(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109450
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】表示装置、及び表示装置の駆動方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20220721BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220721BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220721BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220721BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20220721BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 621A
G09G3/20 622G
G09G3/20 622Q
G09G3/20 624B
G09G3/20 624E
G09G3/20 622D
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/02
H05B33/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004761
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】514188173
【氏名又は名称】株式会社JOLED
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】小原 将紀
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC45
3K107DD39
3K107EE04
3K107FF15
3K107HH02
3K107HH05
5C080AA06
5C080AA18
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD22
5C080DD27
5C080FF12
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080KK02
5C080KK43
5C080KK47
5C380AA01
5C380AA10
5C380AB06
5C380AB34
5C380AC07
5C380AC08
5C380AC12
5C380BA11
5C380BA17
5C380BA28
5C380BA29
5C380BA39
5C380CA12
5C380CB01
5C380CB02
5C380CB16
5C380CB21
5C380CB25
5C380CB26
5C380CB32
5C380CC01
5C380CC03
5C380CC04
5C380CC05
5C380CC07
5C380CC27
5C380CC33
5C380CC64
5C380CD014
5C380DA02
5C380DA47
(57)【要約】
【課題】額縁の幅を削減できる表示装置等を提供する。
【解決手段】表示装置1は、マトリクス状に配置される複数の画素回路10を有する表示部12と、1水平周期毎に一つの駆動パルスを出力するゲートドライバ13と、を備え、複数の画素回路10の各々は、サブ画素回路11Rを有し、サブ画素回路11Rは、発光素子EL
Rと、発光素子EL
Rに電流を供給する駆動トランジスタTD
Rと、書込みトランジスタT3
Rと、参照トランジスタT2
Rと、初期化トランジスタT1
Rとを有し、ゲートドライバ13から、1垂直周期あたりに、複数の画素回路10が含む複数の行の各々に含まれる初期化トランジスタT1
Rに一つの駆動パルスが入力され、書込みトランジスタT3
R及び参照トランジスタT2
Rの各々には、複数の行のうち互いに異なる他の行に含まれる初期化トランジスタT1
Rに入力される一つの駆動パルスが入力される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配置される複数の画素回路を有する表示部と、
1水平周期毎に一つの駆動パルスを出力するゲートドライバと、を備える表示装置であって、
前記複数の画素回路の各々は、サブ画素回路を有し、
前記サブ画素回路は、発光素子と、前記発光素子に電流を供給する駆動トランジスタと、書込みトランジスタと、参照トランジスタと、初期化トランジスタとを有し、
前記書込みトランジスタは、前記駆動トランジスタのゲート電極と、前記発光素子の輝度に対応するデータ信号が入力されるデータ信号線との間の導通状態を切り替え、
前記参照トランジスタは、前記駆動トランジスタのゲート電極と、参照電位が印加される参照電位線との間の導通状態を切り替え、
前記初期化トランジスタは、前記発光素子と、初期化電位が印加される初期化電位線との間の導通状態を切り替え、
前記ゲートドライバから、1垂直周期あたりに、前記複数の画素回路が含む複数の行の各々に含まれる前記初期化トランジスタに前記一つの駆動パルスが入力され、
前記書込みトランジスタ及び前記参照トランジスタの各々には、前記複数の行のうち互いに異なる他の行に含まれる前記初期化トランジスタに入力される前記一つの駆動パルスが入力される
表示装置。
【請求項2】
前記ゲートドライバは、第一ドライバ及び第二ドライバを有し、
前記第一ドライバ及び前記第二ドライバの各々は、前記複数の行のうち少なくとも一つの行に含まれる前記初期化トランジスタに入力される前記一つの駆動パルスを出力し、
前記表示部は、前記第一ドライバと前記第二ドライバとの間に配置される
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記ゲートドライバは、1系統のシフトレジスタである
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記参照トランジスタには、1垂直周期あたりに、前記複数の行のうち互いに異なる二つの行の各々に含まれる前記初期化トランジスタに入力される前記一つの駆動パルスが入力される
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記参照トランジスタには、同一の前記サブ画素回路に含まれる前記初期化トランジスタに前記一つの駆動パルスが入力された後であって、同一の前記サブ画素回路に含まれる前記書込みトランジスタに最初に前記一つの駆動パルスが入力される前に、前記一つの駆動パルスが入力され、かつ、当該書込みトランジスタに前記一つの駆動パルスが入力された後であって、当該初期化トランジスタに最初に前記一つの駆動パルスが入力される前に、前記一つの駆動パルスが入力される
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記参照トランジスタには、同一の前記サブ画素回路に含まれる前記初期化トランジスタに前記一つの駆動パルスが入力された後であって、同一の前記サブ画素回路に含まれる前記書込みトランジスタに最初に前記一つの駆動パルスが入力される前に、前記複数の行のうち互いに異なる他の二つの行の各々に含まれる前記初期化トランジスタに入力される前記一つの駆動パルスが入力される
請求項4又は5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記一つの駆動パルスのLレベルは、前記初期化電位より低い
請求項1~6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
表示装置の駆動方法であって、
前記表示装置は、
マトリクス状に配置される複数の画素回路を有する表示部と、
1水平周期毎に一つの駆動パルスを出力するゲートドライバと、を備え、
前記複数の画素回路の各々は、サブ画素回路を有し、
前記サブ画素回路は、発光素子と、前記発光素子に電流を供給する駆動トランジスタと、書込みトランジスタと、参照トランジスタと、初期化トランジスタとを有し、
前記書込みトランジスタは、前記駆動トランジスタのゲート電極と、前記発光素子の輝度に対応するデータ信号が入力されるデータ信号線との間の導通状態を切り替え、
前記参照トランジスタは、前記駆動トランジスタのゲート電極と、参照電位が印加される参照電位線との間の導通状態を切り替え、
前記初期化トランジスタは、前記発光素子と、初期化電位が印加される初期化電位線との間の導通状態を切り替え、
前記表示装置の駆動方法は、
前記ゲートドライバから、1垂直周期あたりに、前記複数の画素回路が含む複数の行の各々に含まれる前記初期化トランジスタに前記一つの駆動パルスが入力されるステップと、
前記書込みトランジスタ及び前記参照トランジスタの各々に、前記複数の行のうち互いに異なる他の行に含まれる前記初期化トランジスタに入力される前記一つの駆動パルスが入力されるステップとを含む
