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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109692
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】保温容器及び梱包構造体
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/38 20060101AFI20220721BHJP
   B65D 21/02 20060101ALI20220721BHJP
   B65D 21/036 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
B65D81/38 N
B65D21/02 210
B65D21/036
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005149
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002440
【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田島 一雄
(72)【発明者】
【氏名】櫛間 信彦
【テーマコード(参考)】
3E006
3E067
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006BA01
3E006CA01
3E006DA01
3E006DA03
3E006DB05
3E067AA11
3E067AB02
3E067AB08
3E067AC03
3E067BA02A
3E067BB17A
3E067BC06A
3E067BC07A
3E067CA18
3E067EA17
3E067EB17
3E067EB27
3E067EE50
3E067FA01
3E067FC01
3E067GA11
3E067GD01
(57)【要約】
【課題】軽量化やコンパクト化が容易な保温容器や梱包構造体を提供すること。
【解決手段】上部に開口を有する容器本体を備え、該容器本体が発泡樹脂で構成されている保温容器であって、前記容器本体が、底壁と、底壁の周縁部から上方に延びて上端部で前記開口を画定する周側壁とを有し、前記底壁の上面は、中央部の位置が外周部よりも高い保温容器を提供する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口を有する容器本体を備え、該容器本体が発泡樹脂で構成されている保温容器であって、
前記容器本体が、底壁と、底壁の周縁部から上方に延びて上端部で前記開口を画定する周側壁とを有し、
前記底壁の上面は、中央部の位置が外周部よりも高い保温容器。
【請求項2】
前記底壁がドーム形状を有している請求項1記載の保温容器。
【請求項3】
前記容器本体と嵌合し、該容器本体の前記開口を塞ぐ蓋体をさらに有し、
該蓋体として、外蓋と中蓋との内の何れか一方を少なくとも備え、
前記中蓋は、前記周側壁の内側に配されて前記開口を塞ぐように構成され、
前記外蓋は、前記周側壁の上端部が進入可能な溝部を下面側に有し、前記開口及び前記周側壁の上端部を上方から覆った状態で前記容器本体と嵌合するように構成されている請求項1又は2記載の保温容器。
【請求項4】
前記外蓋を備え、
該外蓋の前記溝部の断面形状と前記容器本体の上端部の断面形状とが何れも楔形である請求項3記載の保温容器。
【請求項5】
前記溝部の深さが、前記周側壁の上端部の進入寸法よりも深く、
前記外蓋と前記容器本体とが嵌合している状態において前記溝部の最深部と前記周側壁の上端部との間に空間部が備えられる請求項4記載の保温容器。
【請求項6】
前記楔形の断面形状を有する前記溝部は、容器内側の壁面が垂直面で容器外側の壁面が外方に向けて先下がりとなるテーパー面となっており、且つ、
前記周側壁の上端部も、容器内側の壁面が垂直面で容器外側の壁面が外方に向けて先下がりとなるテーパー面となっており、
前記外蓋と前記容器本体とが嵌合している状態において前記垂直面どうし、及び、前記テーパー面どうしが当接するように構成されている請求項4又は5記載の保温容器。
【請求項7】
前記容器本体に前記外蓋を嵌着した際に係合した状態となる係合用凹部と係合用凸部とが設けられ、
前記係合用凹部と前記係合用凸部との内の一方が前記溝部の前記垂直面に設けられ、他方が前記周側壁の前記垂直面に設けられている請求項6記載の保温容器。
【請求項8】
前記中蓋を備え、
該中蓋が、ドーム形状を有している請求項3記載の保温容器。
【請求項9】
前記容器本体には、把持可能な把持部が備えられ、
該容器本体には、前記周側壁の外周面において開口し、容器内方に向けて凹入した凹部が2つ並んで配され、該凹部の間が前記把持部となって備えられており、
該把持部を介して隣り合う2つの前記凹部のそれぞれが凹入方向に向かうにしたがって互いに接近する形状を有している請求項1乃至7の何れか一項に記載の保温容器。
【請求項10】
前記把持部の下端面が前記容器本体の接地面の一部を構成し、
該把持部が、前記容器本体の下端部より上方に延びて柱状となっている請求項9記載の保温容器。
【請求項11】
複数の保温容器が集合して一纏めになっている梱包構造体であって、
前記複数の保温容器が棒積みにされた容器集合体と、
該容器集合体を包囲するように前記容器集合体の外周部に当接されている複数のボード材と、
該ボード材を前記容器集合体に固定する固定具とを備え、
前記保温容器が、上部に開口を有する容器本体を備え、
該容器本体、及び、前記ボード材が発泡樹脂で構成されており、
前記容器本体は、底壁と、底壁の周縁部から上方に延びて上端部で前記開口を画定する周側壁とを有し、前記底壁の上面の中央部の位置が外周部よりも高い梱包構造体。
【請求項12】
前記容器集合体は、複数の前記保温容器が一列に積み上げられた容器列を複数備え、
複数の前記容器列は、前記容器集合体の前後左右の内の少なくとも一方向に並ぶように配されており、
前記ボード材が、前記一方向における両端の前記容器列に同時に当接可能な長さを有する請求項11記載の梱包構造体。
【請求項13】
前記容器本体は、前記周側壁の外周面において開口し、容器内方に向けて凹入した凹部を備え、前記容器集合体の外周部に前記凹部が位置するように配されており、
前記ボード材の少なくとも片面側には、前記凹部に突入可能な凸部が設けられている請求項11又は12記載の梱包構造体。
【請求項14】
前記容器集合体の外周部に複数の前記凹部が備えられ、
前記ボード材には、前記複数の凹部の内の一凹部と他凹部とに同時に突入可能な2つの前記凸部が設けられている請求項13記載の梱包構造体。
【請求項15】
高さ方向に並んでいる複数の前記保温容器のそれぞれが前記凹部を有し、
前記容器集合体の外周部には、前記凹部が高さ方向に一定間隔で備えられ、
前記ボード材には、高さ方向に並んだ複数の前記凹部の内の一凹部と他凹部とに同時に突入可能な2つの前記凸部が設けられている請求項14記載の梱包構造体。
【請求項16】
前記保温容器が、前記容器本体と嵌合して該容器本体の前記開口を塞ぐ外蓋をさらに有し、
