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<図1>
  • 特開-塗工装置及び塗工方法 図1
  • 特開-塗工装置及び塗工方法 図2
  • 特開-塗工装置及び塗工方法 図3
  • 特開-塗工装置及び塗工方法 図4
  • 特開-塗工装置及び塗工方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109507
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】塗工装置及び塗工方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 31/02 20060101AFI20220721BHJP
   B41F 31/08 20060101ALI20220721BHJP
   B41M 1/10 20060101ALI20220721BHJP
   B41F 9/00 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
B41F31/02 A
B41F31/08
B41F31/02 B
B41M1/10
B41F9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004865
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】000237260
【氏名又は名称】富士機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196380
【弁理士】
【氏名又は名称】森 匡輝
(72)【発明者】
【氏名】森川 亮
(72)【発明者】
【氏名】岩藤 浩充
(72)【発明者】
【氏名】岩本 好司
(72)【発明者】
【氏名】磯崎 徹
(72)【発明者】
【氏名】片岡 啓治
(72)【発明者】
【氏名】丹生谷 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 怜志
(72)【発明者】
【氏名】松永 真一
(72)【発明者】
【氏名】村上 徹
(72)【発明者】
【氏名】久保 寛次
【テーマコード(参考)】
2C034
2C250
2H113
【Fターム(参考)】
2C034AA22
2C250DB08
2C250DB14
2C250DB17
2H113AA01
2H113BA03
2H113BB22
(57)【要約】
【課題】版胴の版面のうち特定箇所にのみ塗工液を供給することが可能な塗工装置及び塗工方法を提供する。
【解決手段】グラビア印刷機1は、インキを保持するための凹部が版面に形成された版胴2と、ノズルを含むインクジェットヘッド3と、ドクターブレード4と、制御部5とを備える。版胴2は、版面に接する基材に対して凹部に保持されたインキを転写するためのシリンダである。インクジェットヘッド3は、微量のインキをノズルから噴霧することによって版胴の版面に対して直接又は間接的にインキを供給する。ドクターブレード4は、インキを凹部に押し込むと共に版面のうち凹部以外の部分に存在する余分なインキを掻き取る。制御部5は、インクジェットヘッド3によるインキの供給量を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗工液を保持するための凹部が版面に形成され、前記版面に接する基材に対して前記凹部に保持された前記塗工液を転写するための版胴と、
微量の前記塗工液をノズルから噴霧することによって前記版胴の前記版面に対して直接又は間接的に前記塗工液を供給するインクジェットヘッドと、
前記塗工液を前記凹部に押し込むとともに前記版面のうち前記凹部以外の部分に存在する余分な前記塗工液を掻き取るドクターブレードと、
前記インクジェットヘッドによる前記塗工液の供給量を制御する制御部と、を備える、
ことを特徴とする塗工装置。
【請求項2】
前記インクジェットヘッドは、微量の前記塗工液を前記版胴の前記版面に噴霧することによって前記塗工液を前記版面に対して直接供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
【請求項3】
前記塗工液を前記凹部に押し込むためのファニッシャロールを備え、
前記インクジェットヘッドは、微量の前記塗工液を前記ファニッシャロールに噴霧することによって前記ファニッシャロールを介して前記塗工液を前記版面に間接的に供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
【請求項4】
前記塗工液を前記凹部に押し込むためのファニッシャロールを備え、
前記インクジェットヘッドは、微量の前記塗工液を噴霧することによって前記版胴の前記版面と前記ファニッシャロールとの接触部分に形成される液溜部に前記塗工液を供給し、前記液溜部を介して前記塗工液を前記版面に間接的に供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
【請求項5】
前記塗工液を収容するタンクを備え、
前記インクジェットヘッドは、前記タンクに収容された新しい塗工液を前記ノズルから噴霧する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の塗工装置。
【請求項6】
前記塗工液は、溶剤型塗工液である、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の塗工装置。