表示装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、及び表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機EL(Electro-Luminescence)素子などの発光素子を用いたアクティブマトリクス型の表示装置(以下、表示装置という)が実用化されている(例えば、特許文献1など参照)。表示装置は、マトリクス状に配置された複数の画素回路を備える。複数の画素回路の各々は、発光色がそれぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の有機EL素子を搭載した3つのサブ画素回路から構成される。サブ画素回路は、初期化トランジスタ、参照トランジスタ、及び書込みトランジスタを有する。初期化トランジスタ、参照トランジスタ、及び書込みトランジスタは、それぞれ、ゲートドライバからの制御信号に基づいてスイッチングする。表示装置は、ゲートドライバ及びソースドライバからの信号に基づいてサブ画素回路毎に発光輝度を制御することにより、カラー画像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の表示装置では、初期化トランジスタ、参照トランジスタ、及び書込みトランジスタの各々に制御信号を供給するため、少なくとも3系統のゲートドライバが必要とされる。このため、表示装置の表示部の周縁に、少なくとも3系統のゲートドライバを配置するための領域が必要となる。したがって、従来の表示装置では、表示部の周縁に配置される額縁の幅を、3系統のゲートドライバを配置するための領域の幅未満に削減することができない。
【0005】
本開示は、上記の問題を解決するためになされたものであり、額縁の幅を削減できる表示装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る表示装置は、マトリクス状に配置される複数の画素回路を有する表示部と、1水平周期毎に一つの駆動パルスを出力するゲートドライバと、を備える表示装置であって、前記複数の画素回路の各々は、サブ画素回路を有し、前記サブ画素回路は、発光素子と、前記発光素子に電流を供給する駆動トランジスタと、書込みトランジスタと、参照トランジスタと、初期化トランジスタとを有し、前記書込みトランジスタは、前記駆動トランジスタのゲート電極と、前記発光素子の輝度に対応するデータ信号が入力されるデータ信号線との間の導通状態を切り替え、前記参照トランジスタは、前記駆動トランジスタのゲート電極と、参照電位が印加される参照電位線との間の導通状態を切り替え、前記初期化トランジスタは、前記発光素子と、初期化電位が印加される初期化電位線との間の導通状態を切り替え、前記ゲートドライバから、1垂直周期あたりに、前記複数の画素回路が含む複数の行の各々に含まれる前記初期化トランジスタに前記一つの駆動パルスが入力され、前記書込みトランジスタ及び前記参照トランジスタの各々には、前記複数の行のうち互いに異なる他の行に含まれる前記初期化トランジスタに入力される前記一つの駆動パルスが入力される。
【0007】
また、本開示の一態様に係る表示装置の駆動方法において、前記表示装置は、マトリクス状に配置される複数の画素回路を有する表示部と、1水平周期毎に一つの駆動パルスを出力するゲートドライバと、を備え、前記複数の画素回路の各々は、サブ画素回路を有し、前記サブ画素回路は、発光素子と、前記発光素子に電流を供給する駆動トランジスタと、書込みトランジスタと、参照トランジスタと、初期化トランジスタとを有し、前記書込みトランジスタは、前記駆動トランジスタのゲート電極と、前記発光素子の輝度に対応するデータ信号が入力されるデータ信号線との間の導通状態を切り替え、前記参照トランジスタは、前記駆動トランジスタのゲート電極と、参照電位が印加される参照電位線との間の導通状態を切り替え、前記初期化トランジスタは、前記発光素子と、初期化電位が印加される初期化電位線との間の導通状態を切り替え、前記表示装置の駆動方法は、前記ゲートドライバから、1垂直周期あたりに、前記複数の画素回路が含む複数の行の各々に含まれる前記初期化トランジスタに前記一つの駆動パルスが入力されるステップと、前記書込みトランジスタ及び前記参照トランジスタの各々に、前記複数の行のうち互いに異なる他の行に含まれる前記初期化トランジスタに入力される前記一つの駆動パルスが入力されるステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、額縁の幅を削減できる表示装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る画素回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係るゲートドライバの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係るゲートドライバの回路構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係るゲートドライバの出力信号の波形の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る表示装置のサブ画素回路における各制御信号と、駆動トランジスタのソース電位及びゲート電位との関係を示す模式的なタイミングチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係る表示装置の各制御信号線に入力される駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【
図8】
図8は、比較例1の表示装置のゲートドライバの機能構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施の形態2に係るゲートドライバの機能構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、実施の形態2に係る表示装置のサブ画素回路における各制御信号と、駆動トランジスタのソース電位及びゲート電位との関係を示す模式的なタイミングチャートである。
【
図11】
図11は、実施の形態2に係る表示装置の各制御信号線に入力される駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【
図12】
図12は、実施の形態3に係るゲートドライバの機能構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、実施の形態3に係る表示装置のサブ画素回路における各制御信号線に入力される駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【
図14】
図14は、実施の形態3に係る表示装置の各制御信号線に入力される駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【
図15】
図15は、実施の形態4に係るゲートドライバの機能構成を示すブロック図である。
【
図16】
図16は、実施の形態5に係るゲートドライバの機能構成を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、実施の形態5に係るゲートドライバが出力する駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【
図18】
図18は、実施の形態5に係る表示装置のサブ画素回路における各制御信号線に入力される駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示における一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、並びに、工程の順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示における最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺などは必ずしも一致していない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る表示装置及びその駆動方法について説明する。
【0013】
[1-1.表示装置の全体構成]
まず、本実施の形態に係る表示装置の全体構成について
図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る表示装置1の全体構成を示すブロック図である。
【0014】
本実施の形態に係る表示装置1は、
図1に示されるように、表示部12と、ゲートドライバ13と、データドライバ15と、コントローラ16と、電源17とを備える。本実施の形態では、表示装置1は、アクティブマトリクス型のカラー表示装置である。
【0015】
表示部12は、マトリクス状に配置される複数の画素回路10を有する画像表示部である。複数の画素回路10の各々は、少なくとも一つのサブ画素回路を有する。本実施の形態では、複数の画素回路10の各々は、R、G、Bの発光色にそれぞれ対応するサブ画素回路11R、11G、11Bを有する。
【0016】
