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  • 特開-温度変化抑制装置および自走式車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109680
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】温度変化抑制装置および自走式車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220721BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220721BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220721BHJP
   F01M 5/00 20060101ALI20220721BHJP
   H01M 8/00 20160101ALN20220721BHJP
   H01M 8/04701 20160101ALN20220721BHJP
   B60L 1/00 20060101ALN20220721BHJP
   B60L 58/12 20190101ALN20220721BHJP
   B60L 58/27 20190101ALN20220721BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
H02J7/00 P
H02J7/00 302D
F01M5/00 N
H01M8/00 Z
H01M8/04701
B60L1/00 L
B60L58/12
B60L58/27
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005126
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】520157565
【氏名又は名称】柴山 尚士
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】柴山 尚士
【テーマコード(参考)】
3G313
5G503
5H030
5H125
5H127
【Fターム(参考)】
3G313AB02
3G313DA07
3G313EA22
3G313EA25
3G313EA26
3G313FA08
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA08
5G503DA04
5G503FA06
5G503GD03
5H030AA01
5H030AS08
5H030BB07
5H030BB10
5H030FF41
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC08
5H125AC12
5H125BC19
5H125BC25
5H125BD17
5H125CD09
5H125EE25
5H125EE27
5H125FF27
5H127DC74
(57)【要約】
【課題】発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる温度変化抑制装置および自走式車両を提供する。
【解決手段】温度変化抑制装置100は、潜熱蓄熱材を有する潜熱蓄熱体101,104,110,113、二次電池120および制御装置130を備える。潜熱蓄熱体101は、エンジン90のオイルパン91に設けられており、加熱器103を備える。潜熱蓄熱体104は、オイルパン91に設けられており、熱電素子106を備える。潜熱蓄熱体110は、トランスミッション92のオイルパン93に設けられており、加熱器112を備える。潜熱蓄熱体113は、オイルパン93に設けられており、熱電素子115を備える。制御装置130は、加熱器103,112の作動を制御して潜熱蓄熱体101,110の温度低下を抑制するとともに、熱電素子106,115の作動を制御して潜熱蓄熱体104,113の温度上昇を抑制する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動の開始によって発熱するとともに前記作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、
前記加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記発熱機器の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項2】
請求項1に記載した温度変化抑制装置において、
前記潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を前記制御装置に出力する温度検出器を備え、
前記制御装置は、
前記検出信号を用いて前記潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載した温度変化抑制装置において、さらに、
前記加熱器を作動させるための二次電池と、
前記二次電池に電気を供給する給電手段とを備え、
前記制御装置は、
前記給電手段の作動を制御して前記二次電池を充電することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項4】
請求項3に記載した温度変化抑制装置において、
前記制御装置は、
前記二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の80%以上の高充電状態であると判定したとき、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載した温度変化抑制装置において、
前記制御装置は、
前記二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の20%以下の低充電状態であると判定したとき、前記給電手段の作動を制御して前記二次電池を充電することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項6】
作動の開始によって発熱するとともに前記作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材に設けられて同潜熱蓄熱材の熱を電気に変換する熱電素子と、
前記熱電素子の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記発熱機器の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記熱電素子を作動させて前記潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項7】
請求項6に記載した温度変化抑制装置において、
前記潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を前記制御装置に出力する温度検出器を備え、
前記制御装置は、
前記検出信号を用いて前記潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで上昇したことを検出したとき、前記熱電素子を作動させて前記潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載した温度変化抑制装置において、さらに、
前記熱電素子が発電した電気を蓄えるための二次電池を備え、
前記制御装置は、
前記熱電素子が発電した電気によって前記二次電池を充電することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項9】
作動の開始によって発熱するとともに前記作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う第1の潜熱蓄熱材を有した第1の潜熱蓄熱体と、
前記発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う前記第1の潜熱蓄熱材とは異なる相変化温度で構成された第2の潜熱蓄熱材を有した第2の潜熱蓄熱体と、
前記第1の潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、
前記第2の潜熱蓄熱材に設けられて同潜熱蓄熱材の熱を電気に変換する熱電素子と、
前記加熱器および前記熱電素子の各作動をそれぞれ制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記発熱機器の作動状況および前記第1の潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記加熱器を作動させて前記第1の潜熱蓄熱体における前記第1の潜熱蓄熱材を加熱し、かつ人間からの直接的な指示、前記発熱機器の作動状況および前記第2の潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記熱電素子を作動させて前記第2の潜熱蓄熱体における前記第2の潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項10】
請求項9に記載した温度変化抑制装置において、
前記第1の潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を前記制御装置に出力する第1の温度検出器を備え、
前記第2の潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を前記制御装置に出力する第2の温度検出器を備え、
前記制御装置は、
前記第1の温度検出器における前記検出信号を用いて前記第1の潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、前記加熱器を作動させて前記第1の潜熱蓄熱材を加熱する、または前記第2の温度検出器における前記検出信号を用いて前記第2の潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで上昇したことを検出したとき、前記熱電素子を作動させて前記第2の潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項11】