【請求項7】
前記インクジェットヘッドは、前記ノズルの先端が前記版面の上半円よりも高い位置に配置されるように設置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
【請求項8】
インクジェットヘッドのノズルから微量の塗工液を噴霧することによって版胴の版面に対して前記塗工液を直接又は間接的に供給し、前記版胴に形成された凹部に前記塗工液を保持させ、
ドクターブレードを用いて前記塗工液を前記凹部に押し込むとともに前記版胴の前記版面のうち前記凹部以外の部分に存在する余分な前記塗工液を掻き取り、
前記版胴の前記版面に基材を印圧することによって前記凹部の塗工液を前記基材に転写させる、
ことを特徴とする塗工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗工液を噴霧する塗工装置及び塗工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グラビア印刷機において、インキパンに溜まるインキを、ファニッシャロールを介して版胴に付着させる技術が開発されている。例えば、特許文献1では、インキパンと、インキパンに溜まるインキに下部が浸漬された状態で回転するファニッシャロールと、ファニッシャロールに版面が圧接された状態で回転する版胴とを備えたグラビア印刷機が開示されている。
【0003】
また、インキパンを用いることなく、版胴の版面にインキを供給するグラビア印刷機も提案されている。例えば、特許文献2では、印刷用のインクを貯溜するインク容器を設置し、チュービングポンプを介してインク容器内のインクを散液パイプに供給し、散液パイプに設けられたノズルから版胴の版面とファニッシャロールとの対向部分にインキを噴射供給する印刷機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-198963号公報
【特許文献2】特開平5-286121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載の技術においては、本来必要なインキ量よりも多量のインキを要するという課題がある。また、インキが外気にさらされる面積が大きいため、インキに含まれる溶剤が揮発し易く、作業環境が汚染される可能性がある。
【0006】
また、上述した特許文献2に記載の技術においては、版胴の版面全体にインクが供給されるため、版胴の版面のうち特定箇所(例えば、絵柄(彫刻)が形成されている部分)にのみインクを供給することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、版胴の版面のうち特定箇所にのみ塗工液を供給することが可能な塗工装置及び塗工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る塗工装置は、
塗工液を保持するための凹部が版面に形成され、前記版面に接する基材に対して前記凹部に保持された前記塗工液を転写するための版胴と、
微量の前記塗工液をノズルから噴霧することによって前記版胴の前記版面に対して直接又は間接的に前記塗工液を供給するインクジェットヘッドと、
前記塗工液を前記凹部に押し込むとともに前記版面のうち前記凹部以外の部分に存在する余分な前記塗工液を掻き取るドクターブレードと、
前記インクジェットヘッドによる前記塗工液の供給量を制御する制御部と、を備える。
【0009】
また、前記インクジェットヘッドは、微量の前記塗工液を前記版胴の前記版面に噴霧することによって前記塗工液を前記版面に対して直接供給する、
こととしてもよい。
【0010】
また、前記塗工液を前記凹部に押し込むためのファニッシャロールを備え、
前記インクジェットヘッドは、微量の前記塗工液を前記ファニッシャロールに噴霧することによって前記ファニッシャロールを介して前記塗工液を前記版面に間接的に供給する、
こととしてもよい。
【0011】
また、前記塗工液を前記凹部に押し込むためのファニッシャロールを備え、
前記インクジェットヘッドは、微量の前記塗工液を噴霧することによって前記版胴の前記版面と前記ファニッシャロールとの接触部分に形成される液溜部に前記塗工液を供給し、前記液溜部を介して前記塗工液を前記版面に間接的に供給する、
こととしてもよい。
【0012】
また、前記塗工液を収容するタンクを備え、
前記インクジェットヘッドは、前記タンクに収容された新しい塗工液を前記ノズルから噴霧する、
こととしてもよい。
【0013】
また、前記塗工液は、溶剤型塗工液である、
こととしてもよい。
【0014】
また、前記インクジェットヘッドは、前記ノズルの先端が前記版面の上半円よりも高い位置に配置されるように設置されている、
こととしてもよい。
【0015】
また、本発明の第2の観点に係る塗工方法では、
インクジェットヘッドのノズルから微量の塗工液を噴霧することによって版胴の版面に対して前記塗工液を直接又は間接的に供給し、前記版胴に形成された凹部に前記塗工液を保持させ、
ドクターブレードを用いて前記塗工液を前記凹部に押し込むとともに前記版胴の前記版面のうち前記凹部以外の部分に存在する余分な前記塗工液を掻き取り、