該外蓋は、前記周側壁の上端部が進入可能な溝部を下面側に有し、前記開口及び前記周側壁の上端部を上方から覆った状態で前記容器本体と嵌合するように構成されており、
前記容器集合体は、前記容器本体のみを棒積みにした第1の状態と、それぞれの前記容器本体に前記外蓋を嵌着して棒積みにした第2の状態とで前記凹部が高さ方向に並ぶ間隔が異なり、
前記ボード材は、前記第1の状態と前記第2の状態との何れにおいても2つの前記凸部を前記一凹部と前記他凹部とに同時に突入可能である請求項15記載の梱包構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保温容器及び梱包構造体に関し、より詳しくは、上部に開口を有する容器本体を備えた保温容器及び複数の保温容器を備えた梱包構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
物流における商品の搬送は、該商品を段ボール箱などで梱包して行われている。段ボール箱のような荷物を搬送する際には、作業効率を高めるために、複数の箱を一纏めにして同時に移動できるようにパレットなどの上に複数個の荷物を積み重ねて一つの梱包構造体が作製される。
【0003】
複数の箱をパレット上に多段に積載する際には、一段目の箱の配列と二段目以降の配列とを同じにして上下方向に箱が一列となるような積み方を行う“棒積み”或いは“列積み”などと称される方法が採用されることがある。また、そのような方法とは別に、奇数段と偶数段とで箱の配列を異ならせる“レンガ積み”や“交互列積み”などの積載方法も多く採用されている。
【0004】
“レンガ積み”においては、同じ段で隣りどうしとなる二つの箱の境目の上に次の段の箱が載せられることになるので高さ方向に箱の境目が連続することはない。一方で“棒積み”による積載方法では、境目が高さ方向に連続するので、積み上げる高さを高くすると搬送時の振動などで上方の箱に大きな揺れが生じることになる。例えば、左右の寸法が前後の寸法の約1.5の直方体の箱を長手方向に2つ並べるとその長さが箱の短手方向の約3倍となるので、この2つ並んだ箱の横にこれらの箱とは方向が90度異なるように3つの箱を並べると、5つの箱が長方形を描くように配列されることになる。このような配列を1段目で行って、2段目以降は2つの箱と3つの箱との位置関係が下段と逆転するようにして箱を積み上げていくと揺れに強い集合体が形成されることになる。
【0005】
一方で、一段目と二段目以降の配列とを同じにすると、最終的に形成される集合体には、5つの個別の列が形成され、それぞれの列を構成している箱が隣の列の箱の動きに対する拘束力を持たなくなるので、集合体は横揺れなどに弱くなる。そのため、“棒積み”による梱包構造体を形成する際は、バンドやストレッチフィルムなどで箱の固定が行われたりしている。ただし、棒積み”の場合は、列単位で箱の移動が可能になり、荷積みや荷下ろしの作業性が良好になるという利点を有する。
【0006】
ところで、食品などの商品の物流現場では、発泡樹脂で構成された容器本体を備えた保温容器が広く用いられている。この種の保温容器としては、食品が載置される底壁と底壁の周縁部から立ち上る周側壁とを有し、該周側壁の上端部によって画定された開口を上部に有している容器本体を備えたものや、該容器本体と嵌合して前記開口を塞ぐ蓋体をさらに備えたものが知られている。
【0007】
このような蓋体を備えた保温容器などでは、個々の容器本体に蓋体を取付けて棒積みにすることも行われているが、蓋体を装着するのを最も上段の容器本体のみとし、それよりも下側では上に重ねる容器本体を下の容器本体の蓋体の代わりに利用して全体の積載高さを減少させるようなことも行われている。
【0008】
このような保温容器では、下記特許文献1に示すように、容器本体の下面側の外周部に上方に向けて凹入した溝を設け、下段の保温容器の周側壁の上端部や下段の保温容器の蓋体に設けた凸部を溝に進入させて上下の容器の間で横すべりが生じることを防止する工夫が施されたりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005-206246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような保温容器や該保温容器を用いて構成される梱包構造体に対しては、貨物自動車などへの搭載量や保管スペースなどの関係から、軽量でコンパクトであることが求められている。しかしながらそのような要望は、十分に満足されるようにはなっていない。そこで本発明は、軽量化やコンパクト化が容易な保温容器や梱包構造体の提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明は、
上部に開口を有する容器本体を備え、該容器本体が発泡樹脂で構成されている保温容器であって、
前記容器本体が、底壁と、底壁の周縁部から上方に延びて上端部で前記開口を画定する周側壁とを有し、
前記底壁の上面は、中央部の位置が外周部よりも高い保温容器、を提供する。
【0012】
本発明は、また、
複数の保温容器が集合して一纏めになっている梱包構造体であって、
前記複数の保温容器が棒積みにされた容器集合体と、
該容器集合体を包囲するように前記容器集合体の外周部に当接されている複数のボード材と、
該ボード材を前記容器集合体に固定する固定具とを備え、
前記保温容器が、上部に開口を有する容器本体を備え、
該容器本体、及び、前記ボード材が発泡樹脂で構成されており、
前記容器本体は、底壁と、底壁の周縁部から上方に延びて上端部で前記開口を画定する周側壁とを有し、前記底壁の上面の中央部の位置が外周部よりも高い梱包構造体、を提供する。
【発明の効果】
【0013】
従来の保温容器では底壁が水平となっており、収容物を収容した際にその荷重が底壁を下向きに撓ませるような力となって作用し易い。底壁に対して下向きに加わる力は周側壁に対して内向きに倒れ込む方向への力となって伝搬し周側壁に対しても撓みを発生させる要因となり得る。このような保温容器を積み上げると上からの荷重によって周側壁がさらに撓むことになりうる。そのため、水平な底壁を有していると保温容器の薄肉化を図ることが難しい。
【0014】
本発明によれば、底壁の中央部が外周部よりも高くなっているために、底壁に対して下向きに撓ませるような力が発生し難く、保温容器の薄肉化を図り得る。従って、本発明によれば、保温容器や梱包構造体の軽量化やコンパクト化が図られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、一実施形態の保温容器を示した斜視図である。
図2図2は、一実施形態の保温容器の構成を示した斜視図である。
図3図3は、保温容器(外蓋)を上方から見た様子を示す平面図である。
図4図4は、保温容器を下方から見た様子を示す平面図である。
図5図5は、保温容器を下方から見た様子を示す斜視図である。
図6図6は、一実施形態の容器本体を示した斜視図である。
図7図7は、垂直面で容器本体を長手方向に沿って切断した際の断面の様子を示した断面図(図6でのVII-VII線矢視断面図)である。
図8図8は、垂直面で容器本体を短手方向に沿って切断した際の断面の様子を示した断面図(図6でのIIX-IIX線矢視断面図)である。
図9図9は、水平面による容器本体の断面を示した断面図(図6でのIX-IX線矢視断面図)である。
