(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109730
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】装飾品、装飾部材および装飾品セット
(51)【国際特許分類】
B44F 1/06 20060101AFI20220721BHJP
A47G 1/17 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
B44F1/06
A47G1/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005197
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】辻口 翔太郎
【テーマコード(参考)】
3B111
【Fターム(参考)】
3B111CC01
3B111CE04
(57)【要約】
【課題】これまでにない新規な装飾品、そのような装飾品用の装飾部材および装飾品セットを提供する。
【解決手段】第1面と、その反対側の第2面と、を有する第1透明板と、前記第1透明板における第1位置に配置され、前記第1面側がS極であり、前記第2面側がN極である第1マグネットと、前記第1透明板の中心に対して前記第1位置と点対称となる第2位置に配置され、前記第1面側がN極であり、前記第2面側がS極である第2マグネットと、を備える装飾部材が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾部本体と、少なくとも第1~第3の装飾部材と、を備え、
前記装飾部本体は、
第1面と、その反対側の第2面と、を有する第1透明板と、
前記第1面および前記第2面に貼り付けられた、表面に複数の微細な突起が設けられた透明な第1シートと、を有し、
前記第1~第3の装飾部材のそれぞれは、
第3面と、その反対側の第4面と、を有し、前記第3面の縁は前記第4面の縁の内側にあり、前記第3面の縁と前記第4面との間に傾斜面が設けられた、前記第1透明板より小さな第2透明板と、
前記第4面に貼り付けられた、表面に複数の微細な突起が設けられた透明な第2シートと、
前記第2透明板における第1位置に配置され、前記第3面から突出しており、突出した側がS極で、前記第4面側がN極である第1マグネットと、
前記第2透明板の中心に対して前記第1位置と点対称となる第2位置に配置され、前記第3面から突出しており、突出した側がN極で、前記第4面側がS極である第2マグネットと、を有し、
前記第1装飾部材は、前記第1透明板の第1面に貼り付けられた第1シートに、前記第1装飾部材の第3面から突出した第1マグネットおよび第2マグネットが接するよう配置され、
前記第2装飾部材は、前記第1透明板の第2面に貼り付けられた第1シートに、前記第2装飾部材の第3面から突出した第1マグネットおよび第2マグネットが接し、かつ、前記第1装飾部材の第1マグネットと、前記第2装飾部材の第2マグネットとが対向するよう配置され、
そのような前記第1装飾部材および前記第2装飾部材の配置ならびに前記第1シートの存在によって、前記第1透明板を挟んで前記第1装飾部材と前記第2装飾部材とが固定されており、
前記第3装飾部材は、前記第2装飾部材の第4面に貼り付けられた第2シートに、前記第3装飾部材の第3面から突出した第1マグネットおよび第2マグネットが接し、かつ、前記第2装飾部材の第1マグネットと、前記第3装飾部材の第1マグネットとが対向するよう配置され、
そのような前記第2装飾部材および前記第3装飾部材の配置ならびに前記第2シートの存在によって、前記第3装飾部材が前記第2装飾部材に固定されている、装飾品。
【請求項2】
第1面と、その反対側の第2面と、を有する第1透明板と、
前記第1透明板における第1位置に配置され、前記第1面側がS極であり、前記第2面側がN極である第1マグネットと、
前記第1透明板の中心に対して前記第1位置と点対称となる第2位置に配置され、前記第1面側がN極であり、前記第2面側がS極である第2マグネットと、を備える装飾部材。
【請求項3】
前記第2面に貼り付けられた、表面に複数の微細な突起が設けられた透明な第1シートを備える、請求項2に記載の装飾部材。
【請求項4】
前記第1マグネットおよび前記第2マグネットは、前記第1面から突出している、請求項2または3に記載の装飾部材。
【請求項5】
前記第1面の縁は前記第2面の縁の内側にあり、
前記第1透明板は、前記第1面の縁と前記第2面との間に設けられた傾斜面を有する、請求項4に記載の装飾部材。
【請求項6】
装飾部本体と、請求項2乃至5のいずれかに記載の複数の装飾部材と、を備え、
前記装飾部本体は、
第3面と、その反対側の第4面と、を有する第2透明板と、
前記第3面および前記第4面に貼り付けられた、表面に複数の微細な突起が設けられた透明な第2シートと、を有する、装飾品セット。