表示部12は、マトリクスの各行に配置される複数の画素回路10に接続される3本の制御信号線ini(i)、ref(i)、ws(i)(iは1以上N以下の整数。Nはマトリクスの行数を示す1より大きい整数。)を有する。制御信号線ini(i)、ref(i)、ws(i)は、それぞれゲートドライバ13から供給される制御信号を、画素回路10へ伝達する。なお、制御信号線の本数及び制御信号は一例であり、この例には限定されない。
【0017】
表示部12は、マトリクスの各列に配置される複数の画素回路10に接続される3本のデータ信号線Ldr(j)、Ldg(j)、Ldb(j)(jは1以上M以下の整数。Mはマトリクスの列数を示す1より大きい整数。)を有する。データ信号線Ldr(j)、Ldg(j)、Ldb(j)は、それぞれデータドライバ15から供給されるR、G、Bの発光輝度に関連するデータ信号を、画素回路10へ、伝達する。
【0018】
コントローラ16は、外部から映像信号を受信し、当該映像信号に対応する各フレームの画像を表示部12において表示するための信号を、ゲートドライバ13及びデータドライバ15へ供給する。
【0019】
ゲートドライバ13は、コントローラ16からの信号に基づいて、表示部12に制御信号を出力する回路である。ゲートドライバ13は、1水平周期毎に一つの駆動パルスを順次出力する。ゲートドライバ13の詳細構成については、後述する。
【0020】
データドライバ15は、コントローラ16からの信号に基づいて、表示部12にデータ信号を出力する回路である。
【0021】
電源17は、表示部12、ゲートドライバ13、データドライバ15、及びコントローラ16へ、参照電位、電源電位などを供給する。電源17は、例えば、参照電位線Lrefに印加される参照電位、初期化電位線Liniに印加される初期化電位、正電源線Lvccに印加される正電源電位、負電源線Lcatに印加される負電源電位を、表示部12へ供給する。
【0022】
続いて画素回路10の回路構成例について
図2を用いて説明する。
図2は、本実施の形態に係る画素回路10の構成の一例を示す回路図である。
図2には、複数の画素回路10のうち、i行j列に配置される画素回路10が示されている。
図2に示されるように、本実施の形態では、画素回路10が有するサブ画素回路11R、11G、11Bは、互いに同一の構成を有している。以下、画素回路10の構成について、サブ画素回路11Rに着目して説明する。
【0023】
サブ画素回路11Rは、初期化トランジスタT1R、参照トランジスタT2R、書込みトランジスタT3R、保持容量CSR、駆動トランジスタTDR、発光素子ELRを有している。また、サブ画素回路11Rは、制御信号線ini(i)、ref(i)、ws(i)、初期化電位線Lini、参照電位線Lref、データ信号線Ldr(j)、正電源線Lvcc、及び負電源線Lcatを有している。なお、制御信号線ini(i)、ref(i)、及びws(i)を、それぞれ、第一制御信号線、第二制御信号線、及び第三制御信号線とも称する。
【0024】
駆動トランジスタTDRは、発光素子ELRに電流を供給するトランジスタである。駆動トランジスタTDRは、保持容量CSRに保持された電圧に応じて、発光素子ELRに電流を供給する。これにより、発光素子ELRは、データ信号線Ldr(j)に入力されるデータ信号によって表される輝度で発光する。
【0025】
書込みトランジスタT3Rは、駆動トランジスタTDRのゲート電極と、発光素子ELRの輝度に対応するデータ信号が入力されるデータ信号線Ldr(j)との間の導通状態を切り替えるトランジスタである。書込みトランジスタT3Rは、制御信号線ws(i)に入力される信号に従ってオン状態となり、データ信号線Ldr(j)に入力されるデータ信号の電圧が保持容量CSRに保持される。
【0026】
初期化トランジスタT1Rは、発光素子ELRと、初期化電位が印加される初期化電位線Liniとの間の導通状態を切り替えるトランジスタである。初期化トランジスタT1Rは、制御信号線ini(i)に印加された制御信号に従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDRのソース電極を初期化電位線Liniに印加された初期化電位に設定する。
【0027】
参照トランジスタT2Rは、駆動トランジスタTDRのゲート電極と、参照電位が印加される参照電位線Lrefとの間の導通状態を切り替えるトランジスタである。参照トランジスタT2Rは、制御信号線ref(i)に入力される制御信号に従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDRのゲート電極を参照電位線Lrefに印加された参照電位に設定する。
【0028】
上記各トランジスタとして、例えば、Nチャネル型のMOSFETを用いることができる。なお、Nチャネル型のMOSFET以外のトランジスタを用いて、サブ画素回路11Rを構成することも可能である。例えば、Pチャネル型のMOSFETを用いてサブ画素回路11Rを構成することも可能である。
【0029】
発光素子ELRは、サブ画素回路11Rにおいて、光を出射する素子である。本実施の形態では、発光素子ELRとして有機EL素子が用いられる。なお、発光素子ELRとして用いられる素子は、有機EL素子に限定されない。例えば、発光素子ELRとして、QLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)素子などが用いられてもよい。
【0030】
サブ画素回路11G、11Bも、サブ画素回路11Rと同様の構成を有する。
図2に示されるように、サブ画素回路11Gは、初期化トランジスタT1
G、参照トランジスタT2
G、書込みトランジスタT3
G、保持容量CS
G、駆動トランジスタTD
G、発光素子EL
Gを有している。また、サブ画素回路11Gは、制御信号線ini(i)、ref(i)、ws(i)、初期化電位線Lini、参照電位線Lref、データ信号線Ldg(j)、正電源線Lvcc、及び負電源線Lcatを有している。
【0031】
サブ画素回路11Bは、初期化トランジスタT1B、参照トランジスタT2B、書込みトランジスタT3B、保持容量CSB、駆動トランジスタTDB、発光素子ELBを有している。また、サブ画素回路11Bは、制御信号線ini(i)、ref(i)、ws(i)、初期化電位線Lini、参照電位線Lref、データ信号線Ldb(j)、正電源線Lvcc、及び負電源線Lcatを有している。
【0032】
画素回路10が以上のような構成を有するため、サブ画素回路11R、11G、11Bにおいて、同一の制御信号に従って同じタイミングでデータ信号VdatR、VdatG、VdatBが保持され、保持されたデータ信号に応じた輝度で発光素子ELR、ELG、ELBが発光する。
【0033】
[1-2.ゲートドライバ構成]
次に、ゲートドライバ13の構成について
図3~
図5を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係るゲートドライバ13の機能構成を示すブロック図である。なお、
図3には、表示部12も併せて示されている。
図4は、本実施の形態に係るゲートドライバ13の回路構成の一例を示す図である。
図5は、本実施の形態に係るゲートドライバ13の出力信号の波形の一例を示す図である。
【0034】
図3に示されるようにゲートドライバ13は、複数のドライバ回路D
1~D
N+2を有する。本実施の形態では、ゲートドライバ13は、一列にカスケードに接続されるN+2個のドライバ回路D
1~D
N+2を有する1系統のシフトレジスタである。
図4に示されるように、ドライバ回路D
1~D
N+2の各々として、例えば、フリップフロップ回路を用いることができる。ゲートドライバ13は、CMOSトランジスタ、N型チャネルトランジスタ、及びP型チャネルトランジスタのいずれのトランジスタで構成されてもよい。
【0035】
複数のドライバ回路D1~DN+2は、それぞれ、制御信号g_out(1)~g_out(N+2)を出力する。制御信号g_out(1)~g_out(N)は、それぞれ、制御信号線ini(1)~ini(N)に入力される。言い換えると、i段目のドライバ回路Diが出力する制御信号g_out(i)は、制御信号線ini(i)に入力される。また、制御信号g_out(2)~gout(N+1)は、それぞれ、制御信号線ref(1)~ref(N)に入力される。言い換えると、i+1段目のドライバ回路Di+1が出力する制御信号g_out(i+1)は、制御信号線ref(i)に入力される。また、制御信号g_out(3)~gout(N+2)は、それぞれ、制御信号線ws(1)~ws(N)に入力される。言い換えると、i+2段目のドライバ回路Di+2が出力する制御信号g_out(i+2)は、制御信号線ws(i)に入力される。
【0036】
図4に示されるように、ドライバ回路D
1~D
N+2の各々には、クロックパルスが入力される。本実施の形態では、表示装置1に入力される映像信号の1水平周期毎にクロックパルスが入力される。
【0037】
図3に示されるように、1段目のドライバ回路D
1には、スタートパルスが入力信号g_in(1)として入力される。本実施の形態では、1段目のドライバ回路D
1は、制御信号線ini(1)に制御信号g_out(1)を出力する。1段目のドライバ回路D