図10図10は、容器本体の接地面の様子を示した概略図である。
図11図11は、一実施形態の外蓋を示した斜視図である。
図12図12は、垂直面で外蓋を長手方向に沿って切断した際の断面の様子を示した断面図(図11でのXII-XII線矢視断面図)である。
図13図13は、垂直面で外蓋を短手方向に沿って切断した際の断面の様子を示した断面図(図11でのXIII-XIII線矢視断面図)である。
図14図14は、容器本体に外蓋を装着した保温容器を積み重ねた様子を示した断面図である。
図15図15は、容器本体に中蓋を装着した保温容器を積み重ねた様子を示した断面図である。
図16図16は、一実施形態の梱包構造体を示した斜視図である。
図17図17は、梱包構造体の構成を示した斜視図である。
図18図18は、ボード材の一面側(梱包構造体での内向き面)の様子を示した斜視図である。
図19図19は、ボード材の他面側(梱包構造体での外向き面)の様子を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る保温容器及び梱包構造体の一実施形態について、図1から図19を参照しつつ説明する。図に示したように梱包構造体100は、複数の保温容器1で構成された容器集合体101を有している。以下においては、まず、図1図15を参照しつつ保温容器1について説明する。
【0017】
本実施形態の保温容器1は、収容物として商品(例えば、野菜、魚介類などの生鮮食品)を収容することができる箱形状に形成されている。本実施形態の保温容器1は、例えば、クラッシュアイスのような氷とともに商品を収容するような用途で用いられる。本実施形態の保温容器1は直方体形状を有する。本実施形態における保温容器1は、上部に開口1aを有する発泡樹脂製の容器本体10と、容器本体の開口を塞ぐ蓋体20とを備える。前記容器本体10は、底壁11と、該底壁11の周縁部より上方に筒状に延びてその上端部において前記開口1aを画定する周側壁(以下「本体周側壁12」ともいう)とを備える。
【0018】
本実施形態の保温容器1は、図1図2に示すように前記蓋体20として、外蓋21と、中蓋22とを含む複数の蓋体20を備えている。本実施形態の保温容器1は、外蓋21と中蓋22との内の何れか一方のみを有していてもよく、蓋体20を有していなくてもよい。前記中蓋22は、前記本体周側壁12の内側に配されて前記開口1aを塞ぐように構成されている。前記外蓋21は、前記本体周側壁12の上端部を収容可能な溝部を下面側に有し、前記開口1a及び前記本体周側壁12の上端部を上方から覆った状態で前記容器本体10と嵌合するように構成されている。本実施形態においては該蓋体20も発泡樹脂で構成されている。
【0019】
容器本体10や蓋体20を構成する発泡樹脂としては、特に限定されないが、例えば発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等の各種発泡樹脂が利用できる。容器本体10と蓋体20とを構成する発泡樹脂は、発泡倍率、発泡方法、樹脂の種類などが共通していても異なっていてもよい。前記容器本体10や前記外蓋21は、ビーズ発泡成形体であってもよい。前記中蓋22は、例えば、樹脂発泡シートや非発泡な樹脂シートを熱成形したシート成形体とすることができる。
【0020】
以下の説明は、保温容器1の長手方向Xを左右方向とし、保温容器の短手方向Yを前後方向とする。従って、本実施形態の前記保温容器1は左右方向に長く前後方向に短い横長な直方体形状を有している。尚、上下方向Z(高さ方向)については図示した状態を基準とする。
【0021】
前記容器本体10は、図1図11に示すように左右方向、前後方向のそれぞれにおいて対称形状である前記底壁11と前記本体周側壁12とを備える。以下、底壁11において、その上面は表面11aと称し、下面は裏面11bと称する。また、前記本体周側壁12において、容器外側の面は外周面12aと称し、容器内側の面は内周面12bと称する。
【0022】
前記底壁11は、四隅にアールを有する平面視矩形の平板状に形成されている。なお、底壁11の形状は、矩形以外の多角形(具体的には対向する二辺を有する多角形)などであってもよい。底壁11の表面11aは容器本体10の底面に相当し、収容物を支持する面である。図7図8に示すように、底壁11は、中央部が高くなるように隆起した状態になっている。底壁11の表面11aは、垂直方向での位置が中央部において高く外周部において低い。該表面11aは、曲面となっていて中央部が最も高く、前記本体周側壁12に近い外周部が最も低くなっている。
【0023】
底壁11の裏面11bは、表面11aと同様に中央部の位置が高く外周部が低い。底壁の表面11aが凸状の曲面であるのに対し底壁11の裏面11bは、凹状の曲面となっている。前記底壁11は、上面側が上方に向けて突出しているとともに下面側が上方に向けて凹入してドーム形状となっている。本実施形態の前記底壁11は、丸みを帯びたドーム形状となっているが、例えば、隆起形状が円錐台形状となっていてもよい。
【0024】
図5図10に示すように、該底壁11の裏面11bの内、本体周側壁12の下方に位置する部分は、容器本体10を正立状態に配置した際に接地面1bとなる。一方、本体周側壁12の内周面12bよりも内側(容器中央側)となる領域では、最外周の僅かな部分が接地面となるのみで大部分が接地面1bから浮き上がった状態となっている。
【0025】
容器本体10は、底壁11の中央部が高くなっていることで、収容物によって底壁11に加わる荷重を底壁11の周縁部に伝搬することができる。また、底壁11がそのように形成されていると保冷のために氷を用いたような場合に氷が解けて生じた水も容器内の周縁部側に移動させることができ、該水による荷重も周縁部に加えることができる。さらには収容物の水濡れ防止も図られる。
【0026】
上記のような機能をより確実に発揮させる上で、前記底壁11の裏面11bの中央部での接地面1bからの浮き上がり高さ(最大高さ:Hb(mm))は、一定以上であることが好ましい。例えば、前記容器本体10の短手方向(前後)の寸法(Ly(mm))に対する浮き上がり高さ(Hb(mm))の比率(Hb/Ly)は1%以上とすることができる。前記容器本体10の前後の寸法(Ly)に対する浮き上がり高さ(Hb)の比率は、2%以上であってもよく、3%以上であってもよく、7%以上であってもよい。前記容器本体10の長手方向(左右)の寸法(Lx(mm))に対する浮き上がり高さ(Hb(mm))の比率(Hb/Lx)は、0.5%以上とすることができる。前記容器本体10の左右の寸法(Lx)に対する浮き上がり高さ(Hb)の比率は、2%以上であってもよく、3%以上であってもよく、5%以上であってもよい。また、前記容器本体10の高さ方向の寸法(Lz(mm))に対する浮き上がり高さ(Hb(mm))の比率(Hb/Lz)は、1%以上とすることができる。前記容器本体10の高さ方向の寸法(Lz)に対する浮き上がり高さ(Hb)の比率(Hb/Lz)は、2%以上であってもよく、10%以上であってもよく、30%以上であってもよい。これらの数値は内容物の荷重や荷重分布により生じる側壁が内側方向に倒れこむ力の大小、多段積みの段数より好適な数値が適宜得られることとなる。
【0027】
