(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109571
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】位置情報管理用通信装置
(51)【国際特許分類】
H04W 4/35 20180101AFI20220721BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20220721BHJP
G06K 17/00 20060101ALI20220721BHJP
H04W 4/029 20180101ALI20220721BHJP
H04W 4/80 20180101ALI20220721BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20220721BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20220721BHJP
【FI】
H04W4/35
G06K7/10 276
G06K17/00 029
H04W4/029
H04W4/80
H04W84/12
H04W84/10 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004964
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】川鍋 吉孝
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067FF18
5K067FF24
5K067FF25
5K067FF28
(57)【要約】
【課題】複数の対象物の中から特定の対象物を容易に捜索することが可能な位置情報管理用通信装置を提供する。
【解決手段】自装置の識別情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された識別情報を、電源部からの電力を用いて第1の通信規格による通信を行う第1の通信部から位置情報の管理に関するサーバへ送信させる第1の通信制御部とを有し、位置情報の管理対象に設けられる位置情報管理用通信装置であって、第1の通信規格と異なる第2の通信規格による通信を読取装置と行う第2の通信部と、第2の通信部が読取装置から受信した読取信号に捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置の識別情報が含まれる場合、当該識別情報と記憶部に記憶された自装置の識別情報に基づき、捜索対象が前記自装置であるか否かを判定する判定部と、捜索対象が自装置である場合、自装置の所在を通知するための出力を行う出力部と、を備える位置情報管理用通信装置。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自位置情報管理用通信装置の識別情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記識別情報を、電源部から供給される電力を用いて第1の通信規格による通信を行う第1の通信部によって位置情報の管理に関するサーバへ送信させる第1の通信制御部とを有し、前記位置情報が管理される管理対象に設けられる位置情報管理用通信装置であって、
前記第1の通信規格とは異なる第2の通信規格による通信を読取装置と行う第2の通信部と、
前記第2の通信部が前記読取装置から受信した読取信号に捜索対象に設けられた前記位置情報管理用通信装置の前記識別情報が含まれる場合、前記捜索対象に設けられた前記位置情報管理用通信装置の前記識別情報と前記記憶部に記憶された前記自位置情報管理用通信装置の前記識別情報に基づき、前記捜索対象が前記自位置情報管理用通信装置であるか否かを判定する判定部と、
前記捜索対象が前記自位置情報管理用通信装置である場合、前記自位置情報管理用通信装置の所在を通知するための出力を行う出力部と、
を備える、位置情報管理用通信装置。
【請求項2】
前記位置情報管理用通信装置に付帯されたセンサ装置によって検出される前記管理対象の環境に関する情報を示す環境情報を取得する環境情報取得部、
をさらに備え、
前記判定部は、基準値に対する前記環境情報の大小関係に基づき、前記管理対象の環境の状態が警告を通知すべき状態であるか否かを判定し、
前記出力部は、前記管理対象の環境の状態が警告を通知すべき状態である場合には前記警告を通知するための出力を行う、
請求項1に記載の位置情報管理用通信装置。
【請求項3】
前記出力部は、複数種類の出力方式で出力可能であり、前記出力方式に応じて、前記電源部から供給される電力又は前記読取装置との通信にて受信する電波から電力を生成する電力生成部から供給される電力のいずれか一方を前記出力に用いる、
請求項1又は請求項2に記載の位置情報管理用通信装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記出力方式が発光装置を用いて前記出力を行う方式である場合、前記電力生成部から供給される電力を前記出力に用いる、
請求項3に記載の位置情報管理用通信装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記出力方式が放音装置又は振動装置を用いて前記出力を行う方式である場合、前記電源部から供給される電力を前記出力に用いる、
請求項3又は請求項4に記載の位置情報管理用通信装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記第2の通信部が前記読取装置から受信した前記読取信号に前記出力方式を指定する指定情報が含まれる場合、前記指定情報に応じた前記出力方式を用いる、
請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の位置情報管理用通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報管理用通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、対象の位置情報を取得し、対象の所在を把握するシステムが広く活用されている。当該システムは、例えば、物流における荷物や運搬用具の所在確認に利用されている。
【0003】
下記特許文献1には、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を有する通信機器が対象物に配置され、GNSS受信機が受信した位置情報を対象物の位置情報として取得する技術が開示されている。取得された位置情報は、通信規格としてLPWA(Low Power Wide Area)を用いた無線通信によって通信機器からサーバへ送信され、当該サーバにて対象物の位置情報が管理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、対象物の所在は、取得された位置情報に基づき、所定の空間に在ると示されることがある。例えば、対象物が荷物や運搬用具等であって、対象物が倉庫に保管されていると示されたとする。この場合、ユーザは、当該倉庫にて、保管されている対象物を実際に確認することができる。当該倉庫に複数の対象物が保管されている場合、ユーザは、各対象物に設けられた通信機器の識別番号等を視認して確認することで、特定の対象物を探すことができる。通信機器の識別番号は、例えば通信機器の表面に貼り付けられたラベルに表示される。しかしながら、倉庫に大量の対象物が保管されている場合、各対象物に設けられた通信機器の識別番号を1つ1つ視認して確認することは手間である。また、対象物の保管状態によっては、通信機器の識別番号を視認で確認することが困難な場合がある。例えば、ラベルが他の対象物の陰に隠れており、通信機器の識別番号を視認可能に対象物を容易に移動することができない場合には、識別番号を視認で確認することが困難となる。他の対象物を容易に移動することができない場合とは、例えば、大量の対象物が近接して配置されていたり、積み重ねられていたり、複数の対象物が1つにパッキングされていたりする場合である。この場合、ユーザが倉庫にて複数の対象物の中から特定の対象物を探すことが困難となり得る。