1が出力する制御信号g_out(1)は、2段目のドライバ回路D
2に入力信号g_in(2)として入力される。以下、同様に、i段目のドライバ回路D
iは、制御信号線ini(i)に制御信号g_out(i)を出力し、i段目のドライバ回路D
iが出力する制御信号g_out(i)は、i+1段目のドライバ回路D
i+1に入力信号g_in(i+1)として入力される。
【0038】
図5に示されるように、1段目のドライバ回路D
1のD端子にHレベルのスタートパルスSPが入力されている間にCLK端子に入力されるクロック信号が立ち上がる(つまり、LレベルからHレベルに変化する)と、Q端子からの制御信号g_out(1)は、LレベルからHレベルに変化する。そして、制御信号g_out(1)は、次にクロック信号が立ち上がるまでHレベルに維持される。
【0039】
制御信号g_out(1)は、2段目のドライバ回路D
2のD端子に入力されるため、制御信号g_out(1)がHレベルである間に2段目のドライバ回路D
2のCLK端子に入力されるクロック信号が立ち上がると、2段目のドライバ回路D
2のQ端子からの制御信号g_out(2)は、LレベルからHレベルに変化する。3段目以降のドライバ回路D
3~D
N+2もドライバ回路D
2と同様に動作する。これにより、
図5に示されるようなクロック信号に同期した駆動パルスを含む制御信号g_out(1)~g_out(N+2)が、ゲートドライバ13から出力される。このように、ゲートドライバ13から、1垂直周期あたりに、複数の画素回路10が含む複数の行の各々に含まれる初期化トランジスタT1
Rに一つの駆動パルスが入力される。書込みトランジスタT3
R及び参照トランジスタT2
Rの各々には、複数の行のうち互いに異なる他の行に含まれる初期化トランジスタT1
Rに入力される一つの駆動パルスが入力される。なお、N-1行に含まれる書込みトランジスタT3
R、N行に含まれる参照トランジスタT2
R及び書込みトランジスタT3
Rに入力される駆動パルスは、他の行に含まれる初期化トランジスタT1
Rには、入力されない。このように、複数の画素回路10のうち、一部の行に含まれる参照トランジスタT2
R及び書込みトランジスタT3
Rに入力される駆動パルスは、他の行に含まれる初期化トランジスタT1
Rに入力されなくてもよい。
【0040】
本実施の形態では、ゲートドライバ13は、N行目の複数の画素回路10の制御信号線ref(N)及びws(N)にそれぞれ入力される制御信号g_out(N+1)及びg_out(N+2)を出力する。
【0041】
なお、本実施の形態では、ゲートドライバ13が1水平周期のパルス幅を有する駆動パルスを含む制御信号を出力する例を示すが、制御信号が含む駆動パルスの幅は、1水平周期に限定されない。例えば、制御信号が含む駆動パルスの幅は、1水平周期未満であってもよい。
【0042】
[1-3.駆動方法]
次に、本実施の形態に係る表示装置1の駆動方法について
図6及び
図7を用いて説明する。
図6は、本実施の形態に係る表示装置1のサブ画素回路11Rにおける各制御信号と、駆動トランジスタTD
Rのソース電位及びゲート電位との関係を示す模式的なタイミングチャートである。
図6には、マトリクス状に配置された複数の画素回路10のうち、i行目に配置される画素回路10が有するサブ画素回路11Rにおける各電位などが示されている。
図7は、本実施の形態に係る表示装置1の各制御信号線に入力される駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【0043】
図6に示されるように、時点t1から時点t2までは、制御信号はいずれもLレベルであり、発光素子EL
Rは、直前の垂直周期におけるデータ信号に対応する発光状態にある。
【0044】
続いて、時点t2において、制御信号線ini(i)に駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t2から時点t3まで、制御信号線ini(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。本実施の形態に係る表示装置1においては、ゲートドライバ13から、複数の画素回路10が含む複数の行の各々に対応する一つの駆動パルスを出力する。i行目に配置される画素回路10に含まれるサブ画素回路11Rの制御信号線ini(i)には、ゲートドライバ13のi段目のドライバ回路Diからの制御信号g_out(i)が入力され、制御信号g_out(i)は、時点t2から時点t3までHレベルとなる。これに伴い、初期化トランジスタT1Rのソース電極とドレイン電極との間がオン状態となるため、発光素子ELRのアノード電極と、初期化電位線Liniとが接続される。これにより、発光素子ELRのアノード電極の電位及び駆動トランジスタTDRのソース電極の電位Vsが、初期化電位VINIと等しくなる。ここで、初期化電位VINIは、例えば、-2V程度であり、発光素子ELRのアノード電極の電位及び駆動トランジスタTDRのソース電極の電位Vsは、時点t2から時点t3にかけて、+1V程度以上の電位から、-2V程度の電位まで低下する。これに伴い、駆動トランジスタTDRのゲート電極の電位Vgも低下する。
【0045】
上述のとおり、制御信号線ini(i)に入力される制御信号がLレベル及びHレベルである場合に、初期化トランジスタT1Rは、それぞれオフ状態及びオン状態となる。ここで、初期化トランジスタT1Rのソース電極には、初期化電位VINIが印加される。制御信号がLレベルである場合に、初期化トランジスタT1Rをオフ状態とするために、制御信号のLレベル、つまり、駆動パルスのLレベルは、初期化電位VINIより低い電位に設定される。本実施の形態に係る表示装置1においては、制御信号g_out(1)~g_out(N)は、それぞれ、制御信号線ini(1)~ini(N)に入力されるため、制御信号g_out(1)~g_out(N)のLレベルは初期化電位VINIより低い電位に設定される。本実施の形態では、制御信号g_out(1)~g_out(N+2)のLレベル及びHレベルは、それぞれ、例えば、-4V程度、及び、10V程度に設定される。
【0046】
なお、本実施の形態では、時点t2から時点t3までの初期化期間に、駆動トランジスタTDRに比較的大きいオン電流が流れて、初期化電位線Liniの電圧降下が生じ得る。そのため、初期化電位線Liniに印加する電位を、電圧降下分だけ増大させておいてもよい。
【0047】
続いて、時点t3において、制御信号線ini(i)に入力される制御信号がLレベルとなり、制御信号線ref(i)に駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t3から時点t4まで、制御信号線ref(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。つまり、ゲートドライバ13のi+1段目のドライバ回路Di+1からの制御信号g_out(i+1)がHレベルとなる。これに伴い、参照トランジスタT2Rのソース電極とドレイン電極との間がオン状態となる。これにより、駆動トランジスタTDRのゲート電極の電位、及び、保持容量CSRの一方の電極の電位が、参照電位VREFと等しくなる。ここで、参照電位VREFは、例えば、+1V程度である。これにより、駆動トランジスタTDRの閾値補償を行うことができる。つまり、駆動トランジスタTDRのゲート電位Vgとソース電位Vsとの差Vg-Vsが閾値Vtと等しくなる。時点t3から時点t4までの期間は、Vt補償期間である。
【0048】
続いて、時点t4において、制御信号線ref(i)に入力される制御信号がLレベルとなり、制御信号線ws(i)に駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t4から時点t5まで、制御信号線ws(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。つまり、ゲートドライバ13のi+2段目のドライバ回路Di+2からの制御信号g_out(i+2)がHレベルとなる。これに伴い、書込みトランジスタT3Rのソース電極とドレイン電極との間がオン状態となる。これにより、駆動トランジスタTDRのゲート電極の電位、及び、保持容量CSRの一方の電極の電位が、データ信号線Ldr(j)に印加されるデータ信号の電圧と等しくなる。つまり、時点t4から時点t5までの期間は、データ書込み期間である。このように、保持容量CSRにデータ信号に対応する電圧が保持されることで、駆動トランジスタTDRがデータ信号に対応する電流を発光素子ELRに供給する。したがって、データ信号に対応する輝度で発光素子ELRが発光する。他のサブ画素回路11G、11Bについてもサブ画素回路11Rと同様の動作を行う。
【0049】
以上のように、本実施の形態に係る表示装置1の駆動方法は、ゲートドライバ13から、1垂直周期あたりに、複数の画素回路10が含む複数の行の各々に含まれる初期化トランジスタT1Rに一つの駆動パルスが入力されるステップと、書込みトランジスタT3R及び参照トランジスタT2Rの各々に、複数の行のうち互いに異なる他の行に含まれる初期化トランジスタT1Rに入力される一つの駆動パルスが入力されるステップとを含む。