前記版胴の前記版面に基材を印圧することによって前記凹部の塗工液を前記基材に転写させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、微量の塗工液をノズルから噴霧するインクジェットヘッドによって版胴の版面に塗工液が供給されるので、版胴の版面のうち特定箇所にのみ塗工液を供給することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係るグラビア印刷機を示す概略図である。
図2】第1の変形例に係るグラビア印刷機を示す概略図である。
図3】第2の変形例に係るグラビア印刷機を示す概略図である。
図4】インキを液溜部に保持するためのエアカーテンを示す概念図である。
図5】インクジェットヘッドとドクターブレードとの間に設けられるカバーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態)
本発明の実施形態に係る塗工装置及び塗工方法について図1を参照しながら説明する。以下では、本発明による塗工装置の一例として、図1に示すグラビア印刷機1を例示する。
【0019】
図1に示すように、グラビア印刷機1は、版胴2と、インクジェットヘッド3と、インキタンク31と、ドクターブレード4と、制御部5と、圧胴61と、ガイドロール62,63と、受けパン64とを備えて構成される。
【0020】
版胴2は、塗工液であるインキを保持するための凹部(セル)を版面に有するシリンダである。版胴2は、版面に印圧される印刷基材W(ウエブ)に対して凹部(セル)に充填されたインキを転写する。版胴2には、通常、鋼管に銅めっきが施された円筒状の部材が用いられる。
【0021】
インクジェットヘッド3は、ノズルから微量のインキを噴霧可能なインクジェット式のインクヘッドであり、360dpi(dots per inch)以上、1200dpi以下の解像度を有している。
【0022】
インクジェットヘッド3には、インキを充填するための充填用の流路(図示せず)が形成されている。充填用の流路に流入したインキの一部は、ノズルから吐出する。一方、ノズルから吐出されなかったインキは、充填用の流路から出力されて回収される。回収されたインキは、再び充填用の流路に流入する。すなわち、インクジェットヘッド3は、充填用の流路を介して一部のインキを循環するように構成されている。
【0023】
インクジェットヘッド3はインキタンク31に接続されており、インクジェットヘッド3にはインキタンク31に収容された新しいインキが供給される。インキタンク31から供給された新しいインキは、上述した充填用の流路に流入する。
【0024】
また、インキタンク31には、公知の補充機構が設けられている。補充機構は、インキタンクの液面の高さを所定の高さに維持する(水頭圧を一定に保つ)ための機構であり、液面調整機構などとも称される。具体的には、補充機構は、インキタンク31内のインキの液面を検知する液面センサーやインキタンク31を鉛直方向に移動させるジャッキ駆動機構などを備えて構成されている。
【0025】
なお、本実施形態では、インキタンク31に溶剤型インキ(溶剤型塗工液)が収容されており、溶剤型インキがインクジェットヘッド3から噴霧されるものとする。
【0026】
また、インクジェットヘッド3は、ノズルの先端が版胴2のうち上半円の版面よりも高い位置(詳細には0度から90度の間)に配置されるように設置されている。
【0027】
また、インクジェットヘッド3は、インクジェットヘッド3のノズル先端と版胴2の版面との直線距離(最短距離)が5mm(ミリメートル)以下となるように設置されている。
【0028】
なお、図示は省略するが、インクジェットヘッド3及びインキタンク31は、公知の台車に設置され、移動可能に設置されるようにしてもよい。インクジェットヘッド3及びインキタンク31が台車に設置されることで、既存のグラビア印刷機にも後付で設置することができる。
【0029】
ドクターブレード4は、金属、樹脂等の薄板によって構成される板状の部材である。ドクターブレード4は、版胴2の版面に接触させることによって、版面に彫られた凹部(セル)にインキを押し込むと共に、凹部以外の部分に存在する余分なインキを掻き取る。
【0030】
制御部5は、インクジェットヘッド3のノズルから噴霧されるインキの供給量を制御するためのコントローラである。制御部5は、版胴径、版胴幅、塗布量、印刷速度などの情報から自動的にインキの吐出量を調整する。
【0031】
圧胴61は、版胴2と対向するように設置され、印刷基材Wを版胴2に対して加圧するゴムロールである。
【0032】
ガイドロール62,63は、搬送方向上流側から搬送方向下流側に搬送される印刷基材Wを誘導するための部材である。
【0033】
図5は、圧胴61が版胴2から離間した状態(非ニップ状態)を示した図である。図5に示すように、非ニップ状態において、カバー65がインクジェットヘッド3とドクターブレード4との間に配置されるように構成されている。なお、カバー65は、非ニップ状態からニップ状態に移行する際に、図5の位置から退避し、圧胴61及び版胴2によるニップを阻害しないように構成されているものとする。
【0034】
上述した実施形態によれば、微量のインキをノズルから噴霧するインクジェットヘッド3よって版胴2の版面にインキが供給される。そのため、版胴2の版面のうち特定箇所(詳細には絵柄(彫刻)の存在する箇所)にのみインキを供給することが可能である。
【0035】
また、上述した実施形態によれば、インキタンク31のインキがインクジェットヘッド3に直接供給されるため、従来のようにインキパンやファニッシャロールを設ける必要がなく、インキが外気にさらされ難い。これにより、溶剤型インキに含まれる溶剤が揮発し、作業環境を汚染することもない。