容器本体10の内容積を広く確保する上では、前記容器本体10の前後の寸法(Ly)に対する浮き上がり高さ(Hb)の比率は、例えば、10%以下とすることができる。前記容器本体10の前後の寸法(Ly)に対する浮き上がり高さ(Hb)の比率は、9%以下であってもよく、8%以下であってもよい。前記容器本体10の左右の寸法(Lx)に対する浮き上がり高さ(Hb)の比率は、例えば、10%以下とすることができる。前記容器本体10の左右の寸法(Lx)に対する浮き上がり高さ(Hb)の比率は、9%以下であってもよく、8%以下であってもよい。前記容器本体10の高さ方向の寸法(Lz)に対する浮き上がり高さ(Hb)の比率(Hb/Lz)は、例えば、50%以下とすることができる。前記容器本体10の高さ方向の寸法(Lz)に対する浮き上がり高さ(Hb)の比率(Hb/Lz)は、40%以下であってもよく、35%以下であってもよい。浮き上がり高さ(Hb)の具体的な寸法としては、容器本体10の大きさ、内容物の重量にもよるが、通常、5mm以上60mm以下とされる。該寸法は15mm以上50mm以下であることが好ましい。
【0028】
容器本体10内で底壁11が隆起している隆起高さ(最大高さ:Ha(mm))は、浮き上がり高さ(Hb)として例示した値と同じような寸法とすることができる。即ち、中央部の隆起高さ(Ha)は、5mm以上60mm以下とすることができ、15mm以上50mm以下であることが好ましい。隆起高さ(Ha)と容器本体10の前後の寸法(Ly(mm))に対する比率(Ha/Ly)や左右の寸法(Lx(mm))に対する比率(Ha/Lx)、高さの寸法(Lz(mm))に対する比率(Ha/Lz)の具体的な数値についても、浮き上がり高さ(Hb)に対する比率(Hb/Ly,Hb/Lx,Hb/Lz)として例示した値と同じ値が採用され得る。尚、浮き上がり高さ(Hb)と隆起高さ(Ha)との具体的な寸法や前記比率の値は、それぞれ共通している必要はなく異なっていてもよい。
【0029】
底壁11の裏面11bは、浮き上がった状態となっている領域の外側が容器本体10の接地面1bとなっている。前記底壁11の裏面11b側には、前記本体周側壁12の下方に位置する部位が上方に向けて凹入し、この凹入した部位が底壁11の周縁部を周回する方向に延在して溝部(以下「本体溝部10b」ともいう)を構成している。該本体溝部10bは、前記本体周側壁12の上端部を進入させ得る形状を有している。従って、本実施形態の容器本体10は、図15に示すように、同じ形状の容器本体10を複数積み上げた際に下段の容器本体10の上端部と上段の容器本体10とが本体溝部10bで嵌合した状態となるように構成されている。本実施形態での本体溝部10bは、容器本体10を全周に亘って周回するような形状となっており、図5に示すように容器本体10を下面側から見た際の形状が矩形環状となるように備えられている。
【0030】
前記本体周側壁12は、底壁11の周縁部から上方に立ち上げられていることで、略矩形枠状に形成されている。本実施形態の本体周側壁12は、左右方向において対向するように配置された左側壁121及び右側壁122、並びに、前後方向において対向するように配置された前側壁123及び後ろ側壁124の4つの部位から構成されている。左右側壁121,122は、底壁の一対の短辺である左右の縁部から垂直方向に立ち上がっている。前後側壁123,124は、底壁11の一対の長辺である前後の縁部から垂直方向に立ち上がっている。この本体周側壁12により、その高さ方向端部である上端面が開口に一致する略直方体状の収容空間1cが形成される。前記本体周側壁12の上端部は、前記本体溝部10bに進入可能な形状を有している。
【0031】
本実施形態での前記本体周側壁12の上端部は、前記開口1aの外縁に沿って周回する方向と直交する平面によって切断した際の断面形状が楔形となっている。即ち、前記本体周側壁12の上端部は上方に向けて厚さが薄くなっている。上方に向けて薄肉となる前記本体周側壁12の上端縁は、C面取やR面取がされていてもよい。即ち、前記断面形状の楔形は、先端に平坦部や丸みを持っていてもよい。前記本体周側壁12の上端部は上方に向けて厚さが薄くなっていることで、該本体周側壁12の上端には、氷片などが載り難くなっており、容器本体10同士を重ね合わせる際や容器本体10に外蓋21を嵌着する際に異物が噛み込んでしまうことを防止することができる。
【0032】
本実施形態では、前記本体周側壁12の上端部は、容器内側の壁面が垂直面で容器外側の壁面が外方に向けて先下がりとなるテーパー面となって断面形状が楔形となっている。また、本実施形態では、前記本体周側壁12は、上端縁でC面取がされた状態になっており、上端面は水平面となっている。上端縁でC面取されていることで前記本体周側壁12には、欠けや亀裂などが生じ難くなっている。本体周側壁12での水平面の幅(厚さ方向における寸法)は、例えば、4mm以上8mm以下とされる。
【0033】
本実施形態においては前記本体溝部10bも同じく楔形の断面形状を有している。尚、後段において詳述するが、前記外蓋21に形成されている前記溝部(以下「外蓋溝部21a」ともいう)も前記本体溝部10bと共通する断面形状を有している。以下においては本体溝部10bの形状によって発揮される機能を説明するが、当該機能は外蓋溝部21aにおいても同様に発揮される。
【0034】
前記楔形の断面形状を有する前記本体溝部10bは、容器内側の壁面が垂直面で容器外側の壁面が外方に向けて先下がりとなるテーパー面となっている。前記の通り、前記本体周側壁12の上端部も、容器内側の壁面が垂直面で容器外側の壁面が外方に向けて先下がりとなるテーパー面となっている。そのため、本実施形態においては容器本体10同士を積み重ねた際に下段の容器本体10の本体周側壁12と上段の容器本体10の本体溝部10bとでは前記垂直面同士、及び、前記テーパー面同士が当接することとなる。
【0035】
前記垂直面同士が当接される位置において、本体溝部10bと本体周側壁12とには容器本体10同士を積み重ねた際に互いに係合し合う関係となる凹部と凸部とが設けられている。即ち、このような係合用凹部と係合用凸部との内の一方は、前記本体溝部10bの前記垂直面に設けられ、他方は前記本体周側壁12の前記垂直面に設けられている。本実施形態においては、前記本体周側壁12に係合用凹部12cが設けられ、前記本体溝部10bに係合用凸部11cが設けられている。
【0036】
係合用凸部11cは、点状に設けられても本体溝部10bの延在する方向に一定上の長さで連続した線状となるように設けられてもよい。係合用凹部12cについても点状に設けられても本体周側壁12を周回する方向に一定上の長さで連続した線状に設けられてもよい。本実施形態の係合用凸部11cは、前記本体溝部10bの全周に亘って連続するように設けられ、前記係合用凹部12cは本体周側壁12の全周に亘って連続するように設けられている。係合用凹部12cの突出寸法と係合用凸部11cの凹入寸法とは、例えば、それぞれ1mm程度とされる。
【0037】