【0050】
具体的には、
図7に示されるように、i行目に配置される画素回路10に含まれる各サブ画素回路の制御信号線ini(i)には、ゲートドライバ13のi段目のドライバ回路D
iからの制御信号g_out(i)が入力される。制御信号線ref(i)には、ゲートドライバ13のi+1段目のドライバ回路D
i+1からの制御信号g_out(i+1)が入力される。制御信号線ws(i)には、ゲートドライバ13のi+2段目のドライバ回路D
i+2からの制御信号g_out(i+2)が入力される。なお、
図7に示されるように、ゲートドライバ13は、垂直周期のうち、1フレームに対応する期間に駆動パルスを出力し、帰線期間においては、駆動パルスを出力しない。
【0051】
以上のような駆動方法により、1系統のシフトレジスタで構成されるゲートドライバ13によって、各サブ画素回路を駆動することができる。
【0052】
[1-4.効果]
次に、本実施の形態に係る表示装置1及びその駆動方法の効果について
図8を用いて比較例1の表示装置と比較しながら説明する。
図8は、比較例1の表示装置のゲートドライバ93の機能構成を示すブロック図である。
【0053】
比較例1の表示装置の表示部12の各制御信号線には、本実施の形態に係る表示部12の各制御信号線と同様の制御信号が入力される。しかしながら、比較例1の表示装置においては、ゲートドライバ93の構成が、本実施の形態に係るゲートドライバ13の構成と異なる。比較例1のゲートドライバ93は、複数の画素回路10の各行の制御信号線ini(i)に制御信号を出力する初期化ドライバ93iniと、制御信号線rer(i)に制御信号を出力する参照ドライバ93refと、制御信号線ws(i)に制御信号を出力する書込みドライバ93wsとを有する。
【0054】
初期化ドライバ93iniは、一列にカスケードに接続されるN個のドライバ回路D1~DNを有し、スタートパルスini_spが1段目のドライバ回路D1に入力される。これにより、初期化ドライバ93iniは、N個の駆動パルスを順次出力する。参照ドライバ93refは、一列にカスケードに接続されるN個のドライバ回路D1~DNを有し、スタートパルスref_spが1段目のドライバ回路D1に入力される。これにより、参照ドライバ93refは、N個の駆動パルスを順次出力する。書込みドライバ93wsは、一列にカスケードに接続されるN個のドライバ回路D1~DNを有し、スタートパルスws_spが1段目のドライバ回路D1に入力される。これにより、書込みドライバ93wsは、N個の駆動パルスを順次出力する。
【0055】
上述したようなゲートドライバ93を備える比較例1の表示装置においても、本実施の形態に係る表示装置1と同様に複数の画素回路10を駆動することができるが、ゲートドライバ93が3系統のシフトレジスタを有する。これに対して、本実施の形態に係るゲートドライバ13は、1系統のシフトレジスタで構成されるため、本実施の形態に係る表示装置1では、ゲートドライバ13の構成を簡素化できる。これにより、表示装置1の表示部12の周辺に配置される回路を約1/3に低減できるため、表示装置1の額縁を狭くすることができる。また、表示装置1のデザイン性も高めることができる。また、ゲートドライバ13の構成を簡素化できるため、表示装置1のコストを削減することができる。また、ゲートドライバ13の構成を簡素化できるため、ゲートドライバ13に起因する表示装置1の動作不良を低減できる。したがって、表示装置1の歩留まりを改善することができる。
【0056】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る表示装置及びその駆動方法について説明する。本実施の形態に係る表示装置は、制御信号線ref(i)にVt補償用の駆動パルスだけでなく、各発光素子を消灯するための駆動パルスも入力される点において、実施の形態1に係る表示装置1と相違する。以下、本実施の形態に係る表示装置及びその駆動方法について、実施の形態1に係る表示装置1及びその駆動方法との相違点を中心に説明する。
【0057】
[2-1.ゲートドライバ構成]
まず、本実施の形態に係る表示装置が備えるゲートドライバについて
図9を用いて説明する。
図9は、本実施の形態に係るゲートドライバ113の機能構成を示すブロック図である。なお、
図9には、表示部12も併せて示されている。
【0058】
図9に示されるように、ゲートドライバ113は、一列にカスケードに接続されるN+3個のドライバ回路D
0~D
N+2を有する1系統のシフトレジスタである。複数のドライバ回路D
0~D
N+2の各々は、実施の形態1に係る各ドライバ回路と同様の構成を有する。複数のドライバ回路D
0~D
N+2は、それぞれ、制御信号g_out(0)~g_out(N+2)を出力する。本実施の形態に係るゲートドライバ113は、実施の形態1に係るゲートドライバ13と同様に、クロックパルスに同期した駆動パルスを含む制御信号g_out(0)~g_out(N+2)を出力する。
【0059】
制御信号g_out(0)~g_out(N-1)は、それぞれ、制御信号線ref(1)~ref(N)に入力される。言い換えると、i-1段目のドライバ回路Di-1が出力する制御信号g_out(i-1)は、制御信号線ref(i)に入力される(1≦i≦N)。また、制御信号g_out(1)~g_out(N)は、それぞれ、制御信号線ini(1)~ini(N)に入力される。言い換えると、i段目のドライバ回路Diが出力する制御信号g_out(i)は、制御信号線ini(i)に入力される。また、制御信号g_out(2)~gout(N+1)は、それぞれ、制御信号線ref(1)~ref(N)に入力される。言い換えると、i+1段目のドライバ回路Di+1が出力する制御信号g_out(i+1)は、制御信号線ref(i)に入力される。また、制御信号g_out(3)~gout(N+2)は、それぞれ、制御信号線ws(1)~ws(N)に入力される。言い換えると、i+2段目のドライバ回路Di+2が出力する制御信号g_out(i+2)は、制御信号線ws(i)に入力される。
【0060】
[2-2.駆動方法]
次に、本実施の形態に係る表示装置の駆動方法について
図10及び
図11を用いて説明する。
図10は、本実施の形態に係る表示装置のサブ画素回路11Rにおける各制御信号と、駆動トランジスタTD
Rのソース電位及びゲート電位との関係を示す模式的なタイミングチャートである。
図10には、マトリクス状に配置された複数の画素回路10のうち、i行目に配置される画素回路10が有するサブ画素回路11Rにおける各電位などが示されている。
図11は、本実施の形態に係る表示装置の各制御信号線に入力される駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【0061】
図10に示されるように、時点t1までは、制御信号はいずれもLレベルであり、発光素子EL
Rは、直前の垂直周期におけるデータ信号に対応する発光状態にある。
【0062】
続いて、時点t1に制御信号線ref(i)に駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t1から時点t2まで、入力される制御信号がHレベルとなる。つまり、ゲートドライバ113のi-1段目のドライバ回路Di-1からの制御信号g_out(i-1)がHレベルとなる。これに伴い、参照トランジスタT2Rのソース電極とドレイン電極との間がオン状態となる。これにより、駆動トランジスタTDRのゲート電極の電位、及び、保持容量CSRの一方の電極の電位が、参照電位VREFと等しくなる。ここで、参照電位VREFは、例えば、+1V程度である。これにより、発光素子ELRが消灯される。つまり、時点t1に制御信号線ref(i)に入力される駆動パルスは、消灯パルスである。本実施の形態では、制御信号線ref(i)に消灯パルスが入力されるため、駆動トランジスタTDRのゲート電位Vgとソース電位Vsとの差Vg-Vsを閾値Vtより小さくすることができる。このため、駆動トランジスタTDRにオン電流が流れることに伴う初期化電位線の電圧降下を抑制できる。
【0063】
続いて、時点t2において、制御信号線ref(i)に入力される制御信号がLレベルとなり、制御信号線ini(i)に駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t2から時点t3まで、制御信号線ini(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。i行目に配置される画素回路10に含まれるサブ画素回路11Rの制御信号線ini(i)には、ゲートドライバ113のi段目のドライバ回路Diからの制御信号g_out(i)が入力され、制御信号g_out(i)は、時点t2から時点t3までHレベルとなる。これに伴い、初期化トランジスタT1Rのソース電極とドレイン電極との間がオン状態となるため、発光素子ELRのアノード電極と、初期化電位線Liniとが接続される。これにより、発光素子ELRのアノード電極の電位及び駆動トランジスタTDRのソース電極の電位Vsが、初期化電位VINIと等しくなる。ここで、初期化電位VINIは、例えば、-2V程度であり、発光素子ELRのアノード電極の電位及び駆動トランジスタTDRのソース電極の電位Vsは、時点t2から時点t3にかけて、+1V程度以上の電位から、-2V程度の電位まで低下する。これに伴い、駆動トランジスタTDRのゲート電極の電位Vgも低下する。