原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、
前記原動機に設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、
前記加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記原動機の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱することを特徴とする自走式車両。
【請求項12】
原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、
前記原動機に設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材に設けられて同潜熱蓄熱材の熱を電気に変換する熱電素子と、
前記熱電素子の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記原動機の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記熱電素子を作動させて前記潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することを特徴とする自走式車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動の開始によって発熱するとともに作動の停止によって温度が低下する発熱機器の温度変化を抑制する温度変化抑制装置および自走式車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、作動の開始によって発熱するとともに作動の停止によって温度が低下する発熱機器の温度変化を抑制する温度変化抑制装置がある。例えば、下記特許文献1には、二次電池を潜熱蓄熱材によって覆うことで冬季における二次電池の温度低下を防止するバッテリー用保温材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-307783号公報
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたバッテリー用保温材においては、二次電池は潜熱蓄熱材で覆われているのみであるため、潜熱蓄熱材固有の保温限界を超えた二次電池の温度低下または温度上昇を抑制することができないという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる温度変化抑制装置およびこの温度変化抑制装置を備えた自走式車両を提供することにある。
【発明の概要】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、作動の開始によって発熱するとともに作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、発熱機器の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱することにある。
【0007】
このように構成した本発明の特徴によれば、温度変化抑制装置は、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器を備えているため、潜熱蓄熱材を加熱することで潜熱蓄熱材単体の保温限界を超えて発熱機器の温度低下を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【0008】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を制御装置に出力する温度検出器を備え、制御装置は、前記検出信号を用いて潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱することにある。
【0009】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、温度検出器が出力する検出信号を用いて潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱しているため、潜熱蓄熱材の温度低下の状況に応じて効率的に潜熱蓄熱材を加熱することで発熱機器の温度低下を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、さらに、加熱器を作動させるための二次電池と、二次電池に電気を供給する給電手段とを備え、制御装置は、給電手段の作動を制御して二次電池を充電することにある。
【0011】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、給電手段の作動を制御して加熱器の電源となる二次電池を充電するため、二次電池の充電量不足によって加熱器が作動できない事態を避けて安定的に発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。ここで、給電手段としては、熱エネルギ(排気熱、機械の作動時の熱など)を電気エネルギに変換する発電機または熱電素子のほか、太陽電池または風力発電機などの自然エネルギ由来の発電機がある。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、制御装置は、二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の80%以上の高充電状態であると判定したとき、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱することにある。
【0013】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の80%以上の高充電状態である場合に潜熱蓄熱材を加熱するため、二次電池が過充電状態となることを防止することができる。なお、この二次電池の高充電状態は、二次電池の充電容量の少なくとも50%以上であればよく、例えば、60%以上、70%以上または90%以上でもよい。この場合、二次電池の充電状態は、100%または100%に近い値、例えば90%以上かつ100%以下、または95%以上かつ100%以下を満充電状態として潜熱蓄熱材を加熱するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の他の特徴は、温度変化抑制装置において、制御装置は、二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の20%以下の低充電状態であると判定したとき、給電手段の作動を制御して二次電池を充電することにある。
【0015】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の20%以下の低充電状態である場合に二次電池を充電するため、二次電池の充電不足を防止することができる。なお、この二次電池の低充電状態は、二次電池の充電容量の少なくとも50%以下であればよく、例えば、40%以下または30%以下でもよい。この場合、二次電池の充電状態は、0%または0%に近い値、例えば10%以下かつ0%以上、または5%以下かつ0%以上を低充電状態として二次電池を充電するようにしてもよい。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、作動の開始によって発熱するとともに作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材に設けられて同潜熱蓄熱材の熱を電気に変換する熱電素子と、熱電素子の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、発熱機器の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、熱電素子を作動させて潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することにある。
【0017】
このように構成した本発明の特徴によれば、温度変化抑制装置は、潜熱蓄熱材の熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電素子を備えているため、潜熱蓄熱材の熱を吸熱することで発熱機器の温度上昇を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【0018】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を制御装置に出力する温度検出器を備え、制御装置は、前記検出信号を用いて潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで上昇したことを検出したとき、熱電素子を作動させて潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することにある。
【0019】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、温度検出器が出力する検出信号を用いて潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで上昇したことを検出したとき、熱電素子を作動させて潜熱蓄熱材の熱を電気に変換しているため、潜熱蓄熱材の温度上昇の状況に応じて効率的に潜熱蓄熱材の熱を吸収して電気に変換することで発熱機器の温度上昇を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【0020】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、さらに、熱電素子が発電した電気を蓄えるための二次電池を備え、制御装置は、熱電素子が発電した電気によって二次電池を充電することにある。