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、複数の対象物の中から特定の対象物を容易に捜索することが可能な位置情報管理用通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る位置情報管理用通信装置は、自位置情報管理用通信装置の識別情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記識別情報を、電源部から供給される電力を用いて第1の通信規格による通信を行う第1の通信部によって位置情報の管理に関するサーバへ送信させる第1の通信制御部とを有し、前記位置情報が管理される管理対象に設けられる位置情報管理用通信装置であって、前記第1の通信規格とは異なる第2の通信規格による通信を読取装置と行う第2の通信部と、前記第2の通信部が前記読取装置から受信した読取信号に捜索対象に設けられた前記位置情報管理用通信装置の前記識別情報が含まれる場合、前記捜索対象に設けられた前記位置情報管理用通信装置の前記識別情報と前記記憶部に記憶された前記自位置情報管理用通信装置の前記識別情報に基づき、前記捜索対象が前記自位置情報管理用通信装置であるか否かを判定する判定部と、前記捜索対象が前記自位置情報管理用通信装置である場合、前記自位置情報管理用通信装置の所在を通知するための出力を行う出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の対象物の中から特定の対象物を容易に捜索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る位置情報管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る積荷情報の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る位置管理情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る照合情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る位置情報管理用通信装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態に係る本実施形態に係る通知の出力の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る位置情報管理用通信装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る位置情報管理用通信装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0011】
<1.位置情報管理システムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係る位置情報管理システムの構成の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る位置情報管理システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように位置情報管理システム1は、位置情報管理用通信装置10、積荷管理サーバ20、Sigfox管理サーバ30、位置情報管理サーバ40、Wi-Fi管理サーバ50、及びユーザ端末60を備える。Sigfox管理サーバ30、位置情報管理サーバ40、及びWi-Fi管理サーバ50は、管理対象の位置情報の管理に関するサーバ(以下、「管理サーバ」とも称される)の一例である。
【0012】
本実施形態に係る位置情報管理システム1は、管理対象の位置(所在)を把握するためのシステムである。管理対象は、例えば、物流におけるパレット、カゴ車、コンテナ、梱包箱等の物流資材や荷物等である。
以下、本実施形態では、管理対象が荷物12(12A、12B)であるものとし、荷物12が車両14によって複数のユーザ拠点2(2A、2B)の間を運搬される例について説明する。
【0013】
位置情報管理用通信装置10は、荷物12の位置情報を取得するための電子機器である。位置情報管理用通信装置10は、位置情報を管理される管理対象である荷物12に備え付けられる。即ち、位置情報管理用通信装置10の位置を示す位置情報は、荷物12の位置を示す位置情報でもある。なお、荷物12において、位置情報管理用通信装置10が備え付けられる位置は特に限定されない。本実施形態では、
図1に示すように、位置情報管理用通信装置10Aが荷物12Aに備え付けられ、位置情報管理用通信装置10Bが荷物12Bに備え付けられる。
【0014】
ユーザ拠点2には、例えば、積荷管理サーバ20と通信可能な拠点端末13が設けられている。拠点端末13は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、PC(パーソナルコンピュータ)等の端末である。なお、拠点端末13は、かかる例に限定されない。拠点端末13は、例えば、ユーザによって入力される位置情報管理用通信装置10の識別情報と、当該位置情報管理用通信装置10が備え付けられた荷物12の識別情報を積荷管理サーバ20へ送信する。
位置情報管理用通信装置10の識別情報は、例えば、位置情報管理用通信装置10の識別ID(Identification)(以下、「通信装置ID」とも称される)である。荷物12の識別情報は、例えば、荷物12の識別ID(以下、「荷物ID」とも称される)である。通信装置IDと荷物IDは、例えば任意の文字(アルファベット、数字、記号等)を組み合わせた文字列である。
【0015】
本実施形態に係る位置情報管理用通信装置10は、他の装置と各種情報の送受信を行うために、各種の通信機能を有する。位置情報管理用通信装置10は、例えば、Wi-Fi通信機能、Sigfox通信機能、及びRFID(Radio Frequency Identifier)通信機能を有する。
【0016】
Wi-Fi通信機能は、通信規格としてWi-Fiを用いてWi-Fiのアクセスポイントと通信を行う機能である。位置情報管理用通信装置10が通信を行うアクセスポイントは、例えば、荷物12の周辺の通信可能な範囲に設けられたアクセスポイントである。位置情報管理用通信装置10は、Wi-Fi通信機能によって、Wi-Fiのアクセスポイントに関する情報(以下、「Wi-Fi情報」とも称される)を所定のタイミングで取得する。位置情報管理用通信装置10がWi-Fi情報を取得する所定のタイミングは、例えば、位置情報管理用通信装置10の電源がオンになったタイミングや、所定の時間が経過したタイミングである。
【0017】
Wi-Fi情報は、例えば、アドレス情報と、受信レベル情報を含む。アドレス情報は、アクセスポイントのアドレスを示す情報である。具体的に、アクセスポイントのアドレスは、MACアドレス(Media Access Control address)である。以下、本実施形態ではアドレス情報がMACアドレスである例について説明する。また、受信レベル情報は、位置情報管理用通信装置10がアクセスポイントから受信する信号の強度を示す情報である。
【0018】
なお、位置情報管理用通信装置10がWi-Fi情報を取得するアクセスポイントは、位置情報管理用通信装置10が信号を受信可能であれば、建物や車両等の内部と外部のいずれに設けられていてもよい。
また、位置情報管理用通信装置10は、複数のWi-FiのアクセスポイントからWi-Fi情報を受信した場合、即ち複数のWi-Fi情報を取得した場合、取得したWi-Fi情報の中から任意のWi-Fi情報を抽出してよい。例えば、位置情報管理用通信装置10は、アクセスポイントからの信号の受信レベルに応じて、Wi-Fi情報を抽出する。一例として、位置情報管理用通信装置10は、信号の受信レベルが高いアクセスポイントから受信したWi-Fi情報を優先的に抽出する。
【0019】
位置情報管理用通信装置10は、通信装置IDと、Wi-Fi通信機能によって取得したWi-Fi情報を荷物12の位置情報の管理に関するサーバへ送信する。荷物12の位置情報の管理に関するサーバは、例えば、荷物12の位置情報を取得するサーバや、各サーバによって取得された位置情報を管理するサーバ等である。
【0020】
Sigfox通信機能は、通信規格としてSigfox(第1の通信規格の一例)を用いてSigfox管理サーバ30と通信を行う機能である。Sigfoxは、LPWA(Low Power Wide Area)の規格の1つである。位置情報管理用通信装置10は、通信装置IDと、Wi-Fi通信機能によって取得されたMACアドレスを、Sigfox通信機能によってSigfox管理サーバ30へ所定のタイミングで送信する。位置情報管理用通信装置10が通信装置IDとMACアドレスを送信する所定のタイミングは、例えば、Wi-Fi通信機能によってMACアドレスが取得されたタイミングや、所定の時間が経過したタイミングである。
【0021】
なお、位置情報管理用通信装置10が通信装置IDとMACアドレスを送信する際に用いるLPWAの規格は、Sigfoxに限定されない。例えば、位置情報管理用通信装置10は、NB-IoT、LoRa(LoRa WAN)、ELTRES、ZETA、Wi-SUN等の規格をLPWAの規格として用いてもよい。また、位置情報管理用通信装置10が用いる通信規格は、LPWAに限定されない。例えば、位置情報管理用通信装置10は、3G(第3世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution)、5G(第5世代移動通信システム)等の通信規格を用いてもよい。
【0022】
なお、位置情報管理用通信装置10が通信装置IDとMACアドレスを送信するサーバは、位置情報管理用通信装置10が用いる通信規格に応じたサーバである。本実施形態の場合、位置情報管理用通信装置10が用いる通信規格はSigfoxである。そのため、位置情報管理用通信装置10は、
図1に示すようにSigfox基地局を介して、通信装置IDとMACアドレスをSigfox管理サーバ30へ送信する。
【0023】
RFID通信機能は、通信規格として近距離無線通信(NFC)のRFID(第2の通信規格の一例)を用いてRFIDリーダ15(読取装置の一例)と通信を行う機能である。RFIDは、1回の通信でLPWAよりも多くの情報を送受信可能である。RFIDリーダ15は、RFIDにより位置情報管理用通信装置10と通信を行い、当該通信によって取得した情報を位置情報管理サーバ40へ送信する装置である。