【請求項7】
第2透明板の第1面と、その反対側の第2面と、に貼り付けることが可能な、表面に複数の微細な突起が設けられた透明な第2シートと、
請求項2乃至5のいずれかに記載の複数の装飾部材と、を備える、装飾品セット。
【請求項8】
前記複数の装飾部材における第1装飾部材を、前記第2透明板の第3面に前記第1装飾部材の第1マグネットおよび第2マグネットが対向するよう配置し、
前記複数の装飾部材における第2装飾部材を、前記第2透明板の第4面に前記第2装飾部材の第1マグネットおよび第2マグネットが対向し、かつ、前記第1装飾部材の第1マグネットと、前記第2装飾部材の第2マグネットとが引き合うように配置することによって、前記第2透明板を挟んで前記第1装飾部材と前記第2装飾部材とを固定させることが可能であり、
前記複数の装飾部材における第3装飾部材を、前記第2装飾部材の第2面に前記第3装飾部材の第1マグネットおよび第2マグネットが対向し、かつ、前記第2装飾部材の第1マグネットと、前記第3装飾部材の第1マグネットとが引き合うように配置することによって、前記第2装飾部材と前記第3装飾部材とを固定させることが可能である、請求項6または7に記載の装飾品セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾品、装飾部材および装飾品セットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、平板状の色付きのアクリル樹脂からなる合成樹脂材と、この裏面に貼着したマグネット材から構成される有色タイルとを並べることにより、個人の好み等に応じて形状を自由に選択できる組み合わせ鏡が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでにない新規な装飾品、そのような装飾品用の装飾部材および装飾品セットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、装飾部本体と、少なくとも第1~第3の装飾部材と、を備え、前記装飾部本体は、第1面と、その反対側の第2面と、を有する第1透明板と、前記第1面および前記第2面に貼り付けられた、表面に複数の微細な突起が設けられた透明な第1シートと、を有し、前記第1~第3の装飾部材のそれぞれは、第3面と、その反対側の第4面と、を有し、前記第3面の縁は前記第4面の縁の内側にあり、前記第3面の縁と前記第4面との間に傾斜面が設けられた、前記第1透明板より小さな第2透明板と、前記第4面に貼り付けられた、表面に複数の微細な突起が設けられた透明な第2シートと、前記第2透明板における第1位置に配置され、前記第3面から突出しており、突出した側がS極で、前記第4面側がN極である第1マグネットと、前記第2透明板の中心に対して前記第1位置と点対称となる第2位置に配置され、前記第3面から突出しており、突出した側がN極で、前記第4面側がS極である第2マグネットと、を有し、前記第1装飾部材は、前記第1透明板の第1面に貼り付けられた第1シートに、前記第1装飾部材の第3面から突出した第1マグネットおよび第2マグネットが接するよう配置され、前記第2装飾部材は、前記第1透明板の第2面に貼り付けられた第1シートに、前記第2装飾部材の第3面から突出した第1マグネットおよび第2マグネットが接し、かつ、前記第1装飾部材の第1マグネットと、前記第2装飾部材の第2マグネットとが対向するよう配置され、そのような前記第1装飾部材および前記第2装飾部材の配置ならびに前記第1シートの存在によって、前記第1透明板を挟んで前記第1装飾部材と前記第2装飾部材とが固定されており、前記第3装飾部材は、前記第2装飾部材の第4面に貼り付けられた第2シートに、前記第3装飾部材の第3面から突出した第1マグネットおよび第2マグネットが接し、かつ、前記第2装飾部材の第1マグネットと、前記第3装飾部材の第1マグネットとが対向するよう配置され、そのような前記第2装飾部材および前記第3装飾部材の配置ならびに前記第2シートの存在によって、前記第3装飾部材が前記第2装飾部材に固定されている、装飾品が提供される。
【0006】
本発明の別の態様によれば、第1面と、その反対側の第2面と、を有する第1透明板と、前記第1透明板における第1位置に配置され、前記第1面側がS極であり、前記第2面側がN極である第1マグネットと、前記第1透明板の中心に対して前記第1位置と点対称となる第2位置に配置され、前記第1面側がN極であり、前記第2面側がS極である第2マグネットと、を備える装飾部材が提供される。
【0007】
前記第2面に貼り付けられた、表面に複数の微細な突起が設けられた透明な第1シートを備えてもよい。
【0008】
前記第1マグネットおよび前記第2マグネットは、前記第1面から突出していてもよい。
【0009】
