供サーバ3へと出発地や目的地等の経路探索に必要な情報が経路探索要求とともに送信される。そして経路探索要求を受信した情報提供サーバ3は、情報提供サーバ3の有する地図情報を用いて経路探索を行い、出発地から目的地までの推奨経路を特定する。その後、特定された推奨経路を要求元の通信端末6へと送信する。そして、通信端末6は受信した推奨経路を案内経路に設定し、案内経路に従って移動案内を行う。それによって、経路探索時点において通信端末6が有する地図情報が古いバージョンの地図情報であったり、通信端末6が地図情報自体を有さない場合であっても、情報提供サーバ3が有する最新バージョンの地図情報に基づいて適切な案内経路を設定することが可能となる。
【0027】
但し、通信端末6が地図情報を有する場合には上記経路探索処理を情報提供サーバ3でなく通信端末6で行うことも可能である。また、上記経路探索処理は情報提供サーバ3ではなく、地図情報を備える他のサーバで行うようにしても良い。その場合には情報提供サーバ3において地図情報DB14は必ずしも必要でない。
【0028】
一方、サーバ側通信装置15は情報の送受信対象となる通信端末6と通信ネットワーク網7を介して通信を行う為の通信装置である。また、通信端末6以外にインターネット網等に対する通信も可能である。
【0029】
次に、ユーザ5が所有する通信端末6の概略構成について図5を用いて説明する。図5は本実施形態に係る通信端末6の制御系を模式的に示すブロック図である。尚、以下では特に通信端末6がスマートフォンである場合を例に挙げて説明する。
【0030】
図5に示すように通信端末6はデータバスBUSに、CPU31と、通信端末6を所持するユーザ5に関するユーザ情報(ユーザID等)やウェブの閲覧履歴やユーザの移動履歴等が記憶されたメモリ32と、通信ネットワーク網7の基地局との間で信号の送受信を行う送受信回路部(RF)33と、送受信回路部33において受信したRF(Radio Frequency)信号をベースバンド信号に変換するとともにベースバンド信号をRF信号に変換するベースバンド処理部34と、マイクロホン35及びスピーカ36等とのインターフェイスである入出力部37と、液晶表示パネル等で構成されたディスプレイ38と、タッチパネルやハードボタン等から構成される入力操作部39と、GPS40と、カメラ41とが接続されることにより構成されている。
【0031】
ここで、通信端末6に内蔵されるCPU31は、メモリ32に格納されている動作プログラムに従って種々の動作を実行する通信端末6の制御手段であり、メモリ32とともに通信端末制御部42を構成する。また、通信端末制御部42の各種処理内容は必要に応じてディスプレイ38に表示される。
【0032】
また、メモリ32は通信端末6を所持するユーザ5に関するユーザ情報(ユーザID等)、ユーザによるウェブの閲覧履歴、GPS40やその他のセンサに基づいて検出された位置情報の履歴であるユーザの移動履歴、スケジュール情報等が記憶された記憶媒体である。また、後述の情報提供処理プログラム(図6)を含む各種アプリケーションプログラムについても記憶される。また、メモリ32は、ハードディスク、メモリーカード等により構成しても良い。
【0033】
また、スピーカ36は、通話の音声出力以外に、ナビ機能の実行時においては通信端末制御部42からの指示に基づいて案内経路(ユーザの移動予定経路)に沿った走行を案内する音声ガイダンスを出力する。特に本実施形態では後述のように情報提供サーバ3から取得した店舗情報を出力する際にも用いられる。
【0034】
また、ディスプレイ38は、筐体の一面に配設されており、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等が用いられる。そして、通信端末6にインストールされている各種アプリケーションを実行する為のトップ画面や、実行されたアプリケーションに係る画面(インターネット画面、メール画面、ナビ画面等)や、画像、動画等の各種情報が表示される。特に本実施形態では後述のように情報提供サーバ3から取得した店舗情報を出力する際にも用いられる。
【0035】
また、入力操作部39は、ディスプレイ38の前面に設けられたタッチパネルや筐体に配置されたハードボタン等によって構成されている。そして、通信端末制御部42は、タッチパネルやハードボタンの押下等により出力される電気信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。また、本実施形態では、ユーザのスケジュールの登録や目的地を入力する際にも操作される。尚、入力操作部39は、番号/文字入力キー、表示された内容を選択するためのカーソルを動かすカーソルキー、選択を確定する決定キー等の各種キー等により構成することもできる。