位置情報管理用通信装置10は、RFID通信機能によって、通信装置IDをRFIDリーダ15へ所定のタイミングで送信する。位置情報管理用通信装置10が通信装置IDを送信する所定のタイミングは、例えば、位置情報管理用通信装置10がRFIDリーダ15から通信装置IDの読取信号を受信したタイミングである。
【0024】
積荷管理サーバ20は、位置情報管理用通信装置10と荷物12との対応関係を管理するサーバである。積荷管理サーバ20は、拠点端末13から受信した通信装置IDと荷物IDを対応付けて記憶する。以下、通信装置IDと荷物IDが対応付けられた情報は、「積荷情報」とも称される。積荷管理サーバ20は、積荷情報を位置情報管理サーバ40へ送信して共有してもよい。
【0025】
図2は、本実施形態に係る積荷情報の一例を示す図である。
図2に示すように、積荷情報は、通信装置IDと荷物IDで構成される。なお、
図2に示す積荷情報は一例であり、積荷情報は
図2に示す例に限定されない。
図2に示す表の1レコード目には、通信装置IDが「001」、荷物IDが「101」である例が示されている。これは、通信装置IDが「001」である位置情報管理用通信装置10が、荷物IDが「101」である荷物12に備え付けられていることを示している。
図2に示す表の2レコード目には、通信装置IDが「002」、荷物IDが「102」である例が示されている。これは、通信装置IDが「002」である位置情報管理用通信装置10が、荷物IDが「102」である荷物12に備え付けられていることを示している。
図2に示す表の3レコード目には、通信装置IDが「003」、荷物IDが「103」である例が示されている。これは、通信装置IDが「003」である位置情報管理用通信装置10が、荷物IDが「103」である荷物12に備え付けられていることを示している。
【0026】
Sigfox管理サーバ30は、Sigfox基地局を介して位置情報管理用通信装置10から受信する情報に基づき、位置情報管理用通信装置10の位置情報を取得する。例えば、Sigfox管理サーバ30は、基地局測位によって位置情報管理用通信装置10の位置情報を取得する。Sigfox管理サーバ30は、取得した位置情報管理用通信装置10の位置情報を、位置情報管理用通信装置10が備え付けられた荷物12(管理対象)の位置情報として取得する。
【0027】
本実施形態に係るSigfox管理サーバ30は、Sigfoxを用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき、基地局測位を行う。なお、Sigfox管理サーバ30は、Sigfox以外のLPWAの規格を用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき、基地局測位を行ってもよいし、LPWA以外の通信規格を用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき基地局測位を行ってもよい。Sigfox管理サーバ30の名称は、用いる通信規格に応じた名称であってよい。
【0028】
以下では、基地局測位によって取得された荷物12の位置情報は、「基地局測位情報」とも称される。基地局測位によって取得される基地局測位情報には、例えば、荷物12の現在位置の緯度と経度を示す座標が含まれる。なお、基地局測位情報には、信用度が含まれてもよい。信用度は、例えば、基地局測位情報に含まれる座標を中心とする円の半径で示される。当該円は、荷物12の位置が含まれ得る範囲を示している。即ち、基地局測位による測位誤差を示しているともいえる。
【0029】
Sigfox管理サーバ30は、取得した基地局測位情報を含む情報を位置情報管理サーバ40へ送信する。なお、Sigfox管理サーバ30は、位置情報管理用通信装置10から受信した通信装置IDとMACアドレスも位置情報管理サーバ40へ送信する。
【0030】
なお、Sigfox管理サーバ30と位置情報管理サーバ40との通信において、1回の通信で送信可能な情報量が制限される場合がある。そのため、Sigfox管理サーバ30は、送信可能な情報量に応じて、基地局測位情報及びWi-Fi情報の2つの情報を位置情報管理サーバ40へ送信する。
例えば、1つの信号に2つの情報を含めることができる場合、Sigfox管理サーバ30は、2つの情報を1つの信号に含めて、1回の通信で2つの情報を送信してもよい。一方、1つの信号に1つの情報しか含めることができない場合、Sigfox管理サーバ30は、2つの情報をそれぞれ異なる信号に含めて、2回の通信に分けて2つの情報を送信してもよい。1つの信号に1つの情報を全て含めることができない場合、Sigfox管理サーバ30は、送信可能な情報量に応じて1つの情報を分割し、分割数に応じた回数の通信で情報を送信してもよい。
【0031】
位置情報管理サーバ40は、荷物12の位置情報を管理する位置情報管理装置である。位置情報管理サーバ40は、積荷管理サーバ20から受信する積荷情報と、Sigfox管理サーバ30から受信する通信装置ID、基地局測位情報、及びWi-Fi情報に基づき、荷物12の位置情報を管理する。
【0032】
例えば、位置情報管理サーバ40は、Wi-Fi情報に含まれるMACアドレスをWi-Fi管理サーバ50へ送信し、Wi-Fi測位を行わせる。これにより、位置情報管理サーバ40は、Wi-Fi測位により取得された荷物12の位置情報を取得することができる。以下では、Wi-Fi測位によって取得された荷物12の位置情報は、「Wi-Fi測位情報」とも称される。Wi-Fi測位によって取得されるWi-Fi測位情報には、例えば、荷物12の現在位置の緯度と経度を示す座標が含まれる。なお、Wi-Fi測位情報にも、基地局測位情報と同様の信用度が含まれてもよい。
【0033】
位置情報管理サーバ40は、Sigfox管理サーバ30から受信する通信装置ID及び基地局測位情報と、Wi-Fi管理サーバ50から取得するWi-Fi測位情報とを取得日時ごとに対応付けて記憶する。以下、通信装置ID、基地局測位情報、Wi-Fi測位情報、及び日時が対応付けられた情報は、「位置管理情報」とも称される。
【0034】
図3は、本実施形態に係る位置管理情報の一例を示す図である。
図3に示すように、位置管理情報は、通信装置ID、基地局測位情報、Wi-Fi測位情報、及び日時で構成される。
図3に示す表の1レコード目には、通信装置IDが「001」、基地局測位情報が(X
B1,Y
B1)、Wi-Fi測位情報が(X
W1,Y
W1)、日時が「2020/12/01 10:00:00」である例が示されている。これは、通信装置IDが「001」である位置情報管理用通信装置10に関して、「2020/12/01 10:00:00」に取得された基地局測位情報が(X
B1,Y
B1)であり、Wi-Fi測位情報が(X
W1,Y
W1)であることを示している。
図3に示す表の2レコード目には、通信装置IDが「002」、基地局測位情報が(X
B2,Y
B2)、Wi-Fi測位情報が(X
W2,Y
W2)、日時が「2020/12/01 11:00:00」である例が示されている。これは、通信装置IDが「002」である位置情報管理用通信装置10に関して、「2020/12/01 11:00:00」に取得された基地局測位情報が(X
B2,Y
B2)であり、Wi-Fi測位情報が(X
W2,Y
W2)であることを示している。
図3に示す表の3レコード目には、通信装置IDが「003」、基地局測位情報が(X
B3,Y
B3)、Wi-Fi測位情報が「-」、日時が「2020/12/01 14:00:00」である例が示されている。これは、通信装置IDが「003」である位置情報管理用通信装置10に関して、「2020/12/01 14:00:00」に取得された基地局測位情報が(X
B3,Y
B3)であり、Wi-Fi測位情報は取得されなかったことを示している。
なお、
図3に示す位置管理情報は一例であり、位置管理情報は
図3に示す例に限定されない。例えば、
図3に示した位置管理情報の基地局測位情報及びWi-Fi測位情報には、座標の他に信用度が含まれてもよい。
【0035】
位置情報管理サーバ40は、生成した位置管理情報に基づき、荷物12の現在位置の推定を行う。一般的に、基地局測位とWi-Fi測位の測位精度は、Wi-Fi測位の精度の方が高くなる。即ち、基地局測位情報に含まれる測位誤差の方が、Wi-Fi測位に含まれる測位誤差よりも大きくなる。よって、本実施形態に係る位置情報管理サーバ40は、位置管理情報に含まれる情報の内、Wi-Fi測位情報を優先的に用いて荷物12の現在位置の推定を行う。そして、位置情報管理サーバ40は、推定した荷物12の現在位置を示す情報をユーザ端末60へ送信する。
【0036】
例えば、位置情報管理サーバ40は、各測位情報が示す座標を荷物12の現在位置と推定し、座標情報を荷物12の現在位置を示す情報としてユーザ端末60へ送信する。
また、位置情報管理サーバ40は、照合情報に基づき、荷物12が保管されている拠点名を推定し、当該拠点名を荷物12の現在位置を示す情報としてユーザ端末60へ送信してもよい。
【0037】
図4は、本実施形態に係る照合情報の一例を示す図である。
図4に示すように、照合情報は、拠点名と拠点位置情報で構成される。拠点名は、拠点の名称を示す。拠点位置情報は、拠点が位置する座標を示す。なお、
図4に示す照合情報は一例であり、照合情報は
図4に示す例に限定されない。
図4に示す表の1レコード目には、拠点名が「拠点I」、基地位置情報が(X
K1,Y
K1)である例が示されている。これは、「拠点I」が(X