本実施形態においては、前記の通り底壁11の表面11aの中央部を高くしていることで本体周側壁12に内側へ倒れ込む力が作用することを防いでいるが、上記のようにして容器本体10同士を積み重ねた際に前記テーパー面同士が当接するようにしていることでそのような効果がより顕著に発揮され得る。この点に関して説明すると、本実施形態では容器本体10同士を積み重ねた際に上段の容器本体10から下段の容器本体10に加えられる荷重が前記テーパー面に加えられる。テーパー面に加えられた力は、垂直面同士を強く密着させる力へと転化し、その反力が本体周側壁12に対して外向きに作用する。このことにより本体周側壁12が内側へ倒れ込むことが抑制される。また、上記作用は、容器本体10の気密性の向上にも寄与し、優れた保温性を発揮させるのにも寄与する。上記作用は、底壁11の裏面11bの形状が上向きに凹入した形状でなくても発揮される。即ち、底壁11の裏面11bがフラット(水平面)であっても同様の効果が得られる。表面11aと同様に裏面11bも中央部の位置が高く外周部が低くなるようにすることで収納効率を向上させることも可能となる。
【0038】
前記テーパー面の水平面に対する仰角は、例えば、45度以上とすることができる。該仰角は、47度以上であってもよく、50度以上であってもよい。該仰角は、例えば、80度以下とすることができる。該仰角は、75度以下であってもよく、72度以下であってもよい。
【0039】
前記本体周側壁12の内周面12b側には、図2図6に示すように高さ方向に延在するリブ12dが設けられ、複数の前記リブ12dが周方向に一定の間隔で設けられている。即ち、前記本体周側壁12の内周面12bは、周方向に凹凸を繰り返すような状態となっている。本実施形態においては該リブ12dによる補強効果が発揮されるため本体周側壁12の薄肉化が可能となっている。
【0040】
前記本体周側壁12の外周面12a側は、前記リブ12dは設けられておらず概ね平坦な形状となっている。前記本体周側壁12の下端側には、外周面12aに開口した凹部12eが、4つの側壁(左側壁121、右側壁122、前側壁123、後ろ側壁124)のそれぞれにおいて2つずつ横並びに並んで配されており、該凹部12eが合計8箇所に設けられている。各側壁に設けられている2つの凹部12eは、一方に片手の親指を挿入しつつ他方に中指や人差し指を挿入できる程度の距離を隔てて設けられている。即ち、該2つの凹部12eの間の部分は人の手で把持可能な把持部10dとなっている。
【0041】
図4図9に示すように、前記把持部10dを介して隣り合う前記2つの凹部12eのそれぞれは、凹入方向に向かうにしたがって互いに接近する形状を有している。言い換えると前記把持部10dは、容器内方から外方に向かうに従って幅が広くなる形状を有している。前記把持部10dの形成幅(外周面での幅)は、例えば、20mm~150mm程度とされ、前記凹部12eの深さは、例えば、10mm~30mm程度とされる。
【0042】
本実施形態では各凹部12eでそれぞれ5mm~15mm程度ずつ(合計10mm~30mm程度)把持部10dが広幅となっている。該把持部10dがこのような構造を有することで指先の掛かりが良好となって容器本体10の取り扱い性が良好となっている。例えば、複数の容器本体10を一列に積み重ねて容器列を構成させ、先下がりに配置されたローラーコンベアの上にこの容器列を搭載し、その重みによってローラーコンベアの上を自動的に滑らせて容器列を搬送するような場面では、前記把持部10dが無いと容器列の前方に回り込んで移動スピードを調整しなければならないが、本実施形態では、上記のような把持部10dを有することで移動方向後方からや側方からでも容器列を片手でしっかりと掴むことができ、移動速度を調整したり停止させたりすることが容易に行える。
【0043】
前記凹部12eは、底壁11まで延設されて接地面まで到達するように形成されている。本実施形態では前記把持部10dの下端面が前記容器本体10の接地面1bの一部を構成し、該把持部10dが、前記容器本体10の下端部より上方に延びて柱状となっている。そのため、本実施形態の前記本体周側壁12は、優れた耐荷重強度が発揮されるように構成されている。
【0044】
図7図10に示すように、前記本体周側壁12は、前記凹部12eに対応する箇所では、単に厚さが薄くなっているのではなく、前記凹部12eにおいても一定以上の厚さを確保すべく、内側に突出した形状を有している。従って、前記凹部12eの形成されている箇所での前記本体周側壁12の水平断面は、単純な矩形環形状ではなく、前記凹部12eの形成箇所で矩形環形状が一旦内側にオフセットするような形状を有している。このような断面形状を有することでも本実施形態の前記本体周側壁12は、優れた耐荷重強度が発揮されるように構成されている。
【0045】
本実施形態における前記外蓋21は、図3図12図13などに示されるように平面視における形状が容器本体10と同様の矩形状で、天井壁211と天井壁211の周縁部より垂下する周側壁(以下「外蓋周側壁212」ともいう)とを有する。前記外蓋21は、前記本体周側壁12の上端部が進入可能な外蓋溝部21aが前記外蓋周側壁212に備えている。即ち、前記外蓋溝部21aは、前記外蓋周側壁212の下端面を上方に向けて凹入させる形で設けられている。前記外蓋溝部21aは、前記本体溝部と同様に楔形の断面形状を有し、容器内側の壁面が垂直面で容器外側の壁面が外方に向けて先下がりとなるテーパー面となっている。前記外蓋溝部21aは、容器本体10に嵌着させた際に前記垂直面同士、及び、前記テーパー面同士が当接するように構成されている。
【0046】
前記外蓋溝部21aは、前記本体溝部10bと同じく断面形状が前記本体周側壁12の上端部と同じく楔形となっているもののその深さは、前記本体溝部10bよりも深くなっている。前記外蓋21と前記容器本体10とが嵌合している状態においては、前記外蓋溝部21aの最深部と前記本体周側壁12の上端部との間に空間部が備えられる。該空間部の垂直方向での寸法は、例えば、1mm以上とされ得る。該寸法は、1.5mm以上であってもよい。該寸法は、例えば、5mm以下とされ得る。
【0047】
前記外蓋溝部21aは、垂直面に係合用凸部21bを有している点においても前記本体溝部10bと共通している。従って、前記外蓋21と前記容器本体10とが嵌合している状態においては、前記本体周側壁12の上端部の垂直面に設けられた係合用凹部12cと当該係合用凸部21bとを係合させた状態とすることができる。該外蓋21に設けられている係合用凸部21bの突出高さも前記本体溝部10bに設けた係合用凸部11cと同じく1mm程度とされ得る。
【0048】
前記外蓋21の前記天井壁211は、前記底壁11と同様にドーム形状を有している。即ち、前記天井壁211は、上面が上方に向けて突出して凸状となる曲面であるのに対し下面が上方に向けて凹入した凹状の曲面となっている。該天井壁211の上面は、中央部分が周縁部よリも高く隆起した状態になっている。該隆起した部分の高さは、前記底壁11の浮き上がり高さよりも僅かに低くなっており、外蓋21の上に容器本体10を積み重ねた際に隆起部分が容器本体10の下面に強く当たらないようになっている。
【0049】
前記天井壁211は、上に容器本体10を積み重ねた際に前記本体溝部10bに進入する凸条21cを有している。該凸条21cは容器本体10の本体周側壁12の上端部と同様の断面形状を有する。本実施形態の前記凸条21cは、全周に亘って形成されてはおらず、外蓋21の四隅に配され、四隅の曲がり角からそれぞれ短辺方向と長辺方向とに延びて平面視における形状が鉤型(L字状)となっている。