【0036】
また、GPS40は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、通信端末6(即ちユーザ5)の現在位置及び現在日時を検出可能とする。また、GPS40以外にも通信端末6の現在位置や方位を検出する為の他の装置(例えばジャイロセンサ等)を備える構成としても良い。
【0037】
また、カメラ41は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラにより構成される小型の撮像装置であり、通信端末6の背面側に内蔵される。そして、専用のアプリケーションプログラムが起動された状態で、ユーザが入力操作部39を操作することによって周辺を撮像することが可能となる。尚、カメラ41で撮像された撮像画像は、メモリ32に格納される。
【0038】
続いて、前記構成を有する施設情報提供システム1において、情報提供サーバ3及び通信端末6が実行する情報提供処理プログラムについて図6に基づき説明する。図6は本実施形態に係る情報提供処理プログラムのフローチャートである。ここで、情報提供処理プログラムは、通信端末6において目的地までの移動の道程において店舗情報の提供を受ける為の所定のアプリケーションプログラムが起動された後に実行され、目的地へと移動するユーザに対してユーザの現在位置周辺にある飲食物等のテイクアウトが可能な店舗に関する店舗情報を提供するプログラムである。尚、以下の図6にフローチャートで示されるプログラムは、情報提供サーバ3や通信端末6が備えているRAMやROMに記憶されており、CPU21或いはCPU31により実行される。
【0039】
先ず、図6に基づいて通信端末6のCPU31が実行する情報提供処理プログラムについて説明する。ステップ(以下、Sと略記する)1においてCPU31は、目的地までの移動の道程において店舗情報の提供を受ける為の所定のアプリケーションプログラム(以下、情報提供アプリという)を起動する。尚、情報提供アプリの起動についてはユーザ5が通信端末6で所定の操作を行う以外に、例えば目的地の候補となる施設のポスターやパンフレットに記載されている二次元コードを通信端末6で読み取ることによっても起動することが可能である。また、情報提供アプリを起動するタイミングはユーザが目的地への移動を開始する前でも可能であるし、目的地への移動を開始した後でも可能である。情報提供アプリは予め情報提供サーバ3等からダウンロードされて通信端末6にインストールされていることを前提とする。
【0040】
ここで、通信端末6において情報提供アプリが起動されると、ディスプレイ38には図7に示す目的地入力画面51が表示される。目的地入力画面51では目的地を検索する為のキーワードを入力する検索スペース52や、ユーザの目的地の候補となる候補地点の一覧53が表示される。尚、目的地入力画面51に表示される候補地点の一覧53は、例えばユーザの現在位置周辺にあって目的地として選ばれ易い地点を抽出しても良いし、ユーザが過去に目的地に設定した地点から抽出しても良い。また、情報提供アプリがポスターやパンフレットに記載されている二次元コードを通信端末6で読み取ることによって起動された場合には、ポスターやパンフレットに掲載されている地点を表示するのが望ましい。
【0041】
そして、ユーザが目的地入力画面51においていずれかの地点を目的地として選択すると、ディスプレイ38には続いて目的地確認画面54が表示される。図7に示すように目的地確認画面54では現在選択されている地点の詳細情報(移動に必要な所要時間、住所、営業時間等)に加えて周辺の地図画像についても表示される。そして、ユーザは目的地確認画面54の表示内容を確認した上で、確認ボタン55を押下すると目的地の入力が完了し、ユーザが移動する目的地が決定される。
【0042】
次に、S2においてCPU31は、通信端末6において上述のように受け付けたユーザの操作に基づいて目的地の入力を行う。尚、上記目的地の入力については、目的地の移動開始と同時である必要は無く、目的地の移動を開始する前であっても、目的地への移動を開始した後であっても良い。例えば、目的地への移動を開始する数日前や数時間前に目的地の入力を予め行うことも可能であるし、目的地への移動を開始して目的地にある程度近づいたタイミングで目的地の入力を行うことも可能である。前記S2で入力された目的地の情報はメモリ32に一旦格納される。