前記第1面の縁は前記第2面の縁の内側にあり、前記第1透明板は、前記第1面の縁と前記第2面との間に設けられた傾斜面を有してもよい。
【0010】
本発明の別の態様によれば、装飾部本体と、上記の複数の装飾部材と、を備え、前記装飾部本体は、第3面と、その反対側の第4面と、を有する第2透明板と、前記第3面および前記第4面に貼り付けられた、表面に複数の微細な突起が設けられた透明な第2シートと、を有する、装飾品セットが提供される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、第2透明板の第1面と、その反対側の第2面と、に貼り付けることが可能な、表面に複数の微細な突起が設けられた透明な第2シートと、上記の複数の装飾部材と、を備える、装飾品セットが提供される。
前記複数の装飾部材における第1装飾部材を、前記第2透明板の第3面に前記第1装飾部材の第1マグネットおよび第2マグネットが対向するよう配置し、前記複数の装飾部材における第2装飾部材を、前記第2透明板の第4面に前記第2装飾部材の第1マグネットおよび第2マグネットが対向し、かつ、前記第1装飾部材の第1マグネットと、前記第2装飾部材の第2マグネットとが引き合うように配置することによって、前記第2透明板を挟んで前記第1装飾部材と前記第2装飾部材とを固定させることが可能であり、前記複数の装飾部材における第3装飾部材を、前記第2装飾部材の第2面に前記第3装飾部材の第1マグネットおよび第2マグネットが対向し、かつ、前記第2装飾部材の第1マグネットと、前記第3装飾部材の第1マグネットとが引き合うように配置することによって、前記第2装飾部材と前記第3装飾部材とを固定させることが可能であるのがよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図5A】装飾部本体1と装飾部材2の配置の一例を説明するための概略正面図。
【
図5B】装飾部本体1と装飾部材2の配置の一例を説明するための概略側面図。
【
図6A】装飾部本体1と装飾部材2の配置の別の例を説明するための概略正面図。
【
図6B】装飾部本体1と装飾部材2の配置の別の例を説明するための概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0014】
図1は、一実施形態に係る装飾品の例を示す図である。装飾品は、装飾部本体1と、その両面に固定された複数の装飾部材2とを備えている。まずは、装飾部本体1および装飾部材2についてそれぞれ説明する。
【0015】
図2Aおよび
図2Bは、それぞれ、装飾部本体1の概略正面図および概略側面図である。装飾部本体1は、アクリル板11(透明板)と、スタンド12と、透明シート13a,113bとを有する。なお、
図2B等では分かりやすさのためにアクリル板11および透明シート13a,13bを厚く描いている。
【0016】
アクリル板11は複数の装飾部材2が固定されるものである。アクリル板11は装飾部材2より大きければよく、形状に特段の制限はないが、例えば矩形である。また、アクリル板11は、その存在が目立たないよう、無色透明であるのが望ましい。
【0017】
スタンド12はアクリル板11を鉛直方向に保持する。一例として、スタンド12は、底面12aと、底面12aから鉛直上向きに伸びる鉛直面12bとを有する。鉛直面12bには上端から下向きのスリット12cが形成されており、このスリット12cにアクリル板11を嵌めることでアクリル板11が保持される。スタンド12もアクリル製であり、無色透明であるのが望ましい。なお、他の手法でアクリル板11を保持する場合、スタンド12を設けなくてもよい。
【0018】
透明シート13a,13bは表面に複数の微細な突起が設けられたシートである。そして、透明シート13aはアクリル板11の一方の面11aに貼り付けられ、透明シート13bはアクリル板11の反対側の面11bに貼り付けられる。ここで、透明シート13a,13bは同じものであってよく、以下代表して透明シート13aについて説明する。
【0019】
図3は、透明シート13aの概略断面図である。透明シート13aは、透明な樹脂製の基材131と、その表面に形成された多数の微細な突起132とを有する。突起132は、基材131に近いほど鉛直方向断面が大きく、かつ、アスペクト比(底面の直径に対する高さの比)が1以上の概略円錐形状であってよい。そして、隣接する突起132のピッチは可視光未満(例えば250nm以下)である。透明シート13aとして、例えば三菱ケミカル社製のモスアイ型高機能フィルム「モスマイト」(登録商標)を用いることができる。
【0020】
本実施形態では、このような突起132が設けられることで、アクリル板11における光の反射が抑えられて透明度が高くなること、および、表面の摩擦が大きくなることを利用する。
【0021】
図4Aおよび