【0021】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、熱電素子が発電した電気によって二次電池を充電しているため、熱電素子が発電した電気を二次電池が貯めることで電力を必要とする機器に必要なタイミングで供給することができる。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、作動の開始によって発熱するとともに作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う第1の潜熱蓄熱材を有した第1の潜熱蓄熱体と、発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う第1の潜熱蓄熱材とは異なる相変化温度で構成された第2の潜熱蓄熱材を有した第2の潜熱蓄熱体と、第1の潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、第2の潜熱蓄熱材に設けられて同潜熱蓄熱材の熱を電気に変換する熱電素子と、加熱器および熱電素子の各作動をそれぞれ制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、発熱機器の作動状況および第1の潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、加熱器を作動させて第1の潜熱蓄熱体における第1の潜熱蓄熱材を加熱し、かつ人間からの直接的な指示、発熱機器の作動状況および第2の潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、熱電素子を作動させて第2の潜熱蓄熱体における第2の潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することにある。
【0023】
このように構成した本発明の特徴によれば、温度変化抑制装置は、第1の潜熱蓄熱材を加熱する加熱器を備えているため、第1の潜熱蓄熱材を加熱することで発熱機器の温度低下を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができるとともに、第2の潜熱蓄熱材の熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電素子を備えているため、第2の潜熱蓄熱材の熱を吸熱することで発熱機器の温度上昇を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【0024】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、第1の潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を制御装置に出力する第1の温度検出器を備え、第2の潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を制御装置に出力する第2の温度検出器を備え、制御装置は、第1の温度検出器における検出信号を用いて第1の潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、加熱器を作動させて第1の潜熱蓄熱材を加熱する、または第2の温度検出器における検出信号を用いて第2の潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで上昇したことを検出したとき、熱電素子を作動させて第2の潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することにある。
【0025】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、第1の温度検出器が出力する検出信号を用いて第1の潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき加熱器を作動させて第1の潜熱蓄熱材を加熱しているため、第1の潜熱蓄熱材の温度低下の状況に応じて効率的に第1の潜熱蓄熱材を加熱することで発熱機器の温度低下を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。また、温度変化抑制装置は、第2の温度検出器が出力する検出信号を用いて第2の潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで上昇したことを検出したとき熱電素子を作動させて第2の潜熱蓄熱材の熱を電気に変換しているため、第2の潜熱蓄熱材の温度上昇の状況に応じて効率的に第2の潜熱蓄熱材の熱を吸収して電気に変換することで発熱機器の温度上昇を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【0026】
なお、これらの発明において、人間からの直接的な指示は、人間の手、足または口頭などによる操作を電気的に受け付ける操作子を介して行なわれるものであり、例えば、ジョイスティック、トグルスイッチ、押下ボタン、タッチパネル、足踏み式ボタン、ダイヤルまたはマイクを介した音声認識技術などの各種操作子に対する操作がある。また、発熱機器の作動状況とは、発熱機器が作動している状態または状況であり、例えば、各種物理量(発熱機器の振動の大きさまたは量、発熱機器の温度、発熱機器の移動量、発熱機器が出力する力など)のほか、発熱機器が作動を介してからの時間などがある。
【0027】
また、本発明は、温度変化抑制装置の発明として実施できるばかりでなく、この温度変化抑制装置を備えた自走式車両の発明として実施できるものである。
【0028】
具体的には、原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、原動機に設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、原動機の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱するようにすればよい。
【0029】
また、原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、原動機に設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材に設けられて同潜熱蓄熱材の熱を電気に変換する熱電素子と、熱電素子の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、前記原動機の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、熱電素子を作動させて潜熱蓄熱材の熱を電気に変換するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態に係る温度変化抑制装置のシステム構成を模式的に示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る温度変化抑制装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る温度変化抑制装置100のシステム構成を模式的に示す概念図である。
【0032】
この温度変化抑制装置100は、エンジン90およびトランスミッション92に設けられてエンジン90内のエンジンオイル(図示せず)およびトランスミッションオイル(図示せず)の過冷却および過熱を抑制するものである。ここで、エンジン90は、自走式車両に搭載されて燃料を燃焼させることで回転駆動力を発生させる機械装置であり、レシプロエンジンによって構成されている。このエンジン90の下部には、エンジンオイルを貯留するオイルパン91が設けられている。また、トランスミッション92は、エンジン90が回転駆動させる原動軸のトルク、回転数または回転方向を変換して従動軸に伝達するための機械装置である。このトランスミッション92の下部には、トランスミッションオイルを貯留するオイルパン93が設けられている。
【0033】
(温度変化抑制装置100の構成)
温度変化抑制装置100は、潜熱蓄熱材(図示せず)を有した潜熱蓄熱体101,104,110,113をそれぞれ備えている。潜熱蓄熱材(PCM:Phase Change Material)は、液相と固相との間の相変化時における吸熱作用または放熱作用を発揮する物質である。この潜熱蓄熱体(PCM:Phase Change Material)101,104,110,113は、無機潜熱蓄熱材および有機系潜熱蓄熱材のうちの1種または2種以上で構成することができる。
【0034】
無機潜熱蓄熱材としては、例えば、硫酸ナトリウム10水和物、炭酸ナトリウム10水和物、リン酸水素ナトリウム12水和物、チオ硫酸ナトリウム5水和物および塩化カルシウム6水和物などの水和塩などがある。また、有機潜熱蓄熱材としては、例えば、脂肪族炭化水素、長鎖アルコール、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステル、ポリエーテル化合物および脂肪酸トリグリセリドなどがある。
【0035】
潜熱蓄熱体101は、エンジン90のエンジンオイルの温度低下を抑制するための潜熱蓄熱材101aを有した部品である。具体的には、潜熱蓄熱体101は、金属製または樹脂製の容器内に前記した潜熱蓄熱材を潜熱蓄熱材101aとして液密的に充填して構成されており、オイルパン91の外表面上に密着した状態で取り付けられている。この場合、潜熱蓄熱材101aは、容器内に直接充填されていてもよいし、カプセル化した潜熱蓄熱材101aをゲル中に分散した状態で充填されていてもよい。また、潜熱蓄熱材101aを収容する容器は、剛体であってもよいがオイルパン91の外表面に沿って変形可能なフィルムパックであってもよい。
【0036】
この潜熱蓄熱体101内に充填される潜熱蓄熱材101aは、エンジンオイルが概ね40℃以下になることを抑制するために、40℃以下で固化する相変化温度(融点)に調整された潜熱蓄熱材で構成されており、本発明に係る第1の潜熱蓄熱材に相当する。この潜熱蓄熱体101には、温度センサ102および加熱器103がそれぞれ設けられている。温度センサ102は、潜熱蓄熱体101内の潜熱蓄熱材101aの温度に対応する検出信号を後述する制御装置130に出力するための検出器であり、本発明に係る第1の温度検出器に相当する。