【0043】
その後、S3においてCPU31は、前記S2で入力された“ユーザが移動する目的地”を特定する目的地情報を情報提供サーバ3へと送信する。ここで、目的地情報には、目的地情報の送信元の通信端末6を特定する端末IDと、前記S2で入力された“ユーザが移動する目的地”を特定する情報(例えば目的地の座標、ID、施設名など)とが含まれている。尚、ユーザが目的地への移動を開始する(或いは開始した)地点、ユーザが目的地への移動を開始する(或いは開始した)日時、目的地までのユーザの移動経路が特定できる場合については、それらの情報についても含まれている。
【0044】
続いて、S4においてCPU31は、情報提供サーバ3から配信された店舗情報を受信する。ここで、前記S4で受信する店舗情報は、ユーザの現在位置周辺にある情報提供地点4の内、特にユーザの目的地への移動に対する進捗状況に対応した商品のテイクアウトが可能な情報提供地点4(以下、対応店舗という)の店舗情報とする。尚、本実施形態では特に情報提供地点4は飲食物等のテイクアウトが可能な店舗である。ユーザの現在位置周辺にある情報提供地点4から対応店舗を抽出する処理(S17、S20)については情報提供サーバ3によって行われる。詳細については後述する。
【0045】
前記S4で受信する店舗情報には、対応店舗自身に関する情報(例えば店舗名、ジャンル、所在地、営業時間、定休日)と、対応店舗がテイクアウトにより提供可能な商品に関する情報(例えば商品名、商品ジャンル、価格)を含む。また、店舗の外観写真、商品の写真、店舗の紹介動画(広告)などについても含めても良い。
【0046】
続いてS5においてCPU31は、ディスプレイ38を用いて情報提供サーバ3から配信された店舗情報を出力する。例えば、図8において前記S5における店舗情報の出力例を示す。図8に示すようにディスプレイ38には、対応店舗の一覧を示した店舗案内画面61が表示される。店舗案内画面61には、対応店舗を示す画像(店舗の外観画像であっても商品の画像であっても店舗の看板の画像などでも良い)とともに店舗名、ジャンル、店舗までの所要時間が表示される。尚、所在地、営業時間、定休日などの情報についても表示するようにしても良い。また、対応店舗が複数ある場合には、例えばユーザの嗜好に適合する順や所要時間が短い順に表示する。また、店舗案内画面61には対応店舗毎にメニューボタン63と立ち寄りボタン64についても表示され、ユーザがメニューボタン63を押下すると該当する対応店舗がテイクアウトにより提供可能な商品の一覧を示したメニュー画面65へと表示が切り替わる。図8に示すようにメニュー画面65には、商品の画像とともに商品名や価格について表示される。更に、注文ボタン67についても表示され、ユーザは注文ボタン67を押下することによって該当する商品をオンラインで注文することも可能である。注文情報は情報提供サーバ3を介して対応店舗へと送信される。ユーザはメニュー画面65で商品を注文した後に該当する対応店舗へと向かうことによってテイクアウトした商品を受け取るまでの待ち時間を減らすことが可能となる。
【0047】
また、メニュー画面65において対応店舗がテイクアウトにより提供可能な商品の一覧を表示する際には、ユーザの目的地までの移動の進捗状況に対応した商品を抽出し、対応店舗でテイクアウトが可能な商品の内、抽出された商品に関する情報を優先的にユーザに対して表示するのが望ましい。例えば、ファミリーレストランなどの幅広い商品を取り扱う店舗については、テイクアウトが可能な商品の内に、移動しながらの飲食に対応した商品もあれば、移動しながらの飲食には不向きであり、建物内や公園などの落ち着いた場所での飲食に適した商品もある。従って、例えばユーザが目的地までの移動に必要な距離又は時間が閾値以上である場合には、テイクアウトした商品をユーザが移動しながら飲食すると予想されるので、移動しながら(車両で移動している場合には車両内で)の飲食に対応する商品に関する情報を他の商品よりも優先的にメニュー画面65に表示する。一方で、ユーザが目的地までの移動に必要な距離又は時間が閾値未満である場合には、テイクアウトした商品をユーザが目的地で飲食すると予想されるので、落ち着いた場所で(車両で移動している場合には車両外で)の飲食に対応する商品に関する情報を他の商品よりも優先的にメニュー画面65に表示する。
【0048】