K1,Y
K1)に存在することを示している。
図4に示す表の2レコード目には、拠点名が「拠点II」、基地位置情報が(X
K2,Y
K2)である例が示されている。これは、「拠点II」が(X
K2,Y
K2)に存在することを示している。
図4に示す表の3レコード目には、拠点名が「拠点III」、基地位置情報が(X
K3,Y
K3)である例が示されている。これは、「拠点III」が(X
K3,Y
K3)に存在することを示している。
【0038】
位置情報管理サーバ40は、例えば、照合情報と、各測位情報が示す座標とを照合し、荷物12が保管されている拠点名を取得する。照合では、例えば、各測位情報が示す座標と照合情報の拠点位置情報が示す座標とが一致するか否かが判定され、座標が一致した拠点位置情報と対応する拠点名が取得される。取得後、位置情報管理サーバ40は、取得した拠点名をユーザ端末60へ送信する。なお、一致する座標が存在しない場合、位置情報管理サーバ40は、荷物12が保管されている拠点の名称を取得せず、荷物12が拠点に保管されていないことを示す情報を出力してもよい。例えば、位置情報管理サーバ40は、荷物12が拠点間を移動(運搬)されている最中、または照合情報にない場所への流出、盗難等の所在不明であることを示す情報を出力する。
【0039】
Wi-Fi管理サーバ50は、位置情報管理サーバ40から受信するMACアドレスに基づき、位置情報管理用通信装置10に対するWi-Fi測位を行う。当該Wi-Fi測位により、位置情報管理用通信装置10の位置情報が取得される。Wi-Fi管理サーバ50は、取得した位置情報管理用通信装置10の位置情報を、位置情報管理用通信装置10が備え付けられた荷物12のWi-Fi測位情報として取得する。Wi-Fi管理サーバ50は、取得したWi-Fi測位情報を位置情報管理サーバ40へ送信する。
【0040】
ユーザ端末60は、ユーザが各種情報を参照するために操作する装置である。ユーザ端末60は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、PC等の端末である。なお、ユーザ端末60は、かかる例に限定されない。
【0041】
ここで、
図1を参照して、各通信機能による通信の一例について説明する。
図1に示すように、まず、ユーザ拠点2Aにて、荷物12Aに位置情報管理用通信装置10A、荷物12Bに位置情報管理用通信装置10Bがそれぞれ備え付けられ、位置情報管理用通信装置10A及び10Bの電源がオン(初期状態)になったとする。この時、信号を受信可能な範囲にアクセスポイントが存在する場合、位置情報管理用通信装置10A及び10Bは、Wi-Fi通信機能を用いて、当該アクセスポイントのWi-Fi情報を取得する。例えば、位置情報管理用通信装置10A及び10Bは、
図1に示すように、Wi-Fi通信機能を用いてユーザ拠点2A内に設けられたアクセスポイントAP1のWi-Fi情報を取得する。
Wi-Fi情報の取得後、位置情報管理用通信装置10A及び10Bは、Sigfox通信機能を用いて、Sigfox基地局BS1を介してWi-Fi情報をSigfox管理サーバ30へ送信する。
【0042】
次いで、
図1に示すように、荷物12が車両14によってユーザ拠点2Aとユーザ拠点2Bの間を運搬される。荷物12の運搬中に、信号を受信可能な範囲にアクセスポイントが存在する場合、位置情報管理用通信装置10A及び10Bは、Wi-Fi通信機能を用いて、当該アクセスポイントのWi-Fi情報を取得する。例えば、位置情報管理用通信装置10A及び10Bは、
図1に示すように、Wi-Fi通信機能を用いて車両14の車外に設けられたアクセスポイントAP2のWi-Fi情報を取得する。
Wi-Fi情報の取得後、位置情報管理用通信装置10A及び10Bは、Sigfox通信機能を用いて、Sigfox基地局BS2を介してWi-Fi情報をSigfox管理サーバ30へ送信する。
【0043】
次いで、
図1に示すように、荷物12が車両14によってユーザ拠点2Bへ運搬されたとする。ユーザ拠点2Bにて、信号を受信可能な範囲にアクセスポイントが存在する場合、位置情報管理用通信装置10A及び10Bは、Wi-Fi通信機能を用いて、当該アクセスポイントのWi-Fi情報を取得する。例えば、位置情報管理用通信装置10A及び10Bは、
図1に示すように、Wi-Fi通信機能を用いてユーザ拠点2B内に設けられたアクセスポイントAP3のWi-Fi情報を取得する。
Wi-Fi情報の取得後、位置情報管理用通信装置10A及び10Bは、Sigfox通信機能を用いて、Sigfox基地局BS3を介してWi-Fi情報をSigfox管理サーバ30へ送信する。
【0044】
なお、位置情報管理用通信装置10A及び10BがWi-Fi情報を取得するアクセスポイントは、信号を受信可能な範囲であれば、ユーザ拠点2の内部と外部のいずれに設けられていてもよいし、車両14の車内と車外のいずれに設けられていてもよい。
【0045】
本実施形態に係る位置情報管理用通信装置10には電池が内蔵されている。位置情報管理用通信装置10は、当該電池から供給される電力によって動作し、Wi-Fi通信機能とSigfox通信機能を利用することができる。また、位置情報管理用通信装置10は、RFIDリーダ15との通信によって得られる電力を用いてRFID通信機能を利用可能な構成(即ちパッシブ型の構成)を有する。位置情報管理用通信装置10は、RFIDリーダ15からの電波を電気エネルギーに変換し、得られた電気エネルギーによってRFID通信機能を利用可能なため、RFID通信機能を利用するための電池を内蔵する必要がない。そのため、位置情報管理用通信装置10に内蔵された電池から供給される電力が不足している場合、あるいは電池が切れた場合であっても、位置情報管理用通信装置10は、RFIDリーダ15からの読み取りがあればRFID通信機能を利用することができる。
【0046】
本実施形態において、ユーザは、荷物12の位置情報を管理する場合、あるいは荷物12を捜索する場合に、位置情報管理用通信装置10に対して、RFIDリーダ15を用いた読み取りを行う。本実施形態における位置情報管理用通信装置10は、RFIDリーダ15による読み取りが行われた場合、読取信号に含まれる情報に応じた処理を行う。例えば、読取信号に通信装置IDが含まれる場合、位置情報管理用通信装置10は、当該通信装置IDに対応する荷物12(捜索対象)の捜索に関する処理を行う。具体的に、位置情報管理用通信装置10は、荷物12の所在を通知するための出力を行う。
一方、読取信号に通信装置IDが含まれない場合、位置情報管理用通信装置10は、荷物12の位置情報の管理に関する処理を行う。具体的に、自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDをRFIDリーダ15へ送信する。一例として、
図1に示すように、RFIDリーダ15によって読み取りが行われた位置情報管理用通信装置10Bは、自位置情報管理用通信装置10Bの通信装置IDをRFIDリーダ15へ送信する。RFIDリーダ15は、受信した通信装置IDを位置情報管理サーバ40へ送信する。
【0047】
<2.位置情報管理用通信装置の機能構成>
以上、本実施形態に係る位置情報管理システム1の構成の一例について説明した。続いて、
図5を参照して、本実施形態に係る位置情報管理用通信装置10の機能構成の一例について説明する。
図5は、本実施形態に係る位置情報管理用通信装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
図5に示すように、位置情報管理用通信装置10は、Wi-Fi通信部100、Sigfox通信部110、制御部120、記憶部130、電源部140、環境情報検出部150、出力部160、及びRFID通信制御部200を備える。なお、Sigfox通信部110は、第1の通信部の一例である。
【0049】
(1)Wi-Fi通信部100
Wi-Fi通信部100は、Wi-Fi通信機能を有し、Wi-Fiによる通信を行う機能を有する。Wi-Fi通信部100は、電源部140から供給される電力によって動作する。
Wi-Fi通信部100は、Wi-Fi通信機能によってWi-Fiのアクセスポイントと通信を行い、Wi-Fi情報を取得する。本実施形態において取得されるWi-Fi情報には、アクセスポイントのMACアドレスと、アクセスポイントからの信号の受信レベルが含まれる。Wi-Fi通信部100は、取得したWi-Fi情報を記憶部130に記憶させてもよい。
【0050】
(2)Sigfox通信部110
Sigfox通信部110は、Sigfox通信機能を有し、Sigfoxによる通信を行う機能を有する。Sigfox通信部110は、電源部140から供給される電力を用いて通信を行う。
Sigfox通信部110は、Sigfox通信機能によって、Wi-Fi通信部100が取得したWi-Fi情報と記憶部130が記憶している自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを含む送信情報をSigfox管理サーバ30へ送信する。
【0051】
(3)制御部120
制御部120は、位置情報管理用通信装置10の動作全体を制御する機能を有する。制御部120は、電源部140から供給される電力によって動作する。制御部120の機能は、例えば、位置情報管理用通信装置10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図5に示すように、制御部120は、送信情報取得部121、通信制御部122、環境情報取得部123、判定部124、出力制御部125、及び電源選択部126を備える。通信制御部122は、第1の通信制御部の一例である。