図4Bは、それぞれ、装飾部材2の概略正面図および概略側面図である。装飾部材2は、アクリル板21(透明板)と、透明シート22と、マグネット23a,23bとを有する。
【0022】
アクリル板21の形状や大きさに特に制限はないが、装飾性を高めるべく有色透明(特に蛍光色)であるのが望ましい。また、互いにアクリル板21の色が異なる装飾部材2があるのがより望ましい。色を重ねることで立体的な見え方を実現できるためである。
【0023】
そして、
図4Aに示すように、アクリル板21は、一方側の面(
図4Aの一点鎖線で示す面、以下、便宜上「下面」という)21aより反対側の面(
図4Bの実線で示す面、以下、便宜上「上面」という)21bの方が大きい。例えば、アクリル板21の形状は、下面21aは一辺が約20mmの概略正方形、上面21bは一辺が約17mmの概略長方形、厚さは約1mmとすることができる。正面から見ると、下面21aの縁は上面21bの内側にある。そして、
図4Bに示すように、アクリル板21には、下面21aの縁と上面21bの縁との間に傾斜面21cが設けられる。もちろん、アクリル板21は概略正方形に限らず、円形その他任意の形状であってよい(特に点対称の形状が望ましい)。
【0024】
透明シート22は表面に複数の微細な突起が設けられたシートであり、アクリル板21の上面21bに貼り付けられる。この透明シート22も
図3に示すものであってよく、やはり「モスマイト」(登録商標)を用いることができる。
【0025】
マグネット23aの形状や大きさに特に制限はないが、あまり目立たないよう大きすぎないのがよく、例えば断面の直径が約3mmの円柱形状とするのがよい。マグネット23aはアクリル板21の中心ではない所定の位置(例えば、対角線上であって、その中心が上面21bの縁から約4.5mmの位置)に配置されている。より具体的には、アクリル板21の当該位置に穴が形成され、その穴にマグネット23aが嵌められる。そして、穴は下面21a側に貫通しており、マグネット23aの先端は下面21aから1mm程度突出している。一方、マグネット23aは上面23b側には貫通していないのが望ましい。上面23b側に貫通してしまうと、マグネット23aの色や質感がそのまま見えてしまうためである。そして、マグネット23aの突出した側(下面21a側)がS極、その反対側(上面21b側)がN極となっている。
【0026】
マグネット23bの形状や大きさに特に制限はないが、マグネット23aと同一形状とするのがよい。マグネット23bは、アクリル板21の中心に対して点対称となる位置に配置されている。また、マグネット23aと同様、マグネット23bもアクリル板21の当該位置に穴が形成され、その穴に嵌められる。望ましくは、穴は下面21a側にのみ貫通しており、マグネット23bの先端は下面21aから1mm程度突出している。そして、マグネット23aとは逆に、マグネット23bの突出した側(下面21a側)がN極、その反対側(上面21b側)がS極となっている。
【0027】
マグネット23a,23bの配置位置および極性をこのような入れ違い構造(いわゆる「テレコ」)にすることで、後述するように複数の装飾部材2を配置する際に、一種類のみの装飾部材2で足りることとなり、製造コストを抑えられる。
【0028】
図5Aおよび
図5Bは、それぞれ、装飾部本体1と装飾部材2の配置の一例を説明するための概略正面図および概略側面図である。以下、
図5Aおよび
図5Bに示される3つの装飾部材2を装飾部材2A~2Cとして互いに区別する。
図5Aに示すように、正面から見ると、装飾部材2A~2Cは重なって配置されている。
図5Bに示す装飾部材2A,2Bは以下のように配置される。
【0029】
装飾部材2Aの下面21aは装飾部本体1のアクリル板11の面11aに貼り付けられた透明シート13aに対向する。より具体的には、装飾部材2Aの下面21aから突出したマグネット23a,23bが装飾部本体1の透明シート13aに接する。
【0030】
装飾部材2Bの下面21aは装飾部本体1のアクリル板11の面11bに貼り付けられた透明シート13bに対向する。より具体的には、装飾部材2Bの下面21aから突出したマグネット23a,23bが装飾部本体1の透明シート13bに接する。
【0031】
そして、装飾部本体1を介して、装飾部材2Aのマグネット23aと装飾部材2Bのマグネット23bとが対向し、装飾部材2Aのマグネット23bと装飾部材2Bのマグネット23aとが対向する。
【0032】
このような配置により、装飾部材2Aのマグネット23aにおけるS極と、装飾部材2Bのマグネット23bにおけるN極とが引き合う。また、装飾部材2Aのマグネット23bにおけるN極と、装飾部材2Bのマグネット23aにおけるS極とが引き合う。したがって、装飾部本体1のアクリル板11を介して装飾部材2A,2Bが互いに引き合う。そして、アクリル板11の両面に貼り付けられた透明シート13a,13bによって摩擦が生じ、装飾部材2A,2Bが滑り落ちることなく固定される。なお、装飾部材2が軽量である場合には、透明シート13a,13bの一方または両方を省略してもよい。