尚、上記優先表示を行う為に配信情報DB8には、情報提供地点4でテイクアウトが可能な商品毎に予め“移動しながら(車両で移動している場合には車両内で)の飲食に対応する商品”か“落ち着いた場所で(車両で移動している場合には車両外で)の飲食に対応する商品”かを識別する為のタグを紐づけておくのが望ましい。また、店舗側に優先して表示する商品を選択させるようにしても良い。
【0049】
一方、ユーザが店舗案内画面61に表示された立ち寄りボタン64を押下した場合には、ボタンに該当する対応店舗を目的地或いは経由地に設定することが可能となる。その結果、該当する対応店舗を目的地或いは経由地に設定した新たな推奨経路が情報提供サーバ3により探索され、通信端末6へと送信される。そして、推奨経路を受信した通信端末6では、ナビ機能を実行して周辺の地図や交差点拡大図等の移動案内画面を表示し、推奨経路に沿った移動案内が行われる。
【0050】
尚、前記S5における店舗情報の出力については、スピーカ36から出力される音声を用いても良い。また、店舗を紹介する動画を出力することも可能である。但し、目的地への移動案内が通信端末6で行われている場合については、できる限り移動案内を妨げない態様(例えば案内交差点から離れているタイミング)で出力するのが望ましい。
【0051】
また、前記S5における店舗情報の出力態様としては、上述したように予め収録及び生成して情報提供サーバ3に格納しておいたテキストデータや画像データを出力することも可能であるが、リアルタイムで人が話す内容を出力しても良い。即ち、情報提供を行う担当のコンシェルジュを設定し、店舗や商品を説明するコンシェルジュの音声や映像を出力しても良い。
【0052】
その後、S6においてCPU31は、通信端末6を所持するユーザが前記S5で出力されたいずれかの対応店舗に立ち寄ったか、或いはメニュー画面65(図8)による商品の注文を行ったか否か判定する。
【0053】
そして、ユーザが前記S5で出力されたいずれかの対応店舗に立ち寄ったか、或いはメニュー画面65(図8)による商品の注文を行ったと判定された場合(S6:YES)には、当該情報提供処理プログラムを終了する。それに対して、ユーザが前記S5で出力されたいずれかの対応店舗に立ち寄っておらず、メニュー画面65(図8)による商品の注文についても行っていないと判定された場合(S6:NO)にはS4へと戻り、継続して店舗情報の提供を行う。
【0054】
尚、前記S5において店舗情報が出力された後に、ユーザが移動してユーザの目的地への移動に対する進捗状況が変化すれば、対応店舗も変化するのでそれに応じて出力される店舗情報の内容も変化することとなる。また、ユーザが目的地に到着した場合についても終了するが、ユーザが目的地に到着した後もしばらくの間(例えば到着後10分以内)については情報の提供について継続して行うことが望ましい。
【0055】
次に、情報提供サーバ3のCPU21が実行する情報提供処理プログラムについて説明する。尚、以下のS11~S22の各処理は、通信端末6からの対応する情報を受信したタイミングで開始される。従って、各ステップの実施順序は必ずしもステップ番号の小さい順に実施されるとは限らない。
【0056】
先ず、S11においてCPU21は、通信端末6から送信される目的地情報を受信する。尚、目的地情報には、目的地情報の送信元の通信端末6を特定する端末IDと、前記S2で入力された“ユーザが移動する目的地”を特定する情報(例えば目的地の座標、ID、施設名)とが含まれている。
【0057】
次に、S12においてCPU31は、前記S11で受信した情報に基づいてユーザが移動する目的地についてユーザ道程DB13(図4)にユーザの“目的地への道程に関する情報”として格納する。また、通信端末6において目的地までの案内経路が設定されている場合については、その案内経路について通信端末6から取得し、今後のユーザの移動経路としてユーザ道程DB13に格納する。また、情報提供サーバ3は上記目的地情報とは別に定期的に通信端末6(即ち通信端末6を所持するユーザ)の現在位置情報を収集しており、ユーザの現在位置についてもユーザ道程DB13に格納される。
【0058】
以下ではユーザ単位でS13以降の処理を実行する。
先ず、S13においてCPU21は、処理対象のユーザが目的地まで移動するのに必要な所要時間を算出する。尚、ユーザの現在位置とユーザが移動する目的地については前記S12でユーザ道程DB13に格納されている。また、通信端末6において目的地までの案内経路が設定されている場合には、ユーザがその案内経路に従って移動すると推定して目的地までの所要時間を算出する。一方で、通信端末6において目的地までの案内経路が設定されていない場合には、情報提供サーバ3において目的地までの推奨経路を探索し、ユーザがその推奨経路に従って移動すると推定して目的地までの所要時間を算出する。