【0052】
(3-1)送信情報取得部121
送信情報取得部121は、Sigfox通信部110がSigfox管理サーバ30へ送信する送信情報を取得する機能を有する。当該送信情報には、Wi-Fi情報と通信装置IDが含まれる。例えば、送信情報取得部121は、Wi-Fi通信部100あるいは記憶部130からWi-Fi情報を取得する。また、送信情報取得部121は、記憶部130から自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを読み出して取得する。なお、送信情報取得部121は、所定のタイミングで送信情報を取得する。例えば、送信情報取得部121が送信情報を取得する所定のタイミングは、Wi-Fi通信部100がWi-Fi情報を取得したタイミング、所定の時間が経過したタイミング、荷物12が移動したタイミング等である。
【0053】
(3-2)通信制御部122
通信制御部122は、位置情報管理用通信装置10における通信を制御する機能を有する。例えば、通信制御部122は、電源部140から供給される電力を用いて、Wi-Fi通信部100における通信と、Sigfox通信部110における通信を制御する。
【0054】
具体的に、通信制御部122は、Wi-Fi通信部100にWi-Fiのアクセスポイントと通信を行わせ、Wi-Fi情報を取得させる。なお、通信制御部122は、所定のタイミングでWi-Fi通信部100にWi-Fi情報を取得させる。例えば、通信制御部122がWi-Fi情報を取得させる所定のタイミングは、位置情報管理用通信装置10の電源がオンになったタイミング、所定の時間が経過したタイミング、荷物12が移動したタイミング等である。
【0055】
また、通信制御部122は、送信情報取得部121が取得した自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを含む送信情報をSigfox通信部110からSigfox管理サーバ30へ送信させる。なお、通信制御部122は、所定のタイミングでSigfox通信部110に送信情報を送信させる。例えば、通信制御部122が送信情報を送信させる所定のタイミングは、送信情報取得部121が送信情報を取得したタイミング、所定の時間が経過したタイミング、荷物12が移動したタイミング等である。
【0056】
(3-3)環境情報取得部123
環境情報取得部123は、環境情報を取得する機能を有する。例えば、環境情報取得部123は、環境情報検出部150が検出した情報を環境情報として取得する。環境情報取得部123は、取得した環境情報を記憶部130に記憶させる。
【0057】
(3-4)判定部124
判定部124は、各種判定を行う機能を有する。
例えば、判定部124は、自位置情報管理用通信装置10が捜索対象であるか否かを判定する。具体的に、後述するRFID通信部210がRFIDリーダ15から受信した読取信号に捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDが含まれているとする。この場合、判定部124は、当該捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDと記憶部130に記憶されている自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDに基づき、捜索対象が自位置情報管理用通信装置10であるか否かを判定する。
より具体的に、判定部124は、捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDと自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDとが一致するか否かを確認する。捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDと自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDが一致する場合、判定部124は、捜索対象が自位置情報管理用通信装置10であると判定する。一方、捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDと自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDが一致しない場合、判定部124は、捜索対象が自位置情報管理用通信装置10でないと判定する。
【0058】
また、判定部124は、自位置情報管理用通信装置10が設けられた荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態であるか否かを判定する。具体的に、判定部124は、環境情報取得部123が環境情報を取得した場合、当該環境情報に基づき、自位置情報管理用通信装置10が設けられた荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態であるか否かを判定する。より具体的に、判定部124は、基準値に対する環境情報の大小関係に基づき、荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態であるか否かを判定する。なお、荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態であるか否かの判定基準は、荷物12の種類に応じて設定され得る。例えば、荷物12が周囲の温度変化の影響を受けるものである場合、基準値として温度が設定される。具体的に、荷物12が周囲の温度が基準値よりも低い場合に悪影響を受けるものであるとする。この場合、判定部124は、環境情報が示す温度が基準値よりも低くなると、荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態であると判定する。一方、環境情報が示す温度が基準値よりも高い場合、判定部124は、荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態でないと判定する。また、荷物12が周囲の温度が基準値よりも高い場合に悪影響を受けるものであるとする。この場合、判定部124は、環境情報が示す温度が基準値よりも高くなると、荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態であると判定する。一方、環境情報が示す温度が基準値よりも低い場合、判定部124は、荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態でないと判定する。
【0059】
(3-5)出力制御部125
出力制御部125は、出力部160における出力に関する制御を行う機能を有する。
例えば、出力制御部125は、出力部160における出力方式を制御する。出力部160は、複数種類の出力方式で出力を行うことが可能である。
出力方式は、例えば、発光装置を用いて出力を行う方式と、放音装置又は振動装置を用いて出力を行う方式のいずれかの方式である。発光装置は、光を発する装置であり、例えば、
図5に示すLEDランプ161である。なお、発光装置はLEDランプに限定されず、例えば電球等であってもよい。放音装置は、音を出力する装置あり、例えば、
図5に示すブザー162である。なお、放音装置はブザーに限定されず、例えばスピーカ等であってもよい。振動装置は、振動を発生する装置であり、例えば、
図5に示す振動モータ163である。なお、振動装置は振動モータに限定されない。
【0060】
出力制御部125は、例えば、指定情報に基づき、出力部160の出力方式を制御する。指定情報は、出力部160が出力に用いる出力方式を示す情報である。指定情報は、例えば、ユーザによって予め設定され、RFIDリーダ15の読取信号に含めて、RFIDリーダ15から位置情報管理用通信装置10へ送信される。出力制御部125は、後述するRFID通信部210がRFIDリーダ15から受信した読取信号に指定情報が含まれる場合、当該指定情報に応じた出力方式を用いた出力を出力部160に行わせる。
例えば、指定情報が発光装置を示す場合、出力制御部125は、発光装置を用いた出力を出力部160に行わせる。指定情報が放音装置を示す場合、出力制御部125は、放音装置を用いた出力を出力部160に行わせる。指定情報が振動装置を示す場合、出力制御部125は、振動装置を用いた出力を出力部160に行わせる。なお、指定情報によって指定される出力方式の種類は1つに限定されず、複数種類の出力方式が指定されてもよい。
【0061】
また、出力制御部125は、出力部160が出力する通知の種類を制御する。例えば、出力制御部125は、判定部124による判定結果に基づき、出力部160が出力する通知の種類を制御する。
具体的に、判定部124によって捜索対象が自位置情報管理用通信装置10であると判定された場合、出力制御部125は、自位置情報管理用通信装置10の所在を通知するための出力を出力部160に行わせる。一方、判定部124によって捜索対象が自位置情報管理用通信装置10でないと判定された場合、出力制御部125は、自位置情報管理用通信装置10の所在を通知するための出力を出力部160に行わせない。