【0033】
透明シート13a,13bを貼り付けることによってアクリル板11の透明度が高くなるため、あたかも装飾部材2A,2Bが浮いているように見える。
また、
図5Bに示す装飾部材2B,2Cは以下のように配置される。
【0034】
装飾部材2Cの下面21aは装飾部材2Bの上面21bに貼り付けられた透明シート22に対向する。より具体的には、装飾部材2Cの下面21aから突出したマグネット23a,23bが装飾部材2Bの透明シート22に接する。
【0035】
そして、装飾部材2Cのマグネット23aと装飾部材2Bのマグネット23aとが対向し、装飾部材2Cのマグネット23bと装飾部材2Bのマグネット23bとが対向する。
【0036】
このような配置により、装飾部材2Cのマグネット23aにおけるS極と、装飾部材2Bのマグネット23aにおけるN極とが引き合う。また、装飾部材2Cのマグネット23bにおけるN極と、装飾部材2Bのマグネット23bにおけるS極とが引き合う。したがって、装飾部材2B,2Cが互いに引き合う。そして、装飾部材2Bの透明シート22によって摩擦が生じ、装飾部材2B,2Cが滑り落ちることなく固定される。なお、装飾部材2が軽量である場合には、透明シート22を省略してもよい。
【0037】
ここで、マグネット23a,23bが装飾部材2の下面21aから突出しており、また、上面21bより下面21aの方が小さいと、一度配置した装飾部材2を取り外しやすくなり、扱いが容易である。
【0038】
図6Aおよび
図6Bは、それぞれ、装飾部本体1と装飾部材2の配置の別の例を説明するための概略正面図および概略側面図である。
図6Aに示すように、正面から見ると、装飾部材2A~2Cは斜めにずれて配置されている。
【0039】
図5Aおよび
図5Bでは、装飾部本体1を挟んで、1つの装飾部材2Aにおける2つのマグネット23a,23bと、他の装飾部材2Bにおける2つのマグネット23b,23aがそれぞれ互いに引き合うものであった。これに対し、
図6Aおよび
図6Bに示すように、1つの装飾部材2Aにおける1つのマグネット23aのみと、他の装飾部材2Bにおける1つのマグネット23bのみとが互いに引き合うよう、装飾部材2A,2Bを配置してもよい。
【0040】
この場合、装飾部材2Aにおけるマグネット23bと、また別の装飾部材2(不図示)におけるマグネット23aとが引き合うよう、装飾部本体1を挟んで別の装飾部材2を配置してもよい。
【0041】
また、
図5Aおよび
図5Bでは、1つの装飾部材2Bにおける2つのマグネット23a,23bと、他の装飾部材2Cにおける2つのマグネット23a,23bが互いに引き合うものであった。これに対し、
図6Aおよび
図6Bに示すように、1つの装飾部材2Bにおける1つのマグネット23aのみと、他の装飾部材2Cにおける1つのマグネット23aのみとが互いに引き合うよう、装飾部材2B,2Cを配置してもよい。
【0042】
この場合、装飾部材2Bにおけるマグネット23bと、また別の装飾部材2(不図示)におけるマグネット23bとが引き合うよう、装飾部材2Bの上面21b側に別の装飾部材2を配置してもよい。
【0043】
以上の
図5Aおよび
図5Bあるいは
図6Aおよび
図6Bに示すようにして装飾部本体1の両面に任意に装飾部材2を配置していくことで、
図1に示すような装飾品となる。装飾部材2のマグネット23a,3bを入れ違いに配置することで、装飾部材2の表と裏とがずれることなく配置可能となる。
【0044】
なお、
図1に示すように装飾部材2を配置済の装飾品を製造販売してもよいし、装飾部本体1のみ、装飾部材2のみ、あるいは、装飾部本体1と装飾部材2のセットで製造販売してもよい。また、既存のアクリル板11に透明シート13を貼り付けることを想定し、透明シート13と装飾部材2とをセットとしてもよい。この場合、透明シート13は丸まった状態から伸ばしても丸まった癖がつきにくいことから、透明シート13をロール状に巻いて提供してもよい。
【0045】
本装飾品の用途は多岐にわたる。例えば、所望のトレードマークとなるよう装飾部材2を配置して店の装飾としたり、客を誘導する矢印形状となるよう装飾部材2を配置してサインとしたりするなど、従来のネオンサインのような使用法が可能である。また、感染症対策として飲食店のテーブルに設けられる間切りとして本装飾品を用いることもできる。
【0046】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
【符号の説明】
【0047】
1 装飾部本体
11 アクリル板
12 スタンド
13a、13b 透明シート
2,2A~2C 装飾部材
21 アクリル板
21a 下面
21b 上面
22 透明シート
23a,23b マグネット