【0059】
次に、S14においてCPU21は、処理対象のユーザが目的地に到着するまでの間に食事の時間を跨ぐか否かを判定する。例えば、現在時刻からユーザが目的地に到着すると予想される時刻までの間に、8時~9時、12時~13時、18時~19時のいずれかの時間帯の少なくとも一部が含まれる場合に、食事の時間を跨ぐと判定される。尚、上記例では朝食、昼食、夕食のすべての時間を対象としているが、昼食や夕食の時間のみを対象とすることも可能である。
【0060】
そして、処理対象のユーザが目的地に到着するまでの間に食事の時間を跨ぐと判定された場合(S14:YES)には、S15へと移行する。それに対して、処理対象のユーザが目的地に到着するまでの間に食事の時間を跨がないと判定された場合(S14:NO)には、処理対象のユーザに対しては情報提供地点4に関する情報の提供を行うことなく終了する。但し、処理対象のユーザが目的地に到着するまでの間に食事の時間を跨がない場合であっても、ユーザが情報提供地点4に関する情報の提供を特に希望する場合についてはS15へと移行するのが望ましい。
【0061】
S15においてCPU21は、処理対象のユーザの現在位置周辺(例えば周囲3km以内)にある情報提供地点4を特定する。尚、情報提供地点4毎にユーザの到着予定時刻を算出し、到着予定時刻が営業時間内である情報提供地点4のみに限定するのが望ましい。また、本実施形態では特に情報提供地点4は飲食物等のテイクアウトが可能な店舗であり、各情報提供地点4の位置や営業時間については配信情報DB8(図3)に予め記憶されている。
【0062】
次にS16においてCPU21は、処理対象のユーザが現在位置から目的地までの移動に必要な距離又は時間が、閾値以上であるか否かを判定する。尚、前記S13と同様に、通信端末6において目的地までの案内経路が設定されている場合には、ユーザがその案内経路に従って移動すると推定して目的地までの移動に必要な距離又は時間を算出する。一方で、通信端末6において目的地までの案内経路が設定されていない場合には、情報提供サーバ3において目的地までの推奨経路を探索し、ユーザがその推奨経路に従って移動すると推定して目的地までの移動に必要な距離又は時間を算出する。尚、前記S16の判定の条件となる閾値は、固定値(例えば距離であれば20km、時間であれば30分)としても良いし、出発地から目的地までのトータルの移動距離や移動時間に基づいて決定しても良い。例えば出発地から目的地までの全行程の距離の30%、又は全行程の移動時間の30%としても良い。また、閾値は過去に情報提供地点4の案内が行われた後にユーザが立ち寄った情報提供地点4の履歴に基づいて最適値を学習しても良い。
【0063】
そして、処理対象のユーザが現在位置から目的地までの移動に必要な距離又は時間が、閾値以上であると判定された場合(S16:YES)には、S17へと移行する。それに対して、処理対象のユーザが現在位置から目的地までの移動に必要な距離又は時間が、閾値未満であると判定された場合(S16:NO)には、S18へと移行する。
【0064】
S17においてCPU31は、前記S15で特定したユーザの現在位置周辺にある情報提供地点4の内、車両内での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出する。即ち、前記S17では処理対象のユーザは目的地から離れた位置におり、仮に周辺にある情報提供地点4に立ち寄って商品をテイクアウトした場合には、テイクアウトした商品をユーザが移動しながら飲食すると推定される。従って、移動しながら(車両で移動している場合には車両内で)の飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗に関する情報がユーザにとって有益であると推定される。尚、車両内での飲食に対応する商品としては、例えばハンバーガーやドーナツなどの箸やスプーンを必要とせずに食べることが可能なものやコーヒーやジュースなどの飲料等が該当する。その後、S21へと移行する。
【0065】