【0037】
加熱器103は、潜熱蓄熱体101内の潜熱蓄熱材101aを加熱するための器具であり、電熱器で構成されている。本実施形態においては、加熱器103は、電熱線で構成されており、潜熱蓄熱体101の外表面に面して設けられている。この加熱器103は、後述する二次電池120に電気的に接続されており、制御装置130によって作動が制御される。本実施形態においては、加熱器103は、潜熱蓄熱材101aを相変化温度(40℃)まで加熱することができる。なお、加熱器103は、潜熱蓄熱材101aの相変化温度を超えて加熱することができるように構成してもよいことは当然である。また、加熱器103は、潜熱蓄熱体101の内部、すなわち、潜熱蓄熱材101a中に設けることもできる。
【0038】
潜熱蓄熱体104は、エンジン90のエンジンオイルの温度の過度な温度上昇を抑制するための潜熱蓄熱材104aを有した部品である。具体的には、潜熱蓄熱体101は、金属製または樹脂製の容器内に前記した潜熱蓄熱材を潜熱蓄熱材104aとして液密的に充填して構成されており、オイルパン91の外表面上に密着した状態で取り付けられている。この場合、潜熱蓄熱材104aは、前記潜熱蓄熱材101aと同様に、容器内に直接充填されていてもよいし、カプセル化した潜熱蓄熱材104aをゲル中に分散した状態で充填されていてもよい。また、潜熱蓄熱材104aを収容する容器は、剛体であってもよいがオイルパン91の外表面に沿って変形可能なフィルムパックであってもよい。
【0039】
この潜熱蓄熱体104内に充填される潜熱蓄熱材104aは、エンジンオイルが90℃以上に過熱されることを抑制するために、90℃以下で固化する相変化温度(融点)に調整された潜熱蓄熱材で構成されている。すなわち、この潜熱蓄熱材104aは、前記潜熱蓄熱材101aとは異なる相変化温度を有して構成されており、本発明に係る第2の潜熱蓄熱材に相当する。この潜熱蓄熱体104には、温度センサ105および熱電素子106がそれぞれ設けられている。温度センサ105は、潜熱蓄熱体104内の潜熱蓄熱材104aの温度に対応する検出信号を制御装置130に出力するための検出器であり、本発明に係る第2の温度検出器に相当する。
【0040】
熱電素子106は、潜熱蓄熱体101内の潜熱蓄熱材104aの熱エネルギを電気エネルギに変換して出力する部品であり、ゼーベック効果を発揮する2種の金属(例えば、ビスマスとテルルなど)を板状またはシート状に形成して構成されている。この熱電素子106は、二次電池120に電気的に接続されており、制御装置130によって作動が制御される。本実施形態においては、熱電素子106は、200℃以下で発電するように構成されている。この熱電素子106は、潜熱蓄熱体104内の潜熱蓄熱材104aの相変化温度以上の温度で発電するように構成されていることが好ましい。
【0041】
潜熱蓄熱体110は、トランスミッション92のトランスミッションオイルの温度低下を抑制するための潜熱蓄熱材110aを有した部品である。具体的には、潜熱蓄熱体110は、潜熱蓄熱体101と同様に、金属製または樹脂製の容器内に前記した潜熱蓄熱材を潜熱蓄熱材110aとして液密的に充填して構成されており、オイルパン93の外表面上に密着した状態で取り付けられている。この場合、潜熱蓄熱材110aは、容器内に直接充填されていてもよいし、カプセル化した潜熱蓄熱材110aをゲル中に分散した状態で充填されていてもよい。また、潜熱蓄熱材110aを収容する容器は、剛体であってもよいがオイルパン93の外表面に沿って変形可能なフィルムパックであってもよい。
【0042】
この潜熱蓄熱体110内に充填される潜熱蓄熱材110aは、潜熱蓄熱体101と同様に、トランスミッションオイルが概ね40℃以下になることを抑制するために、40℃以下で固化する相変化温度(融点)に調整された潜熱蓄熱材で構成されている。すなわち、潜熱蓄熱材110aは、本発明に係る第1の潜熱蓄熱材に相当する。この潜熱蓄熱体110には、温度センサ111および加熱器112がそれぞれ設けられている。温度センサ111は、潜熱蓄熱体110内の潜熱蓄熱材110aの温度に対応する検出信号を制御装置130に出力するための検出器であり、本発明に係る第1の温度検出器に相当する。
【0043】
加熱器112は、加熱器103と同様に、潜熱蓄熱体110内の潜熱蓄熱材110aを加熱するための器具であり、電熱器で構成されている。本実施形態においては、加熱器112は、電熱線で構成されており、潜熱蓄熱体110の外表面に面して設けられている。この加熱器112は、二次電池120に電気的に接続されており、制御装置130によって作動が制御される。本実施形態においては、加熱器112は、潜熱蓄熱体110内の潜熱蓄熱材110aを相変化温度(40℃)まで加熱することができる。なお、加熱器112は、潜熱蓄熱体110内の潜熱蓄熱材110aの相変化温度を超えて加熱することができるように構成してもよいことは当然である。また、加熱器112は、潜熱蓄熱体110の内部、すなわち、潜熱蓄熱材110a中に設けることもできる。
【0044】
潜熱蓄熱体113は、トランスミッション92のトランスミッションオイルの温度の過度な温度上昇を抑制するための潜熱蓄熱材113aを有した部品である。具体的には、潜熱蓄熱体113は、潜熱蓄熱体101と同様に、金属製または樹脂製の容器内に前記した潜熱蓄熱材を潜熱蓄熱材113aとして液密的に充填して構成されており、オイルパン93の外表面上に密着した状態で取り付けられている。この場合、潜熱蓄熱材113aは、前記潜熱蓄熱体110と同様に、容器内に直接充填されていてもよいし、カプセル化した潜熱蓄熱材113aをゲル中に分散した状態で充填されていてもよい。また、潜熱蓄熱材113aを収容する容器は、剛体であってもよいがオイルパン93の外表面に沿って変形可能なフィルムパックであってもよい。
【0045】
この潜熱蓄熱体113内に充填される潜熱蓄熱材113aは、潜熱蓄熱体104と同様に、トランスミッションオイルが90℃以上に過熱されることを抑制するために、90℃以下で固化する相変化温度(融点)に調整された潜熱蓄熱材で構成されている。すなわち、この潜熱蓄熱材113aは、前記潜熱蓄熱材110aとは異なる相変化温度を有して構成されており、本発明に係る第2の潜熱蓄熱材に相当する。この潜熱蓄熱体113には、温度センサ114および熱電素子115がそれぞれ設けられている。温度センサ114は、潜熱蓄熱体113内の潜熱蓄熱材113aの温度に対応する検出信号を制御装置130に出力するための検出器であり、本発明に係る第2の温度検出器に相当する。
【0046】
熱電素子115は、潜熱蓄熱体101内の潜熱蓄熱材113aの熱エネルギを電気エネルギに変換して出力する部品であり、ゼーベック効果を発揮する2種の金属(例えば、ビスマスとテルルなど)を板状またはシート状に形成して構成されている。この熱電素子115は、二次電池120に電気的に接続されており、制御装置130によって作動が制御される。本実施形態においては、熱電素子115は、熱電素子106と同様に、200℃以下で発電するように構成されている。この熱電素子115は、潜熱蓄熱体101内の潜熱蓄熱材113aの相変化温度以上の温度で発電するように構成されていることが好ましい。
【0047】
二次電池120は、熱電素子106,115が出力する電気エネルギを蓄えるとともに加熱器112に対して電力を供給する充電放電可能な電池である。本実施形態においては、二次電池120は、リチウムイオン電池で構成されているが、他の形態の電池、例えば、ニッケル水素電池で構成することもできる。この二次電池120は、制御装置130に接続されており、この制御装置130によって充電量がモニタリングされている。また、二次電池120は、温度変化抑制装置100が搭載される自走式車両の発電機94にも電気的に接続されている。
【0048】
したがって、二次電池120は、充電量が所定値以下の低充電量状態になったことが検出された場合には、制御装置130による作動制御によって発電機94によって充電される。なお、二次電池120は、二次電池120が搭載される自走式車両のスターターモータを始めとする各種電装品に電力を供給するために電気エネルギを蓄える電池(例えば、鉛蓄電池)と共用してもよい。
【0049】
制御装置130は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータによって構成されており、ROMなどの記憶装置に予め記憶された制御プログラムを実行することによって温度変化抑制装置100の作動を制御する。より具体的には、制御装置130は、温度センサ102,105,111,114が出力する検出信号に基づいて加熱器103,112および熱電素子106,115の各作動をそれぞれ制御する。また、この温度変化抑制装置100が搭載される自走式車両の全体の作動を総合的に制御する。
【0050】
(温度変化抑制装置100の作動)
次に、このように構成した温度変化抑制装置100の作動について説明する。この温度変化抑制装置100は、温度変化抑制装置100が搭載される自走式車両のエンジン90が作動している間および停止している間にそれぞれ機能する。
【0051】
まず、自走式車両のエンジン90が作動している場合(つまり、走行時)における温度変化抑制装置100の作動について説明する。自走式車両のエンジンオイルおよびトランスミッションオイルは、一般的にエンジン90の始動時においては概ね80℃前後の油温に制御されている。この温度変化抑制装置100は、エンジンオイルおよびトランスミッションオイルがそれぞれ90℃以上に過熱されることを抑制する。
【0052】
具体的には、制御装置130は、温度センサ105,114からそれぞれ出力される検出信号を介して潜熱蓄熱材104aおよび潜熱蓄熱材113aの各温度を連続的または断続的に監視して潜熱蓄熱体104および/または潜熱蓄熱体113の各温度が所定の温度(本実施形態においては、90℃)に達したことを検出したとき、熱電素子106および/または熱電素子115の作動をそれぞれ開始させる。具体的には、制御装置130は、熱電素子106および/または熱電素子115を二次電池120に電気的に接続する。
【0053】