【0036】
ところで、インクジェットヘッド3のノズル先端が版胴2の版面から離れるにつれて、ロール回転に伴う風や周囲の気流によって噴霧されたインキの一部が版胴2の版面に接触せず、インキ供給量が減少するおそれがある。
【0037】
これに対して、上述した実施形態によれば、インクジェットヘッド3のノズル先端と版胴2の版面との直線距離(最短距離)が5mm(ミリメートル)以下であり、ノズル先端が版胴2の版面に近接している。そのため、ノズル先端から噴霧されたインキを版胴2の版面に確実に接触させることができ、インキ供給量が減少せずに済む。
【0038】
また、上述した実施形態では、図5に示すように、非ニップ状態において、カバー65がインクジェットヘッド3とドクターブレード4との間に配置されるように構成されているため、ドクターブレード4の側にインキが飛散せずに済む。
【0039】
ところで、ノズルの先端が版胴2のうち版面の上半円よりも低い位置(0度以下)に配置されると、インキを吹き上げる必要があるため、インクジェットヘッド3が汚染され、印刷不良を引き起こす可能性がある。
【0040】
これに対して、上述した実施形態では、インクジェットヘッド3は、ノズルの先端が版胴2のうち上半円の版面よりも高い位置(詳細には0度から90度の間)に配置されるように設置されている。よって、インクジェットヘッド3が汚染されない。
【0041】
また、上述した実施形態では、インクジェットヘッド3によって微量のインキを噴霧することで版胴2の版面にインキが供給されるため、制御部5によってインキの供給量を高い精度でコントロールでき、インキ使用量が大幅に低減される。また、ドクターブレード4の摩耗粉がインキに混入し難く、溶媒濃度の変化に伴う色の変化も生じない。
【0042】
また、上述した実施形態によれば、インクジェットヘッド3が360dpi以上、1200dpi以下の解像度を有するため、版胴2の版面に形成された凹部(セル)にインキが入り込みやすい。
【0043】
(変形例)
本発明による塗工装置及び塗工方法は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0044】
例えば、上述した実施形態ではインクジェットヘッド3のノズルから噴霧したインキが版胴2の版面に直接供給される場合を例示したが、これに限定されず、インキが版胴2の版面に間接的に供給されるようにしてもよい。
【0045】
具体的には、図2に示すように、上述した実施形態のグラビア印刷機1を構成する各部に加え、グラビア印刷機1がファニッシャロール7を更に備えるようにしてもよい。そして、インクジェットヘッド3のノズルから噴霧されたインキがファニッシャロール7に供給され、ファニッシャロール7に供給されたインキが版胴2の版面に供給されるようにしてもよい。
【0046】
また、図3に示すように、版胴2の版面とファニッシャロール7との接触部分に形成される液溜部32にインクジェットヘッド3のノズルから噴霧されたインキが供給され、液溜部32に溜まったインキが版胴2の版面に供給されるようにしてもよい。
【0047】
この場合、図4に示すように、液溜部32の両端にはエアーを吹き付けることでエアカーテンを形成し、液溜部32に溜まったインキが流れ出さないようにする(堰として効果を得る)ことが好ましい。また、エアーは、版胴2の版面に対して垂直に吹き付けるのが好ましい。版胴2の版面に対してエアーを垂直に吹き付けなければ、液溜部32に溜まったインキを巻き上げたり、堰としての効果が得られなかったりする可能性があるためである。また、エアーを吹き付ける代わりに物理的なサイドプレートを配置するようにしてもよい。
【0048】
また、図3に示す変形例では、インクジェットヘッド3のノズル先端が版胴2の版面を向くように配置される場合を例示したが、これに限定されず、液溜部32を向いてもよく、あるいは、ファニッシャロール7の表面を向いてもよい。
【0049】
また、上述した実施形態では、インクジェットヘッド3のノズル先端が斜め下側を向く場合を例示したが、これに限定されない。例えば、インクジェットヘッド3にスイング機構を設け、非印刷時にノズル先端が真下を向くように構成してもよい。かかる変形例によれば、非印刷時においてワイピングやパージを行う場合において作業性が高く、インキの吐出(噴出)による汚れなどに対応し易い。
【0050】
また、上述した実施形態では、インキタンク31に溶剤型インキが収容され、インクジェットヘッド3から溶剤型インキが噴霧される場合を例示したが、これに限定されない。例えば、インキタンク31に無溶剤型インキ、水性インキ等が収容され、インクジェットヘッド3から無溶剤型インキ、水性インキ等が噴霧されるようにしてもよい。
【0051】
また、上述した実施形態では、塗工装置の一例として、図1に示すグラビア印刷機1を例示したが、これに限定されない。例えば、接着剤などを基材に塗工するコーターに本発明の思想を適用するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る塗工装置及び塗工方法は、グラビア印刷機、コーター等に好適である。
【符号の説明】
【0053】
1 グラビア印刷機、2 版胴、3 インクジェットヘッド、4 ドクターブレード、5 制御部、7 ファニッシャロール、31 インキタンク、32 液溜部、61 圧胴、62,63 ガイドロール、64 受けパン、65 カバー、W 印刷基材
図1
図2
図3
図4
図5