尚、配信情報DB8には、情報提供地点4毎に予め“移動しながら(車両で移動している場合には車両内で)の飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗”か“目的地で(車両で移動している場合には車両外で)の飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗”か或いは“両方に対応する店舗”かを識別する為のタグを紐づけておくのが望ましい。それによって、タグを参照することによって前記S17で容易に店舗の抽出が可能となる。
【0066】
一方、S18においてCPU31は、処理対象のユーザが移動する目的地に関する情報を地図情報DB14から取得する。具体的には目的地のジャンルを取得する。
【0067】
次に、S19においてCPU31は、前記S18で取得した目的地のジャンルに基づいて、処理対象のユーザが移動する目的地が外部から飲食物の持ち込みが可能な地点であるか否かを判定する。尚、外部から飲食物の持ち込みが可能な地点としては、例えば自宅、公園、キャンプ場、ビジネスホテルなどが該当する。一方で外部から飲食物の持ち込みができない地点としては、例えば飲食店、ショッピングモール、公共施設などが該当する。尚、テーマパークや野球場などの特定のジャンルの地点については、ハウスルールによって飲食物の持ち込みが可能か否かが分かれている場合があり、そのような場合についてはジャンルに加えて目的地の名称や位置を用いて外部から飲食物の持ち込みが可能な地点であるか否かを判定する。
【0068】
そして、処理対象のユーザが移動する目的地が外部から飲食物の持ち込みが可能な地点であると判定された場合(S19:YES)には、S20へと移行する。それに対して、処理対象のユーザが移動する目的地が外部から飲食物の持ち込みができない地点であると判定された場合(S19:NO)には、処理対象のユーザに対しては情報提供地点4に関する情報の提供を行うことなく終了する。
【0069】
S20においてCPU31は、前記S15で特定したユーザの現在位置周辺にある情報提供地点4の内、目的地での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出する。即ち、前記S20では処理対象のユーザは目的地に近い位置におり、仮に周辺にある情報提供地点4に立ち寄って商品をテイクアウトした場合には、テイクアウトした商品をユーザが移動しながらではなく、目的地に到着した後に飲食すると推定される。従って、目的地で(車両で移動している場合には車両外で)の飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗に関する情報がユーザにとって有益であると推定される。尚、目的地での飲食に対応する商品としては、例えばカレーライスや弁当などの箸やスプーンを使って時間をかけて食べるものが該当する。その後、S21へと移行する。
【0070】
尚、配信情報DB8には、情報提供地点4毎に予め“移動しながら(車両で移動している場合には車両内で)の飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗”か“目的地で(車両で移動している場合には車両外で)の飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗”か或いは“両方に対応する店舗”かを識別する為のタグを紐づけておくのが望ましい。それによって、タグを参照することによって前記S20で容易に店舗の抽出が可能となる。
【0071】
S21においてCPU21は、前記S17又はS20で抽出した情報提供地点4、即ちユーザの目的地への移動に対する進捗状況に対応した商品のテイクアウトが可能な対応店舗の店舗情報を処理対象のユーザの通信端末6に対して送信する。尚、前記S21で送信対象となる店舗情報は、配信情報DB8(図3)から抽出され、対応店舗自身に関する情報(例えば店舗名、ジャンル、所在地、営業時間、定休日)と、対応店舗がテイクアウトにより提供可能な商品に関する情報(例えば商品名、商品ジャンル、価格)を含む。また、店舗の外観写真、商品の写真、店舗の紹介動画(広告)などについても含めても良い。
【0072】
店舗情報を受信した通信端末6では、前述したように通信端末6において対応店舗の店舗情報が出力されることとなる(図8)。その結果、例えば図9に示すようにユーザが目的地まで移動する間において、特に目的地から離れた地点Aにユーザが位置する場合には、移動しながら(車両で移動している場合には車両内で)の飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗に関する情報が提供されることとなる。一方で、ユーザがその後に目的地に近い地点Bまで移動した場合には目的地で(車両で移動している場合には車両外で)の飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗に関する情報が提供されることとなる。