これにより、温度変化抑制装置100は、潜熱蓄熱材104aおよび/潜熱蓄熱材113aによる吸熱作用に加えて、潜熱蓄熱材104aおよび/または潜熱蓄熱材113aの熱エネルギを電気エネルギに変換して二次電池120を充電することでエンジンオイルおよび/またはトランスミッションオイルの温度上昇を抑制するとともに二次電池120に電気エネルギを蓄えることができる。この場合、制御装置130は、潜熱蓄熱材104aおよび/または潜熱蓄熱材113aの各温度が所定の温度(本実施形態においては、90℃)以下になったことを検出したとき、または二次電池120の充電量が所定の充電量(例えば、90%)以上の高充電状態に達したことを検出したときには、熱電素子106および/または熱電素子115の二次電池120への電気的な接続を切断して二次電池120の充電処理を中断する。
【0054】
次に、自走式車両のエンジン90が停止している場合(つまり、駐車時)における温度変化抑制装置100の作動について説明する。自走式車両のエンジンオイルおよびトランスミッションオイルは、エンジン90の停止によって油温が経時的に徐々に低下する。温度変化抑制装置100は、エンジンオイルおよびトランスミッションオイルがそれぞれ40℃以下の温度に低下することを抑制する。
【0055】
具体的には、制御装置130は、温度センサ102,111からそれぞれ出力される検出信号を介して潜熱蓄熱材101aおよび潜熱蓄熱材110aの各温度を連続的または断続的に監視して潜熱蓄熱材101aおよび/または潜熱蓄熱材110aの各温度が所定の温度(本実施形態においては、40℃)まで低下したことを検出したとき、加熱器103および/または加熱器112の作動をそれぞれ開始させる。具体的には、制御装置130は、二次電池120から加熱器103および/または加熱器112に電極を供給する。
【0056】
これにより、温度変化抑制装置100は、潜熱蓄熱材101aおよび/潜熱蓄熱材110aによる放熱作用に加えて、潜熱蓄熱材101aおよび/または潜熱蓄熱材110aを加熱することでエンジンオイルおよび/またはトランスミッションオイルの温度低下を抑制することができ、エンジン90の再始動を円滑に行うことができる。この場合、制御装置130は、潜熱蓄熱材101aおよび/または潜熱蓄熱材110aの各温度が所定の温度(本実施形態においては、40℃)以上になったことを検出したとき、または二次電池120の充電量が所定の充電量(例えば、10%)以下の低充電状態まで低下したことを検出したときには、加熱器103および/または加熱器112の給電を中断して潜熱蓄熱材101aおよび/潜熱蓄熱材110aに加熱処理を中断する。
【0057】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、温度変化抑制装置100は、潜熱蓄熱体101,110の各潜熱蓄熱材101a,110aを加熱する加熱器103,112をそれぞれ備えているため、各潜熱蓄熱材101a,110aを加熱することで潜熱蓄熱材101a,110a単体の保温限界を超えてエンジンオイルおよびトランスミッションオイルの温度低下を抑えてエンジンオイルおよびトランスミッションオイルの温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【0058】
また、温度変化抑制装置100は、潜熱蓄熱材104a,113aの熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電素子106,115を備えているため、潜熱蓄熱材104a,113aの熱を吸熱することでエンジンオイルおよびトランスミッションオイルの温度上昇を抑えてエンジンオイルおよびトランスミッションオイルの温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができるとともに回収した熱を電気エネルギとして二次電池120に蓄えることができる。
【0059】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0060】
例えば、上記実施形態においては、温度変化抑制装置100は、エンジン90およびトランスミッション92をそれぞれ本発明に係る発熱機器としてそれぞれ潜熱蓄熱体101,104,110,113を設けて構成した。これにより、温度変化抑制装置100は、エンジン90およびトランスミッション92におけるエンジンオイルおよびトランスミッションオイルを所定の温度範囲(上記実施形態においては概ね30℃以上かつ100℃以下の範囲)に維持することができる。すなわち、潜熱蓄熱体101,110が本発明に係る第1の潜熱蓄熱体に相当するとともに潜熱蓄熱体104,113が本発明に係る第2の潜熱蓄熱体に相当する。
【0061】
しかし、温度変化抑制装置100は、エンジン90およびトランスミッション92のうちの一方にのみ潜熱蓄熱体101,104または潜熱蓄熱体110,113を設けて構成することもできる。また、温度変化抑制装置100は、エンジン90に対して潜熱蓄熱体101および潜熱蓄熱体104のうちの一方のみを設けて構成してもよいし、トランスミッション92に対して潜熱蓄熱体110および潜熱蓄熱体113のうちの一方のみを設けて構成することもできる。
【0062】
また、上記実施形態においては、温度変化抑制装置100は、潜熱蓄熱体101,104,110,113に温度センサ102,105,111,114をそれぞれ設けて潜熱蓄熱材101a,104a,110a,113aの各温度に応じて加熱器103,112および熱電素子106,115の各作動をそれぞれ制御するように構成した。しかし、温度変化抑制装置100は、エンジン90およびトランスミッション92に対して温度センサをそれぞれ設けることで潜熱蓄熱材101a,104a,110a,113aの各温度を間接的に測定または推定して加熱器103,112および熱電素子106,115の各作動を制御することもできる。
【0063】
また、温度変化抑制装置100は、人間からの直接的な指示のほか、エンジン90またはトランスミッション92の作動状況に応じて加熱器103,112および熱電素子106,115の作動をそれぞれ制御することもできる。例えば、温度変化抑制装置100は、図1の破線で示すように、自走式車両の運転者が制御装置130に対して加熱器103,112および熱電素子106,115の作動開始または作動停止を指示するための入力装置としての操作子131を備えることができる。この場合、操作子131は、運転者が手操作または足操作するジョイスティック、トグルスイッチ、押下ボタン、ダイヤル、フットスイッチまたは足踏みペダルなどで構成することができる。そして、運転者は、制御装置130によって示される潜熱蓄熱体101,104,110,113の各潜熱蓄熱材101a,104a,110a,113aの温度に従って操作子131を操作することで加熱器103,112および熱電素子106,115の各作動を制御することができる。
【0064】
また、温度変化抑制装置100は、エンジン90が停止してから所定の時間以上経過したことをトリガとして加熱器103,112および熱電素子106,115の各作動を制御することができる。また、温度変化抑制装置100は、エンジン90の回転数を検出して所定の回転数が所定の時間以上継続したことをトリガとして熱電素子106,115の作動を制御することもできる。また、温度変化抑制装置100は、トランスミッション92における特定の変速段が所定の時間継続して選択されていることをトリガとして熱電素子106,115の作動を制御することもできる。
【0065】
また、上記実施形態においては、温度変化抑制装置100は、潜熱蓄熱体101,110の各潜熱蓄熱材101a,110aの温度が所定の温度に達したことをトリガとして加熱器103,112の作動を制御した。しかし、温度変化抑制装置100は、二次電池120の充電量が高充電状態である場合に加熱器103,112を作動させて潜熱蓄熱材101a,110aを加熱することもできる。これによれば、温度変化抑制装置100は、二次電池120が過充電状態となることを防止することができる。ここで、二次電池120の高充電状態は、二次電池120の充電容量の少なくとも50%以上であればよく、例えば、60%以上、70%以上、80%以上または90%以上でもよい。この場合、二次電池120の充電状態は、100%または100%に近い値、例えば90%以上かつ100%以下、または95%以上かつ100%以下を満充電状態として潜熱蓄熱材101a,110aを加熱するようにしてもよい。
【0066】
また、上記実施形態においては、二次電池120は、熱電素子106,115および自走式車両の発電機94によって充電されるように構成した。すなわち、熱電素子106,115および自走式車両の発電機94は、本発明に係る給電手段に相当する。しかし、給電手段は、熱電素子106,115および発電機94に代えてまたは加えて、排気熱などの種々の熱エネルギを電気エネルギに変換する発電機のほか、太陽電池または風力発電機などの自然エネルギ由来の発電機を用いることができる。
【0067】
また、上記実施形態においては、温度変化抑制装置100は、潜熱蓄熱材104aおよび/または潜熱蓄熱材113aの各温度が所定の温度(本実施形態においては、90℃)に達したことを検出したとき、熱電素子106および/または熱電素子115の作動を開始させて二次電池120を充電するように構成した。しかし、温度変化抑制装置100は、二次電池120の充電量を検出して同二次電池120が充電容量の低充電状態である場合に二次電池120を充電するように構成してもよい。
【0068】
この場合、温度変化抑制装置100は、熱電素子106および/または熱電素子115を作動させて二次電池120を充電するようにしてもよいし、自走式車両の発電機94を作動させて二次電池120を充電するようにしてもよい。さらに、温度変化抑制装置100は、上記した熱エネルギを電気エネルギに変換する発電機のほか、太陽電池または風力発電機などの自然エネルギ由来の発電機などからなる給電手段を備えることで二次電池120を充電する。
【0069】