【0064】
続いて、時点t3において、制御信号線ini(i)に入力される制御信号がLレベルとなり、制御信号線ref(i)に駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t3から時点t4まで、制御信号線ref(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。つまり、ゲートドライバ113のi+1段目のドライバ回路Di+1からの制御信号g_out(i+1)がHレベルとなる。これに伴い、参照トランジスタT2Rのソース電極とドレイン電極との間がオン状態となる。これにより、駆動トランジスタTDRのゲート電極の電位、及び、保持容量CSRの一方の電極の電位が、参照電位VREFと等しくなる。ここで、参照電位VREFは、例えば、+1V程度である。これにより、駆動トランジスタTDRの閾値補償を行うことができる。つまり、駆動トランジスタTDRのゲート電位Vgとソース電位Vsとの差Vg-Vsが閾値Vtと等しくなる。
【0065】
続いて、時点t4において、制御信号線ref(i)に入力される制御信号がLレベルとなり、制御信号線ws(i)に駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t4から時点t5まで、制御信号線ws(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。つまり、ゲートドライバ113のi+2段目のドライバ回路Di+2からの制御信号g_out(i+2)がHレベルとなる。これに伴い、書込みトランジスタT3Rのソース電極とドレイン電極との間がオン状態となる。これにより、駆動トランジスタTDRのゲート電極の電位、及び、保持容量CSRの一方の電極の電位が、データ信号線Ldr(j)に印加されるデータ信号の電圧と等しくなる。つまり、時点t4から時点t5までの期間は、データ書込み期間である。このように、保持容量CSRにデータ信号に対応する電圧が保持されることで、駆動トランジスタTDRがデータ信号に対応する電流を発光素子ELRに供給する。したがって、データ信号に対応する輝度で発光素子ELRが発光する。他のサブ画素回路11G、11Bについてもサブ画素回路11Rと同様の動作を行う。
【0066】
以上のように、本実施の形態に係る表示装置の駆動方法は、ゲートドライバ113から、1垂直周期あたりに、複数の画素回路10が含む複数の行の各々に含まれる初期化トランジスタT1
Rに一つの駆動パルスが入力されるステップと、書込みトランジスタT3
R及び参照トランジスタT2
Rの各々に、複数の行のうち互いに異なる他の行に含まれる初期化トランジスタT1
Rに入力される一つの駆動パルスが入力されるステップとを含む。具体的には、
図11に示されるように、i行目に配置される画素回路10に含まれる各サブ画素回路の制御信号線ini(i)には、ゲートドライバ113のi段目のドライバ回路D
iからの制御信号g_out(i)が入力される。制御信号線ref(i)には、ゲートドライバ113のi-1段目のドライバ回路D
i-1からの制御信号g_out(i-1)、及び、i+1段目のドライバ回路D
i+1からの制御信号g_out(i+1)が入力される。制御信号線ws(i)には、ゲートドライバ113のi+2段目のドライバ回路D
i+2からの制御信号g_out(i+2)が入力される。
【0067】
このような駆動方法により、1系統のシフトレジスタで構成されるゲートドライバ113によって、各サブ画素回路を駆動することができる。
【0068】
[2-3.効果]
次に、本実施の形態に係る表示装置及びその駆動方法の効果を説明する。本実施の形態に係る表示装置及びその駆動方法によれば、実施の形態1と同様の効果が奏される。さらに、本実施の形態では、各サブ画素回路の参照トランジスタには、1垂直周期あたりに、複数の画素回路10の互いに異なる二つの行の各々に対応する一つの駆動パルスが入力される。これにより、各サブ画素回路の駆動態様の自由度を高めることができる。具体的には、サブ画素回路11Rの参照トランジスタT2Rには、初期化トランジスタT1Rに駆動パルスが入力された後であって、書込みトランジスタT3Rに最初に一つの駆動パルスが入力される前に、一つの駆動パルスが入力され、かつ、書込みトランジスタT3Rに一つの駆動パルスが入力された後であって、初期化トランジスタT1Rに最初に一つの駆動パルスが入力される前に、一つの駆動パルスが入力される。
【0069】
このように初期化期間の前に参照トランジスタT2Rに駆動パルスを入力することで、初期化期間の前に消灯期間を設けることができる。したがって、駆動トランジスタTDRのゲート電位を初期化期間の前に参照電位程度に低減できるため、初期化期間における駆動トランジスタTDRのオン電流を低減できる。これにより、初期化電位線の電圧降下を低減できる。
【0070】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る表示装置及びその駆動方法について説明する。本実施の形態に係る表示装置は、ゲートドライバが制御信号線ref(i)にVt補償用の複数の駆動パルスを出力する点において、実施の形態1に係る表示装置1と相違する。以下、本実施の形態に係る表示装置及びその駆動方法について、実施の形態1に係る表示装置1及びその駆動方法との相違点を中心に説明する。
【0071】
[3-1.ゲートドライバ構成]
まず、本実施の形態に係る表示装置が備えるゲートドライバについて
図12を用いて説明する。
図12は、本実施の形態に係るゲートドライバ213の機能構成を示すブロック図である。なお、
図12には、表示部12も併せて示されている。
【0072】
図12に示されるように、ゲートドライバ213は、一列にカスケードに接続される複数のドライバ回路を有する1系統のシフトレジスタである。本実施の形態では、ゲートドライバ213は、N+4個のドライバ回路D
1~D
N+4を有する。ドライバ回路D
1~D
N+4の各々は、実施の形態1に係る各ドライバ回路と同様の構成を有する。複数のドライバ回路D
1~D
N+4は、それぞれ、制御信号g_out(1)~g_out(N+4)を出力する。本実施の形態に係るゲートドライバ213は、実施の形態1に係るゲートドライバ13と同様に、クロックパルスに同期した駆動パルスを含む制御信号g_out(1)~g_out(N+4)を出力する。ゲートドライバ213は、マトリクス状に配置される複数の画素回路10が含む複数の行の各々に対応する一つの駆動パルスを出力する。
【0073】
また、制御信号g_out(1)~g_out(N)は、それぞれ、制御信号線ini(1)~ini(N)に入力される。言い換えると、i段目のドライバ回路Diが出力する制御信号g_out(i)は、制御信号線ini(i)に入力される。また、制御信号g_out(2)~gout(N+1)は、それぞれ、制御信号線ref(1)~ref(N)に入力される。言い換えると、i+1段目のドライバ回路Di+1が出力する制御信号g_out(i+1)は、制御信号線ref(i)に入力される。また、制御信号g_out(3)~gout(N+2)も、それぞれ、制御信号線ref(1)~ref(N)に入力される。言い換えると、i+2段目のドライバ回路Di+2が出力する制御信号g_out(i+2)も、制御信号線ref(i)に入力される。また、制御信号g_out(4)~gout(N+3)も、それぞれ、制御信号線ref(1)~ref(N)に入力される。言い換えると、i+3段目のドライバ回路Di+3が出力する制御信号g_out(i+3)も、制御信号線ref(i)に入力される。また、制御信号g_out(5)~gout(N+4)は、それぞれ、制御信号線ws(1)~ws(N)に入力される。言い換えると、i+4段目のドライバ回路Di+4が出力する制御信号g_out(i+4)は、制御信号線ws(i)に入力される。
【0074】
[3-2.駆動方法]
次に、本実施の形態に係る表示装置の駆動方法について
図13及び
図14を用いて説明する。
図13は、本実施の形態に係る表示装置のサブ画素回路11Rにおける各制御信号線に入力される駆動パルスを示すタイミングチャートである。
図13には、マトリクス状に配置された複数の画素回路10のうち、i行目に配置される画素回路10が有するサブ画素回路11Rにおける各制御信号線に入力される駆動パルスが示されている。
図14は、本実施の形態に係る表示装置の各制御信号線に入力される駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【0075】
図13に示されるように、時点t4までは、実施の形態1と同様の駆動パルスがサブ画素回路11Rに入力される。
【0076】