【0073】
その後、S22においてCPU21は、処理対象のユーザが前記S17又はS20で抽出されたいずれかの対応店舗に立ち寄ったか、或いは前述のメニュー画面65(図8)による商品の注文を行ったか否か判定する。
【0074】
そして、ユーザが前記S17又はS20で抽出されたいずれかの対応店舗に立ち寄ったか、或いはメニュー画面65(図8)による商品の注文を行ったと判定された場合(S22:YES)には、当該情報提供処理プログラムを終了する。それに対して、ユーザが前記S17又はS20で抽出されたいずれかの対応店舗に立ち寄っておらず、メニュー画面65(図8)による商品の注文についても行っていないと判定された場合(S22:NO)にはS15へと戻り、継続して店舗情報の提供を行う。
【0075】
尚、前記S21において店舗情報を送信した後に、ユーザが移動してユーザの目的地への移動に対する進捗状況が変化すれば、ユーザの現在位置の周辺にある情報提供地点4が変化し、前記S16の判定結果も変わる。従って、時間経過に応じて前記S21で送信され、通信端末6で出力される店舗情報の内容も変化することとなる。また、ユーザが目的地に到着した場合についても終了するが、ユーザが目的地に到着した後もしばらくの間(例えば到着後10分以内)については前記S15~S22による情報の提供について継続して行うことが望ましい。
【0076】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る施設情報提供システム1、情報提供サーバ3及び情報提供サーバ3で実行されるコンピュータプログラムでは、ユーザが目的地までの移動を行う移動経路とともに移動経路を移動するユーザの現在位置を取得し(S11、S12)、ユーザの現在位置から目的地までの移動に必要な距離又は時間を取得し(S16)、ユーザの現在位置周辺にあってテイクアウトが可能な店舗の内、目的地までの移動に必要な距離又は時間に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出し(S17、S20)、抽出された店舗の情報をユーザに対して提供する(S21)ので、ユーザの予想される飲食形態に合わせた商品をテイクアウト可能な店舗に関する情報を提供することが可能となる。その結果、テイクアウトが可能な店舗についてユーザに対してより適切な情報の提供が可能となる。
また、ユーザが目的地まで車両で移動する場合において、目的地までの移動に必要な距離又は時間が閾値以上である場合には、車両内での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出し(S17)、目的地までの移動に必要な距離又は時間が閾値未満である場合には、車両外での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出する(S20)ので、特に目的地までの移動に必要な距離又は時間に基づいてユーザがテイクアウトした商品を飲食する形態を予想し、ユーザの予想される飲食形態に合わせた商品をテイクアウト可能な店舗に関する情報を提供することが可能となる。
また、目的地までの移動に必要な距離又は時間が閾値未満である場合には、目的地での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出する(S20)ので、ユーザの目的地までの移動に必要な距離又は時間が短く、テイクアウトした商品を移動中ではなく目的地に到着した後に目的地で飲食することが予想される場合には、目的地での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出することが可能となる。
また、目的地が外部からの飲食物の持ち込みが可能な地点か否かを判定し(S19)、目的地が外部からの飲食物の持ち込みが可能な地点であって且つ目的地までの移動に必要な距離又は時間が所定の閾値未満である場合に、目的地での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗を抽出する(S20)ので、外部から持ち込んだ飲食物の飲食が可能な目的地へとユーザが移動する場合に、目的地での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗の情報を提供可能となる。