【0050】
該外蓋21とともに蓋体20として本実施形態の保温容器1に備えられる前記中蓋22は、図2図15に示されているように前記容器本体10や外蓋21に比べて薄手のシート状の素材で構成されて弾性変形性に優れた状態となっている。そして、前記中蓋22は、前記開口1aよりも一回り大きな形状を有し、前記本体周側壁12の内側に押し込まれる形で内嵌合されるように構成されている。該中蓋22は、周縁部に溝部(以下、「中蓋溝部22a」ともいう)を有している。
【0051】
中蓋溝部22aは、上方から下方に向けて凹入し、中蓋22の外周縁部に沿って周回するように形成されている。平面視における前記中蓋溝部22aの形状は、矩形環状となっている。該中蓋溝部22aは中蓋22を構成するシート状の素材が外周部で一旦下方に折り曲げられた後にその外側で逆に上方に向けて折り返される形で成形加工されて備えられている。
【0052】
中蓋22は、中蓋溝部22aを有することで平面方向での寸法をある程度の範囲で変更可能(拡縮可能)となっている。中蓋22は、容器本体10内への押込時には、該中蓋溝部22aが狭幅となるように弾性変形し、該弾性変形に抗する復元力で容器本体10に係止されるように構成されている。本実施形態の中蓋22は、中心から外周縁までの寸法が、容器本体10の上部の開口1aの寸法に対して2mm~6mm大きくなるように形成されている。即ち、本実施形態の中蓋22は、左右方向や前後方向に4mm以上縮小させても元の形状に復元可能な弾性変形性を有している。中蓋22は、6mm以上の縮小に対して復元可能であってもよく、8mm以上の縮小に対して復元可能であってもよい。
【0053】
前記中蓋22の前記中蓋溝部22aよりも内側の領域は、ドーム形状となっており、前記外蓋21の下面に対応した形状を有している。該中蓋22の中央部には、当該中蓋22を把持するための把持部(以下、「中蓋把持部22b」ともいう)を有している。該中蓋把持部22bは、ドーム形状となっている中蓋中央部に2つの半円形の凹部を距離を隔てて設け、且つ、該凹部を半円の弦となる部分が内側で弧となる部分が外側となるように設けることで形成されている。
【0054】
前記中蓋22は、ドーム形状を有することで、例えば、容器本体10に収容物を収容した後にクラッシュアイスを収容物の上に載せたりした際に、当該クラッシュアイスを中央部に寄せ集める効果を発揮する。本実施形態の中蓋は、押込み深さをある程度自由に変更できるため、例えば、下面がクラッシュアイスに当接するまで位置を下げることができ、それよりもさらに位置を下げるとドーム形状部分でのクラッシュアイスの積載高さを高くすることができる。このことにより、本実施形態の保温容器1は、クラッシュアイスが溶けきるまでの時間を長期化させることができる。
【0055】
本実施形態の保温容器1は、上記のような中蓋22を有することで保温性に優れ、しかも、クラッシュアイスの持ちを良好にすることから、容積を小さくしてクラッシュアイスの収容量を減量しても従来と同等の保温性能を発揮し得る。本実施形態の保温容器1は、容器本体10に嵌着される蓋体20として外蓋21と中蓋22とを含む複数の蓋体20を有し、且つ、複数の蓋体20がそれぞれ単独で容器本体10に嵌着可能であることで、図14図15に示すように荷姿を変更することができ、収容物の種類や求められる保温状態に応じて臨機応変に対応可能である。
【0056】
本実施形態の保温容器1は、強度に優れ、且つ、保温性に優れることから容積を小さくしたり、各所の厚さを従来の保温容器に比べて薄くすることができ、軽量、且つ、コンパクトなものとなり得る。また、本実施形態の保温容器1は、以下に示すような梱包構造体を形成することで、上記のような効果がより顕著に発揮され得る。
【0057】
以下に、前記保温容器1を用いた梱包構造体100について図16図19を参照しつつ説明する。
本実施形態の梱包構造体100では、図16図17に示すように、複数の保温容器1が集合して一纏めになっている。本実施形態の梱包構造体100は、パレット500などに積載されて容易に搬送することができる。
【0058】
梱包構造体100は、複数の保温容器1が棒積みにされた容器集合体101と、該容器集合体を包囲するように前記容器集合体101の外周部に当接されている複数のボード材102と、該ボード材102を前記容器集合体101に固定する固定具とを備えている。本実施形態では、該固定具として複数本のバンド103を有している。
【0059】
前記容器集合体101は、保温容器1が6段重ねとなった容器列101aを1又は2以上備えている。前記容器集合体101は、複数の前記保温容器1が一列に積み上げられた容器列101aを複数備え、複数の前記容器列101aは、前記容器集合体101の前後左右の内の少なくとも一方向に並ぶように配されている。本実施形態での容器集合体101は、6つの容器列101aで構成されておいる。容器集合体101は、6つの容器列101aが容器本体10の側壁どうしを当接させるように集合されて四角柱状の全体形状を有している。即ち、本実施形態の容器集合体101では、左右方向に2つの容器列101aが並び、前後方向に3つの容器列101aが並ぶように配列されている。
【0060】
前記ボード材102は、図18図19に示すように発泡樹脂で構成された矩形板である。該ボード材は、前後左右に並んだ複数の容器列101aの内、両端の前記容器列101aに同時に当接可能な長さを有する。即ち、本実施形態では、容器集合体101の各側面を1枚のボード材102で覆うことができるようになっている。尚、本実施形態では、各側面を2枚のボード材102で覆っている。各側面を覆うのに用いるボード材102の枚数は、保温容器1の積み上げ個数(高さ)に応じて適宜変更可能である。
【0061】
本実施形態では容器集合体101の一つの側面を複数のボード材102で覆う場合に、ボード材102同士の位置決めを図る目的で、一つの辺に凹凸が形成されている。本実施形態では、平面視矩形の突出部102aと平面視矩形の凹入部102bとがボード材102の一つの辺に形成されている。そして、この1つの辺での輪郭線は、この辺の長さ方向中間点を中心に180度回転したときに元の形状に重なり合うようになっている。即ち、本実施形態のボード材102は、同じ形状のボード材をもう一枚用意し、凹凸が形成されている辺どうしを突き合わせるようにして並べた際には、互いの突出部102aが相手側の凹入部102bに進入するような関係性を示すものとなっている。尚、このような関係性を発揮させる上において突出部102aと凹入部102bとの形状は矩形以外であってもよく、三角形や半円形などであってもよい。また、突出部102aと凹入部102bとは、一つの辺にそれぞれ2以上設けられてもよい。さらには、このような突出部102aと凹入部102bとは、複数の辺に設けてもよく、全ての辺に設けてもよい。
【0062】
前記ボード材102の左右の2辺には、前記バンド103を掛け回す位置を明示すべく表面側の角に面取りが施された面取部102cが形成されている。
【0063】
本実施形態のボード材102は、発泡樹脂で構成されているため、必要に応じてカッターナイフなどで切断して幅方向での寸法や高さ方向での寸法を容易に調整することができる。また、本実施形態のボード材102は、予め形成されている面取部102cとは別の箇所で角を落として新たに面取部102cを形成させることもできる。