これらの場合、二次電池120の低充電状態は、二次電池120の充電容量の少なくとも50%以下であればよく、例えば、40%以下、30%以下または20%以下でもよい。また、二次電池120の充電状態は、0%または0%に近い値、例えば10%以下かつ0%以上、または5%以下かつ0%以上を低充電状態として二次電池120を充電するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態においては、温度変化抑制装置100は、加熱器103,112として電熱線で構成した。しかし、加熱器103,112は、潜熱蓄熱体101,110を加熱することができる機器であればよい。したがって、加熱器103,112は、例えば、ペルチェ素子で構成することもできる。この場合、制御装置130は、ペルチェ素子に印加する電圧の向きを反転させることで潜熱蓄熱材101a,110aを冷却して温度を低下させることもできる。なお、温度変化抑制装置100は、ペルチェ素子を用いて潜熱蓄熱材104a,113aを冷却および/または加熱することもできる。
【0071】
また、上記実施形態においては、潜熱蓄熱材101aと潜熱蓄熱材110aとを同じ相変化温度特性を有する潜熱蓄熱材で構成するとともに、潜熱蓄熱材104aと潜熱蓄熱材113aとを同じ相変化温度特性を有する潜熱蓄熱材で構成した。しかし、潜熱蓄熱材101a,104a,110a,113aは、加熱対象または冷却対象の仕様に応じて適宜設計されるものである。したがって、潜熱蓄熱材101aと潜熱蓄熱材110aとを互いに異なる相変化温度特性を有する潜熱蓄熱材で構成するとともに、潜熱蓄熱材104aと潜熱蓄熱材113aとを互いに異なる相変化温度特性を有する潜熱蓄熱材で構成することもできる。
【0072】
また、上記実施形態においては、温度変化抑制装置100は、エンジン90およびトランスミッション92に潜熱蓄熱体101,104,110,113を設けて構成した。しかし、温度変化抑制装置100は、作動の開始によって発熱するとともに前記作動の停止によって温度が低下する発熱機器に広く用いることができる。例えば、温度変化抑制装置100は、レシプロエンジンを搭載した自走式車両、電気自動車(EV)または燃料電池自動車(FCV)などの各種自走式車両に搭載される電動機、二次電池、制動装置または電気電子回路基板などに設けることができる。また、温度変化抑制装置100は、自走式車両以外の機械装置または設備に備えられる電動機、二次電池、制動装置または電気電子回路基板などに設けることができる。
【符号の説明】
【0073】
90…エンジン、91…オイルパン、92…トランスミッション、93…オイルパン、94…発電機、
100…温度変化抑制装置、
101…潜熱蓄熱体、101a…潜熱蓄熱材、102…温度センサ、103…加熱器、104…潜熱蓄熱体、104a…潜熱蓄熱材、105…温度センサ、106…熱電素子、
110…潜熱蓄熱体、110a…潜熱蓄熱材、111…温度センサ、112…加熱器、113…潜熱蓄熱体、113a…潜熱蓄熱材、114…温度センサ、115…熱電素子、
120…二次電池、
130…制御装置、131…操作子。
図1
【手続補正書】
【提出日】2021-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動の開始によって発熱するとともに前記作動の停止によって温度が低下する発熱機器に直接設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、
前記加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記発熱機器の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項2】
作動の開始によって発熱するとともに前記作動の停止によって温度が低下する発熱機器に直接設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材に設けられて同潜熱蓄熱材の熱を電気に変換する熱電素子と、
前記熱電素子の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記発熱機器の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記熱電素子を作動させて前記潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項3】
作動の開始によって発熱するとともに前記作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、
前記加熱器を作動させるための二次電池と、
前記加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記発熱機器の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱するものであり、かつ前記二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の80%以上の高充電状態であると判定したとき、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱して前記二次電池が過充電状態になることを防止することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項4】
作動の開始によって発熱するとともに前記作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、
前記潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を前記制御装置に出力する温度検出器と、
前記加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記発熱器が作動を停止している際に前記検出信号を用いて前記潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項5】
作動の開始によって発熱するとともに前記作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、
前記加熱器を作動させるための二次電池と、
前記二次電池に電気を供給する給電手段と、
前記加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記発熱機器の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱するものであり、かつ前記発熱器が作動を停止している際に前記二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の20%以下の低充電状態であると判定したとき、前記給電手段の作動を制御して前記二次電池を充電することを特徴とする温度変化抑制装置。
【請求項6】
原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、
前記原動機に直接設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、
前記加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記原動機の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱することを特徴とする自走式車両。
【請求項7】
原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、
前記原動機に直接設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材に設けられて同潜熱蓄熱材の熱を電気に変換する熱電素子と、
前記熱電素子の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記原動機の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記熱電素子を作動させて前記潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することを特徴とする自走式車両。
【請求項8】
原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、
前記原動機に設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、
前記加熱器を作動させるための二次電池と、
前記加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記原動機の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱するものであり、かつ前記二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の80%以上の高充電状態であると判定したとき、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱して前記二次電池が過充電状態になることを防止することを特徴とする自走式車両。
【請求項9】
原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、
前記原動機に設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、
前記潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を前記制御装置に出力する温度検出器と、
前記加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記原動機が作動を停止している際に前記検出信号を用いて前記潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱することを特徴とする自走式車両。
【請求項10】
原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、
前記原動機に設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、