続いて、時点t4において、制御信号g_out(i+1)は、Lレベルとなり、制御信号線ref(i)に制御信号g_out(i+2)の駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t4から時点t5まで、制御信号線ref(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。つまり、ゲートドライバ213のi+2段目のドライバ回路Di+2からの制御信号g_out(i+2)がHレベルとなる。これに伴い、参照トランジスタT2Rのソース電極とドレイン電極との間がオン状態に維持される。これにより、Vt補償期間が時点t5まで継続される。
【0077】
続いて、時点t5において、制御信号g_out(i+2)は、Lレベルとなり、制御信号線ref(i)に制御信号g_out(i+3)の駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t5から時点t6まで、制御信号線ref(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。つまり、ゲートドライバ213のi+3段目のドライバ回路Di+3からの制御信号g_out(i+3)がHレベルとなる。これに伴い、参照トランジスタT2Rのソース電極とドレイン電極との間がオン状態に維持される。これにより、Vt補償期間が時点t6まで継続される。
【0078】
続いて、時点t6において、制御信号g_out(i+3)は、Lレベルとなることで制御信号線ref(i)に入力される制御信号がLレベルとなり、制御信号線ws(i)に駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t6から時点t7まで、制御信号線ws(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。つまり、ゲートドライバ213のi+4段目のドライバ回路Di+4からの制御信号g_out(i+4)がHレベルとなる。これに伴い、書込みトランジスタT3Rのソース電極とドレイン電極との間がオン状態となる。これにより、駆動トランジスタTDRのゲート電極の電位、及び、保持容量CSRの一方の電極の電位が、データ信号線Ldr(j)に印加されるデータ信号の電圧と等しくなる。つまり、時点t6から時点t7までの期間は、データ書込み期間である。このように、保持容量CSRにデータ信号に対応する電圧が保持されることで、駆動トランジスタTDRがデータ信号に対応する電流を発光素子ELRに供給する。したがって、データ信号に対応する輝度で発光素子ELRが発光する。他のサブ画素回路11G、11Bについてもサブ画素回路11Rと同様の動作を行う。
【0079】
以上のように、本実施の形態に係る表示装置の駆動方法は、ゲートドライバ213から、1垂直周期あたりに、複数の画素回路10が含む複数の行の各々に含まれる初期化トランジスタT1
Rに一つの駆動パルスが入力されるステップと、書込みトランジスタT3
R及び参照トランジスタT2
Rの各々に、複数の行のうち互いに異なる他の行に含まれる初期化トランジスタT1
Rに入力される一つの駆動パルスが入力されるステップとを含む。具体的には、
図14に示されるように、i行目に配置される画素回路10に含まれる各サブ画素回路の制御信号線ini(i)には、ゲートドライバ213のi段目のドライバ回路D
iからの制御信号g_out(i)が入力される。制御信号線ref(i)には、ゲートドライバ213のi+1段目のドライバ回路D
i+1からの制御信号g_out(i+1)、i+2段目のドライバ回路D
i+2からの制御信号g_out(i+2)、及び、i+3段目のドライバ回路D
i+3からの制御信号g_out(i+3)が入力される。制御信号線ws(i)には、ゲートドライバ213のi+4段目のドライバ回路D
i+4からの制御信号g_out(i+4)が入力される。
【0080】
このような駆動方法により、1系統のシフトレジスタで構成されるゲートドライバ213によって、各サブ画素回路を駆動することができる。なお、本実施の形態では、Vt補償期間は、三つの駆動パルスで形成されたが、二つ又は四つ以上の駆動パルスで形成されてもよい。
【0081】
[3-3.効果]
次に、本実施の形態に係る表示装置及びその駆動方法の効果を説明する。本実施の形態に係る表示装置及びその駆動方法によれば、実施の形態1と同様の効果が奏される。さらに、本実施の形態では、各サブ画素回路の参照トランジスタには、1垂直周期あたりに、複数の画素回路10の互いに異なる二つの行の各々に対応する一つの駆動パルスが入力される。これにより、各サブ画素回路の駆動態様の自由度を高めることができる。具体的には、サブ画素回路11Rの参照トランジスタT2Rには、初期化トランジスタT1Rに駆動パルスが入力された後であって、最初に書込みトランジスタT3Rに一つの駆動パルスが入力される前に、複数の画素回路10の互いに異なる二つ以上の行の各々に対応する一つの駆動パルスが入力される。
【0082】
これにより、Vt補償期間の長さを初期化期間及び書込み期間より長くすることができる。また、Vt補償期間の長さを1水平周期より長くすることができる。したがって、閾値補償に1水平周期以上の時間を要する場合にも、確実に閾値補償を行うことができる。
【0083】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る表示装置及びその駆動方法について説明する。本実施の形態に係る表示装置は、ゲートドライバが二つに分離されている点において、実施の形態1に係る表示装置1と相違する。以下、本実施の形態に係る表示装置について、実施の形態1に係る表示装置1との相違点であるゲートドライバを中心に説明する。
【0084】
[4-1.ゲートドライバ構成]
まず、本実施の形態に係る表示装置が備えるゲートドライバについて
図15を用いて説明する。
図15は、本実施の形態に係るゲートドライバ313の機能構成を示すブロック図である。なお、
図15には、表示部12も併せて示されている。
【0085】
図15に示されるように、本実施の形態に係るゲートドライバ313は、第一ドライバ313a及び第二ドライバ313bを有する。第一ドライバ313a及び第二ドライバ313bの各々は、複数の画素回路10の少なくとも一つの行に含まれる初期化トランジスタT1
Rに入力される一つの駆動パルスを出力する。第一ドライバ313a及び第二ドライバ313bは、制御信号線を介して互いに分離されており、表示部12は、第一ドライバ313aと第二ドライバ313bとの間に配置される。本実施の形態では、第一ドライバ313aと第二ドライバ313bとは、表示部12の水平方向に分離されて配置されている。
【0086】
本実施の形態では、第一ドライバ313aは、奇数段目のドライバ回路D1、D3、・・・、DN+1を有し、第二ドライバ313bは、偶数段目のドライバ回路D2、D4、・・・、DN+2を有する。第一ドライバ313aのドライバ回路D1、D3、・・・、DN+1は、それぞれ、第二ドライバ313bのドライバ回路D2、D4、・・・、DN+2に制御信号を出力する。また、第二ドライバ313bのドライバ回路D2、D4、・・・、DNは、それぞれ、第一ドライバ313aのドライバ回路D3、D5、・・・、DN+1に制御信号を出力する。つまり、第一ドライバ313aと第二ドライバ313bとが、実施の形態1に係るゲートドライバ13と同様の1系統のシフトレジスタを形成する。
【0087】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、ドライバ回路D1~DN+2は、それぞれ、制御信号g_out(1)~g_out(N+2)を出力する。制御信号g_out(1)~g_out(N)は、それぞれ、制御信号線ini(1)~ini(N)に入力される。また、制御信号g_out(2)~gout(N+1)は、それぞれ、制御信号線ref(1)~ref(N)に入力される。また、制御信号g_out(3)~gout(N+2)は、それぞれ、制御信号線ws(1)~ws(N)に入力される。
【0088】
本実施の形態に係るゲートドライバ313は、以上のような構成を有することにより、実施の形態1に係るゲートドライバ13と同様の制御信号を表示部12に出力できる。
【0089】
なお、本実施の形態では、第一ドライバ313aは、奇数段目のドライバ回路を有し、第二ドライバ313bは、偶数段目のドライバ回路を有するが、第一ドライバ313a及び第二ドライバ313bの各構成はこれに限定されない。例えば、第一ドライバ313aが、1段目、4段目、5段目、8段目、9段目、・・・のドライバ回路を有し、第二ドライバ313bが、2段目、3段目、6段目、7段目、10段目、・・・のドライバ回路を有してもよい。つまり、第一ドライバ313a及び第二ドライバ313bの各々が、二つの連続する段のドライバ回路を有してもよい。
【0090】
[4-2.効果]
次に、本実施の形態に係る表示装置及びその駆動方法によれば、実施の形態1に係る表示装置1及びその駆動方法と同様の効果が奏される。さらに、本実施の形態では、ゲートドライバ313は、第一ドライバ313a及び第二ドライバ313bを有し、第一ドライバ313a及び第二ドライバ313bの各々は、複数の画素回路10の少なくとも一つの行に含まれる初期化トランジスタT1Rに入力される一つの駆動パルスを出力し、表示部12は、第一ドライバ313aと第二ドライバ313bとの間に配置される。