また、判定部124によって荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態であると判定された場合、出力制御部125は、警告を通知するための出力を出力部160に行わせる。一方、判定部124によって荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態でないと判定された場合、出力制御部125は、警告を通知するための出力を出力部160に行わせない。
【0062】
(3-6)電源選択部126
電源選択部126は、出力部160の出力に用いられる電力の供給元を選択する機能を有する。例えば、電源選択部126は、出力部160が用いる出力方式に応じて、出力部160が出力に用いる電力の供給元を選択する。
具体的に、電源選択部126は、出力部160が用いる出力方式に応じて、電源部140又は後述する電力生成部230のいずれか一方を、出力部160が出力に用いる電力の供給元として選択する。当該電力生成部230は、後述するRFID通信部210がRFIDリーダ15との通信にて受信する電波から電力を生成する。
より具体的に、出力方式がLEDランプ161(発光装置)を用いて出力を行う方式である場合、電源選択部126は、後述する電力生成部230を選択する。一方、出力方式がブザー162(放音装置)又は振動モータ163(振動装置)を用いて出力を行う方式である場合、電源選択部126は、電源部140を選択する。
【0063】
(4)記憶部130
記憶部130は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部130は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0064】
記憶部130は、電源部140から供給される電力、あるいはRFID通信部210から供給される電力によって動作する。記憶部130は、例えば、自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを記憶する。なお、記憶部130に記憶される通信装置IDは、RFID通信制御部200の識別IDとは異なる識別情報である。また、記憶部130は、Wi-Fi通信部100によって取得されるWi-Fi情報を記憶してもよい。
【0065】
(5)電源部140
電源部140は、電力を供給する機能を有する。電源部140は、例えば、円筒型又ボタン型の乾電池(一次電池)やバッテリ(二次電池)等の電池である。電源部140は、Wi-Fi通信部100、Sigfox通信部110、制御部120、及び記憶部130へ電力を供給する。
【0066】
(6)環境情報検出部150
環境情報検出部150は、環境情報を検出する機能を有する。環境情報検出部150の機能は、位置情報管理用通信装置10-1がハードウェアとして備える(位置情報管理用通信装置10-1に付帯された)各種センサ装置によって実現される。
例えば、位置情報管理用通信装置10-1が温度センサを備える場合、環境情報検出部150は、温度センサによって荷物12の周辺の温度あるいは位置情報管理用通信装置10-1の温度を検出する。また、位置情報管理用通信装置10-1が湿度センサを備える場合、環境情報検出部150は、湿度センサによって荷物12の周辺の湿度を検出する。また、位置情報管理用通信装置10-1が加速度センサを備える場合、環境情報検出部150は、加速度センサによって荷物12の加速度を検出する。環境情報検出部150は、例えば加速度を検出した回数を、荷物12に対して衝撃が加わった回数として検出してもよい。
【0067】
(7)出力部160
出力部160は、指定情報に応じた出力方式で出力を行う。出力部160は、後述するRFID通信部210がRFIDリーダ15から受信した読取信号に指定情報が含まれる場合、当該指定情報に応じた出力方式を用いる。
例えば、指定情報が発光装置を示す場合、出力部160は、発光装置を用いて出力を行う。指定情報が放音装置を示す場合、出力部160は、放音装置を用いて出力を行う。指定情報が振動装置を示す場合、出力部160は、振動装置を用いて出力を行う。
なお、出力部160が出力に用いる出力方式の数は特に限定されず、出力部160は任意の数の出力方式を用いて出力を行ってよい。例えば、指定情報が発光装置と放音装置を示しているとする。この場合、出力部160は、LEDランプ161とブザー162を用いて出力を行う。また、指定情報が発光装置と振動装置を示しているとする。この場合、出力部160は、LEDランプ161と振動モータ163を用いて出力を行う。また、指定情報が放音装置と振動装置を示しているとする。この場合、出力部160は、ブザー162と振動モータ163を用いて出力を行う。
【0068】
出力部160は、各種の通知を出力する。
例えば、捜索対象が自位置情報管理用通信装置10である場合、出力部160は、自位置情報管理用通信装置10の所在を通知するための出力を行う。一方、捜索対象が自位置情報管理用通信装置10でない場合、出力部160は、自位置情報管理用通信装置10の所在を通知するための出力を行わない。
また、荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態である場合、出力部160は、警告を通知するための出力を行う。一方、荷物12の環境の状態が警告を通知すべき状態でない場合、出力部160は、警告を通知するための出力を行わない。
【0069】
出力部160は、各種の出力方式によって通知を出力する。例えば、出力方式が発光装置である場合、出力部160は、発光装置を消灯した状態から点灯又は点滅させることによって通知を行う。なお、出力部160は、発光装置を点灯又は点滅した状態から消灯させることによって通知を行ってもよい。出力部160が発光装置によって通知を出力することで、ユーザは、発光装置の出力を視認することで特定の対象物を捜索することができる。
出力方式が放音装置である場合、出力部160は、放音装置から音を出力させることによって通知を行う。なお、出力部160は、放音装置からの音の出力を止めることによって通知を行ってもよい。出力方式が振動装置である場合、出力部160は、振動装置を振動させることによって通知を行う。なお、出力部160は、振動装置の振動を止めることによって通知を行ってもよい。出力部160が放音装置又は振動装置によって通知を出力することで、ユーザは、位置情報管理用通信装置10を視認できない場合であっても音又は振動を確認することで、特定の対象物が存在する大まかな位置や方向を特定することができる。
【0070】
出力部160は、出力方式に応じた電力を出力に用いる。例えば、出力部160は、出力方式に応じて、電源部140から供給される電力、又は後述する電力生成部230から供給される電力のいずれか一方を出力に用いる。
具体的に、出力方式がLEDランプ161(発光装置)を用いて出力を行う方式である場合、出力部160は、電力生成部230から供給される電力を出力に用いる。一方、出力方式がブザー162(放音装置)又は振動モータ163(振動装置)を用いて出力を行う方式である場合、出力部160は、電源部140から供給される電力を出力に用いる。出力部160が出力に用いる電力の供給源は、各出力方式における消費電力に応じて選択されることが望ましい。例えば、出力部160を動作させるにあたり、選択されている出力方式が電力生成部230から供給される電力によって十分に動作可能である場合、電力生成部230が供給源として選択されるとよい。一方、出力部160を動作させるにあたり、選択されている出力方式が電力生成部230から供給される電力では動作できない場合、電力生成部230より多くの電力を供給可能な電源部140が供給源として選択されるとよい。これにより、出力部160では出力方式に応じて適切に電力が消費されるため、位置情報管理用通信装置10において電力が無駄に消費されることを防ぐことができる。
【0071】
ここで、
図6を参照して、出力部160による通知の出力の一例について説明する。
図6は、本実施形態に係る通知の出力の一例を示す図である。
図6に示す4つのカゴ車16A~16D(運搬用具の一例)の各々に、複数の荷物が積載されている。なお、
図6に示す例では、カゴ車16A~16Dに積載された荷物は、荷崩れ防止のためにラップ、フィルム、ネット等によって固定されているものとする。これにより、各荷物は、ユーザが用意に動かすことができない状態にある。即ち、ユーザは、各荷物に設けられた位置情報管理用通信装置10が他の荷物の陰に隠れている場合であっても、位置情報管理用通信装置10に貼り付けられたラベルに表示された通信装置IDを確認可能にするために荷物を動かすことができない。なお、各荷物に設けられた位置情報管理用通信装置10の出力部160の出力方式がLEDランプ161である場合、所在の通知は、消灯していたLEDランプ161を点灯させることによって行われるものとする。また、各荷物に設けられた位置情報管理用通信装置10の出力部160の出力方式がブザー162である場合、所在の通知は、ブザー162から音を発生させることによって行われるものとする。
【0072】
ユーザは、