前記潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、
前記加熱器を作動させるための二次電池と、
前記二次電池に電気を供給する給電手段と、
前記加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
人間からの直接的な指示、前記原動機の作動状況および前記潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記加熱器を作動させて前記潜熱蓄熱材を加熱するものであり、かつ前記原動機が作動を停止している際に前記二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の20%以下の低充電状態であると判定したとき、前記給電手段の作動を制御して前記二次電池を充電することを特徴とする自走式車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、作動の開始によって発熱するとともに作動の停止によって温度が低下する発熱機器に直接設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、発熱機器の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱することにある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、作動の開始によって発熱するとともに作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、加熱器を作動させるための二次電池と、加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、発熱機器の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱するものであり、かつ二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の80%以上の高充電状態であると判定したとき、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱して二次電池が過充電状態になることを防止することにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、作動の開始によって発熱するとともに作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を制御装置に出力する温度検出器と、加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、発熱器が作動を停止している際に検出信号を用いて潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、作動の開始によって発熱するとともに作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、加熱器を作動させるための二次電池と、二次電池に電気を供給する給電手段と、加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、発熱機器の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱するものであり、かつ発熱器が作動を停止している際に二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の20%以下の低充電状態であると判定したとき、給電手段の作動を制御して二次電池を充電することにある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
このように構成した本発明の特徴によれば、温度変化抑制装置は、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器を備えているため、潜熱蓄熱材を加熱することで潜熱蓄熱材単体の保温限界を超えて発熱機器の温度低下を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、作動の開始によって発熱するとともに作動の停止によって温度が低下する発熱機器に直接設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材に設けられて同潜熱蓄熱材の熱を電気に変換する熱電素子と、熱電素子の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、発熱機器の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、熱電素子を作動させて潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することにある。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
このように構成した本発明の特徴によれば、温度変化抑制装置は、潜熱蓄熱材の熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電素子を備えているため、潜熱蓄熱材の熱を吸熱することで発熱機器の温度上昇を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を制御装置に出力する温度検出器を備え、制御装置は、前記検出信号を用いて潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱することにある。このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、温度検出器が出力する検出信号を用いて潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱しているため、潜熱蓄熱材の温度低下の状況に応じて効率的に潜熱蓄熱材を加熱することで発熱機器の温度低下を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、さらに、加熱器を作動させるための二次電池と、二次電池に電気を供給する給電手段とを備え、制御装置は、給電手段の作動を制御して二次電池を充電することにある。このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、給電手段の作動を制御して加熱器の電源となる二次電池を充電するため、二次電池の充電量不足によって加熱器が作動できない事態を避けて安定的に発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。ここで、給電手段としては、熱エネルギ(排気熱、機械の作動時の熱など)を電気エネルギに変換する発電機または熱電素子のほか、太陽電池または風力発電機などの自然エネルギ由来の発電機がある。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、制御装置は、二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の80%以上の高充電状態であると判定したとき、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱することにある。このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の80%以上の高充電状態である場合に潜熱蓄熱材を加熱するため、二次電池が過充電状態となることを防止することができる。なお、この二次電池の高充電状態は、二次電池の充電容量の少なくとも50%以上であればよく、例えば、60%以上、70%以上または90%以上でもよい。この場合、二次電池の充電状態は、100%または100%に近い値、例えば90%以上かつ100%以下、または95%以上かつ100%以下を満充電状態として潜熱蓄熱材を加熱するようにしてもよい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、本発明の他の特徴は、温度変化抑制装置において、制御装置は、二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の20%以下の低充電状態であると判定したとき、給電手段の作動を制御して二次電池を充電することにある。このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の20%以下の低充電状態である場合に二次電池を充電するため、二次電池の充電不足を防止することができる。なお、この二次電池の低充電状態は、二次電池の充電容量の少なくとも50%以下であればよく、例えば、40%以下または30%以下でもよい。この場合、二次電池の充電状態は、0%または0%に近い値、例えば10%以下かつ0%以上、または5%以下かつ0%以上を低充電状態として二次電池を充電するようにしてもよい。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を制御装置に出力する温度検出器を備え、制御装置は、前記検出信号を用いて潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで上昇したことを検出したとき、熱電素子を作動させて潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することにある。このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、温度検出器が出力する検出信号を用いて潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで上昇したことを検出したとき、熱電素子を作動させて潜熱蓄熱材の熱を電気に変換しているため、潜熱蓄熱材の温度上昇の状況に応じて効率的に潜熱蓄熱材の熱を吸収して電気に変換することで発熱機器の温度上昇を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、さらに、熱電素子が発電した電気を蓄えるための二次電池を備え、制御装置は、熱電素子が発電した電気によって二次電池を充電することにある。このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、熱電素子が発電した電気によって二次電池を充電しているため、熱電素子が発電した電気を二次電池が貯めることで電力を必要とする機器に必要なタイミングで供給することができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