【0064】
前記ボード材102は、平面方向外向きに突出した突出部102aを有するだけでなく、厚さ方向に突出した凸部102dも有している。該凸部102dは、前記ボード材102の片面側にのみ設けられている。前記凸部102dは、ボード材102の片面側に複数設けらており、本実施形態においては4箇所に設けられている。4箇所に設けられている前記凸部102dは、突出部102aの形成された辺が上縁となるようにボード材102立てた状態にして正面から見た際に、それらを結ぶ直線が長方形とその対角線とを描くように配置されている。そして、図18に示すように、上側の2つの凸部102d1は、下側の2つの凸部102d2よりもサイズが小さくなっている。
【0065】
本実施形態での前記容器本体10は、前記本体周側壁12の外周面において開口し、容器内方に向けて凹入した凹部12eが、各側壁(左側壁121、右側壁122、前側壁123、後ろ側壁124)に2つずつ横並びに配されている。そのため、本実施形態の容器集合体101では、その外周部に複数の前記凹部12eが位置している。ボード材102の前記凸部102dは、この凹部12eに進入可能な形状を有している。この凹部12eに進入可能な凸部102dがボード材102に設けられていることで、本実施形態においては容器集合体101に対するボード材102の位置決めが容易となり得る。
【0066】
本実施形態の容器集合体101の4つの側面では、高さ方向と左右の方向又は高さ方向と前後方向とに一定間隔で凹部12eが配列された状態になっている。4箇所に設けられている前記凸部102dは、ボード材102を容器集合体101の側面に当接させる際に複数の凹部12eに同時に進入できるように配置されている。4箇所に設けられている前記凸部102dの内、上下の位置関係となる2つの凸部102dを一対とした場合、この一対の凸部102dは、同じ容器列101aの別の保温容器1の凹部12eに進入し、別の一対の凸部102dは、別の容器列101aで同様に凹部12eに進入できるように配されている。
【0067】
前記容器集合体101の外周部に複数の前記凹部12eが備えられ、前記ボード材102に前記複数の凹部12eの内の一凹部と他凹部とに同時に突入可能な2つの前記凸部102dが設けられていることで、容器集合体101に対するボード材102の位置決めがより確実なものとなり得る。そして、高さ方向に並んでいる複数の前記保温容器1のそれぞれが前記凹部12eを有し、前記容器集合体101の外周部には、前記凹部12eが高さ方向に一定間隔で備えられ、前記ボード材102には、高さ方向に並んだ複数の前記凹部12eの内の一凹部と他凹部とに同時に突入可能な2つの前記凸部102dが設けられていることで、容器集合体101に対するボード材102の位置決めがさらに確実なものとなり得る。また、このような構成を有することで、ボード材102によって容器列101aの揺れが抑制されることになる。
【0068】
本実施形態では、図17に示すように、容器集合体101を構成する全ての保温容器1を容器本体10に外蓋21を嵌着させた状態のものとしたが、前記容器集合体101は、前記容器本体10のみを棒積みにした第1の状態と、それぞれの前記容器本体10に前記外蓋21を嵌着して棒積みにした第2の状態とに変更可能である。前記ボード材102は前記第1の状態と前記第2の状態との何れにおいても2つの凸部102dを一凹部と他凹部とに同時に突入可能であることが好ましい。
【0069】
本実施形態においては、上側の凸部102d1を下側の凸部102d2よりも小さくすることでそのようなことを可能にしている。より詳しくは、上側の凸部102d1は、高さ方向での寸法が下側の凸部102d2よりも小さくなっている。
【0070】
上側の凸部102d1の高さ方向での寸法をh1(mm)、下側の凸部102d2の高さ方向での寸法をh2(mm)とし、第1の状態での凹部12eの間隔(P1(mm))と第2の状態での凹部12eの間隔(P2(mm))との差をΔP(P2-P1)とした場合。下側の凸部102d1の侵入する凹部12eを備えた保温容器1のn個上の保温容器1の凹部12eに上側の凸部102d1を進入させる場合、例えば、以下の条件式(1)を満たすようにすれば前記ボード材102が、前記第1の状態と前記第2の状態との何れにおいても2つの凸部102dを同時に2つの凹部12eに突入可能となる。
h1 ≦(h2-n×ΔP)・・・(1)
【0071】
前述のように本実施形態においては、前記ボード材102が発泡樹脂製でカッターナイフなどで容易に加工できるため、上側の凸部102d1と下側の凸部102d2とを同形状にしておいて容器集合体101側での凹部12eの位置に合わせて凸部102dの形状を加工するようにしてもよい。
【0072】
本実施形態においては、容器列101aが互いに接した状態で容器集合体101が構成され、しかも、この容器集合体101の周囲を断熱性に優れた発泡樹脂製の前記ボード材102が包囲することから、優れた保温状態で収容物の保管や搬送が可能となる。尚、本実施形態においては、容器集合体101を覆ったボード材102に複数本のバンド103を巻き掛けて容器列101aを束ねた状態にさせているので、ボード材102と容器列101aとの密着性が高まるとともに容器列101a同士の密着性も向上されている。したがって、隙間に外気が入り込んで保温性を低下させるようなことが起きにくくなっている。
【0073】
以上の通り、本実施形態の保温容器1は、上部に開口1aを有する容器本体10を備え、該容器本体10が発泡樹脂で構成されている保温容器であって、前記容器本体10が、底壁11と、底壁11の周縁部から上方に延びて上端部で前記開口1aを画定する周側壁12とを有し、前記底壁11の上面(表面11a)は、中央部の位置が外周部よりも高い。
【0074】
また、上記の通り、本実施形態の梱包構造体100は、複数の保温容器1が集合して一纏めになっている梱包構造体であって、前記複数の保温容器1が棒積みにされた容器集合体101と、該容器集合体101を包囲するように前記容器集合体101の外周部に当接されている複数のボード材102と、該ボード材102を前記容器集合体101に固定する固定具とを備え、前記保温容器1が、上部に開口1aを有する容器本体10を備え、該容器本体10、及び、前記ボード材102が発泡樹脂で構成されており、前記容器本体10は、底壁11と、底壁11の周縁部から上方に延びて上端部で前記開口1aを画定する周側壁12とを有し、前記底壁11の上面(表面11a)の中央部の位置が外周部よりも高い。
【0075】
上記のようなことから、本実施形態においては、保温容器1内での保温材の収容量の減量や、保温容器1の薄肉化が可能になり、保温容器1や梱包構造体100の軽量化やコンパクト化が図られ得る。
【0076】
本実施形態の保温容器1は、前記底壁11がドーム形状を有していてもよい。
その場合、本実施形態では更なる軽量化が図られるとともに収容効率を向上させる効果が更に発揮され得る。
【0077】