図6に示された荷物の中から特定の荷物を捜索するために、RFIDリーダ15に特定の荷物に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを入力し、読み取りを行ったとする。当該読み取りによって、RFIDリーダ15からは捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDが含まれた読取信号が送信される。各荷物に設けられた位置情報管理用通信装置10は、当該読取信号を受信すると、自位置情報管理用通信装置10が捜索対象であるか否かを判定する。そして、位置情報管理用通信装置10は、自位置情報管理用通信装置10が捜索対象である場合、所在を通知するための出力を行う。
例えば、
図6に示す荷物12Aに設けられた位置情報管理用通信装置10Aが捜索対象ではないとする。この場合、位置情報管理用通信装置10Aは、LEDランプ161Aを消灯させたままとする。一方、荷物12Bに設けられた位置情報管理用通信装置10Bが捜索対象であるとする。この場合、位置情報管理用通信装置10Bは、LEDランプ161Bを点灯させる。ユーザは、LEDランプ161Bが点灯したことを視認することで、位置情報管理用通信装置10Bが設けられた荷物12Bが捜索対象であると特定することができる。
また、捜索対象が荷物12Aと荷物12Bのように位置情報管理用通信装置10を視認可能な荷物ではなかったとする。この場合、出力方式を放音装置又は振動装置にすることで、ユーザは、捜索対象が存在するおおまかな位置や方向を特定できる。
図6に示す例では、カゴ車16Dの方から音が出力されている。即ち、ユーザは、カゴ車16Dに捜索対象が存在すると特定することができる。
【0073】
(8)RFID通信制御部200
RFID通信制御部200は、RFID通信機能による通信を制御する機能を有する。RFID通信制御部200の機能は、例えば、位置情報管理用通信装置10がハードウェアとして備えるアンテナとIC(集積回路)によって実現される。RFID通信制御部200は、RFID通信機能によってRFIDリーダ15と通信を行う。RFID通信制御部200は、RFIDリーダ15との通信によって生じる電力によって動作する。そのため、RFID通信制御部200には電源部140から電力が供給されない。
図5に示すように、RFID通信制御部200は、RFID通信部210、及び制御部220を備える。RFID通信部210は、第2の通信部の一例である。
【0074】
(8-1)RFID通信部210
RFID通信部210は、RFID通信機能を有し、RFIDによる通信を行う機能を有する。RFID通信部210の機能は、例えば、RFID通信制御部200がハードウェアとして備えるアンテナによって実現される。RFID通信部210は、RFID通信機能によって、RFIDリーダ15と通信を行う。
【0075】
RFID通信部210は、RFID通信機能によって、記憶部130が記憶している自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを含む送信情報をRFIDリーダ15へ送信する。
【0076】
(8-2)制御部220
制御部220は、RFID通信制御部200の動作全体を制御する機能を有する。制御部220は、RFID通信部210から供給される電力によって動作する。制御部220の機能は、例えば、RFID通信制御部200がハードウェアとして備えるICによって実現される。
図5に示すように、制御部220は、読取検出部221、送信情報取得部222、及び通信制御部223を備える。通信制御部223は、第2の通信制御部の一例である。
【0077】
(8-2-1)読取検出部221
読取検出部221は、RFIDリーダ15による読み取りを検出する機能を有する。例えば、読取検出部221は、RFID通信部210がRFIDリーダ15から通信装置IDの読取信号を受信した場合に、RFIDリーダ15による通信装置IDの読み取りがあったことを検出する。
【0078】
(8-2-2)送信情報取得部222
送信情報取得部222は、RFID通信部210がRFIDリーダ15へ送信する送信情報を取得する機能を有する。当該送信情報には、通信装置IDが含まれる。例えば、送信情報取得部222は、読取検出部221によってRFIDリーダ15による読み取りが検出された場合に、記憶部130から自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを読み出して取得する。
【0079】
(8-2-3)通信制御部223
通信制御部223は、RFID通信部210における通信を制御する機能を有する。例えば、通信制御部223は、送信情報取得部222が取得した自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを含む送信情報をRFID通信部210からRFIDリーダ15へ送信させる。なお、通信制御部223は、所定のタイミングでRFID通信部210に送信情報を送信させる。例えば、通信制御部223は、RFID通信部210がRFIDリーダ15から通信装置IDの読取信号を受信したタイミングで、送信情報をRFID通信部210からRFIDリーダ15へ送信させる。
【0080】
(9)電力生成部230
電力生成部230は、RFID通信部210がRFIDリーダ15との通信にて受信する電波から電力を生成する機能を有する。電力生成部230は、生成した電力をRFID通信部210及び制御部220へ供給することで、RFID通信制御部200全体を動作させる。また、電力生成部230は、生成した電力をRFID通信制御部200以外の構成の動作に用いてもよい。例えば、電力生成部230は、生成した電力を制御部120、記憶部130、及び出力部160へ供給し、動作させてもよい。制御部120へ供給された電力は、さらにWi-Fi通信部100、Sigfox通信部110、環境情報検出部150へ供給されてもよい。なお、電力生成部230は、電源部140から記憶部130へ供給される電力が不足している場合のみ、生成した電力を記憶部130へ供給してもよい。
【0081】
<3.処理の流れ>
以上、本実施形態に係る位置情報管理用通信装置10の機能構成の一例について説明した。続いて、
図7及び
図8を参照して、本実施形態に係る位置情報管理用通信装置10における処理の流れの一例について説明する。
図7及び
図8は、本実施形態に係る位置情報管理用通信装置10における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7には、捜索対象の所在を通知する場合の処理の流れの一例が示されている。
図8には、警告を通知する場合の処理の流れの一例が示されている。
【0082】
(1)捜索対象の所在を通知する場合の処理の流れ
図7に示すように、まず、位置情報管理用通信装置10のRFID通信制御部200の読取検出部221は、RFIDリーダ15による通信装置IDの読み取りの検出を行う(ステップS100)。RFIDリーダ15による通信装置IDの読み取りが検出された場合(ステップS100/YES)、処理をステップS101へ進める。一方、RFIDリーダ15による通信装置IDの読み取りが検出されなかった場合(ステップS100/NO)、処理をステップS109へ進める。
【0083】
RFIDリーダ15による通信装置IDの読み取りが検出され、捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDが読取信号に含まれている場合(ステップS101/YES)、処理をステップS102へ進める。一方、RFIDリーダ15による通信装置IDの読み取りが検出され、捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDが読取信号に含まれていない場合(ステップS101/NO)、処理をステップS107へ進める。
【0084】
捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDが読取信号に含まれている場合、位置情報管理用通信装置10の判定部124は、自位置情報管理用通信装置10が捜索対象であるか否かを判定する(ステップS102)。自位置情報管理用通信装置10が捜索対象である場合(ステップS102/YES)、処理をステップS103へ進める。一方、自位置情報管理用通信装置10が捜索対象でない場合(ステップS102/NO)、処理をステップS109へ進める。
【0085】
自位置情報管理用通信装置10が捜索対象であり、指定情報が読取信号に含まれている場合(ステップS103/YES)、処理をステップS104へ進める。一方、自位置情報管理用通信装置10が捜索対象であり、指定情報が読取信号に含まれていない場合(ステップS103/NO)、処理をステップS106へ進める。
【0086】
指定情報が読取信号に含まれている場合、位置情報管理用通信装置10の出力制御部125は、当該指定情報に基づき、出力部160の出力方式を決定する(ステップS104)。
位置情報管理用通信装置10の電源選択部126は、出力制御部125が決定した出力方式に応じて、出力部160が出力に用いる電力の供給源を選択する(ステップS105)。
そして、出力部160は、出力制御部125が決定した出力方式と電源選択部126が選択した供給源から供給される電力を用いて、自位置情報管理用通信装置10の所在を通知する出力を行う(ステップS106)。
【0087】