また、上記目的を達成するため、本発明の特徴は、作動の開始によって発熱するとともに作動の停止によって温度が低下する発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う第1の潜熱蓄熱材を有した第1の潜熱蓄熱体と、発熱機器に設けられて同発熱機器に対して吸熱または放熱を行う第1の潜熱蓄熱材とは異なる相変化温度で構成された第2の潜熱蓄熱材を有した第2の潜熱蓄熱体と、第1の潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、第2の潜熱蓄熱材に設けられて同潜熱蓄熱材の熱を電気に変換する熱電素子と、加熱器および熱電素子の各作動をそれぞれ制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、発熱機器の作動状況および第1の潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、加熱器を作動させて第1の潜熱蓄熱体における第1の潜熱蓄熱材を加熱し、かつ人間からの直接的な指示、発熱機器の作動状況および第2の潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、熱電素子を作動させて第2の潜熱蓄熱体における第2の潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することもできる。このように構成した本発明の特徴によれば、温度変化抑制装置は、第1の潜熱蓄熱材を加熱する加熱器を備えているため、第1の潜熱蓄熱材を加熱することで発熱機器の温度低下を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができるとともに、第2の潜熱蓄熱材の熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電素子を備えているため、第2の潜熱蓄熱材の熱を吸熱することで発熱機器の温度上昇を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
また、本発明の他の特徴は、前記温度変化抑制装置において、第1の潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を制御装置に出力する第1の温度検出器を備え、第2の潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を制御装置に出力する第2の温度検出器を備え、制御装置は、第1の温度検出器における検出信号を用いて第1の潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、加熱器を作動させて第1の潜熱蓄熱材を加熱する、または第2の温度検出器における検出信号を用いて第2の潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで上昇したことを検出したとき、熱電素子を作動させて第2の潜熱蓄熱材の熱を電気に変換することもできる。このように構成した本発明の他の特徴によれば、温度変化抑制装置は、第1の温度検出器が出力する検出信号を用いて第1の潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき加熱器を作動させて第1の潜熱蓄熱材を加熱しているため、第1の潜熱蓄熱材の温度低下の状況に応じて効率的に第1の潜熱蓄熱材を加熱することで発熱機器の温度低下を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。また、温度変化抑制装置は、第2の温度検出器が出力する検出信号を用いて第2の潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで上昇したことを検出したとき熱電素子を作動させて第2の潜熱蓄熱材の熱を電気に変換しているため、第2の潜熱蓄熱材の温度上昇の状況に応じて効率的に第2の潜熱蓄熱材の熱を吸収して電気に変換することで発熱機器の温度上昇を抑えて発熱機器の温度変化を所望する温度範囲内に抑制することができる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
なお、これらの発明において、人間からの直接的な指示は、人間の手、足または口頭などによる操作を電気的に受け付ける操作子を介して行なわれるものであり、例えば、ジョイスティック、トグルスイッチ、押下ボタン、タッチパネル、足踏み式ボタン、ダイヤルまたはマイクを介した音声認識技術などの各種操作子に対する操作がある。また、発熱機器の作動状況とは、発熱機器が作動している状態または状況であり、例えば、各種物理量(発熱機器の振動の大きさまたは量、発熱機器の温度、発熱機器の移動量、発熱機器が出力する力など)のほか、発熱機器が作動を開始してからの時間などがある。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、本発明は、温度変化抑制装置の発明として実施できるばかりでなく、この温度変化抑制装置を備えた自走式車両の発明として実施できるものである。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
具体的には、原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、原動機に直接設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、原動機の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱するようにすればよい。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
また、原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、原動機に直接設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、加熱器を作動させるための二次電池と、加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、原動機の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱するものであり、かつ二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の80%以上の高充電状態であると判定したとき、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱して二次電池が過充電状態になることを防止するようにすればよい。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
また、原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、原動機に設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、潜熱蓄熱材の温度を検出するための検出信号を制御装置に出力する温度検出器と、加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、原動機が作動を停止している際に検出信号を用いて潜熱蓄熱材の温度が所定の温度まで低下したことを検出したとき、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱するようにすればよい。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、原動機に設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材を加熱する加熱器と、加熱器を作動させるための二次電池と、二次電池に電気を供給する給電手段と、加熱器の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、原動機の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、加熱器を作動させて潜熱蓄熱材を加熱するものであり、かつ原動機が作動を停止している際に二次電池の充電量を検出して同二次電池が充電容量の20%以下の低充電状態であると判定したとき、給電手段の作動を制御して二次電池を充電するようにすればよい。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
また、原動機の駆動力によって自走する自走式車両であって、原動機に直接設けられて同原動機に対して吸熱または放熱を行う潜熱蓄熱材を有した潜熱蓄熱体と、潜熱蓄熱材に設けられて同潜熱蓄熱材の熱を電気に変換する熱電素子と、熱電素子の作動を制御する制御装置とを備え、制御装置は、人間からの直接的な指示、前記原動機の作動状況および潜熱蓄熱材の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、熱電素子を作動させて潜熱蓄熱材の熱を電気に変換するようにすればよい。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
削除
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
削除