本実施形態の保温容器1は、前記容器本体10と嵌合し、該容器本体10の前記開口1aを塞ぐ蓋体20をさらに有し、該蓋体20として、外蓋21と中蓋22との内の何れか一方を少なくとも備え、前記中蓋22は、前記周側壁12の内側に配されて前記開口1aを塞ぐように構成され、前記外蓋21は、前記周側壁12の上端部が進入可能な溝部(外蓋溝部21a)を下面側に有し、前記開口1a及び前記周側壁12の上端部を上方から覆った状態で前記容器本体10と嵌合するように構成されていてもよい。
【0078】
本実施形態の保温容器1は、前記外蓋21を備え、該外蓋21の前記溝部(外蓋溝部21a)の断面形状と前記容器本体10の上端部の断面形状とが何れも楔形であってもよい。
その場合、容器本体10への外蓋21の嵌着時に氷などの異物が噛み込みにくくなる。
【0079】
本実施形態の保温容器1は、前記溝部(外蓋溝部21a)の深さが、前記周側壁12の上端部の進入寸法よりも深く、前記外蓋21と前記容器本体10とが嵌合している状態において前記溝部(外蓋溝部21a)の最深部と前記周側壁12の上端部との間に空間部が備えられるようにしてもよい。
その場合、容器本体10への外蓋21の嵌着がより確実に行われ得る。
【0080】
本実施形態の保温容器1では、前記楔形の断面形状を有する前記溝部(外蓋溝部21a)は、容器内側の壁面が垂直面で容器外側の壁面が外方に向けて先下がりとなるテーパー面となっており、且つ、前記周側壁12の上端部も、容器内側の壁面が垂直面で容器外側の壁面が外方に向けて先下がりとなるテーパー面となっており、前記外蓋21と前記容器本体10とが嵌合している状態において前記垂直面どうし、及び、前記テーパー面どうしが当接するようになっていてもよい。
その場合、周側壁12の上端部に内向きの力が掛かることで周側壁12の高さ方向中央部には外向きの力が働き、結果として、当該周側壁12は、荷重に対して内側に倒れ込み難くなり得る。
【0081】
本実施形態の保温容器1は、前記容器本体10に前記外蓋21を嵌着した際に係合した状態となる係合用凹部と係合用凸部とが設けられ、前記係合用凹部と前記係合用凸部との内の一方が前記溝部の前記垂直面に設けられ、他方が前記周側壁の前記垂直面に設けられていてもよい。
その場合、容器本体10への外蓋21の嵌着がより確実に行われ得る。
【0082】
本実施形態の保温容器1は、前記中蓋を備え、該中蓋が、ドーム形状を有していてもよい。
その場合、収容スペースを広く確保することができる。
また、その場合、内部に氷などを収容した際に、氷を中央部に集めやすくなって当該氷の持ちがよくなる。
【0083】
本実施形態の保温容器1は、前記容器本体10に、把持可能な把持部10dが備えられ、該容器本体10には、前記周側壁12の外周面において開口し、容器内方に向けて凹入した凹部12eが2つ並んで配され、該凹部12eの間が前記把持部10dとなって備えられており、該把持部10dを介して隣り合う2つの前記凹部12eのそれぞれが凹入方向に向かうにしたがって互いに接近する形状を有していてもよい。
その場合、把持部10dの両脇の凹み12eが把持部10dの裏側に回り込むように形成されているため該把持部10dをしっかりと掴むことができるようになる。
【0084】
本実施形態の保温容器1は、前記把持部10dの下端面が前記容器本体10の接地面1bの一部を構成し、該把持部10dが、前記容器本体10の下端部より上方に延びて柱状となっていてもよい。
その場合、把持部10dが柱状であることで、保温容器1が積層荷重に対して優れた強度を発揮し得る。
【0085】
本実施形態の梱包構造体100は、上記のような保温容器1を用いることで軽量化やコンパクト化が図られ得るだけでなく積み上げられた保温容器1を包囲する発泡樹脂製のボード材102を備えるため保温容器1の荷崩れが防止できるとともに更に優れた保温性が発揮され得る。
【0086】
本実施形態の梱包構造体100では、前記容器集合体101は、複数の前記保温容器1が一列に積み上げられた容器列101aを複数備え、複数の前記容器列101aは、前記容器集合体101の前後左右の内の少なくとも一方向に並ぶように配されており、前記ボード材120が、前記一方向における両端の前記容器列に同時に当接可能な長さを有していてもよい。
その場合、一枚のボード材102が複数の容器列101aの保温に利用でき、効率的な保温が行われ得る。
【0087】
本実施形態の梱包構造体100では、前記容器本体10は、前記周側壁12の外周面において開口し、容器内方に向けて凹入した凹部12eを備え、且つ、前記容器集合体101の外周部に前記凹部12eが位置するように配されていてもよく、前記ボード材102の少なくとも片面側に前記凹部12eに突入可能な凸部102dが設けられていてもよい。
その場合、前記ボード材102を前記容器集合体101にセットする際に前記凸部102dを前記凹部12eに突入させることができ、前記容器集合体101への前記ボード材102の位置決めが容易となるとともに前記容器集合体101にセットした前記ボード材102の位置ずれが抑制され得る。
【0088】
本実施形態の梱包構造体100では、前記容器集合体101の外周部に複数の前記凹部12eが備えられ、前記ボード材102には、前記複数の凹部12eの内の一凹部と他凹部とに同時に突入可能な2つの前記凸部102dが設けられていてもよい。
その場合、前記容器集合体101への前記ボード材102の位置決めがより確実なものとなり得る。
【0089】
本実施形態の梱包構造体100は、高さ方向に並んでいる複数の前記保温容器1のそれぞれが前記凹部12eを有し、前記容器集合体101の外周部には、前記凹部12eが高さ方向に一定間隔で備えられ、前記ボード材102には、高さ方向に並んだ複数の前記凹部12eの内の一凹部と他凹部とに同時に突入可能な2つの前記凸部102dが設けられていてもよい。
その場合、前記容器集合体101の上下方向での前記ボード材102の取付位置が変更可能となり得る。
【0090】
本実施形態の梱包構造体100では、前記保温容器1が、前記容器本体10と嵌合して該容器本体10の前記開口1aを塞ぐ外蓋21をさらに有し、該外蓋21は、前記周側壁12の上端部が進入可能な溝部(外蓋溝部21a)を下面側に有し、前記開口1a及び前記周側壁12の上端部を上方から覆った状態で前記容器本体10と嵌合するように構成されていてもよい。
そして、前記容器集合体101は、前記容器本体10のみを棒積みにした第1の状態と、それぞれの前記容器本体10に前記外蓋21を嵌着して棒積みにした第2の状態とで前記凹部12eが高さ方向に並ぶ間隔が異なり、前記ボード材102が、前記第1の状態と前記第2の状態との何れにおいても2つの前記凸部102dを前記一凹部と前記他凹部とに同時に突入可能であってもよい。
その場合、ボード材102は、第1の状態と、第2の状態とで共用できることとなり、利便性が向上される。
【0091】
尚、本実施形態においては保温容器1や梱包構造体100として上記のような例示を行っているが本発明は上記例示に何等限定されるものではない。
【符号の説明】
【0092】
1:保温容器、1a:開口
10:容器本体、11:底壁、12:本体周側壁(周側壁)、12e:凹部
20:蓋体、21:外蓋、22:中蓋、
100:梱包構造体、101:容器集合体、101a:容器列、102:ボード材、102d:凸部、103:バンド(固定具)
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