RFIDリーダ15による通信装置IDの読み取りが検出され、捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDが読取信号に含まれていなかった場合、RFID通信制御部200の送信情報取得部222は、RFID通信機能で送信する送信情報を取得する。送信情報取得部222は、記憶部130に記憶されている自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを読み出して送信情報として取得する(ステップS107)。
【0088】
送信情報の取得後、RFID通信制御部200の通信制御部223は、RFID通信部210のRFID通信機能によって、自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを含む送信情報をRFID通信部210からRFIDリーダ15へ送信させる(ステップS108)。
【0089】
RFIDリーダ15による通信装置IDの読み取りの検出の有無に関わらず、通信制御部122は、所定のタイミングであるか否かを判定する(ステップS109)。所定のタイミングでない場合(ステップS109/NO)、処理をステップS100から繰り返す。一方、所定のタイミングである場合(ステップS109/YES)、処理をステップS110へ進める。
【0090】
所定のタイミングである場合、送信情報取得部121は、Sigfox通信機能で送信する送信情報を取得する。通信制御部122は、Wi-Fi通信部100のWi-Fi通信機能によって取得されるWi-Fi情報と、記憶部130に記憶されている自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを送信情報として取得する(ステップS110)。
【0091】
送信情報の取得後、通信制御部122は、Sigfox通信部110のSigfox通信機能によって、Wi-Fi情報と自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを含む送信情報をSigfox通信部110からSigfox管理サーバ30へ送信させる(ステップS111)。送信情報の送信後、処理をステップS100から繰り返す。
【0092】
(2)警告を通知する場合の処理の流れ
図8に示すように、位置情報管理用通信装置10の環境情報検出部150によって環境情報が検出された場合(ステップS200/YES)、処理をステップS201へ進める。一方、位置情報管理用通信装置10の環境情報検出部150によって環境情報が検出されていない場合(ステップS200/NO)、処理をステップS200から繰り返す。
【0093】
位置情報管理用通信装置10の環境情報検出部150によって環境情報が検出された場合、判定部124は、管理対象の環境の状態が警告を通知すべき状態であるか否か判定する(ステップS201)。管理対象の環境の状態が警告を通知すべき状態である場合(ステップS201/YES)、出力部160は、警告を通知する出力を行う(ステップS202)。警告の通知の出力後、処理をステップS200から繰り返す。一方、管理対象の環境の状態が警告を通知すべき状態でない場合(ステップS201/NO)、処理をステップS200から繰り返す。
なお、警告を通知する場合の処理は、捜索対象の所在を通知する場合の処理と並行して実行されてよい。
【0094】
以上説明したように、本実施形態に係る位置情報管理用通信装置10は、記憶部130、通信制御部122、RFID通信部210、判定部124、及び出力部160を備える。
記憶部130は、自位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを記憶する。通信制御部122は、記憶部130に記憶された通信装置IDを、電源部140から供給される電力を用いてSigfoxによる通信を行うSigfox通信部110によって管理サーバへ送信させる。RFID通信部210は、LPWAとは異なる通信規格であるRFIDによる通信をRFIDリーダ15と行う。判定部124は、RFID通信部210がRFIDリーダ15から受信した読取信号に捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDが含まれる場合、捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDと記憶部130に記憶された自位置情報管理用通信装置10の識別情報に基づき、捜索対象が自位置情報管理用通信装置10であるか否かを判定する。出力部160は、捜索対象が自位置情報管理用通信装置10である場合、自位置情報管理用通信装置10の所在を通知するための出力を行う。
【0095】
かかる構成により、ユーザがRFIDリーダ15を用いて、捜索対象に設けられた位置情報管理用通信装置10の通信装置IDを不特定多数の位置情報管理用通信装置10へ送信した際に、送信した通信装置IDと一致する通信装置IDを有する位置情報管理用通信装置10が存在する場合、当該位置情報管理用通信装置10から所在の通知が出力される。ユーザは、当該所在の通知の出力を確認することで、容易に捜索対象を捜索することができる。
【0096】
よって、本実施形態に係る位置情報管理用通信装置10は、複数の対象物の中から特定の対象物を容易に捜索することを可能とする。
【0097】
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、上述した実施形態では、管理対象が荷物12であり、位置情報管理用通信装置10を荷物12に備え付けることで荷物12の位置情報を管理する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、管理対象はカゴ車、パレット、コンテナ、梱包箱等の物流資材であってもよい。各々の物流資材に対して位置情報管理用通信装置10を備え付けることで、各物流資材の位置情報を管理してもよい。なお、各物流資材における位置情報管理用通信装置10が備え付けられる位置は特に限定されず、任意の位置に備え付けられてよい。
管理対象が物流資材である場合、位置情報管理用通信装置10の通信装置IDに対して、当該位置情報管理用通信装置10が備え付けられた物流資材の識別IDである物流資材ID(例えば物流資材がカゴ車の場合はカゴ車ID)が対応付けられる。これにより、上述した実施形態と同様にして、通信装置IDに基づき、位置情報管理用通信装置10が備え付けられた物流資材の位置情報の管理が可能となる。
さらに、物流資材IDに対して、荷物IDを対応付けてもよい。例えば、物流資材がカゴ車である場合、当該カゴ車のカゴ車IDに対して当該カゴ車に積載された荷物12の荷物IDを対応付ける。これにより、通信装置ID及び物流資材IDに基づき、カゴ車に積載された荷物12の位置情報を管理することも可能である。また、複数の荷物12を管理する際に、荷物12の各々に対して位置情報管理用通信装置10を備え付ける必要がないため、複数の荷物12の位置情報の管理における位置情報管理用通信装置10にかかるコストを削減することができる。
【0098】
また、上述した実施形態では、第2の通信規格としてRFIDを用いる例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、第2の通信規格は、Bluetooth Low Energy(BLE)(登録商標)であってもよい。なお、第2の通信規格としてBLEを用いる場合、位置情報管理用通信装置10は、電源部140以外に、BLEを用いるための電力を供給可能な構成を有する。例えば、エナジーハーベストによる発電が可能な構成である。具体的に、振動や、室内光や太陽光等の光や、廃熱等の熱を電力に変換可能な構成である。
【0099】
また、上述した実施形態では、位置情報管理用通信装置10が、荷物12の位置を測位するための構成として、Wi-Fi測位を行うためのWi-Fi通信部100と基地局測位を行うためのSigfox通信部110を備える例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、位置情報管理用通信装置10は、GPS(Global Positioning System)測位が可能な構成を有してもよい。具体的に、位置情報管理用通信装置10は、GPSからGPS信号を受信可能な受信部を備えてもよい。
【0100】
また、上述した実施形態における位置情報管理用通信装置10が備える各部の機能の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0101】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 位置情報管理システム
2A、2B ユーザ拠点
10、10A、10B 位置情報管理用通信装置
12A、12B 荷物
13 拠点端末
14 車両
15 RFIDリーダ
16A~16D カゴ車
20 積荷管理サーバ
30 Sigfox管理サーバ
40 位置情報管理サーバ
50 Wi-Fi管理サーバ
60 ユーザ端末
100 Wi-Fi通信部
110 Sigfox通信部
120 制御部
121 送信情報取得部
122 通信制御部
123 環境情報取得部
124 判定部
125 出力制御部
126 電源選択部
130 記憶部
140 電源部
150 環境情報検出部
160 出力部
161 LEDランプ
162 ブザー
163 振動モータ
200 RFID通信制御部
210 RFID通信部
220 制御部
221 読取検出部
222 送信情報取得部
223 通信制御部
230 電力生成部
AP1、AP2、AP3 アクセスポイント
BS1、BS2、BS3 Sigfox基地局