また、テイクアウトが可能な商品の内、目的地までの移動に必要な距離又は時間に対応する商品を抽出し、抽出された商品に関する情報を優先的にユーザに対して提供する(S5)ので、ユーザの予想される飲食形態に合わせた商品に関する情報を優先的に提供することが可能となる。その結果、テイクアウトが可能な商品についてユーザに対してより適切な情報の提供が可能となる。
【0077】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば本実施形態では、ユーザが自家用車で目的地へと移動することを前提とするが、自家用車以外の移動手段(例えば電車、バス)に乗車している状態であっても良いし、徒歩で移動している状態であっても良い。また、ユーザに対して店舗情報を提供する際にユーザが移動する移動手段を考慮して行っても良い。例えば、ユーザが自家用車で移動する場合には、自家用車内での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗の店舗情報を提供し、ユーザが徒歩で移動する場合には、歩きながらの飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗の店舗情報を提供することが可能である。
【0078】
また、本実施形態ではユーザの現在位置周辺に位置する情報提供地点4に関する情報を提供しているが、ユーザの目的地までの移動経路の周辺であればユーザの現在位置から離れた位置にある情報提供地点4に関する情報についても提供対象に含めても良い。但し、その場合には例えばユーザの現在位置が目的地から離れていたとしても情報の提供対象となる情報提供地点4が目的地の近くに位置する場合には、情報提供地点4でテイクアウトした商品を移動しながらではなく、目的地に到着した後に飲食すると推定される。従って、目的地で(車両で移動している場合には車両外で)の飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗に関する情報のみを提供することが望ましい。
【0079】
また、本実施形態では目的地が外部からの飲食物の持ち込みが可能な地点である場合のみ(S19:YES)に、目的地での飲食に対応する商品のテイクアウトが可能な店舗に関する情報を提供しているが、S19の処理は省略しても良い。同じくS14の判定処理についても省略するようにしても良い。
【0080】
また、本実施形態ではユーザに対して出力対象としているのは、情報提供地点4自身の情報や情報提供地点4でテイクアウト可能な商品に関する情報であるが、出力対象とするのはいずれか一方のみとしても良く、ユーザの行動を支援できるのであれば上記情報以外の情報を出力しても良い。
【0081】
また、本実施形態では、ユーザの目的地の入力操作に基づいて今回の移動におけるユーザの目的地を設定しているが、ユーザの過去の行動履歴等に基づいてユーザの目的地を推測して設定しても良い。例えば、過去に同じ曜日の同じ時間帯にユーザが頻繁に同一の施設を訪れている場合には、今回の移動の目的地についても同施設であると推測できる。また、夕方以降にショッピングモール等の自宅以外の施設から移動を開始する場合には自宅を目的地と推測することも可能である。
【0082】
また、本実施形態では、通信端末6をスマートフォンに適用した例について説明したが、情報提供サーバ3から配信された情報を出力する機能を有していれば他の種類の通信端末に対して適用することも可能である。例えば携帯電話機、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、ナビゲーション装置等に適用することが可能である。また、ナビゲーション装置以外に適用する場合には、ユーザが車で移動する以外の状況、例えば徒歩で移動する状況においても実施可能である。
【0083】
また、本実施形態では、S13~S22の情報提供の対象となる情報提供地点4の選択や店舗情報の抽出に関する処理を情報提供サーバ3が行う構成としているが、通信端末6が行っても良い。
【符号の説明】
【0084】
1…施設情報提供システム、3…情報提供サーバ、4…情報提供地点、5…ユーザ、6…通信端末、8…配信情報DB、11…サーバ制御部、21…CPU、22…RAM、23…ROM
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9