【0091】
これにより、第一ドライバ313a及び第二ドライバ313bの各々の回路を、例えば、実施の形態1に係るゲートドライバ13の半分程度の個数の素子で構成できる。したがって、第一ドライバ313a及び第二ドライバ313bが配置される部分の額縁の幅を、実施の形態1に係るゲートドライバ13が配置される部分の額縁の幅より削減することができる。これにより、表示装置のデザイン性をより一層高めることができる。
【0092】
(実施の形態5)
実施の形態5に係る表示装置及びその駆動方法について説明する。本実施の形態に係る表示装置は、ゲートドライバが出力する駆動パルスの幅が、1水平周期より長い点において、実施の形態1に係る表示装置1と相違する。以下、本実施の形態に係る表示装置及びその駆動方法について、実施の形態1に係る表示装置1及びその駆動方法との相違点を中心に説明する。
【0093】
[5-1.ゲートドライバ構成]
まず、本実施の形態に係る表示装置が備えるゲートドライバについて
図16を用いて説明する。
図16は、本実施の形態に係るゲートドライバ413の機能構成を示すブロック図である。なお、
図16には、表示部12も併せて示されている。
図17は、本実施の形態に係るゲートドライバ413が出力する駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【0094】
図16に示されるように、ゲートドライバ413は、一列にカスケードに接続される複数のドライバ回路を有する1系統のシフトレジスタである。本実施の形態では、ゲートドライバ413は、N+4個のドライバ回路D
1~D
N+4を有する。
【0095】
ドライバ回路D
1~D
N+4の各々は、実施の形態1に係る各ドライバ回路と同様の構成を有する。複数のドライバ回路D
1~D
N+4は、それぞれ、制御信号g_out(1)~g_out(N+4)を出力する。本実施の形態に係るゲートドライバ413は、実施の形態1に係るゲートドライバ13と同様に、クロックパルスに同期した駆動パルスを含む制御信号g_out(1)~g_out(N+4)を出力する。本実施の形態では、
図17に示されるように、各駆動パルスの幅は、1水平周期より長い。具体的には、各駆動パルスの幅は、2水平周期である。このような駆動パルスを出力するゲートドライバ413は、例えば、
図4に示されるような、フリップフロップ回路を用いたシフトレジスタで実現できる。各駆動パルスの幅は、例えば、スタートパルスspのパルス幅を調整することによって変化させることができる。
【0096】
制御信号g_out(1)~g_out(N)は、それぞれ、制御信号線ini(1)~ini(N)に入力される。言い換えると、i段目のドライバ回路Diが出力する制御信号g_out(i)は、制御信号線ini(i)に入力される。また、制御信号g_out(3)~gout(N+2)は、それぞれ、制御信号線ref(1)~ref(N)に入力される。言い換えると、i+2段目のドライバ回路Di+2が出力する制御信号g_out(i+2)は、制御信号線ref(i)に入力される。また、制御信号g_out(5)~gout(N+4)は、それぞれ、制御信号線ws(1)~ws(N)に入力される。言い換えると、i+4段目のドライバ回路Di+4が出力する制御信号g_out(i+4)は、制御信号線ws(i)に入力される。
【0097】
[5-2.駆動方法]
次に、本実施の形態に係る表示装置の駆動方法について
図18を用いて説明する。
図18は、本実施の形態に係る表示装置のサブ画素回路11Rにおける各制御信号線に入力される駆動パルスを示すタイミングチャートである。
図18には、マトリクス状に配置された複数の画素回路10のうち、i行目に配置される画素回路10が有するサブ画素回路11Rにおける各制御信号線に入力される駆動パルスが示されている。
【0098】
図18に示されるように、時点t1から時点t2までは、制御信号はいずれもLレベルであり、発光素子EL
Rは、直前の垂直周期におけるデータ信号に対応する発光状態にある。
【0099】
続いて、時点t2において、制御信号線ini(i)に駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t2から時点t4まで、制御信号線ini(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。i行目に配置される画素回路10に含まれるサブ画素回路11Rの制御信号線ini(i)には、ゲートドライバ413のi段目のドライバ回路Diからの制御信号g_out(i)が入力され、制御信号g_out(i)は、時点t2から時点t4までHレベルとなる。
【0100】
続いて、時点t4において、制御信号線ini(i)に入力される制御信号がLレベルとなり、制御信号線ref(i)に駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t4から時点t6まで、制御信号線ref(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。つまり、ゲートドライバ413のi+2段目のドライバ回路Di+2からの制御信号g_out(i+2)がHレベルとなる。
【0101】
続いて、時点t6において、制御信号線ref(i)に入力される制御信号がLレベルとなり、制御信号線ws(i)に駆動パルスが入力される。これに伴い、時点t6から時点t8まで、制御信号線ws(i)に入力される制御信号がHレベルとなる。つまり、ゲートドライバ413のi+4段目のドライバ回路Di+4からの制御信号g_out(i+4)がHレベルとなる。
【0102】
以上のように、本実施の形態に係る表示装置の駆動方法においても、実施の形態1に係る表示装置1の駆動方法と同様に各サブ画素回路を駆動することができる。
【0103】
なお、本実施の形態では、各駆動パルスの幅を2水平周期としたが、各駆動パルスの幅は、これに限定されない。例えば、各駆動パルスの幅は、3水平周期以上であってもよい。
【0104】
[5-3.効果]
本実施の形態に係る表示装置及びその駆動方法においても、実施の形態1に係る表示装置1及びその駆動方法と同様の効果が奏される。また、本実施の形態に係る表示装置及びその駆動方法においては、初期化期間、Vt補償期間、及び、書込み期間を1水平周期より長くできるため、各期間に1水平周期より長い時間を要する場合にも、各サブ画素回路を適切に駆動できる。
【0105】
(その他の実施の形態)
以上、本開示に係る表示装置などについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示に係る表示装置などは、上記実施の形態に限定されるものではない。実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、実施の形態に対して本開示の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本実施の形態に係る処理回路などを内蔵した各種機器も本開示に含まれる。
【0106】
実施の形態2に係る表示装置と実施の形態3に係る表示装置とを組み合わせてもよい。つまり、サブ画素回路の制御信号線ref(i)に初期化パルスを入力し、かつ、複数の駆動パルスをVt補償期間に入力してもよい。
【0107】
また、実施の形態2、3、5に係る表示装置において、実施の形態4に係る表示装置のように、ゲートドライバを第一ドライバ及び第二ドライバに分離してもよい。
【0108】
また、本開示に係る表示装置における画素回路の構成は、上記各実施の形態で用いた画素回路の構成に限定されない。例えば、画素回路は、一つ又は二つのサブ画素回路だけを有してもよいし、4つ以上のサブ画素回路を有してもよい。また、サブ画素回路の構成は、上記各実施の形態で用いた画素回路の構成に限定されない。サブ画素回路として、他の公知のサブ画素回路を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本開示は、額縁の幅を削減できる表示装置として、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受信機などの様々な映像表示装置に広く利用できる。
【符号の説明】
【0110】
1 表示装置
10 画素回路
11R、11G、11B サブ画素回路
12 表示部
13、93、113、213、313、413 ゲートドライバ
15 データドライバ
16 コントローラ
17 電源
93ini 初期化ドライバ
93ref 参照ドライバ
93ws 書込みドライバ
313a 第一ドライバ
313b 第二ドライバ
CSB、CSG、CSR 保持容量
ELB、ELG、ELR 発光素子
Lcat 負電源線
Lini 初期化電位線
Lref 参照電位線
Lvcc 正電源線
T1B、T1G、T1R 初期化トランジスタ
T2B、T2G、T2R 参照トランジスタ
T3B、T3G、T3R 書込みトランジスタ
TDB、TDG、TDR 駆動トランジスタ